JPH09177973A - 往復動型圧縮機 - Google Patents

往復動型圧縮機

Info

Publication number
JPH09177973A
JPH09177973A JP7349239A JP34923995A JPH09177973A JP H09177973 A JPH09177973 A JP H09177973A JP 7349239 A JP7349239 A JP 7349239A JP 34923995 A JP34923995 A JP 34923995A JP H09177973 A JPH09177973 A JP H09177973A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston
ring
piston ring
ring groove
cylinder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7349239A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiji Nagashima
清二 長島
Kotaro Furuya
光太朗 古谷
Yuuji Nakayama
勇士 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokico Ltd filed Critical Tokico Ltd
Priority to JP7349239A priority Critical patent/JPH09177973A/ja
Publication of JPH09177973A publication Critical patent/JPH09177973A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Details Of Reciprocating Pumps (AREA)
  • Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピストンリングの摩耗による変形を押え、長
期間に亘って安定したシール性能を確保できるようにす
る。 【解決手段】 ピストン31の外周面31Aにはリング
溝32、ライダリング溝33を形成する。そして、リン
グ溝32内には、シリンダ6の内周面6Aとの間にピス
トンリング34を装着する。また、ピストンリング34
には、下側面34Bと外周面34Dとの間にテーパ部3
5を形成し、該テーパ部35によりピストンリング34
がテーパ部35の内周端35Aから外周面34Dに向け
て薄肉となるようにする。これにより、ピストンリング
34は圧縮行程で下側面34Bがリング溝32の下側壁
面32Bに押付けられたときに、テーパ部35がリング
溝32の角隅部C′から離間した状態を保持できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば気体等の流
体を圧縮するのに用いて好適な往復動型圧縮機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ここで、従来技術による往復動型圧縮機
を図5ないし図10に基づいて、往復動型空気圧縮機を
例に挙げて説明する。
【0003】図中、1は筒状のクランクケースを示し、
該クランクケース1は内部にクランク室2が画成される
と共に、該クランク室2の上側位置には開口部1Aが形
成されている。また、クランクケース1側には駆動源と
して例えば電動モータ(図示せず)等が配設され、該電
動モータの出力軸3はクランク室2内に伸長し、該出力
軸3にはキー4を介してクランク軸5が一体的に固定さ
れている。
【0004】6はクランクケース1の開口部1A上に取
付けられたシリンダを示し、該シリンダ6内には後述の
ピストン11が摺動可能に挿嵌され、該ピストン11は
後述のピストンリング16等を介してシリンダ6の内周
面6Aに摺接している。
【0005】7はシリンダ6上に搭載されたシリンダヘ
ッドを示し、該シリンダヘッド7内には吸込室8と吐出
室9とが画成され、該吸込室8,吐出室9は吸込口8
A,吐出口9Aを介してそれぞれ外部に連通している。
10はシリンダ6とシリンダヘッド7との間に挟持され
た弁座板を示し、該弁座板10には吸込室8内に位置し
て吸込穴10Aが、吐出室9内に位置して吐出穴10B
が形成されている。
【0006】11はシリンダ6内に往復動可能に挿嵌さ
れたピストンを示し、該ピストン11の上端面は受圧面
となってシリンダヘッド7との間に圧縮室12を画成
し、下端側は開口端となっている。そして、ピストン1
1は後述の連接棒19にピストンピン13を介して連結
され、クランク軸5によりシリンダ6内で往復動され
る。また、ピストン11の外周面11Aには、その上端
側部位に後述するピストンリング16用のリング溝14
が形成され、下端側部位にはライダリング溝15が形成
されると共に、該ライダリング溝15の底面側にはピス
トンピン13が挿嵌される挿嵌穴(図示せず)が形成さ
れている。
【0007】14はピストンリング16が装着されるリ
ング溝を示し、該リング溝14は図7に示すように、ピ
ストン11の外周面11A側に環状の凹溝として形成さ
れ、上側壁面14A,下側壁面14Bおよび凹溝の底面
となる内側壁面14Cを有している。なお、クランク室
2側(下側)に位置するリング溝14の開口端は角隅部
Cとなっている。
【0008】16はピストンリングを示し、該ピストン
リング16は図6に示すように、耐摩耗性および自己潤
滑性に優れた樹脂材料からなり、切欠き部17が設けら
れたリング体として形成されている。また、ピストンリ
ング16は図7に示すように、上側面16A,下側面1
6B,内周面16Cおよび外周面16Dを有する断面四
角形状に形成され、リング溝14の溝幅寸法よりも僅か
に小さい軸方向寸法tと、リング溝14の深さ寸法より
も僅かに大きい径方向寸法とを有している。
【0009】そして、ピストンリング16はリング溝1
4内に装着された状態で、ピストン11と共にシリンダ
6内に挿嵌されることにより、外周面16D側がシリン
ダ6の内周面6Aに摺接し、シリンダ6とピストン11
との間をシールする。また、この状態でピストンリング
16の内周面16Cとリング溝の内側壁面14Cとの間
には、環状の空間Sが形成されている。
【0010】また、切欠き部17の両側端部には図6に
示すように、周方向に延びる突起部17A,17Bおよ
び17Cが形成され、このうち突起部17A,17Bが
径方向で摺接し、突起部17A,17Cは軸方向で摺接
する構成となっている。そして、ピストンリング16
は、切欠き部17を介して弾性的に拡径,縮径できるよ
うに構成され、これによってシリンダ6の内周面6Aに
弾性的に接触し、シール性を高めるようになっている。
【0011】18はピストン11のライダリング溝15
内に装着されたライダリングで、該ライダリング18は
短尺な筒状体として形成され、ピストン11をシリンダ
6内で円滑に摺動させるものである。
【0012】19はクランク軸5をシリンダ6内のピス
トン11に連結する連接棒を示し、該連接棒19は基端
側が軸受20を介してクランク軸5に回転可能に連結さ
れた大端部19Aとなり、先端側が軸受21を介してピ
ストン11のピストンピン13に回転可能に連結された
小端部19Bとなっている。
【0013】22,23は弁座板10に取付けられたリ
ード弁としての吸込弁,吐出弁を示し、該吸込弁22,
吐出弁23は基端側がねじ等によって弁座板10に固定
された固定端となり、先端側は自由端となって弁座板1
0の吸込穴10A,吐出穴10Bをそれぞれ開,閉す
る。
【0014】従来技術による往復動型空気圧縮機は、上
述の如き構成を有するもので次にその作動について説明
する。
【0015】まず、前記電動モータによりクランク軸5
が回転駆動されると、該クランク軸5の周囲を連接棒1
9の大端部19Aが回転し、連接棒19の小端部19B
に連結されたピストン11はシリンダ6内を往復動す
る。これにより、ピストン11は圧縮室12を拡大する
吸込行程と、圧縮室12を縮小する圧縮行程(吐出行
程)とを繰返す。
【0016】そして、吸込行程では、吸込室8内の圧力
(大気圧)が圧縮室12内の圧力(負圧)よりも大きく
なるため、吸込弁22が圧縮室12側に湾曲して弁座板
10から離間し、吸込穴10Aが開口して吸込室8と圧
縮室12とが連通され、吸込室8から圧縮室12内へと
空気が吸込まれる。また、圧縮行程では、圧縮された空
気圧によって圧縮室12内の圧力が吐出室9内の圧力よ
りも大きくなるため、吐出弁23が吐出室9側に湾曲し
て弁座板10から離間し、吐出穴10Bが開口して圧縮
室12と吐出室9とが連通され、圧縮室12から吐出室
9内へと圧縮空気が吐出される。
【0017】このように、従来技術による往復動型空気
圧縮機は、上述した吸込行程,圧縮行程を繰返すことに
より、吐出口9Aに空気導管等を介して接続された空気
タンク(いずれも図示せず)等に圧縮空気を吐出し続け
るようになっている。
【0018】ここで、ピストンリング16は図7に示す
ように、圧縮行程において圧縮室12内の圧力により図
中下側に押圧され、これによって下側面16Bがリング
溝14の下側壁面14Bに当接すると共に、ピストンリ
ング16の上側面16Aとリング溝14の上側壁面14
Aとの間には微小な隙間が生ずる。そして、この隙間を
介して圧縮室12内の圧縮空気が空間S内に流入し、流
入した空気がピストンリング16を拡径するようにシリ
ンダ6の内周面6A側へと押圧することにより、ピスト
ンリング16は下側面16Bをリング溝14の下側壁面
14Bに、外周面16Dをシリンダ6の内周面6Aに押
付けた状態でピストン11と共にシリンダ6内を摺動
し、これによってピストン11とシリンダ6との間の気
密性が保持される。
【0019】また、吸込行程ではピストン11がシリン
ダ6内を下向きに摺動変位するから、図8に示すように
ピストンリング16の上側面16Aがリング溝14の上
側壁面14Aに当接し、ピストンリング16の下側面1
6Bとリング溝14の下側壁面14Bとの間には微小な
隙間が形成される。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、ピストン11が吸込行程と圧縮行程とを繰
返す間に、ピストンリング16は下側面16Bがリング
溝14の下側壁面14Bに衝突を繰返すようになる。そ
して、圧縮室12内が高温高圧となる圧縮行程では、ピ
ストンリング16はリング溝14の下側壁面14Bに強
く押付けられると共に、圧縮室12側からの高温にさら
される。
【0021】このため、ある程度の運転時間が経過する
と、ピストンリング16の下側面16Bはリング溝14
の下側壁面14Bに衝突するように押付けられ、図9に
示す如く凹状の摩耗部24が形成される。そして、ピス
トンリング16が圧縮室12内の圧力変動やシリンダ6
からの摺動抵抗等の作用によってリング溝14内で径方
向に変位すると、この摩耗部24によって下側面16B
とリング溝14の下側壁面14Bとの間に隙間が発生す
るばかりでなく、摩耗部24の端部とリング溝14の角
隅部Cとが、図10に示すように僅かにずれた状態で重
なり合うことがある。
【0022】そして、この状態で圧縮運転が続行される
と、摩耗部24がピストン11の外周面11A側でシリ
ンダ6内と僅かに連通するようになるから、圧縮室12
内の圧縮空気が空間S(図7参照),摩耗部24を介し
て図10中の矢示A方向へとシリンダ6(クランク室
2)側に漏洩するという問題がある。
【0023】さらに、空間S内の圧力が摩耗部24を介
してクランク室2側に逃げてしまうと、ピストンリング
16を内周側からシリンダ6の内周面6Aに押圧する圧
力が減少するから、ピストンリング16の外周面16D
とシリンダ6の内周面6Aとの密着性が悪くなり、これ
らの間のシール性も低下してしまう。
【0024】このように、ピストンリング16がリング
溝14に押付けられて摩耗変形すると、そのシール性能
が早期に損なわれ、往復動型空気圧縮機の圧縮(吐出)
性能が著しく低下してしまうという問題がある。
【0025】また、圧縮室12内の圧力は例えば200
kg/cm2程度の高圧に達するため、圧縮空気が図1
0に示す摩耗部24とリング溝14の角隅部Cとの間か
らクランク室2側に漏洩すると、このときに圧縮空気の
流れにより異音が発生し、往復動型空気圧縮機の運転時
に騒音が大きくなるばかりでなく、高温の圧縮空気がク
ランク室2内に流通することにより、連接棒19や軸受
20等の各部品が温度上昇し、これらの部品の寿命を短
くしてしまう。
【0026】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は圧縮運転による摩耗変形等によ
ってピストンリングのシール性能が低下するのを確実に
防止でき、長期間に亘って安定した圧縮性能を確保でき
る上に、耐久性や寿命を延ばすことができるようにした
往復動型圧縮機を提供することを目的としている。
【0027】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明は、シリンダヘッドが搭載されたシリンダ
と、該シリンダ内に摺動可能に挿嵌され、前記シリンダ
ヘッドとの間に圧縮室を画成するピストンと、該ピスト
ンの外周側にリング溝を介して装着され、該ピストンと
前記シリンダとの間をシールするピストンリングとから
なる往復動型圧縮機において、前記ピストンリングに
は、前記ピストンのリング溝内に装着される内周側が外
周側よりも厚肉となるようにテーパ部を形成し、該テー
パ部の内周側部位を、前記ピストンの圧縮行程で前記リ
ング溝の壁面に当接させる構成としたことを特徴として
いる。
【0028】このように構成することにより、ピストン
リングに形成したテーパ部は、圧縮行程でリング溝の壁
面に当接する内周側部位(内周端)から外周側に向けて
ピストンリングが漸次薄肉となるような傾斜角度をもっ
ているから、ピストンリングは圧縮運転によりテーパ部
の内周側部位がリング溝の壁面に当接を繰返すような場
合でも、テーパ部の表面側が凹状に摩耗変形するのを防
止でき、ピストンリングとリング溝との間に摩耗による
隙間等が形成されるのを抑制できる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に従って詳細に説明する。なお、実施例において
は、従来技術と同一の構成要素に同一の符号を付し、そ
の説明を省略するものとする。
【0030】図中、31はピストンを示し、該ピストン
31は従来技術とほぼ同様に、外周面31Aにリング溝
32,ライダリング溝33等が形成され、該リング溝3
2は平坦に形成された上側壁面32A,下側壁面32B
と、内側壁面32Cとを有するものの、本実施例では、
リング溝32は後述のピストンリング34に対応して従
来技術よりもやや幅広に形成されている。なお、クラン
ク室2側(下側)に位置するリング溝32の開口端を角
隅部C′とする。
【0031】34は本実施例によるピストンリングを示
し、該ピストンリング34は従来技術とほぼ同様に、例
えばポリテトラフルオロエチレン等の耐摩耗性および自
己潤滑性に優れた樹脂材料から形成され、平坦に形成さ
れた上側面34A,下側面34Bと、内周面34C,外
周面34Dとを有しているものの、本実施例では、ピス
トンリング34の内周面34C側が外周面34D側より
も軸方向で厚肉となるように下側面34Bと外周面34
Dとの間に後述のテーパ部35が形成され、断面五角形
状をなしている。そして、ピストンリング34の下側面
34Bはテーパ部35の内周側部位を構成している。
【0032】ここで、ピストンリング34は外周面34
D側が従来技術のピストンリング16と同様の軸方向寸
法(厚さ寸法)tをもつように形成され、ピストンリン
グ34の内周面34C側は、テーパ部35のテーパ角度
α分だけ従来技術のピストンリング16よりも厚肉に形
成されている。
【0033】35はピストンリング34の下側面34B
と外周面34Dとの間に形成したテーパ部を示し、該テ
ーパ部35は図2に示すように、内周端35Aが下側面
34Bと共にピストン31の圧縮行程でリング溝32の
下側壁面32Bに当接し、外周端側はピストンリング3
4の外周面34Dとの間で鈍角をなすように形成されて
いる。そして、テーパ部35は下側面34Bに対し、例
えば5〜30度程度のテーパ角度αをもって形成され、
ピストンリング34が図2中に二点鎖線で示す摩耗限界
面Lまで摩耗後退したときに、下側面34Bがリング溝
32の角隅部C′と初めて当接する構成となっている。
【0034】ここで、摩耗限界面Lとは、下側面34B
が摩耗後退してピストンリング34の軸方向寸法が薄く
なったときに、ピストンリング34がシール性能を保持
できる限界の位置を示し、この摩耗限界面Lを越えて下
側面34Bが摩耗した場合には、ピストンリング34を
交換すべき時期に達するものである。
【0035】このように、ピストンリング34は圧縮行
程で、テーパ部35の内周端35Aよりも内周面34C
側で下側面34Bをリング溝32の下側壁面32Bに当
接させると共に、内周端35Aよりも外周面34D側で
は、テーパ部35によって下側壁面32Bから離間して
いる。
【0036】本実施例による往復動型空気圧縮機は上述
の如き構成を有するもので、その基本的動作については
従来技術によるものと格別差異はない。
【0037】然るに、本実施例では、ピストンリング3
4の下側面34Bと外周面34Dとの間に、内周面34
C側が外周面35D側よりも厚肉となるようにテーパ部
35を形成し、該テーパ部35の内周端35Aが下側面
34Bと共にリング溝32の下側壁面32Bに圧縮行程
で当接する構成としたから、圧縮行程でピストンリング
34が下側壁面32Bに当接したときに、下側面34B
がリング溝32の角隅部C′に当接するのをテーパ部3
5により確実に防止でき、下側面34Bが角隅部C′に
押付けられて凹状に摩耗変形し、下側面34Bと下側壁
面32Bとの間に隙間が形成されるのを確実に防止する
ことができる。
【0038】従って、ピストンリング34のシール性能
が早期に損なわれるのを確実に防止できるから、ピスト
ンリング34の寿命を確実に延ばすことができ、その信
頼性を向上できると共に、当該往復動型空気圧縮機の安
定した圧縮性能を長期間に亘って維持することができ
る。
【0039】また、ピストンリング34はピストン31
のリング溝32内に装着され、外周面34Dがシリンダ
6の内周面6Aに摺接した状態でピストン31と共にシ
リンダ6内を摺動し、圧縮行程でリング溝32の下側壁
面32Bに衝突を繰返すことにより、下側面34Bが摩
耗限界面Lに向けて徐々に摩耗後退する。この結果、テ
ーパ部35は径方向寸法が短くなり、内周端35Aが外
周面34D側に徐々に移動する。そして、ピストンリン
グ34の摩耗が進み下側面34Bが摩耗限界面Lに達し
たときに、テーパ部35の内周端35Aは図3に示す如
くリング溝32の角隅部C′(ピストン31の外周面3
1A)の位置に初めて到達し、このときからピストンリ
ング34の下側面34Bが角隅部C′に当接するように
なる。
【0040】従って、ピストンリング34の下側面34
Bが摩耗限界面Lまで摩耗後退したときに、下側面34
Bがリング溝32の角隅部C′に初めて当接する構成と
したから、ピストンリング34が摩耗限界面Lまで摩耗
しないうちに下側面34Bが角隅部C′に当接し、ピス
トンリング34のシール性能が早期に損なわれるのを確
実に防止することができる。
【0041】そして、ピストンリング34の摩耗がさら
に進み、下側面34Bが摩耗限界面Lを越えて摩耗した
ときには、図4に示す如くピストンリング34の下側面
34Bがリング溝32の角隅部C′に当接する(押付け
られる)ことにより、下側面34Bが凹状に摩耗変形す
る。
【0042】これにより、ピストンリング34が摩耗限
界面Lまで摩耗すると、下側面34Bに摩耗部36が形
成され、該摩耗部36から図4中の矢示Bに示す如く漏
洩した圧縮空気が異音を発生させるから、ピストンリン
グ34の摩耗による交換時期をピストン31等を分解す
ることなく容易に知ることができ、ピストンリング34
のメンテナンスを効率よく行うことができる。
【0043】なお、前記実施例においては、ピストンリ
ング34の下側面34Bと外周面34Dとの間にテーパ
部35を形成することにより、ピストンリング34を断
面五角形状に形成したが、本発明はこれに限らず、図1
中に点線で示すようにピストンリング34の下側面34
B位置に内周面34Cから外周面34Dまで伸長するテ
ーパ部35′を形成することにより、ピストンリング3
4を上側面34A,内周面34C,外周面34Dおよび
テーパ部35′からなる断面四角形状に形成してもよ
い。
【0044】また、前記実施例では、往復動型圧縮機と
して往復動型空気圧縮機を例に挙げて述べたが、本発明
はこれに限らず、例えば空気等の気体や冷媒等を圧縮す
る往復動型圧縮機等に適用してもよい。
【0045】さらに、前記実施例においては、単一のシ
リンダを有する往復動型圧縮機を例に挙げて述べたが、
本発明はこれに限らず、例えば2個または3個以上から
なる複数個のシリンダを有する多段式圧縮機等に適用し
てもよい。
【0046】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、ピ
ストンリングに内周側が外周側よりも厚肉となるように
テーパ部を形成し、該テーパ部の内周側部位をピストン
の圧縮行程でリング溝の壁面に当接させる構成としたか
ら、ピストンリングがリング溝の壁面に圧縮行程で当接
するときに、前記内周側部位よりも外周側に位置するピ
ストンリングの表面(テーパ部)がリング溝の開口端に
押付けられ、凹状に変形するのを確実に防止でき、この
変形によって圧縮室側の圧縮空気が外部に漏洩するのを
確実に防止できる。従って、ピストンリングのシール性
能が早期に損なわれるのを確実に防止できるから、ピス
トンリングの寿命を延ばすことができ、その信頼性を向
上できると共に、当該往復動型圧縮機の安定した圧縮性
能を長期間に亘って維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による往復動型空気圧縮機のピ
ストンとピストンリング等を拡大して示す図7と同様の
縦断面図である。
【図2】ピストンリングのテーパ部をリング溝等と共に
示す図1の要部拡大断面図である。
【図3】ピストンリングの下側面が摩耗限界面の位置ま
で摩耗した状態を示す図2と同様の断面図である。
【図4】ピストンリングの下側面が摩耗限界面を越えて
摩耗した状態を示す図2と同様の断面図である。
【図5】従来技術による往復動型空気圧縮機を示す縦断
面図である。
【図6】図5中のピストンリングを示す斜視図である。
【図7】図5中のピストンとピストンリング等を拡大し
て示す縦断面図である。
【図8】吸込行程でのピストンリングの挙動状態を示す
図7と同様の縦断面図である。
【図9】ピストンリングの下側面が摩耗した状態をリン
グ溝と共に拡大して示す断面図である。
【図10】ピストンリングの摩耗部から圧縮空気が漏洩
する状態を示す図9と同様の断面図である。
【符号の説明】
1 クランクケース 2 クランク室 6 シリンダ 6A 内周面 7 シリンダヘッド 12 圧縮室 31 ピストン 31A 外周面 32 リング溝 32A 上側壁面 32B 下側壁面 32C 内側壁面 34 ピストンリング 34A 上側面 34B 下側面 34C 内周面 34D 外周面 35,35′ テーパ部 35A 内周端(内周側部位) C,C′ 角隅部 S 空間 α テーパ角度

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダヘッドが搭載されたシリンダ
    と、該シリンダ内に摺動可能に挿嵌され、前記シリンダ
    ヘッドとの間に圧縮室を画成するピストンと、該ピスト
    ンの外周側にリング溝を介して装着され、該ピストンと
    前記シリンダとの間をシールするピストンリングとから
    なる往復動型圧縮機において、前記ピストンリングに
    は、前記ピストンのリング溝内に装着される内周側が外
    周側よりも厚肉となるようにテーパ部を形成し、該テー
    パ部の内周側部位を、前記ピストンの圧縮行程で前記リ
    ング溝の壁面に当接させる構成としたことを特徴とする
    往復動型圧縮機。
JP7349239A 1995-12-20 1995-12-20 往復動型圧縮機 Pending JPH09177973A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7349239A JPH09177973A (ja) 1995-12-20 1995-12-20 往復動型圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7349239A JPH09177973A (ja) 1995-12-20 1995-12-20 往復動型圧縮機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09177973A true JPH09177973A (ja) 1997-07-11

Family

ID=18402427

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7349239A Pending JPH09177973A (ja) 1995-12-20 1995-12-20 往復動型圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09177973A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010243390A (ja) * 2009-04-08 2010-10-28 Honda Motor Co Ltd エンジンの摩擦力測定装置
JP2017223231A (ja) * 2016-06-14 2017-12-21 メダキス アーゲー ポンプモジュール及び流体ジェットを生成するためのデバイス

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010243390A (ja) * 2009-04-08 2010-10-28 Honda Motor Co Ltd エンジンの摩擦力測定装置
JP2017223231A (ja) * 2016-06-14 2017-12-21 メダキス アーゲー ポンプモジュール及び流体ジェットを生成するためのデバイス
US10550839B2 (en) 2016-06-14 2020-02-04 Medaxis Ag Pump module and device for producing a fluid jet

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5765464A (en) Reciprocating pistons of piston-type compressor
US6336795B1 (en) Fluid displacement apparatus with suction reed valve stopper
JP2007291881A (ja) 圧縮機
WO2008066155A1 (fr) Compresseur à came plate à cylindrée variable
KR20060096003A (ko) 압축기 및 흡입 밸브 구조
EP0844394A2 (en) Compressor housing, method of manufacture and assembly
US5380163A (en) Gas guiding mechanism in a piston type compressor
JPH09177973A (ja) 往復動型圧縮機
KR101951652B1 (ko) 소형 공기 압축기의 실린더 결합 구조
JPH10153170A (ja) 斜板式圧縮機のピストン
JPH10159723A (ja) 斜板型圧縮機
US20030025276A1 (en) Shaft sealing devices, compressors comprising the shaft sealing devices, and methods for sealing a rotational shaft
JP2006152960A (ja) 揺動型圧縮機
JP2002339867A (ja) 圧縮機のシール構造及び圧縮機
JP3602576B2 (ja) 揺動型圧縮機
JP2005105975A (ja) 圧縮機の弁構造
JP3519492B2 (ja) 往復動圧縮機
JPH08144946A (ja) 圧縮機の吸入および吐出機構
JP2005233054A (ja) 圧縮機
JP2007255248A (ja) 圧縮機
JP4886370B2 (ja) 流体機械
JPH09144666A (ja) 揺動型圧縮機
JP3756982B2 (ja) 多段圧縮装置
KR101290633B1 (ko) 압축기 가스켓의 실링구조
JP2005083348A (ja) 圧縮機

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20041125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050426

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050614

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20051025