JPH09142176A - 車両用自動変速機およびエンジンの制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機およびエンジンの制御装置

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JPH09142176A
JPH09142176A JP7302429A JP30242995A JPH09142176A JP H09142176 A JPH09142176 A JP H09142176A JP 7302429 A JP7302429 A JP 7302429A JP 30242995 A JP30242995 A JP 30242995A JP H09142176 A JPH09142176 A JP H09142176A
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JP
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shift
engine
gear
engine torque
pressure
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Application number
JP7302429A
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English (en)
Inventor
Atsushi Tabata
淳 田端
Nobuaki Takahashi
信明 高橋
Masato Kaigawa
正人 甲斐川
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Control Of Transmission Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 変速期間中などにおいてアクセル操作量に対
するエンジントルク特性が変更されても変速が良好に実
行される車両用自動変速機およびエンジンの制御装置を
提供する。 【解決手段】 変速制御手段158により変速判断され
たダウンシフト変速の幅が5→2変速のように所定値
(3段)以上である場合には、エンジントルク制御手段
164により、ダウンシフト変速の幅がその所定幅以下
である場合に比較して、自動変速機14のダウンシフト
の変速中のエンジントルク特性が低下させられるととも
に、変速タイミング変更手段172によりそのダウンシ
フト変速過程において作動させられるブレーキB3のス
イープ期間における係合圧PB3の増加タイミング或いは
5→2変速時間T52が制限時間TGSWに到達したこと
によるブレーキB3の係合圧PB3の最大値への立ち上が
りタイミングが変更される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の前進ギヤ段
を有する車両用自動変速機とエンジンとを、その自動変
速機の変速に関連して一体的に制御する制御装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】複数の油圧式摩擦係合装置(クラッチま
たはブレーキ)の作動の組み合わせに従って複数の遊星
歯車装置の要素を相互に或いは位置固定の部材に選択的
に連結させることにより複数のギヤ段が択一的に達成さ
れる車両用自動変速機とエンジンとを、その自動変速機
の変速に関連して一体的に制御する制御装置が知られて
いる。たとえば、特開平7−83324号公報に記載さ
れた制御装置がそれである。
【0003】このような制御装置では、自動変速機の所
定の変速、たとえばダウンシフトの変速幅が所定値以上
である変速において、変速幅が大きくなることによる駆
動力の急増を緩和するため、自動変速機のダウンシフト
を緩やかに行うように、アクセル踏込量に基づいてスロ
ットルアクチュエータにより駆動される実際のスロット
ル弁開度の増加特性を抑制してエンジントルクの増加を
緩和し、ダウンシフトが緩やかに実行されるようになっ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の制御
装置では、ダウンシフトの変速幅が所定値以上となる
と、アクセル踏込量に対する実際のスロットル弁開度の
増加特性が一律に抑制されるため、良好な変速ができな
い場合があった。たとえば、自動変速機の変速期間で
は、油圧式摩擦係合装置の係合圧は、予め設定された手
順に従って調圧弁により直接的に変化させられる。すな
わち、初期油圧区間では比較的大きな指令値に従って速
やかに作動油が供給され、続く待機区間では僅かな係合
トルクを発生させる程度の油圧に維持され、次いで油圧
式摩擦係合装置の同期が予測される時点が検出されると
開始されるスイープ区間では所定の速度で上昇させられ
る。しかし、このようにダウンシフト変速期間中の油圧
式摩擦係合装置の係合圧が上記予め設定された手順に従
って一律に制御されると、前記のように駆動力の急増を
緩和することを目的としてエンジントルクの増加を抑制
して変速を緩やかに実行させる場合には、エンジントル
クの増加を抑制しない通常の場合と同様に上記スイープ
区間の係合油圧を上昇させると、油圧式摩擦係合装置の
同期が急速に行われて変速ショックが発生したり、或い
は変速に要する時間が予め設定された制限時間を超える
と油圧式摩擦係合装置が急速に係合させられて変速ショ
ックを発生する不都合があったのである。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、変速期間中など
においてアクセル操作量に対するエンジントルク特性が
変更されても変速が良好に実行される車両用自動変速機
およびエンジンの制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、複数の前進ギヤ段を
有する車両用自動変速機およびエンジンの制御装置であ
って、(a) 予め設定された変速線図から実際のエンジン
の負荷および車速に基づいて変速の判断を行い、その判
断された変速を実行させる変速制御手段と、(b) 前記自
動変速機の変速が所定の変速である場合には、それ以外
の変速である通常の場合に比較して、エンジントルク特
性を変化させるエンジントルク制御手段と、(c) そのエ
ンジントルク制御手段によりエンジントルク特性が変化
させられている場合には、前記変速の過程において作動
させられる油圧式摩擦係合装置の作動のタイミングを変
更する変速タイミング変更手段とを、含むことにある。
【0007】
【発明の効果】このようにすれば、前記自動変速機の変
速が所定の変速である場合には、それ以外の変速である
通常の場合に比較して、エンジントルク制御手段によ
り、エンジントルク特性が変化させられるとともに、そ
のエンジントルク制御手段によりエンジントルク特性が
変化させられている場合には、変速タイミング変更手段
により前記変速の過程において作動させられる油圧式摩
擦係合装置の作動のタイミングが変更される。この結
果、油圧式摩擦係合装置の作動のタイミングが、エンジ
ントルクの変化に関連して変速ショックが発生しないよ
うに変更されるので、変速が良好に実行される。
【0008】
【発明の他の態様】ここで、好適には、前記変速制御手
段により変速判定されたダウン変速の幅が所定の幅以上
であることを判定する変速幅判定手段が備えられ、前記
エンジントルク制御手段は、その変速幅判定手段によ
り、前記変速制御手段により変速判断された変速の幅が
所定幅以上と判定された場合には、その所定幅以下であ
る通常の場合に比較して、前記自動変速機の変速中や変
速後などのエンジントルク特性を変化させるものであ
る。このようにすれば、自動変速機の変速幅が大きいと
きに変速が緩やかとされて駆動力の急増が緩和される。
【0009】また、好適には、車両の速度を検出する車
速センサをさらに備え、前記エンジントルク制御手段
は、その車速センサによって検出された車速が予め設定
された車速判断基準値以上であるときに、自動変速機の
変速中や変速後などのエンジントルク特性をアクセルペ
ダル操作量に対するエンジントルクが低下するように変
更する。このようにすれば、車速が車速判断基準値より
も低い場合には、自動変速機の変速中や変速後などのエ
ンジントルク特性がアクセルペダル操作量に対するエン
ジントルクが低下するように変更されないので、好適な
加速性が得られる。
【0010】また、好適には、前記変速制御手段は、ダ
ウンシフト変速期間において前記油圧式摩擦係合装置の
係合油圧を所定の手順に従って順次変化させ、且つダウ
ンシフト変速時間が予め設定された制限時間を超えると
その油圧式摩擦係合装置を優先的に係合させるものであ
り、前記変速タイミング変更手段は、前記エンジントル
ク制御手段によりダウンシフト変速中のエンジントルク
が低下させられている場合には、上記制限時間をそれよ
りも長い値に更新する。このようにすれば、ダウンシフ
ト変速時間が予め設定された制限時間を超えたことによ
り発生する変速ショックが好適に防止される。
【0011】また、好適には、前記変速制御手段は、ダ
ウンシフト変速期間において前記油圧式摩擦係合装置の
係合油圧を、初期油圧区間では比較的大きな指令値に従
って速やかに供給される比較的大きな値とし、続く待機
区間では僅かな係合トルクを発生させる程度の油圧に維
持し、次いで油圧式摩擦係合装置の同期が予測される時
点が検出されると開始されるスイープ区間では所定の速
度で上昇させるものであり、前記変速タイミング変更手
段は、前記エンジントルク制御手段によりダウンシフト
変速中のエンジントルクが低下させられている場合に
は、上記スイープ区間における油圧式摩擦係合装置の係
合圧の上昇タイミングを遅くする。このようにすれば、
油圧式摩擦係合装置が完全係合させられるときの油圧の
上昇タイミングが遅らされることから、トルク特性が抑
制されるダウンシフト変速期間においてエンジン回転速
度やエンジントルクが通常時より低いことに起因して発
生する変速ショックの発生が好適に防止される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0013】図1は、後述の変速用電子制御装置78に
より変速制御される車両用自動変速機の一例を示す骨子
図である。図において、エンジン10の出力は、トルク
コンバータ12を介して自動変速機14に入力され、図
示しない差動歯車装置および車軸を介して駆動輪へ伝達
されるようになっている。
【0014】上記トルクコンバータ12は、エンジン1
0のクランク軸16に連結されたポンプインペラ18
と、自動変速機14の入力軸20に連結されたタービン
ランナー22と、それらポンプインペラ18およびター
ビンランナー22の間を直結するロックアップクラッチ
24と、一方向クラッチ26によって一方向の回転が阻
止されているステータ28とを備えている。
【0015】上記自動変速機14は、ハイおよびローの
2段の切り換えを行う第1変速機30と、後進ギヤ段お
よび前進4段の切り換えが可能な第2変速機32を備え
ている。第1変速機30は、サンギヤS0、リングギヤ
R0、およびキャリヤK0に回転可能に支持されてそれ
らサンギヤS0およびリングギヤR0に噛み合わされて
いる遊星ギヤP0から成るHL遊星歯車装置34と、サ
ンギヤS0とキャリヤK0との間に設けられたクラッチ
C0および一方向クラッチF0と、サンギヤS0および
ハウジング41間に設けられたブレーキB0とを備えて
いる。第2変速機32は、サンギヤS1、リングギヤR
1、およびキャリヤK1に回転可能に支持されてそれら
サンギヤS1およびリングギヤR1に噛み合わされてい
る遊星ギヤP1から成る第1遊星歯車装置36と、サン
ギヤS2、リングギヤR2、およびキャリヤK2に回転
可能に支持されてそれらサンギヤS2およびリングギヤ
R2に噛み合わされている遊星ギヤP2から成る第2遊
星歯車装置38と、サンギヤS3、リングギヤR3、お
よびキャリヤK3に回転可能に支持されてそれらサンギ
ヤS3およびリングギヤR3に噛み合わされている遊星
ギヤP3から成る第3遊星歯車装置40とを備えてい
る。
【0016】上記サンギヤS1とサンギヤS2は互いに
一体的に連結され、リングギヤR1とキャリヤK2とキ
ャリヤK3とが一体的に連結され、そのキャリヤK3は
出力軸42に連結されている。また、リングギヤR2が
サンギヤS3に一体的に連結されている。そして、リン
グギヤR2およびサンギヤS3と中間軸44との間にク
ラッチC1が設けられ、サンギヤS1およびサンギヤS
2と中間軸44との間にクラッチC2が設けられてい
る。また、サンギヤS1およびサンギヤS2の回転を止
めるためのバンド形式のブレーキB1がハウジング41
に設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤ
S2とハウジング41との間には、一方向クラッチF1
およびブレーキB2が直列に設けられている。この一方
向クラッチF1は、サンギヤS1およびサンギヤS2が
入力軸20と反対の方向へ逆回転しようとする際に係合
させられるように構成されている。
【0017】キャリヤK1とハウジング41との間には
ブレーキB3が設けられており、リングギヤR3とハウ
ジング41との間には、ブレーキB4と一方向クラッチ
F2とが並列に設けられている。この一方向クラッチF
2は、リングギヤR3が逆回転しようとする際に係合さ
せられるように構成されている。
【0018】以上のように構成された自動変速機14で
は、たとえば図2に示す作動表に従って後進1段および
変速比が順次異なる前進5段のギヤ段のいずれかに切り
換えられる。図2において○印は係合状態を示し、空欄
は解放状態を示し、●はエンジンブレーキのときの係合
状態を示している。この図2からも明らかなように、ブ
レーキB3は、他のギヤ段から第2速ギヤ段へ切り換え
る変速に際して係合させられるとともに、第2速ギヤ段
から他のギヤ段へ切り換える変速に際して解放されるも
のである。ブレーキB2は、第2速ギヤ段などから第3
速ギヤ段へ切り換える変速に際して係合させられるもの
である。第2速ギヤ段と第3速ギヤ段との間、或いは第
2速ギヤ段へのダウンシフトなどの変速に際しては、ブ
レーキB2およびブレーキB3のうちの解放側に係合ト
ルクを持たせる期間と係合側に係合トルクを持たせる期
間とをオーバラップさせつつ変速を進行させる所謂クラ
ッチツウクラッチ変速が行われるようになっている。
【0019】図3に示すように、車両のエンジン10の
吸気配管には、エンジン出力を抑制するなどに際してス
ロットルアクチュエータ54によって制御されるスロッ
トル弁56が設けられている。また、アクセルペダル5
0の操作量VPAを検出するアクセル操作量センサ5
2、エンジン10の回転速度NE を検出するエンジン回
転速度センサ58、エンジン10の吸入空気量Qを検出
する吸入空気量センサ60、吸入空気の温度TA を検出
する吸入空気温度センサ62、上記スロットル弁56の
開度TAを検出するスロットルセンサ64、出力軸42
の回転速度NOUTから車速Vを検出する車速センサ6
6、エンジン10の冷却水温度TW を検出する冷却水温
センサ68、ブレーキの作動を検出するブレーキスイッ
チ70、シフトレバー72の操作位置PSHを検出する操
作位置センサ74などが設けられており、それらのセン
サから、アクセルペダル50の操作量VPA、エンジン
回転速度NE 、吸入空気量Q、吸入空気温度TA 、スロ
ットル弁開度TA、車速V、エンジン冷却水温TW 、ブ
レーキの作動状態BK、シフトレバー72の操作位置P
SHを表す信号がエンジン用電子制御装置76および変速
用電子制御装置78に供給されるようになっている。ま
た、自動変速機14の入力軸回転速度NE すなわちクラ
ッチC0の回転速度NC0を検出する入力軸回転センサ7
3からその入力軸回転速度NINすなわちクラッチC0の
回転速度NC0を表す信号が変速用電子制御装置78に供
給される。さらに、油圧制御回路84内の作動油温度T
OIL を検出する油温センサ75から作動油温度TOIL
表す信号が変速用電子制御装置78に供給される。
【0020】また、図4に示すように、上記シフトレバ
ー72は、車両の前後方向に位置するPレンジ、Rレン
ジ、Nレンジ、Dおよび4レンジ、3レンジ、2および
Lレンジへ操作されるとともに、Dレンジと4レンジの
間、および2レンジとLレンジとの間が車両の左右方向
に操作されるようにその支持機構が構成されている。
【0021】エンジン用電子制御装置76は、CPU、
RAM、ROM、入出力インターフェースを備えた所謂
マイクロコンピュータであって、CPUはRAMの一時
記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラ
ムに従って入力信号を処理し、種々のエンジン制御を実
行する。たとえば、燃料噴射量制御のために燃料噴射弁
80を制御し、点火時期制御のためにイグナイタ82を
制御し、クルーズコントロール制御、トラクション制
御、変速中の出力制御などのためにスロットルアクチュ
エータ54によりスロットル弁56を制御する。このエ
ンジン用電子制御装置76は、変速用電子制御装置78
と相互に通信可能に接続されており、一方に必要な信号
が他方から適宜送信されるようになっている。
【0022】変速用電子制御装置78も、上記と同様の
マイクロコンピュータであって、CPUはRAMの一時
記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラ
ムに従って入力信号を処理し、油圧制御回路84の各電
磁弁或いはリニヤソレノイド弁を駆動する。たとえば、
変速用電子制御装置78は、スロットル弁56の開度T
Aに対応した大きさのスロットル圧PTHを発生させ或い
はアキュム背圧を制御するためにリニヤソレノイド弁SL
T を、ロックアップクラッチ24の係合、解放、スリッ
プ量および変速時のブレーキB3内の油圧を制御するた
めにリニヤソレノイド弁SLU をそれぞれ駆動する。ま
た、変速用電子制御装置78は、予め記憶された変速線
図から実際のスロットル弁開度TAおよび車速Vに基づ
いて自動変速機14のギヤ段やロックアップクラッチ2
4の係合状態を決定し、この決定されたギヤ段および係
合状態が得られるように電磁弁S1、S2、S3を駆動
し、エンジンブレーキを発生させる際には電磁弁S4を
駆動する。
【0023】図5および図6は、上記油圧制御回路84
の要部を示している。図の1−2シフト弁88および2
−3シフト弁90は、電磁弁S1、S2の出力圧に基づ
いて、第1速ギヤ段から第2速ギヤ段への変速時および
第2速ギヤ段から第3速ギヤ段への変速時においてそれ
ぞれ切り換えられる切換弁であり、その切換位置を示す
数値はギヤ段を示している。前進レンジ圧PD は、シフ
トレバー72が前進レンジ(D、4、3、2、L)へ操
作されているときに図示しないマニュアル弁から出力さ
れる圧であり、図示しないレギュレータ弁によりスロッ
トル弁開度に応じて高く調圧されるライン圧PL を元圧
としている。
【0024】第1速ギヤ段から第2速ギヤ段へ切り換え
る変速出力が出された時には、上記前進レンジ圧P
D は、1−2シフト弁88、2−3シフト弁90、油路
L01、B3コントロール弁92、油路L02を経てブ
レーキB3および圧力振動吸収用のダンパー94へ供給
される。また、第2速ギヤ段から第3速ギヤ段へ切り換
える変速出力が出された時には、前進レンジ圧PD は、
2−3シフト弁90、油路L03を経て、ブレーキB2
およびB2アキュムレータ100へ供給されると同時
に、ブレーキB3内の作動油は、油路L02、B3コン
トロール弁92、油路L01、2−3シフト弁90、戻
り油路L04、2−3タイミング弁98を経て調圧ドレ
ンされるとともに、戻り油路L04から分岐する分岐油
路L05およびB2オリフィスコントロール弁96を経
て急速ドレンされるようになっている。
【0025】上記B2アキュムレータ100の背圧室1
00B には、リニヤソレノイド弁SLT の出力圧PSLT
各変速に際して供給され、ブレーキB2内の作動油圧が
制御される。
【0026】前記B3コントロール弁92は、アキュム
レータが設けられていないブレーキB3の係合圧を直接
的に調圧するための係合油圧調圧弁として機能し、油路
L01と油路L02との間を開閉するスプール弁子10
4と、スプリング106を挟んでスプール弁子104と
同心に設けられ且つそのスプール弁子104よりも大径
のプランジャ108と、スプリング106を収容し、前
記2−3シフト弁90が第3速側へ切り換えられたとき
にそれから出力される前進レンジ圧PD を油路L07を
介して受け入れる油室110と、プランジャ108の軸
端に設けられてリニヤソレノイド弁SLU からの制御圧P
SLU を受け入れる油室112とを備えている。このた
め、B3コントロール弁92は、1→2変速に際して
は、リニヤソレノイド弁SLU の制御圧PSLU に従ってス
プール弁子104を中心線の左側に示す開位置に位置さ
せてファーストフィルをその初期に行うとともに、その
後は油路L01からの作動油を油路L02に供給したり
或いは油路L02内の作動油を排出油路L06へ流出さ
せることによりブレーキB3内の係合圧PB3の立ち上が
り速度が一定となるように調圧し、ブレーキB3の係合
が予測されるときの直前に急速に立ち上げる。また、2
→1変速に際しては、電磁弁S1およびS2は第2速の
変速出力に維持されて油路L01にはDレンジ圧が保持
されており、B3コントロール弁92は、制御圧PSLU
に従って所定の速度で圧力降下させられた後、ブレーキ
B3内に作動油が供給されたと仮定したときにそのブレ
ーキB3の係合直前となるように予め設定された設定圧
力値PSLUHに維持され、第1速ギヤ段の変速完了が判定
されるまでそれを持続する。また、上記B3コントロー
ル弁92は、3→2変速および2→3変速に際しても、
ブレーキB3の係合圧および解放圧を制御圧PSLU に従
って直接的に制御する。なお、数式1において、S1
よびS2 はプランジャ108およびスプール弁子104
の断面積である。
【0027】
【数1】PB3=PSLU ・S1 /S2
【0028】B2オリフィスコントロール弁96は、ブ
レーキB2およびB2アキュムレータ100と油路L0
3との間を開閉すると同時に排出油路L06とドレンポ
ート113との間を開閉するスプール弁子114と、ス
プール弁子114をファーストドレン位置へ向かって付
勢するスプリング116と、スプール弁子114の軸端
に設けられて第3電磁弁S3の出力圧PS3を3−4シフ
ト弁118を通して受け入れる油室120とを備えてい
る。これにより、3→2変速時などには第3電磁弁S3
がオン状態とされてその出力圧PS3が油室120に供給
されなくなるので、スプール弁子114によりブレーキ
B2およびB2アキュムレータ100と油路L03との
間を開かれて、それらブレーキB2およびB2アキュム
レータ100からの作動油の排出を速やかに行うファー
ストドレン作動が行われる。また、1→2変速において
は、上記第3電磁弁S3がオフ状態とされて制御圧PS3
が油室120に供給されることにより、B3コントロー
ル弁92の調圧作動によりそれから排出される作動油を
排出させる排出油路L06とドレンポート113との間
が開かれてそのB3コントロール弁92の調圧作動が許
容されるが、1→2変速が完了すると第3電磁弁S3が
オン状態とされて排出油路L06とドレンポート113
との間が閉じられることによりB3コントロール弁92
の調圧作動が停止させられる。
【0029】2−3タイミング弁98は、第2速ギヤ段
から第3速ギヤ段へのクラッチツウクラッチ変速に関与
し、ブレーキB3からの解放圧をリニヤソレノイド弁SL
U から制御圧PSLU に従って調圧するドレーン調圧弁と
して機能する。すなわち、2−3タイミング弁98は、
2→3変速が出力されたときに2−3シフト弁90から
出力された比較的高圧の前進レンジ圧PD (ライン圧と
同じ値)が3−4シフト弁118およびソレノイドリレ
ー弁122を通して供給される高圧ポート124と、ド
レンポート126と、油路L04をその高圧ポート12
4またはドレンポート126に連通させることによりブ
レーキB3のドレン期間の圧力PB3を調圧するスプール
弁子128と、スプリング130を介してスプール弁子
128と同心に設けられ且つそのスプール弁子128と
同径の第1プランジャ132と、スプール弁子128と
同心に且つその一端に当接可能に設けられ且つそのスプ
ール弁子128よりも大径の第2プランジャ134と、
スプリング130を収容し、前記2−3シフト弁90が
第2速側へ切り替えられたときにそれから出力される前
進レンジ圧PD を油路L08を介して受け入れる油室1
36と、第1プランジャ132の軸端に設けられ、リニ
ヤソレノイド弁SLU からの制御圧PSLU を受け入れる油
室138と、第2プランジャ134の軸端に設けられ、
ブレーキB2内の油圧PB2を受け入れる油室140と、
フィードバック圧を受け入れるフィードバック油室14
2とを備えている。
【0030】したがって、スプール弁子128および第
1プランジャ132の断面積をS3、スプール弁子12
8の第2プランジャ134側のランドの断面積をS4
第2プランジャ134の断面積をS5 とすると、2→3
変速出力が出された状態における解放過程のブレーキB
3の圧力PB3は、2−3タイミング弁98による調圧作
動により、数式2から、ブレーキB2の係合圧PB2の増
加に応じて減少し、リニヤソレノイド弁SLU の制御圧P
SLU に応じて増加するように調圧される。
【0031】
【数2】PB3=PSLU ・S3 /(S3 −S4 )−PB2
5 /(S3 −S4
【0032】また、上記2−3タイミング弁98は、第
2速側へ切り換えられた2−3シフト弁90から出力さ
れる前進レンジ圧PD が油室136へ供給されると、上
記スプール弁子128がロックされるようになってい
る。これも、2−3タイミング弁98の油室138とB
3コントロール弁92の油室112とが接続されている
ことから、第1速および第2速の状態では2−3タイミ
ング弁98の油室138の容積変化を阻止して、B3コ
ントロール弁92の調圧作動に影響を与えないようにす
るためである。
【0033】C0エキゾースト弁150は、第3電磁弁
S3の出力圧PS3および油路L01内の油圧に従って閉
位置に位置させられるが、第4電磁弁S4の出力圧PS4
に従って開位置に位置させられるスプール弁子152を
備え、図示しない4−5シフト弁が第4速以下の切り換
え状態であるときにそれを経由して供給されるライン圧
L を、第2速および第5速時以外のときにクラッチC
0およびC0アキュムレータ154に供給する。
【0034】図7は、3→2変速が出力されたときに解
放されるブレーキB2の係合圧PB2と、係合されるブレ
ーキB3の係合圧PB3との変化を示すタイムチャートで
ある。また、図8は、5→2変速が出力されたときに係
合されるブレーキB3の係合圧PB3を制御するためにリ
ニヤソレノイド弁SLU に供給される指令値DSLUを示
すタイムチャートである。リニヤソレノイド弁SLU は上
記指令値DSLUに対応した大きさの制御圧PSLU を出
力する。
【0035】図9は、エンジン用電子制御装置76およ
び変速用電子制御装置78による制御機能の要部を説明
する機能ブロック線図である。図において、変速制御手
段158は、たとえば図10に示す、ギヤ段毎に設けら
れた変速線(シフトアップ線およびシフトダウン線)か
ら成るよく知られた変速線図から、実際の車両状態たと
えば車速およびエンジン負荷(たとえば基本スロットル
弁開度TTA)に基づいて変速判断を行い、その変速判
断された変速を達成するための変速出力を行う変速判断
手段と、その変速出力が行われたときに、その変速に関
連する油圧式摩擦係合装置の係合油圧を過渡的に制御す
る変速過渡油圧制御手段とから成る。たとえば、上記変
速判断手段は、5→2変速のダウンシフト変速を判断し
たときは、その5→2変速に関連するシフト弁である3
−4シフト弁118、2−3シフト弁90を切り換え、
同時に、上記変速過渡油圧制御手段は、図8に示すよう
にリニヤソレノイド弁SLU に対する指令値DSLUを変
化させることにより、B3コントロール弁92に対して
リニヤソレノイド弁SLU から供給される制御圧PSL U
変化させて第2速ギヤ段を達成するためのブレーキB3
の係合圧PB3を過渡的に制御する。
【0036】上記の指令値DSLUは、係合圧PB3が立
ち上がるまでの初期昇圧区間では、応答性を改善するた
めに最大値に対して所定割合の大きさとされ、続く待機
区間では、ブレーキB3のピストンのパッククリアラン
スを詰めるために僅かな係合トルクしか発生しない比較
的小さな値とされ、続いてブレーキB3の同期予測点が
判定されることにより開始されるスイープ区間では、ブ
レーキB3の係合トルクの立ち上がりを滑らかとするた
めに自動変速機14の入力トルクに応じた所定の速度で
増加させられ、ブレーキB3の係合完了後に最大値すな
わち100%とされるのである。
【0037】基本スロットル開度決定手段160は、た
とえば図11に示す関係から、アクル操作量センサ52
により検出された実際のアクセルペダル操作量VPAに
基づいて基本スロットル弁開度TTAを決定する。この
図11に示す関係は、たとえばエンジン10のトルクが
滑らかに増加するように予め求められたものである。
【0038】目標スロットル開度決定手段162は、た
とえば数式3に示す関係から、図示しないクルーズコン
トロール装置からのクルーズ要求開度TTACC、図示
しない変速用エンジン出力一時低下装置などからのEC
T要求開度TVECT、図示しない燃焼制御装置からの
EFI要求開度TVEFI、図示しないトラクション制
御装置からのトラクション要求開度TVTRCに基づい
て、目標スロットル弁開度TTANGLEを決定する。
すなわち、上記基本スロットル弁開度TTAおよびクル
ーズ要求開度TTACCのうちのいずれか大きい値と、
ECT要求開度TVECTと、EFI要求開度TVEF
Iと、トラクション要求開度TVTRCとの中で最も小
さい値が、目標スロットル弁開度TTANGLEとして
決定される。
【0039】
【数3】TTANGLE=min 〔max (TTA,TTA
CC),TVECT,TVEFI,TVTRC〕
【0040】エンジントルク制御手段164は、後述の
変速幅判定手段170によりダウンシフト変速の幅が所
定幅より大きいと判断された場合には、所定幅以下であ
る場合に比較して、自動変速機14の上記ダウンシフト
変速の途中或いはそれ以後におけるエンジントルク状態
をアクセルペダル操作量に対するエンジントルクが低下
するように変化させる。たとえば、エンジントルク制御
手段164は、変速用電子制御装置78からの指令に従
って、自動変速機14のダウンシフトの変速幅が所定の
値たとえば3段より小さいときは目標スロットル弁開度
TTANGLEを遅延させないが、ダウンシフトの変速
幅が所定の値たとえば3段以上であるときにはそのダウ
ンシフト変速中において上記目標スロットル弁開度TT
ANGLEを遅延して出力させることにより、エンジン
10の出力トルクを低下させて上記ダウンシフト変速を
緩やかに進行させて、たとえば図12の破線に示す5→
2変速のように、実線に示すような上記遅延のない通常
の5→2変速に比較して、ダウンシフト変速中のエンジ
ン回転速度NE の増加率を緩やかに上昇させる。
【0041】上記エンジントルク制御手段164は、5
→2変速判断の基礎である基本スロットル弁開度TTA
或いはアクセル操作量VPAの変化率が大きくなる程、
上記目標スロットル弁開度TTANGLEの遅延量を大
きくして、エンジントルクを低下させ、5→2変速中の
エンジン回転速度NE の立ち上がりをたとえば図12に
示すように遅延させる。上記基本スロットル弁開度TT
A或いはアクセル操作量VPAの変化率は、たとえば
「0」、「小」、「中」、「大」の4段階とされ、その
4段階に応じて上記目標スロットル弁開度TTANGL
Eの遅延量が変化させられる。そして、スロットル弁駆
動制御手段166は、スロットルセンサ64により検出
された実際のスロットル弁開度TAが上記エンジントル
ク制御手段164から出力された目標スロットル弁開度
TTANGLEと一致するように、スロットルアクチュ
エータ54を駆動してスロットル弁56の開度TAを制
御する。このスロットルアクチュエータ54を駆動して
スロットル弁56の開度TAを制御するシステムは、電
子スロットルと称される場合がある。
【0042】上記エンジントルク制御手段164は、車
速センサ66によって検出された車速Vが予め設定され
た車速判断基準値αを下回るときは自動変速機14の変
速中のエンジントルクを低下させないが、車速Vが車速
判断基準値α以上であるときに、自動変速機14の変速
中のエンジントルク特性をアクセルペダル操作量に対す
るエンジントルクが低下するように変更し、5→2ダウ
ンシフト変速を緩やかに進行させる。この車速判断基準
値αは、変速を緩やかに進行させるよりは好適な加速性
を優先させることが必要な比較的低車速を判断するため
のものである。
【0043】変速幅判定手段170は、変速制御手段1
58により判断されたダウンシフト変速の変速幅が所定
の値たとえば3段以上であるか否かを判断する。変速タ
イミング変更手段172は、上記変速幅判定手段170
によりダウンシフト変速の変速幅が所定の値たとえば3
段以上であると判定された場合すなわちエンジントルク
制御手段164により自動変速機14のダウンシフト変
速中のエンジントルク特性が変化させられている場合に
は、そのダウンシフト変速の過程において係合作動させ
られるブレーキB3の作動のタイミングを変更する。
【0044】ここで、前記変速制御手段158は、5→
2変速期間においてブレーキB3の係合圧PB3を図8の
指令値DSLUに応じた所定の手順に従って順次変化さ
せる一方、5→2変速出力から計時されるダウンシフト
変速時間T52が予め設定された制限時間TGSWを超え
るとそのブレーキB3を優先的に係合させるものであ
り、前記変速タイミング変更手段172は、前記エンジ
ントルク制御手段164により5→2ダウンシフト変速
中のエンジントルクが低下させられている場合には、上
記制限時間TGSWをそれよりも長い値に更新する。こ
の制限時間TGSWは、たとえば図13に示す予め設定
された関係から、実際の5→2変速判断時の基本スロッ
トル弁開度TTA或いはアクセル操作量VPAの変化率
が大きくなる程、すなわちエンジントルク制御手段16
4による上記目標スロットル弁開度TTANGLEの遅
延量が大きくなるほど、大きい値とされる。
【0045】また、前記変速タイミング変更手段172
は、前記エンジントルク制御手段164により5→2ダ
ウンシフト変速中のエンジントルクが低下させられてい
る場合には、ブレーキB3の係合圧PB3を連続的に昇圧
させる図8のスイープ区間において指令値DSLUの上
昇を図8の破線に示すように、ダウンシフト変速幅が3
段以上とならない通常の場合(実線)に比較して、タイ
ミングを遅らせる。この指令値DSLUの上昇タイミン
グの遅れ量も、図示しない関係から、実際の5→2変速
判断時の基本スロットル弁開度TTA或いはアクセル操
作量VPAの変化率が大きくなる程、多くされる。
【0046】図14は、エンジン用電子制御装置76お
よび変速用電子制御装置78による制御作動の要部を示
すフローチャートであり、数msec 乃至数十msec 程度
の極めて短い周期で繰り返し実行される。なお、上記変
速制御手段158、基本スロットル開度決定手段16
0、目標スロットル開度決定手段162、スロットル弁
駆動制御手段166の制御作動を示すフローチャートは
省略されている。
【0047】図14のステップ(以下、ステップを省略
する)SA1では、各入力信号が読み込まれるととも
に、それに基づいて車速Vなどが算出される。続くSA
2では、シフトレバー72がDレンジへ操作されている
か否かが判断される。このSA2の判断が否定された場
合は、ダウンシフト幅が大きい場合の駆動力の急増を抑
制することが不要であるので、本ルーチンが終了され
る。
【0048】しかし、上記SA2の判断が肯定された場
合は、続くSA3において、たとえばエンジン冷却水温
W 或いは作動油温度TOIL が極低温を判断する温度判
断基準値T1 より低い状態であるか否かが判断される。
この温度判断基準値T1 は、エンジン10の出力トルク
が定常状態の出力トルクに比較して未だ低く、ダウンシ
フト幅が大きい場合の駆動力の急増がない状態を判定す
るために予め求められたものである。
【0049】上記SA3の判断が肯定された場合は、低
温によってエンジン10の出力トルクが低く、ダウンシ
フト幅が大きい場合の駆動力の急増がない状態であるの
で、SA4において通常の電子スロットル制御が実行さ
れるとともに、SA5において通常の変速過渡油圧制御
が実行された後、本ルーチンが終了させられる。この通
常の電子スロットル制御とは、たとえば5→2変速のよ
うなダウンシフト幅が大きくて駆動力の急増が問題とな
る状態ではない通常の変速時において、アクセルペダル
操作量VPAに基づいてスロットル弁56の開度TAを
電子的に制御する電子スロットル制御であって、図9に
おけるエンジントルク制御手段164によるエンジン回
転立ち上がり遅延作動がなく、目標スロットル開度決定
手段162により決定された目標スロットル弁開度TT
ANGLEがそのままスロットル弁駆動制御手段166
に供給される制御状態を示している。また、上記通常の
変速過渡油圧制御とは、たとえば5→2変速のようなダ
ウンシフト幅が大きい状態ではないときのブレーキB3
の係合圧PB3の変速期間内の増加制御であり、図8の実
線に示すように指令値DSLUが出力される。
【0050】上記SA3の判断が否定された場合には、
SA6において、車速Vが予め設定された車速判断基準
値α以上であるか否かが判断される。この車速判断基準
値αは、ダウンシフト幅が大きい場合の駆動力の急増を
抑制するよりも、加速性が優先される比較的低速の車速
領域を判断するためのものであり、たとえば25km/h程
度に設定される。上記SA6の判断が否定された場合
は、比較的低車速領域であるので、前述のSA4および
SA5と同様に、SA7の通常の電子スロットル制御と
SA8の通常の変速過渡油圧制御とが実行される。
【0051】上記SA6の判断が肯定された場合は、前
記変速幅判定手段170に対応するSA9において、前
記変速制御手段158により判断されたダウン変速の幅
が所定値たとえば3段以上であるか否かすなわち5→2
変速であるか否かが判断される。このSA9の判断が否
定された場合は、ダウンシフト変速による駆動力の急増
がそれほど問題とならない状態であるので、SA10以
下が実行される。まず、SA10において前記変速制御
手段158により判断されたダウン変速が4→2変速で
あるか否かが判断される。このSA10の判断が否定さ
れた場合は本ルーチンが終了されるが、肯定された場合
は、前述のSA4およびSA5と同様に、SA11の通
常の電子スロットル制御とSA12の通常の変速過渡油
圧制御とが実行される。
【0052】しかし、上記SA9の判断が肯定された場
合は、前記エンジントルク制御手段164に対応するS
A13において、5→2変速による駆動力の急増を緩和
するために5→2変速期間中にエンジントルクを低下さ
せる制御すなわちエンジン回転立ち上がりを遅延させる
制御が実行される。すなわち、目標スロットル開度決定
手段162において逐次決定される目標スロットル弁開
度TTANGLEはアクセルペダル50の踏み込みに応
答して増加させられるが、その目標スロットル弁開度T
TANGLEがたとえば一次遅れ関数などの所定の関数
に従って遅延させられるのである。この結果、5→2変
速期間におけるエンジン回転速度NE は、図12の破線
に示すように、実線に示す通常の5→2変速に比較して
遅れて立ち上がる状態となるので、5→2変速期間にお
けるエンジントルクが緩和されるとともに5→2変速の
進行が緩和される。
【0053】次いで、前記変速タイミング変更手段17
2に対応するSA14において、エンジントルク抑制時
の変速過渡制御が実行される。すなわち、前記変速制御
手段158により図8に示すように指令値DSLUが変
化させられ且つそれに応答してブレーキB3の係合圧P
B3が変化させられる5→2変速期間において、5→2変
速が許容される最大時間である制限時間TGSWが、た
とえば図13に示す関係から、上記SA13における目
標スロットル弁開度TTANGLEの遅延量に基づいて
決定される。同時に、ブレーキB3の同期予測点から開
始されるスイープ期間において指令値DSLUの増加が
所定の時間だけ後方へ遅らされる。
【0054】上述のように、本実施例によれば、変速制
御手段158により変速判断されたダウンシフト変速の
幅が5→2変速のように所定値(3段)以上である場合
には、エンジントルク制御手段164に対応するSA1
3により、ダウンシフト変速の幅がその所定幅以下であ
る場合に比較して、自動変速機14のダウンシフトの変
速中のエンジントルクの出力状態が低下させられるとと
もに、変速タイミング変更手段172に対応するSA1
4によりそのダウンシフト変速過程において作動させら
れるブレーキB3の作動のタイミング、すなわちブレー
キB3のスイープ期間における係合圧PB3の増加タイミ
ング或いは5→2変速時間T52が制限時間TGSWに到
達したことによるブレーキB3の係合圧PB3の最大値へ
の立ち上がりタイミングが変更される。このように、ブ
レーキB3の作動のタイミングが、ダウンシフト変速中
のエンジン出力状態の変化に関連して変速ショックが発
生しないように変更されるので、5→2変速が良好に実
行される。
【0055】また、本実施例によれば、車速センサ66
によって検出された車速Vが予め設定された車速判断基
準値α以上であるときに、自動変速機14の5→2変速
中のエンジントルクの出力状態が、アクセルペダル操作
量に対するエンジントルクが低下するように変更される
ので、車速Vが車速判断基準値αよりも低い場合には、
自動変速機14の5→2変速中のエンジントルクの出力
状態がアクセルペダル操作量に対するエンジントルクが
低下するように変更されないので、好適な加速性が得ら
れる。
【0056】また、本実施例にれば、変速制御手段15
8は、5→2ダウンシフト変速期間において指令値DS
LUを図8に示すように変化させることによりブレーキ
B3の係合圧PB3を所定の手順に従って順次変化させ、
且つ上記5→2変速時間T52が予め設定された制限時間
TGSWを超えるとブレーキB3を優先的に係合させる
ものであり、変速タイミング変更手段172は、エンジ
ントルク制御手段164により5→2変速中のエンジン
の出力トルクが低下させられている場合には、上記制限
時間TGSWをエンジントルクが低下させられない通常
の場合よりも長い値に更新するのでダウンシフト変速時
間T52が予め設定された制限時間TGSWを超えたこと
により発生する変速ショックが好適に防止される。
【0057】また、本実施例によれば、変速制御手段1
58は、5→2変速期間においてブレーキB3の係合圧
B3を、初期油圧区間では比較的大きな指令値に従って
速やかに供給される比較的大きな値となるようにB3コ
ントロール弁92を作動させ、続く待機区間では僅かな
係合トルクを発生させる程度の油圧に維持し、次いで油
圧式摩擦係合装置の同期が予測される時点が検出される
と開始されるスイープ区間では所定の速度で上昇させる
ものであり、変速タイミング変更手段172は、エンジ
ントルク制御手段164により5→2変速中のエンジン
トルクが低下させられている場合には、上記スイープ区
間におけるブレーキB3の係合圧PB3の上昇タイミング
を遅くすることから、ブレーキB3が完全係合させられ
るときの油圧の上昇タイミングが遅らされるので、トル
ク特性が抑制される5→2変速期間においてエンジン回
転速度やエンジントルクが通常時より低いことに起因し
て発生する変速ショックの発生が好適に防止される。
【0058】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
説明したが、本発明はその他の態様においても適用され
る。
【0059】たとえば、前述の実施例では5→2変速に
ついて説明されていたが、4→1変速のように他のダウ
ンシフト変速であっても本発明が適用され得る。要する
に、変速の幅が所定値(3段)以上のダウンシフトであ
ればよいのである。
【0060】また、前述の実施例の変速幅判定手段17
0に対応するSA9では、3段以上の変速幅の第2速ギ
ヤ段へのダウンシフト変速(5→2変速)であるか否か
が判断されていたが、変速幅の判断基準値は2段以上で
あっても差支えない。要するに、変速後の駆動力の急増
が問題となるダウンシフト変速幅であればよいのであ
る。
【0061】また、前述の実施例では、5→2ダウンシ
フト変速について説明されていたが、変速後の駆動力の
急減が問題となる所定のアップシフト変速幅以上の変速
について適用されてもよい。この場合のエンジントルク
制御手段164は、アップシフト変速中において変速が
緩和されるようにアップシフト中のエンジントルクを通
常の場合に比較して増加させ、また、前記変速タイミン
グ変更手段172は、アップシフト変速時間の制限時間
への到達による油圧式摩擦係合装置の係合トルクの急
変、或いはエンジン出力トルクの増加による油圧式摩擦
係合装置の急速な同期が発生しないように、変速タイミ
ングを変更する。
【0062】また、前述の実施例のエンジン10の吸気
配管には、エンジントルクを抑制するためにスロットル
アクチュエータ54によって制御されるスロットル弁5
6が設けられていたが、アクセルペダル50と機械的に
連結された第1スロットル弁と、スロットルアクチュエ
ータ54によって制御される第2スロットル弁とが設け
られ、その第2スロットル弁によって変速中のエンジン
10の出力トルク制御が行なわれるようにしてもよい。
【0063】その他、一々例示はしないが、本発明は当
業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で
実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の制御装置によってギヤ段が
制御される車両用自動変速機の構成を説明する図であ
る。
【図2】図1の自動変速機における、複数の油圧式摩擦
係合装置の作動の組合わせとそれにより成立するギヤ段
との関係を示す図表である。
【図3】図1の自動変速機を制御する油圧制御回路およ
び電子制御回路を含むブロック線図である。
【図4】図3のシフトレバーの操作位置を説明する図で
ある。
【図5】図3の油圧制御回路の要部を図6と共に説明す
る図である。
【図6】図3の油圧制御回路の要部を図5と共に説明す
る図である。
【図7】図3の変速用電子制御装置により、3→2変速
が出力されたときに解放されるブレーキB2の係合圧P
B2と、係合されるブレーキB3の係合圧PB3との変化を
それぞれ示すタイムチャートである。
【図8】図3の変速用電子制御装置により、5→2変速
が出力されたときに係合されるブレーキB3の係合圧P
B3を制御するためにリニヤソレノイド弁SLU に供給され
る指令値DSLUを示すタイムチャートである。
【図9】図3のエンジン用電子制御装置76および変速
用電子制御装置78による制御機能の要部を説明する機
能ブロック線図である。
【図10】図3の変速用電子制御装置による変速制御に
おいて用いられるダウンシフト用変速線図を示す図であ
る。
【図11】図9の電子スロットル制御において、アクセ
ルペダル操作量VPAから基本スロットル弁開度TTA
を決定するために用いられる関係を示す図である。
【図12】図9のエンジントルク制御手段164による
5→2ダウンシフト変速中のエンジントルク抑制効果
を、エンジン回転速度NE を用いて説明するタイムチャ
ートある。
【図13】図9の変速タイミング変更手段172におい
て制限時間TGSWを決定するために用いられる関係を
示す図である。
【図14】図3のエンジン用電子制御装置76および変
速用電子制御装置78による制御作動の要部を説明する
フローチャートである。
【符号の説明】
14:自動変速機 66:車速センサ 158:変速制御手段 164:エンジントルク制御手段 170:変速幅判定手段 172:変速タイミング変更手段 B3:ブレーキ(油圧式摩擦係合装置)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16H 59:74

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の前進ギヤ段を有する車両用自動変
    速機およびエンジンの制御装置であって、 予め設定された変速線図から実際のエンジンの負荷およ
    び車速に基づいて変速の判断を行い、該判断された変速
    を実行させる変速制御手段と、 前記自動変速機の変速が所定の変速である場合には、そ
    れ以外の変速である通常の場合に比較して、エンジント
    ルク特性を変化させるエンジントルク制御手段と、 該エンジントルク制御手段によりエンジントルク特性が
    変化させられる場合には、前記変速の過程において作動
    させられる油圧式摩擦係合装置の作動のタイミングを変
    更する変速タイミング変更手段とを、含むことを特徴と
    する車両用自動変速機およびエンジンの制御装置。
JP7302429A 1995-11-21 1995-11-21 車両用自動変速機およびエンジンの制御装置 Pending JPH09142176A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011516791A (ja) * 2008-04-16 2011-05-26 ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト ダブルクラッチングを伴うシフトダウンでのサウンドモデリング方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011516791A (ja) * 2008-04-16 2011-05-26 ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト ダブルクラッチングを伴うシフトダウンでのサウンドモデリング方法
US8647236B2 (en) 2008-04-16 2014-02-11 Daimler Ag Method for sound modeling for downshifting with intermediate gas

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