JPH09142886A - 表面処理物品の再処理方法 - Google Patents

表面処理物品の再処理方法

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JPH09142886A
JPH09142886A JP30860695A JP30860695A JPH09142886A JP H09142886 A JPH09142886 A JP H09142886A JP 30860695 A JP30860695 A JP 30860695A JP 30860695 A JP30860695 A JP 30860695A JP H09142886 A JPH09142886 A JP H09142886A
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repellent
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treated
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JP30860695A
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Kazuishi Mitani
一石 三谷
Hiroaki Yamamoto
博章 山本
Hirotsugu Nagayama
裕嗣 永山
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C17/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
    • C03C17/28Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with organic material
    • C03C17/30Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with organic material with silicon-containing compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C2218/00Methods for coating glass
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 再処理後も高耐久性を維持できる、表面処理
被膜の再処理方法を提供すること。 【解決手段】 表面層に有機官能基を含有し、金属酸化
物を主成分とする化合物の被覆膜を有する表面処理物品
を再処理する方法において、前記表面処理物品表面に紫
外線を照射して前記有機官能基を分解脱離し、その後に
有機官能基を有する有機金属化合物を含有する表面処理
剤を塗布することを特徴とする表面処理物品の再処理方
法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表面処理物品の再処
理方法、特に建築、自動車、車両、航空機あるいは船舶
などの風防ガラス、光学部品レンズその他のガラス製品
等の透明物品、または不透明物品に施された表面処理被
膜の再処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】透明物品や不透明物品に表面処理を施し
て、撥水性、撥油性、親水性、防汚性、あるいは防曇性
などの機能を付加させることは、多くの分野で重要な技
術である。特にガラス物品表面を撥水性にした場合、
1)汚染成分を含有した水滴がガラス表面に残存しない
ため、ガラスの汚染防止や焼け防止効果がある、2)撥
水性ガラスを自動車のフロントガラスやサイドガラスな
どに使用した場合、雨天走行時でも、ガラス表面に付着
した雨水が風圧によって吹き飛ばされ、ドライバーの視
野が確保され走行安全性が向上する、など種々の効果が
期待できる。また、このような撥水性ガラスの作製方法
としては、ポリジメチルシロキサン系を中心とする有機
シリコーン化合物や含フッ素シリコン化合物からなる撥
水剤をガラス表面に湿式塗布、プラズマや蒸着により乾
式塗布する方法などが一般的に用いられている。
【0003】また、このような撥水性能を長期間にわた
って維持するためには基材表面との結合性を高めたり、
基材中から撥水膜中に撥水膜を劣化させる成分が溶出す
るのを防ぐため、撥水剤との結合性の良い材料や、不純
物遮蔽性の高い材料を(1)あらかじめ基材に成膜した
り、(2)撥水剤と混合したものを基材に塗布する方法
が考案された。例えば(1)の例としては、酸化珪素膜
を成膜した上にシリコン系撥水剤を塗布するもの(特開
平5−24885)、(2)としてはいわゆるゾルゲル
法による膜で、例えばアルコキシシラン化合物とフルオ
ロアルキルシラン化合物を混合したものを加水分解した
液を塗布することにより成膜された、フルオロアルキル
基含有酸化珪素膜(特開平4−338137)を挙げる
ことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、多くの
表面処理技術は有機官能基を含有する化合物を用いるこ
とが多く、例えば撥水膜は有機材料であり、無機物の基
材と比較すれば耐久性は低い。上記(1)や(2)のよ
うにガラスとの結合性を高めたものでも、撥水膜そのも
のの劣化により徐々に撥水性能が低下する。
【0005】撥水性能が劣化した撥水性物品の性能を回
復するためには、シリコン系撥水剤を再度塗布すること
が考えられる。このような場合、基材表面に部分的に残
っている撥水膜を完全に除去しないと、新たに撥水剤を
塗布しても均一な膜にならず、十分な撥水性能、耐久性
を持つことができない。そこで、この残存撥水膜を取り
除いてから再処理をする必要がある。さらに、上記
(1)、(2)の構造の場合、最表面の撥水膜のみなら
ず下地の酸化珪素膜まで取り除くと、再処理後の撥水膜
は基材の撥水劣化成分の影響を受け、耐久性に乏しいも
のになる。従って、下地の酸化珪素膜を残し最表面の撥
水膜のみを取り除く方法が必要となった。
【0006】従来は酸化珪素や酸化セリウムの微粒子を
含む研磨剤で研磨することにより古い撥水膜を除去する
ことが一般的であった。しかしながら、古い撥水膜の劣
化程度はものにより異なり、また1枚の中でもむらがあ
るので、要再処理品毎に同程度に均一に研磨することは
非常に困難であった。このため、確実に下地の酸化珪素
膜を残した状態で撥水膜のみを除去することはできず、
再処理後の耐久性を保証することはできなかった。
【0007】本発明はこのような欠点を除去し、再処理
後も高耐久性を維持できる表面処理、特に撥水性被膜の
再処理方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは劣化した表
面処理ガラス、特に撥水性ガラスをUV/オゾン処理す
ると、最表面の撥水膜のみが分解脱離し下地の酸化珪素
膜は脱離せず、再処理後の耐久性が高いものになること
を見いだした。
【0009】すなわち、本発明は、表面層に有機官能基
を含有し、金属酸化物を主成分とする化合物の被覆膜を
有する表面処理物品を再処理する方法において、前記表
面処理物品表面に紫外線を照射して前記有機官能基を分
解脱離し、その後に有機官能基を有する有機金属化合物
を含有する表面処理剤を塗布することを特徴とする表面
処理物品の再処理方法である。
【0010】本発明について、まず撥水性物品を例に説
明する。撥水性物品の表面処理膜は、フルオロアルキル
基のような有機官能基を高濃度で含有する表面層部分
と、この部分より低濃度の有機官能基を含有し、または
有機官能基を含有しない酸化珪素、酸化チタニウム、酸
化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化セリウムのよ
うな金属酸化物を主成分とする化合物を含む層部分から
なる。本発明において、撥水性能が低下した撥水性物品
表面に紫外線を照射する。撥水性能が低下した撥水性物
品表面では、表面処理膜の表面層部分に当初多量均一に
存在していた有機官能基、例えばアルキル基またはフル
オロアルキル基は長期使用により徐々に分解脱離が進
み、少量のアルキル基またはフルオロアルキル基が残存
している。紫外線を照射すると、撥水膜の最表面に残存
するアルキル基またはフルオロアルキル基のみが分解脱
離し、その下層に存在する金属酸化物膜は分解すること
なくそのまま残る。
【0011】このアルキル基またはフルオロアルキル基
の分解脱離には、アルキルシランまたはフルオロアルキ
ルシランの結合を切断することおよび、切断されて生成
したフリーラジカルおよび励起状態の分子を酸化分解す
ることが必要である。アルキル基またはフルオロアルキ
ル基の結合を切断するためにはその中の結合基、特にS
i−C結合、C−C結合やC−F結合などの結合エネル
ギーである69.8Kcal/mol、84.3Kcal/mol、や1
15.2Kcal/molよりも大きいエネルギーを有する、約
409nm、339nm、249nmよりも短い波長を
有する、例えば210〜270nmの波長を有する紫外
線が必要である。フルオロアルキルシランの切断により
生成したフリーラジカルおよび励起状態の分子を更に酸
化分解するには、約210〜270nmの波長の紫外線
をオゾンが吸収して発生する励起酸素原子が必要であ
り、そのためには、(1)大気中の酸素に吸収されてオ
ゾンを発生させるための、約160〜200nmの波長
を有する紫外線を大気中で照射するか、または(2)別
途供給したオゾンの存在下でアルキル基または、フルオ
ロアルキル基の結合を切断するための210〜270n
mの波長の紫外線の照射を行う必要がある。上記酸化分
解により切断された有機分子は、励起酸素原子と反応し
て低分子化合物に変わり除去される。
【0012】従って、照射する紫外線としては210〜
270nmの波長を有する光が必要であり、撥水膜の表
面積1平方cmあたり5mW以上の照度が必要である。
使用する紫外線の光源としては、低圧水銀ランプ、高圧
水銀ランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、水素
放電管などを挙げることができる。そしてこの光源が、
約160〜200nmの波長を有する紫外線をも放射す
るものであれば、別途オゾン供給手段が不要となるので
好ましい。低圧水銀ランプは、210〜270nmの波
長の範囲内である254nmの波長の光、および約16
0〜200nmの波長の範囲内である185nmの波長
の光を放射するので、好ましい光源の一つである。約1
60〜200nmの波長を有する紫外線を放射せず、2
10〜270nmの波長を有する紫外線のみを放射する
光源、例えば高圧水銀ランプ、を使用するときには、別
途オゾン供給手段が必要となる。別途オゾンを雰囲気中
に供給する場合、雰囲気中には0.1〜10体積%のオ
ゾン濃度が必要である。
【0013】紫外線照射は、ガラスなどの基板物品の紫
外線の透過率が低いため、通常、撥水膜の表面層側から
行われる。
【0014】本発明において、次に、紫外線照射により
撥水膜の表面層が分解脱離された撥水性物品表面に、有
機官能基を有する有機金属化合物を含有する撥水処理
剤、例えばシリコン系撥水剤を塗布する。シリコン系撥
水剤としては、常温乾燥または約100℃以下で加熱す
るものが好ましく用いられる。
【0015】シリコン系撥水剤の例としては、アルキル
基、フルオロアルキル基のような有機官能基を含有する
有機金属化合物、例えばシリコーン化合物や含フッ素シ
リコン化合物などを有効成分とし、アルコール系やケト
ン系の有機溶媒に溶解したものなどが挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。シリコーン化合物とし
ては、ポリジメチルシロキサンその他のポリジアルキル
シロキサンや、その末端OH基変性、アミノ基変性など
の化合物でもよい。含フッ素シリコン化合物としては、
ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシランなどが挙
げられる。シリコーン系撥水剤の例としては、商品名ス
ーパーレインX(unelco社製)を挙げることがで
きる。シリコン系撥水剤の塗布はスプレー、刷毛塗り、
ローラー塗りなどの周知の方法で行うことができる。
【0016】このシリコン系撥水剤を塗布する撥水性物
品の表面層は、アルキル基またはフルオロアルキル基が
完全に除去されているので、塗布したシリコン系撥水剤
が均一な膜を形成され、またシリコン系撥水剤の塗布膜
の下には、酸化珪素膜が残存して不純物遮蔽層として働
くので、撥水性物品の基材の撥水劣化成分(例えば基材
がアルカリ珪酸塩ガラスの場合のアルカリ成分)の悪影
響を受けることなく、従って優れた耐久性が得られる。
【0017】上述の例では撥水処理膜の構成が、平滑な
2層構造で表面層に撥水剤を有し下地層に酸化珪素を主
成分する場合を示したが、下地層は平滑でない場合でも
有効である。例えば特開平4−124047、特開平4
−288349で示される凹凸形状を有する層上に撥水
層を有する撥水性ガラスや、特開平5−213633で
示されるマイクロピット形状を有する層の表面上に撥水
層を有する撥水性ガラスにおいても適用できる。さらに
は、多孔質ガラスまたは多孔質を有する薄膜中に撥水性
を有する化合物が含まれる場合でもよい。これらの場合
でも紫外線を照射することで、薄膜中に含まれる撥水性
を有するアルキル基またはフルオロアルキル基が分解脱
離され、酸化珪素を主成分とする部分は削られることな
くそのまま残るので凹凸形状や多孔質形状が維持され、
シリコン系撥水剤で再処理することで、高性能かつ高耐
久性を有する撥水性ガラスが再生できる。
【0018】本発明における表面処理物品は撥水処理に
限らず、他の表面処理、例えば撥油性、親水性、防汚
性、あるいは防曇性などの機能を付加させる場合でも適
用される。親水性処理の場合、親水基を有するシリコン
化合物、例えばγ−グリシドオキシプロピルテトラメト
キシシランなどを用いて、ガラス物品に表面処理を行う
ことができる。またγ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシランなどのシランカップリング剤を用いて表面
処理を行い、さらに多種の表面処理を行う場合にも適用
できる。
【0019】また本発明は、上述のように、前記有機官
能基によって発現すべき所期の表面性能を当初有してい
たが長期間使用によりその表面性能が低下した表面処理
物品の再処理だけではなく、生産時に発生した性能不良
品、すなわち所期の表面性能を有しない表面処理物品の
再処理にも適用することができる。
【0020】また本発明において、再処理前の表面処理
物品の被覆膜の表面層に含まれる有機官能基と、後に塗
布する表面処理剤の有機金属化合物に含ませる有機官能
基とを必ずしも一致させる必要はなく、例えば撥水処理
された物品を紫外線照射の後に親水性処理するなど、当
初とは異なる種類の表面処理に換えることもできる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例によって更
に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定され
るものではない。 <評価および試験方法> 1)接触角 :接触角計(協和界面科学(株)製CA−
D)を用い、静滴法により水の接触角を測定した。1サ
ンプルにつき5箇所測定し、平均値を接触角の値とし
た。 2)耐煮沸性:沸騰水中にサンプルを6時間浸漬した
後、接触角を測定した。
【0022】
【実施例1】テトラエトキシシラン(Si(OC25
4) 66.7g、エチルアルコール(C25OH)56
8.8g、水28.3gを混合した。この混合液を攪拌
しながら0.1N塩酸水溶液35.1gを一滴づつ添加
した。この液を25℃で4日間密閉静置して加水分解反
応を起こさせた。この液を40ml分取しエチルアルコ
ールで200mlになるよう希釈した。
【0023】フルオロアルキルシラン(CF3(CF2
7CH2CH2Si(OCH33) 16.37gとエチル
アルコール27.96gを混合した。この混合液中に
0.1N塩酸水溶液4.08gを一滴づつ添加した。こ
の液を攪拌しながら25℃で4日間放置して加水分解反
応を起こさせた。この液を0.32g分取し上記テトラ
エトキシシラン加水分解液と混合し塗布液とした。
【0024】これを、50cm×50cmで厚み3mm
のソーダ石灰珪酸塩系ガラス基板の片側表面にフローコ
ーティング(流し塗り)により塗布し、風乾した後、2
50℃で1時間加熱することにより、ガラス基板上に、
外側表面にフルオロアルキル基を含有する厚み約75n
mの酸化珪素膜からなる撥水膜を形成した。このように
して作製した撥水性ガラスの水の接触角は、101度で
あった。
【0025】この撥水処理ガラスをUV/オゾン処理装
置(UV−300型、(株)サムコインターナショナル
研究所製)を用い、撥水面を50℃で90分処理した。
この時の紫外線の主波長は253.7nm、184.9
nmで、波長253.7nmにおける照度は15mW/
cm2 、オゾンの雰囲気濃度は1.5体積%であった。
洗浄後の表面の水接触角を測定したところ5度であり、
表面の撥水膜表面のフルオロアルキル基が完全に脱離し
ていることがESCA分析により確認された。また、こ
の表面を走査型電子顕微鏡で観察し、その表面に酸化珪
素膜が残っていることが確認された。
【0026】この表面にシリコン系撥水剤スーパーレイ
ンX(unelco社製)を塗布し、100℃で10分
間乾燥して再処理サンプルとした。再処理後の接触角は
99.8度であり、撥水性能が回復したことが確認され
た。
【0027】この再処理サンプルを煮沸試験したとこ
ろ、表1に示したように接触角の低下は小さく再処理後
の耐久性が高いものであった。
【0028】
【表1】 ========================== 接触角(度) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 再処理直後 煮沸後 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例1 99.8 94.5 実施例2 99.8 94.4 比較例1 95.8 53.1 ==========================
【0029】
【実施例2】テトラエトキシシラン(Si(OC25
4) 100g、フルオロアルキルシラン(CF3(C
27CH2CH2Si(OCH33) 2.73g、エ
チルアルコール853.2gを混合し、30分間攪拌し
た。その後、さらに0.1N塩酸水溶液52.7g、水
42.5gを添加して2時間攪拌した。この液を25℃
で5日間密閉静置して、テトラエトキシシランおよびフ
ルオロアルキルシランの両方を加水分解させた。
【0030】これを、上記と同じガラス基板にディップ
法により引き上げ速度60mm/minで塗布し、風乾
した後、250℃で1時間加熱して、膜厚が約75nm
の撥水膜を形成した。このようにして作製した撥水性ガ
ラスの水の接触角は、101度であった。
【0031】この撥水性ガラスを実施例1と同様にUV
/オゾン処理装置を用い、50℃で90分処理した。洗
浄後の表面の水接触角を測定したところ4度であり、表
面の撥水膜が完全に脱離していることが確認された。ま
た、この表面を走査型電子顕微鏡で観察し、その表面に
酸化珪素膜が残っていることが確認された。
【0032】この表面にシリコン系撥水剤スーパーレイ
ンX(unelco社製)を塗布し、100℃で10分
間乾燥して再処理サンプルとした。再処理後の接触角は
99.8度であり、撥水性能が回復したことが確認され
た。この再処理サンプルを煮沸試験したところ、表1に
示したように接触角の低下は小さく再処理後の耐久性が
高いものであった。
【0033】
【比較例1】実施例1と同じ方法により撥水性ガラスを
作製した。接触角は102度であった。この撥水性ガラ
ス表面を酸化セリウム系微粒子を含む研磨剤(HS−
3、新日金化学(株)製)で研磨し接触角5度の表面を
得た。この表面を走査型電子顕微鏡で観察したところ酸
化珪素膜まで取り除かれ、基板ガラスが露出した状態で
あった。
【0034】この表面にシリコン系撥水剤スーパーレイ
ンX(unelco社製)を塗布し、100℃で10分
間乾燥し再処理サンプルとした。再処理後の接触角は9
5.8度であり、撥水性能が回復したことが確認され
た。
【0035】この再処理サンプルを煮沸試験したとこ
ろ、表1に示したように接触角は大きく低下し耐久性が
低いことがわかった。
【0036】
【実施例3】実施例1と同様の方法で作製した撥水性ガ
ラス(水の接触角102度)をサンシャインウエザオメ
ーター(スガ試験機社製)を用いて、63℃、水あり条
件にて6000時間の促進耐候性試験を実施し、水の接
触角が75度になるまで撥水性能を劣化させた。
【0037】この撥水性ガラスを実施例1と同様にUV
/オゾン処理装置を用いて、撥水面を50℃で60分処
理した。処理後の表面の水の接触角は5度となってお
り、撥水膜表面のフルオロアルキル基が完全に脱離して
いることがわかる。
【0038】再処理用撥水剤を以下の方法で作製した。
フルオロアルキルシラン (CF3(CF27CH2CH2
Si(OCH33、東芝シリコーン社製)2重量部、末
端シラノール変性ジメチルシロキサン(平均分子量17
00、ペトラーク社製、)2重量部をイソプロパノール
94重量部に溶解し、0.1規定塩酸2重量部を加え、
50℃で4時間攪拌して加水分解した。このようにして
得られた撥水剤を上記UV/オゾン処理を行った撥水性
ガラスに塗布し、100℃、10分間乾燥して、再処理
サンプルとした。再処理後の水の接触角は105度であ
り、撥水性能が回復したことが確認された。
【0039】この再処理サンプルを煮沸試験したとこ
ろ、表2に示したように接触角の低下は小さく、再処理
後の耐久性が高いものであった。
【0040】
【比較例2】実施例3と同様の方法で水の接触角が75
度に劣化した撥水性ガラスを、比較例2と同様に酸化セ
リウム系微粒子を含む研磨剤で研磨し、接触角が5度の
表面を得たが、走査型電子顕微鏡観察で酸化珪素膜も大
部分が取り除かれていた。この表面に実施例3と同様の
撥水剤を塗布し、100℃で10分間乾燥して再処理サ
ンプルを作製した。このサンプルの水の接触角は104
度に回復していた。この再処理サンプルを煮沸試験した
ところ、表2に示したように場所によって接触角の低下
が大きく、再処理後の耐久性が一定になっていないこと
が示された。
【0041】
【比較例3】実施例3と同様の方法で水の接触角が75
度に劣化した撥水性ガラス表面に、実施例3と同様の撥
水剤を塗布し、100℃で10分間乾燥して再処理サン
プルを作製した。このサンプルの水の接触角は104度
に回復していた。この再処理サンプルを煮沸試験したと
ころ、表2に示したように接触角の低下が大きく、再処
理後の耐久性が低いことが示された。
【0042】
【表2】 =========================== 接触角(度) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 再処理直後 煮沸後(最小値〜最大値) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 実施例3 105.0 90.6〜94.9 比較例2 104.2 69.6〜81.3 比較例3 103.0 60.5〜69.9 ===========================
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、撥水性能などの表面処
理性能が長期間使用により低下した物品または生産時に
発生した性能不良物品に再処理して、高耐久性を維持で
きる表面処理被膜を得ることができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面層に有機官能基を含有し、金属酸化
    物を主成分とする化合物の被覆膜を有する表面処理物品
    を再処理する方法において、前記表面処理物品表面に紫
    外線を照射して前記有機官能基を分解脱離し、その後に
    有機官能基を有する有機金属化合物を含有する表面処理
    剤を塗布することを特徴とする表面処理物品の再処理方
    法。
  2. 【請求項2】 前記表面処理物品が撥水性ガラス物品で
    ある請求項1記載の表面処理物品の再処理方法。
  3. 【請求項3】 前記有機官能基がアルキル基またはフル
    オロアルキル基である請求項1記載の表面処理物品の再
    処理方法。
  4. 【請求項4】 前記金属酸化物が酸化珪素である請求項
    1記載の表面処理物品の再処理方法。
  5. 【請求項5】 前記表面処理剤がシリコン系撥水剤であ
    る請求項1の表面処理物品の再処理方法。
  6. 【請求項6】 外部から供給したオゾンを前記表面処理
    物品に接触させながら、前記表面処理物品表面に前記紫
    外線を照射する請求項1記載の表面処理物品の再処理方
    法。
  7. 【請求項7】 前記表面処理物品が、フルオロアルキル
    基含有シラン化合物の加水分解物とアルコキシシラン化
    合物の加水分解物の混合物、またはフルオロアルキル基
    含有シラン化合物とアルコキシシラン化合物との混合物
    の加水分解物の塗布・加熱処理により形成した、表面層
    にフルオロアルキル基を含有する、ケイ素酸化物を主成
    分とする化合物の撥水被覆膜を有する撥水性表面処理ガ
    ラス物品であり、前記表面処理剤はシリコン系撥水剤で
    ある請求項1の表面処理物品の再処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024089748A1 (ja) * 2022-10-24 2024-05-02 美浜株式会社 防汚コートの除去方法、及び防汚コート分解除去装置

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