JPH09141137A - 液体の遠心分離方法とその装置 - Google Patents

液体の遠心分離方法とその装置

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JPH09141137A
JPH09141137A JP30612295A JP30612295A JPH09141137A JP H09141137 A JPH09141137 A JP H09141137A JP 30612295 A JP30612295 A JP 30612295A JP 30612295 A JP30612295 A JP 30612295A JP H09141137 A JPH09141137 A JP H09141137A
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rotor
temperature
motor
control
output
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JP30612295A
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English (en)
Inventor
Noriyasu Matsufuji
徳康 松藤
Masaharu Aizawa
正春 相沢
Yoshinori Niinai
佳能 二井内
Masataka Morita
正隆 森田
Tatsuya Konno
達也 今野
Shinichi Sakamoto
眞一 坂本
Mitsusachi Ishikawa
光幸 石川
Masahiro Inaba
雅裕 稲庭
Shinki Otsu
新喜 大津
Shinji Azuma
真二 我妻
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Koki Holdings Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Koki Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B04CENTRIFUGAL APPARATUS OR MACHINES FOR CARRYING-OUT PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES
    • B04BCENTRIFUGES
    • B04B5/00Other centrifuges
    • B04B5/04Radial chamber apparatus for separating predominantly liquid mixtures, e.g. butyrometers
    • B04B5/0407Radial chamber apparatus for separating predominantly liquid mixtures, e.g. butyrometers for liquids contained in receptacles
    • B04B5/0414Radial chamber apparatus for separating predominantly liquid mixtures, e.g. butyrometers for liquids contained in receptacles comprising test tubes
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B04CENTRIFUGAL APPARATUS OR MACHINES FOR CARRYING-OUT PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES
    • B04BCENTRIFUGES
    • B04B9/00Drives specially designed for centrifuges; Arrangement or disposition of transmission gearing; Suspending or balancing rotary bowls
    • B04B9/02Electric motor drives
    • B04B9/04Direct drive

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  • Centrifugal Separators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、遠心分離時間を短縮できる液体の
遠心分離方法とその装置を提供することである。 【解決手段】 液手隊をロータに収容し、該ロータを少
なくとも15万回転/分で回転させて少なくとも90万
xGの遠心加速度を与えて液体を分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速回転するロー
タに液体試料を収容してその分離を行う液体の遠心分離
方法とその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種遠心分離装置としては、ロ
ータの最高回転数が12万回転/分で、最大遠心加速度
は65万Gのものが提供されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】液体試料の分離時間を
短縮するという観点から、より高速でロータを回転させ
てより大きな遠心加速度が得られる遠心分離装置が望ま
れている。
【0004】本発明の目的は、遠心加速度90万Gを達
成できる液体の遠心分離装置を提供することである。
【0005】本発明の他の目的は、最も短い時間で分離
試料を分離できる多段運転方法を提供することである。
【0006】本発明の更に他の目的は、超高速回転駆動
装置、電機的回転制御装置、冷却装置、温度制御装置他
の遠心分離装置を構成する技術要素の信頼性を高めるこ
とである。
【0007】本発明の更に他の目的は、後に説明する発
明の実施例の中で明らかになるであろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、少なくとも
15回転/分の超高速回転駆動装置とこの回転駆動装置
によって回転駆動され少なくとも90万Gの遠心加速度
を発生させるロータとによって達成される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施例を以下説明する。
本発明の遠心分離装置は、超高速回転モータを含む超高
速回転駆動装置、該駆動装置に回転を制御する電気的回
転制御装置、前記駆動装置に連結真空引きされたチャン
バ内で回転する超高速回転ロータと、前記ロータの温度
を所定温度に制御する温度制御装置、他の技術要素で構
成される。以下これらの各技術要素について説明する。
【0010】(超高速回転駆動装置)超高速回転駆動装
置を図1〜図3で説明する。
【0011】円筒状のチャンバ140の上下を上カバ1
34とプレート141で挟み、上カバ134上にドア1
33を開閉自在に設置し、チャンバと上カバとプレート
とドアの接続部をOリング114で真空シールし、ロー
タ160を回転する回転室とする。分離する試料をロー
タ160に設けた試料挿入穴163内に挿入し、ロータ
を回転室となるチャンバ140内にセットし、セット後
チャンバ内を真空引きし、ロータ160を高速回転さ
せ、回転によって生じる遠心力により試料を分離する。
ロータ160の出し入れは、ドア133を開閉して行な
う。ロータ160を駆動するモータ100はプレート1
41の下部に防振ゴム116を介して取り付けられる。
【0012】超高速モ−タ100は回転子101および
固定子102を有する高周波モ−タを含む。回転子10
1のモータ軸103は上部軸受104および下部軸受1
05に支持され、これらの軸受は高速回転用として使用
するのに適したサイズおよび形式の玉軸受を用いること
が望ましい。これらの軸受は上部軸受保持部106およ
び下部軸受保持部107によって保持され、上部軸受保
持部106は、上部プレ−ト108と上部ハウジング1
12により上部ハウジング112に対し上下方向を微動
可能に保持されている。また、上部軸受保持部106の
外周には薄い孔あき板バネを丸めて数枚重ねて挿入し、
板バネ間に潤滑油を注入し、潤滑油の粘性により高速回
転時の軸受の振動を減衰する減衰部109により、上部
ハウジング112に対し半径方向を微動可能に保持され
ている。また、下部軸受保持部107は上部軸受保持部
106と同様に、上下方向を下部プレ−ト110とハウ
ジング111により、半径方向を減衰部109により、
ハウジング111に対し微動可能に保持されている。ハ
ウジング111は上部ハウジング112と下部ハウジン
グ113を複数のボルトにより固定し、それぞれの接合
部にOリング114で真空シールし、上部ハウジング1
12とプレート141は真空シール136を介して防振
ゴム116により取付け、上部ハウジング112とハウ
ジング111及び下部ハウジング113で囲まれたモー
タ内部は上ハウジングの通路119を通してチャンバ1
40内部と連通し、ロータ回転時にチャンバ内部を真空
引きするとモータ内部も真空となり、高速回転時の空気
との摩擦損失を無くしている。
【0013】モータ軸103の上端には可撓性のある弾
性軸147を固着し、弾性軸147の上端にはロータ1
60を装着するクラウン148を固着する。クラウン1
48にはクラウンと微動可能に遠心駒150をピン15
0により取付け、高速回転時にクラウン148と遠心駒
150が遠心力によりロータの駆動軸穴164に強く押
し付けられ、クラウンとロータが固着状態となり、高速
回転時にモータ軸の回転力をロータに伝達し、またロー
タの自励振動などの異常振動を防止することができる。
クラウン148の頭部にロータのカバ170に固定され
たピン172が軸を中心に回動可能とする凹部があり、
クラウン148の頭部の凹部にクラウンに固定したピン
152が飛び出し、ロータ側のピン172とクラウン側
のピン152が係わり合って、回転始動時や低速回転時
にモータ軸の回転力をロータに伝達する。
【0014】図3において、モータ軸103には潤滑油
が潤滑油溜め120から上方へ流れることができる内部
通路122と、モータ軸下端に連結した中空で先細のイ
ンレット121と、モータ軸の下側に配置した潤滑油溜
め120とを備える。前記インレット121の下端の吸
込口126の内側及び外側には上方に広がる内部テーパ
127と外部テーパ128がある。モータ軸103には
上方へ流れる潤滑油が上部軸受保持部106の傾斜部1
29に向けて外方向に流れる複数の上部噴出孔123
と、この上方へ流れる潤滑油が下部軸受保持部107の
傾斜部に向けて外方向へ流れる少なくとも一つの下部噴
出孔124を有し、潤滑油の循環通路にはハウジング1
11の側部を通り潤滑油溜め120に戻る複数の潤滑油
の戻り通路125を有する。ハウジング111と下部ハ
ウジング113の表面にはファンによる風をあててハウ
ジングと潤滑油を冷却するためのフィン115で覆われ
ている。
【0015】従来のオイルインレットは吸込口126の
外側が円弧面であり、吸込口直近の円弧形状の一部はほ
ぼ水平面となっているので、例えばシャフトが毎分10
万回転以上の高速回転すると、潤滑油が吸込口直近外面
のわずかな水平面と接触しただけで、水平方向の回転力
が与えられ、潤滑油と吸込口外面との粘性力より潤滑油
の遠心力が大きく作用し、潤滑油は吸込口から水平方向
に飛散する。潤滑油が吸込口から水平方向に飛散する
と、吸込口の外側を上方に向かって流れる流体力が少な
くなり、回転中心の吸込口付近の潤滑油の流れは吸込口
から上方に流れる量が少なくなり、すなわち吸込口に入
る潤滑油量が減少する。このようになるとモータ回転子
と固定子の冷却不足によるモータの温度上昇や、軸受の
潤滑油供給量と冷却不足により軸受が高温になり軸受が
焼き付くなどの問題が発生する。
【0016】本発明の特徴は、吸入口126の外側面に
上方に広がる外部テーパ128を設けたことにある。オ
イルインレット先端の吸入口126から外側面に上方に
広がる外部テーパ128を付けることにより、例えば1
0万回転以上の高速回転おいて、潤滑油が吸入口の下端
と接触しても、水平面がないので急速に潤滑油の回転が
高速にならず、潤滑油は粘性によって吸入口の外側から
上方に広がる外部テーパ128と接触しながら外周に進
み、外周に進むに従って回転数を上げ、粘性力より遠心
力の影響が大きくなった位置で潤滑油は外側の斜面から
離れる。回転中心の吸込口126付近の潤滑油の流れ1
32は、オイルインレット外側の外部テーパ128に沿
って斜め上方に向かって流れる流体131との粘性力に
より吸込口126に誘導され、吸込口の内側上方に広が
る内部テーパ127と接触して回転力が与えられ、遠心
力の作用により内部通路122を上昇する。よって、高
速回転時においても、吸入口近くから潤滑油が飛散する
のを防ぎ、オイルインレット下端と潤滑油の接触高さh
が大きくなり、潤滑油吸い上げ量が安定し、高速回転
時、冷却と潤滑に充分な潤滑油を供給できる。外部テー
パ128の角度θの最適値は潤滑油の粘性に影響を受け
るが、高速回転機械に用いられる潤滑油の動粘度は3c
stから10cstが望ましく、この動粘度の範囲では
角度θは100度から150度の範囲において潤滑油の
吸い上げ量が安定して供給される効果がある。粘度が3
cstのように低い場合、角度θの最適値は大きい角度
すなわち150度の側に大きくなり、粘度が10cst
のように高い場合は、角度θの最適値は小さい角度すな
わち100度の側になる。斜面部の角度θが150度の
場合いは、接触する高さhが低くなり潤滑油の吸い上げ
量がやや少なくなるが、安定して供給される。
【0017】モータ軸103が潤滑油溜め120の中で
高速で回転すると、前記のように回転中心の吸込口12
6付近の潤滑油は、オイルインレットの外部テーパ12
8に沿って斜め上方に向かって流れる流体131との粘
性力により吸込口126に誘導され、吸込口に入ると吸
込口の内側上方に広がる内部テーパ127と接触して回
転力が与えられ、遠心力の作用により潤滑油は入口部よ
り内径の大きい斜面の上方に流れて、内部通路122ま
で到達し、更に潤滑油の遠心力により内部通路122の
内壁に押しつけられ、内部通路122内壁に沿って上昇
する。すなわち潤滑油を上昇させるのに必要な圧力は、
吸込口126に導入された潤滑油が粘性によりモータ軸
と同じ回転数となるので、その大きな遠心力によって発
生する。潤滑油の吸い上げは、吸入口126の直径が大
きいほど流量が増え、内部通路122の直径と吸入口1
26の直径の差が大きいほど低速回転から上部噴出孔ま
で潤滑油が上昇し、内部通路122の直径が大きいほど
流量が増える。また内部テーパ127と吸入口との間に
軸線方向の円筒面があると流量が減るので、吸入口の内
部テーパ127と外部テーパ128の面が接する部分は
鋭角としている。これらより、内部通路と吸入口の寸法
および外部テーパの角度を内部通路122を通る潤滑油
が所望の総流量を与えるように選択される。
【0018】潤滑油はモータ軸の内部通路122を上昇
する過程において、回転子101の内側を通過時に回転
子101の熱を奪い回転子を冷却する。また、さらに上
昇し上部噴出口123を噴出時に上部軸受保持部106
に設けられた固定子102側に広がった傾斜部129に
衝突する。本発明の特徴は、上部噴出口123から出る
油滴に打たれるように配置された傾斜部129を有する
上部軸受保持部105と、下部噴出口124から出る油
滴に打たれるよう配置された傾斜部129を有する下部
軸受保持部107とにある。運転時、これらの傾斜部1
29に衝突する潤滑油は傾斜部129により軸受の潤滑
に必要な一部が上部軸受104および下部軸受105に
供給される。このときの傾斜部129の角度αは軸受の
潤滑に必要な油量によって決められるが、モータ軸10
3の軸方向に対して15°から75°の範囲で効果があ
る。角度αが75°側に大きくなると軸受に分配される
潤滑油の量が少なくなり、角度αが15°側に小さくな
ると軸受に分配される潤滑油の量が大くなるので、回転
子を冷却するための内部通路122を通過する潤滑油の
総量と、軸受に必要な潤滑油の量から角度αが決められ
る。このことによりモータ軸103の内部通路122を
流れる潤滑油の量を多くしてモ−タの冷却を良くし、軸
受には潤滑に必要な少量を供給し、軸受の損失と温度上
昇を少なくすることができる。また、軸受保持部10
6、107の傾斜部129に衝突した潤滑油の他の大部
分は傾斜部129に沿って外方向へ流れ、このとき軸受
保持部の冷却を行ない、熱伝導により軸受104、10
5の冷却を行う。また、傾斜部129に沿って流れた潤
滑油の大部分は、固定子のコイル118に衝突し固定子
を冷却する。
【0019】減衰部109への潤滑油の供給は、傾斜部
129に衝突した潤滑油の一部が油の粘性により軸受保
持部の傾斜部129の先端から壁面に沿って流れ、その
潤滑油を上部軸受保持部106と上部プレート108の
隙間及び上部プレート108にもうけられた給油口、ま
たは下部軸受保持部107とハウジング111の隙間か
ら上下の減衰部109に導くことにより達成される。
【0020】熱を吸収し高温になった潤滑油はハウジン
グ111の戻り通路125を通過して潤滑油溜め120
に戻る。戻り通路125を通過時及び、及び潤滑油溜め
120内部の潤滑油の冷却はハウジング110と下部ハ
ウジング113の外周に設けたフィン115をファンで
冷却して行なう。
【0021】遠心分離機で試料を分離する場合、試料の
温度を試料の目的に応じて一定の温度範囲例えば0℃〜
40℃に制御している。特に生物の細胞内物質であるタ
ンパク質や酵素等を分離する場合、生物の活性を抑えか
つ生存している状態で遠心分離するため、試料を入れる
ロータ160の温度を4℃〜7℃に維持して遠心分離作
業を行なっている。従って冷却能力としては、余裕を考
慮し運転中の最低温度を0℃に制御できることが必要で
ある。しかし、最高回転数15万回転/分の超遠心機の
ように運転回転数が高速になると、分離試料を入れるロ
ータの温度が高くなり、生物を分離する時の温度条件に
入らない問題がある。高速回転時のロータの温度が高く
なる理由として次の3項目がある。
【0022】軸受の損失は回転数に比例して大きくな
り、駆動モ−タの回転数が高速になるほど軸受部の発熱
が大きくなる。この軸受部で発生した高温の熱がロータ
とモータ軸を連結する弾性軸を伝導して、ロータが加熱
されることになる。すなわち高速になると軸受部が高温
になることが第1の理由である。
【0023】ロータの製造における僅かな寸法誤差によ
るインバランスやロータに入れる試料のインバランス、
及びモータ軸103と弾性軸147の中心が製造上の誤
差によりに僅かに芯ずれを起こしていることにより、高
速回転時のロータの中心はモータ軸の幾何学上の中心と
偏心して回転する。従来の高速遠心分離機の弾性軸は細
く長くして撓みやすくし、この撓みによりモータ軸の軸
受にかかる荷重を少なくしていた。しかし細く長い弾性
軸を用いた遠心分離機の運転回転数を更に高速にする
と、弾性軸の質量に働く遠心力が弾性軸の曲げ剛性より
大きくなり、弾性軸の中央が振れ回る共振状態に近づく
ため、弾性軸の振れ回りが大きくなり、回転軸の軸受に
過大な荷重が係り軸受破損になる。従って、高速遠心分
離機では、高速回転の仕様になるほど弾性軸の曲げ剛性
をより大きくしたり、弾性軸の質量を軽くするため、弾
性軸の寸法を太くまたは短くする必要がある。弾性軸の
寸法が太くまたは短くなると、軸受で発生した熱がロー
タに伝達しやすくなり、ロータが高温になることが第2
の理由である。
【0024】超遠心機のロータは真空中で運転されるた
め、ロータと熱交換器とのエネルギー交換は空気を媒体
とした熱伝達の割合がほとんど無く、冷却はロータを収
納するボウルとの輻射で行なわれる。この輻射熱量はロ
ータの面積に影響されロータの面積が小さいほど輻射熱
量が小さくなる。該ロータの材料は質量が軽く高強度の
チタン合金等で作られているが、従来より高速で回転す
るロータは耐遠心強度を保つため低速用のロータに比べ
寸法を小形にしなければならない。すなわち更に高速用
のロータはいっそう小形になり、ロータの表面積が小さ
いので輻射熱量が少ないことが第3の理由である。
【0025】本発明の超遠心分離機において、ロータの
冷却装置を図1を用いて説明する。チャンバ140内に
はロータ160を囲むようにボウル135が設置され、
ボウル135とプレート141の間にサーモモジュール
143から成る熱交換器が設けられている。サーモモジ
ュールは駆動回路からの電力によりボウルの冷却・加熱
を行なう。該サーモモジュールからの熱はプレート14
1を伝導し、フィン142から大気に放出される。該チ
ャンバ140内は真空に保たれるため、ロータはボウル
からの輻射で冷却・加熱される。弾性軸147は熱伝導
率λが16W/(m・K)のステンレス鋼線や熱伝導率
λが17W/(m・K)のニッケルクロム鋼線を用い、
高温のモータ軸103上端からクラウン148及びロー
タ160に、弾性軸147を通過する伝達熱量を少なく
している。ロータの冷却・加熱の状況を説明する。ロー
タ160とボウル135の輻射熱をQ1、ロータ160
とドア133の輻射熱をQ2、ロータ160とモータ軸
103との伝導熱をQ3とすると、次の関係式で表せる
ことがわかっている。
【0026】
【数1】
【0027】ここで、σはステファン・ボルツマン定数
で5.669×10~3w/(m2・K4)、TRはロータ
160の絶対温度、TBはボウル135の絶対温度、TD
はドア133の絶対温度、TSはモータ軸上端の絶対温
度、ARはロータの表面積、ABはボウルの表面積、AD
はドアの表面積、εRはロータの輻射率、εBはボウルの
輻射率、εDはドアの輻射率、CBはボウルとロータ間の
形態係数、CDはドアとロータ間の形態係数、λは弾性
軸の熱伝導率、ASは弾性軸断面積、Lは弾性軸の長さ
である。
【0028】運転時間が経過し、温度が安定した状態で
はロータの入熱と出熱は平衡状態となるので、Q1とQ2
とQ3の総和はゼロとなる。
【0029】高速遠心分離機の例として、数値を式
(1)から式(3)に当てはめ、モータ軸からロータへ
の許容伝熱量を求めてみる。モータ軸上端の温度T
Sは、モータ回転子の損失や上部軸受の損失により発熱
するので、モータ軸上端の温度は上軸受の温度とほぼ等
しくなり、回転数上昇におおむね比例して大きくなる。
軸径7mm、軸受外径19mmの高速タイプの玉軸受の
毎分15万回転時の温度の測定例は約90℃(=363
K)である。高速回転用ロータは最高使用回転数が高速
になるとロータ自身に働く遠心荷重が大きくなるので、
強度を保つためロータは小形になり表面積も少なくな
る。ボウルの制御可能な最低温度は、サーモモジュール
からなる熱交換器の放熱フィンを室温の空気で冷却する
ので、室温が冷却の基準となり、室温がやや高温状態の
30℃(=303K)では、ボウルの温度TBを−10
℃(=263K)程度まで安定して温度制御することが
できる。またドアの絶対温度TDは室温と等しい温度3
0℃(=303K)となる。ボウルの表面積ABは0.
088m2、ドアの表面積ADは0.026m2、ロータ
の輻射率εRは0.89、ボウルの輻射率εBは0.8
7、ドアの輻射率εDは0.07、ボウルとロータ間の
形態係数CBは0.8、ドアとロータ間の形態係数CD
0.2である。よってロータの温度TRを0℃(=27
3K)とした時、式(1)、式(2)より輻射熱を計算
すると、ロータ1とボウル2の輻射熱Q1は−0.40
4W、ロータ1とドア3の輻射熱Q2は0.054Wと
なり、Q1とQ2とQ3の総和はゼロなのでQ3は0.35
Wとなる。すなわち、モータ軸からロータに伝熱する熱
量を0.35W以下にすればロータの温度TRを0℃
(=273K)以下に冷却することができる。
【0030】また最高回転数毎分15万回転の高速遠心
分離機の弾性軸の例として直径が3mmすなわち弾性軸
の断面積ASは7.07×10~62、弾性軸の長さLは
0.045mの場合に、式(3)よりモータ軸からロー
タに伝熱する熱量が0.35W以下となる弾性軸の熱伝
導率λは24.8W/(m・K)より小さくすることが
必要である。すなわち、従来から用いられている熱伝導
率λが45〜53W/(m・K)のピアノ線では、ロー
タの到達温度は約+5.2℃となり、ロータの温度TR
を0℃(=273K)に冷却できないが、本発明の熱伝
導率λが16W/(m・K)のステンレス鋼線や熱伝導
率λが17W/(m・K)のニッケルクロム鋼線はロー
タの到達温度を約−2.5℃とすることができる。そこ
でロータの温度に関する項目を計測し、熱交換器の入力
電力を制御してロータの温度を0℃までの目的の温度に
制御することができる。
【0031】前記超高速モータ100は高周波モータで
あり、駆動部の軸受104,105に支持された軸10
3に圧入固定されたかご形回転子101とハウジングの
内に圧入固定された固定子102からなっている。回転
子101は、外形Dの鉄心に設けられた複数個N2のス
ロット内に直径d2の導体棒を挿入し、導体棒の両端に
短絡環を配置することによりかご形回転子を形成してい
る。
【0032】導体棒と短絡環は、比抵抗が小さい銅を用
い、ダイカストにより形成している。これにより、回転
子の2次抵抗を小さくして2次銅損を抑制している。
【0033】しかし、導体棒552の2次抵抗は導体数
2及び導体棒直径d2の2乗に比例するで(N2・d2
D)を小さくしすぎると2次銅損が増加するため、(N
2・d2/D)が1以下になると、比抵抗の小さい銅を用
いてもモータ効率は急激に低下する。
【0034】また、高周波モータの回転原理は固定子側
の回転磁界により回転子が回転するというものであり、
固定子側の回転磁界と回転子との間に必ず回転差が生じ
る。回転差の周波数と固定子側の回転磁界の周波数の比
をすべりといい、このすべりが大きくなるほど回転子の
回転が低下する。このモータが必要トルクを出す時のす
べりも(N2・d2/D)が1.1以下になると急激に増
加し回転数が低下するため、目標の最高回転数を得るこ
とが困難になる。
【0035】従って、モータの電気的性能を確保するた
めには(N2・d2/D)を1.1異常に設定する必要が
ある。
【0036】上記の如く、モータの電的性能を満足させ
ることに加えて、回転数が少なくとも150,000m
in~1という超高速で安定した運転を可能にするために
は、回転子の機械強度確保する必要がある。
【0037】150,000min~1回転時における遠
心力による応力に耐えるため、まず回転子の外形は20
mmとしている。
【0038】電気機器用の鉄損の少ない珪素鋼板、例え
ば50A290、の許容応力は336MPaであり、個
の種の材料を回転鉄心に使用するには回転子鉄心にかか
る最大応力を336MPa以下にしないと、鉄心が変形
して固定子と接触することによって破壊に至ったり、極
端な場合には鉄心自体にラックが生じ破壊に至る。回転
子鉄心にかかる応力は回転子外形Dに対し導体棒数N2
あるいは導体棒直径d2が大きくなるほど大きくなる。
このため、(N2・d2/D)の上限を回転子鉄心にかか
る応力が鉄心材料の許容応力いかになる範囲で設定する
必要がある。150,000min~1の超高速回転時に
回転子を破壊させることなく運転するためには、(N2
・d2/D)を少なくとも1.5以下になるように設定
する必要がある。
【0039】このため、外形Dに対し(N2・d2/D)
が1.5以下でかつ1.1以上になるように導体数N2
を19、導体棒直径d2を1.6mmに設定している。
【0040】高速回転での短絡環の破壊を防止するた
め、厚さが1mm程度のスリーブを短絡環の外周に取付
けている。該スリーブの材質はモータ性能を確保するた
め、チタン合金の非磁性体を用いることが望ましい。
【0041】固定子鉄心は、高速回転による鉄損の増加
を抑制し、モータ出力を確保するために、板厚0.2m
mとし、かつ固定子鉄心のヨーク部幅を少なくとも10
mm以上に設定している。
【0042】モータの回転子及び固定子を上述の如く構
成することにより、モータの回転数を少なくとも15
0,000min~1以上で安定して運転させることが可
能で、かつモータ効率の良い高周波モータを提供でき
る。
【0043】(超高速回転ロータ)超高速回転ロータを
図4〜図5で説明する。
【0044】ロータ160は、ロータボティ161とカ
バ170から構成され、ロータボティ161は回転軸1
62の回りに放射状に固定角度で試料挿入穴が複数個設
けられている。中心部の下部には、駆動軸と係合する駆
動軸穴164が設けられている。工藤軸穴は上方その上
端にはめねじ165が設けられている。ロータボディの
上部には、中心下部に下方に伸びるボス部を有し、その
ボス部の一端にめねじ165と締結されるおねじ171
を有するカバ170が装着される。カバ170には、ロ
ータボディ161にカバ170が装着された時に、試料
挿入穴163を含む空間が密閉されるようなOリング等
の密閉手段を有している。更に中心部の下方に伸びるボ
ス部の下端には、ロータが駆動軸に装着されたときに駆
動軸とロータの回り止めの灼をなすピン172が設けら
れている。
【0045】ロータボディ161の試料挿入穴163
は、回転軸162から水平方向に最も遠い半径位置にお
いて、150,000min~1回転したときに遠心加速
度が900,000×gになるように設定される。ロー
タボデイの外周側は、隣合う試料挿入穴163間の外周
面を、ロータボディ自身に発生する遠心荷重を軽減する
目的で削除している。
【0046】このようなロータ160の材料は、ロータ
ボディ161が比重4.7以下で常温における引っ張り
強さが1180MPa以上である高強度チタン合金、カ
バ170は比重が2.8で常温における引っ張り強さが
559MPa以上である高強度アルミ合金を使用してい
る。
【0047】図5は、他の実施例を示している。カバ1
70は、中心部に上下に可動なピストン173とストッ
パ175を有しており、ピストン173はその上端面が
ストッパの上端面176位置待て上昇することができる
ようになっており、ロータ160が駆動軸に乗っていな
い場合は、図示のような状態でピストン上端面174が
ストッパ上端面に対して段差ができるようになってお
り、駆動軸に正常に装着した場合はピストン173の下
端面177が駆動軸によって押し上げられ、ピストン1
73の上端面174がストッパ上端面176と同じ高さ
になるように構成することによって、ピストン上端面1
74とストッパ上端面176の段差を確認することによ
って、ロータ160と駆動軸の装着状態が正常であるか
否かを目視できるようになっている。
【0048】(電気的制御装置)本発明になる電気的制
御装置の具体的実施例を図6〜図22に就き詳細に説明
する。ブロック図に於て、221は交流電源、222は
交流側はリアクトル223を介して交流電源221に接
続され、直流側は平滑用コンデンサ224に接続される
還流整流回路に、該還流整流回路を構成する夫々の整流
素子に逆方向並列にバイポーラトランジスタIGBT、
FET等のスイッチング素子を接続した昇圧コンバータ
となる電源用双方向電力変換器であり、225はリアク
トル223と平滑用コンデンサの間に介して接続された
平滑用コンデンサの充電電圧を位相制御により調節する
トライアック、サイリスタ等の交流位相制御素子となる
スイッチング素子であり、226は交流側は誘導モータ
等の遠心分離用ロータ160を駆動するモータ100に
接続され直流側は平滑用コンデンサ224に接続される
還流整流回路に、該還流整流回路を構成する夫々の整流
素子に電源用双方向電力変換器222と同様の種類のス
イッチング素子を接続したインバータ装置となるモータ
用双方向電力変換器である。
【0049】モータ用双方向電力変換器226のスイッ
チング素子のPWMインバータコントロールに於て、2
29は上記スイッチング素子のオン・オフのパルスパタ
ーンを記憶しているROMであり、ROM229のデー
タ出力ラインの出力データの「1」「0」の論理値がパ
ルスパターンとなっており、これらのデータはそのアド
レスラインに接続されたカウンタ230の出力により逐
次読み出され、カウンタ230のクロックは、発振器と
なるPLLパルスジェネレータ231のクロック出力に
より印加されるようになっており、タイマLSI232
によりPLLパルスジェネレータ231のクロック出力
周波数が制御される。233はROM229から読み出
されるデータの時間不揃いを防止し同期をかけるラッチ
であり、234はラッチ233の出力論理に対応してフ
ォトカプラ235をドライブするゲート・ドライバであ
り、フォトカプラの信号出力によりモータ用双方向電力
変換器226の6コのスイッチング素子のオン・オフが
制御される。平滑用コンデンサ224の陽極側のライン
を224a、陰極側のラインを224bで示す。電源用
双方向電力変換器222のスイッチング素子のコントロ
ールに於て、236は力率改善制御用ICであり、この
ICのパルス幅制御出力は、パターン切換器237を介
してゲート・ドライバ238で増幅されフォトカプラ2
39をドライブする。フォトカプラ239の信号出力に
より電源用双方向電力変換器222の4コのスイッチン
グ素子のオン・オフが制御される。力率改善制御用IC
236は、電源用双方向電力変換器222がリアクトル
223と協同して交流電源221の電圧波形に相似な高
調波電流含有量が低い電流で、モータ100が力行中に
平滑用コンデンサ224を一定の電圧に充電する昇圧コ
ンバータとなる順方向運転及び、モータ100が回生中
に平滑用コンデンサ224を放電し一定の電圧に保つ降
圧コンバータとなる逆方向運転が行なえるよう絶縁トラ
ンス等によるVセンサ240により電源電圧波形を、ホ
ールカレントセンサ等によるIセンサ241により電源
電流波形を、更に例えばフォトカプラ等で絶縁されたV
−F,F−Vコンバータの組合わせによるCVセンサ2
42により平滑用コンデンサ224の充電電圧信号がセ
ンサ入力信号として入力されるようになっている。24
3はアナログスイッチであり、電源用双方向電力変換器
222の上記の順方向運転、逆方向運転が力率改善制御
用ICの同一の制御作用により行なえるようIセンサ2
41の信号出力は、減衰器244により信号の大きさの
切換選択ができ、CVセンサ242の信号出力は差動増
幅器245により基準電圧源246を基準にした引算信
号との切換選択が可能となるように設けられており、I
/O LSI247の信号出力により、パターン切換器
237と連動して切換えが行なわれる。
【0050】248は交流電源21の正・負のサイクル
状態を検出し、論理信号をパターン切換器37に出力す
る電源の正・負サイクル検出器であり、249はその信
号出力をI/O LSI47に出力する交流位相制御素
子225の位相制御のため、交流電源221の0クロス
信号を出力する0クロス回路であり、251はその信号
出力をタイマLSI232に出力するPLLパルスジェ
ネレータ231等の基準クロック源となる発振器であ
る。交流位相制御素子225は、フォトカプラ250を
介してタイマLSI232の信号出力によって制御され
る。電源コントロール回路252は、ゲート・ドライバ
234、238にドライブ電力を供給する回路であり、
双方向電力変換器222、226の過電流、アーム短絡
等の異常発生時、或いは交流電源221の電源投入後制
御装置全体の動作準備が完了するまで、またその他運転
中のコントロール状態の切換時に双方向電力変換器22
2、226のスイッチング素子にオン信号が加えられる
のを防止するために設けてある。
【0051】253はロータ160の回転数を検知する
回転センサ、254はロータ160の回転数を計測する
ためのカウンタ回路であり、255はタイマLSI23
2,I/O LSI247、カウンタ回路254を制御
する遠心機制御用COUである。双方向電力変換器22
2、226のスイッチング素子のオン・オフ制御を行な
う制御手段を200で示す。
【0052】なお、上述の如く、Vセンサ240、Iセ
ンサ241、CVセンサ242、フォトカプラ235、
239、250の絶縁信号伝達手段により、電力回路と
なる双方向電力変換器222、226と制御装置200
の間には基準電圧の絶縁が図られており、交流位相制御
素子225或いは双方向電力変換器222、226内の
スイッチング素子の30KHZ程度の高速スイッチング
動作に伴い発生するノイズにより制御手段200が誤動
作等の影響を受けるのを防止している。更に、交流電源
221に接続される他の機器に悪影響を与えるのを防止
するため、本発明の部分的な他の実施例を示す図7に於
て、図6と同一の機能の部分には同一の番号が符してあ
り、交流電源221にこれらのノイズが伝達されるのを
防止するため、リアクトル223を交流電源221の両
ラインに図示のように223a、223bとして設け、
また、コモンモードチョークコイルの低周波用フィルタ
256、同じ高周波用フィルタ257と共通接続端を接
地220に接続されたコモンモードノイズバイパス用コ
ンデンサ258a、258bとノルマルモードノイズバ
イパス用コンデンサ259を用いてもよい。287は直
列に接続された抵抗器、コンデンサから成る交流位相制
御素子225のスナバ回路である。
【0053】なお、本発明の実施例を示す図7に於て、
214はラインフィルタ、213は雷サージ吸収器、2
12はブレーカであり、211は絶縁トランスである。
絶縁トランス211は図示の様に1次側に基準タップa
に対してb,c,d,e,fの電圧切換タップと、2次
側には1次側のa−b間の電圧に等しく絶縁されたタッ
プg−hが設けられており、1次側の電圧タップa−b
間には真空ポンプ210、デヒュージョンポンプ20
9、制御装置200に5V、+12V、−12V等の制
御用電圧を供給するスイッチング電源及びその他遠心機
に必要な補機類が接続される。絶縁トランス211を接
続する目的は、電源電圧の異なる地域で使用する場合、
ブレーカ212の出力端をaを基準としてb〜f間でつ
なぎ変えることにより容易に対応することができる。例
えばa−b間は100V、更にaを基準にしてbは11
0V、cは120V、dは220V、eは230V、f
は240Vにしておくと図示の接続では交流電源221
の電源電圧110V対応となり、交流電源221の電源
電圧230Vに対応する場合はeに接続する。このいず
れの場合にも、a−b間のタップに接続される真空ポン
プ210や絶縁されてg−h間のタップに接続される電
気的制御装置とも100Vになり、絶縁トランス211
のタップを切り換えることにより、電気装置の定格電圧
仕様を変更することなく、電源電圧の異なる地域に容易
に対応することが可能となる。更に、絶縁トランス21
1の絶縁タップg−h間に電気的制御装置を接続するの
は、主にモータ用双方向電力変換器226及び電源用双
方向電力変換器222のPWM制御のためのスイッチン
グ動作により高周波電流が生じ、これらが、モータ10
0或いはリアクトル223の巻線によって接地220と
の間で形成される浮遊コンデンサを介して接地220に
漏洩電流が流れるのを低減するためである。特にフィル
タ256、257及びコモンモードバイパス用コンデン
サ258a、258bと絶縁トランス211の組合わせ
が、上記漏洩電流の低減効果を生む。
【0054】続いて本発明の動作について、図8〜図2
0を参照して説明する。なお図8〜図20に於ては、図
6と同一の機能の部分には同一の番号が符してある。
【0055】図10は、本発明になる遠心機用モータの
制御装置に好適なロータ160の回転数、すなわちモー
タ100の回転数の時間経過を表したグラフであり、モ
ードIは、ロータ160を静止状態からスローアクセル
にて徐々に加速する過程であり、このスローアクセルに
対応するため、PWM制御のみでは滑らかな起動が行な
えないため、PAM制御を併用する。すなわちモータ1
00は、交流位相制御素子225により平滑用コンデン
サ224の充電電圧を調節するPAM制御及び双方向電
力変換器226のPWM制御により、遠心機制御用CP
U255はモータ100を図11の曲線に沿うよう制御
する。PAM制御は図11に動作状況図を模擬的に示す
ように遠心機制御用CPU255が、I/O LSI2
47を介して0クロス回路249の0クロス信号260
の立上り点260aを基準信号としタイマLSI232
に時間t1の遅延トリガ動作を行なわせ、更に必要に応
じて時間t1を変化させ、所望の導通角にて交流位相制
御素子225にトリガ信号261を与えその結果、交流
電源221の電圧波形262に対して位相制御された電
流263が流れ平滑用コンデンサ224の充電電圧が調
節される。なお、トリガ信号261は、0クロス信号2
60の立下がり点260bでオフする。モータ用双方向
電力変換器226のPWM制御は、図12の三相PWM
インバータの波形の例に示すように、三角搬送波264
と正弦波信号波265から6コのスイッチング素子22
6u、v、w、x、y、zのオン・オフパターンをあら
かじめ求め、ROM229に記憶してあり、Eun26
6、Evn267、Ewn268は夫々スイッチング素
子226u、v、wのオン信号、逆に上下に対応するス
イッチング素子x、y、zのオフ信号となり、eUV2
69、eVW270、eWU271は夫々モータ100
に接続される線UV、VW、WV相間に出力される電圧
波形を表わす。図12では、三角搬送波264と正弦波
信号波265の組み合わせに於て21キャリアデューテ
ィ50%の場合を例示する。
【0056】図8を用いてPWM制御に関する制御装置
200の動作を説明すると、ROM229に記憶されて
いるデータは、ラッチ・ゲートドライバ233、234
となる例えば74HC374等のDタイプフリップフロ
ップでPLLパルスジェネレータ231の出力信号の反
転信号272でCK端子で同期ラッチされフォトカプラ
235をドライブし、双方向電力変換器226の各スイ
ッチング素子u、v、w、x、y、zをオン・オフす
る。ROM229のデータ出力端子O1〜O6が図示の
如くラッチ・ゲートドライバ233、234の1D〜6
Dに対応し更に1Q〜6Qに対しそれらはu〜zに対応
しており例えばROM229のO1端子が論理の「0」
レベルになると、ラッチ・ゲートドライバ233、23
4の1Q端子も論理「0」になり抵抗器280を介して
フォトカプラ235のLEDがオンし、スイッチングト
ランジスタuがオンする。ラッチ・ゲートドライバ23
3、234のOC端子は、そのQ出力をハイインピーダ
ンスに切り換えるものでありI/O LSI247の出
力制御線285が「Hi」の場合、ハイインピーダンス
となり、フォトカプラ235は全てオフする。一例とし
てスイッチング素子226uと該トランジスタのフォト
カプラ235uの間のドライブ回路は図13に示すよう
に、スイッチング素子226uのエミッタEを基準電位
GNDUとする適当な電源VCCUが設けられ、フォト
カプラ235uの発光ダイオード235uに電流が流れ
ると対向するホトトランジスタがオンし、ノットゲート
275は抵抗器274のバイアスが無くなり、その出力
が「Hi」レベルになり抵抗器276を介してトランジ
スタ277にベース電流が流れ、制動抵抗278を介し
てスイッチング素子226uのゲートGに電圧バイアス
が加えられ該素子がオンし一方発光ダイオード235u
の電流が消失すると、同様にしてノットゲート275の
出力は「LO」レベルに反転しトランジスタ279を介
してゲートGの電荷が放電されオフする。ドライブ回路
の部分を332で示す。ROM229のデータの読み出
しは、例えば74HC193を3コカスケード接続した
カウンタ230がPLLパルスジェネレータ231のパ
ルス出力信号273の立ち上がりでカウントアップし、
0〜Q10のカウント端子の信号出力をROM229の
0〜A10のアドレスラインに出力することによりなさ
れ、この場合、図12で360度分のオン・オフパター
ンを2048分割し駆動するため11本のアドレスライ
ンを使用しており、上記のようにラッチ・ゲードドライ
バ233、234でPLLパルスジェネレータ231の
パルス信号273をノッドゲート215で反転させた立
ち上がり信号272でラッチ動作を加えるのは、ROM
229のO1〜O6のPLLパルスジェネレータ231
のパルス信号273の立ち上がりで読み出されるデータ
読み出し出力の微妙なタイミングのずれにより、オン・
オフパターンがくずれ双方向電力変力素子225の同一
アームのスイッチング素子、例えばuとxが同時にオン
するようないわゆるアーム短絡現象が起きるのを避ける
ためである。カウンタ230のCLR端子はROM22
9のデータをアドレス0から読み出すためのカウンタク
リア端子であり、I/O LSI247の制御線286
が「Hi」の場合、クリアされる。PLLパルスジェネ
レータ231のパルス出力信号273は、74HC40
46等のPLL素子219によりVCOOUT端子から
出力され、UPD8253等のタイマLSI232が発
振器251の発振出力を分周機能232aにより分周
し、基準信号218としてPLL素子219のSIN端
子に出力し、一方PLLパルスジェネレータ231のパ
ルス出力信号273をタイマLSI232が分周機能を
232bにより分周し比較信号217としてPLL素子
219のCIN端子に出力し、フェイズコンパレータに
よりエラーシグナルをPC端子から出力し、抵抗器、コ
ンデンサの組み合わせから成るローパスフィルタ281
を介してVCOIN端子に電圧バイアスが与えられVC
O282(ボルテイジコントロールオシレータ)により
発振出力として得られるようになっており、基準信号2
18の周波数に分周機能232bの分周比の逆数を掛け
た周波数の発振出力となる。VCO282の発振出力
は、超遠心機の場合0〜200Kmin~1の範囲でモー
タを回転させる必要があり、望ましくは10KHZから
6.9MHZの広い範囲をカバーする必要があり、PL
L素子219の外付けコンデンサ容量も数種類切り換え
て用い、この目的のために例えば、74HC4051等
のセレクタとなるアナログマルチプレクサ283により
X1〜X5端子に夫々一端を接続された全体を216で
示すコンデンサC1、C2、C3、C4、C5のうちの
一つをX端子から選択しPLL素子219に接続する。
なお、コンデンサC0は、上記コンデンサの接続切換途
上でPLL素子219の発振出力が大きく変動しないよ
う常時接続されるものである。
【0057】モードIの場合には、モータ100の回転
数は低いからパルスジェネレータ231のパルス出力信
号の周波数も低く、I/O LSI247からコンデン
サ接続切換信号線284を介してアナログマルチプレク
サ283のCSEL端子に選択信号が与えられ、最も容
量の大きいコンデンサC1が選択される。
【0058】以上の説明のように、モードIに於ては、
交流位相制御素子225によるPAM制御とROM22
9に記憶されたパルスパターンによるPWM制御により
モータ100への供給電力が調節されると共に、PLL
パルスジェネレータ231により適切なすべり周波数f
1がモータ100へ与えられ滑らかにロータ160がス
ローアクセルにて徐々に加速される。なお、このモード
Iでは、位相制御された電流263が流れるが、電流値
が小さいため、高調波電流の含有量は小さく他の機器へ
の影響は問題無い。モードIのロータ160の回転数の
時間経過にモータ100の実際の回転数を合わせるに
は、あらかじめ定められた回転数の時間経過と現在のモ
ータ100の回転数の差をPID演算等で行ない、その
結果から上記のタイマLSI232の時間t1の遅延ト
リガ動作とPLLパルスジェネレータ231によるすべ
り周波数f1を決める周知の方法による。
【0059】次に図10のモードIIは、ロータ160を
目標整定回転数N0まで急速に加速する過程であり、図
9に示す電源用双方向電力変換器222のスイッチング
素子u、v、x、yはモードIに於ては全てオフ状態で
あったのに対し、交流電源221に系統連係し該電源の
電圧波形に相似な電流が流れるよう昇圧コンバータとし
て動作し平滑用コンデンサ224を一定の電圧に充電す
る順方向運転を行なうため、以下に説明の如くオン・オ
フ動作となる。
【0060】図9を用いて上記の制御に関する制御装置
200の動作を説明すると、力率改善制御用IC236
のO端子から昇圧コンバータとして動作するためのPW
M制御信号288がパターン切換器237に出力され、
該信号288と電源正・負サイクル検出器248の正サ
イクル時論理「1」となるP端子と負サイクル時論理
「1」となるN端子の信号出力をアンドゲート289、
290、291、292で論理積を取った信号が例えば
74HC158等のデータセレクタ293に出力されI
/O LSI247のセレクト信号線294はこの場合
「0」レベルに保たれるので入力端Aの信号がY端子か
ら論理反転して出力され、ゲートドライバ238はドラ
イブ電流制限用抵抗器295を介してフォトカプラ23
9をドライブする。パターン切換器237から電源用双
方向電力変換器222のスイッチング素子U、V、X、
Yに出力されるパルスパターンを図14に示しフォトカ
プラ239と該スイッチング素子のドライブ回路は図1
3と同様なものとなる。なお正サイクルは図6に於て、
交流電源のa端が高電位、b端が低電位となる場合を言
う。
【0061】次にPWM制御信号288の生成について
説明すると、力率改善制御用IC236のコントロール
IC296は、例えば富士電機製のFA5331等を用
いる例を示すと、図15の機能ブロック図に示すよう
に、同図に於て同じ機能の部分には同一の番号が符して
あり、Vセンサ240の出力を全波整流回路297を通
してV端子に基準となる交流電源221の電圧波形が与
えられ、一方Iセンサ241からは全波整流回路298
を通し、更に抵抗器299、301の分圧出力となる分
圧器302で分圧された電流フィードバック信号が例え
ば74HC4053等のアナログスイッチ243のXA
端子に入力されX出力端子から出力され、CVセンサ2
42から平滑用コンデンサ224の充電電圧信号がフィ
ードバック信号としてアナログスイッチ243のYA端
子に入力され、Y出力端子から出力される。CVセンサ
242は抵抗器303、323による平滑用コンデンサ
224の分圧出力をV/Fコンバータ304により電圧
に比例した周波数のパルス出力に変換し、この信号をホ
トカプラ305で信号のグランドレベルを絶縁し、F/
Vコンバータ300により周波数に比例した電圧信号に
戻し、絶縁を保ちながら平滑用コンデンサ224の電圧
をアナログスイッチ243のYA端子に出力するもので
ある。なお、CVセンサ242の電圧出力をアナログス
イッチ243のYA端子に絶縁を保ちながら伝達するの
に上記V/Fコンバータ304,ホトカプラ305,F
/Vコンバータ305の手段のかわりに、例えばHP社
のアナログホトカプラCNR200,CNR201を用
いることも可能である。アナログスイッチ243は上記
のセレクト信号線294の論理レベル「0」であるため
信号XA入力がXに信号YA入力がYに伝達される。平
滑用コンデンサ224の充電電圧が抵抗器306、30
7フィルタコンデンサ308とOPAMP309により
基準電圧310と比較増幅され、平滑用コンデンサ22
4の充電電圧が例えば交流電源221の電圧が100V
の場合170〜180Vに一定に保たれ、その時の電源
電流は電源電圧に相似になる。すなわち、OPAMP3
09による誤差信号出力VFBが電源電圧Vと乗算器M
UL311により掛算され、この掛算出力IINに電源
電流Iが等しくなるよう抵抗器312、313コンデン
サ314、315とOPAMP316による増幅作用に
よりその出力IFBが抵抗器317、コンデンサ318
から成る発振器319の鋸刃状波信号とPWM比較器3
20により比較されO端子よりPWM制御信号として出
力される。従って、例えば交流電源221が正サイクル
の場合、電源用双方向電力変換器222のスイッチング
素子XがO端子より出力されるPWM制御信号288に
対応してオン・オフすることにより、リアクトル223
と平滑用コンデンサ224を含む回路に於て昇圧コンバ
ータが形成され、平滑用コンデンサ224の充電電圧は
電源電圧、モータ100の駆動力となる負荷の大小にか
かわらず一定に保たれ、しかも電源電流は交流電源22
1の電源電圧と相似になり、高調波電流の含有量はほと
んど無い。分圧器302によりIセンサの信号出力を分
圧するのは、モータ100の損失により力行電流よりも
回生電流の方が小さいため、特に回生時にコントロール
IC296のI入力を大きく取り微小な回生電流に対し
て電源電流波形の歪みを少なくするためである。
【0062】なお、321はノットゲートであり、I/
O LSI247の制御信号線322の論理出力「0」
によりデータセレクタの出力及びコントロールIC29
6の動作がイネーブルとなる。
【0063】この図10のモードIIに於ては、上記の説
明の通り平滑用コンデンサ224の充電電圧は一定に保
たれるので、モータ100に対するV/f制御は図12
の三相PWMインバータの波形の例に示すように、正弦
波信号波265の振幅すなわちモータに印加される電圧
のデューティを段階的に換え、ROM229にブロック
ごとに記憶してあるパターンの読み出しブロックを変え
ることによりV/fのVの制御を行ない、fの制御はタ
イマLSI232の分周機能232bの分周比を逐次増
加させると共にPLL素子219に接続されるコンデン
サC1〜C5を選択切り換えモータ100にその回転数
に対応した適切なすべり周波数が与え目標整定回転数N
Oまで加速する。
【0064】図16は、ROM229に記憶してあるブ
ロックの内容を示したものであり、小ブロックn0PW
MOが最小のデューティとなりn0PWM31が最大の
デューティとなる32段階のPWM制御によるVの制御
を行なう例であり、一方中ブロックn0PWMとn1P
WMの違いは図12の三角搬送波264のキャリア数の
違いであり、モータ100の回転数が上昇するに従い双
方向電力変換器226のスイッチング素子のスイッチン
グ回数が不適当に大きくなり過ぎ、スイッチング損失に
伴う素子の温度上昇を適切に管理する必要があり、モー
タ100の回転数が上昇するに従い、三角搬送波264
のキャリア数を減少させn0に対してn3のキャリア数
は小さく設定されており、一例としてキャリア数はn
0,n1,n2,n3に対応して夫々27,15,9,
7キャリアとなっている。なお、n0に対してn3は高
速回転域で使用するため、PWM0〜PWM31のデュ
ーティ範囲も高い部分の分割内容となる。小ブロックの
読み出しブロックの変更は、図8のI/O LSI24
7からROM229のアドレスラインのA11〜A15
ラインVSELに接続されている制御線324により選
択され、同様にして中ブロックの読み出しブロックの変
更は、アドレスラインのA16〜A18ラインFSEL
に接続されている制御線325により選択されるように
なっている。
【0065】図17は、すべり周波数fの制御に関しP
LLパルスジェネレータ231内のPLL素子69に接
続される各コンデンサC1〜C5をパラメータとしてリ
ニアスケールの電圧バイアスVCOINに対してVCO
OUT73から出力される周波数を対数スケールで示し
たものであり、モータ100を静止状態から最高回転数
まで加速・制定するには、コンデンサをC1から順にC
2、C3、C4、C5と選択・切り換えて用い、PLL
パルスジェネレータ231の発振周波数を増加させる。
また、この場合、各コンデンサの発振周波数範囲は互い
に十分オーバラップさせてあり、例えば、上記の最高回
転数まで加速・制定する際、C1からC3からC5の飛
び飛びのコンデンサの選択・切り換えでも可能である。
例えばモータ100の制御回転数がNaとNbの間にあ
ればコンデンサC2を選択しf制御に必要な周波数を出
力する様子を表わしたものであり、例えば制御整定回転
数がちょうどNbの場合には加速整定の際、若干の回転
数のオーバシュートを伴い目標回転数Nbに落ち着くこ
とを考慮し、コンデンサC2の実際にカバー可能な回転
数範囲Na’〜Nb’よりもNA〜Nbが内側になるよ
うに使用範囲を限ると共に、選択するコンデンサの接続
切換時安定した周波数の発振出力が速やかに得られるよ
うVCOINの変化をなるべく抑制するため互いのコン
デンサのカバー可能な回転数範囲は十分にオーバラップ
させてある。コンデンサの選択は、I/O LSI24
7のコンデンサ接続切換信号284により行なうことは
前述の通りである。
【0066】次に図10のモードIIIは、ロータ160
を目標整定回転数N0に一定に維持する過程であり、モ
ードIIIと同様電源用双方向電力変換器222は交流電
源221に系統連係し該電源の電圧波形に相似な電流が
流れるよう昇圧コンバータとして動作し平滑用コンデン
サ224を一定の電圧に充電する順方向運転を行ない例
えばN0が本遠心機の最高運転回転数150Kmin~1
であればROM229の小ブロックは最小キャリア数最
大デューティのn3PWM31が選択されると共に、P
LL素子219に接続されるコンデンサC5が選択され
高周波のfが与えられ、目標整定回転数N0に一定にモ
ータ28の回転数が保持されるよう目標回転数N0とモ
ータ28の現在の回転数の差を遠心機制御用CPU25
5がPID演算し、その結果からモータ100のすべり
周波数f1を決定しこれに対応したタイマLSI232
の分周機能232bに分周比を指令して制御する。
【0067】次に図10のモードIVは、ロータ160を
回生制動により急速に減速する過程であり、図9に示す
電源用双方向電力変換器222は交流電源221に系統
連係し、該電源の電圧波形に相似な電流が電源に戻るよ
う降圧コンバータとして動作し、モータ100の発電に
よる平滑用コンデンサ224の充電電圧の上昇を抑え一
定の電圧に保つ逆方向運転を行なう。図9を用いて上記
の制御に関する制御装置200の動作を説明すると、I
/O LSI247のセレクト信号線294はこの場合
「1」レベルに保たれるので、データセレクタ293の
入力端Bの信号がY端子から論理反転して出力されパタ
ーン切換器237から電源用双方向電力変換器222の
スイッチング素子u、v、x、yに図18に示すパター
ンの信号が出力される。
【0068】PWM制御信号288の生成について説明
すると、アナログスイッチ243のS入力端も「1」レ
ベルであるからIセンサ241からは全波整流回路29
8を通って直接XB端子に入力された信号がX出力端子
から出力され、CVセンサ242からは平滑用コンデン
サ224の充電電圧信号を差動増幅器245により基準
電圧246から引算した信号がアナログスイッチ243
のYB端子に入力されY端子から平滑用コンデンサ22
4の充電電圧フィードバック信号として力率改善制御用
IC236に入力され、327は差動増幅器245の中
のOPAMP、328、329、330、331は差動
増幅用抵抗器であり、平滑用コンデンサ224の充電電
圧が上昇すると差動増幅器245の出力電圧は低下し、
図15に於て、CVセンサ242の出力をここでは上記
の出力と入れ換えると、OPAMP309により基準電
圧310と比較増幅され、平滑用コンデンサ224の充
電電圧が例えば交流電源221の電圧が100Vの場
合、160V〜170Vに一定に保たれ、その時の電源
に戻る電流は前述と同様のコントロールIC296の制
御作用によりPWM制御信号288が出力され、従って
例えば交流電源221が正サイクルの場合、電源用双方
向電力変換器222のスイッチング素子Yがコントロー
ルIC296のO端子から出力されるPWM制御信号2
88に対応してオン・オフし、この極性のサイクルでは
スイッチング素子Uがオン状態を保つから、リアクトル
223と平滑用コンデンサ224を含む回路に於て降圧
コンバータが形成され、平滑用コンデンサの充電電圧は
電源電圧、モータ100のロータ160を減速するため
の発電量にかかわらず一定に保たれ、しかも交流電源2
21に回生される電流は電源電圧と相似になり、高調波
電流の含有量はほとんど無い。この図10のモードIII
に於ては上記の説明の通り、平滑用コンデンサ224の
充電電圧まで双方向電力変換器226によりモータ10
0の発電電圧を上昇させるためモードIIの場合と同様の
V/f制御であって負のすべり周波数f1を与え減速す
る。
【0069】次にモードVは、モードIVのロータ160
の急減速過程のあとロータ160を回転状態から静止状
態へスローデクセルにて徐々に減速する過程であり、モ
ータ100の回転数が低いため、モータ100に発電制
動ではなく、直流制動により減速力を与え滑らかに停止
させる制御を行なう。従って電源用双方向電力変換器2
22は上述の如くの昇圧コンバータとして動作し順方向
運転を行なっても良いし或いは直流制動に要する電力が
小さい場合にはスイッチング素子U、V、X、Yを全て
オフし単なる全波整流器として動作させることも可能で
あり、更に交流位相制御素子225により平滑用コンデ
ンサ224の充電電圧を調節し、ROM229制御直流
制動と組み合わせ、広範囲な制動制御を選択する。直流
制動のために双方向電力変換器226のスイッチング素
子に出力されるオン・オフパターンの一例を図19に示
す。制動力を調節するため三角搬送波345と比較信号
346との対応を変え適切なPWMデューティのものが
任意に選択可能になっており、図16に於て、ROM2
29に記憶されているBPWM0〜BPWM31の中ブ
ロックが直流制動の部分に当たり、32段階のデューテ
ィが選択できる。図19では、キャリア数16、デュー
ティ40%の場合の例を示す。
【0070】なお、モードVに於ては、遠心分離する試
料の種類、分離条件によっては、図19に示すように自
然減速による減速よりも更に緩和なデクセルパターンA
のような減速曲線により減速する場合があり、この時は
前述のモードIと同様の交流位相制御素子225により
平滑用コンデンサ224の充電電圧を調節し、双方向電
力変換器226によりモータ100を駆動し、滑らかに
徐々に減速する運転方法を用いる。
【0071】本発明の実施例の説明では、電源用双方向
電力変換器222は単相の場合を例に取って説明した
が、三相交流の場合も同様の構成によりその機能が実現
可能なことは当業者に於ては容易に理解できよう。ま
た、本発明の実施例の説明では、交流位相制御素子22
5はトライアックで表示してあるが、種類はトランジス
タ或いはGTO等の自己消弧能力を有する素子でも使用
可能である。一方、電源用双方向電力変換器222及び
双方向電力変換器226の還流整流回路は該変換器を構
成するスイッチング素子に構造上寄生して、或いは意図
的に内蔵して設けられているものでも使用可能である
し、上記と同様GTO等の自己消弧能力を有する素子で
も本発明の思想の内で使用可能であることは明らかであ
る。
【0072】本発明に於て、電源用双方向電力変換器2
22及び双方向電力変換器226の上アームのスイッチ
ング素子U、V、u、v、wのスイッチング制御のため
の電源の供給を、下アームのスイッチング素子X、Y、
x、y、zのスイッチング制御のための電源と基準電位
を共用して用いる実施例を図21に示す。図21は、双
方向電力変換器226の場合について示したものであ
り、図6及び図13と同一の機能の部分には同一の番号
が符してあり、スイッチング素子226uのドライブ回
路332を例に取り説明すると、333は平滑用コンデ
ンサ224の陰極ライン224bを基準電位とするドラ
イブ回路332及び334、335、336、337、
338の共通な制御電源となる共通電源であり、突入電
流防止用チョークコイル347を介して逆阻止用ダイオ
ード339及びドライブ回路332の駆動電気エネルギ
を蓄積する例えばアルミ電解のコンデンサ340が直列
に接続され該コンデンサ340の他端はスイッチング素
子226uのエミッタEに接続されており、ドライブ回
路332の電源VCCU、GNDUはコンデンサ340
の両端に並列に接続されている。従って、スイッチング
素子226xのオンに伴い、共通電源333からダイオ
ード339、コンデンサ340、スイッチング素子22
6xのルートでコンデンサ340が充電され、スイッチ
ング素子226xのオフに従い、コンデンサ340の陰
極側はフローティング状態となりスイッチング素子22
6xとコンプリメンタリペアで動作するスイッチング素
子226uのドライブ回路332の駆動電気エネルギが
コンデンサ340に蓄積される。スイッチング素子22
6yと226v、226zと226wについても同様で
あり、夫々逆阻止ダイオード341、342、コンデン
サ343、349が図示のように接続され、構成されて
いる。なお、上記の説明の通り、上アームのドライブ回
路332、334、335は夫々コンデンサ340、3
43、344の充電電荷で駆動されるものであるから、
下アームのスイッチング素子226x、226y、22
6zが休止することなく頻繁にスイッチング動作を繰り
返す必要があり、図14に示した直流制動のオン・オフ
パターンは上記の制約条件を満たす工夫が加えられてい
る。
【0073】更に、本発明に於ては、モータ100にす
べりを与えるfの制御に関し、PLLパルスジェネレー
タ231内のPLL素子219に接続されるコンデンサ
C1〜C5を選択切り換える際に、過渡的にローパスフ
ィルタ281の時定数等によりパルス出力信号273の
周波数が変動するため、双方向電力変換器226内の例
えば上アームのスイッチング素子226uに対向する下
アームのスイッチング素子226xのオン・オフに関
し、通常の周波数ではアーム短絡を起こさないよう設定
されたデットタイムに不足が生じ、アーム短絡現象を起
こす場合があるため、図22に示すようにコンデンサを
切り換える際は、切り換え直前から切り換え後のパルス
出力信号273の周波数が安定する間所定時間約200
msec程度にわたり、上アームのスイッチング素子2
26u、226v、226wは全てオフ状態とし、下ア
ームのスイッチング素子226x、226y、226z
は休止することなく頻繁にスイッチング動作を繰り返す
パターンにより双方向電力変換器226を一時的に駆動
制御する。なお、このスイッチングパターンは図16の
ROM229の記憶内容を示した説明図のARMPAT
350で示す位置の中ブロックに書き込まれている。電
源用双方向電力変換器222に関しても同様であり、本
実施例によれば、上アームのドライブ回路の電源を互い
に独立させた基準電位とする電源を夫々に設ける必要が
無くなり、制御部を簡素化できるため、ひいては機器の
小形化に効果がある。
【0074】(温度制御装置)本発明におけるロータ温
度制御装置を図1及び図23〜図31で説明する。分離
されるべき試料はロータ160内に挿入され、ロータ1
60を回転室となるチャンバ140にセット後、チャン
バ140内を真空引きしロータ160を高速回転させて
生じる遠心力で該試料を分離する。この際、ロータ16
0の出し入れはチャンバ140のドア133の開閉時に
行われる。
【0075】ロータ160を高速回転させる駆動部は、
モータ100と、ロータ160を支持する垂直な軸であ
って、モータ100から伸びている弾性軸となるフレキ
シブル・シャフト147と、モータ100を支持するハ
ウジング111と、モータ100を入れるための上部ハ
ウジングとなるシャフト・ケース112と、フレキシブ
ル・シャフト147の軸受である上部軸受104及び下
部軸受105と、真空を保つシールをしている真空シー
ル136とから構成されている。
【0076】チャンバ140にはボウル135がプレー
ト141上に設置されている。更にプレート141と該
ボウル135の間には熱交換器であるサーモ・モジュー
ル143が設けられている。
【0077】次に、図23において、図1と同一な機能
部分には同一の番号が符してあり、144は遠心分離機
1のボウル135部の温度を測定するために設けられた
サーミスタ等の高精度な温度センサ、402はサーミス
タ144の例えば30Kの温度における抵抗値に相当す
る値を持つ基準信号発生器となる基準抵抗器、同様にし
て403はサーミスタ144の例えば−20Kの温度に
相当する値を持つ基準抵抗器であり、404は抵抗電圧
変換器、405は抵抗電圧変換器404の差動出力を増
幅する差動増幅器、406はA/D変換器407を内蔵
したマイクロコンピュータ(以下cpuと略記する)で
あり、抵抗電圧変換器404と差動増幅器405で電圧
変換回路450を構成する。電圧変換回路450及びA
/D変換器407を合わせて増幅回路482で表す。4
08は抵抗電圧変換器の入力信号源をcpu406の制
御線409によりサーミスタ144、基準抵抗器40
2、403の間で選択し接続を切り換え可能なリレー、
アナログスイッチ、アナログマルチプレクサ等から成る
切換器であり、切換器408の出力信号線を410、差
動増幅器405の+、−入力信号線をそれぞれ411、
412、出力信号線を413で示す。同様にして14
5、463はそれぞれ上記と同様の構成になるシャフト
ケース112、外気温を測るため制御基盤部の温度を測
定する温度センサであり、414、415はそれぞれ温
度センサ145、463の温度センサ回路でありその出
力信号線をそれぞれ416、417で示す。なおcpu
406による温度センサ回路414、415の切換器の
接続切換制御線を418で示す。419はA/D変換器
407の入力信号線420に対して温度センサ回路の出
力信号線413、416、417を選択する切換器40
8と同様の機能を持つ同種の切換器であり、接続の切り
換えは制御線409によってcpu406により行われ
る。421はcpu426がA/D変換器407の出力
デジタル量をそれぞれに対応した温度センサの測温値と
して温度に換算するデータ、その他cpu406の処理
手順が書き込まれているROMであり、422はEEP
ROM或いはバッテリーバックアップスタティックRA
M等から成る不揮発生の性質を持たせると好ましいメモ
リ、423はRAMであり、cpu406が読み書きが
可能なようにコントロールバスライン424で相互に接
続されている。
【0078】143はロータに入れた試料を任意の温度
に冷凍、加熱可能なペルチェ素子等から成るサーモ・モ
ジュールであり、426はサーモ・モジュール143の
ドライブ回路、427はドライブ回路426とcpu4
06の間に介して設けられたインタフェイス回路、42
8、429はそれぞれサーモ・モジュール143の電流
供給線、430、431、432、433はそれぞれド
ライブ回路426を構成する電力制御素子のゲートドラ
イブ線、434、435、436はそれぞれcpu40
6からインタフェイス回路427に出力される加熱信号
出力線、冷凍信号出力線、パルス幅制御(以下PWM制
御と略記する)信号出力線である。
【0079】cpu406において、479はcpu4
06内蔵されているプログラマブルタイマ、480はタ
イマ479の信号出力線であり、この信号線はPWM制
御信号出力線436となりcpu406から出力され
る。481はPWM制御の基準クロックとなる発振器で
あり、cpu406の演算処理指令によりタイマ479
から出力される一定周期のパルス出力の中の「1」の区
間が変えられ、サーモ・モジュール143の加熱、冷凍
動作の強弱が調整されるようになっている。
【0080】図24において、図23と同一の機能部分
には同一の番号が符してあり、電圧変換回路全体を45
0で示し、437、438、439はそれぞれ抵抗電圧
変換器404を構成するためブリッジ接続された抵抗
器、440は抵抗電圧変換器404の出力電圧範囲及び
出力電圧の直線性を改善するための抵抗器、441はノ
イズ吸収用積分コンデンサであり、442、443はそ
れぞれ差動増幅器405の+入力信号線及び−入力信号
線の入力インピーダンスを高めるインピーダンス変換ア
ンプであり、444は差動増幅器、445、446、4
47、448はそれぞれ差動増幅器444の反転、非反
転入力端に接続された作動増幅用抵抗器であり、449
は差動増幅器444の信号出力端に設けられた出力保護
用抵抗器であり、451はA/D変換器407に過大な
電圧が印加されこれが破壊するのを防止するための電圧
クリップ用ツェナーダイオードである。
【0081】図25において、図23と同一の機能部分
には同一の番号が符してあり、サーモ・モジュール14
3のドライブ回路426は例えばトランジスタ、FET
等のスイッチング素子452、453、454、455
から成る直流電圧源DCVに電源を接続されたHブリッ
ジ回路により構成され、サーモ・モジュール143に対
して、トランジスタ452及び455の組でオンするこ
とにより電流供給線428から429に向かう向きに電
流が流れるとサーモ・モジュール143は加熱動作とな
り、逆にトランジスタ454及び453の組でオンする
ことによりサーモ・モジュール143は冷凍動作とな
り、インタフェイス回路427において、456、45
7、458、459はそれぞれトランジスタ452、4
55、453、454のドライバであり、アンドゲート
460の論理「1」出力によりドライバ456及び45
7を介してトランジスタ452及び455が駆動されて
オンし、一方アンドゲート461の論理「1」出力によ
りドライバ458及び459を介してトランジスタ45
4及び453が駆動されてオンし、cpu406から加
熱信号出力線434が論理「1」出力時にPWM制御信
号出力線436のパルス幅制御出力の大きさによりサー
モ・モジュール143の加熱動作の強弱が調節され、ま
た、同様にして冷凍信号出力線435が論理「1」出力
時にPWM制御信号出力線436によりサーモ・モジュ
ール435の冷凍動作の強弱が調節されるようになって
いる。
【0082】210はチャンバ140、ベローズ13
6、ハウジング111の内部を真空に排気するための真
空ポンプであり、サーモ・モジュール143はボウル1
35の底面に後述のように密着させ取り付けられ、その
近傍には遠心分離機1のボウル135部の温度を測定す
るための温度センサ144が設けられ、145はモータ
100の駆動部の温度を測定するためのセンサ、外気温
を測定する温度センサ463は温度制御装置類を搭載す
る基盤476上に配置される。498はロータ160の
底面に取り付けられたマグネット、253はマグネット
498の回転に伴う信号を検出するロータ160の回転
センサである。
【0083】サーモ・モジュール143は、メルコア社
製(型式:CP1.4-127-10L、DC15V、最大吸熱量:33W)
であり、サーモ・モジュール143は、アルミニウムを
素材としたボウル135と、プレート141との間に介
在している。更にボウル135はプレート141にネジ
止めされていて、サーモ・モジュール143は、プレー
ト141に対するボウル135の締め付け圧力で固定さ
れている。
【0084】一方、上記の各温度センサ144、14
5、463、499等は、KOA社製のサーミスタ(型
式:5504S、温度範囲:-10〜40℃)を用いている。それ
らのサーミスタは、ドア133、ボウル135、シャフ
ト・ケース112にコニシ社製の接着剤(型名:クイッ
ク5)を使って固定されている。
【0085】上記構成になる遠心分離機1の温度制御装
置400の動作について説明する。まず、温度制御装置
400の校正動作について説明する。電圧変換回路45
0は、抵抗電圧変換器404のプルアップ電圧VCC、
差動増幅器405の増幅誤差、A/D変換器407のA
/D変換のフルスケール値を定めるプルアップ電圧AV
CC、その他これらの回路を構成する抵抗器の誤差によ
り機体ごとの誤差を持つ。
【0086】cpu406は図26に示すフローに従っ
てROM421にあらかじめプログラムされた処理手順
に従って演算処理を行い、処理602、603により切
換器の制御線409により切換器419及び408を動
作させ、まず基準抵抗器402及び403による電圧変
換回路450の校正を行う。
【0087】処理604により基準抵抗器402を選択
した状態でCPU406がA/D変換器407の入力信
号420の電圧入力に対応するデジタル量として、例え
ば温度センサ144の30Kの温度に相当するデジタル
量VD1を読み込み不揮発性メモリ422に格納記憶す
る。しかる後に処理605、606により同様にして切
換器の制御線409により切換器408を動作させ基準
抵抗器403を選択接続した状態で例えば温度センサ1
44の−20Kの温度に相当するデジタル量VD2を読
み込み不揮発性メモリ422に格納記憶する。これらの
処理が終了し電圧変換回路450の校正データを採取し
終わると、処理609により校正済であることを示すフ
ラグを不揮発性メモリ422にセットする。次に処理6
10により上記のVD1、VD2を不揮発性メモリ42
2から読み出すと共に図27に示すようなあらかじめ電
圧変換回路450及びA/D変換器407のフルスケー
ル誤差を含まない理想的な測温値としてROM421内
に格納されている測温値データテーブルからVD1、V
D2に対応するデジタル量VD3、VD4を読み出し、
処理611により、例えば下記370の直線補正式によ
り、メモリ421内の各温度Tに対する補正測温値△T
を計算しこの値をROM421の測温値に加算し、その
結果をRAM423に校正された測温値データテーブル
として格納し、温度制御を実行する際のテーブルとす
る。
【0088】
【数2】
【0089】上記の結果を図28にグラフで示す。
【0090】なお、上記実施例では基準抵抗器402、
403を上記説明のように30K、−20Kの2点校正
としているが、30Kのみの一点校正或いは、上記に加
えて0K、10Kの校正温度を追加し、補正も直線に依
らず高次の曲線補正を行うことも可能であることは明白
である。また、処理602から606の温度センサ14
4の処理に対応する温度センサ145、463の処理は
同様であり、それぞれ処理607、608で示し、同様
にして、処理610、611内に上記と同様に温度セン
サ145、463に対する処理も含めるとする。
【0091】次に、上記により校正された電圧変換回路
450を用いたロータ160の温度制御について説明す
る。
【0092】チャンバ140内は真空に保たれるため、
ロータ160はボウル135からの輻射で冷却・加熱さ
れる。このとき、ロータ160の温度TRは、フレキシブ
ル・シャフト147から伝わってくるモータ100の発
熱TSと、輻射で伝わる該ボウル135の温度TBと、ボ
ウル135と熱的に絶縁されているドア133の温度TD
とによって次式(5)のように表式化できる。
【0093】 A×(TS−TR)=B×(TR4−TB4)+C×(TR4−TD4)………(5) 式(5)では各温度を絶対温度で示している。A、B、
Cは、駆動部や該ボウル、該ドアの材質、大きさ、取り
付け位置などで決まる値である。
【0094】次に、各絶対温度を摂氏温度(t)に変換
し、四次式を展開、近似計算を行うことでロータ160
の温度tRを求める一次式は次式(6)のようになる。
【0095】 tR=(a×tS)+(b×tB)+(c×tD)………(6) (但し、a+b+c≒1) 式(6)において、a、b、cは式(5)を絶対温度か
ら摂氏温度に変換するときA、B、Cに対応する係数で
あって、aはtSの、bはtBの、cはtDのそれぞれ
補正を行なう。
【0096】ロータ160の温度tRに伝わる各温度の
中で、ユーザ、実験者が任意の温度に変更できるのはボ
ウル135の温度tBのみである。よって、実験条件に
適応する温度にロータ160の温度tRを制御するため
には、ボウル135の温度tBを式(6)から得られる
値に設定すると良い。即ち、設定すべきボウル135の
温度tBを求めるには式(6)から次式(7)になおせ
ばよい。
【0097】 tB=(1/b)×tR−(a/b)×tS−(c/b)×tD………(7) 遠心分離機1の運転時に、ユーザは図23の操作パネル
497からロータ160の回転数、運転時間、制御すべ
き温度tRを入力する。
【0098】運転開始後、ドア133の温度tDをドア
用温度センサ499で検出し、駆動部温度としてシャフ
ト・ケース112の温度tSをシャフト・ケース用温度
センサ145で検出する。上部軸受104及び下部軸受
105等のボール・ベアリングやモータ100の発熱が
フレキシブル・シャフト147からロータ160へ伝わ
ってくることが判っている。上部軸受104及び下部軸
受105等のボール・ベアリングの発熱量は室温に対し
ての上昇値である。またシャフト・ケース112の室温
に対しての上昇値は、上部軸受104及び下部軸受10
5等のボール・ベアリングの発熱量と比例関係にあるこ
とが判っている。これは、シャフト・ケース112が熱
伝導の良いアルミニウムを素材にしており、上部軸受1
04及び下部軸受105等のボール・ベアリングと熱的
に接触していることによる。よって、シャフト・ケース
112に温度センサ462を取り付けることで、上部軸
受104及び下部軸受105等のボール・ベアリングの
発熱量を間接的に導くことができる。この結果、各温度
センサは、それぞれの温度に見合った電圧をアナログ信
号として出力している。各温度センサからのアナログ信
号は、図23に示すA/D変換器407でデジタル信号
に変換され、CPU406に入力される。ROM421
には式(7)がプログラムされている。検出したシャフ
ト・ケース112の温度tS、ドア133の温度tDと
ユーザの設定温度tRを利用し、維持すべきボウル13
5の温度tBは式(7)から計算される。このようにし
て、ボウル135の温度をボウル135用温度センサ1
44で測定し、冷却・加熱を行うサーモ・モジュール1
43を使い、計算で得られたボウル135の温度tBに
なるように動作させる。
【0099】tB、tDを一定に維持し、回転数を変
え、tSとtRの関係を求めた実験より、遠心分離機1
における式(6)の係数値aは、チャンバ140内が真
空に保たれ、駆動部の発熱の割合が大きくなるのでa=
0.117となった。次に、一定回転数でtS、tDを
一定にし、tRとtBの関係から、係数値bを求めた。
その結果、b=0.823となった。更に、tS、tB
を一定にしてcを求めると、c=0.060が得られ
た。ここで、a+b+c=1であった。
【0100】一方、これらの値から式(7)の係数値
は、(1/b)=1.22、(a/b)=0.15、(c/b)
=0.07である。これらの準備のもと以下の条件で確
認実験を行なった。
【0101】回転数100,000min~1でロータ設
定温度はtR=4℃である。このとき、ドア133の温
度tD=30℃であった。そして、シャフト・ケース温
度tS=46℃を示した。この条件で、ロータ160の
温度tRを4℃に制御するには、式(7)に、tR=4
℃、tS=46℃、tD=30℃を代入し、tB=−
4.1℃を得た。そこで、ボウル135の温度を−4.
1℃に設定して、以下に示す温度制御方法により、サー
モ・モジュール143の温度制御を行なったところ、ロ
ータ160の温度が3.7℃となった。
【0102】ここで、シャフト・ケース112とハウジ
ング111は接触しているため、ハウジング111の温
度は、シャフト・ケース112の温度tSに近い値とな
る。よって、駆動部温度として、ハウジング用温度セン
サ145としてハウジング111の温度をひろい、シャ
フト・ケース温度tSに代わるパラメータとして、下記
のTHを用い式(7)の計算を行っても、上記と同様の
結果が得られた。更に、ドア133はボウル135とは
熱的に絶縁されていて、チャンバ140の外気にさらさ
れているので、ドア133の温度tDはチャンバ140
の外気温度に近い値となる。よって外気温用温度センサ
463を用いてチャンバ140の外気温度を測定し、ド
ア133の温度tDに代わるパラメータとして下記のT
Aを用い式(7)の計算を行っても上記と同様の結果が
得られた。従って、下記に示す式(8)の計算によって
温度制御を行う。
【0103】処理612から616はRAM423上の
校正データを用いた温度制御に関するcpu406の演
算処理手順を示したものであり、処理612により切換
器419を逐次切り換え温度センサ144、145及び
463に基づく出力信号を出力信号線413、416及
び417からA/D変換器407を介してデジタル量と
して読み込み、RAM423のそれぞれの温度センサに
対応する校正データからそれぞれの測温値を求める。こ
の時RAM423の校正データは離散的なデータである
から、直線補間或いは曲線補間により測温値から温度を
算出する。次に処理613において、下記の計算式
(8)を用いて制御目標温度を算出する。
【0104】 TR=Ka・TSET+Kb・TH+Kc・TA………(8) TR =温度センサ144が保つべき温度 TSET =ロータ160内の試料の制御目標温度 TH =温度センサ145の温度 TA =温度センサ463の温度 Ka,Kb,Kc=遠心分離機により定まる固有の定数 従って、式(8)のTRが温度センサ144の温度TB
Lに等しくなるように処理614によりPID演算によ
りサーモ・モジュール425に供給される電力の大きさ
と印加電流の向きを調節し温度制御を行い、PID演算
は例えば下記に示す計算式(9)を用いる。
【0105】
【数3】
【0106】処理615においては、式(9)の演算に
より求められたTPWM絶対値をタイマ値としてタイマ4
79に書き込み、TPWMの符号に対応して、TPWMが正な
らば加熱信号出力線434を論理「1」にしサーモ・モ
ジュール425を加熱動作とし、逆にTPWMが負ならば
冷凍信号出力線435を論理「1」にしサーモ・モジュ
ール425を冷凍動作とする。図29にPWM制御の様子
を示し、一定なPWM1周期中におけるタイマ479の出
力により論理「1」の区間がタイマ値により変更され、
サーモ・モジュール425の加熱もしくは冷凍の度合が
調節される。処理616は処理612〜615の処理タ
イミングを図29のPWM1周期に同期させるためのタイ
ミング調整処理である。
【0107】さて、処理600は校正動作を行わせるた
めの判断であり、操作パネル462のキー等の操作によ
り校正処理602以下が自動的に実施されることが判か
り、またパネルキーを操作しない状態では判断600の
処理では判断601に分岐しこの時校正が終了していれ
ば以前の校正処理の中で処理609にて既にメモリ42
2に校正済フラグがセットされているから処理610に
分岐し不揮発正メモリ422の校正データ、ROM42
1の誤差を含まない温度テーブルによりRAM423上
に校正データを作成し、しかる後、温度制御が行われる
ようになっている。またこの時、校正を終了していなけ
れば校正動作完了後に温度制御が行われる。
【0108】この時、上記方法では、ハウジング111
用温度センサ145は、発熱源である上部軸受104及
び下部軸受105等のボール・ベアリングから離れた位
置にあるため、該ボール・ベアリングの温度が数分
(例:約2分)で上昇しきってしまうのに対し、温度セ
ンサ145の温度は、上昇時間が十数分〜数十分程
(例:約20分)かかってしまう。
【0109】よって、ハウジング111用温度センサ1
45の検出値THを式(8)に代入すると、制御温度T
Rが図30の線Iに示すように、安定するまで時間がか
かってしまう。(到達時間をτ1とすると1例として、
τ1=20分) 上記問題点を解決するため、図26の処理612から6
16に換えて図31のフローチャートに示すように、ま
ず処理617、618によりロータ160の回転数Nと
外気温TAとによってハウジング111の到達温度tS
Fを予測する。予測式は、実験結果より次式(10)で
表せることがわかっている。
【0110】 tSF=0.113×N+2.0+TA………(10) 式(10)で計算されたtSFを用いて、(TH=tS
F)ボウル温度制御値TRは、目標温度に到達する時間
が図9の線IIに示すように短絡することができる。
【0111】(到達時間をτ2とすると1例として、τ
2=5分) 次に式(10)による予測値を用いて、温度制御を行っ
たとき、駆動部本体の機差などで、予測値tSFと検出
値THが異なることがある。ハウジング111用温度セ
ンサ145での検出値THが予測値tSF付近となった
時点で、(TH=tSF)としなければならない。
【0112】その切り換えのタイミングとしてハウジン
グ111用温度センサ145での検出値THの変化量が
任意の時間内で所定の範囲内(例:2分間での変化量が
0.3℃以下)に収まった時点でTHをそのまま利用す
る。
【0113】以上の温度制御の動作をフローチャートに
表したのが図30の判断620及び処理621、622
である。また予測値tSFから検出値THへ切り替わる
タイミングとして、検出値THが、予測値tSFの一定
範囲内(例:tSF±2.0℃内)に収まったときを用
いても同様の結果が得られる。
【0114】(防音装置)本発明においては、運転時の
騒音を低減させるために、図32及び図33に示す構成
をとっている。テ−ブル11とフロントカバ−12とリ
ヤカバ−13とベ−ス14とサイドカバ−15とサイド
カバ−15に対向した図示していないサイドカバ−から
なる箱体の内部を上部仕切板17と縦仕切板18および
ベ−ス14面に配設した吸気ダクト19により概略A
室,B室,C室の三室を形成する。A室にはチャンバ−
21を配設し、B室に配設したモ−タ100によりチャ
ンバ−内でロ−タ−を回転する。B室にはコントロ−ル
ボックス22を配設し、前記モ−タ100の制御と共に
遠心分離装置の運転に必要な全ての制御を行なわせしめ
る。C室には油回転真空ポンプ23と油拡散真空ポンプ
24を配設し、チャンバ−21を真空状態に保持する。
【0115】モ−タ100はモ−タダクト52内に収納
され、該モ−タダクト52の一端に冷却ファン51を装
着し、他端は縦仕切板18に設けた通風口53に接続さ
れる。さらにコントロ−ルボックス22には、前記油回
転真空ポンプ23と対向する位置に冷却ファン54を配
設し、縦仕切板18にあらかじめ設けた開口部に挿入す
る。吸気ダクト19は装置外部の冷気をB室に直接導入
し、排気ダクト55はC室の熱気を効果的に装置外に排
気する。
【0116】以上の構成は遠心分離装置の騒音防止方法
に鑑みなされたもので、騒音発生量が多く発熱量が少な
いモ−タ100,コントロ−ルボックス22,冷却ファ
ン51,さらに図示しないペルチェ素子の熱交換用ファ
ンを密閉度が高いB室に配設し、騒音発生量が少なく発
熱量が多い油回転真空ポンプ23,油拡散真空ポンプ2
4をC室に配置した。これは騒音放射部位となる吸気口
25および排気口26に対して、騒音と熱の発生量を配
慮し工夫したものである。
【0117】以上の構成において遠心分離装置が運転状
態にあるときの該装置の防音と冷却について説明する。
図示した矢印は冷却空気の流れの概略を示したものであ
る。吸気口25から吸気ダクト19を通してB室に導入
した冷却空気の一部はコントロ−ルボックス22内部を
冷却後冷却ファン54によりC室に排出される。その
際、冷却ファン54に対向した油回転真空ポンプ23を
強制的に冷却し、該油回転真空ポンプ23は前記冷却フ
ァン54が発生する騒音に対しては衝立の役目をなし、
防音効果を生じる。
【0118】B室に導入した冷却空気の残りは図示しな
いペルチェ素子の熱交換用ファンによりC室に排出さ
れ、更に残りの冷却空気はモ−タ100の冷却ファン5
1によりモ−タダクト52に導かれ、モ−タ100を強
制的に冷却した後通風口53からC室に排出される。排
出された冷却風は通風口53の正面に配設した一段と高
温の油拡散真空ポンプ24を冷却するが、この時通風口
53に配設した案内板56と排気ダクト55の一面55
aは冷却空気を前記油拡散真空ポンプ24に効率良く導
き冷却を向上させる。
【0119】吸気ダクト19はモ−タ100や冷却ファ
ン1などの騒音が直線的に放射されない位置に配置する
と共に、吸気口25側で約90°折り曲げて騒音の伝達
量を低減している。この場合、吸気ダクト19の内壁に
吸音材を装着すれば一層の防音効果が得られることは明
白である。排気ダクト55は断面コ字形部材の開放端を
リヤカバ13に近接させ、一端を上部仕切板17に固定
し、リヤカバ13に配設した排気口26を配置すること
により形成される。排気ダクト55も排気口26で約9
0°折り曲げるとともに、内面55bに吸音材57bを
装着して防音効果を高める。さらに油拡散真空ポンプ2
4に対向した排気ダクトの一面55aに吸音材57aを
装着し、モ−タ100の運転音、冷却ファン51の回転
音など、遠心分離装置の内部で発生する騒音を吸収,反
射する工夫をして防音効果を高めている。
【0120】遠心分離装置のように騒音を発生する機器
を装置内部に収納しているものにおいて、効果的に騒音
防止を行なうためには装置の密閉度が重要であることは
周知である。しかし、この種の遠心分離装置ではテ−ブ
ル11に作業用の開閉ドアが設けられ、A室から装置外
部との密閉度が著しく低下する。そのため、B室、C室
で発生した音が外部に洩れ出ないようにすることが必要
であり、上部仕切板17に生じる隙間をなくすことが重
要となる。本発明では油拡散真空ポンプ24が上部仕切
板17を貫通する部分に生じる隙間を変形自在な弾性部
材58aで充填し、さらに上部仕切板17の端面に対向
したフロントカバ12の内面に変形自在な弾性部材58
bを装着して上部仕切り板17の端面とフロントカバ1
2の内面との間に生じる隙間をなくすなどの工夫をして
いる。
【0121】遠心分離装置の開口部の大きさは騒音防止
と装置の冷却に対して相反する効果を生じる。即ち開口
部を大きくし多量の冷却風を供給した場合、装置の冷却
に有利であるが騒音防止には不利となる。装置の開口部
の面積は必要最小限の冷却風量を得る面積に制限し、吸
気口25,排気口26の面積はほぼ同等とする。更に機
器の冷却効果を高めることは冷却ファンの小型化と開口
部の面積縮小を可能とし、騒音防止効果を高めることに
通じる。
【0122】モ−タ100の外周面には冷却効果を高め
る複数のフィン115が形成され、該フィン115の外
周端面に冷却空気案内部材59を装着してモ−タ100
の冷却を一段と高める工夫をしている。
【0123】図33は本発明の一実施例にかかるモ−タ
100,モ−タダクト52の配置に関する断面図を示し
ている。図においてフィン115の外周部とモ−タダク
ト52内面の最接近部付近52a,52bから冷却空気
流出方向に向けて、複数のフィン115の外周端面に冷
却空気案内部材59を装着し、フィン115とモ−タダ
クト52内面との最近接部付近52a,52bにおい
て、冷却空気の流出方向の風路を狭窄し、前記冷却空気
案内部材59と前記フィン115と前記モ−タ100の
表面で形成される冷却風路は冷却ファン51より送られ
る冷却空気を強制的にモ−タ100後方部へ案内する。
このため、モ−タ100の冷却はフィン115前方のみ
でなくフィン115の全体で行なわれ、効率良く冷却で
きる。
【0124】冷却空気案内部材59の装着位置はフィン
115とモ−タダクト52内面との最近接部付近52
a,52bから冷却空気の流出方向に向けて任意の角度
で装着して良いが、装着範囲を50°〜70°とした場
合最も高い効果が得られる。冷却効率が向上したことに
より、従来より小能力の冷却ファンが使用可能となり、
冷却ファン51の騒音発生量を低減し、防音効果が生じ
る。
【0125】また冷却空気案内部材59に振動抑止部材
を用いることにより、フィン115の振動を抑制するの
で該フィン115から発生する騒音を低減する。振動抑
止部材としては、ゴム系材料,アスハルト系材料,金属
材料,あるいは金属材料と前記のゴム系,アスハルト系
材料との複合部材からなる一般的な振動抑止部材を適用
できる。
【0126】(多段運転)短い遠心分離時間で効率良く
液体試料を分離できる多段運転方法を、プラスミドDN
Aの分離を例に図34〜図37で説明する。
【0127】プラスミドpUC19DNAを移入した大
腸菌JM109をアンピシリン添加の培養液L−bro
th25ml中で約5時間培養し、培養液を3,000
rpmで15分間遠心し大腸菌の菌体を沈殿として得
る。得られた菌体をアルカリSDS法で溶解し、この菌
ライセートを10,000rpmで20分間遠心し粗プ
ラスミド抽出液を上清として得る。得られた上清に2.
5倍量のエタノールを加え−20℃に1時間放置し1
0,000rpmで30分間遠心する。上清を捨てアス
ピレータなどによりエタノールを除去し、残ったペレッ
トに5mlの10Mトリスー塩酸緩衝液(pH8.0)
を加え十分に溶解する。ここから1mlを取り、これに
0.38mlの10mMトリスー(pH8.0)、0.
32gの塩化セシウム、及び40μlの臭化エチジウム
(10mg/ml)を加えて十分に混和し、これを分離
試料とし2mlのチューブに移す。チューブが分離試料
で満たされないときには、予め作成しておいた補充液
(10mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)1mlあた
り塩化セシウム0.93gを溶解したもの)を加えチュ
ーブを所定量の試料液で満たす。これを最高回転数15
0,000rpm、最大遠心加速度900,000×g
のアングルロータにセットし、図34に示す如く15
0,000rpmで80分、続いて130,000rp
mで25分、続いて120,000rpmで10分、続
いて100,000rpmで10分、続いて80,00
0rpmで25分の5段階で豪計分遠心することによ
り、図37に示す如くプラスミドDNA601を混在す
る染色体DNA602、タンパク質603及びRNA6
04から分離することができる。この分離はロータによ
り、図35に示す如く150,000rpmで110分
続いて120,000rpmで10分、続いて110,
000rpmで10分続いて00,000rpmで5
分、続いて95,000rpmで5分、続いて90,0
00rpmで10分の6段階合計150分の遠心によっ
ても分離することができる。しかし、図36に示す如く
150,000rpmで60分、続いて120,000
rpmで20分、続いて110,000rpmで15
分、続いて100,000rpmで5分、続いて90,
000rpmで5分、続いて85,000rpmで45
分の6段階合計150分の遠心では十分に分離すること
はできない。
【0128】
【発明の効果】本発明によれば、分離時間が短縮できて
効率良い分離が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明になる遠心分離機を示す縦断側面図で
ある。
【図2】 本発明になる遠心分離機を示す縦断側面図で
ある。
【図3】 本発明になる遠心分離機の一部拡大縦断側面
図である。
【図4】 本発明になるロータの一実施例を示す一部縦
断側面図である。
【図5】 本発明になるロータの他の実施例を示す縦断
側面図である。
【図6】 本発明になる遠心分離機の具体的実施例を示
すブロック図である。
【図7】 図6における部分的な他の実施例を示す電気
回路図である。
【図8】 図6の詳細な実施例を示す回路図である。
【図9】 図6の詳細な実施例を示す回路図である。
【図10】 本発明になるモータの回転数と時間の関係
を示すグラフである。
【図11】 本発明になるPAM制御の動作状況を模擬
的に示す波形図である。
【図12】 本発明になる三相PWMインバータの波形
を示す波形図である。
【図13】 本発明になるスイッチング素子のドライブ
回路図を示す回路図である。
【図14】 本発明になる電源用双方向電力変換器のカ
行動作時のスイッチング素子のオン、オフパターンを示
す説明図である。
【図15】 本発明になるコントロールiCの機能を示
す回路図である。
【図16】 本発明になるROMの記憶内容を示す説明
図である。
【図17】 本発明になるコンデンサの容量をパラメー
タとするJCOの入力バイアス電圧に対する出力周波数
の関係を示す説明図である。
【図18】 本発明になる電源用双方向電力変換器の回
生動作時のスイッチング素子のオン、オフパターンを示
す説明図である。
【図19】 本発明になる三相PWMインバータの直流
制動のオン、オフパターンを示す波形図である。
【図20】 本発明になる減速パターンを示すグラフで
ある。
【図21】 本発明になるドライブ回路の電源供給回路
を示す回路図である。
【図22】 本発明になるコンデンサ切換時のオン、オ
フパターンを示す波形図である。
【図23】 本発明になる遠心分離機の温度制御装置の
一実施例を示す回路図である。
【図24】 本発明になる電圧変換回路を示す回路図で
ある。
【図25】 本発明になるドライブ回路及びインターフ
ェイス回路を示す回路図である。
【図26】 本発明になる温度校正及び温度制御の演算
処理手順を示すフローチャートである。
【図27】 本発明になる測音値テーブルを示す概念図
である。
【図28】 本発明になる温度校正状況を示すグラフで
ある。
【図29】 本発明になるPWM制御の状況を示すタイ
ムチャートである。
【図30】 本発明になる制御温度TRの時間経過を示
すグラフである。
【図31】 本発明になる部分的に示す他のフローチャ
ートである。
【図32】 本発明になる遠心分離機を示す一部縦断側
面図である。
【図33】 本発明になるモ−タ及びモ−タダクトの配
置を示す断面図である。
【図34】 本発明になるプラスミドDNAの分離を目
的とする遠心分離条件を示すグラフである。
【図35】 本発明になるプラスミドDNAの分離を目
的とする遠心分離条件を示すグラフである。
【図36】 本発明になるプラスミドDNAの分離を目
的とする遠心分離条件を示すグラフである。
【図37】 本発明になるプラスミドDNAの分離結果
を示すグラフである。
【符号の説明】
100は超高速モータ、140はチャンバ、160は超
高速ロータである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 正隆 茨城県ひたちなか市武田1060番地 日立工 機株式会社内 (72)発明者 今野 達也 茨城県ひたちなか市武田1060番地 日立工 機株式会社内 (72)発明者 坂本 眞一 茨城県ひたちなか市武田1060番地 日立工 機株式会社内 (72)発明者 石川 光幸 茨城県ひたちなか市武田1060番地 日立工 機株式会社内 (72)発明者 稲庭 雅裕 茨城県ひたちなか市武田1060番地 日立工 機株式会社内 (72)発明者 大津 新喜 茨城県ひたちなか市武田1060番地 日立工 機株式会社内 (72)発明者 我妻 真二 茨城県ひたちなか市武田1060番地 日立工 機株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体をロータに収容し、該ロータを少な
    くとも15万回転/分で回転させて少なくとも90万G
    の遠心加速度を与えて液体を分離することを特徴とする
    液体の分離方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも15万回転/分の超高速回転
    駆動装置と、該駆動装置の回転を制御する電機的回転制
    御装置と、前記回転駆動装置に着脱自在に連結され真空
    のチャンバ内で回転して内部に収容した分離液体に少な
    くとも90万Gの遠心加速度を与える超高速回転ロータ
    と、前記ロータを所定の温度に保持するために前記チャ
    ンバ内の温度を制御する温度制御装置と、を備えたこと
    を特徴とする液体の遠心分離液体の遠心分離装置。
JP30612295A 1995-11-24 1995-11-24 液体の遠心分離方法とその装置 Withdrawn JPH09141137A (ja)

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