JP2021093779A - 車載充電装置 - Google Patents

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清隆 谷本
大智 西野
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大智 西野
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潤一 湯河
拓哉 中川
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拓哉 中川
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Abstract

【課題】バッテリに接続される電源ラインに発生するリップル電圧を抑制可能な車載充電装置を提供すること。【解決手段】車両1を駆動するモータ30にバッテリ10からの電力を電力変換して供給するインバータ20に接続され、且つ、車両1の外部からの系統電力によりバッテリ10を充電する車載充電装置40であって、平滑コンデンサ41bdを有するAC/DCコンバータ41と、AC/DCコンバータ41よりもバッテリ10側に設けられる双方向DC/DCコンバータ43と、双方向DC/DCコンバータ43を制御する制御部44と、を備え、制御部44は、モータ30の挙動に応じて、バッテリ10に接続された電源ラインLLに発生するリップル電圧を抑制するように、双方向DC/DCコンバータ43を制御する。【選択図】図5

Description

本開示は、車載充電装置に関する。
モータの駆動力により走行するハイブリッド車両や電気自動車が知られている。この種の車両においては、一般に、バッテリから供給される直流電力を交流電力に変換してモータに送出するインバータにて、モータの動作が制御されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2013−17361号公報
ところで、この種の車両に用いられるモータでは、固定子と回転子の相対角度に起因する磁気的なアンバランスにより、インバータには比較的大きなリップル電圧が発生する。
かかるリップル電圧は、インバータ自身の動作を不安定化させて、高負荷時の出力を十分に確保できない等の不具合を招くと共に、接続される電源ラインを介してその他の負荷、例えばエアコンの電動コンプレッサ等へも悪影響を与える。
従来、この種のリップル電圧を抑制するため、インバータの入力段に配設される平滑コンデンサとして、大容量の平滑コンデンサを用いたり、又は、多数の平滑コンデンサを並列接続する手法が採用されている。しかしながら、このような平滑コンデンサには容量の大きな電解コンデンサの使用が一般的で、自身の経年劣化に伴う容量低下も考慮すると、インバータの大型化が避けられず、車両搭載性に課題を有していた。
本開示は、上記問題点に鑑みてなされたもので、バッテリに接続される電源ラインに発生するリップル電圧を抑制可能な車載充電装置を提供することを目的とする。
前述した課題を解決する主たる本発明は、
車両を駆動するモータにバッテリからの電力を電力変換して供給するインバータに接続され、且つ、前記車両の外部からの系統電力により前記バッテリを充電する車載充電装置であって、
平滑コンデンサを有するAC/DCコンバータと、
前記AC/DCコンバータよりも前記バッテリ側に設けられる双方向DC/DCコンバータと、
前記双方向DC/DCコンバータを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記モータの挙動に応じて、前記バッテリに接続された電源ラインに発生するリップル電圧を抑制するように、前記双方向DC/DCコンバータを制御する、
車載充電装置である。
本発明に係る車載充電装置によれば、バッテリに接続される電源ラインに発生するリップル電圧を抑制することができる。
一実施形態に係る車両の電源系の構成を示す図 一実施形態に係る車両の電源系の回路図 一実施形態に係る電源ラインに発生するリップル電流の挙動の一例を示す図 一実施形態に係る電源ラインに発生するリップル電圧の挙動の一例を示す図 一実施形態に係る充電装置をリップル抑制モードで動作させた際における、双方向DC/DCコンバータにおける電力の送出方向(実線矢印及び点線矢印を参照)を示す図 一実施形態に係るリップル抑制モード制御部における双方向DC/DCコンバータの制御態様の一例を示す図
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(本開示に至る経緯)
車両の電源系には、通常、バッテリから見て、インバータと並列に、車両外部の電源からの電力を用いてバッテリを充電する車載充電装置が接続されている。
車載充電装置は、外部の電力ラインと接続する必要があるため、車両が充電のために停車しているときのみ動作させられ、車両が走行しているときには動作は不要である。そのため、走行中に充電装置を本来目的とは異なる用途に流用する事は可能である。
本願の発明者らは、モータを動作させている際に、バッテリに接続された電源ラインに発生するリップル電圧を抑制するための手段について、鋭意検討した結果、車載充電装置を適切に構成すると共に、当該車載充電装置に所望の動作を行わせることで、かかるリップル電圧を抑制可能である、という技術的思想に想到した。
以下、本開示に係る車載充電装置(以下、「充電装置」と略称する)の構成の一例について説明する。
[車両の構成]
図1は、本実施形態に係る車両1の電源系の構成を示す図である。図2は、本実施形態に係る車両1の電源系の回路図である。
本実施形態に係る車両1は、例えば、バッテリ10、インバータ20、モータ30、及び、充電装置40を備えている。
バッテリ10は、二次電池や電気二重層キャパシタ等のエネルギー源であり、インバータ20に対して、直流電力を供給する。バッテリ10としては、例えば、48V系のリチウムイオン二次電池が用いられる。
バッテリ10には、インバータ20と充電装置40とが並列に接続されている。そして、バッテリ10は、モータ30が力行運転している際には、インバータ20を介してモータ30に電力供給する。又、バッテリ10は、モータ30が回生運転している際には、インバータ20を介してモータ30側から出力される回生電力により、充電される。
又、バッテリ10は、外部電源のプラグが接続されるコネクタCin、及び、充電装置40を介して、外部電源から供給される電力が充電され得る。
インバータ20は、例えば、モータ30を力行運転する際には、バッテリ10から供給される直流電力を三相交流電力(U相、V相、W相)に変換して、モータ30に対して送出する。又、インバータ20は、モータ30を回生運転する際には、モータ30で回生される交流電力を直流電力に変換してバッテリ10に送出する。
本実施形態においては、インバータ20としては、図2に示すように、平滑コンデンサ21と、U相アームを構成するスイッチング素子22Q及び23Qと、V相アームを構成するスイッチング素子24Q及び25Qと、W相アームを構成するスイッチング素子26Q及び27Qと、これらのスイッチング素子22Q〜27Qの夫々に並列に設けられる環流ダイオード22D〜27Dと、を有する三相ブリッジインバータが用いられている。
尚、インバータ20の入力段に設けられた平滑コンデンサ21としては、例えば、小型化及び大容量化が比較的容易な電解コンデンサが用いられている。
スイッチング素子22Q〜27Qは、それぞれ、インバータECU(Electronic Control Unit)(図示せず)からの制御信号(例えば、PWM(Pulse Width Modulation)信号)によって、選択的にオン/オフ動作する。これにより、U相アームに接続されたU相配線LuaにU相電圧、V相アームに接続されたV相配線LvaにV相電圧、W相アームに接続されたW相配線LwaにW相電圧が生じ、モータ30に対して、三相交流電力が供給される。
モータ30は、例えば、永久磁石式同期モータ、又はかご形誘導モータである。モータ30は、力行運転時には、インバータ20から供給される交流電力を用いて、車両1を走行させるための駆動力を生成する。又、モータ30は、回生運転時には、運動エネルギーを電気エネルギーに変換して回生電力を生成し、車両1に制動力を作用させる。尚、モータ30の動作状態は、インバータ20の動作によって、制御される。
充電装置40は、外部電源(例えば、60Hz、100Vの単相交流電力(即ち、系統電力)を供給する商用交流電源)から入力された電力を電力変換して、バッテリ10に送出する。尚、充電装置40は、外部電源のプラグが接続されるコネクタCin(本発明の「入力部」に相当)を介して、外部電源から受電する。
充電装置40は、AC/DCコンバータ41、双方向DC/DCコンバータ43、及び、ECU44を備えている。尚、AC/DCコンバータ41、及び、双方向DC/DCコンバータ43は、コネクタCin側からバッテリ10側に向かって、この順で設けられている。以下では、AC/DCコンバータ41、及び、双方向DC/DCコンバータ43を「充電回路部」とも称する。
AC/DCコンバータ41は、外部電源から供給される交流電力を直流電力に変換する。本実施形態に係るAC/DCコンバータ41は、例えば、整流回路(例えば、ダイオードブリッジ回路)41a及びPFC回路41bによって構成される。
PFC回路(力率改善回路)41bは、外部電源から供給される交流電力の力率を改善する。
本実施形態では、PFC回路41bとして、昇圧チョッパ回路方式のPFC回路が用いられている。PFC回路41bは、例えば、正極ライン上に直列に接続されたリアクトル41ba、リアクトル41baの後段において正極ラインと負極ラインの間に接続されたスイッチング素子41bb、スイッチング素子41bbの後段でリアクトル41baと直列に接続されたダイオード41bc、及び、ダイオード41bcの後段に接続された平滑コンデンサ41bdを含んで構成される。
尚、平滑コンデンサ41bdは、PFC回路41bの出力段において、正極ラインと負極ラインとの間に接続され、ダイオード41bcから出力される直流電力を平滑化する。
双方向DC/DCコンバータ43は、PFC回路41bから出力される直流電力を電圧変換(ここでは、降圧)して、バッテリ10に対して供給する。
本実施形態に係る双方向DC/DCコンバータ43は、例えば、絶縁トランス43fと、当該絶縁トランス43fの一次側に配設されたHブリッジ回路と、当該絶縁トランス43fの二次側に配設された同期整流回路と、を有する。
より詳細には、双方向DC/DCコンバータ43は、一次巻線と二次巻線を有する絶縁トランス43fと、絶縁トランス43fの一次側に配設されたHブリッジ回路を構成するスイッチング素子43a、43b、43c、43dと、絶縁トランス43fの二次側に配設された同期整流回路を構成するスイッチング素子(例えば、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor))43g、43h、43i、43jと、を有する。又、双方向DC/DCコンバータ43は、同期整流回路(スイッチング素子43g、43h、43i、43j)の後段には、フィルタ回路として機能する平滑コンデンサ43l及びリアクトル43kを有している。又、Hブリッジ回路の出力ラインには、当該出力ラインに直列にリアクトル43eが設けられている。
スイッチング素子43a、43b、43c、43d、43g、43h、43i、43jは、例えば、MOSFETである。尚、スイッチング素子43a、43b、43c、43d、43g、43h、43i、43jには、並列接続されたMOSFETのボディダイオードが、形成されている(図示せず)。
ここでは、双方向DC/DCコンバータ43は、絶縁トランス43fの一次側と二次側との間に通流する電流を双方向に切り替え可能となっている。尚、双方向DC/DCコンバータ43において、絶縁トランス43fの二次側から一次側に向かって電流を通流させる際には、スイッチング素子43g、43h、43i、43jをHブリッジ回路として機能させ、スイッチング素子43a、43b、43c、43dを同期整流回路として機能させる。
双方向DC/DCコンバータ43の動作は、ECU44によって制御されている。即ち、双方向DC/DCコンバータ43は、ECU44から出力される制御信号(例えば、PWM信号)に基づいて、スイッチング素子43a〜43d、43g〜43jのオン/オフを切り替え、電力変換動作等を実行する。
ECU44(本発明の「制御部」に相当)は、PFC回路41b(スイッチング素子41bb)、及び双方向DC/DCコンバータ43(スイッチング素子43a〜43d、43g〜43j)の動作を制御する。ECU44は、例えば、CPU、ROM、RAM、入力ポート、及び出力ポート等を含んで構成されるマイコンである。尚、ECU44の後述する各機能は、例えば、CPUがROMやRAMに格納された制御プログラムや各種データを参照することによって実現される。
ECU44は、車両1に設けられた各種センサと車載ネットワークにより相互に接続され、必要なデータや制御信号を相互にやり取りしている。
本実施形態に係る車両1には、モータ30の回転速度を検出する回転速度センサT1、及び、バッテリ10(ここでは、バッテリ10の正極)が接続された電源ラインLLの電圧を検出する電圧センサT2が備え付けられている。そして、ECU44は、これら回転速度センサT1及び電圧センサT2からセンサ信号を取得している。なお、回転速度センサT1及び電圧センサT2から直接、センサ信号を取得するのではなく、例えば、インバータECUを介して取得しても良い。
[ECUの構成]
次に、図3乃至図6を参照して、本実施形態に係るECU44の構成について説明する。
ECU44は、充電モード制御部44a、及び、リップル抑制モード制御部44bを有している。
充電モード制御部44aは、AC/DCコンバータ41及び双方向DC/DCコンバータ43を制御して、外部電源から供給される交流電力を直流電力に電力変換してバッテリ10に対して送出する。尚、充電モード制御部44aは、例えば、車両1のコネクタCinに外部電源のプラグが接続された際に動作する。
充電モード制御部44aは、例えば、外部電源からPFC回路41bに入力された電力の力率を改善し、且つ、PFC回路41bから後段に出力する電力の電圧レベルが上昇するように、スイッチング素子41bbのオン/オフを制御する。又、充電モード制御部44aは、例えば、AC/DCコンバータ41から入力された電力を電圧変換(ここでは、降圧)して、バッテリ10に出力するように、双方向DC/DCコンバータ43のスイッチング素子43a〜43d、43g〜43jのオン/オフを制御する。尚、充電モード制御部44aは、双方向DC/DCコンバータ43のスイッチング素子43g〜43jについては、同期整流を行うようにオン/オフを制御する。
リップル抑制モード制御部44bは、モータ30が動作している際に、バッテリ10(ここでは、バッテリ10の正極)に接続された電源ラインLL(充電装置40からバッテリ10に電力供給する電力ラインであり、且つ、バッテリ10からインバータ20へ供給するラインを表す。以下同じ)に発生するリップル電圧を抑制するように、双方向DC/DCコンバータ43を動作させる(以下、「リップル抑制モード」と称する)。このとき、リップル抑制モード制御部44bは、電源ラインLLに発生するリップル電圧の周期変動に対応する周期で、双方向DC/DCコンバータ43における電力の送出方向を交互に反転させ、平滑コンデンサ41bdに対して充電と放電とを交互に行わせることで、リップル電圧を抑制する。
図3は、電源ラインLLに発生するリップル電流の挙動の一例を示す図であり、図4は、電源ラインLLに発生するリップル電圧の挙動の一例を示す図である。尚、図3及び図4に示すグラフは、モータ30を動作させている際に、実測により得られたデータである。
尚、図3において、IuはU相配線Luaに通流するU相電流を表し、IvはV相配線Lvaに通流するV相電流を表し、IwはW相配線Luwに通流するW相電流を表し、Iallは電源ラインLLに通流する電源電流(即ち、合成電流)を表す。又、図4において、Vsはバッテリ10のバッテリ電圧(即ち、放電電圧)を表し、Vrは電源ラインLLの電源電圧を表す。
図5は、充電装置40をリップル抑制モードで動作させた際における、双方向DC/DCコンバータ43における電力の送出方向(実線矢印及び点線矢印を参照)を示す図である。尚、図5の回路構成は、図2の回路構成と同一のものである。
図6は、リップル抑制モード制御部44bにおける双方向DC/DCコンバータ43の制御態様の一例を示す図である。尚、図6には、リップル電圧の周期変動における位相に応じた双方向DC/DCコンバータ43の一次側のスイッチング素子43a〜43d(以下、「一次側スイッチング素子回路」と略称する)の動作、及び双方向DC/DCコンバータ43の二次側のスイッチング素子43g〜43j(以下、「二次側スイッチング回路」と略称する)の動作を示している。図6中の電源電圧は、電圧センサT2で検出される電源ラインLLの電圧を表し、図6中のduty比は、一次側スイッチング素子回路及び二次側スイッチング回路のうち、PWM制御を行う方のduty比を表している。
ここで、図3から分かるように、電源ラインLLにリップル電流が発生している際、このリップル電流は、U相配線Luaに通流するU相電流Iuに含まれるリップル成分と、V相配線Lvaに通流するV相電流Ivに含まれるリップル成分と、W相配線Luwに通流するW相電流Iwに含まれるリップル成分とを合成した電流となっている。そのため、このリップル電流は、モータ30の回転速度(即ち、角周波数)に依拠した周波数で周期変動する。典型的には、電源ラインLLに発生するリップル電流の周波数は、モータ30の回転の周波数の略6倍の周波数となっている。
電源ラインLLに発生するリップル電圧(図4のVrを参照)は、この電源ラインLLに発生するリップル電流に依拠して発生し、当該リップル電圧は、電源ラインLLに発生するリップル電流の周期変動と同様に、モータ30の回転の周波数の略6倍の周波数で周期変動する。
リップル抑制モード制御部44bは、かかる電源ラインLLに発生するリップル電圧の周期変動を考慮して、双方向DC/DCコンバータ43を制御する。
具体的には、リップル抑制モード制御部44bは、例えば、モータ30の回転速度を検出する回転速度センサT1のセンサ信号に基づいて、電源ラインLLに発生するリップル電圧の周波数を特定し、及び電源ラインLLの電圧を検出する電圧センサT2のセンサ信号に基づいて、当該リップル電圧の周期変動における位相を特定する。そして、リップル抑制モード制御部44bは、特定されたリップル電圧の周波数及び位相に基づいて、双方向DC/DCコンバータ43を動作させ、バッテリ10側と平滑コンデンサ41bd側との間で交互に電力を授受させる。換言すると、双方向DC/DCコンバータ43の動作により、平滑コンデンサ41bdにおいて充電と放電が交互に実行されることになる。
より詳細には、リップル電圧がバッテリ10の放電電圧に対してプラス側である場合には、リップル抑制モード制御部44bは、バッテリ10側から充電装置40の平滑コンデンサ41bdに向かって電力が送出されるように、双方向DC/DCコンバータ43を動作させる(図5の太線矢印)。即ち、リップル抑制モード制御部44bは、電源ラインLLにおいてリップル電圧の原因となる余剰電力を、平滑コンデンサ41bdに充電する。
このとき、リップル抑制モード制御部44bは、例えば、一次側スイッチング回路に整流動作を実行させ、二次側スイッチング回路に送出電力調整動作を実行させる。ここで、二次側スイッチング回路の送出電力調整動作は、例えば、PWM制御によって実行される。典型的には、リップル抑制モード制御部44bは、リップル電圧の電圧レベルが大きくなるほど、二次側スイッチング回路におけるduty比が大きくなるように、リップル電圧の位相にあわせて二次側スイッチング回路のduty比を時間的に変化させ、二次側スイッチング回路から一次側スイッチング回路に向かってリップル電圧と同期した正弦波状の電力を送出させる。これによって、各タイミングで、双方向DC/DCコンバータ43においてバッテリ10側から平滑コンデンサ41bd側に向かわせる電力の電力値を、電源ラインLLにおいてリップル電圧の原因となる余剰電力に対応したものとする。
一方、リップル電圧がバッテリ10の放電電圧に対してマイナス側である場合には、リップル抑制モード制御部44bは、充電装置40の平滑コンデンサ41bdからバッテリ10側(又は平滑コンデンサ21側)に向かって電力が送出されるように、双方向DC/DCコンバータ43を動作させる(図5の点線矢印)。即ち、リップル抑制モード制御部44bは、電源ラインLLにおいてリップル電圧を発生させる不足電力を、平滑コンデンサ41bdから供給する。
このとき、リップル抑制モード制御部44bは、例えば、二次側スイッチング回路に整流動作を実行させ、一次側スイッチング回路に送出電力調整動作を実行させる。ここで、一次側スイッチング回路の送出電力調整動作は、例えば、PWM制御によって実行される。典型的には、リップル抑制モード制御部44bは、リップル電圧の電圧レベルが小きくなるほど、一次側スイッチング回路におけるduty比が大きくなるように、リップル電圧の位相にあわせて一次側スイッチング回路のduty比を時間的に変化させ、一次側スイッチング回路から二次側スイッチング回路に向かってリップル電圧と同期した正弦波状の電力を送出させる。これによって、各タイミングで、双方向DC/DCコンバータ43において平滑コンデンサ41bd側からバッテリ10側に向かわせる電力の電力値を、電源ラインLLにおいてリップル電圧の原因となる不足電力に対応したものとする。
このような制御によって、双方向DC/DCコンバータ43は、リップル電圧の波形に対応するように、バッテリ10側から平滑コンデンサ41bdへの電力の吸い込みと、当該平滑コンデンサ41bdからバッテリ10側への電力の吐き出しを交互に実行する。これによって、電源ラインLLに発生するリップル電圧が緩和されることになる。
[効果]
以上のように、本実施形態に係る充電装置40によれば、バッテリ10に接続された電源ラインLLに発生するリップル電圧を抑制することが可能である。これにより、バッテリ10の劣化を抑制することができる。換言すると、これによって、インバータ20の入力段に搭載する平滑コンデンサ21の小容量化が可能であり、充電装置40とインバータ20とを含む電源装置全体としての車両搭載性を向上させ、且つ、低コスト化を図ることができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限らず、種々に変形態様が考えられる。
上記実施形態では、双方向DC/DCコンバータ43の一例として、絶縁トランス43fで一次側と二次側とが絶縁された絶縁型のDC/DCコンバータを示した。しかしながら、本発明において、双方向DC/DCコンバータ43の構成は、種々に変形可能であり、双方向DC/DCコンバータ43としては、非絶縁型のDC/DCコンバータが用いられてもよい。又、その他、一次側スイッチング回路の構成としては、ハーフブリッジ回路が用いられてもよい。又、二次側スイッチング回路の構成としては、半波整流型の同期整流回路が用いられてもよい。
又、上記実施形態では、リップル抑制モード制御部44bの一例として、回転センサT1と電圧センサT2とを用いて、電源ラインLLに発生するリップル電圧の周波数及び位相を特定し、双方向DC/DCコンバータ43を制御する手法を示した。しかしながら、リップル抑制モード制御部44bは、モータ30の回転子の回転位置及び回転速度の両方を検出可能な回転センサを用いて、リップル電圧の周波数及び位相を特定し、双方向DC/DCコンバータ43を制御してもよい。又、リップル抑制モード制御部44bは、電圧センサT2のセンサ信号のみに基づいて、電源ラインLLに発生するリップル電圧の周波数及び位相を検出し、双方向DC/DCコンバータ43を適応制御してもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本開示に係る車載充電装置によれば、バッテリに接続される電源ラインに発生するリップル電圧を抑制することができる。
1 車両
10 バッテリ
20 インバータ
21 平滑コンデンサ
22D〜27D 環流ダイオード
22Q〜27Q スイッチング素子
30 モータ
40 充電装置
41 AC/DCコンバータ
41a 整流回路
41b PFC回路
41ba リアクトル
41bb スイッチング素子
41bc ダイオード
41bd 平滑コンデンサ
43 双方向DC/DCコンバータ
43a〜43d、43g〜43j スイッチング素子
43e リアクトル
43f 絶縁トランス
43k リアクトル
43l 平滑コンデンサ
44 ECU(制御部)
44a 充電モード制御部
44b リップル抑制モード制御部

Claims (7)

  1. 車両を駆動するモータにバッテリからの電力を電力変換して供給するインバータに接続され、且つ、前記車両の外部からの系統電力により前記バッテリを充電する車載充電装置であって、
    平滑コンデンサを有するAC/DCコンバータと、
    前記AC/DCコンバータよりも前記バッテリ側に設けられる双方向DC/DCコンバータと、
    前記双方向DC/DCコンバータを制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記モータの挙動に応じて、前記バッテリに接続された電源ラインに発生するリップル電圧を抑制するように、前記双方向DC/DCコンバータを制御する、
    車載充電装置。
  2. 前記制御部は、前記リップル電圧の周期変動に対応する周期で、前記双方向DC/DCコンバータにおける電力の送出方向を交互に反転させることで、前記リップル電圧を抑制する、
    請求項1に記載の車載充電装置。
  3. 前記制御部は、前記双方向DC/DCコンバータにおいて、前記バッテリ側から前記平滑コンデンサ側に送出される電力、及び前記平滑コンデンサ側から前記バッテリ側に送出される電力が、前記リップル電圧の位相にあわせて時間変化するように、前記双方向DC/DCコンバータを動作させる、
    請求項2に記載の車載充電装置。
  4. 前記制御部は、前記モータの回転速度に基づいて、前記リップル電圧の周波数を特定する、
    請求項1に記載の車載充電装置。
  5. 前記制御部は、前記リップル電圧が前記バッテリの放電電圧よりも大きいときには、前記バッテリ側から前記平滑コンデンサ側に向かって電力を送出するように、前記双方向DC/DCコンバータを動作させ、
    前記リップル電圧が前記バッテリの放電電圧よりも小さいときには、前記平滑コンデンサ側から前記バッテリ側に向かって電力を送出するように、前記双方向DC/DCコンバータを動作させ、前記リップル電圧を抑制する、
    請求項2に記載の車載充電装置。
  6. 前記インバータは、入力段に第2平滑コンデンサを有する、
    請求項1に記載の車載充電装置。
  7. 前記第2平滑コンデンサは、電解コンデンサである、
    請求項6に記載の車載充電装置。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN116215265A (zh) * 2023-04-10 2023-06-06 小米汽车科技有限公司 车辆充电方法、装置、车辆及介质

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