JPH09144103A - 殺菌水供給機能付便器ユニット - Google Patents

殺菌水供給機能付便器ユニット

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JPH09144103A
JPH09144103A JP8056713A JP5671396A JPH09144103A JP H09144103 A JPH09144103 A JP H09144103A JP 8056713 A JP8056713 A JP 8056713A JP 5671396 A JP5671396 A JP 5671396A JP H09144103 A JPH09144103 A JP H09144103A
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toilet
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sterilizing
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 尿石の付着や臭気の発生を防止する機能を備
える便器ユニットを提供する。 【解決手段】 水道等の塩素イオン含有水の供給源に接
続された給水管11から、各便器14、15毎に分岐す
る洗浄用配管12、13とは別に、電解用分岐管31を
分岐させる。この電解用分岐管31に、少なくとも1対
の電極と、電極間に形成された流路とを有する連続式電
気分解槽36を設ける。この電極間に電圧を印加するこ
とにより連続式電気分解槽36に導入された洗浄水を電
気分解する。これにより、強い殺菌力を有する遊離塩素
が生成される。この遊離塩素を含有する殺菌水を、適宜
タイミングで便器14、15に供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビルや一般家屋等
に取り付ける、給排水配管や開閉弁等を含む便器ユニッ
トに関する。
【0002】
【従来の技術】大便器又は小便器を建物に取り付ける場
合、従来は、壁や床の中に配管を敷設し、壁面及び床面
の所定の位置に配管の出口を設けた後、便器を取り付け
るという工法をとっていた。このような工法では、配管
が外に出ないために仕上外観が美麗であるという特長は
あるが、既存の建物に取り付ける場合にはもちろん、新
築の場合でも、壁面・床面工事と配管工事の調整が必要
であるために施工が面倒であった。
【0003】そこで、便器の他に、予め給水管、排水
管、制御弁等や、それらを覆う化粧板等を一緒にまとめ
たユニットである便器ユニットが開発されている。
【0004】一方、従来、便器の日常的洗浄は、使用者
のボタン操作等による手動洗浄装置、或いは、便器の前
に人が立ったことを検出し、便器の使用が終了した時点
で自動的に上水又は中水を流すという動作を行なう自動
洗浄装置により行なわれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】便器使用後に単に水を
流すのみでは、徐々に便器に水アカやぬめりが付着した
り臭気が発生することを防止することができない。ま
た、小便器においては尿石が配管内に付着して汚水の通
過路を狭くしたり、便器の表面に付着して外観を損ね、
細菌繁殖の温床となって臭気を放つようになる。このよ
うに一旦付着してしまった尿石は通常の清掃では除去す
ることは難しく、ブラシで強く擦らないと取れない。こ
のため、尿石除去は専門の業者に依頼する必要があり、
コスト等の面で大きな負担となっていた。
【0006】本発明はこのような課題を解決するために
成されたものであり、その目的とするところは、尿石、
水アカ、ぬめり等の付着や臭気の発生を防止する機能を
備える便器ユニットを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明に係る殺菌水供給機能付ユニット便器
は、 a)一又は複数の便器と、 b)塩素イオン含有水供給源に接続される給水管と、 c)給水管と各便器とを接続する洗浄水配管に設けられた
洗浄用開閉弁と、を備える便器ユニットにおいて、 d)給水管から分岐する殺菌水配管と、 e)殺菌水配管に設けられ、少なくとも1対の電極と、電
極間に形成された流路とを有する連続式電気分解槽と、 f)連続式電気分解槽の上記電極間に電圧を印加すること
により連続式電気分解槽に導入された洗浄水を電気分解
して殺菌水を生成し、適宜タイミングで便器に供給する
殺菌水制御回路と、を備えることを特徴とするものであ
る。
【0008】また、別の態様として、 a)一又は複数の便器と、 b)塩素イオン含有水供給源に接続される給水管と、 c)給水管と各便器とを接続する洗浄水配管に設けられた
洗浄用開閉弁と、を備える便器ユニットにおいて、 d)洗浄水配管に洗浄用開閉弁と直列に設けられ、少なく
とも1対の電極と、電極間に形成された流路とを有する
連続式電気分解槽と、 e)連続式電気分解槽の上記電極間に電圧を印加する電解
制御回路と、を備えるようにしてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態及び発明の効果】本発明に係る便器
ユニットでは、次のような作用により防汚・防臭機能が
発揮される。まず、上水道、ビルの中水設備等の洗浄水
供給源から給水管を経由して上水又は中水が洗浄水配管
及び殺菌水配管に供給される。このうち、洗浄水配管に
供給される水は、洗浄水制御回路が便器の使用直後等の
適宜の時点に洗浄用開閉弁を開放した時点で便器に供給
され、尿を便器から排出するのに用いられる。一方、殺
菌水配管に供給された水は、連続式電気分解槽内に設け
られた少なくとも1対の電極の間に形成された流路を流
れるが、それら電極間には殺菌水制御回路より電圧が印
加されているため、水はそれら電極間の流路を流れる際
に電気分解される。一般に上水又は中水は塩素イオンを
含有するため、電気分解により遊離塩素が生成される。
遊離塩素は、酸性では次亜塩素酸(HClO)として存
在し、この形態ではアルカリ性での存在形態である次亜
塩素酸イオン(ClO-)と比較して約10倍殺菌力が
強い。また、中性でもその中間程度の強力な殺菌力が得
られる。従って、連続式電気分解槽で電気分解された水
は、強力な殺菌力を有する殺菌水となっている。
【0010】こうして連続式電気分解槽で生成された殺
菌水は、殺菌水制御回路により適宜タイミングで殺菌水
配管を経由して便器に供給され、便器内の細菌を殺菌す
る。
【0011】便器への尿石の付着のメカニズムは次のよ
うなものと考えられている。便器に排尿をすると、便器
表面に尿が付着し、便器内の滞留水に尿が滞留する。一
般に便器には桿菌等の細菌が存在する。尿には多量の尿
素が含有されているが、便器表面や便器内の滞留水に細
菌が存在すると、尿素は細菌の有する酵素ウレアーゼの
作用によりアンモニアと二酸化炭素に分解される。この
とき生成するアンモニア量が多いと臭気の一因となる。
またアンモニアが生成すると、便器表面に付着した液体
や便器内の滞留水に溶解し、その液体のpHが上昇す
る。pHが上昇すると、便器表面に付着した液体や便器
内の滞留水に含まれるカルシウムイオンが炭酸塩やリン
酸塩へと形態変化して析出し、尿石として便器に付着し
て着色汚れの原因となる。
【0012】本発明に係る便器ユニットでは、連続式電
気分解槽で生成された殺菌水を適宜タイミングで便器に
流すことにより、便器内に存在する上記桿菌等の細菌を
殺菌するため、このような尿石付着の原因が排除され、
便器は常に清浄な状態に保たれ、また、アンモニア等に
よる臭気の発生も防止される。
【0013】本発明の好ましい態様の一つとして、連続
式電気分解槽で生成された殺菌水を貯留する貯留タンク
を連続式電気分解槽よりも下流側の殺菌水配管に設け、
殺菌水制御装置は貯留タンクに貯留された殺菌水を適宜
便器に供給するようにした殺菌水供給機能付便器ユニッ
トを挙げることができる。これにより、大量の殺菌水を
一気に便器に供給することができるようになるため、便
器における殺菌効果が高まる。特に、複数の便器を含む
便器ユニットの場合に、貯留した大量の殺菌水を便器毎
に一気に供給することが可能になるため、この効果が著
しい。
【0014】本発明の別の好ましい態様として、連続式
電気分解槽よりも上流側の殺菌水配管に定流量弁を設け
た殺菌水供給機能付便器ユニットを挙げることができ
る。この定流量弁により、連続式電気分解槽の上記電極
間通路を流れる水の量が一定となるように制御すること
ができるため、安定した電気分解が保証され、安定した
遊離塩素濃度の殺菌水が得られる。また、この流量を調
節することにより、殺菌水中の遊離塩素濃度を制御する
ことができる。
【0015】本発明の更に別の好ましい態様として、貯
留タンクに貯留された殺菌水を便器に圧送する圧送手段
を有する殺菌水供給機能付便器ユニットを挙げることが
できる。これにより、殺菌水は便器において拡散しやす
くなり、殺菌効果が高まる。また、拡散により少量の殺
菌水による効果的な殺菌が可能となり、水の節約ともな
る。この圧送手段の一例としては、ポンプを挙げること
ができる。
【0016】本発明の更に別の好ましい態様として、給
水管と連続式電気分解槽との間の殺菌水配管に止水栓を
有する殺菌水供給機能付便器ユニットを挙げることがで
きる。連続式電気分解槽の電極を交換する等のメインテ
ナンスの際にこの止水栓を閉鎖することにより、連続式
電気分解槽のメインテナンスが容易となる。
【0017】本発明の更に別の好ましい態様として、給
水管と連続式電気分解槽との間の殺菌水配管に逆止弁を
有する殺菌水供給機能付便器ユニットを挙げることがで
きる。これにより、連続式電気分解槽で生成された殺菌
水が給水管に逆流することが防止される。
【0018】本発明の更に別の好ましい態様として、便
器に、殺菌水を便器内で拡散させるための散水手段が備
えられている殺菌水供給機能付便器ユニットを挙げるこ
とができる。これにより連続式電気分解槽で生成された
殺菌水は便器内で充分に拡散され、便器内の広い部分に
おいて尿石の付着及び臭気の発生を防止することができ
る。また、少量の殺菌水での殺菌が可能となり、水の節
約となる。これは、上記圧送手段と併用すると効果的で
ある。この散水手段の一例としてスプレッダノズルを挙
げることができる。スプレッダノズルは便器表面から少
し突出するように設けられ、その側面には複数の水噴射
口が広い角度範囲に向けて設けられているものである。
各水噴射口からは、便器表面に沿うように水が噴射され
る。他の例として、小便器に備えられた通常の洗浄用の
リム穴を利用することも考えられる。
【0019】本発明の更に別の好ましい態様として、電
気分解槽の異常を警告する手段が備えられている殺菌水
供給機能付便器ユニットを挙げることができる。このよ
うな警告手段を外側から認識し得る位置(便器ユニット
が設置されている状態で外側から認識し得る位置)に設
けておくことにより、例えば化粧板等を取り外したりす
ることなく、電気分解槽の異常の有無を容易にチェック
することができる。これにより、例えば電気分解槽の異
常により水道水が電気分解されていないままで殺菌水と
して便器に供給され続け、その結果気付かない間に便器
に尿石の付着等が生じる、という事態を防止することが
できる。
【0020】上記別の態様の殺菌水供給機能付便器ユニ
ットでは、連続式電気分解槽が洗浄用開閉弁と直列に設
けられているため、連続式電気分解槽において生成され
た殺菌水の便器への供給は、便器使用時の洗浄水の供給
と同時に行なわれる。これにより配管系統が簡素化さ
れ、制御が容易となるため、低コストの殺菌水供給機能
付便器ユニットとすることができる。
【0021】
【実施例】本発明の一実施例である便器ユニットを図1
〜図3により説明する。本実施例の便器ユニット10は
図1に示すように2連立便器ユニットであり、2台の便
器14、15と1セットの殺菌水生成装置を含む。本便
器ユニット10にはその他に給水管11、コントローラ
27、45、排水管18、及びこれらを建物に固定する
ためのフレーム(図示せず)等が含まれる。本便器ユニ
ット10を建物に取り付ける際、給水管11は上水道管
又は中水道管に、排水管18は下水道管に接続される。
そして、給水管11と各便器14、15との間には洗浄
用配管12、13が設けられ、その洗浄用配管12、1
3の途上には電磁開閉弁であるフラッシュバルブ23、
24が設けられる。フラッシュバルブ23、24は第1
コントローラ(CONT1)27に接続され、その指示によ
り開閉を行なう。なお、第1コントローラ27には各便
器14、15の使用を検出する赤外線センサ21、22
が接続されている。
【0022】殺菌水生成装置の部分をより詳しく説明す
る。図1および図2に示すように、給水管11から分岐
した電解用分岐管31には、止水栓32、逆止弁33、
定流量弁34、第1電磁弁35、連続式電気分解槽36
及びタンク37がこの順に接続され、タンク37からは
殺菌水供給管38が第1及び第2便器14、15に向け
て延びている。殺菌水供給管38にはポンプ39が設け
られ、殺菌水供給管38と各便器14、15とを接続す
る分岐管40、41にはそれぞれ第2電磁弁42、43
が設けられている。第1電磁弁35、電気分解槽36、
ポンプ39及び両第2電磁弁42、43には第2コント
ローラ(CONT2)45が接続され、その制御により弁の
開閉等の動作を行なう。
【0023】図3に示すように、電気分解槽36内には
3枚の板状電極36a、36b、36cが所定の厚さの
スペーサ36d、36eを挟んで互いに平行に設けら
れ、それらの電極36a、36b、36cの間を上水又
は中水が流れるようになっている。電極36a、36
b、36cには塩素発生用電極を使用する。塩素発生用
電極とは塩素生成反応を惹起しうる電極であり、その基
本構造は、導電性基材に塩素発生用触媒を担持したもの
か、塩素発生用触媒からなる導電性材料からなる。塩素
発生用触媒の種類により、例えば、フェライト等の鉄系
電極、パラジウム系電極、ルテニウム系電極、イリジウ
ム系電極、白金系電極、ルテニウム−スズ系電極、パラ
ジウム−白金系電極、イリジウム−白金系電極、ルテニ
ウム−白金系電極、イリジウム−白金−タンタル系電極
等がある。導電性基材に塩素発生用触媒を担持したもの
は、構造を担う基材部を安価なチタン、ステンレス等の
材料で構成できるので、製造コスト上有利である。
【0024】また、特に、塩素イオン含有量が3〜40
ppm程度しかない水道水を利用する場合、遊離塩素の発
生効率を向上させることはウレアーゼを含む菌を充分に
殺菌する上で非常に重要である。その観点から、イリジ
ウム系電極、イリジウム−白金系電極、イリジウム−白
金−タンタル系電極等が好適である。また、電極の寿命
を向上させるには、導電性基材に塩素発生用触媒を担持
したものを利用する場合、白金を含むほうが基材への固
定がよく、脱離しにくく好ましい。
【0025】なお本発明において、水道水とは、上水、
中水、井戸水、工業用水等の水道により得られる水のこ
とをいう。
【0026】電気分解槽36内の電極36a、36b、
36cに印加する電圧は、直流電圧でも交流電圧でもよ
い。電極36a、36b、36cに印加する電圧が交流
電圧の場合には、正負両極ともに塩素発生用電極を用い
るのが望ましい。それ以外の場合は、陰極の電極は基本
的に導電性材料であれば何でもよい。例えば、鉄、ステ
ンレス鋼等の安価な材料を用いれば、製造コスト上有利
である。
【0027】隣接する電極板36a、36b、36cの
間隔(すなわち、スペーサ36d、36eの厚さ)は
0.2mm以上、望ましくは0.4mm以上とする。
【0028】なお、本実施例における電気分解槽36は
無隔膜型のものであり、電気分解した全ての液体を便器
に流すものである。この無隔膜型の電気分解槽は、複数
の便器を連立させた便器ユニットのように、一度に大量
の洗浄水を要する場合には好ましい。一方、陽極と陰極
との間を隔膜で隔てることにより、あるいは、無隔膜型
の電気分解槽の電極にスリットを設けること(特願平7
―206540号、特願平7―206541号に開示)
により、アルカリ水と酸性水に別けて取り出し、酸性水
のみ便器に流すものとすることも可能である。
【0029】本実施例の便器ユニット10が建物に取り
付けられた後の使用時の動作は、次の通りである。ま
ず、便器(例えば第1便器14)が使用されると、その
便器14のセンサ21がこれを検出し、第1コントロー
ラ27に検出信号を送る。検出信号を受けた第1コント
ローラ27は、その便器14のフラッシュバルブ23を
所定時間だけ開放する。これにより、給水管11の水は
洗浄用配管12及びフラッシュバルブ23を経由して、
便器14の上部に設けられた吐出口16より便器内に吐
出される。便器を洗浄した洗浄水は、便器14のトラッ
プ部より排水管18に排出される。第2便器15が使用
された場合も同様である。なお、複数の便器14、15
が連立した便器ユニット10の場合、各便器14、15
からの排水を確実にするために、排水管18は図1に示
すようにやや傾斜して設けられる。
【0030】一方、第2コントローラ45にはタイマが
内蔵されており、予め定められた動作時刻が到来すると
次のような処理を行なう。まず、第1電磁弁35を開放
して、給水管11の水を電気分解槽36に導く。このと
き、定流量弁34により単位時間当たりに電気分解槽3
6に流入する水の量は一定となるため、電解により生成
される遊離塩素の濃度も一定となる。すなわち、定流量
弁34の開度は、後述の電流密度及び電極板36a、3
6b、36cの面積を考慮した上で、生成される殺菌水
中の目標遊離塩素濃度に応じて設定される。この目標遊
離塩素濃度としては、通常の頻度で使用される小便器の
場合には0.1mg/リットル以上、より好ましくは
0.5mg/リットル以上とする。
【0031】第2コントローラ45は第1電磁弁35を
開放すると同時に、電気分解槽36の隣接電極36a、
36b、36c間に電解用の電圧を印加する。この電圧
の大きさは、電極36a、36b、36c表面における
電流密度が300〜1100A/m2、望ましくは40
0〜600A/m2となるように設定しておく。上水又
は中水には塩素イオンが含まれるため、電極36a、3
6b、36c間を流れる水はこの電流により電気分解さ
れて遊離塩素を生成する。なお、この塩素イオン含有水
の電気分解については、特願平6−139606号及び
PCT/JP95/01036に詳しい開示がある。電
気分解槽36で生成された殺菌水はタンク37に貯留さ
れる。
【0032】第2コントローラ45は、適宜のタイミン
グでポンプ39を起動するとともに第2電磁弁42を所
定時間だけ開放することにより、タンク37に貯留され
た殺菌水を第1便器14に供給する。本実施例の場合、
図1に示すように、便器への供給は洗浄水と同じ吐出口
16を用いるが、図4に示すように、便器に別途吐出口
48を設けてもよい。
【0033】このように、タンク37に貯留された殺菌
水をポンプ39で一気に便器に供給することにより、殺
菌水を便器14内の広い範囲に拡散させることができる
ようになり、便器14全体の充分な殺菌を行なうことが
可能となる。なお、便器14内において殺菌水をより広
く拡散させるため、殺菌水の吐出口16(洗浄水と共通
の吐出口を用いている場合は、その共通の吐出口)にス
プレッダを設けてもよい。スプレッダの一例を図5に示
す。図5(a)、(b)に示すように、本スプレッダ5
0は、壁面側に向けて横に広く開口する噴射口51と、
下部の左右に設けられた噴射口52とを有する。ポンプ
により圧送されてきた殺菌水は、噴射口51より主に小
便器の正面の壁面の広い範囲に噴出され、又、噴射口5
2より主に左右の隅及び左右壁面に向けて噴出される。
これらにより便器内はくまなく洗浄及び殺菌され、隅の
方まで尿石の付着が防止される。更に、図5(c)、
(d)に示すように、壁面用の噴射口51のやや下の小
便器の壁面に、水拡散用の低い、滑らかな隆起53を設
けてもよい。こうすることにより、噴射口51からカー
テン状に幅広く噴射された水は左右に更に広げられ、壁
面全体の効果的な殺菌が保証される。
【0034】第2電磁弁42を開放する時間は便器14
に流す殺菌水の量に応じて適宜設定するが、この量はト
ラップ貯留水を置換できる程度とすることが望ましい。
通常の小便器では約2リットル以上とするのが適当であ
る。
【0035】タンク37の容量は、この1回の使用量と
ほぼ等しくしておいてもよいし、2回分の使用量に等し
くしておいてもよい。タンク37の容量が1回分の使用
量しかない場合は、第2コントローラ45は第1便器1
4の第2電磁弁42を開放及び閉鎖した後、再び殺菌水
がタンク37に充満するまで待ち、その後第2便器15
の第2電磁弁43を所定時間だけ開放する。タンク37
が2回分の容量を持つ場合は、第1便器14の第2電磁
弁42を開放及び閉鎖した直後に第2便器15の第2電
磁弁43を開放する。また、同時に行なってもよい。
【0036】こうして、第1及び第2便器14、15の
双方に殺菌水を流した後は、第2コントローラ45は第
1電磁弁35を閉鎖し、次回の殺菌水供給タイミングを
待つ。
【0037】なお、タンク37にはオーバーフロー口が
設けられており、オーバーフロー口から溢れた水はオー
バーフロー配管44により第1便器14に供給されるよ
うになっている。これは、何らかの不具合により、第1
電磁弁35が開放されたままタンク37への水の供給が
続いているにも拘らずタンク37の貯留水が便器14、
15に供給されない、という異常な場合に対処するため
である。
【0038】図1及び図2に描かれている止水栓32及
び逆止弁33は、次のような目的で設けられている。ま
ず、電極36a、36b、36cを交換する等、電気分
解槽36のメインテナンスが必要となったときは、止水
栓32を閉鎖して、上水又は中水を遮断する。タンク3
7等、その他の部分のメインテナンスの場合も同様であ
る。また、逆止弁33は、電気分解槽36で生成された
遊離塩素含有水が上水道又は中水道に逆流することを防
止する。
【0039】上記実施例では、各便器毎に殺菌水供給用
の電磁弁(第2電磁弁)42、43を設けたが、これら
を廃し、図6に示すようにポンプから全ての便器に直接
殺菌水を供給するようにしてもよい。また、図7に示す
ように、タンク及びポンプを使用することなく、電気分
解槽で生成された殺菌水を連続的に各便器に供給するよ
うにしてもよい。
【0040】更に、図8に示すように、電気分解槽36
をフラッシュバルブ23、24と直列に、その上流側に
設けるようにしてもよいし、図9に示すように下流側に
設けるようにしてもよい。下流側に設ける場合、図10
に示すように、電気分解槽36を各便器14、15毎に
設けるようにしてもよい。なお、図9の配置の場合、殺
菌水を各便器に振り分けるための三方分岐弁25を設け
ることが望ましい。
【0041】上記各例では説明の便のために2連立便器
ユニットを例として挙げたが、3台以上の便器を含む多
連立便器ユニットについても、本発明は全く同様に適用
することができることは勿論である。
【0042】本発明においては、電気分解槽の異常を警
告する手段を便器ユニットに設けておくことが望まし
い。電気分解槽の異常を警告する手段としては、例えば
LEDランプ等を用い、異常時のみ点灯、消灯または点
滅する構成とした警告灯等やブザーが例示される。ま
た、このような警告手段は、例えば警告灯の場合であれ
ば便器、給排水管、制御弁等を覆う化粧板(前面パネ
ル)の表側のコーナー部分等の、外側から認識し得る位
置(便器ユニットが設置されている状態で外側から認識
し得る位置)に設けておくようにする。これにより、例
えば前面パネル等を取り外したりすることなく、電気分
解槽の異常の有無を容易にチェックすることができる。
【0043】電気分解槽の異常の有無を日常的にチェッ
クすることは、本発明の便器ユニットを使用する上で重
要である。例えば、電気分解槽に電圧上昇等の何らかの
異常が生じてその機能が喪失された場合、この電気分解
槽を通過した水道水は、電気分解されていない状態で便
器に供給されることになる。ここで、便器に供給された
水が電気分解されていないことを認識することは、前記
のような警告手段がない限り、通常は困難である。この
場合、電気分解されていない水道水が殺菌水として供給
され続け、その結果、尿石等が発生してはじめて異常に
気が付くといった事態が生じることになる。そこで、前
記のような警告手段で電気分解槽の異常の有無を日常的
にチェックすることにより、上記のように気付かない間
に尿石等が生じるといった事態を防止することができ
る。
【0044】殺菌水の供給は、例えば以下のようなタイ
ミングで行なうことが可能である。 (1)殺菌水を所定の時間間隔で便器に供給する (2)殺菌水を夜間にのみ便器に供給する
【0045】また、便器の使用との関係を考慮すること
により、殺菌水の供給を例えば以下のようなタイミング
で行なうことも可能である。 (3)殺菌水を、便器使用後一定時間以内に便器が使用
されない場合に便器に供給する (4)殺菌水を、便器使用後の便器洗浄の度毎に便器に
供給する (5)殺菌水を、便器使用後の便器洗浄の終了間際又は
終了直後に便器に供給する ただしこの場合、第1コントローラ27と第2コントロ
ーラ45とを接続し、第1コントローラ27の動作信号
が第2コントローラ45に与えられるようにしなければ
ならない。なお、両者をまとめて1台のコントローラで
制御するようにしてもよい。
【0046】さらにまた、上記(1)〜(5)のような
方法以外にも、 (6)殺菌水を常時便器に供給する 等の方法も可能である。
【0047】上記(1)のように、殺菌水を所定の時間
間隔で便器に供給するようにすることにより、生菌を断
続的に死滅させ、除去することになるので、外気等から
便器に付着する生菌の増殖及び固着を有効に防ぐことが
できる。従って、生菌の作用に基づくウレアーゼの増
加、固着効果が有効に抑制され、アンモニアの溶解によ
るpHの上昇が抑制されて尿石の付着が防止されるとと
もに、臭気の一因も防止される。
【0048】上記(2)のように、殺菌水を夜間にのみ
便器に供給するようにすることにより、例えば、オフィ
スビル、デパート、駅構内、展示場、観光施設内、昼間
のみ運行する乗物等のトイレに設置された便器のよう
に、昼間のみ使用され夜間は殆ど使用されない便器にお
いて、夜間の便器不使用時に便器内の滞留水中で細菌が
増殖し、ウレアーゼが増加して便器表面に固着するとい
う事態が防止され、ひいては尿石の付着が防止されると
ともに、臭気の一因も防止される。昼間は便器使用の度
毎に或いは所定時間間隔で、通常の便器洗浄により便器
内の滞留水が入れ替わるので、滞留水中で細菌が繁殖す
るには至らず、ウレアーゼも増加しない。
【0049】このように、殺菌水を夜間にのみ供給する
場合、まず、便器に洗浄水を供給して便器内の滞留水を
置換した後、殺菌性を有する物質又はイオンを含む液体
を便器に供給するようにするとよい。便器の洗浄におい
ては、通常、滞留水の99%が新しい水に置換されるよ
うに設計されているため、大部分の細菌は洗浄により便
器外に排除される。従って、その後に殺菌性を有する物
質又はイオンを含む液体を便器に供給することにより、
残留した細菌が充分に殺菌される。
【0050】また、このように殺菌水を夜間にのみ供給
する場合、夜間の最初に供給する際のみ高濃度で供給し
或いは大量に供給し、その夜間の2回目以降はそれより
も低濃度又は少量の殺菌水を供給するようにしてもよ
い。昼間は徐々に菌数が増加するため、夜間の最初は滞
留水中の菌の数は最大となっている。従って、最初だけ
は高濃度又は大量の殺菌水で充分な殺菌を行なう必要が
ある。しかし、夜間は細菌の増殖速度は低いため、この
ように最初に充分な殺菌を行なった後は、低濃度又は少
量の殺菌水を供給するだけで充分な殺菌を行なうことが
できる。
【0051】殺菌水を、夜間にのみ所定の時間間隔で便
器に供給するようにすることにより、例えば、オフィス
ビル、デパート、駅構内、展示場、観光施設内、昼間の
み運行する乗物等のトイレに設置された便器のように、
昼間のみ使用され夜間は殆ど使用されない便器におい
て、夜間の便器不使用時に便器内の滞留水中で細菌が増
殖し、ウレアーゼが増加して便器表面に固着するという
事態が防止され、ひいては尿石の付着が防止されるとと
もに、臭気の一因も防止される。更に、断続的に供給す
ることにより、殺菌水を節約することができる。
【0052】この場合も上記同様、まず、便器に洗浄水
を供給して便器内の滞留水を置換した後、殺菌水を便器
に供給するようにするとよい。また、夜間の最初に供給
する際のみ高濃度で供給し、その夜間の2回目以降はそ
れよりも低濃度の殺菌水を供給するようにしてもよい。
【0053】上記(3)のように、殺菌水を、便器使用
後一定時間以内に便器が使用されない場合に便器に供給
するようにすることにより、便器不使用時に便器内の滞
留水中で細菌が増殖し、ウレアーゼが増加して便器表面
に固着するという事態が防止され、ひいては尿石の付着
が防止されるとともに、臭気の一因も防止される。便器
が比較的高頻度で使用される場合には、便器使用の度毎
に(或いは所定時間間隔で)通常の便器洗浄により便器
内の滞留水が入れ替わるので、滞留水中で細菌が増殖す
る事態には至らず、ウレアーゼも増加しない。
【0054】殺菌水を、便器使用後一定時間以内に便器
が使用されない場合に、所定の時間間隔で便器に供給す
るようにすることにより、便器不使用時に便器内の滞留
水中で細菌が増殖し、ウレアーゼが増加して便器表面に
固着するという事態が防止され、ひいては尿石の付着が
防止されるとともに、臭気の一因も防止される。更に、
断続的に供給することにより、殺菌水を節約することが
できる。
【0055】また、殺菌水を、夜間にのみ便器使用後一
定時間以内に便器が使用されない場合に便器に供給する
ようにすることもできる。
【0056】上記(4)のように、殺菌水を、便器使用
後の便器洗浄の度毎に便器に供給するようにすることに
より、便器内の滞留水や便器表面に尿が滞留することな
く、なお且つ細菌の増殖が防止されウレアーゼが増加し
ないので、アンモニアの生成が有効に抑制され、ひいて
は尿石の付着が防止されるとともに、臭気の一因も防止
される。
【0057】上記(5)のように、殺菌水を、便器使用
後の便器洗浄の終了間際又は終了直後に便器に供給する
ようにすることにより、便器使用後の便器洗浄によって
濡れた便器表面に殺菌性物質(遊離塩素等)が広く拡散
する。この結果、効果的に便器表面が殺菌されて、ウレ
アーゼの増加が防止され、アンモニアの生成が有効に抑
制され、ひいては尿石の付着が防止されるとともに、臭
気の一因も防止される。
【0058】殺菌水を、直前に便器トラップ部の滞留水
を便器洗浄水で置換した後に便器に供給するようにする
と、滞留水中の菌を減少させてから殺菌水を作用させる
ことになるので、少量の殺菌性物質で効果的に便器表面
が殺菌されて、ウレアーゼの増加が防止され、アンモニ
アの生成が有効に抑制され、ひいては尿石の付着が防止
されるとともに、臭気の一因も防止される。
【0059】以上の(1)〜(5)のように、殺菌水の
供給を時間限定的に行なうようにすることにより、高い
節電効果及び節水効果を得ることができる。特に、水道
水を電気分解して得られる殺菌水(例えば遊離塩素含有
水等)を用いる場合には、上記のような殺菌水の時間限
定的供給により、電気分解の累積時間を短くすることが
できるため、電極の寿命を延ばすことができ、したがっ
て電極交換の頻度も少なくすることができる。
【0060】一方、上記(6)のように、殺菌水を常時
便器に供給するようにすると、低濃度又は少量の殺菌水
を供給するだけで殺菌を行うことができる。
【0061】上記(1)〜(6)のようにして殺菌水を
便器に供給することにより、アンモニアの生成が有効に
抑制され、便器又は便器群の尿石付着等の汚れやトイレ
空間の臭気の発生を効果的に防止することが可能とな
る。さらに、水道水を電気分解して得られる殺菌水(例
えば遊離塩素含有水等)を用いる場合には、殺菌剤を別
に供給することが不要であるため、メンテナンスの上で
有利である。なお、上記のようにして殺菌水を便器に供
給することにより便器の防汚およびトイレ空間の防臭を
行う方法は、遊離塩素含有水以外にも、結合塩素(例え
ばモノクロラミン、ジクロラミン等)を含む水、オゾン
含有水(例えば、無声放電による生成オゾンの水への溶
解或いは水の電気分解による水中でのオゾン生成により
得られたオゾン含有水)、抗菌性金属イオン(例えば銀
イオン、銅イオン、亜鉛イオン等)を含む水等(PCT
/JP95/01650)を殺菌水として用いる場合に
も適用することができる。
【0062】遊離塩素含有水を殺菌水として用いる場
合、遊離塩素の濃度は、0.1mg/リットル以上、好
ましくは0.5mg/リットル以上であるようにする
と、便器内の滞留水や便器表面が充分に殺菌される。従
って、生菌の作用に基づくウレアーゼの増加、固着効果
が有効に抑制され、アンモニアの溶解によるpHの上昇
が抑制されて尿石の付着が防止されるとともに、臭気の
一因も防止される。
【0063】さらに、オゾン含有水を殺菌水として用い
る場合、オゾン含有水中のオゾン濃度は、0.01mg
/リットル以上、好ましくは0.05mg/リットル以
上であるようにすると、便器内の滞留水や便器表面が充
分に殺菌される。従って、生菌の作用に基づくウレアー
ゼの増加、固着効果が有効に抑制され、アンモニアの溶
解によるpHの上昇が抑制されて尿石の付着が防止され
るとともに、臭気の一因も防止される。
【0064】オゾン含有水は、無声放電による生成オゾ
ンの水への溶解或いは水の電気分解による水中でのオゾ
ン生成により得られたオゾン含有水であるようにする
と、無声放電型オゾン生成器又は電気分解装置を配管上
流に配するのみでオゾン含有水が生成するので、タンク
等を設ける必要が必ずしもないので場所をとらず、ま
た、従来の消毒液や消臭液を添加する洗浄方法と比較し
て、タンク中の液体の交換等のメインテナンスの必要性
が少なく、使用者にとってより安全である。
【0065】抗菌性金属イオンが銀イオンである場合に
おいて、銀イオン濃度を1μg/リットル以上、好まし
くは10μg/リットル以上とすると、便器内の滞留水
に銀イオンを含む液体を混合し、所定時間維持すること
により、便器内の滞留水が有効に殺菌される。従って、
生菌の作用に基づくウレアーゼの増加、固着効果が有効
に抑制され、アンモニアの溶解によるpHの上昇が抑制
されて尿石の付着が防止されるとともに、臭気の一因も
防止される。
【0066】抗菌性金属イオン担持体を滞留水が貯留さ
れる便器のトラップ部に配するようにすると、滞留水に
抗菌性金属イオンが放出されることにより滞留水が殺菌
され、生菌の作用に基づくウレアーゼの増加、固着効果
が有効に抑制され、アンモニアの溶解によるpHの上昇
が抑制されて尿石の付着が防止されるとともに、臭気の
一因も防止される。
【0067】ここで、抗菌性金属イオンは、遊離塩素や
オゾンと比較して、瞬時の接触による殺菌能力は低い
が、抗菌寿命が長く、作用時間を長くかけることにより
優れた抗菌性を有するので、かかる便器内の滞留水に所
定時間維持する態様で使用すれば少量で生菌が減少し、
尿石の付着等が防止されるので好ましい。
【0068】[実験例]以上に示したように、殺菌水供
給機能付便器ユニットを用いて殺菌水を供給することに
より、便器の防汚およびトイレ空間の防臭を効果的に行
なうことができる。以下、殺菌水を供給することによる
防汚効果および防臭効果についての実験例を示す。
【0069】実験例1 図11に示すように、平板状の電極を有する無隔膜型の
連続式電気分解槽360に水道水を導き、チタン板上に
酸化イリジウム−白金系触媒を被覆した塩素発生用電極
を用いて水道水を電気分解し、小便器の洗浄配管系とは
別の配管を介して、電気分解により生成した遊離塩素含
有水を小便器に流し、小便器トラップ滞留水中の細菌
数、小便器トラップ滞留水のpH、小便器トラップの表
面汚れ等を調査する効果確認試験を行った。
【0070】本試験においては、図11の小便器〜
に対しては、濃度の異なる遊離塩素含有水を異なる流水
頻度で流し、小便器に対しては、遊離塩素含有水によ
る洗浄を行わないようにした。小便器〜共に、使用
の度毎に通常の水洗は行った。試験条件を表1に示す。
なお本小便器はオフィスビル内に設置されている関係
上、夜間にはほとんど使用されることはなかった。
【0071】
【表1】
【0072】試験開始後0.5カ月の時点での小便器ト
ラップ滞留水中の細菌数を表2に、小便器トラップ滞留
水のpHを図12に示す。
【0073】
【表2】
【0074】表2、図12の小便器のデータから、小
便器が使用されて通常の水洗が行われ、小便器トラップ
内の滞留水が置換する昼間に比べて、小便器が使用され
ず、従って通常の水洗が行われず、小便器トラップ内の
滞留水が置換しない夜間に、小便器トラップ滞留水中の
細菌数が増殖し、ウレアーゼが増加して小便器トラップ
滞留水中のpHが上昇することがわかる。従って、小便
器への尿石の付着も、夜間に進行するものと考えられ
る。
【0075】表2、図12の小便器〜のデータか
ら、水道水を電気分解することにより得られた遊離塩素
濃度(塩素原子換算の重量濃度)が0.1〜3mg/リ
ットルの遊離塩素含有水を小便器に流すことにより、小
便器トラップ滞留水が滅菌され、小便器トラップ滞留水
のpHが低下することが分かる。
【0076】また表1の試験を1カ月継続した後、小便
器〜のトラップを取り出して、表面を観察した結
果、小便器では着色汚れ、尿石の付着が観察されたの
に対し、小便器〜では着色汚れ、尿石の付着は観察
されなかった。
【0077】さらに試験を継続し、開始から2カ月経過
した時点でのトラップ内に置かれていたサナの汚れを図
13に示す。図13(a)及び(b)が小便器のサナ
の様子であり、図13(c)及び(d)が小便器のサ
ナの様子である。この図により、両者の着色汚れ及び尿
石の付着度の違いが明瞭に観察できる。
【0078】また、小便器、、において小便器ト
ラップ滞留水が滅菌され、小便器トラップ滞留水のpH
が低下し、黄ばみ汚れが観察されないことから、小便器
が使用されず、したがって通常の水洗が行われず、小便
器トラップ内の滞留水が置換しない夜間に小便器に遊離
塩素含有水を流すことにより、小便器トラップ滞留水中
の細菌の増殖、すなわちウレアーゼの増加を阻止し、小
便器トラップ滞留水のpHの上昇、ひいては小便器への
尿石の付着を抑制できると考えられる。
【0079】表2、図12の小便器、のデータか
ら、昼間は、使用後の通常の水洗により小便器トラップ
内の滞留水が置換されて、小便器トラップ滞留水中の細
菌の増殖が抑制されるので、遊離塩素含有水を小便器に
流しても流さなくても、小便器トラップ滞留水中の細菌
数、小便器トラップ滞留水のpHに差異がないことが分
かる。従って、便器の使用される昼間に遊離塩素含有水
を小便器に流す必要性は低いと考えられる。
【0080】表2、図12の小便器、、のデータ
から、遊離塩素濃度が3mg/リットルの遊離塩素含有
水と遊離塩素濃度が0.5mg/リットルの遊離塩素含
有水との間に、小便器トラップ滞留水中の細菌に対する
殺菌効果、小便器トラップ滞留水のpH上昇抑制効果の
点で殆ど差が無いことが分かる。更に、遊離塩素濃度が
3mg/リットルの遊離塩素含有水と遊離塩素濃度が
0.1mg/リットルの遊離塩素含有水との間に、小便
器トラップ滞留水中の細菌に対する殺菌効果、小便器ト
ラップ滞留水のpH上昇抑制効果の点で大きな差が無い
ことが分かる。従って、遊離塩素濃度が0.1mg/リ
ットルの遊離塩素含有水を便器に流せば、小便器への尿
石の付着を抑制できると考えられる。
【0081】実験例2 前記実験例1と同様にして遊離塩素含有水を小便器に流
し、小便器トラップ滞留水中の細菌数、小便器トラップ
滞留水のpH、小便器トラップの表面汚れ等を調査する
効果確認試験を行った。但し、前記実験例1では電気分
解により生成した遊離塩素含有水をいきなり小便器に流
したのに対し、今回はその直前に、強制的に小便器自動
洗浄装置により滞留水が一旦置換されるようにしてか
ら、電気分解により生成した遊離塩素含有水を小便器に
流すようにした。
【0082】本試験においては、図11の小便器〜
を用いて行なわれ、小便器〜に対しては、濃度の異
なる遊離塩素含有水を異なる時間間隔で流し、小便器
に対しては、遊離塩素含有水による洗浄を行わなかっ
た。小便器〜共に、使用の度毎に通常の水洗は行っ
た。試験条件を表3に示す。なお本小便器はオフィスビ
ル内に設置されている関係上、夜間にはほとんど使用さ
れることはなかった。
【0083】
【表3】
【0084】試験開始後0.5カ月の時点での小便器ト
ラップ滞留水中の細菌数を表4に、小便器トラップ滞留
水のpHを図14に示す。なお、小便器トラップ滞留水
中の細菌数は午前7時40分に測定している。
【0085】
【表4】
【0086】表4、図14の小便器〜のデータか
ら、水道水を電気分解することにより得られた遊離塩素
濃度(塩素原子換算の重量濃度)が0.02〜0.5m
g/リットルの遊離塩素含有水を小便器に流すことによ
り、小便器トラップ滞留水が滅菌され、小便器トラップ
滞留水のpHが低下することが分かる。
【0087】また表3の試験を1カ月継続した後、小便
器〜のトラップを取り出して、表面を観察した結
果、小便器では着色汚れ、尿石の付着が観察されたの
に対し、小便器〜では着色汚れ、尿石の付着は観察
されなかった。
【0088】本実験では、遊離塩素濃度0.02mg/
リットルの遊離塩素含有水を小便器に流すことで効果が
生じたが、これは直前に滞留水が置換されるようにして
滞留水中の菌数を予め減少させたためと解される。
【0089】実験例3 (実験3A)大便器を通常に使用し、汚れの様子を観察
した。初期のボール面には着色汚れはなかった。しか
し、2週間経過すると図15(a)に示すように、喫水
面にピンク色のリング状の汚れが生じ、4週間経過する
と図15(b)に示すように、更にボール面のリム部に
流水方向に縦筋状の汚れが放射状についた。
【0090】(実験3B)大便器を通常に使用し、且つ
午前8時と午後11時の1日2回、電気分解により生成
した遊離塩素含有水を大便器にかけた。電気分解により
生成した遊離塩素含有水を大便器にかける方法は、前記
実験例1で用いたものと同様の電気分解槽を用いて水道
水を電気分解し、得られた遊離塩素含有水を、大便器リ
ム部の下部にある便器洗浄水が放出される穴付近に、ボ
ール面の半周にかけた(図16)。初期のボール面には
着色汚れはなかった。4週間経過すると図17に示すよ
うに、ボール面のリム部の遊離塩素含有水をかけなかっ
た半面に流水方向に縦筋状の汚れが放射状についた。こ
れに対し、遊離塩素含有水をかけた半面には汚れが認め
られなかった。また、実験3Aで観察された喫水面のピ
ンク色のリング状の汚れは認められなかった。
【0091】実験3A、3Bから、電気分解によって得
られた遊離塩素含有水を流すことにより、大便器の着色
汚れも防止しうることが判明した。
【0092】ここで、ボール面のリム部に流水方向に縦
筋状の汚れが放射状につくのは、リム部下部に離散的に
設けられた便器洗浄水の放出穴と汚れ位置がほぼ対応す
ることから、この部分には常に水分が供給され、菌が繁
殖しやすいためと考えられる。従って、電気分解によっ
て得られた遊離塩素含有水を大便器に流す際には、便器
洗浄水の放出穴と同じ位置から流すのが好ましい。その
ためには、便器洗浄用給水管から便器に流すほうが好ま
しいといえる。
【0093】実験例4 (1)昼間は普通に使用され、夜間はほとんど使用され
ることのないオフィスビル内に設置された小便器に、夜
間の午後10時及び午前3時に水道水、または便器ロー
タンク中の水を流すようにした。
【0094】その結果、水道水を流したときは、1カ月
経過後の午前8時に滞留水が浸漬する便器のトラップ部
を観察すると、一部尿石が付着し、山吹色に着色されて
いた。また、便器ロータンク中の水を流したときは、1
カ月経過後に、滞留水が浸漬する便器のトラップ部に薄
くスライム状の付着物が観察され、山吹色に着色されて
いた。
【0095】また、1週間毎に滞留水中の菌数を調べた
結果、表5に示すように、滞留水中の菌数は水道水を流
したときは最大1×104CFU/ミリリットル、便器
ロータンク中の水を流したときは最大3×104CFU
/ミリリットルであった。
【0096】(2)次に、前記実験例1と同様の電気分
解槽に水道水またはロータンク中の水を導いて電気分解
し、小便器の洗浄配管とは別の配管を介して、電気分解
により生成した遊離塩素含有水を、昼間は普通に使用さ
れ、夜間はほとんど使用されることのないオフィスビル
内に設置された小便器に、夜間の午後10時及び午前3
時に流すようにした。
【0097】その結果、水道水を電気分解して得た遊離
塩素濃度1mg/リットルの遊離塩素含有水を流した場
合、及び、便器ロータンク中の水を電気分解して得た遊
離塩素濃度0.5mg/リットルの遊離塩素含有水を流
した場合のいずれの場合においても、1カ月経過後に滞
留水が浸漬する便器のトラップ部には尿石の付着も着色
汚れも観察されなかった。
【0098】また、1週間毎に滞留水中の菌数を調べた
結果、表5に示すように、滞留水中の菌数は、水道水を
電気分解して得た遊離塩素濃度1mg/リットルの遊離
塩素含有水を流した場合は常に0CFU/ミリリット
ル、便器ロータンク中の水を電気分解して得た遊離塩素
濃度0.5mg/リットルの遊離塩素含有水を流した場
合は最大2×10CFU/ミリリットル、水道水を電気
分解して得た遊離塩素濃度0.1mg/リットルの遊離
塩素含有水を流した場合は最大2×103CFU/ミリ
リットル程度であった。
【0099】
【表5】
【0100】(3)(1)、(2)の結果より、滞留水
中の菌数を1×104CFU/ミリリットル以上にする
と、尿石の付着及び着色汚れが付着しやすくなる。従っ
て逆に、滞留水中の菌数を1×104CFU/ミリリッ
トル未満に維持できれば、尿石の付着及び着色汚れを防
止できると考えられる。
【0101】実験例5 滞留水中の遊離塩素の殺菌作用を調べるため、所定濃度
の遊離塩素含有水に大腸菌(E.coli)を所定菌数
投入し、20秒後チオ硫酸ナトリウムを添加して遊離塩
素を除去して、菌の生存率を調べた。
【0102】結果を図18に示す。図18では横軸には
殺菌力、すなわち菌の生存率の逆数、縦軸には遊離塩素
1mg当たりが殺菌しうる菌の個数を示している。図1
8より、殺菌力にかかわらず、遊離塩素1mg当たりが
殺菌しうる菌の個数は一定であり、2.5〜5×1010
個となることがわかった。従って、菌1×104CFU
/ミリリットルを殺菌するための遊離塩素量は、0.2
〜0.4μg/リットルとなり、これ以上添加すれば滞
留水中の菌数を1×104CFU/ミリリットル未満に
維持できると考えられる。
【0103】実験例6 昼間は普通に使用され、夜間はほとんど使用されること
のないオフィスビル内に設置された小便器における菌数
の時間的変化を、以下の場合にそれぞれ調べた。
【0104】まず、就業後である午後7時に菌数を調べ
ると、平均8×102CFU/ミリリットル程度であ
る。1晩放置すると、菌数は平均1×106CFU/ミ
リリットル程度に増加する。
【0105】それに対し、夜間の午後10時及び午前3
時に水道水を流すようにすると、翌日の午前8時には1
×103CFU/ミリリットル程度に維持された。この
ことは、夜間の午後10時及び午前3時に水道水を流し
たことにより、滞留水が置換され、菌が流されたことに
起因していると考えられる。実際の便器における滞留水
の置換率は約99%程度であるため、滞留水中の同じ割
合(99%)の菌が便器外に流される。しかしながら、
この場合、殺菌性物質を接触させていないので、僅かで
あっても残った菌は増殖し、且つ外来の菌も滞留水中に
入り込むので、翌日の午前8時には1×103CFU/
ミリリットル程度の菌数になるものと考えられる。
【0106】また、滞留水中の菌数は、水道水を電気分
解して得た遊離塩素濃度1mg/リットルの遊離塩素含
有水を流した場合は常に0CFU/ミリリットル、便器
ロータンク中の水を電気分解して得た遊離塩素濃度0.
5mg/リットルの遊離塩素含有水を流した場合は最大
1×10CFU/ミリリットル、水道水を電気分解して
得た遊離塩素濃度0.1mg/リットルの遊離塩素含有
水を流した場合は最大2×102CFU/ミリリットル
程度であった。
【0107】遊離塩素濃度0.5mg/リットル又は
0.1mg/リットルの遊離塩素含有水を流した場合に
菌数が0にならないのは、午前3時に遊離塩素含有水を
流した際に菌数が一旦は0となるものの、午前8時にな
る前に遊離塩素含有水中の遊離塩素濃度が0となってし
まい、その後外来菌が滞留水中に混入し、或いは繁殖し
たためと考えられる。
【0108】従って、所定時間間隔で遊離塩素含有水を
流す場合には、遊離塩素含有水を流して後、遊離塩素含
有水中の遊離塩素濃度が0となる前、より好ましくは実
験例5の結果より0.2μg/リットルになる前に、再
度の遊離塩素含有水を流すようにするのがよいと考えら
れる。
【0109】実験例7 (実験7A)前記実験例1と同様に、使用の度毎に通常
の水洗を行うとともに、水道水を電気分解して遊離塩素
含有水を小便器に流した。但し、遊離塩素濃度は5pp
m、遊離塩素含有水の流水頻度は4時間毎(6回/
日)、遊離塩素含有水の1回当たりの流水量は4リット
ルとした。
【0110】上記のようにして小便器の使用を3カ月間
行なった後、小便器トラップの外観を観察したところ、
喫水上部にやや黄ばみがみられたものの、浸漬部はほぼ
清浄な状態にあることが認められた。
【0111】また、トラップ中の滞留水を採取し、この
滞留水中のNH4 +をイオンクロマトグラフィーにより定
量したところ、0.05ppmであった。さらに、図19
に示すように、トラップ内に置かれていたサナをデシケ
ータ中に入れ、このデシケータ中の空気をポンプを用い
て1mMの硫酸中に導入することにより、サナから放出
されるNH3をH2SO4で捕集した。硫酸中のNH4 +
イオンクロマトグラフィーにより定量したところ、0.
3ppmv/vであった。
【0112】(実験7B)上記実験7Aにおいて、遊離
塩素含有水を供給せず通常の水洗のみを行なうようにす
る以外は全て同様にして小便器の使用を3カ月間行っ
た。この後、小便器トラップの外観を観察したところ、
サナ上面および喫水上部に尿石が付着しており、浸漬部
にはスライムが付着していることが認められた。
【0113】また、上記実験7Aと同様にして、トラッ
プの滞留水中のNH4 +、ならびにサナから放出されるN
3を定量したところ、それぞれ18.8ppm、18.7
ppmv/vであった。
【0114】上記実験7Aおよび実験7Bから明らかな
ように、遊離塩素含有水を供給することによって、尿石
等の付着を防止することができるとともに、アンモニア
の生成を大幅に抑制することができる。なお、図20
は、実験7Aおよび実験7Bのそれぞれにおいて、トラ
ップの滞留水中に含有されるアンモニアおよびサナから
放出されたアンモニアの濃度を示すグラフである。同図
に示されるように、実験7Aでのアンモニア濃度は、臭
気強度1〜2程度に相当するが、これは、楽に感じられ
る程度の臭気である。一方、実験7Bでのアンモニア濃
度は、臭気強度4以上に相当し、これは強く感じられる
程度の臭気である。
【0115】実験例8 (実験8A)上記実験例7と同様にして、遊離塩素含有
水を流しながら小便器の使用を行った。但し、遊離塩素
濃度は1ppm、遊離塩素含有水の流水頻度は夜間の午後
10時および午前3時(2回/日)、遊離塩素含有水の
1回当たりの流水量は4リットルとした。
【0116】上記のようにして小便器の使用を開始して
から1カ月後および2カ月後に、午前7時30分(稼働
前)および午後4時(就業中)のそれぞれの時刻におい
て、トラップ中の滞留水のpHを調べたところ、図21
に示す結果が得られた。
【0117】(実験8B)上記実験8Aにおいて、遊離
塩素含有水を供給せず通常の水洗のみを行なうようにす
る以外は全て同様にして小便器の使用を開始し、1カ月
後および2カ月後にトラップ中の滞留水のpHを調べた
ところ、図21に示す結果が得られた。
【0118】上記実験8Aおよび実験8Bから明らかな
ように、遊離塩素含有水を供給することによって、トラ
ップ滞留水のpHの上昇を抑制することができるが、こ
れは、遊離塩素含有水の殺菌作用によりアンモニアの生
成が抑制されるためであると考えられる。また、トラッ
プ滞留水のpHの上昇が抑制されることにより、尿石等
の付着が防止され、実際、実験8Bでは小便器の使用開
始後1週間程度でトラップに汚れが発生していることが
認められたのに対し、実験8Aでは2カ月経過後も汚れ
の発生は認められなかった。
【0119】実験例9 4つの小便器〜が連立した便器において、前記実験
例1と同様に、使用の度毎に通常の水洗を行うととも
に、水道水を電気分解して遊離塩素含有水を小便器に流
した。本試験においては、小便器〜のそれぞれへの
1回毎の洗浄水供給量を4リットルとして便器の使用を
15日間行い、この後、小便器、のそれぞれへの洗
浄水供給量を2リットル、小便器、のそれぞれへの
洗浄水供給量を1リットルとして、それぞれ便器の使用
を100日間行った。小便器、には、使用毎の洗浄
水供給とは別に、遊離塩素含有水の供給を行なった。た
だし、遊離塩素濃度は1.0ppm、遊離塩素含有水の流
水頻度は夜間の午後10時および午前3時(2回/
日)、遊離塩素含有水の1回当たりの流水量は2リット
ルとした。
【0120】上記小便器の使用開始後、1日目、8日
目、15日目、洗浄水供給量の変更後10日目、15日
目、29日目、72日目、100日目に、それぞれトラ
ップ滞留水中の遊離塩素濃度、アンモニア濃度、細菌数
およびpH、ならびに使用人数を調べたところ、表6に
示す結果が得られた。
【0121】
【表6】
【0122】表6から明らかなように、遊離塩素含有水
を供給した小便器、においては、トラップ滞留水中
の細菌がほぼ殺菌され、アンモニアの生成および滞留水
のpHの上昇が小便器、に比して抑制されている。
特に、洗浄水供給量が2リットル(小便器、)、1
リットル(小便器、)と少なくなる程、遊離塩素含
有水を供給していない小便器、では細菌数が増加
し、アンモニア濃度およびpHも上昇しているが、これ
に対し、遊離塩素含有水を供給した小便器、では、
洗浄水供給量が少なくなっても細菌数の増加はみられ
ず、アンモニア濃度およびpHも低レベルに維持されて
いる。このことから、遊離塩素含有水の供給は、洗浄水
量を節約する場合ほど有効であり、換言すれば、遊離塩
素含有水を供給することで、大幅な節水が可能となるこ
とがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である2連立便器ユニット
の概略構成図。
【図2】 図1の便器ユニットの殺菌水生成装置部分の
概略構成図。
【図3】 連続式電気分解槽の構成を示す分解斜視図。
【図4】 洗浄水と殺菌水の吐出口を分離した便器ユニ
ットの概略構成図。
【図5】 スプレッダの一例の底面図(a)、側面図
(b)、そのスプレッダを取り付けた小便器の正面図
(c)及び断面図(d)。
【図6】 ポンプから各便器に直接殺菌水を供給する形
式の便器ユニットの概略構成図。
【図7】 タンク及びポンプを使用しない便器ユニット
の概略構成図。
【図8】 フラッシュバルブの上流側に電気分解槽を配
置した便器ユニットの概略構成図。
【図9】 フラッシュバルブの下流側に集中電気分解槽
を配置した便器ユニットの概略構成図。
【図10】 フラッシュバルブの下流側に、各便器毎に
電気分解槽を配置した便器ユニットの概略構成図。
【図11】 殺菌水を供給することによる効果確認試験
を実施したときの便器等設備の構成図。
【図12】 異なる遊離塩素濃度及び流水頻度について
の効果確認試験で、0.5カ月経過時に測定した便器滞
留水のpH図。
【図13】 表1の試験において2カ月経過時の小便器
のサナの汚れの様子を示す図であり、(a)通常の洗浄
のみを行なった小便器のサナの正面図、(b)通常の洗
浄のみを行なった小便器のサナの側面図、(c)遊離塩
素含有水による洗浄を行なった小便器のサナの正面図、
(d)遊離塩素含有水による洗浄を行なった小便器のサ
ナの側面図。
【図14】 遊離塩素含有水を夜間のみ流す試験で、
0.5カ月経過時に測定した便器滞留水のpH図。
【図15】 通常の使用による大便器の汚れの様子を示
した図であり、(a)2週間経過時の様子、(b)4週
間経過時の様子。
【図16】 通常に使用される大便器を1日2回遊離塩
素含有水で洗浄する実験の構成図。
【図17】 図16に係る実験において、4週間経過時
の大便器の汚れの様子を示した図。
【図18】 遊離塩素1mgが殺菌し得る菌数と遊離塩
素含有水の殺菌力との関係を示す図。
【図19】 小便器のサナから放出されるNH3を定量
する装置の構成図。
【図20】 殺菌水を供給することによる効果確認試験
を実施したときの小便器トラップの滞留水中に含有され
るアンモニアおよびサナから放出されたアンモニアの濃
度を示す図。
【図21】 殺菌水を供給することによる効果確認試験
を実施したときの小便器トラップ中の滞留水のpHを示
す図。
【符号の説明】
10…便器ユニット 11…給水管 12、13…洗浄用配管 14、15…便器 18…排水管 21、22…赤外線センサ 23、24…フラッシュバルブ 25…三方分岐弁 27…洗浄水用(第1)コントローラ(CONT1) 31…電解用分岐管 32…止水栓 33…逆止弁 34…定流量弁 35…第1電磁弁 36…連続式電気分解槽 37…タンク 38…殺菌水供給管 39…ポンプ 40、41…分岐管 42、43…第2電磁弁 44…オーバーフロー配管 45…殺菌水用(第2)コントローラ(CONT2)
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C02F 1/50 540 C02F 1/50 540B 550 550D 560 560F 1/76 1/76 A E03D 11/00 E03D 11/00 Z

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 a)一又は複数の便器と、 b)塩素イオン含有水供給源に接続される給水管と、 c)給水管と各便器とを接続する洗浄水配管に設けられた
    洗浄用開閉弁と、を備える便器ユニットにおいて、 d)給水管から分岐する殺菌水配管と、 e)殺菌水配管に設けられ、少なくとも1対の電極と、電
    極間に形成された流路とを有する連続式電気分解槽と、 f)連続式電気分解槽の上記電極間に電圧を印加すること
    により連続式電気分解槽に導入された洗浄水を電気分解
    して殺菌水を生成し、適宜タイミングで便器に供給する
    殺菌水制御回路と、 を備えることを特徴とする殺菌水供給機能付便器ユニッ
    ト。
  2. 【請求項2】 連続式電気分解槽で生成された殺菌水を
    貯留する貯留タンクを連続式電気分解槽よりも下流側の
    殺菌水配管に設け、殺菌水制御装置は貯留タンクに貯留
    された殺菌水を適宜便器に供給するものである請求項1
    に記載の殺菌水供給機能付便器ユニット。
  3. 【請求項3】 給水管と連続式電気分解槽との間に定流
    量弁を有する請求項1又は2に記載の殺菌水供給機能付
    便器ユニット。
  4. 【請求項4】 貯留タンクに貯留された殺菌水を便器に
    圧送する圧送手段を有する請求項2又は3のいずれかに
    記載の殺菌水供給機能付便器ユニット。
  5. 【請求項5】 圧送手段がポンプである請求項4記載の
    殺菌水供給機能付便器ユニット。
  6. 【請求項6】 給水管と連続式電気分解槽との間に止水
    栓を有する請求項1〜5のいずれかに記載の殺菌水供給
    機能付便器ユニット。
  7. 【請求項7】 給水管と連続式電気分解槽との間に逆止
    弁を有する請求項1〜6のいずれかに記載の殺菌水供給
    機能付便器ユニット。
  8. 【請求項8】 便器に、殺菌水を便器内で拡散させるた
    めの散水手段が備えられている請求項1〜7のいずれか
    に記載の殺菌水供給機能付便器ユニット。
  9. 【請求項9】 散水手段がスプレッダノズルである請求
    項8記載の殺菌水供給機能付便器ユニット。
  10. 【請求項10】 a)一又は複数の便器と、 b)塩素イオン含有水供給源に接続される給水管と、 c)給水管と各便器とを接続する洗浄水配管に設けられた
    洗浄用開閉弁と、を備える便器ユニットにおいて、 d)洗浄水配管に洗浄用開閉弁と直列に設けられ、少なく
    とも1対の電極と、電極間に形成された流路とを有する
    連続式電気分解槽と、 e)連続式電気分解槽の上記電極間に電圧を印加する電解
    制御回路と、 を備えることを特徴とする殺菌水供給機能付便器ユニッ
    ト。
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