JPH09143820A - セルロースアセテート複合繊維及びその製造方法 - Google Patents
セルロースアセテート複合繊維及びその製造方法Info
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- JPH09143820A JPH09143820A JP32625195A JP32625195A JPH09143820A JP H09143820 A JPH09143820 A JP H09143820A JP 32625195 A JP32625195 A JP 32625195A JP 32625195 A JP32625195 A JP 32625195A JP H09143820 A JPH09143820 A JP H09143820A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 繊維表面に平滑面を形成し、さらに繊維表層
に親水性のセルロース層を形成して、ウエット感の風合
いを有するセルロースアセテート繊維を提供する。 【解決手段】 繊維表面に繊維軸方向に延びる溝が2個
以下の平滑面を有し、芯部に平均酢化度56.2%以上
62.5%以下のセルローストリアセテートが配され、
鞘部に平均酢化度48.8%未満のセルロースアセテー
トまたはセルロースが配されたセルロースアセテート複
合繊維、及びこの繊維を紡糸の際に紡糸原液の溶剤の揮
散・乾燥速度を遅らせて芯鞘型に乾式紡糸し、得られた
複合繊維をアルカリ鹸化処理して得る。
に親水性のセルロース層を形成して、ウエット感の風合
いを有するセルロースアセテート繊維を提供する。 【解決手段】 繊維表面に繊維軸方向に延びる溝が2個
以下の平滑面を有し、芯部に平均酢化度56.2%以上
62.5%以下のセルローストリアセテートが配され、
鞘部に平均酢化度48.8%未満のセルロースアセテー
トまたはセルロースが配されたセルロースアセテート複
合繊維、及びこの繊維を紡糸の際に紡糸原液の溶剤の揮
散・乾燥速度を遅らせて芯鞘型に乾式紡糸し、得られた
複合繊維をアルカリ鹸化処理して得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なセルロース
アセテート複合繊維及びその製造方法に関する。
アセテート複合繊維及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セルローストリアセテート繊維は、乾式
紡糸法により得られ、優雅な光沢、深みのある発色性、
ドライ感等により、他の合成繊維とは異なる衣料用素材
として位置付けられているが、消費者ニーズの多様化に
より、ドライ感を抑制してウエット感のある風合いのも
のも求められている。セルローストリアセテート繊維の
ドライ感は、乾式紡糸時における繊維表面のスキン層形
成とそれに基づく繊維内部からの溶剤の揮散・乾燥に起
因しての繊維表面に繊維軸方向に延びる多数の溝形成、
及びセルローストリアセテート自体の疎水性に因るもの
である。
紡糸法により得られ、優雅な光沢、深みのある発色性、
ドライ感等により、他の合成繊維とは異なる衣料用素材
として位置付けられているが、消費者ニーズの多様化に
より、ドライ感を抑制してウエット感のある風合いのも
のも求められている。セルローストリアセテート繊維の
ドライ感は、乾式紡糸時における繊維表面のスキン層形
成とそれに基づく繊維内部からの溶剤の揮散・乾燥に起
因しての繊維表面に繊維軸方向に延びる多数の溝形成、
及びセルローストリアセテート自体の疎水性に因るもの
である。
【0003】セルローストリアセテート繊維の風合い改
良法としては、例えば実公昭63−19335号公報で
提案されているように、円弧状の紡糸孔で乾式紡糸し繊
維表面の一部に平滑面を形成する方法があるが、この方
法によれば、ドライ感はある程度抑制することができる
が、十分なウエット感を得るには至らず、また、太繊度
では、硬い風合いとなることから細繊度化が必要である
が、紡糸孔の加工技術が困難であり繊維の製造コスト高
を招く。
良法としては、例えば実公昭63−19335号公報で
提案されているように、円弧状の紡糸孔で乾式紡糸し繊
維表面の一部に平滑面を形成する方法があるが、この方
法によれば、ドライ感はある程度抑制することができる
が、十分なウエット感を得るには至らず、また、太繊度
では、硬い風合いとなることから細繊度化が必要である
が、紡糸孔の加工技術が困難であり繊維の製造コスト高
を招く。
【0004】一方、紡糸条件を変更することにより、紡
糸時における溶剤の揮散・乾燥速度を遅らせ、その結果
として繊維表面を平滑化する方法もあるが、繊維表面の
平滑性を向上させるだけでは、ドライ感を十分に抑制す
ることが困難であり、満足すべきウエット感が得られな
い。この不満足なウエット感は、基質のセルローストリ
アセテート自体が疎水性であることにに因るものであ
る。
糸時における溶剤の揮散・乾燥速度を遅らせ、その結果
として繊維表面を平滑化する方法もあるが、繊維表面の
平滑性を向上させるだけでは、ドライ感を十分に抑制す
ることが困難であり、満足すべきウエット感が得られな
い。この不満足なウエット感は、基質のセルローストリ
アセテート自体が疎水性であることにに因るものであ
る。
【0005】そこで、セルローストリアセテート繊維を
アルカリ鹸化処理して繊維表層をセルロース化すること
により、繊維表面を親水化してドライ感を抑制してウエ
ット感を付与する試みもあるが、セルローストリアセテ
ート繊維は、耐アルカリ性が比較的高く、高い処理温
度、長い処理時間或いは高いアルカリ濃度を必要とし、
安全性、生産性に問題があり、短時間処理を可能とする
高温スチーム処理或いは高温乾熱処理を適用するとすれ
ば処理斑が発生し易く染色斑を生ずるという問題があ
る。
アルカリ鹸化処理して繊維表層をセルロース化すること
により、繊維表面を親水化してドライ感を抑制してウエ
ット感を付与する試みもあるが、セルローストリアセテ
ート繊維は、耐アルカリ性が比較的高く、高い処理温
度、長い処理時間或いは高いアルカリ濃度を必要とし、
安全性、生産性に問題があり、短時間処理を可能とする
高温スチーム処理或いは高温乾熱処理を適用するとすれ
ば処理斑が発生し易く染色斑を生ずるという問題があ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、セルロース
トリアセテートとセルロースジアセテートとを用い、特
定の紡糸条件及びアルカリに対する特性差を利用するこ
とにより、繊維表面の溝形成を少なくし、穏やかな条件
でのアルカリ鹸化処理を可能とし得ることに基づくもの
である。本発明の目的は、繊維表面に平滑面を形成し、
さらに繊維表層に親水性のセルロース層を形成して、ウ
エット感の風合いを有するセルロースアセテート繊維を
得ることにある。
トリアセテートとセルロースジアセテートとを用い、特
定の紡糸条件及びアルカリに対する特性差を利用するこ
とにより、繊維表面の溝形成を少なくし、穏やかな条件
でのアルカリ鹸化処理を可能とし得ることに基づくもの
である。本発明の目的は、繊維表面に平滑面を形成し、
さらに繊維表層に親水性のセルロース層を形成して、ウ
エット感の風合いを有するセルロースアセテート繊維を
得ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、繊維表面に繊
維軸方向に延びる溝が2個以下の平滑面を有し、芯部に
平均酢化度56.2%以上62.5%以下のセルロース
トリアセテートが配され、鞘部に平均酢化度48.8%
未満のセルロースアセテートまたはセルロースが配され
たことを特徴とするセルロースアセテート複合繊維、
維軸方向に延びる溝が2個以下の平滑面を有し、芯部に
平均酢化度56.2%以上62.5%以下のセルロース
トリアセテートが配され、鞘部に平均酢化度48.8%
未満のセルロースアセテートまたはセルロースが配され
たことを特徴とするセルロースアセテート複合繊維、
【0008】及び、芯成分として平均酢化度56.2%
以上62.5%以下のセルローストリアセテートを有機
溶媒に溶解した紡糸原液、鞘成分として平均酢化度4
8.8%以上56.2%未満のセルロースジアセテート
を有機溶剤に溶解した紡糸原液を用い、紡糸原液の溶剤
の揮散・乾燥速度を遅らせて芯鞘型に乾式紡糸し、得ら
れた複合繊維をアルカリ鹸化処理することを特徴とする
セルロースアセテート複合繊維の製造方法、にある。
以上62.5%以下のセルローストリアセテートを有機
溶媒に溶解した紡糸原液、鞘成分として平均酢化度4
8.8%以上56.2%未満のセルロースジアセテート
を有機溶剤に溶解した紡糸原液を用い、紡糸原液の溶剤
の揮散・乾燥速度を遅らせて芯鞘型に乾式紡糸し、得ら
れた複合繊維をアルカリ鹸化処理することを特徴とする
セルロースアセテート複合繊維の製造方法、にある。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のセルロースアセテート複
合繊維は、その繊維表面に繊維軸方向に延びる溝が2個
以下の平滑面を有しており、かつ平均酢化度56.2%
以上62.5%以下のセルローストリアセテートが芯部
に配され、平均酢化度48.8%未満のセルロースアセ
テートまたはセルロースが鞘部に配された芯鞘複合構造
を有するものであり、繊維表面の平滑面と繊維表層の親
水性のセルロースアセテート層またはセルロース層によ
って優れたウエット感の風合いを有する。
合繊維は、その繊維表面に繊維軸方向に延びる溝が2個
以下の平滑面を有しており、かつ平均酢化度56.2%
以上62.5%以下のセルローストリアセテートが芯部
に配され、平均酢化度48.8%未満のセルロースアセ
テートまたはセルロースが鞘部に配された芯鞘複合構造
を有するものであり、繊維表面の平滑面と繊維表層の親
水性のセルロースアセテート層またはセルロース層によ
って優れたウエット感の風合いを有する。
【0010】本発明のセルロースアセテート複合繊維
は、以下のようにして製造される。芯成分とする酢化度
56.2%以上62.5%以下のセルローストリアセテ
ートと鞘成分とする48.8%以上56.2%未満のセ
ルロースジアセテートを、塩化メチレン等の単独溶剤或
いは塩化メチレンとメタノール等の混合溶剤にそれぞれ
溶解し、それぞれの溶液濃度を15〜30重量%、好ま
しくは18〜27重量%とした紡糸原液を調製する。
は、以下のようにして製造される。芯成分とする酢化度
56.2%以上62.5%以下のセルローストリアセテ
ートと鞘成分とする48.8%以上56.2%未満のセ
ルロースジアセテートを、塩化メチレン等の単独溶剤或
いは塩化メチレンとメタノール等の混合溶剤にそれぞれ
溶解し、それぞれの溶液濃度を15〜30重量%、好ま
しくは18〜27重量%とした紡糸原液を調製する。
【0011】セルローストリアセテート紡糸原液とセル
ロースジアセテート紡糸原液とは、芯鞘型に紡糸原液を
分配する芯鞘複合紡糸ノズル装置へ供給し、高温雰囲気
中に吐出する乾式紡糸法により芯鞘型に複合紡糸する。
紡糸は、紡糸原液の溶剤の揮散・乾燥速度を遅らせる条
件、好ましくは紡糸原液温度60℃以下、吐出線速度3
80m/分以上の条件で紡糸する。かかる溶剤の揮散・
乾燥速度を遅らせる条件での紡糸により、繊維表面に形
成される繊維軸方向に延びる溝は、2個以下となり繊維
表面に平滑面が形成され、芯部に平均酢化度56.2%
以上62.5%以下のセルローストリアセテートが配さ
れ、鞘部に平均酢化度48.8%以上56.2%未満の
セルロースジアセテートが配された前駆体繊維を得るこ
とができる。
ロースジアセテート紡糸原液とは、芯鞘型に紡糸原液を
分配する芯鞘複合紡糸ノズル装置へ供給し、高温雰囲気
中に吐出する乾式紡糸法により芯鞘型に複合紡糸する。
紡糸は、紡糸原液の溶剤の揮散・乾燥速度を遅らせる条
件、好ましくは紡糸原液温度60℃以下、吐出線速度3
80m/分以上の条件で紡糸する。かかる溶剤の揮散・
乾燥速度を遅らせる条件での紡糸により、繊維表面に形
成される繊維軸方向に延びる溝は、2個以下となり繊維
表面に平滑面が形成され、芯部に平均酢化度56.2%
以上62.5%以下のセルローストリアセテートが配さ
れ、鞘部に平均酢化度48.8%以上56.2%未満の
セルロースジアセテートが配された前駆体繊維を得るこ
とができる。
【0012】前駆体繊維のセルローストリアセテート/
セルロースジアセテート比、即ち芯鞘重量比は、特に限
定はなく、後のアルカリ鹸化処理による生成するセルロ
ースアセテート層またはセルロース層の目的とする厚さ
に応じてその芯鞘比を適宜決定する。
セルロースジアセテート比、即ち芯鞘重量比は、特に限
定はなく、後のアルカリ鹸化処理による生成するセルロ
ースアセテート層またはセルロース層の目的とする厚さ
に応じてその芯鞘比を適宜決定する。
【0013】次いで、得られた前駆体繊維をアルカリ鹸
化処理する。アルカリとしては、水酸化ナトリウムや炭
酸カルシウム等が用いられ、、あた、アルカリ鹸化処理
条件は、セルローストリアセテートとセルロースジアセ
テートの対アルカリ特性差により決定され、セルロース
トリアセテートは反応せず、セルロースジアセテートの
みが容易に反応する条件を選択する。このアルカリ鹸化
処理においては、セルロースジアセテートを完全にセル
ロース化することが好ましい。好ましいアルカリ鹸化処
理条件としては、水酸化ナトリウムを用いた場合、アル
カリ濃度0.5〜5重量%、より好ましくは1〜2重量
%水溶液、温度20〜90℃、より好ましくは30〜6
0℃、時間5〜60分、より好ましくは8〜15分が用
いられる。
化処理する。アルカリとしては、水酸化ナトリウムや炭
酸カルシウム等が用いられ、、あた、アルカリ鹸化処理
条件は、セルローストリアセテートとセルロースジアセ
テートの対アルカリ特性差により決定され、セルロース
トリアセテートは反応せず、セルロースジアセテートの
みが容易に反応する条件を選択する。このアルカリ鹸化
処理においては、セルロースジアセテートを完全にセル
ロース化することが好ましい。好ましいアルカリ鹸化処
理条件としては、水酸化ナトリウムを用いた場合、アル
カリ濃度0.5〜5重量%、より好ましくは1〜2重量
%水溶液、温度20〜90℃、より好ましくは30〜6
0℃、時間5〜60分、より好ましくは8〜15分が用
いられる。
【0014】前駆体繊維のアルカリ鹸化処理により、繊
維表面に繊維軸方向に延びる溝が2個以下の平滑面を有
した状態で、芯部に平均酢化度56.2%以上62.5
%以下のセルローストリアセテートが配され、鞘部に平
均酢化度48.8%未満のセルロースアセテート好まし
くはセルロースが配されたセルロースアセテート複合繊
維を得ることができる。
維表面に繊維軸方向に延びる溝が2個以下の平滑面を有
した状態で、芯部に平均酢化度56.2%以上62.5
%以下のセルローストリアセテートが配され、鞘部に平
均酢化度48.8%未満のセルロースアセテート好まし
くはセルロースが配されたセルロースアセテート複合繊
維を得ることができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
る。
【0016】(実施例1)平均酢化度61.6%のセル
ローストリアセテートと平均酢化度55.2%のセルロ
ースジアセテートを、それぞれ塩化メチレン/メタノー
ル=91/1の混合溶剤に溶解し、それぞれ溶液濃度2
2重量%のセルローストリアセテート紡糸原液及びセル
ロースジアセテート紡糸原液を調製した。両紡糸原液を
用い、紡糸原液温度50℃、吐出線速度640m/分の
条件で芯鞘重量比50/50に芯鞘複合紡糸ノズルにて
乾式紡糸し、75デニール/20フィラメントの前駆体
繊維を得た。得られた前駆体繊維に下記条件のアルカリ
鹸化処理を施し、鞘部がセルロースからなるセルロース
アセテート複合繊維を得た。得られたセルロースアセテ
ート複合繊維の繊維断面の顕微鏡写真を図1に示し、ま
た繊維物性及び風合いの評価結果を表1に示した。
ローストリアセテートと平均酢化度55.2%のセルロ
ースジアセテートを、それぞれ塩化メチレン/メタノー
ル=91/1の混合溶剤に溶解し、それぞれ溶液濃度2
2重量%のセルローストリアセテート紡糸原液及びセル
ロースジアセテート紡糸原液を調製した。両紡糸原液を
用い、紡糸原液温度50℃、吐出線速度640m/分の
条件で芯鞘重量比50/50に芯鞘複合紡糸ノズルにて
乾式紡糸し、75デニール/20フィラメントの前駆体
繊維を得た。得られた前駆体繊維に下記条件のアルカリ
鹸化処理を施し、鞘部がセルロースからなるセルロース
アセテート複合繊維を得た。得られたセルロースアセテ
ート複合繊維の繊維断面の顕微鏡写真を図1に示し、ま
た繊維物性及び風合いの評価結果を表1に示した。
【0017】 アルカリ水溶液: 水酸化ナトリウム1重量%水溶液 処理温度 : 60℃ 処理時間 : 10分 浴比 : 1:100
【0018】(実施例2)実施例1で調製した各紡糸原
液を用い、紡糸原液温度50℃、吐出線速度887m/
分の条件で芯鞘重量比50/50に芯鞘複合紡糸ノズル
にて乾式紡糸し、75デニール/20フィラメントの前
駆体繊維を得た。得られた前駆体繊維に実施例1と同条
件のアルカリ鹸化処理を施し、鞘部がセルロースからな
るセルロースアセテート複合繊維を得た。得られたセル
ロースアセテート複合繊維の繊維物性及び風合いの評価
結果を表1に示した。
液を用い、紡糸原液温度50℃、吐出線速度887m/
分の条件で芯鞘重量比50/50に芯鞘複合紡糸ノズル
にて乾式紡糸し、75デニール/20フィラメントの前
駆体繊維を得た。得られた前駆体繊維に実施例1と同条
件のアルカリ鹸化処理を施し、鞘部がセルロースからな
るセルロースアセテート複合繊維を得た。得られたセル
ロースアセテート複合繊維の繊維物性及び風合いの評価
結果を表1に示した。
【0019】(比較例1)実施例1で調製した各紡糸原
液を用い、紡糸原液温度80℃、吐出線速度640m/
分の条件で芯鞘重量比50/50に芯鞘複合紡糸ノズル
にて乾式紡糸し、75デニール/20フィラメントの前
駆体繊維を得た。得られた前駆体繊維に実施例1と同条
件のアルカリ鹸化処理を施し、鞘部がセルロースからな
るセルロースアセテート複合繊維を得た。得られたセル
ロースアセテート複合繊維の繊維断面の顕微鏡写真を図
2に示し、また繊維物性及び風合いの評価結果を表1に
示した。
液を用い、紡糸原液温度80℃、吐出線速度640m/
分の条件で芯鞘重量比50/50に芯鞘複合紡糸ノズル
にて乾式紡糸し、75デニール/20フィラメントの前
駆体繊維を得た。得られた前駆体繊維に実施例1と同条
件のアルカリ鹸化処理を施し、鞘部がセルロースからな
るセルロースアセテート複合繊維を得た。得られたセル
ロースアセテート複合繊維の繊維断面の顕微鏡写真を図
2に示し、また繊維物性及び風合いの評価結果を表1に
示した。
【0020】(参考例)平均酢化度61.6%のセルロ
ーストリアセテートを塩化メチレン/メタノール=91
/9の混合溶剤に溶解し、溶液濃度22重量%のセルロ
ーストリアセテート紡糸原液を調製した。この紡糸原液
を用い、通常の紡糸ノズルにて乾式紡糸し、75デニー
ル/20フィラメントのセルローストリアセテート繊維
を得た。得られたセルローストリアセテート繊維の繊維
断面の顕微鏡写真を図3に示し、また繊維物性及び風合
いの評価結果を表1に示した。
ーストリアセテートを塩化メチレン/メタノール=91
/9の混合溶剤に溶解し、溶液濃度22重量%のセルロ
ーストリアセテート紡糸原液を調製した。この紡糸原液
を用い、通常の紡糸ノズルにて乾式紡糸し、75デニー
ル/20フィラメントのセルローストリアセテート繊維
を得た。得られたセルローストリアセテート繊維の繊維
断面の顕微鏡写真を図3に示し、また繊維物性及び風合
いの評価結果を表1に示した。
【0021】
【表1】
【0022】表1から明らかなように、本発明のセルロ
ースアセテート複合繊維は、繊維表面の平滑性が高く、
表層のセルロースにより従来のドライ感の風合いから極
めてウエット感の風合いのものに改質されており、繊維
物性も実用上何等問題のないものであった。
ースアセテート複合繊維は、繊維表面の平滑性が高く、
表層のセルロースにより従来のドライ感の風合いから極
めてウエット感の風合いのものに改質されており、繊維
物性も実用上何等問題のないものであった。
【0023】
【発明の効果】本発明のセルロースアセテート複合繊維
は、繊維表面の高い平滑性により、また表層の酢化度の
低いセルロースアセテートまたはセルロースに基づく親
水性により、極めてウエット感の風合いを有するもので
あり、消費者ニーズの多様化に対応する衣料用素材とし
て好適なるものである。また、本発明によれば、本発明
のセルロースアセテート複合繊維を穏やかな条件で安全
に得ることができる。
は、繊維表面の高い平滑性により、また表層の酢化度の
低いセルロースアセテートまたはセルロースに基づく親
水性により、極めてウエット感の風合いを有するもので
あり、消費者ニーズの多様化に対応する衣料用素材とし
て好適なるものである。また、本発明によれば、本発明
のセルロースアセテート複合繊維を穏やかな条件で安全
に得ることができる。
【図1】実施例1により得られたセルロースアセテート
複合繊維の繊維断面の顕微鏡写真である。
複合繊維の繊維断面の顕微鏡写真である。
【図2】比較例1により得られたセルロースアセテート
複合繊維の繊維断面の顕微鏡写真である。
複合繊維の繊維断面の顕微鏡写真である。
【図3】参考例により得られたセルローストリアセテー
ト繊維の繊維断面の顕微鏡写真である。
ト繊維の繊維断面の顕微鏡写真である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年3月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】一方、紡糸条件を変更することにより、紡
糸時における溶剤の揮散・乾燥速度を遅らせ、その結果
として繊維表面を平滑化する方法もあるが、繊維表面の
平滑性を向上させるだけでは、ドライ感を十分に抑制す
ることが困難であり、満足すべきウエット感が得られな
い。この不満足なウエット感は、基質のセルローストリ
アセテート自体が疎水性であることに因るものである。
糸時における溶剤の揮散・乾燥速度を遅らせ、その結果
として繊維表面を平滑化する方法もあるが、繊維表面の
平滑性を向上させるだけでは、ドライ感を十分に抑制す
ることが困難であり、満足すべきウエット感が得られな
い。この不満足なウエット感は、基質のセルローストリ
アセテート自体が疎水性であることに因るものである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】次いで、得られた前駆体繊維をアルカリ鹸
化処理する。アルカリとしては、水酸化ナトリウムや炭
酸カルシウム等が用いられ、また、アルカリ鹸化処理条
件は、セルローストリアセテートとセルロースジアセテ
ートの対アルカリ特性差により決定され、セルロースト
リアセテートは反応せず、セルロースジアセテートのみ
が容易に反応する条件を選択する。このアルカリ鹸化処
理においては、セルロースジアセテートを完全にセルロ
ース化することが好ましい。好ましいアルカリ鹸化処理
条件としては、水酸化ナトリウムを用いた場合、アルカ
リ濃度0.5〜5重量%、より好ましくは1〜2重量%
水溶液、温度20〜90℃、より好ましくは30〜60
℃、時間5〜60分、より好ましくは8〜15分が用い
られる。
化処理する。アルカリとしては、水酸化ナトリウムや炭
酸カルシウム等が用いられ、また、アルカリ鹸化処理条
件は、セルローストリアセテートとセルロースジアセテ
ートの対アルカリ特性差により決定され、セルロースト
リアセテートは反応せず、セルロースジアセテートのみ
が容易に反応する条件を選択する。このアルカリ鹸化処
理においては、セルロースジアセテートを完全にセルロ
ース化することが好ましい。好ましいアルカリ鹸化処理
条件としては、水酸化ナトリウムを用いた場合、アルカ
リ濃度0.5〜5重量%、より好ましくは1〜2重量%
水溶液、温度20〜90℃、より好ましくは30〜60
℃、時間5〜60分、より好ましくは8〜15分が用い
られる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】(実施例1)平均酢化度61.6%のセル
ローストリアセテートと平均酢化度55.2%のセルロ
ースジアセテートを、それぞれ塩化メチレン/メタノー
ル=91/9の混合溶剤に溶解し、それぞれ溶液濃度2
2重量%のセルローストリアセテート紡糸原液及びセル
ロースジアセテート紡糸原液を調製した。両紡糸原液を
用い、紡糸原液温度50℃、吐出線速度640m/分の
条件で芯鞘重量比50/50に芯鞘複合紡糸ノズルにて
乾式紡糸し、75デニール/20フィラメントの前駆体
繊維を得た。得られた前駆体繊維に下記条件のアルカリ
鹸化処理を施し、鞘部がセルロースからなるセルロース
アセテート複合繊維を得た。得られたセルロースアセテ
ート複合繊維の繊維断面の顕微鏡写真を図1に示し、ま
た繊維物性及び風合いの評価結果を表1に示した。
ローストリアセテートと平均酢化度55.2%のセルロ
ースジアセテートを、それぞれ塩化メチレン/メタノー
ル=91/9の混合溶剤に溶解し、それぞれ溶液濃度2
2重量%のセルローストリアセテート紡糸原液及びセル
ロースジアセテート紡糸原液を調製した。両紡糸原液を
用い、紡糸原液温度50℃、吐出線速度640m/分の
条件で芯鞘重量比50/50に芯鞘複合紡糸ノズルにて
乾式紡糸し、75デニール/20フィラメントの前駆体
繊維を得た。得られた前駆体繊維に下記条件のアルカリ
鹸化処理を施し、鞘部がセルロースからなるセルロース
アセテート複合繊維を得た。得られたセルロースアセテ
ート複合繊維の繊維断面の顕微鏡写真を図1に示し、ま
た繊維物性及び風合いの評価結果を表1に示した。
Claims (3)
- 【請求項1】 繊維表面に繊維軸方向に延びる溝が2個
以下の平滑面を有し、芯部に平均酢化度56.2%以上
62.5%以下のセルローストリアセテートが配され、
鞘部に平均酢化度48.8%未満のセルロースアセテー
トまたはセルロースが配されたことを特徴とするセルロ
ースアセテート複合繊維。 - 【請求項2】 芯成分として平均酢化度56.2%以上
62.5%以下のセルローストリアセテートを有機溶媒
に溶解した紡糸原液、鞘成分として平均酢化度48.8
%以上56.2%未満のセルロースジアセテートを有機
溶剤に溶解した紡糸原液を用い、紡糸原液の溶剤の揮散
・乾燥速度を遅らせて芯鞘型に乾式紡糸し、得られた複
合繊維をアルカリ鹸化処理することを特徴とするセルロ
ースアセテート複合繊維の製造方法。 - 【請求項3】 紡糸原液温度60℃以下、吐出線速度3
80m/分以上の条件で芯鞘型に乾式紡糸する請求項2
記載のセルロースアセテート複合繊維の製造方法。
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---|---|---|---|
JP32625195A JP3108347B2 (ja) | 1995-11-22 | 1995-11-22 | セルロースアセテート複合繊維及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32625195A JP3108347B2 (ja) | 1995-11-22 | 1995-11-22 | セルロースアセテート複合繊維及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09143820A true JPH09143820A (ja) | 1997-06-03 |
JP3108347B2 JP3108347B2 (ja) | 2000-11-13 |
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ID=18185690
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP32625195A Expired - Fee Related JP3108347B2 (ja) | 1995-11-22 | 1995-11-22 | セルロースアセテート複合繊維及びその製造方法 |
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---|---|
JP (1) | JP3108347B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2003000967A1 (en) * | 2001-06-22 | 2003-01-03 | Sk Chemicals Co., Ltd | Method of producing cellulose fibers by use of cold-pad-batch |
KR100472827B1 (ko) * | 2001-03-21 | 2005-03-07 | 에스케이케미칼주식회사 | 셀룰로오스/셀룰로오스 트리아세테이트 복합직물의 제조방법 |
KR100483808B1 (ko) * | 2001-12-11 | 2005-04-20 | 에스케이케미칼주식회사 | 콜드 패드 배치법에 의한 셀룰로오스 섬유의 제조방법 |
-
1995
- 1995-11-22 JP JP32625195A patent/JP3108347B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100472827B1 (ko) * | 2001-03-21 | 2005-03-07 | 에스케이케미칼주식회사 | 셀룰로오스/셀룰로오스 트리아세테이트 복합직물의 제조방법 |
WO2003000967A1 (en) * | 2001-06-22 | 2003-01-03 | Sk Chemicals Co., Ltd | Method of producing cellulose fibers by use of cold-pad-batch |
KR100472384B1 (ko) * | 2001-06-22 | 2005-03-08 | 에스케이케미칼주식회사 | 콜드 패드 배치법에 의한 셀룰로오스 섬유의 제조방법 |
KR100483808B1 (ko) * | 2001-12-11 | 2005-04-20 | 에스케이케미칼주식회사 | 콜드 패드 배치법에 의한 셀룰로오스 섬유의 제조방법 |
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JP3108347B2 (ja) | 2000-11-13 |
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