JP2001146439A - 機能性被膜の部分除去法 - Google Patents

機能性被膜の部分除去法

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JP2001146439A
JP2001146439A JP32925799A JP32925799A JP2001146439A JP 2001146439 A JP2001146439 A JP 2001146439A JP 32925799 A JP32925799 A JP 32925799A JP 32925799 A JP32925799 A JP 32925799A JP 2001146439 A JP2001146439 A JP 2001146439A
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repellent
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glass
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Yoshinori Akamatsu
佳則 赤松
Shigeo Hamaguchi
滋生 濱口
Hiroaki Arai
宏明 荒井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基板表面に被覆された機能性被膜の一部分を効
率よく除去すること。 【解決手段】基板表面に有機化合物よりなる塗布液を塗
布し硬化させて機能性被膜を形成したのち、該被膜の膜
除去部以外の部分に紫外線が照射されないように遮光板
を設け、該被膜の膜除去部に紫外線を照射することによ
り膜除去部の機能性被膜を分解・除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築用、車両用、
産業用、鏡等の表面に被覆される機能性被膜の一部を除
去するための機能性被膜の部分除去法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、ガラス基板表面に撥水性被膜を
形成した部分と撥水性被膜を形成しない部分とを有する
部分撥水処理ガラスに関する主な特許出願としては下記
のものが知られている。
【0003】例えば、特開平9-142888号公報に
は、ガラス基板表面に文字、模様および/または図柄を
パターニングし、該パターニングした部分に透明な撥水
性被膜を形成し、水滴や雨滴等の水分付着時の光散乱強
度の差により前記パターニング部分を浮き上がらせた装
飾ガラスが記載され、特開平7−157336号公報に
は、透明基板表面が撥水性被膜形成部と非被膜形成部と
を有し、塗布に際して非被膜形成部には溶剤を撥水被膜
形成用塗布液とその一部が重なるように塗布する撥水被
膜の形成方法が記載され、特開平10−297939号
公報には、自動車用窓ガラスのワイパー払拭部分のみに
撥水性膜を施し、それ以外の部分は撥水性膜を付与しな
い部分撥水処理ガラス等が開示されている。
【0004】また、特開平11-194202号公報に
は、製造工程中に光学素子表面に異物が付着するのを防
止するため、光学素子の最外層物質と化学結合しない基
を有する有機分子物質からなる仮保護被膜を形成し、最
終工程で紫外線照射により光学素子表面の該仮保護膜と
その上に付着した異物を合わせてを除去する光学素子が
開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
特開平9-142888号公報、特開平7−15733
6号公報、特開平10−297939号公報に示される
部分撥水処理ガラスの方法は、撥水処理する前に撥水処
理しない部分をマスキングする方法や、撥水処理したの
ち膜を除去する部分にマスキングを行い、セリア研磨や
アルカリ処理などにより撥水性被膜を除去する方法であ
り、これらの方法は生産性が低く、実用的に広く採用す
るには十分とは言い難いとともに、前記撥水処理する前
に撥水処理しない部分をマスキングする方法において
は、マスキング除去後でもマスキング材料の接着成分の
影響が基板表面に残って水滴に対する接触角が大きくな
る等の不具合も生じる。
【0006】さらに、特開平11-194202号公報
記載の膜除去の方法は、形成した仮保護被膜を最終的に
全部除去するものであり、工程が煩雑となるとともに、
非効率である。また、分解される保護膜成分は光学素子
の最外層と化学結合しない基を有する有機高分子物質で
あるとともに、目的が異物付着防止であり、本願の機能
性被膜の一部を除去するパターニング方法とは目的が異
なる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来の問題点
に鑑みなしたものであり、紫外線照射法は乾式法である
ために非常に工程が簡便かつ生産性が高く、また被膜を
形成したのちに膜除去の処理を行う後処理法であり、被
膜の所望の部分を選択的に除去することが可能である実
生産に優れる機能性被膜の部分除去法を提供するもので
ある。
【0008】すなわち、本発明の機能性被膜の部分除去
法は、(1)基板表面に有機化合物よりなる塗布液を塗
布し硬化させて機能性被膜を形成する工程、(2)該被
膜の膜除去部以外の部分に紫外線が照射されないように
したのち、該被膜の膜除去部に紫外線を照射し、膜除去
部の機能性被膜を分解・除去する工程、よりなることを
特徴とする。
【0009】また、塗布液はフルオロアルキル基含有シ
ラン化合物よりなることが好ましい。
【0010】さらに、照射する紫外線は、オゾンを発生
可能な波長を有する紫外線であり、オゾンとともに紫外
線を照射することもできる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の機能性被膜の部分除去法
は、以下の工程により行う。 (1)基板表面に有機化合物よりなる塗布液を塗布し硬
化させて機能性被膜を形成する工程、(2)該被膜の膜
除去部以外の部分に紫外線が照射されないようにしたの
ち、該被膜の膜除去部に紫外線を照射し、膜除去部の機
能性被膜を分解・除去する工程。
【0012】本発明の機能性被膜としては有機化合物よ
りなる被膜であるならば特に限定されるものではなく、
例えば撥水性被膜、熱線遮蔽被膜、紫外線遮蔽被膜、防
曇性被膜、着色膜等の有機化合物からなる被膜を用いる
ことができる。また、有機化合物の他に有機−無機ハイ
ブリッドよりなる膜などにも用いることも可能である。
【0013】代表的な機能性被膜として撥水性被膜の場
合を例にして以下に説明する。撥水性被膜を形成する撥
水液としては、例えば、フルオロアルキル基含有シラン
化合物からなる撥水剤と、希釈用の溶媒と、触媒として
の酸性水溶液を所定量混合したのち、所定時間攪拌して
加水分解反応を終結させ、次いで該溶液に脱水剤を添加
し、所定時間脱水処理を行って重縮合させることにより
得ることができる。
【0014】上記の出発原料としては、撥水剤としてフ
ルオロアルキルアルコキシシラン系化合物或いはフルオ
ロアルキルハロゲン化シラン系化合物であり、その化合
物としては、例えばCF3(CF211CH2CH2Si
(OR)3、CF3(CF29CH2CH2Si(O
R)3、CF3(CF27CH2CH2Si(OR)3、C
3(CF25CH2CH2Si(OR)3、CF3(C
211CH2CH2SiR(OR)2、CF3(CF29
CH2CH2SiR(OR)2、CF3(CF27CH2
2SiR(OR)2、CF3(CF25CH2CH2Si
R(OR)2、CF3CH2CH2SiCl3、CF3(CF
27CH2CH2SiCl3、CF3(CF27CH2CH2
SiRCl2、CF3(CF29CH2CH2SiCl3
CF3(CF29CH2CH2SiRCl2等を用いること
が出来る。なお、上記化学式におけるRはCH3、C2
5、C37などのアルキル基を示す。
【0015】希釈溶媒としては、イソプロピルアルコ−
ル(以下、「i−PA」と略す)の他に、メタノ−ル、
エタノ−ルなど炭素数が5以下の低級アルコ−ル溶媒で
あってもよく、アルコ−ル以外にエ−テル類やケトン類
を用いることができ、ことにイソプロピルアルコールを
主成分としてなるアルコールが塗布液の調製における希
釈溶媒として好ましい。
【0016】触媒としての酸性水溶液は、0.01N以
上、好ましくは0.1N〜13N程度の濃度の硝酸、塩
酸、硫酸などの無機酸あるいは、酢酸、クエン酸などの
有機酸を使用することができる。なお、撥水剤:希釈溶
剤:酸性水溶液は、重量割合で1:5〜50:0.09
〜1.0の範囲が好ましいが、これらの範囲に限定され
るものではない。
【0017】脱水剤としては、シリカゲル、合成ゼオラ
イト、活性アルミナ等を用いることが出来るが、これに
限定するものではない。また、加水分解終結後に重縮合
する場合あるいは加水分解の途中で重縮合が開始する場
合等、特に限定するものではない。
【0018】なお、撥水液としては、前記の方法に限定
されず、ジメチルシリコーン系撥水剤、前記撥水剤とジ
メチルシリコーン系との混合系撥水剤、およびフッ素樹
脂をシリカゾルにハイブリッド化させた撥水性被膜等も
用いることが可能である。なお、ハイブリッド膜を得る
ための塗布液の酸化物換算固形分濃度は0.2〜20w
t%とするのがよい。0.2wt%未満では希薄すぎる
ため膜の形態となり難く、また20wt%を超えると濃
度が高すぎるため膜厚が厚くなり、膜中にクラックの発
生を生じたりあるいは成膜時に白濁を生じたりして良質
な薄膜が得られなかったり、材料費がアップすることに
つながるものである。
【0019】ガラス基板への撥水液の塗布法としては、
手塗り(ハケ塗り法、ラビング法)、ノズルフロ−コ−
ト法、ディッピング法、スプレー法、リバ−スコ−ト
法、フレキソ法、印刷法、フローコート法あるいはスピ
ンコート法、ならびにそれらの併用等既知の塗布手段等
各種の塗布法が適宜採用し得るものである。
【0020】撥水液の粘度は、0.001〜0.01N
・s/m2に調製することが好ましく、0.001N・
s/m2未満では粘性が低すぎて膜となり難く、また
0.01N・s/m2を超えると被膜した際に過剰に塗
膜され成膜性が悪化して好ましくない。
【0021】撥水液をガラス基板の表面上に塗布する条
件は、撥水剤成分のシラノール基と基材表面の水酸基と
の反応を活性化させるために、通常雰囲気湿度が約55
%RH以下が好ましいが、これらに限定されるものでは
ない。撥水液を塗布するガラス基板の表面を予め酸処理
することにより表面改質すると、被膜の強度等が増し好
ましい。
【0022】前記フルオロアルキル基含有シラン化合物
等より形成される撥水性被膜は、該化合物がガラス基板
との反応性(化学結合性)の高い化合物であるので、得
られた撥水性被膜は強固にガラス基板表面と結合した状
態となっている。
【0023】本発明に用いられる基板としては、上記の
ガラスの他、プラスチック、金属、セラミック等特にそ
の材質を限定するものではないが、撥水性被膜の場合に
は、ガラス、プラスチック等の透明基板の場合に特に有
効であり好ましい。
【0024】次に、ガラス表面に塗布された撥水液は、
約150℃以下の温度で乾燥硬化することにより全面に
撥水性被膜が形成された撥水性被膜ガラスが得られる。
なお、場合によっては室温で放置して硬化させても差し
支えない。
【0025】さらに次に、ガラス基板表面の全面に撥水
性被膜が形成された撥水性被膜ガラスより、一部分の撥
水性被膜を除去する方法について以下に説明する。
【0026】先ず、撥水性被膜を除去したい部分のみに
紫外線を照射できるように、除去しない部分を遮光する
ための遮光フィルムや遮光板等の遮光体を配置する。こ
の場合、遮光体は被照射体である基板に近接する直上に
配置するか、もしくは紫外線ランプ近傍に遮光体を設け
てもよい。さらに、被照射体である基板の除去しない部
分を直接に紫外線吸収フィルムで覆うことも可能であ
る。その場合の紫外線吸収フィルムとしては、紫外線を
効率的に遮光可能なものであれば特に限定されるもので
はなく、フィルム基材にポリエチレン(PE)、ポリ塩
化ビニル(PVC)、ポリオレフィン(PO)などを用
い、接着剤として、アクリル系や天然ゴムなどを積層し
た種々のマスキングフィルムを使用することができる。
フィルムの色については、用いる紫外線の波長(400
nm以下)において完全に遮光性を有するものであれば
良く、特に限定しない。例えば、日東電工製のSPV−
303S、205・白、214およびML-102Sな
どが望ましい。
【0027】次いで、紫外線ランプにより紫外線を該機
能性被膜に照射する。紫外線は、一般的な塗膜の前処理
等で用いる紫外線ランプで充分であるが、その照射条件
(照射強度、照射時間)については、基材の種類、機能
性被膜の膜質、膜厚等で適宜最適条件を選択することが
できる。
【0028】紫外線の照射強度は、例えばランプから基
板表面までの距離が5〜10mmの場合には300〜3
15(mW/cm2)が好ましい。また、ランプと基板
表面間の距離が20mm増加すると、照度は10〜15
(mW/cm2)低下するので、効率的な照射を行うに
は、当該距離は約10mm程度が望ましく、例えば曲げ
ガラスに照射する場合には、さらに当該距離を該曲げガ
ラスの照射面全面にわたって均一に照射することが好ま
しい。
【0029】また、照射時間は、水滴との接触角を30
°程度に低下させるためには約12〜13分、接触角が
3〜5°までには15分程度照射することが好ましい。
なお、紫外線を有機化合物よりなる機能性被膜表面に照
射することにより、例えば撥水性被膜であるフルオロア
ルキルシラン化合物(FAS)の場合には、該FAS中
のC−C結合、CーH結合、Si−C結合などが切断さ
れ分解・劣化される。
【0030】なお、紫外線照射強度の測定は、ピーク感
度波長が354nm、測定波長範囲が300〜390n
mである照度計UVPF−36(アイグラフィックス製
照射強度計)で、装置を運転開始30分後の安定化した
後のUV光強度を測定した。
【0031】また、紫外線吸収フィルムを直接被照射体
に貼り付けた場合には、紫外線吸収フィルムの取り除
き、水洗、乾燥を行い、紫外線吸収フィルムで覆った部
分のみが撥水処理された部分撥水性ガラスを得る。本発
明で用いられる紫外線照射方法は、バッチ式での処理や
メタルハライドランプを配置したトンネル式での処理も
可能である。
【0032】前記の方法により得られた撥水性被膜の部
分除去ガラスにおいて、ガラス表面に被覆された撥水性
被膜が優れた撥水性を発現するためには、適当な接触角
θ(°)と転落性δ(μl)を兼ね備えることが肝心で
あり、例えば一般に接触角が大きくなると、転落性は小
さくなる傾向があり、接触角θは70°以上が好まし
い。
【0033】なお、基板がガラスの場合には、無色また
は着色、ならびにその種類あるいは色調、形状等に特に
限定されるものではなく、さらに曲げ板ガラスとしては
もちろん、各種強化ガラスや強度アップガラス、平板や
単板で使用できるとともに、合せガラスとしても使用で
きることは言うまでもない。さらに、ガラス車内側表面
に紫外線遮蔽膜、熱線遮蔽膜、導電性膜等各種の被膜が
形成されているものでも差し支えない。
【0034】前述については基板としてガラスを用い、
機能性被膜として撥水性被膜の場合の例について説明し
たが、その他プラスチック等の基板、他の機能性膜につ
いても同様な方法で各種の機能性被膜が部分的に除去さ
れた基板を得ることが可能である。
【0035】本発明により製造される部分機能性被膜基
板の用途としては、建築用、車両用、産業用、鏡等に用
いることができるが、特にこれらの用途に限定されるも
のではない。例えば、自動車用ドアガラスの場合には、
該ドアガラスのスタビライザーにより摺動を受ける部分
の近傍を帯状の領域を撥水性被膜を形成しない部分と
し、他の部分を撥水性被膜を形成した部分撥水ガラスと
することにより、雨天時における撥水性被膜形成部分の
水に対する接触角は約70°以上であり、非撥水性被膜
部は通常のガラス表面と同じ接触角の約10〜60°で
あり、同じガラス面内に水滴との接触角の異なる部分が
共存しているが、雨天時には通常運転者は、撥水性被膜
が形成された接触角の大きい部分を透してドアミラー或
いは車外の景色をはっきりと見ることが可能となり、安
全性を向上することができる。
【0036】上記の場合、スタビライザーにより摺動さ
れる部分も含めて全面に撥水性被膜を形成すると、該摺
動部分の被膜は他の部分よりも早く摩耗され、スタビラ
イザーにより摺動される部分の接触角が大幅に低下し、
特に雨天時にはその部分が筋状に浮き上がり、外観上好
ましいものではなくなる。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。ただし、本発明はかかる実施例に限定されるもので
はない。
【0038】実施例1 (1)ガラスの準備 自動車用ドアガラスの車外側のガラス表面を、研摩液
(三井金属工業製ミレークAなどを水に1%程度懸濁さ
せたもの)を用いブラシポリッシャーで研磨した後充分
に水洗した。次いで、35℃、0.1N硫酸水溶液中に
1分間浸漬する「酸処理」を行った。
【0039】(2)撥水処理 撥水処理は、撥水液を塗布(23℃,45%RHの環境
下で、約4ml/pcの撥水液をガラス基板に滴下し、
綿布(商品名;ベンコット)でガラス全面に十分引き伸ば
した)して5分間風乾し撥水性被膜を得た。なお、撥水
液は、撥水剤にヘプタデカフルオロデシルトリメトキシ
シラン(CF3(CF2)7CH2CH2Si(OCH3)3:信越
化学製KBM-7803、以下FASと記す)を用い、
希釈溶媒にイソプロピルアルコール(i−PA)、酸触
媒に0.1N硝酸(HNO3)を、それぞれ、重量比で
1:25:0.3で混合し、室温で2時間攪拌した後、
混合ゾルにFASの5倍(重量)の脱水剤(モレキュラ
ーシーブ4A相当品)を入れて約16時間脱水処理し、
最終的にろ紙でろ過して得た。
【0040】(3)膜除去 図1および図2に示すように、撥水処理が必要な部分に
紫外線が照射されないように、撥水性被膜を有するドア
ガラス1の非膜除去部の該当表面の直上に黒色の塗膜を
施したアルミ製の遮光板2を配置した。
【0041】次に、該ドアガラス1を紫外線メタルハラ
イドランプ3(アイグラフィックス製M075-L3
1、有効管長さ;600mm)を配列したランプハウス
4内に投入し、該ガラス1の上方より強力な紫外線5
(約300mW/cm2)を12分間ガラス表面の撥水性
被膜に照射した。なお、ランプハウスからガラス面まで
の距離は約5〜10mmとした。ランプ3には、1.5
kWのメタルハライドランプを用い、ランプ特性として
は、365nmの波長に主ピーク、200〜450nm
の広範囲にわたりる紫外線スペクトルを放射するもので
あった。
【0042】また、電源には同社製のパワー供給装置
(UB0151-3A/BM-E1S)を用いた。また、
紫外線照射装置6とドアガラス1の全体をシートもしく
は鋼板で覆い、照射中に発生するオゾンを局所排気する
ための排気系を設けた(図示せず)。なお、量産性を向
上させるために、メタルハライドランプ3からなる紫外
線照射装置6は、ガラス搬送コンベア(図示せず)の上
方に設置し、搬送されてきたガラスをコンベア上でUV
照射できるよう配置した。
【0043】次いで、紫外線照射の終了したドアガラス
1を水洗・乾燥後、紫外線吸収フィルムを取り除き、部
分撥水処理ガラスを得た。得られた部分撥水処理ガラス
は、撥水処理部分の接触角は111°、非撥水処理部分
の接触角は45°であり、所望の特性を満足した。な
お、接触角は、協和界面科学製CA−X型を用い、純水
(約2μl)に対する接触角を大気中(約25℃)で測
定した。
【0044】実施例2 実施例1と同様の方法で、自動車用ドアガラスの片面全
面に撥水処理を行った。図3に示すように、その後撥水
処理が必要な部分には紫外線が照射されないように、撥
水性被膜を有するドアガラス7の表面の非膜除去の該当
表面に直接黒色の紫外線吸収フィルム8(日東電工製S
PV−303S)を貼り付けた。次いで、紫外線ランプ
9とオゾン発生装置を有する紫外線オゾン暴露装置10
(アイグラフィックス製OC−401)内にトレイ11
上に載置されたドアガラス7を投入し、15分間UVオ
ゾンを暴露し、部分撥水処理ガラスを得た。
【0045】得られた部分撥水処理ガラスは、撥水処理
部分の接触角は110°、非撥水処理部分の接触角は5
0°であり、所望の特性を満足した。なお、接触角は、
協和界面科学製CA−X型を用い、純水(約2μl)に
対する接触角を大気中(約25℃)で測定した。
【0046】
【発明の効果】本発明は、有機化合物よりなる機能性被
膜の一部分を除去するのに、乾式法である紫外線照射法
を用いているため非常に工程が簡便かつ生産性が高く、
また機能性被膜を基板表面に被覆したのちに膜除去部を
処理する後処理法であるので塗膜の所望の部分を選択的
に除去することが可能である等の効果を奏するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】メタルハライドランプによる部分撥水処理法の
上面図である。
【図2】メタルハライドランプによる部分撥水処理法の
横面図である。
【図3】紫外線オゾンによる部分撥水処理法の上面図で
ある。
【符号の説明】
1 ドアガラス 2 遮光板 3 紫外線メタルハライドランプ 4 ランプハウス 5 紫外線 6 紫外線照射装置 7 ドアガラス 8 紫外線吸収フィルム 9 紫外線ランプ 10 紫外線オゾン暴露装置 11 トレイ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒井 宏明 三重県松阪市大口町1510 セントラル硝子 株式会社硝子研究所内 Fターム(参考) 4G059 AA01 AB07 AC22 FA05 FB03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の工程よりなることを特徴とする機能
    性被膜の部分除去法。 (1)基板表面に有機化合物よりなる塗布液を塗布し硬
    化させて機能性被膜を形成する工程、(2)該被膜の膜
    除去部以外の部分に紫外線が照射されないようにしたの
    ち、該被膜の膜除去部に紫外線を照射することにより膜
    除去部の機能性被膜を分解・除去する工程。
  2. 【請求項2】塗布液は、フルオロアルキル基含有シラン
    化合物よりなる撥水液であることを特徴とする請求項1
    記載の機能性被膜の部分除去法。
  3. 【請求項3】照射する紫外線は、オゾンを発生可能な波
    長を有する紫外線であり、オゾンとともに紫外線を照射
    することを特徴とする請求項1または2記載の機能性被
    膜の部分除去法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2003048059A1 (en) * 2001-11-29 2003-06-12 Pilkington North America, Inc. Method of using short wavelength uv light to selectively remove a coating from a substrate and article produced thereby
WO2024089748A1 (ja) * 2022-10-24 2024-05-02 美浜株式会社 防汚コートの除去方法、及び防汚コート分解除去装置

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