JPH09144666A - 揺動型圧縮機 - Google Patents
揺動型圧縮機Info
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- JPH09144666A JPH09144666A JP7325179A JP32517995A JPH09144666A JP H09144666 A JPH09144666 A JP H09144666A JP 7325179 A JP7325179 A JP 7325179A JP 32517995 A JP32517995 A JP 32517995A JP H09144666 A JPH09144666 A JP H09144666A
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- JP
- Japan
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- piston
- lip seal
- cylinder
- lip
- curved
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 圧縮室内からの圧力等でリップシールが過度
に変形するのを防止し、リップシールの寿命を延ばすこ
とができるようにする。 【解決手段】 ピストン３１をピストン本体３２とリテ
ーナ２０とから構成し、ピストン本体３２の上端側には
ピストン部３３を形成し、シリンダ７内には圧縮室１９
を画成する。そして、ピストン部３３には凹部３３Ａと
環状縁部３３Ｂとを形成し、環状縁部３３Ｂには上側面
が凹湾曲面３４となった突出縁部３３Ｃを形成する。そ
して、リテーナ２０には凸部２０Ａと環状縁部２０Ｂと
を形成し、リップシール３５は取付部３５Ａをピストン
部３３とリテーナ２０との環状縁部３３Ｂ，２０Ｂ間に
挟持させた状態で、湾曲部３５Ｃを凹湾曲面３４に当接
し、リップ部３５Ｂをシリンダ７の内周面７Ａに摺接さ
せる。
に変形するのを防止し、リップシールの寿命を延ばすこ
とができるようにする。 【解決手段】 ピストン３１をピストン本体３２とリテ
ーナ２０とから構成し、ピストン本体３２の上端側には
ピストン部３３を形成し、シリンダ７内には圧縮室１９
を画成する。そして、ピストン部３３には凹部３３Ａと
環状縁部３３Ｂとを形成し、環状縁部３３Ｂには上側面
が凹湾曲面３４となった突出縁部３３Ｃを形成する。そ
して、リテーナ２０には凸部２０Ａと環状縁部２０Ｂと
を形成し、リップシール３５は取付部３５Ａをピストン
部３３とリテーナ２０との環状縁部３３Ｂ，２０Ｂ間に
挟持させた状態で、湾曲部３５Ｃを凹湾曲面３４に当接
し、リップ部３５Ｂをシリンダ７の内周面７Ａに摺接さ
せる。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば空気等の流
体を圧縮するのに用いて好適な揺動型圧縮機に関する。
体を圧縮するのに用いて好適な揺動型圧縮機に関する。
【０００２】
【従来の技術】ここで、従来技術による揺動型圧縮機
を、図２ないし図４に基づき空気圧縮機として用いた場
合を例に挙げて説明する。
を、図２ないし図４に基づき空気圧縮機として用いた場
合を例に挙げて説明する。
【０００３】図中、１は内部にクランク室２が画成され
たクランクケースを示し、該クランクケース１には、ク
ランク室２内に位置して電動モータ３の出力軸４に固定
されたクランク軸５が回転可能に支持され、該クランク
軸５にはバランスウェイト６が一体形成されている。
たクランクケースを示し、該クランクケース１には、ク
ランク室２内に位置して電動モータ３の出力軸４に固定
されたクランク軸５が回転可能に支持され、該クランク
軸５にはバランスウェイト６が一体形成されている。
【０００４】７はクランクケース１上に取付けられたシ
リンダを示し、該シリンダ７は内周面７Ａが後述するピ
ストン１４の摺動面となっている。８はシリンダ７上に
搭載されたシリンダヘッドを示し、該シリンダヘッド８
内には、吸込口９Ａを介して外部に連通する吸込室９
と、吐出口１０Ａを介して外部に連通する吐出室１０と
が画成されている。
リンダを示し、該シリンダ７は内周面７Ａが後述するピ
ストン１４の摺動面となっている。８はシリンダ７上に
搭載されたシリンダヘッドを示し、該シリンダヘッド８
内には、吸込口９Ａを介して外部に連通する吸込室９
と、吐出口１０Ａを介して外部に連通する吐出室１０と
が画成されている。
【０００５】１１はシリンダ７とシリンダヘッド８との
間に挟持された弁座板を示し、該弁座板１１には、前記
吸込室９を後述の圧縮室１９に連通する吸込穴１１Ａ
と、吐出室１０を圧縮室１９に連通する吐出穴１１Ｂと
が形成されている。１２，１３は弁座板１１に取付けら
れたリード弁としての吸込弁，吐出弁を示し、該吸込弁
１２，吐出弁１３は基端側がねじ等を介して弁座板１１
に固定された固定端となり、先端側は自由端となって、
吸込穴１１Ａ，吐出穴１１Ｂをそれぞれ開，閉する。
間に挟持された弁座板を示し、該弁座板１１には、前記
吸込室９を後述の圧縮室１９に連通する吸込穴１１Ａ
と、吐出室１０を圧縮室１９に連通する吐出穴１１Ｂと
が形成されている。１２，１３は弁座板１１に取付けら
れたリード弁としての吸込弁，吐出弁を示し、該吸込弁
１２，吐出弁１３は基端側がねじ等を介して弁座板１１
に固定された固定端となり、先端側は自由端となって、
吸込穴１１Ａ，吐出穴１１Ｂをそれぞれ開，閉する。
【０００６】１４はシリンダ７内に摺動可能に挿嵌され
たロッキングピストン（以下、ピストン１４という）を
示し、該ピストン１４は一端側がクランク室２内に位置
し、他端側がシリンダ７内へと伸長する後述のピストン
本体１５と、該ピストン本体１５の他端（上端）側に設
けられた後述のリテーナ２０とから構成されている。
たロッキングピストン（以下、ピストン１４という）を
示し、該ピストン１４は一端側がクランク室２内に位置
し、他端側がシリンダ７内へと伸長する後述のピストン
本体１５と、該ピストン本体１５の他端（上端）側に設
けられた後述のリテーナ２０とから構成されている。
【０００７】１５はピストン本体を示し、該ピストン本
体１５は図３に示すように、クランク軸５に軸受１６Ａ
を介して回転可能に連結された連結部１６と、該連結部
１６に一体形成された棒状のピストンロッド１７と、該
ピストンロッド１７の他端側に一体形成された後述のピ
ストン部１８とから構成されている。
体１５は図３に示すように、クランク軸５に軸受１６Ａ
を介して回転可能に連結された連結部１６と、該連結部
１６に一体形成された棒状のピストンロッド１７と、該
ピストンロッド１７の他端側に一体形成された後述のピ
ストン部１８とから構成されている。
【０００８】１８はシリンダ７内に圧縮室１９を画成し
略円盤状の円盤部を構成するピストン部を示し、該ピス
トン部１８の上側面には図４に示す如く、円形状をなす
浅底の凹部１８Ａが形成され、該凹部１８Ａの周囲は環
状縁部１８Ｂとなっている。
略円盤状の円盤部を構成するピストン部を示し、該ピス
トン部１８の上側面には図４に示す如く、円形状をなす
浅底の凹部１８Ａが形成され、該凹部１８Ａの周囲は環
状縁部１８Ｂとなっている。
【０００９】２０は円盤状に形成されたリテーナを示
し、該リテーナ２０は図４に示すように一側面に円形状
の凸部２０Ａが形成され、該凸部２０Ａの周囲は環状縁
部２０Ｂとなっている。そして、リテーナ２０は凸部２
０Ａをピストン部１８の凹部１８Ａに嵌合（衝合）させ
た状態で、図２に示すように該ピストン部１８にねじ２
１等を介して固定されている。
し、該リテーナ２０は図４に示すように一側面に円形状
の凸部２０Ａが形成され、該凸部２０Ａの周囲は環状縁
部２０Ｂとなっている。そして、リテーナ２０は凸部２
０Ａをピストン部１８の凹部１８Ａに嵌合（衝合）させ
た状態で、図２に示すように該ピストン部１８にねじ２
１等を介して固定されている。
【００１０】２２はシール部材としてのリップシールを
示し、該リップシール２２は図４に示すように、例えば
ポリテトラフルオロエチレン等の耐摩耗性および自己潤
滑性に優れた樹脂材料から環状平板として形成され、内
周側に位置する取付部２２Ａと、外周側に位置するリッ
プ部２２Ｂと、該リップ部２２Ｂと前記取付部２２Ａと
の間に位置する円弧状の湾曲部２２Ｃとから構成されて
いる。そして、リップシール２２は、取付部２２Ａがピ
ストン部１８の環状縁部１８Ｂとリテーナ２０の環状縁
部２０Ｂとの間で挟持されることにより、該ピストン部
１８上に位置決めされている。
示し、該リップシール２２は図４に示すように、例えば
ポリテトラフルオロエチレン等の耐摩耗性および自己潤
滑性に優れた樹脂材料から環状平板として形成され、内
周側に位置する取付部２２Ａと、外周側に位置するリッ
プ部２２Ｂと、該リップ部２２Ｂと前記取付部２２Ａと
の間に位置する円弧状の湾曲部２２Ｃとから構成されて
いる。そして、リップシール２２は、取付部２２Ａがピ
ストン部１８の環状縁部１８Ｂとリテーナ２０の環状縁
部２０Ｂとの間で挟持されることにより、該ピストン部
１８上に位置決めされている。
【００１１】また、リップシール２２はピストン部１８
上に取付けられ、ピストン部１８の外周側からリップ部
２２Ｂを外向きに突出させた状態で、ピストン本体１５
と共にシリンダ７内に挿嵌されることにより、取付部２
２Ａとリップ部２２Ｂとの中間部が円弧状に湾曲して湾
曲部２２Ｃとなり、リップ部２２Ｂの外周面がシリンダ
７の内周面７Ａに全周に亘って弾性的に摺接している。
また、この状態でリップ部２２Ｂの内周面とリテーナ２
０の外周面との間には、環状の隙間２３が形成されてい
る。
上に取付けられ、ピストン部１８の外周側からリップ部
２２Ｂを外向きに突出させた状態で、ピストン本体１５
と共にシリンダ７内に挿嵌されることにより、取付部２
２Ａとリップ部２２Ｂとの中間部が円弧状に湾曲して湾
曲部２２Ｃとなり、リップ部２２Ｂの外周面がシリンダ
７の内周面７Ａに全周に亘って弾性的に摺接している。
また、この状態でリップ部２２Ｂの内周面とリテーナ２
０の外周面との間には、環状の隙間２３が形成されてい
る。
【００１２】２４は出力軸４の先端側に固定された冷却
ファンを示し、該冷却ファン２４はクランク室２内に冷
却風を送風するものである。
ファンを示し、該冷却ファン２４はクランク室２内に冷
却風を送風するものである。
【００１３】従来技術による揺動型圧縮機は、上述の如
き構成を有するもので次にその作動について述べる。
き構成を有するもので次にその作動について述べる。
【００１４】まず、電動モータ３によりクランク軸５が
回転駆動されると、該クランク軸５の周囲をピストン１
４の連結部１６が回転し、ピストン１４のピストン部１
８とリテーナ２０とがシリンダ７内で揺動しつつ往復動
する。これにより、シリンダ７内の圧縮室１９は拡大，
縮小を繰り返し、圧縮室１９が拡大する吸込行程では、
吸込室９側の圧力（大気圧）が圧縮室１９内の圧力（負
圧）よりも大きくなるため、吸込弁１２の自由端側が圧
縮室１９側に押圧されて湾曲し、弁座板１１から離間す
ることによって吸込穴１１Ａが開口する。これにより、
該吸込穴１１Ａを介して吸込室９から圧縮室１９内に空
気が吸込まれる。
回転駆動されると、該クランク軸５の周囲をピストン１
４の連結部１６が回転し、ピストン１４のピストン部１
８とリテーナ２０とがシリンダ７内で揺動しつつ往復動
する。これにより、シリンダ７内の圧縮室１９は拡大，
縮小を繰り返し、圧縮室１９が拡大する吸込行程では、
吸込室９側の圧力（大気圧）が圧縮室１９内の圧力（負
圧）よりも大きくなるため、吸込弁１２の自由端側が圧
縮室１９側に押圧されて湾曲し、弁座板１１から離間す
ることによって吸込穴１１Ａが開口する。これにより、
該吸込穴１１Ａを介して吸込室９から圧縮室１９内に空
気が吸込まれる。
【００１５】一方、圧縮室１９が縮小する吐出行程（圧
縮行程）では、吸込行程で吸込まれた空気が圧縮室１９
内で圧縮され、該圧縮室１９内の圧力が吐出室１０内の
圧力よりも大きくなるため、吐出弁１３が吐出室１０側
に湾曲し、吐出穴１１Ｂが開口することによって圧縮室
１９から吐出室１０内に圧縮空気が吐出される。
縮行程）では、吸込行程で吸込まれた空気が圧縮室１９
内で圧縮され、該圧縮室１９内の圧力が吐出室１０内の
圧力よりも大きくなるため、吐出弁１３が吐出室１０側
に湾曲し、吐出穴１１Ｂが開口することによって圧縮室
１９から吐出室１０内に圧縮空気が吐出される。
【００１６】このように、従来技術による揺動型圧縮機
は、上述した吸込行程，吐出行程を繰返すことにより、
吐出口１０Ａに空気導管等を介して接続された空気タン
ク（いずれも図示せず）等に圧縮空気を吐出し続けるよ
うになっている。
は、上述した吸込行程，吐出行程を繰返すことにより、
吐出口１０Ａに空気導管等を介して接続された空気タン
ク（いずれも図示せず）等に圧縮空気を吐出し続けるよ
うになっている。
【００１７】ここで、リップシール２２は、ピストン１
４のピストン部１８と共にシリンダ７内で往復動し、リ
ップ部２２Ｂの外周面がシリンダ７の内周面７Ａと摺動
することにより、ピストン部１８とシリンダ７の内周面
７Ａとの間をシールし、高圧となる圧縮室１９の気密性
を保持する。
４のピストン部１８と共にシリンダ７内で往復動し、リ
ップ部２２Ｂの外周面がシリンダ７の内周面７Ａと摺動
することにより、ピストン部１８とシリンダ７の内周面
７Ａとの間をシールし、高圧となる圧縮室１９の気密性
を保持する。
【００１８】この場合、ピストン１４の往復動中にピス
トン部１８がシリンダ７に対して揺動（傾斜）すること
により、該ピストン部１８とシリンダ７の内周面７Ａと
の間の隙間寸法が変化するが、リップシール２２は湾曲
部２２Ｃを湾曲させた状態でリップ部２２Ｂがシリンダ
７の内周面７Ａに弾性的に摺接しているため、ピストン
部１８がシリンダ７に対して傾斜し、前記隙間寸法が拡
がったときでも、湾曲部２２Ｃがより大きく屈曲して伸
びることにより、リップ部２２Ｂの外周面をシリンダ７
の内周面７Ａに摺接させる。そして、これによりピスト
ン１４のピストン部１８がシリンダ７に対して揺動して
いても、リップシール２２は両者間を常にシールできる
ようになっている。
トン部１８がシリンダ７に対して揺動（傾斜）すること
により、該ピストン部１８とシリンダ７の内周面７Ａと
の間の隙間寸法が変化するが、リップシール２２は湾曲
部２２Ｃを湾曲させた状態でリップ部２２Ｂがシリンダ
７の内周面７Ａに弾性的に摺接しているため、ピストン
部１８がシリンダ７に対して傾斜し、前記隙間寸法が拡
がったときでも、湾曲部２２Ｃがより大きく屈曲して伸
びることにより、リップ部２２Ｂの外周面をシリンダ７
の内周面７Ａに摺接させる。そして、これによりピスト
ン１４のピストン部１８がシリンダ７に対して揺動して
いても、リップシール２２は両者間を常にシールできる
ようになっている。
【００１９】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術においては、リップシール２２は空気圧縮機の運
転中に圧縮室１９内の圧縮空気（空気圧）によって図４
中の矢示Ａ方向に向けて押圧される。特に、ピストン１
４のピストン部１８がシリンダ７内を上昇する吐出行程
では、圧縮室１９内が高圧となるために、リップシール
２２は矢示Ａ方向に強く押圧される上に、リップ部２２
Ｂがシリンダ７の内周面７Ａと摩擦摺動することによ
り、矢示Ａ方向に摩擦力を受ける。
来技術においては、リップシール２２は空気圧縮機の運
転中に圧縮室１９内の圧縮空気（空気圧）によって図４
中の矢示Ａ方向に向けて押圧される。特に、ピストン１
４のピストン部１８がシリンダ７内を上昇する吐出行程
では、圧縮室１９内が高圧となるために、リップシール
２２は矢示Ａ方向に強く押圧される上に、リップ部２２
Ｂがシリンダ７の内周面７Ａと摩擦摺動することによ
り、矢示Ａ方向に摩擦力を受ける。
【００２０】このため、揺動型圧縮機の運転を続けるう
ちに、リップシール２２はピストン部１８の環状縁部１
８Ｂ側に押付けられるように変形し、湾曲部２２Ｃは図
４中に二点鎖線で示す如く直角状に屈曲するようにな
る。この結果、リップ部２２Ｂのうち湾曲部２２Ｃの近
傍部分がシリンダ７の内周面７Ａに強く摺動するように
なり、この部分が早期に偏摩耗してしまい、リップシー
ル２２の寿命が短くなると共に、ピストン１４の摺動抵
抗が大きくなって揺動型圧縮機の機械効率が低下すると
いう問題がある。
ちに、リップシール２２はピストン部１８の環状縁部１
８Ｂ側に押付けられるように変形し、湾曲部２２Ｃは図
４中に二点鎖線で示す如く直角状に屈曲するようにな
る。この結果、リップ部２２Ｂのうち湾曲部２２Ｃの近
傍部分がシリンダ７の内周面７Ａに強く摺動するように
なり、この部分が早期に偏摩耗してしまい、リップシー
ル２２の寿命が短くなると共に、ピストン１４の摺動抵
抗が大きくなって揺動型圧縮機の機械効率が低下すると
いう問題がある。
【００２１】また、この変形によって湾曲部２２Ｃには
大きな曲げ荷重等が作用するから、最悪の場合には、リ
ップシール２２は湾曲部２２Ｃの近傍部分に亀裂等を発
生することがあり、これによって圧縮室１９の気密性が
損なわれ、揺動型圧縮機の吐出効率が著しく低下してし
まうという問題がある。
大きな曲げ荷重等が作用するから、最悪の場合には、リ
ップシール２２は湾曲部２２Ｃの近傍部分に亀裂等を発
生することがあり、これによって圧縮室１９の気密性が
損なわれ、揺動型圧縮機の吐出効率が著しく低下してし
まうという問題がある。
【００２２】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、圧縮運転の途中等でリップシールが過度
に変形するのを効果的に防止でき、リップシールの寿命
を延ばすことができると共に、長期に亘って安定した吐
出性能を確保できるようにした揺動型圧縮機を提供する
ことを目的とする。
されたもので、圧縮運転の途中等でリップシールが過度
に変形するのを効果的に防止でき、リップシールの寿命
を延ばすことができると共に、長期に亘って安定した吐
出性能を確保できるようにした揺動型圧縮機を提供する
ことを目的とする。
【００２３】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明は、クランク軸を回転可能に支持したクラ
ンクケースと、該クランクケースに設けられシリンダヘ
ッドが搭載されたシリンダと、一端側が前記クランク軸
に回転可能に連結される連結部となり、他端側が該シリ
ンダ内を揺動しつつ往復動し前記シリンダヘッドとの間
に圧縮室を画成する円盤部となったピストンと、内周側
が該ピストンの円盤部に取付けられる環状の取付部とな
り、外周側が該ピストンから外向きに突出し前記シリン
ダの内周面に摺接するリップ部となったリップシールと
を備え、前記ピストンの円盤部には、前記リップシール
の取付部を該円盤部との間で挟持することにより前記リ
ップシールを円盤部に位置決めするリテーナを設け、か
つ前記円盤部の外周側には、前記リップシールの取付部
とリップ部との間に円弧状の湾曲部を形成すべく、該湾
曲部に対応した曲率の凹湾曲面を設けてなる構成を採用
している。
ために本発明は、クランク軸を回転可能に支持したクラ
ンクケースと、該クランクケースに設けられシリンダヘ
ッドが搭載されたシリンダと、一端側が前記クランク軸
に回転可能に連結される連結部となり、他端側が該シリ
ンダ内を揺動しつつ往復動し前記シリンダヘッドとの間
に圧縮室を画成する円盤部となったピストンと、内周側
が該ピストンの円盤部に取付けられる環状の取付部とな
り、外周側が該ピストンから外向きに突出し前記シリン
ダの内周面に摺接するリップ部となったリップシールと
を備え、前記ピストンの円盤部には、前記リップシール
の取付部を該円盤部との間で挟持することにより前記リ
ップシールを円盤部に位置決めするリテーナを設け、か
つ前記円盤部の外周側には、前記リップシールの取付部
とリップ部との間に円弧状の湾曲部を形成すべく、該湾
曲部に対応した曲率の凹湾曲面を設けてなる構成を採用
している。
【００２４】このように構成することにより、リップシ
ールの取付部をピストンの円盤部とリテーナとの間で挟
持し、リップ部をシリンダの内周側に摺接させた状態で
は、リップシールの取付部とリップ部との間の中間部分
が、円盤部の凹湾曲面に沿って円弧状に湾曲し、湾曲部
を形成する。そして、この状態でリップシールが圧縮室
側の圧力等により円盤部の凹湾曲面側に押圧されても、
該円盤部の凹湾曲面によりリップシールの湾曲部を一定
の曲率で湾曲した状態に保持することができ、リップシ
ールのこれ以上の変形を防止することができる。
ールの取付部をピストンの円盤部とリテーナとの間で挟
持し、リップ部をシリンダの内周側に摺接させた状態で
は、リップシールの取付部とリップ部との間の中間部分
が、円盤部の凹湾曲面に沿って円弧状に湾曲し、湾曲部
を形成する。そして、この状態でリップシールが圧縮室
側の圧力等により円盤部の凹湾曲面側に押圧されても、
該円盤部の凹湾曲面によりリップシールの湾曲部を一定
の曲率で湾曲した状態に保持することができ、リップシ
ールのこれ以上の変形を防止することができる。
【００２５】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って詳細に説明する。なお、以下の実施例にお
いては、従来技術と同一の構成要素に同一の符号を付
し、その説明を省略するものとする。
図面に従って詳細に説明する。なお、以下の実施例にお
いては、従来技術と同一の構成要素に同一の符号を付
し、その説明を省略するものとする。
【００２６】図中、３１は本実施例によるピストンを示
し、該ピストン３１は従来技術とほぼ同様に構成され、
後述のピストン部３３が形成されたピストン本体３２
と、リテーナ２０とから構成されている。
し、該ピストン３１は従来技術とほぼ同様に構成され、
後述のピストン部３３が形成されたピストン本体３２
と、リテーナ２０とから構成されている。
【００２７】３３はピストン３１の円盤部を構成するピ
ストン部を示し、該ピストン部３３は従来技術とほぼ同
様に、ピストン本体３２の上端側に略円盤状をなして形
成され、上側面には円形状をなす浅底の凹部３３Ａが形
成されると共に、該凹部３３Ａの外周側は環状縁部３３
Ｂとなっている。しかし、本実施例のピストン部３３に
は環状縁部３３Ｂの外周側に斜め上向きに突出縁部３３
Ｃが設けられている。
ストン部を示し、該ピストン部３３は従来技術とほぼ同
様に、ピストン本体３２の上端側に略円盤状をなして形
成され、上側面には円形状をなす浅底の凹部３３Ａが形
成されると共に、該凹部３３Ａの外周側は環状縁部３３
Ｂとなっている。しかし、本実施例のピストン部３３に
は環状縁部３３Ｂの外周側に斜め上向きに突出縁部３３
Ｃが設けられている。
【００２８】ここで、該突出縁部３３Ｃは、例えばプレ
ス成形等の手段によりピストン部３３に一体形成され、
環状縁部３３Ｂから径方向に外向きで、かつ上向きに突
出している。そして、該突出縁部３３Ｃの上側面（内周
側面）は、一定の曲率をもった円弧状の凹湾曲面３４と
して形成されている。
ス成形等の手段によりピストン部３３に一体形成され、
環状縁部３３Ｂから径方向に外向きで、かつ上向きに突
出している。そして、該突出縁部３３Ｃの上側面（内周
側面）は、一定の曲率をもった円弧状の凹湾曲面３４と
して形成されている。
【００２９】３５は本実施例で用いるリップシールで、
該リップシール３５は従来技術で述べたリップシール２
２とほぼ同様に形成され、取付部３５Ａをピストン部３
３とリテーナ２０との環状縁部３３Ｂ，２０Ｂ間に挟持
させることにより、湾曲部３５Ｃを凹湾曲面３４に沿っ
て湾曲させる。そして、この状態では湾曲部３５Ｃの外
側面が凹湾曲面３４に密着するように衝合し、リップ部
３５Ｂの外周面はシリンダ７の内周面７Ａに摺接するこ
とによって、ピストン３１のピストン部３３とシリンダ
７との間をシールしている。
該リップシール３５は従来技術で述べたリップシール２
２とほぼ同様に形成され、取付部３５Ａをピストン部３
３とリテーナ２０との環状縁部３３Ｂ，２０Ｂ間に挟持
させることにより、湾曲部３５Ｃを凹湾曲面３４に沿っ
て湾曲させる。そして、この状態では湾曲部３５Ｃの外
側面が凹湾曲面３４に密着するように衝合し、リップ部
３５Ｂの外周面はシリンダ７の内周面７Ａに摺接するこ
とによって、ピストン３１のピストン部３３とシリンダ
７との間をシールしている。
【００３０】本実施例による揺動型圧縮機は上述の如き
構成を有するもので、その基本的動作については従来技
術によるものと格別差異はない。
構成を有するもので、その基本的動作については従来技
術によるものと格別差異はない。
【００３１】然るに、本実施例では、ピストン部３３の
環状縁部３３Ｂ外周側に突出縁部３３Ｃを一体形成し、
該突出縁部３３Ｃの内周側（上側）面に凹湾曲面３４を
形成したから、ピストン部３３に取付けたリップシール
３５の湾曲部３５Ｃを凹湾曲面３４に沿って円弧状に湾
曲させることができ、凹湾曲面３４を湾曲部３５Ｃに外
側（下側）から密着するように当接させることができ
る。
環状縁部３３Ｂ外周側に突出縁部３３Ｃを一体形成し、
該突出縁部３３Ｃの内周側（上側）面に凹湾曲面３４を
形成したから、ピストン部３３に取付けたリップシール
３５の湾曲部３５Ｃを凹湾曲面３４に沿って円弧状に湾
曲させることができ、凹湾曲面３４を湾曲部３５Ｃに外
側（下側）から密着するように当接させることができ
る。
【００３２】従って、圧縮室１９側の空気圧等によりリ
ップシール３５がピストン部３３側に押圧されても、該
ピストン部３３の凹湾曲面３４がリップシール３５の湾
曲部３５Ｃ外側（下側）面に密着した状態で該湾曲部３
５Ｃを一定曲率の円弧状に支持するから、該湾曲部３５
Ｃは外側（下側）に突出するようにさらに湾曲するのを
凹湾曲面３４によって規制され、リップシール３５は該
湾曲部３５Ｃの位置で円弧状の湾曲状態を確実に保持す
ることができる。
ップシール３５がピストン部３３側に押圧されても、該
ピストン部３３の凹湾曲面３４がリップシール３５の湾
曲部３５Ｃ外側（下側）面に密着した状態で該湾曲部３
５Ｃを一定曲率の円弧状に支持するから、該湾曲部３５
Ｃは外側（下側）に突出するようにさらに湾曲するのを
凹湾曲面３４によって規制され、リップシール３５は該
湾曲部３５Ｃの位置で円弧状の湾曲状態を確実に保持す
ることができる。
【００３３】かくして、本実施例では、圧縮室１９側の
空気圧等によりリップシール３５が湾曲部３５Ｃの位置
で過度に変形するのを確実に規制できるから、リップシ
ール３５の破損や偏摩耗等を効果的に防止できると共
に、リップシール３５の安定したシール性能を長期間に
亘って保持でき、その寿命を延ばすことができる。従っ
て、当該揺動型圧縮機の良好な運転状態を長期間に亘っ
て維持でき、整備，交換等のメンテナンス性を大幅に向
上させることができる。
空気圧等によりリップシール３５が湾曲部３５Ｃの位置
で過度に変形するのを確実に規制できるから、リップシ
ール３５の破損や偏摩耗等を効果的に防止できると共
に、リップシール３５の安定したシール性能を長期間に
亘って保持でき、その寿命を延ばすことができる。従っ
て、当該揺動型圧縮機の良好な運転状態を長期間に亘っ
て維持でき、整備，交換等のメンテナンス性を大幅に向
上させることができる。
【００３４】なお、前記実施例においては、シリンダヘ
ッド８内に吸込室９と吐出室１０とを形成する構成とし
た揺動型圧縮機を例に挙げて述べたが、本発明はこれに
限らず、例えばピストンの円盤部側に吸込穴を形成し、
空気等の流体をクランク室内側から圧縮室内に吸込みつ
つ、圧縮流体をシリンダヘッド側から外部に吐出させる
構成の揺動型圧縮機に適用してもよい。
ッド８内に吸込室９と吐出室１０とを形成する構成とし
た揺動型圧縮機を例に挙げて述べたが、本発明はこれに
限らず、例えばピストンの円盤部側に吸込穴を形成し、
空気等の流体をクランク室内側から圧縮室内に吸込みつ
つ、圧縮流体をシリンダヘッド側から外部に吐出させる
構成の揺動型圧縮機に適用してもよい。
【００３５】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、リ
ップシールの湾曲部に対応した曲率の凹湾曲面をピスト
ンの円盤部外周側に設けたから、リップシールを該円盤
部に取付けた状態で、該リップシールの湾曲部を円盤部
の凹湾曲面に沿って丸く湾曲させることができ、この形
状を円盤部の凹湾曲面で保持できる。この結果、リップ
シールが圧縮室側から圧力等で押圧されても、湾曲部を
凹湾曲面に支持させた状態で円弧状の湾曲状態に保持で
きるから、リップシールがこのときの圧力等によって過
度に変形するのを確実に規制でき、リップシールの破損
や偏摩耗等を効果的に防止できると共に、リップシール
の安定したシール性能を長期間に亘って保持でき、当該
揺動型圧縮機の良好な運転状態を長期間に亘って維持す
ることができる。
ップシールの湾曲部に対応した曲率の凹湾曲面をピスト
ンの円盤部外周側に設けたから、リップシールを該円盤
部に取付けた状態で、該リップシールの湾曲部を円盤部
の凹湾曲面に沿って丸く湾曲させることができ、この形
状を円盤部の凹湾曲面で保持できる。この結果、リップ
シールが圧縮室側から圧力等で押圧されても、湾曲部を
凹湾曲面に支持させた状態で円弧状の湾曲状態に保持で
きるから、リップシールがこのときの圧力等によって過
度に変形するのを確実に規制でき、リップシールの破損
や偏摩耗等を効果的に防止できると共に、リップシール
の安定したシール性能を長期間に亘って保持でき、当該
揺動型圧縮機の良好な運転状態を長期間に亘って維持す
ることができる。
【図１】本発明の実施例による揺動型圧縮機のピストン
およびリップシール等を拡大して示す図４と同様の要部
縦断面図である。
およびリップシール等を拡大して示す図４と同様の要部
縦断面図である。
【図２】従来技術による揺動型圧縮機を示す縦断面図で
ある。
ある。
【図３】図２中の矢示III − III方向断面図である。
【図４】図２中のピストンおよびリップシール等を拡大
して示す要部縦断面図である。
して示す要部縦断面図である。
１ クランクケース ２ クランク室 ５ クランク軸 ７ シリンダ ７Ａ 内周面 ８ シリンダヘッド １６ 連結部 １９ 圧縮室 ２０ リテーナ ３１ ピストン ３３ ピストン部（円盤部） ３４ 凹湾曲面 ３５ リップシール ３５Ａ 取付部 ３５Ｂ リップ部 ３５Ｃ 湾曲部
Claims (1)
- 【請求項１】 クランク軸を回転可能に支持したクラン
クケースと、該クランクケースに設けられシリンダヘッ
ドが搭載されたシリンダと、一端側が前記クランク軸に
回転可能に連結される連結部となり、他端側が該シリン
ダ内を揺動しつつ往復動し前記シリンダヘッドとの間に
圧縮室を画成する円盤部となったピストンと、内周側が
該ピストンの円盤部に取付けられる環状の取付部とな
り、外周側が該ピストンから外向きに突出し前記シリン
ダの内周面に摺接するリップ部となったリップシールと
を備え、 前記ピストンの円盤部には、前記リップシールの取付部
を該円盤部との間で挟持することにより前記リップシー
ルを円盤部に位置決めするリテーナを設け、かつ前記円
盤部の外周側には、前記リップシールの取付部とリップ
部との間に円弧状の湾曲部を形成すべく、該湾曲部に対
応した曲率の凹湾曲面を設ける構成としてなる揺動型圧
縮機。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7325179A JPH09144666A (ja) | 1995-11-20 | 1995-11-20 | 揺動型圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7325179A JPH09144666A (ja) | 1995-11-20 | 1995-11-20 | 揺動型圧縮機 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09144666A true JPH09144666A (ja) | 1997-06-03 |
Family
ID=18173896
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7325179A Pending JPH09144666A (ja) | 1995-11-20 | 1995-11-20 | 揺動型圧縮機 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09144666A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002235857A (ja) * | 2001-02-07 | 2002-08-23 | Nok Corp | 密封装置 |
| JP2008297924A (ja) * | 2007-05-29 | 2008-12-11 | Anest Iwata Corp | 往復動式ガス圧縮機 |
| JP2012031788A (ja) * | 2010-07-30 | 2012-02-16 | Hitachi Koki Co Ltd | 空気圧縮機 |
| JP2013253699A (ja) * | 2013-07-22 | 2013-12-19 | Max Co Ltd | 高圧対応のロッキングピストン |
| JP2013253698A (ja) * | 2013-07-22 | 2013-12-19 | Max Co Ltd | 高圧対応のロッキングピストン |
-
1995
- 1995-11-20 JP JP7325179A patent/JPH09144666A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002235857A (ja) * | 2001-02-07 | 2002-08-23 | Nok Corp | 密封装置 |
| JP2008297924A (ja) * | 2007-05-29 | 2008-12-11 | Anest Iwata Corp | 往復動式ガス圧縮機 |
| JP2012031788A (ja) * | 2010-07-30 | 2012-02-16 | Hitachi Koki Co Ltd | 空気圧縮機 |
| JP2013253699A (ja) * | 2013-07-22 | 2013-12-19 | Max Co Ltd | 高圧対応のロッキングピストン |
| JP2013253698A (ja) * | 2013-07-22 | 2013-12-19 | Max Co Ltd | 高圧対応のロッキングピストン |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040917 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20041005 |
|
| A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20041125 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050510 |