JPH09145672A - ガスセンサ素子 - Google Patents

ガスセンサ素子

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JPH09145672A
JPH09145672A JP7307487A JP30748795A JPH09145672A JP H09145672 A JPH09145672 A JP H09145672A JP 7307487 A JP7307487 A JP 7307487A JP 30748795 A JP30748795 A JP 30748795A JP H09145672 A JPH09145672 A JP H09145672A
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electrode
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ヒーター基板とガス検知部間の接合不良の発生
確率が小さく、ヒーター基板からガス検知部への熱伝導
性に優れたガスセンサ素子を提供する。 【手段】両面にそれぞれ作用極と参照極とが形成された
固体電解質層と、両面にそれぞれヒーターと導電性物質
が形成されたセラミックス板とが、固体電解質層の参照
極とセラミック板の導電性物質が接するように積層され
てなり、該セラミックス板の導電性物質は、固体電解質
層の積層面よりも外にはみ出すように形成されていて、
固体電解質層を積層した状態においてその平面部の一部
が露出しており、露出した導電性物質からリード線が導
出されてなるガスセンサ素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、作用極、固体電解
質層、参照極(以上3つを備えたものを以下、単に「ガ
ス検知部」とも言う)、片面にヒーター、他面に導電性
物質が形成されたセラミックス板(以下、単に「ヒータ
ー基板」とも言う)よりなる新規な構造のガスセンサ素
子に関する。
【従来の技術】従来より、様々な分野における雰囲気中
の二酸化炭素、窒素酸化物、硫黄酸化物などの無機ガス
濃度の測定は、燃焼制御や環境計測などのデータに利用
されてきた。かかる無機ガスの測定には、赤外線吸収
式、紫外線吸収式あるいは化学発光式など種々の分析手
法が主に採用されてきたが、装置が大型、高価でメンテ
ナンスが必要であるといった問題が指摘されていた。こ
れらの装置に対して、小型、簡便で安価なガスセンサ素
子として、固体電解質の起電力変化を利用した固体電解
質型ガスセンサ素子が提案されている。該センサ素子
は、一般に、イオン導電性の固体電解質層、電子伝導性
物質よりなる参照極、被検出ガスと解離平衡を有する金
属塩(以下、単に「金属塩」とも言う)と電子伝導性物
質よりなる作用極から構成される。図2は従来の代表的
なガスセンサ素子の断面図である。このガスセンサ素子
は、固体電解質層6の両面に一対の電極層5、7を形成
し、その一方の電極層7上に被検出ガスとの間で解離平
衡を有する金属塩8を設けた構造である。このセンサ素
子において、電極層5が参照極として、電極層7と金属
塩8を備えたものが作用極として構成されている。更
に、参照極となる電極層5にはヒーター2を形成したセ
ラミックス板3の、ヒーター2を形成していない面が接
着剤4によって接合されている。また、電極層5、7か
らはリード線10が導出されており、電圧計9に接続さ
れている。該ガスセンサ素子を用いての被検出ガス濃度
を測定する機構を以下に簡単に説明する。ヒーター2に
より加熱したガスセンサ素子を被測定ガスを含む雰囲気
中に放置すると、固体電解質層6を介した電池が形成さ
れ、電極層5、7間には被検出ガス濃度に応じたある一
定の起電力が発生する。放置した雰囲気中の被検出ガス
濃度が変化すると、金属塩8と被測定ガスとの間での解
離平衡反応がある方向に平衡に達するまで進行すること
により、電極層7付近での固体電解質層6の可動イオン
濃度に変化が生じる。この濃度変化は起電力変化として
現れるため、その際の起電力を電圧計9で測定し、予め
作成しておいた起電力と被検出ガス濃度との相関を示す
検量線を用いて被検出ガス濃度を知ろうとするものであ
る。
【発明が解決しようとする課題】前述した従来のガスセ
ンサ素子では、ヒーター基板とガス検知部との接合部か
らリード線が導出されているために、図3に示した接合
部の拡大断面図のように、電極層5上には断面が円形の
リード線10が存在し、ヒーター基板はガス検知部に対
してリード線の直径分だけ斜めに接合されてしまうこと
となる。この結果、ヒーター基板とガス検知部間での接
合不良が発生したり、ヒーター基板とガス検知部の間に
発生する空間によりヒーター基板からガス検知部への熱
伝導が阻害されるといった問題があった。従って、ヒー
ター基板とガス検知部間の接合不良の発生確率が小さ
く、ヒーター基板からガス検知部への熱伝導に優れた構
造を有するガスセンサ素子の開発が望まれていた。
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる問題
を解決し、ヒーター基板とガス検知部との接合性が向上
し、熱伝導性に優れたガスセンサ素子について研究を重
ねた。その結果、ヒーター基板のヒーターが形成された
面と反対側の面に導電性物質を形成させ、ヒーター基板
の導電性物質とガス検知部の参照極とが接するようにこ
れらを積層させ、平面部の一部を露出させた該導電性物
質からリード線を導出することにより、ヒーター基板と
ガス検知部との接合性が著しく向上して熱伝導が効率的
になり、その結果として製品歩留の向上とガスセンサ素
子間の加熱温度のばらつき低減、さらには初期起電力の
安定化時間を短縮することが可能となり、本発明を提案
するに至った。即ち、本発明は、両面にそれぞれ作用極
と参照極とが形成された固体電解質層と、両面にそれぞ
れヒーターと導電性物質が形成されたセラミックス板と
が、固体電解質層の参照極とセラミック板の導電性物質
が接するように積層されてなり、該セラミックス板の導
電性物質は平面部の一部が露出しており、露出した導電
性物質からリード線が導出されてなるガスセンサ素子で
ある。
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に従って
詳細に説明するが、本発明はこれらの添付図面に制限さ
れるものではない。図1は、本発明のガスセンサ素子の
代表的な態様を示す断面図である。本発明のガスセンサ
素子は、固体電解質層6の両面に電子電導性物質よりな
る電極層5、7が形成され、さらに電極層7上には被検
出ガスと解離平衡を有する金属塩8が形成されている。
固体電解質層の一面に形成された電極層7と金属塩8と
は作用極を構成し、他方の面に形成された電極層5は参
照極を構成している。そして、固体電解質層6とセラミ
ックス板3とは、固体電解質層6の参照極5とセラミッ
ク板3の導電性物質11が接するように積層され、接着
剤4により接合されている。また、導電性物質11は平
面部の一部が露出しており、露出した導電性物質11か
らリード線が導出されている。本発明において、固体電
解質層6を構成する固体電解質物質としては、イオン伝
導性を有し、使用条件下で固体である物質が一般に使用
される。例えば、ナトリウム、リチウム等の陽イオン伝
導性を有するNa1+XZr2SiX3-X12(但し、0≦
x≦3である)(以下、ナシコン(NASICON)と
もいう)、β‐Al23、β‐Gd23、Li16-2y
y(CeO44(但し、0≦y<8である)(以下、
リシコン(LISICON)ともいう)、Li4GeO4
・Li3VO4等が、また、酸素等の陰イオン伝導性を有
するY23、MgO、CaOを添加したZrO2、Ce
2などが好適に使用される。固体電解質層6の厚みは
特に制限されないが、一般には0.2〜1.5mmの範
囲から採用される。本発明における電極層5、7を構成
する電子伝導性物質は、公知の材料が制限なく使用され
る。例えば、白金、金、銀、パラジウム、ロジウム等の
貴金属類及びそれらの酸化物、一般式La1-zSrzBO
3(但し、BはCo、Cu、Fe及びNiより選ばれた
元素を示し、zは0.01〜0.5の数を示す)で表さ
れるペロブスカイト型酸化物、上記貴金属または貴金属
酸化物とペロブスカイト型酸化物を混合した複合組成物
等が挙げられる。そのうち、白金、金、銀、パラジウ
ム、ロジウムなどの貴金属が、特に、白金及び金が好適
に用いられる。電極層5、7の厚みは特に制限されない
が、一般には2〜20μmの範囲から採用される。本発
明において、金属塩8は被検出ガスと解離平衡を有する
ものであれば何等制限なく使用できる。特にNa、L
i、K等のアルカリ金属やCa、Mg、Ba等のアルカ
リ土類金属の炭酸塩、Bi、Ag、La、Cuの炭酸
塩、あるいはNa、Li、K等のアルカリ金属やCa、
Mg、Ba等のアルカリ土類金属の硫酸塩、硝酸塩など
が使用できる。これらの金属塩は、被検出ガスの種類に
応じて選択できる。例えば、被検出ガスが二酸化炭素の
場合は炭酸塩が、硫黄酸化物の場合には硫酸塩が、窒素
酸化物の場合には硝酸塩が使用される。本発明において
は、固体電解質層6の一面に形成された電極層7と金属
塩8とは作用極を構成し、他方の面に形成された電極層
5は参照極を構成している。作用極を構成する電極層7
と金属塩8とは、図1に示すように、別々の層として存
在しても良いし、又図4のように、金属塩を電極中に分
散させ、一層よりなる混合作用電極層12としてもよ
い。ヒーター基板は従来より使用されているものが何等
制限なく使用できる。一般には、セラミックス板3上に
金属あるいは金属酸化物等の抵抗体ペーストを塗布し、
焼成したヒーター2を設け、該ヒーターに電源より直流
あるいは交流を印加するように構成したものが好適に使
用される。セラミックス板3としては、従来より公知の
ものが制限なく使用されるが、一般にはアルミナ、ムラ
イト、窒化アルミニウム、ガラス等のセラミックス板が
好適に用いられる。また、ヒーター材料としては従来よ
り公知の抵抗体が制限なく使用されるが、一般には白
金、金、ロジウム、パラジウム等の金属、あるいは酸化
ルテニウム等の金属酸化物が好適に用いられる。セラミ
ックス板3は、ヒーター2の熱をガス検知部に効率的に
伝導するために、厚さのあまり厚くないものであること
が好適であり、一般には0.2〜1.0mmの範囲のも
のが使用される。本発明における導電性物質層11は、
電子伝導性を有する公知の物質が制限なく使用できる。
例えば、白金、金、銀、パラジウム、ロジウム等の貴金
属類及びそれらの酸化物、鉄、銅、アルミニウム等の金
属類が挙げられる。そのうち、酸化性の被検出ガスであ
る窒素酸化物、硫黄酸化物中でも安定に存在する白金、
金、パラジウム、ロジウムが好適である。導電性物質層
を選定するにあたっては、ヒーターによる加熱、非加熱
を繰り返した場合に、使用している物質の熱膨張係数の
違いによる剥離の畏れがあるため、一般的には電極層5
で選定した物質と同じ物質を選定することが望ましい。
接着剤4は、使用時の加熱温度である200〜600℃
で安定なものであれば従来より公知のものが使用でき
る。一般には、ガラス、セラミックス、金属等が挙げら
れるが、好ましくはガラス、セラミックスが、更に好ま
しくは作業性の面でガラスが好適である。セラミックス
板の導電性物質は平面部の一部が露出している。ここ
で、導電性物質の平面部とは、導電性物質を形成させた
セラミック板の平面と平行な広がりを有する平面部を指
し、導電性物質の厚み方向の面(側面)をいうのではな
い。このように導電性物質の平面部の一部を露出させ、
露出した導電性物質からリード線を導出することによっ
て、固体電解質層とセラミック板とを積層した構造とし
たときに、リード線をその間に挟むことなく、導電性物
質からリード線を導出させることができる。したがっ
て、固体電解質層とセラミック板とをリード線をその間
に挟んで積層したときのように、リード線の直径分だけ
間隙が空くことなく、固体電解質とセラミック板とを積
層することができる。導電性物質層11の平面部の一部
を露出させる態様は特に制限されない。一般には、固体
電解質層の積層面よりも面積の広いセラミック板上に、
固体電解質層の積層面よりも外にはみ出すように導電性
物質層を形成する態様を挙げることができる。このよう
に導電性物質層を形成したときの具体例を示すと次のよ
うである。図5は、本発明におけるヒーター基板の導電
性物質層側の平面図である。図5において、正方形のセ
ラミックス板3に、固体電解質層の積層面の大きさより
も少し小さい導電性物質11(円形部分)と、固体電解
質層の積層面よりも外にはみ出すように導電性物質1
1’(矢型部分)とが形成されている。導電性物質1
1’の部分は、固体電解質層を積層した後でも露出して
おり、その部分にリード線が接続される。また、図6
は、本発明におけるヒーター基板の他の態様を示す平面
図である。図6では、正方形のセラミックス板3の一角
から中心部に向かって導電性物質層が形成されている。
導電性物質層11’(矢型部分)は、固体電解層を積層
した後でも露出しており、この部分にリード線が接合さ
れる。導電性物質層11の形状は特に制限されないが、
電極層5との接触性に優れ、ヒーター基板とガス検知部
を接合した際に、両者の間になるべく空間が生成しない
ようにするために平板状であることが好適である。その
場合の厚さは、電気抵抗が十分に低い値であれば特に制
限されないが、一般には5〜50μmの範囲から採用さ
れる。図7は、本発明のガスセンサ素子を積層面に垂直
な方向からみた代表的な平面図である。ガス検知部とヒ
ーター基板を接合した際に露出する導電性物質層11’
は、リード線10を接合する場合に必要な面積以上であ
れば良く、またその形状は、図7では矢型としたが、ど
のような形状であっても良い。リード線10は、従来よ
り公知の電子伝導性の物質よりなる線が何等制限なく使
用できるが、酸化性の被検出ガスである窒素酸化物、硫
黄酸化物中でも安定に存在し、熱伝導性の小さい白金
線、金線、パラジウム線、ロジウム線、ジルコニウム添
加白金線、白金タングステン線等が好適である。リード
線10の太さとしては、リード線からの熱の漏れを最小
限にするためになるべく細くする必要があるが、強度と
の兼ね合いもあり、一般には0.03〜0.3mmの範
囲から採用される。本発明のガスセンサ素子を使用する
場合、測定雰囲気に含まれる雑ガス、例えば、トルエ
ン、酢酸エチル、エタノール等の有機ガスによる誤動作
を防止するために、有機ガスを除去するためのフィルタ
ーを用いても良い。該フィルターとしては公知のものが
何等制限なく使用できる。本発明のガスセンサ素子はど
のような方法で製造されてもよいが、以下の製造方法が
好適に採用される。まず、固体電解質層6は、公知の方
法によって製造できる。代表的な製造方法を例示すれ
ば、固体電解質物質の粉末、該粉末に成型助剤を添加し
たもの、さらには該粉末に結合剤を添加して造粒したも
のを成型後、1000〜1300℃で5〜30時間焼結
させる方法、固体電解質物質の粉末を有機高分子化合物
よりなる結合剤、可塑剤及び溶媒と混練しペースト化し
た後、ドクターブレード法等によりグリーンシートを作
製し、これを上記した条件で焼結させる方法、固体電解
質物質の粉末を有機高分子化合物よりなる結合剤を溶解
させた有機溶剤に分散させてペースト化し、印刷して上
記条件で焼結する方法、固体電解質物質をスパッタリン
グ法、真空蒸着法などの薄膜形成手段を用いて基板上に
積層する方法などが好適に用いられる。上記した成型助
剤、結合剤、可塑剤、溶媒及び有機溶剤としては公知の
ものが何等制限なく使用できる。一般的に、成型助剤と
してポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、
エチルセルロース、ポリビニルメチルエーテル、ヒドロ
キシプロピルセルロース等が、結合剤としてはアクリル
酸エステル等のアクリル樹脂、ポリビニルブチラール等
のブチラール樹脂、エチルセルロース等のセルロース誘
導体、アビエチン酸レジン、ポリビニルアルコール等の
有機高分子が、可塑剤としてはポリエチレングリコー
ル、ポリアルキレングリコール、フタール酸エステル等
が使用される。また、溶媒としてはトルエン、メチルエ
チルケトン等が、有機溶剤としてはn‐ヘキサン等の脂
肪族炭化水素、トルエン等の芳香族炭化水素、メチルア
ルコール等のアルコール、エチレングリコール等のグリ
コール、シクロヘキサン等のケトン、テルピネオール等
のグリコール誘導体、酢酸エステル等のエステルなどが
好適に採用される。固体電解質層6の両面への電極層
5、7の形成は、以下の方法を好適に採用することがで
きる。電子伝導性物質の粉末、ガラスフリットまたは金
属酸化物の少なくとも一方、結合剤、有機溶剤を用いて
ペースト化して印刷、筆塗りまたはディスペンサー等で
塗布後、十分な接着強度が得られる温度以上で焼成する
方法が用いられる。上記ガラスフリット、金属酸化物と
しては公知のものが何等制限なく使用できる。例を挙げ
ると、ガラスフリットとしてはホウケイ酸ガラス、ケイ
酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、鉛ガラス、バリウムガラ
ス等が、金属酸化物としてはBi23、PbO、Zn
O、BaO、CaO等が好適に使用される。金属塩8の
層を電極層7と別の層として形成する場合は、図1に示
したように、電極層7の上に金属塩の溶液あるいは懸濁
液を滴下して含浸させる方法、または金属塩粉末を有機
高分子化合物よりなる結合剤を溶解させた有機溶剤に分
散させてペースト化し、印刷、筆塗りまたはディスペン
サー等で塗布した後に、金属塩が分解しない温度以下
で、望ましくは溶融温度以上で焼成する方法等が一般的
である。更にまた、図4に示したように、金属塩8と電
極層7を1つの混合作用電極層12として形成する場合
は、金属塩粉末と電子伝導性物質さらにはガラスフリッ
トまたは金属酸化物の少なくとも一方をあらかじめ混合
して、有機高分子化合物よりなる結合剤を溶解させた有
機溶剤に分散させてペースト化したものを印刷、筆塗り
等の手法で塗布した後に、使用した金属塩が分解しない
温度以下で焼成する方法等を採用しても良い。ヒーター
2のセラミックス板3への形成は、以下の方法が好適に
採用される。例えば、抵抗体の粉末とガラスフリットま
たは金属酸化物の少なくとも一方を混合し、有機高分子
化合物よりなる結合剤を溶解させた有機溶剤に分散させ
てペースト化したものをスクリーン印刷、マスク印刷等
の厚膜形成手法により形成し、600〜1300℃で焼
成する方法、抵抗体材料をスパッタリング法、真空蒸着
法等の薄膜形成手法で形成する方法等が好適である。導
電性物質層11のセラミックス板3ヘの形成方法は、公
知の方法が制限なく採用される。一般には、導電性物質
の粉末とガラスフリットまたは金属酸化物の少なくとも
一方を混合し、有機高分子化合物よりなる結合剤を溶解
させた有機溶剤に分散させてペースト化したものを筆塗
り、スクリーン印刷、マスク印刷等の厚膜形成手法また
はディッピング等の塗布手法により形成し、600〜1
300℃で焼成する方法、導電性物質をスパッタリング
法、真空蒸着法等の薄膜形成手法で形成する方法等が好
適である。導電性物質層11の表面の平滑性が要求され
る場合には、上述した厚膜、薄膜形成手法がより好適に
採用される。リード線10を導電性物質層11’、電極
層7または混合作用電極層12に接合する方法の例を示
すと、リード線の先端に導電性物質ペースト、電極ペー
ストや混合作用電極ペーストを塗布して取り付けた後、
それぞれの焼成温度で焼成する方法、リード線をスポッ
ト溶接等で溶接する方法、ワイヤーボンディング等でリ
ード線を形成しながら接合する方法等が一般的である。
ガス検知部とヒーター基板を接合する方法は公知の方法
が採用される。例えば、接着剤4のペーストを、セラミ
ックス板3の導電性物質層11を形成した面で、導電性
物質層11の形成されていない部分、または固体電解質
層6の電極層5が形成された面で、電極層5が形成され
ていない部分のいずれか一方あるいは両方に、印刷、筆
塗り、ディスペンサー等の方法で塗布し、圧着した後に
焼成する方法が採用される。前述した方法において、導
電性物質層11と電極層5との電気的な接続をより確実
なものにするために、導電性物質層11と電極層5の接
する面のいずれか一方あるいは両方に、導電性物質ペー
ストまたは電極ペーストをディスペンサー、筆塗り等の
方法で同時に塗布しておく方法が好適である。また、接
着剤4により接合するのではなく、導電性物質層11ま
たは電極層5のいずれか一方をあらかじめ形成してお
き、残りの一方のペーストを前述した方法で塗布後、ペ
ーストが乾燥しないうちに張り合わせ、乾燥、焼成して
導電性物質ペーストまたは電極ペーストによって接合す
る方法、さらには焼成後に接着剤4のペーストをセラミ
ックス板3と固体電解質層6の間に生じた間隙に塗布す
る方法等が採用される。
【発明の効果】本発明のガスセンサ素子は、ヒーター基
板とガス検知部間の接合不良の発生確率が小さく、その
結果として製品歩留が向上し、さらにガスセンサ素子間
の加熱温度のばらつきが低減され、初期起電力の安定化
時間も短縮されるという特徴を有する。
【作用】本発明のガスセンサ素子は、ヒーター基板とガ
ス検知部の接合部の接触面からリード線を除去して、こ
れらの接触面積を増大させることが可能となり、接着強
度が著しく向上し、接着の確実性が高くなる。その結果
として、ヒーター基板とガス検知部間の接合不良の発生
確率が小さくなり、製品歩留が向上したものと考えられ
る。また、従来、接合の際にリード線が存在することに
より発生していた空間が、本発明のガスセンサ素子では
発生しなくなり、接着層の厚さも、従来はヒーター基板
と固体電解質層が斜めに接合されるために一方が非常に
厚くなっていたが、本発明のガスセンサ素子ではほぼ平
行に接合されるために全体を薄くすることが可能となっ
た。その結果として、ヒーター基板からガス検知部ヘの
熱の伝達が均一で効率的になり、ガスセンサ素子間の加
熱温度のばらつきが小さく、初期起電力の安定化時間も
短縮されたものと考えられる。
【実施例】本発明を具体的に説明するために以下の実施
例を掲げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定
されるものではない。 実施例1、比較例1 図1に示すような構造の二酸化炭素センサ素子を実施例
1で、図2に示すような二酸化炭素センサ素子を比較例
1で作製した。固体電解質層6は、5重量%のポリビニ
ルアルコールを結合剤として添加してスプレードライヤ
ーで造粒したNASICON粉末を一軸成型後、120
0℃で12時間焼結することで、直径4mm、厚さ0.
5mmの円盤状のものを作製した。ヒーター2は、アル
ミナよりなるセラミックス板3の片面に、市販の白金ペ
ーストを波型にスクリーン印刷し、100℃で1時間乾
燥後、1000℃で1時間焼成することで作製した。実
施例1では、もう一方の面に、市販の金ペーストを図6
に示すような形状でスクリーン印刷し、100℃で1時
間乾燥後、800℃で1時間焼成することで導電性物質
層11および11’を作製した。固体電解質層の両面
に、市販の金ペーストをスクリーン印刷し、100℃で
1時間乾燥、650℃で1時間焼成することで電極層
5、7を形成した。さらに、電極層7上には、炭酸リチ
ウム粉末を5重量%エチルセルロースを溶解したテルピ
ネオールでペースト化したものをスクリーン印刷し、1
00℃で1時間乾燥、650℃で30分焼成することで
金属塩8を形成した。比較例1では、電極層5にリード
線10として用いた白金線をスポット溶接により接合し
た。固体電解質層の電極層5が形成された面で、電極層
5以外の部分にディスペンサーで市販のガラスペースト
を塗布し、実施例1では、さらに導電性物質層11の電
極層5と接する面には導電性物質ペーストをディスペン
サーで塗布した。その後、両方のペーストが乾燥しない
うちに張り合わせ、100℃で1時間乾燥、650℃で
30分焼成することで、ヒーター基板とガス検知部の接
合を行った。実施例1では、導電性物質層の露出した部
分11’と電極層7に、比較例1では電極層7に白金線
をスポット溶接で接合した。なお、リード線10は電圧
計9に接続され、二酸化炭素センサ素子の起電力を測定
した。また、二酸化炭素センサ素子は、ヒーター2に電
源1より直流電圧を印加することで450℃に加熱し
た。二酸化炭素ガス感度の評価は、二酸化炭素センサ素
子を大気中の二酸化炭素濃度とほぼ等しい350ppm
中に加熱放置し、その後雰囲気の二酸化炭素濃度を70
0、1000、2000ppmに変更した場合の起電力
変化を測定することで行った。結果を表1に示した。実
施例1および比較例1の二酸化炭素センサ素子は、二酸
化炭素濃度の対数に比例して起電力が直線的に変化する
良好な二酸化炭素濃度ガス感度を示した。
【表1】 実施例1、比較例1の二酸化炭素センサ素子をそれぞれ
100個ずつ上述した方法で作製した。その後、二酸化
炭素センサ素子の白金線をセンサベースにスポット溶接
し、初期の二酸化炭素ガス感度を上記方法で測定する一
連の製造工程で、ヒーター基板とガス検知部が剥離して
しまう個数を数えることで、歩留を算出した。結果を表
2に示したが、比較例1の二酸化炭素センサ素子では歩
留が75%であるのに対して、実施例1の二酸化炭素セ
ンサ素子では歩留が98%となり飛躍的に向上している
ことが確認された。
【表2】 実施例1、比較例1の二酸化炭素センサ素子を10個ず
つ作製し、実施例1で作製した一つの二酸化炭素センサ
素子の温度が450℃となるようなヒーター電圧を全て
のセンサ素子に印加した場合の、センサ素子の温度のバ
ラツキを赤外線放射温度計で測定した。また、二酸化炭
素濃度350ppm雰囲気中で、実施例1と比較例1の
二酸化炭素センサ素子がそれぞれ450℃となるような
ヒーター電圧を電源1よりヒーター2に同時に印加し、
最終的に安定した起電力値の97%の起電力値に到達す
るまでの時間を測定することで、初期起電力の安定化時
間を評価した。結果を表3に示した。実施例1の二酸化
炭素センサ素子は、比較例1の二酸化炭素センサ素子に
比べて、全体的に素子温度が高く、ばらつきの小さいこ
とがわかった。このことより、実施例1の二酸化炭素セ
ンサ素子は、比較例1の二酸化炭素センサ素子よりも、
ヒーターからの熱伝導性に優れ、そのばらつきも小さい
ことが確認された。従って、実施例1の二酸化炭素セン
サ素子は、比較例1の二酸化炭素センサ素子と比べて、
素子全体の熱安定性が早く達成されるために、起電力の
初期安定化時間も短縮されている。
【表3】 実施例2、比較例2 実施例2では図4に示すような構造の二酸化炭素センサ
素子を、比較例2では図2の電極層7と金属塩8を一層
の混合作用電極層として形成した構造の二酸化炭素セン
サ素子を作製した。固体電解質層6は実施例1と同様の
ものを使用し、ヒーター2も実施例1と同様の方法で形
成した。固体電解質層の片面には、市販の金ペーストに
40重量%の炭酸リチウムを添加し、シンナーで粘度調
整を行ったペーストをスクリーン印刷し、100℃で1
時間乾燥、650℃で1時間焼成することで混合作用電
極層12を形成した。実施例2の場合、セラミック板3
のヒーター2の形成されてない面に、図5のような構造
で、市販の金ペーストをスクリーン印刷し、100℃で
1時間乾燥後、800℃で1時間焼成して導電性物質層
11を形成した。実施例2では、固体電解質層の混合作
用電極層12が形成されていない面に、市販の金ペース
トをスクリーン印刷し、該ペーストが乾燥しないうちに
導電性物質層11を張り付けた。その後、実施例1で使
用した白金線の先端に混合作用電極ペーストまたは導電
性物質ペーストを塗布し、それぞれ混合電極層12と導
電性物質層の露出している部分11’に張り付けた。最
後に、100℃で1時間乾燥後、650℃で1時間焼成
することで、ヒーター基板とガス検知部の接合を行っ
た。なお、セラミックス板3と固体電解質層の間に生じ
た間隙には市販のガラスペーストを塗布して、100℃
で1時間乾燥後、650℃で30分焼成した。比較例2
では、固体電解質層の混合作用電極層12が形成されて
いない面に、市販の金ペーストをスクリーン印刷し、該
ペーストが乾燥しないうちに、白金線の先端に金ペース
トを塗布したものを取り付け、100℃で1時間乾燥
後、650℃で1時間焼成することで電極層5を形成し
た。なお、ヒーター基板は比較例1と同様の方法で接合
した。二酸化炭素ガス感度は、実施例1と同様の方法で
評価した。結果を表1に示したが、実施例2、比較例2
で作製した二酸化炭素センサ素子は、二酸化炭素濃度の
対数に比例して起電力が直線的に変化する良好な二酸化
炭素濃度ガス感度を示した。実施例2、比較例2の二酸
化炭素センサ素子を10個ずつ作製し、実施例1と同様
の方法で二酸化炭素センサ素子の温度のバラツキを測定
した。また、初期起電力の安定化時間も実施例1と同様
の方法で測定した。結果を表3に示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガスセンサ素子の代表的な態様を示す
断面図である。
【図2】従来の代表的なガスセンサ素子の断面図であ
る。
【図3】従来の代表的なガスセンサ素子の断面構造の拡
大図である。
【図4】本発明のガスセンサ素子の他の態様を示す断面
図である。
【図5】本発明のヒーター基板の導電性物質層側の代表
的な態様を示す平面図である。
【図6】本発明のヒーター基板の導電性物質層側の他の
態様を示す平面図である。
【図7】本発明の代表的なガスセンサ素子のガス検知部
側の平面図である。
【符号の説明】
1 電源 2 ヒーター 3 セラミックス板 4 接着剤 5、7 電極層 6 固体電解質層 8 金属塩 9 電圧計 10 リード線 11 導電性物質層 11’ 導電性物質層の露出部 12 混合作用電極層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両面にそれぞれ作用極と参照極とが形成さ
    れた固体電解質層と、両面にそれぞれヒーターと導電性
    物質が形成されたセラミックス板とが、固体電解質層の
    参照極とセラミック板の導電性物質が接するように積層
    されてなり、該セラミックス板の導電性物質は平面部の
    一部が露出しており、露出した導電性物質からリード線
    が導出されてなるガスセンサ素子。
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