JPH11255442A - エレベータ制御装置 - Google Patents

エレベータ制御装置

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JPH11255442A
JPH11255442A JP10063236A JP6323698A JPH11255442A JP H11255442 A JPH11255442 A JP H11255442A JP 10063236 A JP10063236 A JP 10063236A JP 6323698 A JP6323698 A JP 6323698A JP H11255442 A JPH11255442 A JP H11255442A
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signal
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Abstract

(57)【要約】 【課題】IGBTのジャンクション温度上昇を抑制で
き、IGBT内チップの熱暴走による熱損を防止できる
エレベータ制御装置を得る。 【解決手段】電流検出器13からの出力信号と近似式よ
り瞬時のスイッチングロスを演算する演算器20、IG
BTがオンし一定電流が流れている時の電流とIGBT
間主回路飽和電圧の関係を式で表わし、13からの信号
信号と近似多項式より瞬時のオンロスを演算する演算器
21、20の出力信号と三角波設定信号の周波数により
スイッチングロスの平均を演算する演算器22、21の
出力信号とインバータ出力周波数に基づきオンロスの平
均値を演算する演算器23、22及び23の出力信号を
加算しIGBT内チップ当りの平均ロスを演算する演算
器25、該チップと放電面の過渡熱抵抗と該チップ当り
平均ロス演算器出力よりチップでのジャンクション温度
上昇を加算していく加算器26を備えたもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体パワー素子
からなるインバータ装置、または該インバータ装置及び
半導体パワー素子からなるコンバータ装置を備えたエレ
ベータ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のインバータ制御装置を備えたエレ
ベータ制御装置の一例の概略構成を図17に示す。図中
34は三相交流電源、、35は三相交流電源34を整流
して直流に変換する整流器である。36は整流器36の
出力である直流電源を平滑する平滑コンデンサ、12は
平滑コンデンサ36を直流電源として可変電圧可変周波
数のインバータ制御により交流電力に変換するインバー
タ装置である。14はインバータ装置12により駆動す
る三相誘導電動機(以下電動機と称する)である。30
は電動機14に直結され図示しない減速機等を介して一
緒に回転するシーブである。
【0003】又、16はカウンターウェイトで、これは
シーブ30に対しロープを介してエレベータかご17と
つるべ式に構成されている。37はインバータ装置12
を構成している半導体パワー素子(図ではIGBTで表
わしているが、これに限るものではない:以下パワー素
子と称する)の冷却器に取付けられる設定温度検出用サ
ーモスタットである。
【0004】このような構成装置の概略の動作として
は、交流電源34の交流を整流器35で整流し、該直流
を平滑コンデンサ36に蓄える。エレベータが起動する
時前記直流電源よりエネルギーを供給してインバータ装
置12で電動機14を駆動することにより、シーブ30
が回転してかご17及びカウンターウェイト16が上下
方向に移動する。運転が継続されると、パワー素子発熱
損失が徐々に蓄積されていきパワー素子放熱面温度が上
昇していく。そして、更に運転条件、周囲温度等の影響
によりサーモスタット37の設定温度に達すると、サー
モスタット37より検出信号を出力することにより、エ
レベータを停止させたり、最寄階着床させたりしてエレ
ベータの運転を一旦中止させている。
【0005】又、このサーモスタットの設定温度の決め
方として過負荷最大時のパワー素子内チップのジャンク
ション温度上昇を指定してパワー素子保証可能最大温度
以下になるように設定される。
【0006】次に、上記パワー素子内チップのジャンク
ション温度上昇の計算方法について概要説明する。エレ
ベータの運転として図18に示すような運転パターンと
なる。図18中31は速度設定器(後述)から出力され
る速度パターンで加速領域A、定常走行(定格速度)領
域B、減速領域Cによって構成されている。図中32は
前記速度設定器の出力と速度検出器(後述)の出力の偏
差信号にかご荷重信号(後述)を加算したトルク指令信
号で、この電圧の大きさに従って電動機14に流れる出
力電流の大きさが決定される。インバータ出力電流33
は、A領域の左側速度が0の時、周波数が0Hzから始
まり速度が速くなるに従い周波数が高くなり、加速領域
Aの右側で定格速度に到ると出力電流も定格周波数にな
る。減速時も同様に周波数が徐々に低くなり停止時に周
波数も0Hzになる。
【0007】又、加速領域Aにおいて定常走行領域Bよ
り電流が大きいのは、電動機14の直結されるシーブ3
0の負荷となるカウンターウェイト16及びかご17も
一緒に加速されるため、それらの慣性力も含めて大きな
電流が必要となる。加速トルクTFLACC を表わすと以下
に示す(1)式のようになる TFLACC =(GDM 2 +GDS 2 )k・α+TM …(1) ここで、GDM 2 :電動機14の慣性モーメント、GD
S 2 :シーブ以降負荷(カウンターウェイト、かご自
重、積載)の慣性モーメント、k:モータ軸からシーブ
30までの回転方向における軸換算係数、α:加速度、
M :定常走行における定格トルク。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このようにエレベータ
かごを加速する時には上記TFLACC の駆動トルクを電動
機に与えるため、定格に対し大きな電流を流す必要があ
り、更に可変周波数制御を行なうため速度が低いときは
低い周波数の電流を流すため、インバータ装置12内の
パワー素子に対する負担が大きくなる。
【0009】上記低周波大電流の電流がパワー素子に流
れる時のパワー素子内チップのジャンクション温度上昇
の計算として、周波数が時々刻々と変化していくため、
この周波数を基準にして損失を計算すると不明確とな
り、例えば0Hz近辺の周波数における最大電流で損失
を計算すれば制御周波数としてほとんど直流的な計算で
損失を求めるため、平均損失として大きくなり、その平
均損失におけるジャンクション温度を保証可能最大温度
以下に抑えようとすると定常損失時の冷却フィンの温度
上昇を低く抑える必要があり冷却装置として大形にな
る。
【0010】又、比較的高い時の周波数における最大電
流で損失を計算すれば、平均損失として直流電流の時の
損失に対し、1/πされた損失となり、小さめに計算さ
れるため、実際の低周波大電流通電時は余裕度がなく、
場合によってはジャンクション温度が保証可能最大温度
を越えてしまい、熱暴走によりパワー素子が破損してし
まうこともある。
【0011】更に、実際の電流は0Aから最大電流まで
その周波数で決まった周期で正弦波状に変化しているた
め、瞬時瞬時に変わる損失に対し平均的な損失しか求め
られないため、低周波大電流通電時に求めた損失は正確
さを欠き、実際の損失に対し大きい値か、小さい値か判
断できなかったため、冷却器の設計時はかなり熱的にマ
ージンをとったものとなってしまっていた。
【0012】上記で記載した他、IGBTのチップ温度
を検出するインテリジェントパワー素子(IPM)が最
近市場に出回ってきたが、上記検出器による検出におい
てもジャンクション部の過渡的な温度上昇には追従でき
ないため、エレベータで使用する場合、図17の領域A
での瞬時の温度上昇は検出できず、保証可能最大温度を
越えてしまうことは十分考えられ、IGBT内チップ面
ジャンクション温度に対する完全な検出機能にはなって
いない。
【0013】本発明は、インバータ装置等の電力変換装
置を構成しているパワー素子のジャンクション温度上昇
を抑制でき、パワー素子内チップの熱暴走による熱損を
防止できるエレベータ制御装置を提供することを目的と
する。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項1に対応する発明は、エレベータかごを上下
方向に運転する交流電動機を駆動制御するインバータ装
置を有するエレベータ制御装置において、前記インバー
タ装置内半導体パワー素子のスイッチングする時の瞬時
のスイッチングロスを演算するスイッチングロス演算器
と、前記半導体パワー素子がオンし、一定電流が流れて
いる時の瞬時のオンロスを演算するオンロス演算器とを
備えたエレベータ制御装置てある。
【0015】請求項1に対応する発明によれば、スイッ
チングロス及びオンロスより瞬時のジャンクション温度
上昇を推定することにより、ジャンクション温度に応じ
て前記パワー素子に対する負荷を軽減することが可能と
なる。
【0016】前記目的を達成するため、請求項2に対応
する発明は、エレベータかごを上下方向に運転する交流
電動機を駆動制御するインバータ装置と、前記電動機の
回転速度を検出する速度検出器を設けて速度マイナルー
プ制御を行なう速度制御装置と、前記電動機に流れる電
流を検出する電流検出器を設けて電流マイナループ制御
を行なう電流制御装置と、PWM制御を行なうための三
角波信号を発生する装置及び設定装置と、前記電流制御
装置の出力信号と三角波信号をコンパレートし、更に信
号のデットタイムを作成する電圧制御装置と、前記電圧
制御装置の信号をインバータ装置の各半導体パワー素子
に供給するゲートドライブ装置を有するエレベータ制御
装置において、前記インバータ装置内半導体パワー素子
のスイッチングする時の電流と損失の関係を1次以上の
近似多項式に表わし、電流検出器からの出力信号と前記
近似多項式より瞬時のスイッチングロスを演算するスイ
ッチングロス演算器と、前記半導体パワー素子がオン
し、一定電流が流れている時の電流とパワー素子間主回
路飽和電圧の関係を1次以上の近似多項式で表わし、前
記電流検出器からの信号信号と前記近似多項式より瞬時
のオンロスを演算するオンロス演算器と、前記スイッチ
ングロス演算器の出力信号と前記設定装置からの周波数
に基づきスイッチングロスの平均を演算する平均スイッ
チングロス演算器と、前記オンロス演算器の出力信号と
前記速度検出器から検出されるインバータ出力周波数に
基づきオンロスの平均値を演算する平均定常オンロス演
算器と、前記平均スイッチングロス演算器及び平均定常
オンロス演算器の出力信号を加算し半導体パワー素子内
チップ当りの平均ロスを演算するチップ当り平均ロス演
算器と、前記チップと放熱面の過渡熱抵抗と前記チップ
当り平均ロス演算器出力よりチップでのジャンクション
温度上昇を加算していくチップジャンクション温度上昇
加算器とを備えたエレベータ制御装置である。
【0017】請求項2に対応する発明によれば、以下の
ような作用が得られる。エレベータ運転時に特有の加減
速時の低周波大電流通電時においても電流が正弦波状に
流れている時の時々刻々の瞬時の電流に対するパワー素
子の損失をスイッチングロス、オンロスで個別に演算し
てその瞬時におけるジャンクション温度上昇を演算する
ことで、パワー素子冷却器の放熱面の温度を加算して瞬
時におけるパワー素子チップジャンクション温度の絶対
値がわかるため、パワー素子保証可能最大温度に到ると
瞬時にキャリア周波数を下げたり、加速度を下げて電流
最大値を減らしたりエレベータを停止させたりして、パ
ワー素子チップジャンクション温度を常に保証可能対代
温度以下の所で、インバータ制御、コンバータ制御を行
なうことができるようになる。
【0018】前記目的を達成するため、請求項3に対応
する発明は、請求項2に記載のエレベータ制御装置にお
いて、前記インバータ装置の半導体パワー素子を取付け
る冷却器の放熱面に取付けたサーミスタ等のリニアリテ
ィに温度検出可能な温度検出器と、前記チップジャンク
ション温度上昇加算器出力と前記温度検出器出力を加算
するジャンクション温度加算器と、前記ジャンクション
温度加算器出力を入力して半導体パワー素子の保証可能
最大温度と比較するジャンクション温度コンパレータと
を有したものである。
【0019】前記目的を達成するため、請求項4に対応
する発明は、請求項3に記載のエレベータ制御装置にお
いて、前記ジャンクション温度コンパレータが動作し、
ジャンクション温度が保証可能最大温度を越えているこ
とを検出した時、前記速度制御装置内に含まれるエレベ
ータ速度設定器の加速度又は減速度を下げるように設定
変更するように構成したエレベータ制御装置。
【0020】前記目的を達成するため、請求項5に対応
する発明は、請求項3に記載のエレベータ制御装置にお
いて、前記ジャンクション温度コンパレータが動作し、
ジャンクション温度が保証可能最大温度を越えているこ
とを検出した時、エレベータが加速モードで運転してい
る場合、検出した瞬間より前記速度制御装置内に含まれ
るエレベータ速度設定器の設定を加速モードより減速モ
ードにしてあるいは、前記電動機に対し電磁ブレーキを
かけ一旦停止させるようにし、一定時間経過又は前記温
度検出器の温度出力が一定の設定値以下になった後で再
起動をかけ、エレベータ運転を継続するようにしたエレ
ベータ制御装置である。
【0021】前記目的を達成するため、請求項6に対応
する発明は、請求項2に記載のエレベータ制御装置にお
いて、前記速度制御装置内に含まれるエレベータ速度設
定器の出力と前記速度検出器の出力の偏差信号の極性に
応じて力行・回生モード状態であることを検出する力行
・回生モード検出器を有し、前記力行・回生モード検出
器が力行モードを検出した時は、前記オンロス演算器に
おいて前記ゲートドライブ装置のオン信号が入っている
区間だけオンロスを演算し、前記力行・回生モード検出
器が回生モードを検出した時は前記ゲートドライブ装置
のオフ信号が入っている区間だけオンロスを演算するよ
うにしたエレベータ制御装置である。
【0022】前記目的を達成するため、請求項7に対応
する発明は、請求項2に記載のエレベータ制御装置にお
いて、前記オンロス演算器の演算をデジタル演算する時
の演算方法として力行モードの場合ゲートドライブ装置
にオン信号が入っている区間の間一定の演算周期ごとに
オンロスを演算し、オン信号が終了するまで各周期ごと
に演算されたオンロスを加算していきオン信号が終了し
た時点でその時のオン信号におけるトータルオンロスと
してオンロス演算器より出力するようにしたエレベータ
制御装置である。
【0023】前記目的を達成するため、請求項8に対応
する発明は、請求項2に記載のエレベータ制御装置にお
いて、オンロス演算器の演算をアナログ素子で演算する
時の方法として、力行モードの場合アナログ素子を検出
電流とその電流が流れる時の前記半導体素子の主回路電
圧の乗算器と、前記乗算器出力を積分していく積分器で
構成し、前記ゲートドライブ装置に入るオン信号のパル
スエッジで乗算器と積分器を動作開始させオフ信号のパ
ルスエッジで上記積分動作を中止しクリアをかけるとと
もに、それまで積分されてきた出力電圧を前記オンロス
演算器へ出力とするようにしたエレベータ制御装置であ
る。
【0024】前記目的を達成するため、請求項9に対応
する発明は、請求項2に記載のエレベータ制御装置にお
いて、前記スイッチングロス演算器の演算方法として前
記ゲートドライブ装置にオン信号又はオフ信号が入って
きた時点の検出電流に対し、その瞬間の検出電流の値で
のスイッチングオン、スイッチングオフロスを同時に演
算して加算し、その演算結果を1つのオンパルスでのス
イッチングロスとして前記スイッチングロス演算器より
出力するようにしたエレベータ制御装置である。
【0025】前記目的を達成するため、請求項10に対
応する発明は、請求項2に記載のエレベータ制御装置に
おいて、前記スイッチングロス演算器の演算方法として
前記ゲートドライブ装置からのゲートドライブ信号にオ
ン信号が入ってきた時点の検出電流に対し、その瞬間で
の検出電流の値でのスイッチングオンロスを演算し、ゲ
ートドライブ信号にオフ信号が入ってきた時点での検出
電流に対し、その瞬間での検出電流の値でのスイッチン
グオフロスを演算し、前記別々の時間で演算されたスイ
ッチングオンロス及びスイッチングオフロスを加算して
スイッチングロスとして前記スイッチングロス演算器よ
り出力するようにしたエレベータ制御装置である。
【0026】前記目的を達成するため、請求項11に対
応する発明は、請求項2に記載のエレベータ制御装置に
おいて、前記インバータ装置の入力側に、交流電源の交
流を直流に変換するコンバータ装置を接続したものであ
って、前記スイッチングロス演算器、前記オンロス演算
器、前記平均スイッチングロス演算器、前記平均定常オ
ンロス演算器、前記チップ当り平均ロス演算器、前記チ
ップジャンクション温度上昇加算器からなるジャンクシ
ョン温度上昇演算装置を付加したエレベータ制御装置で
ある。
【0027】前記目的を達成するため、請求項12に対
応する発明は、請求項2または3に記載のエレベータ制
御装置において、前記サーミスタ等の温度検出器の代わ
りにサーモスタット等の設定温度に至ると検出する設定
温度検出器を放熱面に取付けた構成とし、前記設定温度
検出器が検出した時又は検出している期間中において前
記ジャンクション温度加算器にその設定温度を加算して
ジャンクション温度を演算するようにしたエレベータ制
御装置である。
【0028】前記目的を達成するため、請求項13に対
応する発明は、請求項2または3に記載のエレベータ制
御装置において、前記交流電動機の1相分のみに対しジ
ャンクション温度を演算する装置一式を設けてジャンク
ション温度が保証可能最大温度を越えているかどうかを
監視するようにしたエレベータ制御装置である。
【0029】前記目的を達成するため、請求項14に対
応する発明は、請求項2または3に記載のエレベータ制
御装置において、前記交流電動機の2相又は3相全てに
対しジャンクション温度を演算する装置一式を設けてジ
ャンクション温度が保証可能最大温度を越えているかど
うかを監視するようにしたエレベータ制御装置である。
【0030】前記目的を達成するため、請求項15に対
応する発明は、請求項2または3に記載のエレベータ制
御装置で、相ごとに冷却器を個別に構成する大容量イン
バータ装置を有している冷却器にサーミスタ等の温度検
出器を取付けているエレベータ装置において、各相温度
検出器の出力を比較する比較器を有して温度検出器の最
大温度を検出している値を請求項3で記載したジャンク
ション温度加算器に入力して3相分のうち1相分のみの
ジャンクション温度を演算するようにしたエレベータ制
御装置である。
【0031】前記目的を達成するため、請求項16に対
応する発明は、請求項2または3に記載のエレベータ制
御装置で、相ごとに冷却器を個別に構成する大容量イン
バータ装置を有して各冷却器にサーミスタ等の温度検出
器を取付けているエレベータ装置において、各相温度検
出器の出力を3相分別々に設けたジャンクション温度加
算器に入力して各相個別にジャンクション温度を演算す
るようにしたエレベータ制御装置である。
【0032】請求項3〜16のいずれかに記載の発明に
よれば、インバータ装置等の電力変換装置を構成してい
るパワー素子のジャンクション温度上昇を抑制でき、パ
ワー素子内チップの熱暴走による熱損を防止できる
【0033】
【発明の実施の形態】<第1の実施形態:請求項1に対
応>図1は、第1の実施形態を示すブロック図であり、
図17と同一部分には同一符号を付してその説明を省略
する。
【0034】図中、1は図18で説明したエレベータ速
度パターン31を発生するエレベータ速度設定器、2は
電動機14の速度を検出する速度検出器15の出力と、
エレベータ速度設定器1の出力をマイナループで加算す
る速度加算器、3は前記速度加算器2の偏差を入力し比
例、積分、微分、振動抑制等の速度応答を調整する速度
演算器、4はエレベータかご17の荷重を検出する荷重
検出器18の検出信号と前記速度演算器3の出力を加算
する荷重信号加算器、5はインバータ装置12の出力電
流を検出する電流検出器3の出力と前記荷重信号加算器
4の出力をマイナループで加算する電流加算器、6は前
記電流加算器の偏差信号を入力し比例、積分等の電流応
答を調整する電流演算器、7はPWM制御を実施するた
めの三角波を発生するための三角波発生器、8は前記三
角波発生器7の振幅と周期(周波数)を設定する三角波
設定器、9は前記三角波発生器7と電流演算器6の出力
を入力して電圧指令信号を作成するコンパレータ、10
は前記コンパレータ9の出力となる電圧指令信号に対し
インバータ装置12の上側アームと下側アームのデット
タイムを設定するデッドタイム補正器、11はインバー
タ装置12の各パワー素子をドライブする信号を作成す
るゲートドライブ装置である。以上で説明した符号の装
置は、従来装置においても構成されていたものである。
【0035】本実施形態として、新しく追加された構成
要素は、以下に述べるものである。20はコンパレータ
9の出力である電圧指令の信号と電流検出器13の出力
を入力してパワー素子のスイッチングロスを演算するス
イッチングロス演算器、21はスイッチングロス演算器
20と同様電流信号と電圧指令信号を入力して、パワー
素子に電流が流れている時のオンロスを演算するオンロ
ス演算器、22は三角波設定器8からの三角波波形の周
波数信号と前記スイッチングロス演算器20の出力を入
力して、三角波信号のキャリア周波数に基づきスイッチ
ングロスの平均を演算する平均スイッチングロス演算
器、23は速度検出器15の速度信号より出力されたイ
ンバータ出力周波数に基づきオンロスの平均を演算する
平均定常オンロス演算器、24は前記平均スイッチング
ロス演算器22と平均定常オンロス演算器23の出力を
加算し瞬時のパワー素子発生損失を出力するパワー素子
スイッチングオンロス加算器、25は前記パワー素子ス
イッチングオンロス加算器24の出力を入力して瞬時に
おけるチップ当りの発生損失を演算するチップ当り平均
ロス演算器、26は前記チップ当り平均ロス演算器25
の出力を入力し、その瞬時の発生損失をチップ内でのジ
ャンクション温度上昇に換算するとともに、その瞬時瞬
時のジャンクション温度を加算していくチップジャンク
ション温度上昇加算器である。
【0036】なお、以上述べた構成以外に後述する実施
形態で必要とするサーミスタ27、ジャンクション温度
加算器28、ジャンクション温度コンパレータ29を備
えている。
【0037】次に、以上のように構成された第1の実施
形態の動作について説明する。図中符号1〜18,30
は従来エレベータにおける構成と同一のためこれらの動
作については説明省略する。まず、スイッチング演算器
20の動作、演算方法について説明する。IGBT等の
パワー素子は一般的にあるゲートドライブ条件に対し図
2に示すようなパワー素子に流れる電流IC と損失mj
の特性を有する。図2において、横軸はIGBTの主回
路トランジスタに流れる電流を示し、縦軸に各々の電流
値に対するスイッチング時の損失を表わし、Eonはスイ
ッチングオンする時の損失、Eoff はスイッチングオフ
する時の損失である。
【0038】まず、この特性を1次以上の多項式で表わ
し、IGBTに流れる電流に対する損失の関係式を定義
する。例えば、3次の多項式で表わすと仮定すると、以
下のようにEon,Eoff は表わされる。
【0039】 Eon=aIC 3 +bIC 2 +cIC +d (2)off =eIC 3 +fIC 2 +gIC +h ここで、IC :IGBTに流れる定格電流、a〜h:図
2の特性を3次多項式で表わした時の定数。
【0040】従って、コンパレータ9の出力による電圧
指令のパルスによる信号は、IGBTがオンする時のパ
ルスエッジが入った時をトリガ条件としてその時の瞬時
電流を読み込むことにより、その瞬時電流における
on,Eoff は(2)式より一義的に決定される。そこ
で決定されたEon,Eoff を加算することにより前記ト
リガ条件が入った時のスイッチングロスが演算される。
そして、図3に示すように次のIGBTオンパルスが入
って来たら、再度その瞬間における瞬時電流を読み込み
新しいEon,Eoff を演算するというような構成とな
る。上記Eon,Eoff の加算信号をPtsw とすると、
【0041】
【数1】 が成立ち、インバータ制御電流の1周期にn回スイッチ
ングした場合(3)式のようにスイッチングロスは加算
される。
【0042】次に、平均スイッチングロス演算器22に
ついて説明する。スイッチングロス演算器20で出力さ
れた信号に対し、三角波の周波数を乗算することによ
り、その瞬時のスイッチングロスPtsw に対し平均スイ
ッチングロスPsw(W) が演算される。
【0043】又、図4に示すようにインバータ装置12
の1アーム(例えばU相)のみでのIGBTへ流れる電
流を記載すると、U相負荷端子に図のような正弦波電流
が流れる時、正弦波の実線で示す電流はP側IGBT3
8がオンする時に流れるが、正弦波の破線で示す電流は
N側IGBT39に流れるため、P側IGBT38には
流れなくなる。従って、正弦波の1周期に対し、半サイ
クル分のみIGBTに損失が発生するため、P側IGB
T38に対する平均スイッチングロスは1/2となり、
sw(w) を式で示すと(4)式のようになる。
【0044】 ∴Psw=Ptsw ×fC ×1/2 (w) …(4) Psw:IGBTオンパルスが入った瞬間の平均スイッチ
ングロス fC :三角波キャリア周波数 次に、オンロス演算器21について説明する。IGBT
等の半導体素子はオンしてトランジスタに電流が流れて
いる時、図5に示すような電流と電圧の特性を有する。
図5において、横軸はIGBTの主回路トランジスタに
流れる電流を示し、縦軸に各々の電流値に対するトラン
ジスタのコレクターエミッタ間飽和電圧VCE(sat) を表
わす。従って、ここでもスイッチングロス演算時と同
様、図5の特性を1次以上の多項式で表わし、IGBT
に流れる電流に対するVCE(sat) の関係式を定義する。
例えば3次の多項式で表わすと仮定すると以下のように
表される。
【0045】 VCE(sat)(V)=kIC 3 +lIC 2 +mIC +n …(5) ここで、k〜h:図5の特性を3次の多項式で表わした
時の定数。従って、コンパレータ9の出力による電圧指
令のパルスによる信号は、IGBTがオンする時のパル
スエッジが入った時をトリガ条件にしてその時の瞬時電
流を読み込むことにより、その瞬時電流におけるV
CE(sat) は(5)式より一義的に決定される。
【0046】そして、上記オンパルスエッジが入ってか
らΔt(s) 後にオフパルスが入ったとすると、そのΔt
(s) 間におけるオンロスPton は以下のように表され
る。 Pton(J)=Δt×VCE(sat) ×IC …(6) (Δtの間IC の大きさが変わらない場合) もしくは、オンパルスが入った時の電流とオフパルスが
入った時の電流が異なる場合、図6のように台形近似し
てΔt(s) におけるオンロスを以下のように計算する。
【0047】 P1ton=VCE(sat)1×IC12ton=VCE(sat)2×IC2 …(7) ∴Pton(J)=Δt×(P1ton+P2ton)/2 上記のように(6),(7)式いずれかにより演算し
て、オンロス演算器21の出力信号とする。
【0048】次に、平均定常オンロス演算器23につい
て説明する。前記オンロス演算器21の出力信号に対
し、速度検出器15の速度信号から検出したインバータ
制御電流の周波数fを乗算することにより、平均定常オ
ンロスPon(W) が以下のように計算される。
【0049】 Pon(W) =Pton ×f …(8) (8)式で演算された値が平均定常オンロス演算器23
より出力される。そして、(4)式及び(8)式で演算
された平均スイッチングオンロスと平均定常オンロスを
IGBTスイッチング・オンロス加算器24で加算する
ことにより、図3のパルス列で示すIGBTオン信号が
入り、次のオン信号が入るまでの1回のスイッチング動
作におけるIGBTのトータル損失PLOSSが演算され
る。
【0050】そして、更に前記トータル損失PLOSSに対
しIGBT内チップ間の電流アンバランス等を考慮し、
電流アンバランス等の最も悪いチップに対するチップロ
スQを以下のように演算してチップ当り平均ロス演算器
25より出力する。
【0051】 Q(W) =A×PLOSS/N …(9) ここでA:チップ内での電流アンバランス等、N:IG
BT内に構成されるチップ総数。
【0052】最後に、チップに発生したトータル損失Q
に対し、チップ−放熱面に存在する熱抵抗Pth(fc)及び
IGBTチップの熱容量Cigbt等を含んだ熱回路網にト
ータル損失を、IGBTがスイッチングする毎に入力し
てその時のジャンクション温度上昇を順次加算してい
き、チップジャンクション温度上昇加算器26より出力
するようにしている。
【0053】このように正弦波状に発生する低周波電流
に対し瞬時瞬時の電流に対するIGBTロスを演算しな
がら、ジャンクション温度上昇を演算していけるので、
ジャンクション温度上昇に対し正確に演算が実施できる
ようになる。
【0054】以上述べた第1の実施形態によれば、図1
8の領域Aのような低周波大電流が流れる時にでも瞬時
瞬時におけるIGBT損失及びジャンクション温度上昇
を計算することにより、IGBT内チップのジャンクシ
ョン温度が保証可能で最大温度になったことを瞬時に計
算し、それ以上ジャンクション温度が上昇しないように
制御電流を下げたり、キャリア周波数を下げたり、エレ
ベータを停止させたりして損失増加を防ぎ、IGBTパ
ワー素子内チップの熱暴走による破損を防ぐことができ
る。 <第2の実施形態:請求項2に対応>第2の実施形態
は、図1に示したIGBTチップジャンクション温度上
昇の信号に基づくエレベータで、そのジャンクション温
度に対する保護する方法について述べる。
【0055】図1において、27はインバータ装置内I
GBTの放熱面に取付けたサーミスタ等のリニアリティ
に温度検出が可能な温度検出器、28はチップジャンク
ション温度上昇加算器26と、前記温度検出器27の出
力を入力し、チップジャンクション温度の絶対値を演算
するジャンクション温度加算器と、29は前記ジャンク
ション温度加算器28の出力を入力し、IGBTとして
保証されるジャンクション温度である保証可能最大温度
と比較し、前記最大温度を越えた出力を入力した時検出
信号を出力するジャンクション温度コンパレータで、そ
のコンパレータ9の出力は三角波設定器8に入力され
る。
【0056】又、図7は上記ジャンクション温度コンパ
レータが出力された時にその三角波キャリア周波数を変
更する具体的回路例を示す。図7において、40はプル
アップ抵抗、41はNANDゲート、42はインバータ
ゲートである。又、43,44は図1で示す符号の6〜
10までの装置を1つのICにまとめた時のゲートアレ
イおよDSP(デジタルシグナルプロセッサ)で電流制
御以降の演算をデジタル制御で実施する回路である。
【0057】次に、本実施形態の動作について、図1,
図7を参照して説明する。エレベータが連続して運転さ
れると、IGBTから発生する損失が放熱フィンで熱と
なり、冷却フィンの温度が上昇していくと、冷却フィン
の放熱面に取付けられた温度検出器27の出力が高くな
っていく。この温度検出器27の出力とチップジャンク
ション温度上昇加算器26の出力をジャンクション温度
加算器28に入力してチップ最大のジャンクション温度
絶対値Δtj が下記のように演算される。
【0058】 Δtj =ta +tigbt …(10) ここで、ta :温度検出器の出力信号、tigbt:チップ
ジャンクション温度上昇加算器の出力信号。
【0059】このΔtj が次のジャンクション温度コン
パレータ29に入力され保証可能最大温度Tj を越える
(Tj <Δtj )と、コンパレータ29の出力として
“H”の信号を出力する。又、コンパレータ29の出力
は、図7の29の所に入力されることになる。図7にお
いて、ゲートアレイ43のf1 端子が“H”の時はf1
の三角波キャリア周波数がGA内で設定されf2 端子が
“H”になるとGA内でf2 の三角波キャリア周波数に
設定される。コンパレータ29が検出していない時はN
ANDゲート41の入力のうち、コンパレータ29の信
号は“L”、そのもう一方の入力は常にプルアップ抵抗
40により“H”になっているため、NANDゲート4
1の出力は“H”となり、f1 端子が“H”、f2 端子
は“L”となっており、通常の三角波キャリア周波数f
1 で抑制される。
【0060】ところが、コンパレータ29が検出しその
出力が“H”になると、NANDゲート41の出力が
“L”となり、インバータゲート42の出力が“H”と
なることによりf1 端子が“L”、f2 端子が“H”と
なり三角波キャリア周波数はf2 に設定変更される。f
1 ,f2 の関係をf1 >f2 とすることによりコンパレ
ータ29が検出しチップジャンクション温度がTj <Δ
j の関係になると、三角波キャリア周波数を下げるこ
とが可能となる。この三角波キャリア周波数が下がると
いうことは(4)式で示すfC が下がることを意味し、
結局、平均スイッチングロスPswを小さくすることによ
り、チップ当り平均ロスQが下がりジャンクション温度
上昇を抑えて絶対ジャンクション温度Δtj を下げるこ
とができる。
【0061】このようにコンパレータ29が検出した瞬
間より、三角波キャリア周波数を下げ損失を抑えること
によりΔtj の絶対温度を抑制できる。なお、図7の回
路はオペアンプ等のアナログ素子を使用しても実現でき
る。
【0062】<第3の実施形態:請求項3に対応>第3
の実施形態を図1を参照して説明するが、第2の実施形
態で説明した三角波キャリア周波数以外の方法でジャン
クション絶対温度を下げる方法であり、以下これについ
て説明する。
【0063】図1中ジャンクション温度コンパレータ2
9でTj <Δtj の関係を検出する方法までは、第2の
実施形態と同じであるが、ここではその出力をエレベー
タ速度設定器の中に入力する。
【0064】この場合の動作について、図8を参照して
説明する。エレベータ速度パターン31が加速指令を出
し、エレベータが加速しようとした時、Dの時間が経過
した所でコンパレータ29が“H”を出力したとする
と、その時点より加速度設定を現状のα1 より破線で示
すα2 に変更することで、加速度の出力電流を抑制して
ジャンクション温度上昇を下げるようにしたものであ
る。
【0065】加速度をα1 からα2 に変えると、(1)
式で示す加速トルクTFLACC が下がるため、加速電流ピ
ーク値が下がりスイッチングロスPsw及びオンロスPon
が低減されジャンクション温度絶対値を抑制できる。
【0066】<第4の実施形態:請求項4に対応>第4
の実施形態は、第3の実施形態と同じ構成でできるが、
第3の実施形態と異なるのは、エレベータ速度設定器1
からの速度パターンをコンパレータ29が検出した時点
より加速モードより減速モードに切換えエレベータを最
寄階に停止させるようにしたところである。
【0067】このような構成の第4の実施形態の動作に
ついて、図9を参照して説明する。図9(a)におい
て、速度パターン加速中であって、F時間経過時コンパ
レータ29が検出すると、その時点より速度設定器1に
おいて加速モードより減速モード(G)に切換えて最寄
階に着床させる。IGBTに流れる電流として、F期間
は、U相P側IGBT38のに対し実線のようにIGB
Tトランジスタ側に流しているが、コンパレータ29は
検出後は減速パターンに変わるため、回生モードとなり
破線のようなIGBTのFWD側に流れるようになり、
トランジスタ側のチップに対する損失はなくなり、ジャ
ンクション温度を下げることができる。
【0068】又、第4の実施形態おいて、ブレーキをか
ける方法について検出した瞬間より出力電流がゼロ及び
IGBTスイッチング動作を中止するため、当然ジャン
クション温度絶対値を下げることができる。
【0069】<第5の実施形態:請求項5に対応>第5
の実施形態は、図1に示す実施形態とほぼ同一構成であ
り、異なる点は、第1の実施形態で記載したオンロスP
onの演算に関し力行・回生モードでの演算方法であり、
以下これについて記載する。図1中19は速度設定器1
と速度検出器15の出力を入力し、偏差信号を出力する
速度加算器2の出力を入力して力行・回生モードを検出
する力行・回生モード検出器で、モード検出器19の出
力は、オンロス演算器21に入力される。
【0070】この実施形態における演算方法について、
図10により説明する。力行・回生モード検出器19が
力行モードであることを検出した時は、図10(a),
(b),(c)のようになる。即ち、U相P側IGBT
38に対してはIU 電流の実線が矢印の向きに流れ、I
GBT39に対しては電流IU の破線が矢印の向きに流
れる。
【0071】例えば、実線の電流について説明すると、
三角波発生器7の三角波出力と、電流演算器6の電流指
令値を、コンパレータ9を通して出力されたコンパレー
タ9の出力(U相P側IGBT38の点弧信号)に対
し、コンパレータ9の出力がオン時IGBT38のトラ
ンジスタ側にIGBT電流が流れる[図10(c)のパ
ルス幅の広い凸部]。
【0072】又、コンパレータ9の出力がオフ時、V相
N側IGBT39のFWDに電流が流れる[図10
(c)のパルス幅の狭い凸部]。従って、この場合コン
パレータ9の出力のオン区間とIGBTオンが一緒にな
るため、コンパレータ9の出力がオンしている間のオン
ロスを演算する。
【0073】さらに、力行・回生モード検出器19が回
生モードを検出した時は、図10(d),(e),
(f)のようになる。即ち、IGBT38に対してはI
U 電流の破線が矢印の向きに流れ、IGBT39に対し
てはIU 電流の実線が矢印の向きに流れる。例えば破線
の電流について説明するとコンパレータ9の出力(IG
BT38の点弧信号)に対し、(IGBT39の点弧信
号)は反転信号となる。このIGBT39の点弧信号が
オン指令の時、IGBT39のトランジスタ側にIGB
T電流が流れる[図10(f)のパルス幅の広い凸
部]。又、IGBT39の点弧信号がオフ指令の時IG
BT38のFWDに電流が流れる[図10(f)のパル
ス幅の狭い凸部]。
【0074】これはコンパレータ9の出力に対しては、
コンパレータ9の出力がオフしている時に、IGBT3
9に電流が流れることになる。従って、回生モードの場
合、コンパレータ9の出力のオフ区間とIGBTオンが
一緒のタイミングとなるため、コンパレータ9の出力が
オフしている時のオンロスを演算する。
【0075】このようにコンパレータ9の出力の1つの
信号だけをトリガ条件として力行・回生いずれにおいて
も正確にオンロスが演算できる。 <第6の実施形態:請求項6に対応>第6の実施形態
は、構成が図1とほぼ同じであるが、異なる点はオンロ
スの演算方法であり、これについて図11を参照して説
明する。デジタル制御でオンロスを計算する場合、演算
周期が離散的になるため連続的なオンロス演算ができな
い。従って、図11に示すようにオンロスの演算周期を
Δtごとに実施するようにし、それぞれの演算周期で演
算したオンロスを加算することで、コンパレータ9の出
力でのオンパルスに対するトータル損失Pton(J)を演算
する。図11のモードにおける演算方法を(6)式を用
いて以下に示す。
【0076】
【数2】
【0077】この演算方法によるデジタル制御によるオ
ンロス演算も比較的正確に演算することができる。 <第7の実施形態:請求項7に対応>第7の実施形態
は、構成が図1とほぼ同じであるが、異なる点はオンロ
スの演算方法であり、以下これについて図12を参照し
て説明する。オンロスの演算方法は、第6の実施形態と
は異なり、アナログ回路によりオンロスを演算する方法
である。図中45はインバータゲート、46,52はア
ナログ信号の入力を行なうFET等のアナログスイッ
チ、48は0Vに接続されるプルダウン抵抗、47,5
6は負電圧VEEに接続されるプルダウン抵抗、49は図
5のようなIC とVCEの関係を出力する関数発生器、5
0は瞬時オンロスを演算する乗算器、51はオペアンプ
55の入力抵抗、53はコンデンサ54の放電抵抗であ
る。
【0078】この図12の回路の動作について説明す
る。今コンパレータ9の出力が“H”となると、アナロ
グスイッチ46がオンし、アナログスイッチ52はオフ
する。アナログスイッチ46がオンすることにより、電
流検出器13の信号が関数発生器49に入力されること
により、図5で示されるVCE(sat) 電圧が出力される。
このVCE(sat) 電圧及び電流検出器13の信号が乗算器
50に入力され、Pt =IC ×VCE(sat) が演算されP
t が演算されPt が出力される。
【0079】このPt の信号を51,54,55で構成
する積分回路に入力してオンしている関数と積分を継続
していく。そして、コンパレータ9の出力がオフになる
と、アナログスイッチ46がオフすることにより、電流
検出器13からの信号がなくなり、0Vとなって乗算器
50の出力が0となることにより積分を中止する。これ
と同時にアナログスイッチ52がオンするため、コンデ
ンサ54にチャージされた電荷は放電抵抗53を通って
放電し、オペアンプ55の出力はクリアされる。積分さ
れている間に、電流検出器13の出力電流が変化する
と、それに伴い乗算器50の出力も一緒に変化するた
め、正確なオンロス演算を行なうことができる。
【0080】<第8の実施形態:請求項8に対応>第8
の実施形態は、構成が図1とほぼ同じであるが、異なる
点はスイッチングロス演算方法であり、以下これについ
て図3を参照して説明する。
【0081】コンパレータ9の出力がオン指令を出した
瞬間の電流値を読み込み、その電流値に基づきEon1
off1を同時に演算し、そのオンパルスに対するスイッ
チングロスPtsw1をPtsw =Eon1 +Eoff1により求め
る。コンパレータ9の出力がオフする時は何の演算も行
わない。次に又、オンパルスが入ってくると新しいスイ
ッチングロスPtsw2をPtsw2=Eon2 +Eoff2により求
める。このようにすることで演算の簡略化を図ることが
できる。
【0082】<第9の実施形態:請求項9に対応>第9
の実施形態は、構成が図1とほぼ同じであるが、異なる
点はスイッチングロス演算方法であり、以下これについ
て図13を参照して説明する。
【0083】インバータ装置12より実際出力される電
流は負荷側のインダクタンスにもよるが、図13のよう
にわずかずつ増減している。従ってここでは、コンパレ
ータ9の出力の立ち下がりエッチの時の電流に対しスイ
ッチングオンロスEonを、又、コンパレータ9の出力の
立ち上がりエッチの時の電流に対しスイッチングオフロ
スを演算するようにする。演算式として(2)式より以
下のようになる。
【0084】Eon1 =aI1 3 +bI1 2 +cI1 +d Eoff1=eI2 3 +fI2 2 +gI2 +h Eon 2 =aI3 3 +bI3 2 +cI3 +d Eoff2=eI4 3 +fI4 2 +gI4 +h これによりEon,Eoff の演算結果が正確となり精度の
よいスイッチングロスを演算することができる。
【0085】<第10の実施形態:請求項10に対応>
第10の実施形態は、エレベータ制御装置において、使
用される昇圧,回生,一定電圧制御を行うコンバータ装
置であって、コンバータ装置を構成している例えばIG
BTのごときパワー素子に、前述の実施形態で説明した
インバータ装置のジャンクション温度上昇演算装置を設
けたものである。
【0086】これは、具体的には、図17に示す構成で
あって、整流器35の代りに、昇圧,回生,一定電圧制
御を行うコンバータ装置があり、このコンバータ装置の
パワー素子に、図1のスイッチングロス演算器20、オ
ンロス演算器21、平均スイッチングロス演算器22、
平均定常オンロス演算器23、スイッチングオンロス加
算器24、チップ当り平均ロス演算器25、チップジャ
ンクション温度上昇加算器26、サーミスタ27、ジャ
ンクション温度加算器28、ジャンクション温度コンパ
レータ29からなるジャンクション温度上昇演算装置を
設けたものである。これ以外の点は、図1と同一構成と
なっている。
【0087】以上述べた第10の実施形態にあっては、
インバータ装置はもちろんコンバータ装置に対しても信
頼性の向上装置の小形化を図ることができる。 <第11の実施形態:請求項11に対応>第11の実施
形態は、サーミスタ等の温度検出器の代わりにサーモス
タット等の設定温度検出を行なう設定温度検出器を設け
て検出した時のみジャンクション温度絶対値が演算され
るようにすることでサーミスタ等出力に対する検出回路
が不要となり回路の簡略化及び検出器自体の低コスト化
を図ることができる。
【0088】<第12の実施形態:請求項12に対応>
第12の実施形態は、図1に示す19〜29の符号の装
置を1相分のみに対し設けてその設けた相でチップジャ
ンクション温度が保証可能最大温度を越えたら全相に対
してジャンクション温度を下げる手段を実施するように
する。これにより1相分のみの簡単な回路構成で本特許
で示すジャンクション温度に対する保護が可能となる。
【0089】<第13の実施形態:請求項13に対応>
第13の実施形態は、図14に示す。図中図1と同一部
分には同一符号を付してその説明を省略する。図中、5
6は図1での20〜29までの構成要素を含むU相用ジ
ャンクション温度演算装置、同様に57はV相、58は
W相用ジャンクション温度演算装置である。59はOR
ゲート、60はインバータ装置12の出力電流のうち2
相の電流を検出する電流検出器13へ出力を2相/3相
に変換する検出電流2相/3相変換装置である。この回
路の動作を説明する。コンパレータ9の出力のうちU相
電圧出力指令をU相ジャンクション温度演算装置に入力
しチップジャンクション温度が保証可能最大温度を越え
ると56より“H”信号が出力されこれがORゲート5
9に入力されるとその出力が“H”となりジャンクショ
ン温度が許容値を越えたものとしてジャンクション温度
を下げる手段が実施される。
【0090】V相,W相についても同様である。これに
より万一相による電流アンバランスが生じた時にも全相
同時に監視されているため確実にジャンクション温度異
常が検出できる。
【0091】<第14の実施形態:請求項14に対応>
第14の実施形態は、図15に示す。図中61はU相ア
ームのIGBTを実装したU相インバータスタック、6
2はV相インバータスタック、63はW相インバータス
タックである。
【0092】又、64はU相冷却器放熱面に取付けたU
相用温度検出器、65はV相用温度検出器、66はW相
用温度検出器である。67は前記64,65,66の温
度検出器の信号を入力して最も大きい値を出力する最大
信号検出器、68は19〜29の構成要素を有するジャ
ンクション温度演算装置である。この動作として64,
65,66からの検出温度に対し67で最大値を選びそ
の最大検出温度に対しU−W相いずれかの相に設けたジ
ャンクション温度演算装置に入力してジャンクション温
度を演算するようにしたものである。これにより相ごと
に別々に設けた冷却器のバラツキがある場合、その最も
温度が高い冷却器の温度をベースにしてジャンクション
温度を演算することができる。
【0093】<第15の実施形態:請求項15に対応>
第15の実施形態は、図16に示す。これは、図14と
図16の回路を組み合わせたものでU相に対してはU相
用温度検出器64の出力をV相用ジャンクション温度演
算装置56に入力し、ジャンクション温度を演算するよ
うにしたものである。V相,W相についても同様であ
る。これにより相ごとの冷却器温度バラツキ、電流バラ
ツキによるジャンクション温度を個別に監視することが
できる。
【0094】
【発明の効果】本発明により、エレベータ加速時の低周
波大電流通電時の過渡的なジャンクション温度に対し、
瞬時瞬時のオンロス及びスイッチングロスを求め、それ
らのトータル損失より瞬時におけるジャンクション温度
上昇を演算して更にIGBT取付面の温度を加算するこ
とにより瞬時におけるジャンクション温度の絶対温度を
演算することにより、その演算されたジャンクション温
度が保証可能最大温度を越えた時点で三角波のキャリア
周波数を下げたり加速度を下げ通電電流を下げ下りして
ジャンクション温度絶対値を低減することが可能となり
IGBTチップ異常加熱によって生じる熱暴走で破損す
ることが防げるようになるためインバータ装置と信頼性
が高くなるとともに、放熱器に対しIGBTチップ温度
ぎりぎりの所まで使用することができるようになるため
放熱器自体を小形化することができ低コスト、小形化も
実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるエレベータ制御装置の実施形態を
示すブロック図。
【図2】図1のインバータのIGBTのスイッチング時
の損失特性カーブを示す図。
【図3】図1のスイッチングロス演算方法を説明するた
めの図。
【図4】図1のインバータ1アームに流れる電流を表し
た図。
【図5】図1のIGBTオン時のVCE−IC 特性カーブ
を示す図。
【図6】図1のオンロス演算方法を説明するための図。
【図7】本発明によるエレベータ制御装置の第2の実施
形態を説明するための三角波キャリア周波数設定変更回
路例を示す図。
【図8】本発明によるエレベータ制御装置の第3の実施
形態を説明するための速度パターンを変更する方法の説
明図。
【図9】本発明によるエレベータ制御装置の第4の実施
形態を説明するための図。
【図10】本発明によるエレベータ制御装置の第5の実
施形態を説明するための図。
【図11】本発明によるエレベータ制御装置の第6の実
施形態を説明するためのデジタル制御によりオンロスを
演算する方法の説明図。
【図12】本発明によるエレベータ制御装置の第7の実
施形態を説明するためのアナログ素子によりオンロスを
演算する構成を示す図。
【図13】本発明によるエレベータ制御装置の第9の実
施形態を説明するためのスイッチングロスを演算する方
法の説明図。
【図14】本発明によるエレベータ制御装置の第13の
実施形態を説明するための要部のみを示すブロック図。
【図15】本発明によるエレベータ制御装置の第14の
実施形態を説明するための要部のみを示すブロック図。
【図16】本発明によるエレベータ制御装置の第15の
実施形態を説明するための要部のみを示すブロック図。
【図17】従来のエレベータ制御装置の一例を示す概略
構成図。
【図18】図17によるエレベータ制御装置の運転特性
データを示す図。
【符号の説明】
1…エレベータ速度設定器、2…速度加算器、3…速度
演算器、4…荷重信号加算器、5…電流加算器、6…電
流演算器、7…三角波発生器、8…三角波設定器、9…
コンパレータ、10…デッドタイム補正器、11…ゲー
トドライブ装置、12…インバータ装置、13…電流検
出器、14…三相誘導電動機、15…速度検出器、16
…カウンタウェイト、17…エレベータかご、18…荷
重検出器、19…力行・回生モード検出器、20…スイ
ッチングロス演算器、21…オンロス演算器、22…平
均スイッチングロス演算器、23…平均定常オンロス演
算器、24…IGBTスイッチングオンロス加算器、2
5…チップ当り平均ロス演算器、26…チップジャンク
ション温度上昇加算器、27…サーミスタ、28…ジャ
ンクション温度加算器、29…ジャンクション温度コン
パレータ、30…シーブ、31…エレベータ速度パター
ン、32…トルク指令信号、33…出力電流、34…三
相交流電源、35…整流器、36…平滑コンデンサ、3
7…サーモスタット。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エレベータかごを上下方向に運転する交
    流電動機を駆動制御するインバータ装置を有するエレベ
    ータ制御装置において、 前記インバータ装置内半導体パワー素子のスイッチング
    する時の瞬時のスイッチングロスを演算するスイッチン
    グロス演算器と、 前記半導体パワー素子がオンし、一定電流が流れている
    時の瞬時のオンロスを演算するオンロス演算器と、 を備え、これらスイッチングロス及びオンロスより瞬時
    のジャンクション温度上昇を推定し、このジャンクショ
    ン温度に応じて前記パワー素子に対する負荷を軽減する
    ようにしたことを特徴とするエレベータ制御装置。
  2. 【請求項2】 エレベータかごを上下方向に運転する交
    流電動機を駆動制御するインバータ装置と、 前記電動機の回転速度を検出する速度検出器を設けて速
    度マイナループ制御を行なう速度制御装置と、 前記電動機に流れる電流を検出する電流検出器を設けて
    電流マイナループ制御を行なう電流制御装置と、 PWM制御を行なうための三角波信号を発生する装置及
    び設定装置と、 前記電流制御装置の出力信号と三角波信号をコンパレー
    トし、更に信号のデットタイムを作成する電圧制御装置
    と、 前記電圧制御装置の信号をインバータ装置の各半導体パ
    ワー素子に供給するゲートドライブ装置を有するエレベ
    ータ制御装置において、 前記インバータ装置内半導体パワー素子のスイッチング
    する時の電流と損失の関係を1次以上の近似多項式に表
    わし、電流検出器からの出力信号と前記近似多項式より
    瞬時のスイッチングロスを演算するスイッチングロス演
    算器と、 前記半導体パワー素子がオンし、一定電流が流れている
    時の電流とパワー素子間主回路飽和電圧の関係を1次以
    上の近似多項式で表わし、前記電流検出器からの信号信
    号と前記近似多項式より瞬時のオンロスを演算するオン
    ロス演算器と、 前記スイッチングロス演算器の出力信号と前記設定装置
    からの周波数に基づきスイッチングロスの平均を演算す
    る平均スイッチングロス演算器と、 前記オンロス演算器の出力信号と前記速度検出器から検
    出されるインバータ出力周波数に基づきオンロスの平均
    値を演算する平均定常オンロス演算器と、 前記平均スイッチングロス演算器及び平均定常オンロス
    演算器の出力信号を加算し半導体パワー素子内チップ当
    りの平均ロスを演算するチップ当り平均ロス演算器と、 前記チップと放熱面の過渡熱抵抗と前記チップ当り平均
    ロス演算器出力よりチップでのジャンクション温度上昇
    を加算していくチップジャンクション温度上昇加算器
    と、 を備え、前記半導体パワー素子に対し厳しい負荷条件と
    なる低周波大電流制御時の瞬時のジャンクション温度上
    昇を推定できるようにしたことを特徴とするエレベータ
    制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のエレベータ制御装置に
    おいて、 前記インバータ装置の半導体パワー素子を取付ける冷却
    器の放熱面に取付けたサーミスタ等のリニアリティに温
    度検出可能な温度検出器と、 前記チップジャンクション温度上昇加算器出力と前記温
    度検出器出力を加算するジャンクション温度加算器と、 前記ジャンクション温度加算器出力を入力して半導体パ
    ワー素子の保証可能最大温度と比較するジャンクション
    温度コンパレータと、 を有し、前記ジャンクション温度コンパレータが保証可
    能最大温度を越えていることを検出した時、前記設定器
    装置の周波数設定値を下げるように設定変更することに
    よりスイッチングロスを低減し、ジャンクション温度を
    下げるようにしたことを特徴とするエレベータ制御装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のエレベータ制御装置に
    おいて、 前記ジャンクション温度コンパレータが動作し、ジャン
    クション温度が保証可能最大温度を越えていることを検
    出した時、前記速度制御装置内に含まれるエレベータ速
    度設定器の加速度又は減速度を下げるように設定変更す
    ることによりスイッチングロス及びオンロスを低減し、
    ジャンクション温度を下げるようにしたことを特徴とす
    るエレベータ制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載のエレベータ制御装置に
    おいて、 前記ジャンクション温度コンパレータが動作し、ジャン
    クション温度が保証可能最大温度を越えていることを検
    出した時、エレベータが加速モードで運転している場
    合、検出した瞬間より前記速度制御装置内に含まれるエ
    レベータ速度設定器の設定を加速モードより減速モード
    にしてあるいは、前記電動機に対し電磁ブレーキをかけ
    一旦停止させるようにし、一定時間経過又は前記温度検
    出器の温度出力が一定の設定値以下になった後で再起動
    をかけ、エレベータ運転を継続するようにしたことを特
    徴とするエレベータ制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載のエレベータ制御装置に
    おいて、 前記速度制御装置内に含まれるエレベータ速度設定器の
    出力と前記速度検出器の出力の偏差信号の極性に応じて
    力行・回生モード状態であることを検出する力行・回生
    モード検出器を有し、前記力行・回生モード検出器が力
    行モードを検出した時は、前記オンロス演算器において
    前記ゲートドライブ装置のオン信号が入っている区間だ
    けオンロスを演算し、前記力行・回生モード検出器が回
    生モードを検出した時は前記ゲートドライブ装置のオフ
    信号が入っている区間だけオンロスを演算するようにし
    たことを特徴とするエレベータ制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項2に記載のエレベータ制御装置に
    おいて、 前記オンロス演算器の演算をデジタル演算する時の演算
    方法として力行モードの場合ゲートドライブ装置にオン
    信号が入っている区間の間一定の演算周期ごとにオンロ
    スを演算し、オン信号が終了するまで各周期ごとに演算
    されたオンロスを加算していきオン信号が終了した時点
    でその時のオン信号におけるトータルオンロスとしてオ
    ンロス演算器より出力するようにしたことを特徴とする
    エレベータ制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項2に記載のエレベータ制御装置に
    おいて、オンロス演算器の演算をアナログ素子で演算す
    る時の方法として、力行モードの場合アナログ素子を検
    出電流とその電流が流れる時の前記半導体素子の主回路
    電圧の乗算器と、前記乗算器出力を積分していく積分器
    で構成し、前記ゲートドライブ装置に入るオン信号のパ
    ルスエッジで乗算器と積分器を動作開始させオフ信号の
    パルスエッジで上記積分動作を中止しクリアをかけると
    ともに、それまで積分されてきた出力電圧を前記オンロ
    ス演算器へ出力とするようにしたことを特徴とするエレ
    ベータ制御装置。
  9. 【請求項9】 請求項2に記載のエレベータ制御装置に
    おいて、 前記スイッチングロス演算器の演算方法として前記ゲー
    トドライブ装置にオン信号又はオフ信号が入ってきた時
    点の検出電流に対し、その瞬間の検出電流の値でのスイ
    ッチングオン、スイッチングオフロスを同時に演算して
    加算し、その演算結果を1つのオンパルスでのスイッチ
    ングロスとして前記スイッチングロス演算器より出力す
    るようにしたことを特徴とするエレベータ制御装置。
  10. 【請求項10】 請求項2に記載のエレベータ制御装置
    において、 前記スイッチングロス演算器の演算方法として前記ゲー
    トドライブ装置からのゲートドライブ信号にオン信号が
    入ってきた時点の検出電流に対し、その瞬間での検出電
    流の値でのスイッチングオンロスを演算し、ゲートドラ
    イブ信号にオフ信号が入ってきた時点での検出電流に対
    し、その瞬間での検出電流の値でのスイッチングオフロ
    スを演算し、前記別々の時間で演算されたスイッチング
    オンロス及びスイッチングオフロスを加算してスイッチ
    ングロスとして前記スイッチングロス演算器より出力す
    るようにしたことを特徴とするエレベータ制御装置。
  11. 【請求項11】 請求項2に記載のエレベータ制御装置
    において、 前記インバータ装置の入力側に、交流電源の交流を直流
    に変換するコンバータ装置を接続したものであって、前
    記スイッチングロス演算器、前記オンロス演算器、前記
    平均スイッチングロス演算器、前記平均定常オンロス演
    算器、前記チップ当り平均ロス演算器、前記チップジャ
    ンクション温度上昇加算器からなるジャンクション温度
    上昇演算装置を付加したことを特徴とするエレベータ制
    御装置。
  12. 【請求項12】 請求項2または3に記載のエレベータ
    制御装置において、 前記サーミスタ等の温度検出器の代わりにサーモスタッ
    ト等の設定温度に至ると検出する設定温度検出器を放熱
    面に取付けた構成とし、前記設定温度検出器が検出した
    時又は検出している期間中において前記ジャンクション
    温度加算器にその設定温度を加算してジャンクション温
    度を演算するようにしたことを特徴とするエレベータ制
    御装置。
  13. 【請求項13】 請求項2または3に記載のエレベータ
    制御装置において、前記交流電動機の1相分のみに対し
    ジャンクション温度を演算する装置一式を設けてジャン
    クション温度が保証可能最大温度を越えているかどうか
    を監視するようにしたことを特徴とするエレベータ制御
    装置。
  14. 【請求項14】 請求項2または3に記載のエレベータ
    制御装置において、前記交流電動機の2相又は3相全て
    に対しジャンクション温度を演算する装置一式を設けて
    ジャンクション温度が保証可能最大温度を越えているか
    どうかを監視するようにしたことを特徴とするエレベー
    タ制御装置。
  15. 【請求項15】 請求項2または3に記載のエレベータ
    制御装置で、相ごとに冷却器を個別に構成する大容量イ
    ンバータ装置を有している冷却器にサーミスタ等の温度
    検出器を取付けているエレベータ装置において、 各相温度検出器の出力を比較する比較器を有して温度検
    出器の最大温度を検出している値を請求項3で記載した
    ジャンクション温度加算器に入力して3相分のうち1相
    分のみのジャンクション温度を演算するようにしたこと
    を特徴とするエレベータ制御装置。
  16. 【請求項16】 請求項2または3に記載のエレベータ
    制御装置で、相ごとに冷却器を個別に構成する大容量イ
    ンバータ装置を有して各冷却器にサーミスタ等の温度検
    出器を取付けているエレベータ装置において、 各相温度検出器の出力を3相分別々に設けたジャンクシ
    ョン温度加算器に入力して各相個別にジャンクション温
    度を演算するようにしたことを特徴とするエレベータ制
    御装置。
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