JPH09141070A - 分離膜およびその製造方法 - Google Patents

分離膜およびその製造方法

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JPH09141070A
JPH09141070A JP7307144A JP30714495A JPH09141070A JP H09141070 A JPH09141070 A JP H09141070A JP 7307144 A JP7307144 A JP 7307144A JP 30714495 A JP30714495 A JP 30714495A JP H09141070 A JPH09141070 A JP H09141070A
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JP
Japan
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vinyl
polyvinyl alcohol
membrane
mol
separation membrane
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JP7307144A
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English (en)
Inventor
Takahide Shigehisa
隆秀 重久
Takehiko Okamoto
健彦 岡本
Toshiaki Sato
寿昭 佐藤
Yoshiharu Fukunishi
義晴 福西
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱水性に優れ、適度な透水性を有し、ま
た、透過性が高く、血液適合性にも優れた分離膜を提供
する。 【解決手段】 一般式(I) 【化1】 で示されるビニルアルコール単位、および一般式(I
I) 【化2】 (式中、R1 は水素原子または炭化水素基を表し、R2
およびR3 は炭化水素基を表す)で示されるビニルエス
テル単位を構成成分とし、ビニルアルコール単位が50
モル%以上90モル%未満で、ブロックキャラクター
(η)が0.6以下のポリビニルアルコール系重合体か
らなる分離膜であり、上記重合体を含水アルコ−ルに溶
解した製膜原液を非プロトン性でかつ水と混和する凝固
剤で凝固させることにより製膜する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分離膜及びその製造方
法に関する。さらに詳しくは、ビニルアルコール単位と
ビニルエステル単位から構成され、ビニルアルコール単
位が50モル%以上90モル%未満で、ブロックキャラ
クター(η)が0.6以下であるポリビニルアルコール
系重合体からなる分離膜、及び該重合体を含水アルコ−
ルからなる溶媒に溶解し、凝固剤で凝固させる分離膜の
製造方法に関する。本発明の分離膜は、耐熱水性に優
れ、かつ親水性及び透過性にも優れているため、工業用
あるいは医療用の分離膜として使用され、さらに血液適
合性にも優れているため、とくに血液透析膜、血液濾過
膜などの血液処理用分離膜として好適である。
【0002】従来より、ポリビニルアルコール系重合体
は親水性に優れることから工業用あるいは医療用分離膜
の素材として広く利用されている。例えば、特開昭57
ー102204号公報明細書には、ポリビニルアルコー
ル樹脂を一部アセタール化架橋し、耐圧性を保持した親
水性重合体からなる分離膜の製法が開示されており、特
公平2−71828公報明細書にはビニルアルコール単
位とエチレン単位から構成される共重合体からなる膜が
開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年分
離膜技術の高度化にともなって膜に対する要求性能も高
くなっており、分離膜として、さらに耐熱水性、透過性
などに優れた膜が望まれている。かかる観点から、本願
出願人は、シンジオタクチシチ−が55モル%以上のポ
リビニルアルコ−ル系重合体に着目し、かかる重合体か
らなる膜が、耐熱性、耐水性などに優れたものであり、
フィルム等の材料として使用し得ることを見出だし、特
願平2−236462号として出願した。
【0004】血液処理用分離膜としての観点からは、耐
熱水性および透過性に加え、適度な透水性を有し、低分
子物質の拡散透過性が高く、かつ血液適合性に優れるこ
とが必要であり、通常このような高い性能要求を満足さ
せるために、膜厚を薄くしたり、孔形成材を添加して開
孔率を高くするなどの方法が試みられているが、まだま
だ満足の行くものではない。従って、本発明の第1の目
的は、耐熱水性及び透過性にすぐれ、適度な透水性を有
する分離膜を提供することにあり、とくに低分子物質の
拡散透過性に優れ、かつ血液適合性にも優れる血液処理
用の分離膜を提供することにある。また、本発明の第2
の目的は、かかる膜を製造する方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記分離
膜を得るため鋭意検討を重ね、ビニルアルコール単位が
50モル%以上90モル%未満で、ブロックキャラクタ
ー(η)が0.6以下であるポリビニルアルコール系重
合体が分離膜として優れていることを見い出し、本発明
に到達した。すなわち本発明は、一般式(I)
【0006】
【化5】 で示されるビニルアルコール単位、および一般式(I
I)
【0007】
【化6】 で示されるビニルエステル単位を構成成分とし、ビニル
アルコール単位が50モル%以上90モル%未満で、ブ
ロックキャラクター(η)が0.6以下であるポリビニ
ルアルコール系重合体からなることを特徴とする分離膜
である。式中、R1 は水素原子または炭化水素基であ
り、R2 およびR3 は炭化水素基である。
【0008】また、本発明は、一般式(III)
【化7】 で示されるビニルアルコール単位、および一般式(I
V)
【化8】 で示されるビニルエステル単位を構成成分とし、ビニル
アルコール単位が50モル%以上90モル%未満で、ブ
ロックキャラクター(η)が0.6以下であるポリビニ
ルアルコール系重合体を含水アルコ−ルに溶解した製膜
原液を非プロトン性で水と混和する凝固剤で凝固させる
ことを特徴とする分離膜の製造方法である。式中、
1 、R2 及びR3 は上記と同じである。
【0009】R1 、R2 およびR3 としては、例えばメ
チル、エチル、プロピル、ブチルなどの低級アルキル
基;フェニルなどのアリール基;シクロヘキシルなどの
シクロアルキル基などの炭素数1〜18の炭化水素基が
好ましい。ビニルエステルの汎用性の高さなどを考慮す
ると、R1 、R2 およびR3 のさらに好ましい炭化水素
基はそれぞれメチル基である。
【0010】本発明の分離膜は、一般式(I)で示され
るビニルアルコール単位、および一般式(II)で示さ
れるビニルエステル単位を構成成分とするポリビニルア
ルコール系重合体からなるが、ビニルアルコール単位が
少ないと重合体の結晶性部分が減少して耐熱性が低下す
る傾向にあり、また逆にビニルアルコール単位が多いと
重合体の結晶性が増して製膜溶媒の溶解性が低下する傾
向にあるので、ビニルアルコール単位は70〜85モル
%、ビニルエステル単位は30〜15モル%のものがさ
らに好ましい。
【0011】本発明のポリビニルアルコール系重合体
は、ビニルアルコール単位とビニルエステル単位から構
成されるが、他のエチレン基を有していてもよい他のモ
ノマー単位を含有することはさしつかえない。このよう
な置換されていてもよいエチレン基としてはギ酸ビニ
ル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニ
ル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニルなどのビニル
エステル類;エチレン、プロピレン、イソブチレン、α
−オクテン、α−ドデセン、α−オクタドデセン等のオ
レフィン類;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
無水マレイン酸、イタコン酸等のα、β−不飽和カルボ
ン酸類、その塩、モノアルキルエステル類またはジアル
キルエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル等のα、β−不飽和ニトリル類;アクリルアミド、メ
タクリルアミド、N−ビニルピロリドン等の不飽和アミ
ド類;ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタリル
スルホン酸等のオレフィンスルホン酸類またはその塩
類、イソプロピルビニルエーテル等のアルキルビニルエ
ーテル類;ポリオキシエチレンメチルアリールエーテル
等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル類;イソプ
ロピルアリルエーテル等のアルキルアリルエーテル類;
酢酸アリル等の飽和カルボン酸アリルエステル類;メチ
ルビニルケトン等のビニルケトン;塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン等のハロゲン化オレフィン;1−ビニル−2−
メチルイミダゾール、1−ビニル−2,3−ジメチルイ
ミダゾリウムクロリド等のアミノ基または第4級アンモ
ニウム基含有ビニル化合物などのモノマーに由来する基
をあげることができる。これらの置換されていてもよい
エチレン基の含量は通常、5モル%以下である。
【0012】本発明のポリビニルアルコール系重合体
は、ブロックキャラクター(η)が0.6以下である必
要がある。ポリビニルアルコール系重合体のブロックキ
ャラクターとは、ポリビニルアルコール系重合体の13
−NMRスペクトルで、メチレン炭素部分の3本の吸収
強度の関係を、η=[OH,VES]/2[OH][V
ES]で示したもので、重合体のブロック性またはラン
ダム性を表すものである。
【0013】ポリビニルアルコール系重合体が有する3
本の吸収スペクトルは、左側から[OH]、[OH,V
ES]および[VES]に相当する3個の2単位連鎖構
造(ダイアド)に相当し、その吸収強度は3個の構造に
比例している。[OH]、[OH,VES]および[V
ES]は各々モル分率で表され、[OH,VES]に帰
属される中央の吸収の強度は、そのまま連鎖の変わり目
の量である。連鎖の変わり目が多くなるほど[OH,V
ES]は大きくなり、交互共重合体では100%とな
り、一方、連鎖がブロック性を増していくと[OH,V
ES]は小さくなり完全なブロックでは0%となる(長
野浩一、山根三郎、豊島賢太郎共著「ポバ−ル」(19
84増刷版)高分子刊行会p.247−249)。
【0014】ポリビニルアルコール系重合体のブロック
キャラクター(η)は、一般式(II)で示されるビニ
ルエステル単位の連鎖分布を0から2の間の値で示す特
性値で表され、ブロック重合体の場合は0に近い値であ
り、ランダム重合体の場合は1、交互重合体の場合は2
になる。本発明の分離膜は、適度な透水性と耐熱水性の
観点からマルチブロックポリマーであることが好まし
い。従って、ブロックキャラクター(η)は0.5以下
が好ましく、0.4以下がより好ましい。ブロックキャ
ラクター(η)が0.6を越えるポリビニルコール系重
合体膜では耐熱水性が低下する。
【0015】本発明の分離膜を構成するポリビニルアル
コール系重合体は、膜の耐熱水性の観点からそのシンジ
オタクチシチーが重水素化ジメチルスルホキシド(d6
−DMSO)溶媒中での1 H−NMR測定に基づくダイ
アド表示で55モル%以上のものが好ましく、さらに好
ましくは57モル%以上である。ポリビニルアルコール
系重合体のシンジオタクチシチーが55モル%以上のも
のは、ブロックキャラクター(η)との相乗効果でさら
に耐熱水性に優れる分離膜となる。
【0016】本発明の分離膜を構成するポリビニルアル
コール系重合体の重合度は、膜の機械的強度の観点から
1000以上が好ましく、1500以上がさらに好まし
い。ここで言う重合度は粘度平均重合度であり、ポリビ
ニルアルコール系重合体を完全ケン化した後、再酢化し
て得られるポリ酢酸ビニルの極限粘度(アセトン中、3
0℃で測定)から求めた値である。
【0017】本発明の分離膜を製造するには、まずポリ
ビニルアルコール系重合体を溶媒に溶解して製膜原液を
調製し、次いで、湿式法、乾湿式法等、公知の製膜技術
を適用すればよいが、本発明においては、溶媒及び凝固
剤の選択が重要である。
【0018】溶媒としては、一般的には前記ポリビニル
アルコール系重合体を溶解することができ、原液を凝固
させる時、速やかに凝固させるものであればよいが、本
発明においては含水アルコ−ルが用いられる。含水アル
コ−ルとしては、炭素数が1〜4程度のメタノ−ル、エ
タノ−ル、n−プロパノ−ル、i−プロパノ−ル、t−
ブタノ−ル、これらの混合物などの含水低級アルコ−ル
を例示することができる。なかでも、エタノ−ル、n−
プロパノ−ル、i−プロパノ−ルを用いると高い透過性
を示す膜が得られる傾向があるので好ましい。混合され
る水の割合は、ポリビニルアルコール系重合体の溶解性
の点から、30〜70重量%であり、より好ましくは4
0〜60重量%である。
【0019】凝固剤としては、ポリビニルアルコール系
共重合体に対して凝固性を示すものであればよいが、溶
媒同様種類によって膜の選択透過性が種々異なってくる
ので、非プロトン性でかつ水と混和する凝固剤が用いら
れる。具体的には、アセトン、テトラヒドロフラン、ジ
オキサン、メチルエチルケトン、これらの混合物および
これらの水溶液が用いられるが、安全性及び操業性の点
からは、水溶液で用いるのが好ましい。
【0020】原液中のポリビニルアルコール系重合体の
濃度は、あまり低濃度では製膜後の膜強度が弱くなるこ
とがあり、逆にあまり高濃度では粘度が高くなり製膜し
にくくなるので、5〜50wt%、好ましくは10〜3
0wt%で実施される。
【0021】本発明の分離膜は、中空糸でも平膜でもよ
く、中空糸状の分離膜の場合は、調製された製膜原液を
環状ノズルから凝固浴中に押し出し、凝固させることに
よって得られる。また、平膜の場合は、上記製膜原液を
凝固液中でガラス、ポリエステル等の板状物に流延すれ
ばよい。中空糸状の場合の膜形状は、通常外径40〜3
000μm(好ましくは100〜2000μm)、内径
10〜1000μm(好ましくは20〜500μm)で
あり、平膜の場合の膜厚さは通常10〜2000μmで
ある。
【0022】得られた分離膜は、水洗後乾燥されるが、
湿潤状態の膜を直接乾燥させると、膜の構造が変化する
ので、本発明では、グリセリン、エチレングリコール、
プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエ
チレングリコール等の多価アルコールで水を置換して乾
燥膜を得る。多価アルコールは膜構造の保存剤として働
くので、残留するような条件で乾燥した方がよい。多価
アルコールの量としては、あまり少ないと効果が充分発
揮されず膜の構造が変化してしまい、あまり多いとべと
つきが多い乾燥膜として取扱いが難しくなるので、5〜
70wt%、好ましくは20〜40wt%膜中に残すよ
うにする。
【0023】
【実施例】
[参考実験例1]撹拌機を備えた反応容器に、ピバリン
酸ビニルモノマ−600重量部およびメタノ−ル200
重量部を仕込み、窒素ガスをバブリングさせて系内を窒
素置換した。別途メタノ−ル26重量部に重合開始剤と
して2´,2´−アゾビスイソブチロニトリル0.07
12重量部を溶解した溶液を調製し、窒素ガスをバブリ
ングさせて窒素置換した。
【0024】昇温し、反応容器内の温度が60℃に達し
たところで、上記重合開始剤溶液を注入し、重合を開始
した。180分後、冷却して重合を停止し、t−ブタノ
−ルを時々添加しながら、減圧下、未反応のピバリン酸
ビニルモノマ−を除去してポリピバリン酸ビニルのt−
ブタノ−ル溶液とした。次いで、減圧下、t−ブタノ−
ルを除去してテトラヒドロフランを注入し、15wt%
のポリピバリン酸ビニルのテトラヒドロフラン溶液を得
た。
【0025】次に、還流冷却器を備えた反応容器に、該
溶液70重量部を計り取り、60℃に加温して窒素ガス
を流して窒素置換し、60℃に保持した後、別途調製し
窒素置換した25wt%の水酸化カリウムのメタノ−ル
溶液21重量部を添加し、十分に撹拌した。しばらくし
て系はゲル化したが、さらに60℃で60分間保持した
後、酢酸6.8重量部をメタノ−ル20重量部とともに
添加して水酸化カリウムを中和した。
【0026】以上のケン化条件で得られたゲルを粉砕し
た後、メタノ−ルによるソックスレ−洗浄を実施し、部
分的にケン化されたポリビニルアルコ−ルを得た。得ら
れたポリビニルアルコ−ルを無水酢酸とピリジンで酢化
してポリ酢酸ビニルを得た。該ポリ酢酸ビニルをd6
DMSOに溶解し、NMRを測定したところ、ビニルア
ルコ−ル単位が83モル%、ピバリン酸ビニル単位が1
7モル%であり、シンジオタクチシチ−が57モル%、
重合度が1820であった。また、ブロックキャラクタ
−(η)は0.48であった。
【0027】[参考実験例2〜4]参考実験例1で水酸
化カリウムを用いたケン化条件で60℃の保持時間を5
0分、40分、30分と変更し、部分的にケン化された
ポリビニルアルコ−ルを得た。
【0028】[参考実験例5]ピバリン酸ビニルモノマ
−600重量部の代わりに、ピバリン酸ビニルモノマ−
550重量部、酢酸ビニルモノマ−50重量部の混合物
を使用する以外は参考実験例1と同様に重合、ケン化、
洗浄を行い、部分的にケン化されたポリビニルアルコ−
ルを得た。
【0029】[参考実験例6〜7]参考実験例5で水酸
化カリウムを用いたケン化条件で60℃の保持時間を5
0分、40分と変更し、部分的にケン化されたポリビニ
ルアルコ−ルを得た。
【0030】[参考実験例8]参考実験例5で反応容器
内の温度60℃を80℃に変更する以外は同様にして部
分的にケン化されたポリビニルアルコ−ルを得た。
【0031】[参考実験例9]ピバリン酸ビニルモノマ
−600重量部の代わりに、ピバリン酸ビニルモノマ−
100重量部、酢酸ビニルモノマ−400重量部の混合
物を使用する以外は参考実験例1と同様に重合、ケン
化、洗浄を行い、部分的にケン化されたポリビニルアル
コ−ルを得た。
【0032】[参考実験例10]参考実験例9で水酸化
カリウムを用いたケン化条件で60℃の保持時間を15
分へ変更し、部分的にケン化されたポリビニルアルコ−
ルを得た。
【0033】[実施例1〜8、比較例1〜2]参考実験
例1〜10で得られたポリビニルアルコ−ル系重合体を
n-プロパノール/水(50/50重量比)に溶解して製
膜原液とした。該原液をガラス板にキャストし、25℃
で水10wt%を含むアセトン中へ浸漬凝固後、さらに
水洗して平膜を得た。膜の含水率と、121℃で15分
間オ−トクレ−ブ処理した後の膜の収縮率を測定した。
結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】[実施例9〜11、比較例3〜4]実施例
1〜3、比較例1の原液を、内径10mm、長さ100
mmのガラス製試験管の内壁にコ−テイングし、採血直
後の新鮮な人血を約1ml入れ、37℃で1分毎に45
度の角度に傾けて凝固するまでの時間を測定した。比較
例4はガラス製試験管をそのまま使用し、通常の血液が
凝固する時間をみたものである。結果を表2に示す。通
常、血液処理膜としての血液凝固時間は40分以上であ
るのが好ましく、本発明の分離膜が抗凝固性に優れてい
ることは明らかである。
【0036】
【表2】
【0037】[実施例12〜13、比較例5〜6]実施
例1〜3、比較例1〜2の原液を用いて、二重管ノズル
より、内部に窒素ガスを注入しつつ、15wt%の水を
含んだアセトン水中へ直接押し出し、中空糸膜を得た。
こうして得た膜を水洗後30wt%のグリセリン水溶液
に浸し、グリセリンを含浸させた後、60℃の熱風にて
乾燥させ、内径200μm、膜厚30μmの乾燥中空糸
膜をえた。グリセリンは膜中に約30wt%残存してい
た。この中空糸膜を中空糸束として有効面積1m2 のモ
ジュールに組立て、121℃、15分間オ−トクレ−ブ
処理前後の透水性、尿素クリアランスおよび牛アルブミ
ンの阻止率をダイヤライザ−性能評価基準に従って求め
た。結果を表3に示す。本発明の分離膜は、耐熱水性に
優れており、オ−トクレ−ブ処理前後の性能変化が少な
く、血液処理膜として十分な性能を有していることは明
らかである。
【0038】
【表3】
【0039】
【発明の効果】本発明のポリビニルアルコール系重合体
からなる分離膜は、耐熱水性に優れ、適度な透水性を有
しているので、各種分離膜として使用でき、また、透過
性と血液適合性にも優れているので、とくに、血液処理
膜として有用性が高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福西 義晴 岡山県倉敷市酒津2045の1番地 株式会社 クラレ内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 で示されるビニルアルコール単位、および一般式(I
    I) 【化2】 (式中、R1 は水素原子または炭化水素基を表し、R2
    およびR3 は炭化水素基を表す)で示されるビニルエス
    テル単位を構成成分とし、ビニルアルコール単位が50
    モル%以上90モル%未満で、ブロックキャラクター
    (η)が0.6以下のポリビニルアルコール系重合体か
    らなることを特徴とする分離膜。
  2. 【請求項2】 一般式(III) 【化3】 で示されるビニルアルコール単位、および一般式(I
    V) 【化4】 (式中、R1 は水素原子または炭化水素基を表し、R2
    およびR3 は炭化水素基を表す)で示されるビニルエス
    テル単位を構成成分とし、ビニルアルコール単位が50
    モル%以上90モル%未満で、ブロックキャラクター
    (η)が0.6以下であるポリビニルアルコール系重合
    体を含水アルコ−ルに溶解した製膜原液を非プロトン性
    でかつ水と混和する凝固剤で凝固させることを特徴とす
    る分離膜の製造方法。
JP7307144A 1995-11-27 1995-11-27 分離膜およびその製造方法 Pending JPH09141070A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20170133341A (ko) * 2015-03-31 2017-12-05 도레이 카부시키가이샤 공중합체 및 그것을 사용한 의료 디바이스, 의료용 분리막 모듈, 및 혈액 정화기

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20170133341A (ko) * 2015-03-31 2017-12-05 도레이 카부시키가이샤 공중합체 및 그것을 사용한 의료 디바이스, 의료용 분리막 모듈, 및 혈액 정화기

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