JP3227908B2 - インバータ装置による電動機制動方法 - Google Patents

インバータ装置による電動機制動方法

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JP3227908B2 JP14662893A JP14662893A JP3227908B2 JP 3227908 B2 JP3227908 B2 JP 3227908B2 JP 14662893 A JP14662893 A JP 14662893A JP 14662893 A JP14662893 A JP 14662893A JP 3227908 B2 JP3227908 B2 JP 3227908B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電圧形インバータ装
置によるその駆動電動機の制動制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の制動方法としては、図2
に例示する回路図に従って行われるものが知られてい
る。図2は誘導電動機をその駆動対象とする電圧形イン
バータ装置の主回路構成を示すものであり、交流電源か
らの交流入力整流用の整流部1と、直流中間回路を形成
する整流電圧平滑用のコンデンサCF と、このコンデン
サの端子電圧をその直流入力電圧として所要の交流電圧
を出力するインバータ部2とを通常のインバータ運転用
(力行運転用)主回路構成要素とし、回生電力を消費さ
せる制動抵抗RD と、図示されていない制御回路によっ
てその開閉動作が制御され前記制動抵抗への通電状態を
制御するトランジスタTRとを誘導電動機3に対する制
動運転用要素として構成された状態を示すものである。
【0003】ここに、従来のこの種の制動方法は、前記
インバータ装置による誘導電動機3の制動制御時に、こ
の電動機からの回生電力を受けコンデンサCF の端子電
圧が所定値以上に上昇すれば、トランジスタTRをオン
状態となし、コンデンサCFの蓄積電荷を制動抵抗RD
を経由して放電させ、この抵抗において前記回生電力を
熱消費させることにより、誘導電動機3の制動減速を行
うものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
如き従来の制動方法は、その負荷誘導電動機からの回生
電力を前記の直流中間回路を形成する平滑用のコンデン
サに並列接続された制動抵抗において熱消費させるもの
であり、前記回生電力の全量消費をなし前記電動機に対
する充分な制動と前記直流中間回路の電圧上昇抑制とを
なすためには、前記制動抵抗とその通電制御をなす前記
トランジスタの大容量化とは避けられず、更に放熱対策
に伴う前記インバータ装置の大形化、高価格化もまた避
けられなかった。
【0005】上記に鑑みこの発明は、前記の負荷電動機
に対する所要の制動力を保持しながら、前記の制動抵抗
とトランジスタそれぞれの小容量化、場合によってはこ
れら両者を不要となし得る、電圧形インバータ装置によ
るその負荷電動機の制動方法の提供を目的とするもので
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明のインバータ装置による電動機制動方法に
おいては、電圧形インバータ装置によるその駆動電動機
の制動方法であって、インバータ出力周波数設定値と所
定の比率を以て規定されるインバータ出力電圧指令値を
出力する電圧指令発生器と、前記電動機からインバータ
直流中間回路への回生電力(又は回生電流)の検出器
と、この検出器の回生電力検出値(又は回生電流検出
値)を入力としてインバータ出力電圧指令補正値を出力
するものであって、回生電力検出値(又は回生電流検出
値)が大きくなるとインバータ出力電圧指令補正値を増
大させる関数発生器とを設け、前記インバータ装置によ
るその駆動電動機の制動制御時に、前記インバータ出力
電圧指令値に対しその補正値として前記関数発生器の出
力値を加算するものとする。
【0007】
【作用】インバータ装置によるその駆動電動機の制動制
御時に、この電動機はその減速指定量に対応する回転エ
ネルギを電気的或いは機械的エネルギとして、或いはそ
の何れかを介した熱エネルギとして消費することにより
減速する。従って、前記の回転エネルギを前記電動機自
体において消費させることが出来れば、この電動機の減
速を図ることが可能となる。
【0008】この発明は前記の電動機減速時の回転エネ
ルギを、図2に示す制動抵抗RD と誘導電動機3自体の
両所において分担消費させるものであり、且つその運転
条件を考慮した熱的許容範囲内において前記電動機内部
消費量の出来るだけの増大を図ることにより、前記制動
抵抗とその通電電流制御用トランジスタとの小容量化を
図るものである。
【0009】即ち、電圧形インバータ装置により駆動さ
れる電動機からインバータ直流中間回路への回生電力或
いはこの回生電力に対応する回生電流を検出し、この検
出値を所定の関数関係に従って電圧指令補正値に変換
し、インバータ出力周波数設定値と所定の比率を以て規
定されるインバータ出力電圧指令値に対して前記の電圧
指令補正値を加算し、前記の回生電力或いは回生電流の
大きさに応じて前記電動機への印加電圧をその規定値よ
り増大させてこの電動機を所定の過励磁状態となしてそ
の内部熱損失の増大を図るものである。
【0010】ここに前記の関数関係は関数発生器により
与えられるものであり、前記の回生電力或いは回生電流
の大きさに応じ、前記電動機の過励磁による内部熱損失
をその熱的許容範囲内において最大となす如く規定する
ものである。
【0011】
【実施例】以下この発明の実施例を図1に例示する回路
図に従って説明する。図1は誘導電動機をその駆動対象
とする電圧形インバータ装置の主回路構成と制御回路構
成の一部を例示するものである。図1に示す如く前記イ
ンバータ装置の主回路構成は、交流電源からの交流入力
整流用の整流部1と、直流中間回路を形成する整流電圧
平滑用のコンデンサCFと、このコンデンサの端子電圧
をその直流入力電圧とし所要の交流電圧を出力するイン
バータ部2とから成り、誘導電動機3をその負荷となす
ものである。
【0012】また回生電力検出器5は、前記インバータ
装置の制動制御時、インバータ部2を経由しコンデンサ
F に吸収される誘導電動機3からの回生電力を検出す
るものであり、その検出信号はインバータ制御回路10
におけるインバータ出力電圧指令値の補正演算用入力信
号をなすものである。ここに、インバータ制御回路10
は、インバータ出力周波数設定値を指定する周波数設定
器11と、この設定器による設定値をその最終値とし所
定の時間勾配で増大或いは減少する如く変調された周波
数指令値を出力する加減速設定器12と、この設定器1
2の出力する前記の変調された周波数指令値に対し所定
の比率を乗じて演算されたインバータ出力電圧指令値を
出力する電圧指令発生器13と、この出力電圧指令値と
前記の変調された出力周波数指令値とをその入力として
インバータ部2におけるトランジスタ等のスイッチング
素子に対するPWM指令信号を演算出力するPWM演算
器14とを基本構成要素となすものである。
【0013】この発明においては更に前記の基本構成要
素に対し、回生電力検出器5の検出信号を入力とし所定
の関数関係に従って変換した電圧指令補正値を出力する
関数発生器15を設け、この電圧指令補正値を電圧指令
発生器13の出力信号に加算して得られた信号を以てP
WM演算器14に印加する指令信号となすものである。
【0014】従って、前記の新たなインバータ出力電圧
指令値は検出された前記回生電力の大きさに応じ、力行
運転時のインバータ出力電圧に較べてその周波数指令値
に対する比が大となって制動制御時における誘導電動機
3への印加電圧は大となり、この電動機3は所定の過励
磁状態となされてその内部熱損失は増大し、この結果減
速する。
【0015】ここに関数発生器15は、前記回生電力の
大きさに応じ、前記電動機の過励磁による内部熱損失を
この電動機の熱的許容範囲内において最大となす如く、
前記回生電力の検出値と前記電圧指令補正値間の関数関
係を規定するものである。なお前記の回生電力検出器に
代えて回生電流検出器を設け、関数発生器15を回生電
流検出値に関するものに変更することにより、前記と同
様の制動制御を行うことが可能となる。
【0016】
【発明の効果】この発明によれば、インバータ装置によ
るその駆動電動機の制動制御時に、回生電力或いは回生
電流の検出値が大きくなるとインバータ出力電圧指令値
の増大による駆動電動機の過励磁を行うことにより、所
要の制動力を保持しながら、汎用の電圧形インバータに
対する従来の制動方法に従う制動抵抗とその通電制御用
スイッチング素子それぞれの小容量化、場合によっては
これら両者を不要となすことが可能となり、前記インバ
ータ装置の小形低廉化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す電圧形インバータ装置
全体の回路図
【図2】従来技術の実施例を示す電圧形インバータ装置
主回路の回路図
【符号の説明】
1 整流部 2 インバータ部 3 誘導電動機 5 回生電力検出器 10 インバータ制御回路 11 周波数設定器 12 加減速設定器 13 電圧指令発生器 14 PWM演算器 15 関数発生器 CF 平滑用コンデンサ RD 制動抵抗 TR トランジスタ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電圧形インバータ装置によるその駆動電動
    機の制動方法であって、インバータ出力周波数設定値と
    所定の比率を以て規定されるインバータ出力電圧指令値
    を出力する電圧指令発生器と、前記電動機からインバー
    タ直流中間回路への回生電力の検出器と、この検出器の
    回生電力検出値を入力としてインバータ出力電圧指令補
    正値を出力するものであって、回生電力検出値が大きく
    なるとインバータ出力電圧指令補正値を増大させる関数
    発生器とを設け、前記インバータ装置によるその駆動電
    動機の制動制御時に、前記インバータ出力電圧指令値に
    対しその補正値として前記関数発生器の出力値を加算す
    ることを特徴とするインバータ装置による電動機制動方
    法。
  2. 【請求項2】電圧形インバータ装置によるその駆動電動
    機の制動方法であって、インバータ出力周波数設定値と
    所定の比率を以て規定されるインバータ出力電圧指令値
    を出力する電圧指令発生器と、前記電動機からインバー
    タ直流中間回路への回生電流の検出器と、この検出器の
    回生電流検出値を入力としてインバータ出力電圧指令補
    正値を出力するものであって、回生電流検出値が大きく
    なるとインバータ出力電圧指令補正値を増大させる関数
    発生器とを設け、前記インバータ装置によるその駆動電
    動機の制動制御時に、前記インバータ出力電圧指令値に
    対しその補正値として前記関数発生器の出力値を加算す
    ることを特徴とするインバータ装置による電動機制動方
    法。
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