JPH091463A - オンラインロール研削用研削体 - Google Patents

オンラインロール研削用研削体

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JPH091463A
JPH091463A JP15044495A JP15044495A JPH091463A JP H091463 A JPH091463 A JP H091463A JP 15044495 A JP15044495 A JP 15044495A JP 15044495 A JP15044495 A JP 15044495A JP H091463 A JPH091463 A JP H091463A
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寛治 林
Shozo Yokota
省三 横田
Yukio Hiasa
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ロールへの砥石層の外側及び内側両方の片当
りの発生を確実に防止することを主要な目的としたもの
である。 【構成】 円盤状台金2の周縁寄り表面部に環状の砥石
層5を装着形成すると共に、上記円盤状台金2の砥石層
装着部2cが、円盤状台金の周縁部を支持点とし、円盤
状台金の本体部2bとの間に横方向の溝型間隙4を隔て
て内周側へ張り出す平板リング状に構成されたことを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オンラインロール研削
用研削体に関する。すなわち、圧延機に装着して使用さ
れるオンラインロール研削装置用の研削体に関する。
【0002】
【従来の技術】圧延機に装着して使用されるオンライン
ロール研削装置の研削体01として、従来、図12に示
すように回転駆動される円盤状台金02の周縁寄りの表
面部に環状のカップ型砥石層03を装着形成したものが
知られている。また、この円盤状台金02を薄板で構成
し、この円盤状台金02に研削時圧力で撓みを生じるよ
うにし、研削時にカップ型砥石層03の表面をロール面
に沿って接触させるようにしたもの等が知られている
(特開平6−320431号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図6に示すように、オ
ンラインロール研削装置10は、ロール11に向かって
配置され、ロール11の軸方向に往復移動し且つ研削体
を回転しながら高速回転するロール11の表面を研削す
るように設けられる。また、研削装置10の軸心10a
は、ロール11の軸心11aと同じ高さか、または、一
定距離上下にずれた高さ、つわゆる、オフセット高さH
にセットし、更に、研削装置10の軸心10aはロール
11の軸心11aと直角な線10bに対して角度α、例
えば、0.5°だけ水平方向に傾けてセットして設ける
(以下、この傾き角αを砥石押付角度と呼ぶ)。
【0004】しかるに、このような研削装置10による
ロール11の研削では、しばしば、研削装置10の砥石
層03の表面前幅がロール面に接触しないで、砥石層0
3の外周端又は内周端がロール面に片当たりする現象を
生じる。その原因は、主として前記研削装置10のオフ
セット誤差ΔH及び砥石押付角度角度誤差Δαによるも
のと考えられる。
【0005】図7は、ロール11と研削体01のオフセ
ット高さHを示す断面図、図8は図7の状態でオフセッ
ト高さをH=0又は50mmとしてロール11の研削を
行った時の砥石磨耗量δと砥石回転半径rの関係を示す
図である。一例として、砥石層03の内径を90mm、
外径を120mm、砥石層03の幅を30mmとする
と、図8に示すようち、砥石層03は内径部から外径部
へほぼ直線状にδだけ傾斜して磨耗し、オフセット値H
=0の場合とH=50mmのと場合とでは、磨耗量δに
Δδの差(誤差)を発生する。
【0006】他方、圧延機のロール11は圧延運転での
ロールの圧延部が磨耗し、ロール面に段差を生じる。ロ
ール面を平滑にするためには研削装置10でオンライン
ロール研削を行うと、オール11の系は徐々に減少して
ゆく。研削装置10のオフセット高さHを一定に保ち、
他方で径が減少した上下対のワークロール間のギャップ
を一定に保つと、研削装置10の軸心10aとロール1
1の軸心11aのオフセット高さHに対するオフセット
誤差ΔHが増加する。
【0007】図9は、オフセット誤差ΔHと、砥石層0
3の磨耗量δの誤差Δδの関係を示す。オフセット誤差
ΔHの増加は、これに比例して砥石層03の磨耗量δの
誤差Δδの増大をもたらし、この増大した磨耗量誤差Δ
δが後述するオンライン研削時の研削体01のロール面
への片当たり現象を生じる原因となる。
【0008】図9では、このオフセット誤差ΔHの増加
に起因する磨耗量δの誤差Δδの増加分を「片当り量」
として示した。また、図10では、平面で見た、砥石押
付角度αでロール11に押し付けられる研削10の研削
体01を示すものである。この砥石押付角度αは、ロー
ル11反を支持する軸受部(ロールチョック)のチョッ
クライナー誤差や研削装置の移動支持機構の変形等に起
因して誤差Δαを生じる。
【0009】図11は、この砥石押付角度誤差Δαと、
砥石層03の磨耗量δの誤差Δδとの関係を示す。砥石
押付角度誤差Δαは、前記チョックライナー誤差量(m
m)と比例関係で示すことができ、この押付角度誤差Δ
α及びチョックライナー誤差の増減に比例して砥石磨耗
量δの誤差Δδ(すなわち片当り量)が増減する。そし
て、砥石押付角度誤差Δαは、研削装置に設定した砥石
押付角度α、例えば、0.5°を増加させる側に発生し
た時は、砥石層04の外側の片当りを消磁させ、砥石押
付角度αを減少させる側に発生した時には、砥石層03
の内側に片当りを生じさせる。
【0010】オンラインロール研削において、このよう
な片当り状態でのロール研削が発生すると、砥石の接触
幅が変わり、研削能力が変わり、研削装置をロール軸心
方向へ一定速度で移動していると螺旋状に溝切り研削す
ることとなる。これを避けるためには、片当り研削の発
生時に研削装置10の平行送り速度を遅く調整するな
ど、能率ダウンを生じ、且つ研削の精度が低下するのは
避けられない。
【0011】図12に示す従来の研削体は、このような
片当り現象が発生した時、片当り状態を解消するため
に、研削体01の薄板円盤状台金02の撓み変形によっ
て砥石層03を全幅でロール11と接するようにするこ
とを意図したものであるが、それにも係わらず以下に述
べるように、片当り状態でのロール研削が行われる不具
合を解消することができない。即ち、図13(a)に示
すように、研削体01の砥石層03が内側端で片当りし
た状態で、研削装置10がロール11に押し付けられる
と、薄板円盤状台金02撓みで砥石層03の外周端が押
し戻されて、砥石層03の内側端がロール11に近づ
き、図13(b)に示すように、この箇所の砥石層03
の全幅が、ロール11と接する状態となる。
【0012】他方、図13(c)に示すように、研削体
01の砥石層03が内側端で片当りした状態で、研削装
置10がロール11に押し付けられると、図13(d)
に示すように、薄板円盤状台金02の撓みは、砥石層0
3の外側端側をロール11の表面から離す方向へ移動さ
せる結果となり、この内側片当り状態を解消できない。
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、
ロールへの砥石層の外側及び内側両方の片当りの発生を
確実に防止することを主要な目的としたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】斯かる目的を達成する本
発明は、円盤状台金の周縁寄り表面部に環状の砥石層を
装着形成すると共に、上記円盤状台金の砥石層装着部
が、円盤状台金の周縁部を支持点とし、円盤状台金の本
体部との間に横方向の溝型間隙を隔てて内周側へ張り出
す平板リング状に構成されたことを特徴とする。
【0014】
【作用】オンラインロール研削装置の研削体がロール面
に押し付けられたとき、砥石層の外側端が先にロール面
と接した場合には、横方向の溝型間隙を隔てた円盤状台
金本体部の端側が撓んで、この箇所を砥石幅全体がロー
ルに接するようになり、反対に砥石層の内側端が先にロ
ール面と接した場合には、外側端で円盤状台金本体周縁
部に支持して内側に張り出した砥石層取付部の内側が横
方向の溝型間隙内へ撓み変形することにより、この箇所
の砥石幅全体がロールに接するようになる。従って、オ
ンラインロール研削運転中、オフセット誤差ΔH、押付
角度誤差Δαの発生に係わりなく、砥石層のロールへの
接触箇所では常に砥石の全幅をロールに接触させること
ができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明について、図面に示す実施例を
参照して詳細に説明する。
【0016】〔実施例1〕 ・構成 図1に本発明の第1の実施例に係るオンラインロール研
削用の研削体を示す。同図に示すように、研削体1は、
研削装置の筒型回転部3の先端部に固定されている。研
削体1は、全体がほぼ環状の円盤状台金2と、環状の砥
石層5とから構成される。
【0017】円盤状台金2は、筒型回転部3の先端部に
固定する取付部2aと、外側に延びる本体部2bと、本
体部2bの周縁端を支持点として連続し本体部2bとの
間に横方向の溝型隙間4を隔てて内側に張り出す平板リ
ング状の砥石層取付部2cとから構成されている。砥石
層5は、円盤状台金2の周縁寄り表面部である砥石層取
付部2cに装着形成したものである。砥石層取付部2c
の平板リング状部の幅、この砥石層取付部2c上に装着
される砥石層5の幅及び高さは適宜設計されて良い。
【0018】・作用効果 図2に示すように、研削体1を砥石押付角度αでロール
面に押し付け、砥石層5の外側が先にロール11の表面
に接触した場合には、図中で実線で示すように、砥石層
5の外側端がロール11の表面に接した後、更に、研削
体1を押し付けると、図中一点鎖線で示すように、円盤
状台金2の本体部2bの外周側が下曲げ状態に撓んで変
形し、砥石層5の幅全体がロール11の表面に接触した
状態となり、砥石層5の幅分のロール面研削がなされ
る。
【0019】図3に示すように、研削体1を砥石押付角
度αでロール面に押し付け、砥石層5の内側が先にロー
ル11の表面に接触した場合には、図中で実線で示すよ
うに、砥石層5の内側端がロール11の表面に接した
後、更に、研削体1を押し付けると、図中一点鎖線で示
すように、平板リング状の砥石層取付部2cの内周端が
ロール11の表面より下向きに溝型間隙4内に押し込ま
れる状態に撓んで変形し、砥石層5の幅全体がロール1
1の表面に接触した状態となり、砥石層5の幅分のロー
ル面研削が行われる。
【0020】・実験結果 本実施例の研削体1について上述したロール研削を行っ
た結果を図4に示す。また、従来の研削体について同様
のロール研削を行った結果も図4に比較例として示す。
図中、横軸は片当り後の撓み量(μm)、縦軸は、撓み
量に対応する偏荷重(kgf),内側及び外側として示
した線は、本実施例及び従来例のそれぞれにおいて、砥
石層5の内側端が接触した後砥石層5の全幅が接触した
時の片当り解消までの荷重値と撓み量及び砥石層5の外
側端が接触した後砥石層5の全幅が接触した時の片当り
解消までの荷重値と撓み量を示す。
【0021】図4から判るように、従来の研削体01の
場合には、砥石層が外側から片当りした時には、その後
の研削体の撓み変形で砥石層の全幅接触に至るが、砥石
層の内周が片当りした場合には、砥石層を善は場で接触
させるための力が作用せず、点線部で示したように、砥
石層の全幅接触が出来ない。これに対し、本実施例の研
削体1は、砥石層5の内側が片当りした時及び砥石層5
の外側が片当りした時の何れも、その後の研削体1の撓
み変形で、砥石層5の全幅接触を達成することができ
る。
【0022】〔実施例2〕 ・構成 図5に本発明の第2の実施例に係るオンラインロール研
削用の研削体を示す。同図に示すように、本実施例で
は、平板リング状の砥石取付部2cを中央部で本体部2
bの外周端に連続させて支持し、平板リング状の砥石取
付部2cの研削体1の内側へ延びる半分を横方向の溝型
間隙を隔てて本体部2b上に対峙させた構成である。そ
の他の構成は、前述した実施例と同様である。砥石層取
付部2cの平板リング状部の幅、この砥石取付部2c上
に装着される砥石層5の幅及び高さは適宜設計されて良
い。
【0023】・作用効果 本実施例では、砥石層取付部2cを中間部で本体部2b
の外周縁に支持しているため、ロール11に研削体1を
設定された押付角度αで押し付けた場合に、砥石層取付
部2c上に設けた砥石層5の外周がロール11と片当り
したとき及び砥石層5の内側がロール11と片当りした
ときの砥石層取付部2cの撓みが、ほぼ同一の偏荷重で
対称に発生し、従って、一定の押し付け荷重で砥石層5
を片当り状態から全幅接触状態へと作用させることがで
きる。
【0024】
【発明の効果】以上、実施例に基づいて具体的に説明し
たように、本発明では、オンラインロール研削装置の研
削体を、円盤状台金の周縁寄り表面部に環状の砥石層を
装着形成すると共に、上記円盤状台金の砥石層装着部
を、円盤状台金の周縁部を支持点とし、円盤状台金の本
体部との間に横方向の溝型間隙を隔てて内周側へ張り出
す平板リング状に構成したことにより、研削装置のオフ
セット誤差、砥石押付誤差等に起因する片当り状態での
ロール研削の発生を確実に且つ有効に解消し、オンライ
ンロール研削の精度と能力を高める効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るオンラインロール
研削用の研削体の断面図である。
【図2】図1中のII部を拡大して、外側片当り状態時の
撓み変形を示す説明図である。
【図3】図1中のII部を拡大して、内側片当り状態時の
撓み変形を示す説明図である。
【図4】本発明の第1の実施例の研削体及び従来の研削
体に対してロール研削実験を行った結果を比較して示す
グラフである。
【図5】本発明の第2の実施例に係るオンラインロール
研削用の研削体の断面図である。
【図6】オンラインロール研削の基本機能を示す概略斜
視図である。
【図7】図6中のVII-VII矢視図である。
【図8】砥石磨耗量δと研削装置のオフセット値Hとの
関係を示すグラフである。
【図9】オフセット誤差ΔHと片当り量Δδ(磨耗量の
誤差の増加分)の関係を示すグラフである。
【図10】図6中のX−X矢視の水平断面図である。
【図11】砥石押付角度誤差Δαと片当り量Δδとの関
係を示すグラフである。
【図12】従来のオンラインロール研削用研削体の縦断
面図である。
【図13】従来のオンラインロール研削用研削体に係
り、同図(a)(b)が外側片当り時の研削体の撓み変
形を示す断面図、同図(c)(d)が内側片当り時の研
削体の撓み変形を示す断面図である。
【符号の説明】
1 研削体 2 円盤状台金 2a 取付部 2b 本体部 2c 砥石層取付部 3 筒型回転部 4 溝型間隙 5 砥石層 10 研削装置 10a 軸心 10b ロール軸心と直角な線 11 ロール 11a ロール軸心 H オフセット値 α 砥石押付角度

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円盤状台金の周縁寄り表面部に環状の砥
    石層を装着形成すると共に、上記円盤状台金の砥石層装
    着部が、円盤状台金の周縁部を支持点とし、円盤状台金
    の本体部との間に横方向の溝型間隙を隔てて内周側へ張
    り出す平板リング状に構成されたことを特徴とするオン
    ラインロール研削用研削体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0978354A2 (en) 1998-08-05 2000-02-09 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Grinding body for on-line roll grinding
JP2006142472A (ja) * 2004-10-19 2006-06-08 Kurenooton Kk オンラインロール研削用カップ状砥石
JP2012006099A (ja) * 2010-06-23 2012-01-12 Nippon Resibon Corp 回転弾性砥石の補強パッド及びパッドによる補強構造

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