JP5637483B2 - 中空糸膜およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリビニルアルコール系中空糸膜およびその製造方法に関する。
ドナン透析法はイオン交換膜を用い拡散力を利用して分離する方法である。電気透析法と比較すると電気代が不要であり、また、イオン交換樹脂法と比較すると樹脂再生が不要なため連続運転が可能であるなどの利点を有しており、廃液からの有用金属の回収や、有機酸の対イオンの交換などに応用されている。しかし、駆動力が濃度差であるため、電気透析や圧透析と比較して透過流束が小さいという短所を有する。そのため、単位体積当たりの膜面積を大きくする1つの方法としてチューブ状の形状を有する荷電型中空糸(hollow fiber=HF)膜が検討されている。
非特許文献1(J.Membr.Sci.,Vol.231,p109(2004).)には、荷電型中空糸膜であって、ポリスルホンの膜マトリクスに、30μm以下の大きさの粒子状のイオン交換樹脂を分散させて作製した中空糸膜が記載されている。しかしながら、(1)イオン交換樹脂とポリスルホンの膜マトリクスの接着性に問題があり、その界面を副イオンが透過するため対イオン選択性が低くなる、(2)膜の両面に渡ってイオン交換樹脂が連なっていないと対イオン透過が行えないが、全体に対してこのようなイオンパスが形成される割合が少ないので対イオンの透過流束が低い、という問題点を有している。
非特許文献2(Ind.Eng.Chem.Res.,47,p6204(2008).)には、poly(2,6−dimethyl−1,4−phenylene oxide)溶液を用いて紡糸した後、該重合体を4級アミノ化することにより作製されたアニオン交換性中空糸膜が記載されている。しかし、このような膜は化学的架橋構造を有さないために含水率が高く、対イオン選択性や機械的強度が低いという問題点を有している。
特開昭59−187003号公報
J.Membr.Sci.,Vol.231,p109(2004). Ind.Eng.Chem.Res.,47,p6204(2008).
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、イオンの透過流束が大きく、かつ選択係数の大きい、さらに機械的強度に優れた中空糸膜を提供することを目的とするものである。さらに、そのような中空糸膜を容易にかつ低コストで製造することができる中空糸膜の製造方法を提供することを目的とするものである。
上記課題は、カチオン性重合体またはアニオン性重合体から選択されるイオン性重合体からなる中空糸膜であって;該イオン性重合体が、イオン性単量体を重合してなる重合体成分とポリビニルアルコール成分とを含有する、ブロック共重合体からなることを特徴とする中空糸膜を提供することによって解決される。
前記イオン性重合体のイオン性単量体含有量が0.1〜50モル%であることが好ましい。また、前記中空糸膜の膜厚が0.1〜500μmであることも好ましい。本発明の好適な実施態様はドナン透析用中空糸膜である。
上記課題は、カチオン性重合体またはアニオン性重合体から選択されるイオン性重合体からなる中空糸膜の製造方法であって、前記イオン性重合体を含む溶液からなる紡糸原液を環状ノズルから紡出し、凝固液中に導入して凝固させることによって上記中空糸膜を形成することを特徴とする中空糸膜の製造方法を提供することによっても解決される。このとき、前記紡糸原液を環状ノズルから紡出する際に、環状ノズルに紡糸原液を供給するとともに環状ノズルの内側に凝固液を供給して、紡糸原液と凝固液とを同時に紡出することが好ましい。また、前記中空糸膜を形成した後に、延伸倍率2倍以上で延伸することも好ましい。前記中空糸膜を形成した後に、熱処理および/または架橋処理を施すことも好ましい。
本発明の中空糸膜は、イオンの透過流束が大きく、かつ選択係数が大きく、また、機械的強度に優れているので、効率的に透析を行うことができる。さらに、本発明の中空糸膜の製造方法によれば、そのような中空糸膜を容易にかつ低コストで製造することができる。
【0012】
【図1】ドナン透析試験装置の模式図である。
【図2】アニオン透析についてのドナン透析試験系を示した模式図である。
【図3】カチオン透析についてのドナン透析試験系を示した模式図である。
【図4】ドナン透析試験における初期濃度勾配(ΔC/Δt)の求め方を示したグラフである。
【図5】紡糸装置の概略図である。
【図6】 比較例6において作製した中空糸膜エレメントの写真である。
【図7】 比較例6において、中空糸膜の断面をカラー3Dレーザー顕微鏡を用いて撮影した画像である。
【図8】 比較例6において、中空糸膜の断面を走査型電子顕微鏡を用いて撮影した画像である。
【図9】 比較例9において、中空糸膜の断面をカラー3Dレーザー顕微鏡を用いて撮影した画像である。
【図10】 比較例9において、中空糸膜の断面を走査型電子顕微鏡を用いて撮影した画像である。
【図11】 比較例9において、中空糸膜の断面をデジタルマイクロスコープを用いて撮影した画像である。
【図12】比較例1において、中空糸膜の断面をカラー3Dレーザー顕微鏡を用いて撮影した画像である。
【図13】比較例1において、中空糸膜の断面を走査型電子顕微鏡を用いて撮影した画像である。
【図14】 比較例6〜8および比較例1〜4において、架橋処理液中のグルタルアルデヒド濃度(CGA)に対して、NO およびClの透過流束Jをプロットしたグラフである。
【図15】 比較例6〜8および比較例1〜4において、架橋処理液中のグルタルアルデヒド濃度(CGA)に対して、Clに対するNO の選択係数αをプロットしたグラフである。
【図16】 比較例9〜11および比較例1〜3および5において、架橋処理液中のグルタルアルデヒド濃度(CGA)に対して、Ca2+およびNaの透過流束Jをプロットしたグラフである。
【図17】 比較例9〜11および比較例1〜3および5において、架橋処理液中のグルタルアルデヒド濃度(CGA)に対して、Naに対するCa2+の選択係数αをプロットしたグラフである。
【図18】実施例7〜10において、架橋処理液中のグルタルアルデヒド濃度(CGA)に対して、NO およびClの透過流束Jをプロットしたグラフである。
【図19】実施例7〜10において、架橋処理液中のグルタルアルデヒド濃度(CGA)に対して、Clに対するNO の選択係数αをプロットしたグラフである。
【図20】 比較例12〜15において、NO の透過流束Jに対して、Clに対するNO の選択係数αをプロットしたグラフである。
【発明を実施するための形態】
本発明の中空糸膜は、カチオン性重合体またはアニオン性重合体から選択されるイオン性重合体からなるものである。
本発明におけるカチオン性重合体は、カチオン基を含有するポリビニルアルコール、またはカチオン基を含有する重合体とイオン性基を含有しないポリビニルアルコールとの混合物からなるものである。前者の場合、カチオン性重合体は、その構造単位としてカチオン基を含有する構造単位とビニルアルコール単位とを含む。該カチオン基を含有するポリビニルアルコールは複数種であってもよい。また、後者の場合、カチオン性重合体は、カチオン基を含有する構造単位を含む重合体とイオン性基を含有しないポリビニルアルコールとの混合物である。該カチオン性重合体および/またはイオン性基を含有しないポリビニルアルコールは複数種であってもよい。これらの重合体は架橋性を有するものであることが好ましい。
本発明で用いられるカチオン性重合体が含有するカチオン基は、重合体の主鎖、側鎖、末端のいずれに含まれていても構わない。カチオン基としては、アンモニウム基、イミニウム基、スルホニウム基、ホスホニウム基が例示される。また、アミノ基やイミノ基のように、水中においてその一部が、アンモニウム基やイミニウム基に変換し得る官能基を含有する重合体も、本発明のカチオン性重合体に含まれる。この中で、工業的に入手し易い観点から、アンモニウム基が好ましい。アンモニウム基としては、1級アンモニウム基(アンモニウム基)、2級アンモニウム基(アルキルアンモニウム基等)、3級アンモニウム基(ジアルキルアンモニウム基等)、4級アンモニウム基(トリアルキルアンモニウム基等)のいずれを用いることもできるが、4級アンモニウム基(トリアルキルアンモニウム基等)がより好ましい。カチオン性重合体は、1種類のみのカチオン基を含有していてもよいし、複数種のカチオン基を含有していてもよい。また、カチオン基の対アニオンは特に限定されず、ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、リン酸イオン、カルボン酸イオンが例示される。この中で、入手の容易性の点から、ハロゲン化物イオンが好ましく、塩化物イオンがより好ましい。カチオン性重合体は、1種類のみの対アニオンを含有していてもよいし、複数種の対アニオンを含有していてもよい。
カチオン性重合体中のカチオン基を含有する構造単位としては、以下の一般式(1)〜(8)で表わされるものが例示される。
Figure 0005637483
[式中、Rは水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表わす。R、R、Rはそれぞれ独立に、水素原子、または、置換基を有していてもよい炭素数1〜18のアルキル基、アリール基もしくはアラルキル基を表わす。R、R、Rは、相互に連結して飽和もしくは不飽和環状構造を形成していてもよい。Zは−O−、−NH−、または−N(CH)−を表わし、Yは酸素、窒素、硫黄またはリン原子を含んでもよい総炭素数1〜8の二価の連結基を表わす。Xはアニオンを表わす。]
一般式(1)中のXで表わされるアニオンとしては、ハロゲン化物イオン、水酸化物イオン、リン酸イオン、カルボン酸イオンが例示される。一般式(1)で表わされる構造単位を含有するカチオン性重合体しては、3−(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、3−(メタ)アクリルアミド−3,3−ジメチルプロピルトリメチルアンモニウムクロライドなど3−(メタ)アクリルアミド−アルキルトリアルキルアンモニウム塩の単独重合体または共重合体が例示される。
Figure 0005637483
[式中、Rは水素原子またはメチル基を表わす。R、R、RおよびXは一般式(1)と同義である。]
一般式(2)で表わされる構造単位を含有するカチオン性重合体としては、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライドなど、ビニルベンジルトリアルキルアンモニウム塩の単独重合体または共重合体が例示される。
Figure 0005637483
[式中、R、RおよびXは一般式(1)と同義である。]
Figure 0005637483
[式中、R、RおよびXは一般式(1)と同義である。]
一般式(3)および一般式(4)で表わされる構造単位を含有するカチオン性重合体としては、ジアリルジメチルアンモニウムクロライドなどジアリルジアルキルアンモニウム塩が環化重合して得られる単独重合体または共重合体が例示される。
Figure 0005637483
[式中、nは0または1を表わす。RおよびRは一般式(1)と同義である。]
一般式(5)で表わされる構造単位を含有するカチオン性重合体としては、アリルアミンの単独重合体または共重合体が例示される。
Figure 0005637483
[式中、nは0または1を表わす。R、R、RおよびXは一般式(1)と同義である。]
一般式(6)で表わされる構造単位を含有するカチオン性重合体としては、アリルアミン塩酸塩などアリルアンモニウム塩の単独重合体または共重合体が例示される。
Figure 0005637483
[式中、Rは水素原子またはメチル基を表わし、Aは−CH(OH)CH−、−CHCH(OH)−、−C(CH)(OH)CH−、−CHC(CH)(OH)−、−CH(OH)CHCH−、または−CHCHCH(OH)−を表わす。Eは−N(Rまたは−N(R・Xを表わし、Rは水素原子、メチル基またはエチル基を表わす。Xは一般式(1)と同義である。]
一般式(7)で表わされる構造単位を含有するカチオン性重合体として、N−(3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)ジメチルアミンまたはその4級アンモニウム塩の単独重合体または共重合体、N−(4−アリルオキシ−3−ヒドロキシブチル)ジエチルアミンまたはその4級アンモニウム塩の単独重合体または共重合体が例示される。
Figure 0005637483
[式中、Rは水素原子またはメチル基、Rは水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基またはi−プロピル基、Rは水素原子、メチル基およびエチル基をそれぞれ表わす。]
一般式(8)で表わされる構造単位を含有するカチオン性重合体として、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等が例示される。
本発明におけるアニオン性重合体は、アニオン基を含有するポリビニルアルコール、またはアニオン基を含有する重合体とイオン性基を含有しないポリビニルアルコールとの混合物からなるものである。前者の場合、アニオン性重合体は、その構造単位としてアニオン基を含有する構造単位とビニルアルコール単位とを含む。該アニオン基を含有するポリビニルアルコールは複数種であってもよい。また、後者の場合、アニオン性重合体は、アニオン基を含有する構造単位を含む重合体とイオン性基を含有しないポリビニルアルコールとの混合物である。該アニオン性重合体および/またはイオン性基を含有しないポリビニルアルコールは複数種であってもよい。これらの重合体は架橋性を有するものであることが好ましい。
本発明で用いられるアニオン性重合体が含有するアニオン基は、重合体の主鎖、側鎖、末端のいずれに含まれていても構わない。アニオン基としては、スルホネート基、カルボキシレート基、ホスホネート基が例示される。また、スルホン酸基、カルボキシル基、ホスホン酸基のように、水中においてその一部が、スルホネート基、カルボキシレート基、ホスホネート基に変換し得る官能基を含有する重合体も、本発明のアニオン性重合体に含まれる。この中で、イオン解離定数が大きい点から、スルホネート基が好ましい。アニオン性重合体は、1種類のみのアニオン基を含有していてもよいし、複数種のアニオン基を含有していてもよい。また、アニオン基の対アニオンは特に限定されず、水素イオン、アルカリ金属イオンが例示される。この中で、設備の腐蝕問題が少ない点から、アルカリ金属イオンが好ましい。アニオン性重合体は、1種類のみの対アニオンを含有していてもよいし、複数種の対アニオンを含有していてもよい。
アニオン性重合体中のアニオン基を含有する構造単位としては、以下の一般式(9)および(10)で表わされるものが例示される。
Figure 0005637483
[式中、Rは水素原子またはメチル基を表わす。Gは−SOH、−SO 、−PO、−PO、−COHまたは−CO を表わす。Mはアンモニウムイオンまたはアルカリ金属イオンを表わす。]
一般式(9)で表わされる構造単位を含有するアニオン性重合体としては、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸の単独重合体または共重合体が例示される。
Figure 0005637483
[式中、Rは水素原子またはメチル基を表わし、Tはメチル基で置換されていてもよいフェニレン基またはナフチレン基を表わす。Gは一般式(9)と同義である。]
一般式(10)で表わされる構造単位を含有するアニオン性重合体としては、p−スチレンスルホン酸ナトリウムなどp−スチレンスルホン酸塩の単独重合体または共重合体が例示される。
また、アニオン性重合体としては、ビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸などのスルホン酸基またはその塩を有する単量体の単独重合体または共重合体、フマール酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等のカルボキシル基、その誘導体またはその塩を有する単量体の単独重合体または共重合体なども例示される。
一般式(9)または(10)において、Gは、より高い荷電密度を与えるスルホネート基、スルホン酸基、ホスホネート基またはホスホン酸基であることが好ましい。また一般式中、Mで表わされるアルカリ金属イオンとしてはナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオンが挙げられる。
イオン性重合体が、共重合体である場合の共重合成分としては、ビニルアルコール成分が用いられる。イオン性基を含有する重合体とイオン性基を含有しない重合体との混合物を用いる場合、イオン性基を含有しない重合体としてはイオン性基を含有する重合体と親和性が高いポリビニルアルコールが用いられる。ポリビニルアルコールは、容易に架橋させることができるので、高強度の中空糸膜を得ることができる。
本発明の中空糸膜においては、該イオン性重合体が、カチオン基またはアニオン基から選択されるイオン性基を含有するポリビニルアルコールまたは該イオン性基を含有する重合体と該イオン性基を含有しないポリビニルアルコールとの混合物からなることが重要である。
カチオン性重合体を成すカチオン基を含有するポリビニルアルコールとしては、アリルアミン塩酸塩とポリビニルアルコール成分との共重合体、メタクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウム塩とポリビニルアルコール成分との共重合体、ビニルベンジルトリアルキルアンモニウム塩とポリビニルアルコール成分との共重合体、ジアリルジアルキルアンモニウム塩とポリビニルアルコール成分との共重合体が例示される。また、カチオン性重合体を成す、カチオン基を含有する重合体とカチオン基を含有しないポリビニルアルコールとの混合物としては、アリルアミン塩酸塩の重合体とポリビニルアルコールとの混合物、メタクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウム塩の重合体とポリビニルアルコールとの混合物、ビニルベンジルトリアルキルアンモニウム塩の重合体とポリビニルアルコールとの混合物またはジアリルジアルキルアンモニウム塩の重合体とポリビニルアルコールとの混合物が例示される。カチオン基を含有するポリビニルアルコール、またはカチオン基を含有する重合体とカチオン基を含有しないポリビニルアルコールとの混合物においては、カチオン性重合体中の単量体単位の総数に対するビニルアルコール単位の数の割合が、50モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることがより好ましい。
また、アニオン性重合体を成すアニオン基を含有するポリビニルアルコールとしては、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩とポリビニルアルコール成分との共重合体、p−スチレンスルホン酸塩とポリビニルアルコール成分との共重合体が例示される。アニオン性重合体を成す、アニオン基を含有する重合体とアニオン基を含有しないポリビニルアルコールとの混合物としては、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩の重合体とポリビニルアルコールとの混合物またはp−スチレンスルホン酸塩の重合体とポリビニルアルコールとの混合物が例示される。アニオン基を含有するポリビニルアルコール、またはアニオン基を含有する重合体とアニオン基を含有しないポリビニルアルコールとの混合物においては、アニオン性重合体中の単量体単位の総数に対するビニルアルコール単位の数の割合が50モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることがより好ましい。
本発明で用いられるイオン性基を含有するポリビニルアルコールは、イオン性単量体とビニルエステル系単量体を共重合し、これを常法によりけん化して得られる。ビニルエステル系単量体は、ラジカル重合可能なものであれば使用できる。例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニルおよびバーサティック酸ビニルが挙げられる。この中でも酢酸ビニルが好ましい。
イオン性単量体とビニルエステル系単量体とを共重合させる方法としては、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法などの公知の方法が挙げられる。それらの方法の中でも、無溶媒で行う塊状重合法、またはアルコールなどの溶媒を用いて行う溶液重合法が通常採用される。溶液重合法を採用して共重合反応を行う際に、溶媒として使用されるアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノールなどの低級アルコールが挙げられる。共重合反応に使用される開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−バレロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)などのアゾ系開始剤;過酸化ベンゾイル、n−プロピルパーオキシカーボネートなどの過酸化物系開始剤などの公知の開始剤が挙げられる。共重合反応を行う際の重合温度については特に制限はないが、5〜180℃の範囲が適当である。
イオン性単量体とビニルエステル系単量体とを共重合させることによって得られたビニルエステル系重合体は、次いで、公知の方法にしたがって溶媒中でけん化することで、イオン性基を含有するポリビニルアルコールを得ることができる。
ビニルエステル系重合体のけん化反応の触媒としては通常アルカリ性物質が用いられ、その例として、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属の水酸化物、およびナトリウムメトキシドなどのアルカリ金属アルコキシドが挙げられる。けん化触媒は、けん化反応の初期に一括して添加してもよいし、あるいはけん化反応の初期に一部を添加し、残りをけん化反応の途中で追加して添加してもよい。けん化反応に用いられる溶媒としては、メタノール、酢酸メチル、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドが挙げられる。これらの中でもメタノールが好ましい。けん化反応は、バッチ法および連続法のいずれの方式でも実施可能である。けん化反応の終了後に、必要に応じて、残存するけん化触媒を中和してもよく、使用可能な中和剤として、酢酸、乳酸などの有機酸、および酢酸メチルなどのエステル化合物が挙げられる。
イオン性基を含有するポリビニルアルコールのけん化度は特に限定されないが、40〜99.9モル%であることが好ましい。けん化度が40モル%未満だと、結晶性が低下し、得られる中空糸膜の強度が不足するおそれがある。けん化度が60モル%以上であることがより好ましく、80モル%以上であることがさらに好ましい。通常、けん化度は99.9モル%以下である。このとき、前記ポリビニルアルコールが複数種のポリビニルアルコールの混合物である場合のけん化度は、混合物全体としての平均のけん化度をいう。なお、ポリビニルアルコールのけん化度は、JIS K6726に準じて測定した値である。本発明で用いられるイオン性基を含有しないポリビニルアルコールのけん化度も、上記範囲であることが好ましい。
イオン性基を含有するポリビニルアルコールの粘度平均重合度(以下単に重合度と言うことがある)は特に限定されないが、50〜10000であることが好ましい。重合度が50未満だと、実用上で中空糸膜が十分な強度を保持できないおそれがある。重合度が100以上であることがより好ましい。重合度が10000を超えると紡糸に用いる重合体溶液の粘度が高すぎて扱えないおそれがある。重合度が8000以下であることがより好ましい。このとき、前記ポリビニルアルコールが複数種のポリビニルアルコールの混合物である場合の重合度は、混合物全体としての平均の重合度をいう。なお、ポリビニルアルコールの粘度平均重合度は、JIS K6726に準じて測定した値である。本発明で用いられるイオン性基を含有しないポリビニルアルコールの重合度も、上記範囲であることが好ましい。
本発明では、イオン性重合体として、イオン性単量体を重合してなる重合体成分とポリビニルアルコール成分とを含有する、ブロック共重合体またはグラフト共重合体が好適に用いられる。こうすることにより、イオン性重合体がミクロ相分離して、中空糸膜全体の強度の向上、膜の膨潤度の抑制および形状保持についての機能を担うポリビニルアルコール成分と、カチオンまたはアニオンを透過させる機能を担うイオン性単量体を重合してなる重合体成分とが役割分担でき、中空糸膜の膨潤度と寸法安定性とを両立することができる。イオン性単量体を重合してなる重合体成分の構造単位は特に限定されないが、前記一般式(1)〜(10)で表わされるものが例示される。この中で、入手容易である点から、カチオン性重合体としては、メタクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウム塩を重合してなる重合体成分とポリビニルアルコール成分とを含有するブロック共重合体、ビニルベンジルトリアルキル塩を重合してなる重合体成分とポリビニルアルコール成分とを含有するブロック共重合体またはジアリルジアルキルアンモニウム塩を重合してなる重合体成分とポリビニルアルコール成分とを含有するブロック共重合体が、また、アニオン性重合体としては、p−スチレンスルホン酸塩を重合してなる重合体成分とポリビニルアルコール成分とを含有するブロック共重合体または2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩を重合してなる重合体成分とポリビニルアルコール成分とを含有するブロック共重合体が好ましく用いられる。
本発明で用いられるイオン性単量体を重合してなる重合体成分とポリビニルアルコール成分とを含有するブロック共重合体の製造方法は主に次の2つの方法に大別される。すなわち、(1)所望のブロック共重合体を製造した後、特定のブロックにイオン性基を結合させる方法および(2)少なくとも1種類のイオン性単量体を重合させて所望のブロック共重合体を製造する方法である。このうち、(1)については、末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコールの存在下、1種類または複数種の単量体をブロック共重合させ、次いでブロック共重合体中の1種類または複数種の重合体成分にイオン性基を導入する方法、(2)については、末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコールの存在下、少なくとも1種類のイオン性単量体をラジカル重合させることによりブロック共重合体を製造する方法が工業的な容易さから好ましい。特に、ブロック共重合体中のポリビニルアルコール成分とイオン性単量体を重合してなる重合体成分の各成分の種類や量を容易に制御できることから、末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコールの存在下、少なくとも1種類のイオン性単量体をラジカル重合させてブロック共重合体を製造する方法が好ましい。
これらのブロック共重合体の製造に用いられる、末端にメルカプト基を有するビニルアルコール系重合体は、例えば、特開昭59−187003号などに記載されている方法により得ることができる。すなわち、チオール酸の存在下にビニルエステル系単量体、例えば酢酸ビニルをラジカル重合して得られるビニルエステル系重合体をけん化する方法が挙げられる。このようにして得られる末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコールと、イオン性単量体とを用いてブロック共重合体を得る方法としては、例えば特開昭59−189113号などに記載された方法が挙げられる。すなわち、末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコールの存在下にイオン性単量体をラジカル重合させることによりブロック共重合体を得ることができる。このラジカル重合は公知の方法、例えばバルク重合、溶液重合、パール重合、乳化重合などによって行うことができるが、末端にメルカプト基を含有するポリビニルアルコールを溶解し得る溶媒、例えば水やジメチルスルホキシドを主体とする溶媒中で行うのが好ましい。また、重合プロセスとしては、回分法、半回分法、連続法のいずれをも採用することができる。
イオン性重合体のイオン性単量体含有量は特に限定されないが、イオン性重合体のイオン性単量体含有量、すなわち、イオン性重合体中の単量体単位の総数に対するイオン性単量体単位の数の割合が、0.1〜50モル%であることが好ましい。イオン性単量体含有量が0.1モル%未満だと、中空糸膜中の有効荷電密度が低下し、膜の対イオン選択性が低下するおそれがある。含有量が0.5モル%以上であることがより好ましく、1モル%以上であることがさらに好ましい。イオン性単量体含有量が50モル%を超えると、中空糸膜の膨潤度が高くなり、機械的強度が低下するおそれがある。また、対イオン選択性が低下するおそれがある。含有量が30モル%以下であることがより好ましく、20モル%以下であることがさらに好ましい。イオン性重合体が複数種の重合体の混合物である場合のイオン性単量体含有量は、混合物中の単量体単位の総数に対するイオン性単量体単位の数の割合をいう。
本発明の中空糸膜は、本発明の目的を損なわない範囲で、無機フィラーなど種々の添加剤を含んでいてもよい。
本発明の中空糸膜の内径は、100〜2000μmであることが好ましい。内径が100μm未満だと、処理液中の異物による詰まりが発生するおそれがある。内径が130μm以上であることがより好ましく、150μm以上であることがさらに好ましい。内径が2000μmを超えると、膜の比表面積が不足して透析効率が悪化するおそれがある。内径が1500μm以下であることがより好ましく、1000μm以下であることがさらに好ましい。
本発明の中空糸膜の外径は、101〜3000μmであることが好ましい。外径が101μm未満だと、中空糸の強度に劣るおそれがある。外径が130μm以上であることがより好ましく、150μm以上であることがさらに好ましい。外径が3000μmを超えると、膜の比表面積が不足して透析効率が悪化するおそれがある。外径が2500μm以下であることがより好ましく、2000μm以下であることがさらに好ましい。
本発明の中空糸膜の膜厚は、0.1〜500μmであることが好ましい。膜厚が0.1μm未満だと、機械的強度が低下するおそれがある。膜厚が0.3μm以上であることがより好ましく、1μm以上であることがさらに好ましい。膜厚が500μmを超えると、透過流束が低下するおそれがある。膜厚が300μm以下であることがより好ましく、100μm以下であることがさらに好ましい。
本発明の中空糸膜は、好適には、イオン性重合体を含む溶液からなる紡糸原液を環状ノズルから紡糸し、凝固液中に導入して凝固させることによって中空糸膜を形成することにより製造される。このような製造方法によれば、上記中空糸膜を、容易にかつ低コストで製造することができる。
紡糸原液には、上記のイオン性重合体が溶解している。溶媒は、上記のイオン性重合体が溶解するものであればよく、水、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドが例示され、安全性の点から水が好ましい。紡糸原液は、さらにホウ酸またはその水溶性塩(例えばホウ砂)が溶解し、さらに無機酸、有機酸(例えば酢酸)から選ばれる他の酸が溶解して酸性になっていることが好ましい。このようにすることによって、凝固液中で、ポリビニルアルコール単位の水酸基間でホウ酸架橋反応が生じ、中空糸膜の成形が良好に行える。また、良好な形状の中空糸膜を得るために、紡糸原液を、紡糸前に紡糸原液タンク中で数十分から数時間程度静置させることにより脱泡することが好ましい。
上記紡糸原液は、環状ノズルから紡糸される。環状ノズルの内径および外径は、製造される中空糸膜の寸法を考慮して適宜選定される。紡糸原液を環状ノズルから紡出する際に、加熱することが好ましい。好適な温度は、50〜100℃であり、加熱することによって紡糸原液の粘度が低下して紡糸作業が容易になる。紡糸原液を紡出する際の押し出す圧力は、紡糸原液の粘度などによって適宜選択されるが、通常、0.01〜1MPaである。
環状ノズルから紡出された紡糸原液は、凝固液中に導入される。膜のモルフォロジー制御の観点から、環状ノズルの出口から凝固液の液面まで、一定の長さの空気中を通ってから凝固液中に導入されるようにしてもよい。凝固液は、紡糸原液に対して凝固性を示すものであればよく、通常、水溶液が用いられる。例えば、カチオン性中空糸膜の場合には、水酸化ナトリウムなどのアルカリおよび/または硫酸ナトリウムなどの塩を溶解させたアルカリ性水溶液、アニオン性中空糸膜の場合には、硫酸などの酸および/または硫酸ナトリウムなどの塩を溶解させた酸性水溶液などが用いられる。凝固液の温度は、紡糸原液よりも低温であることが好ましく、0〜50℃であることが好ましい。凝固液中に導入された紡糸原液は、凝固して中空糸膜を形成する。
前記紡糸原液を環状ノズルから紡出する際に、環状ノズルに紡糸原液を供給するとともに環状ノズルの内側に凝固液を供給して、紡糸原液と凝固液を同時に紡出することが好ましい。このようにすることにより、内側に凝固液が存在せず、空気が存在する場合に比べて、緻密で、形状が良好な中空糸膜が得られる。内側に供給する凝固液は、紡糸原液に対して凝固性を示すものであればよい。紡糸原液を導入して凝固させる凝固液と同じものを使用することができる。
こうして得られた中空糸膜は、その後、架橋を切断するために、酸性水溶液などに浸漬して洗浄してもよい。当該酸性水溶液としては、硫酸などの酸および必要に応じて硫酸ナトリウムなどの塩が溶解した水溶液が用いられる。また、その後、ホウ酸やその他の酸を除去するために、硫酸ナトリウムなどの塩が溶解した水溶液に浸漬して洗浄してもよい。
本発明の中空糸膜の製造方法においては、中空糸膜を形成した後に、延伸処理を施すことが好ましい。延伸処理を施すことによって、PVAの分子鎖は延伸方向に配向し結晶化が促進される。しかし、イオン性基はPVAの結晶化領域には存在しにくいため、PVAマトリックスから排除される。このため、中空膜中でイオン性基が局在化することとなり、膜中の荷電基の密度が増加し、イオン選択性が向上する。延伸処理の方法は特に限定されず、一軸延伸機などが一般に用いられる。イオン選択性を高める上で延伸倍率は2倍以上であることが好ましく、3倍以上であることがより好ましい。延伸倍率が高すぎると、中空糸膜の破断が発生する可能性があるので、通常10倍以下であり、5倍以下であることが好ましい。
延伸処理の温度は、特に限定されないが、0〜250℃であることが好ましい。延伸処理の温度が0℃未満だと、PVAマトリックスのガラス転移点以下となり柔軟性が低下し、中空糸膜の延伸性が不足するおそれがある。該温度が10℃以上であることがより好ましく、20℃以上であることがさらに好ましい。熱処理の温度が250℃を超えると、イオン性基が熱分解したり、ポリビニルアルコールが融解したりするおそれがある。該温度が230℃以下であることがより好ましく、220℃以下であることがさらに好ましく、200℃以下であることが特に好ましい。上記延伸処理は、通常は後述する熱処理および/または架橋処理の前に行われる。
本発明の中空糸膜の製造方法においては、中空糸膜を形成した後に、熱処理を施すことが好ましい。熱処理を施すことによって、結晶化度が高くなるので、物理的な架橋点が増加し、得られる中空糸膜の機械的強度が増大する。また、非晶部にイオン性基が濃縮されて、イオン交換パスの形成が促進されるため、荷電密度が増加し、対イオン選択性が向上する。熱処理の方法は特に限定されず、熱風乾燥機などが一般に用いられる。熱処理の温度は、特に限定されないが、50〜250℃であることが好ましい。熱処理の温度が50℃未満だと、得られる中空糸膜の機械的強度が不足するおそれがある。該温度が80℃以上であることがより好ましく、100℃以上であることがさらに好ましい。熱処理の温度が250℃を超えると、、イオン性基が熱分解したり、ポリビニルアルコールが融解したりするおそれがある。該温度が230℃以下であることがより好ましく、220℃以下であることがさらに好ましく、200℃以下であることが特に好ましい。熱処理の時間は、通常、1分〜10時間である。熱処理は不活性ガス(例えば窒素ガス、アルゴンガスなど)雰囲気下で行うことが望ましい。
本発明の中空糸膜の製造方法においては、中空糸膜を形成した後に、架橋処理を施すことが好ましい。架橋処理を施すことによって、得られる中空糸膜の機械的強度が増大する。また、荷電密度が増加するため、対イオン選択性が向上する。架橋処理の方法は、重合体の分子鎖同士を化学結合によって結合できる方法であればよく、特に限定されない。通常、中空糸膜を、架橋処理剤を含む架橋処理液に浸漬する方法などが用いられる。該架橋処理剤としては、グルタルアルデヒド、ホルムアルデヒド、グリオキザールが例示される。該架橋処理剤の濃度は、通常、溶液に対する架橋処理剤の体積濃度が0.001〜1体積%である。
前記製造方法においては、熱処理と架橋処理の両方を行ってもよいし、そのいずれかのみを行ってもよい。熱処理と架橋処理を両方行う場合、熱処理の後に架橋処理を行ってもよいし、架橋処理の後に熱処理を行ってもよいし、両者を同時に行ってもよい。熱処理の後に架橋処理を行うことが、得られる中空糸膜の機械的強度の面から好ましい。
本発明の中空糸膜は、種々の用途に用いることができる。本発明の中空糸膜は、イオンの透過流束が大きく、かつ選択係数が大きく、さらに機械的強度に優れるため、ドナン透析に好適に用いられる。例えば、微量イオンの除去、廃液からの有用金属の回収や、有機酸の対イオンの交換、硬水の軟水化、酸やアルカリの回収、中和透析、湿度調整用部材(加湿用、除湿用、保湿用など)などに適している。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。以下の実施例における分析および評価は下記の方法にしたがって行った。
(1)カラー3Dレーザー顕微鏡による観察
得られた中空糸膜を、その長さ方向と垂直に2ヶ所で切断し測定試料とした。株式会社キーエンス製カラー3Dレーザー顕微鏡「VK−9700」を用いて、中空糸膜の断面を観察し、その画像を撮影した。また、カラー3Dレーザー顕微鏡画像では、湿潤状態の中空糸膜を観察できるので、得られた画像から、湿潤状態における中空糸膜の内径、外径、および膜厚(d)を算出した。
(2)走査型電子顕微鏡(SEM)による観察
得られた中空糸膜を、SEMの試料台に乗る大きさに、中空糸膜の長さ方向に垂直に2ヶ所で切断してから、金蒸着を行って測定試料を作製した。金蒸着には、株式会社日立製作所製イオンスパッタ装置「E101 ION SPUTTER」を用いた。このようにして得られた測定試料をSEM装置で観察し、中空糸膜断面の画像を撮影した。ここで、SEM装置として、日本電子株式会社製走査型電子顕微鏡「JSM−T300 SCANNING MICROSCOPE、ASAMI TECHNO GLASS」を用いた。
(3)デジタルマイクロスコープによる観察
得られた中空糸膜を、その長さ方向に垂直に2ヶ所で切断し測定試料とした。株式会社キーエンス製デジタルマイクロスコープ「VHX−900」を用いて、中空糸膜の断面を観察し、その画像を撮影した。
(4)中空糸膜の機械的強度
中空糸膜の測定試料を、株式会社島津製作所製小型卓上試験機「EZ−Test500N」を用いて、湿潤状態での中空糸膜の引張強伸度とヤング率を測定した。試長約35mmの試料をグリップに挟み、標点間距離20mmで10mm/分の一定速度で試料破断まで引張りを行った。測定は25℃で行い、湿潤時と乾燥時の引張強度をそれぞれ測定した。測定した値から、最大応力、最大強度、伸度、ヤング率を算出した。また、中空糸膜は破断時の断面積を測定することは難しいので、最大応力としては、初期断面積のみを加味した公称応力を用いた。最大応力は下式により算出した。
最大応力(公称応力)=S÷A
ここでSは破断時の応力で、Aは膜初期断面積である。
(5)ドナン透析試験
ドナン透過試験装置の模式図を図1に示した。図1において、左側の循環ラインが中空糸膜の外部を通る溶液(以後、「外部溶液」という)の流れを、右側の循環ラインが中空糸膜の内部を通る溶液(以後、「内部溶液」という)の流れを示す。中空糸膜の内部溶液として、除去対象イオンを3×10−4Mの濃度で含む水溶液を全内部溶液量が200mLになるように、また、中空糸膜の外部溶液として、除去対象イオンを3×10−4Mの濃度で、かつ、駆動力イオンを0.1Mの濃度で含む水溶液を全外部溶液量が800mLになるように仕込んだ。透過試験プロセスは並流で行い、内部溶液と外部溶液はそれぞれ送液ポンプを用いて循環させた。ドナン透析試験は25℃の温度下で行った。試験開始後、所定時間に内部溶液をサンプリングし、内部溶液中の除去対象イオンおよび駆動力イオンの濃度をそれぞれイオンクロマトグラフを用いて測定した。図4に示すようなイオン濃度の時間変化のグラフの傾きを直線近似で求め、初期濃度勾配(ΔCi/Δt)を算出した。
除去対象イオンおよび駆動力イオンの透過流束Jは、次式により算出した。
=V×ΔC/(S×Δt)
ここで、iはa(除去対象イオン)またはb(駆動力イオン)である。
選択係数αは、次式で定義される。
α=(n×J)/(n×J
・Ji:成分iの透過流束[mol・m−2・s−1
・α:選択係数
・V:内部溶液の体積[m
・S:有効膜面積(本実施例においては中空糸の内表面積を用いた)[cm
・ΔCi/Δt:初期濃度勾配[mol・dm−3・s−1
・n:成分iのイオンの価数
比較例6
(カチオン性中空糸(C−HF−1)膜の作製)
(紡糸原液の作製)
ポリアリルアミン塩酸塩(PAAm)とポリビニルアルコール(PVA)をPAAm:PVA=3:7の重量比で、合計100g秤量し、また、PVA−124に対して4重量%のホウ酸と、2重量%の酢酸を秤量し、これらを650gの脱イオン水に入れ、90〜100℃で4時間以上加熱溶解させることにより紡糸原液を得た。ここで、PAAmとしては、日東紡績株式会社製「PAAm:PAA−HCL−10S」を用いた。当該「PAAm」の重量平均分子量は約8万である。また、当該PVAとしては、株式会社クラレ製「PVA−124」を用いた。当該「PVA−124」の重合度は2400、ビニルアルコール単位のけん化度は98.5モル%である。
(内部および外部凝固液の作製)
内部および外部凝固液は、脱イオン水800gに対して、水酸化ナトリウム20gおよび硫酸ナトリウム180gを加えて作製した。外部凝固液は、凝固浴中に入れて用いた。
(酸性浴溶液の作製)
酸性浴溶液は、脱イオン水800gに対して、硫酸20gおよび硫酸ナトリウム300gを加えて作製した。
(洗浄溶液の作製)
洗浄溶液は、脱イオン水800gに対して、硫酸ナトリウム360gを加えて作製した。
(中空糸膜の作製)
乾湿式紡糸によって中空糸膜を作製した。紡糸装置の概略図を図5に示す。環状ノズルは、外径が2.0mm、内径が0.4mmのものを用いた。上記で作製した紡糸原液をタンクに仕込んだ後、脱泡のため約1時間静置させた。紡糸原液の温度が紡糸中80℃となるようにタンクを加熱した。凝固浴中の外部凝固液と同じ組成の凝固液を、内部凝固液として用いた。内部および外部凝固液とも25℃で使用した。
紡糸原液を環状ノズルから紡出し始めた後、内部凝固液を環状ノズルの内側に、32mL/分で供給し始めた。このとき、押し出し圧力は、基本的に0.1MPaであった。紡出された紡糸原液は15cmのair gapを経て、凝固浴中の外部凝固液中に導入された。そして、形成された中空糸膜は、押さえ棒を通した後、ローラーで引き上げられ、再び外部凝固液中に入り、約10分間凝固液に馴染ませた。巻き取り速度は、1850cm/分とした。
(中空糸膜の洗浄)
こうして得られた中空糸膜を凝固浴から取り出し、型枠に中空糸膜を巻き取り固定した。中空糸膜を型枠に固定した状態で、架橋の切断のため酸性浴溶液中に5分間浸した。次にホウ酸や酸を除去するために洗浄溶液に浸した。作製した中空糸膜は飽和硫酸ナトリウム水溶液中で保存した。
(熱処理)
上記で得られた中空糸膜を軽くエタノールに潜らせることにより、中空糸膜についている塩を取り除いた後、型枠に巻き取り固定した。固定した中空糸膜を、減圧状態で80℃のオーブン中で5時間乾燥させた。その後、減圧状態において、160℃で10分間熱処理を行った。熱処理後、型枠から中空糸膜を取り、飽和硫酸ナトリウム水溶液中に保存した。
(架橋処理)
飽和硫酸ナトリウム水溶液に、グルタルアルデヒド(GA)をその濃度(CGA)が0.01体積%になるように、硫酸とともに加え、架橋処理液を作製した。作製した架橋処理液に、型枠に巻き取り固定した中空糸膜を入れ、25℃で24時間撹拌しながら液を浸透させた。架橋処理後、中空糸膜を取り出した。このようにして作製した、PAAmとPVAの混合物からなるカチオン性中空糸(C−HF−1)膜は純水中に保存した。
(中空糸膜エレメントの作製)
中空糸膜を用いてドナン透析試験を行う場合、中空糸膜を固定し装置に組み込んでから行う。装置に組み込みやすいように、中空糸膜を固定したものを中空糸膜エレメントと呼び、中空糸膜エレメントを装置に組み込み、透析できる状態にしたものをモジュールと言う。
中空糸膜エレメントを作製するために、中空糸膜を減圧下で乾燥させた後、両端をエポキシ樹脂で固め、溶液が通るようにエポキシ樹脂の端を切り取った。また、本実施例では中空糸膜の基本特性を評価するために、中空糸膜エレメントに組み込む中空糸膜は1本とした。しかし、中空糸膜1本で中空糸膜エレメントを作製した場合、ほとんど強度がなく、簡単にねじ切れてしまう。そこで補強材としてアクリル棒を組み込み、操作性を向上させた。作製した中空糸膜エレメントを図6に示した。
作製した中空糸膜の断面を、カラー3Dレーザー顕微鏡を用いて、大気圧下において湿潤状態で観察し、その画像を撮影した。得られた画像を図7に示す。また、この画像から算出された中空糸膜の内径、外径、膜厚(d)の値を、表1に示す。また、作製した中空糸膜の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、画像を撮影した。得られた画像を図8に示す。
(中空糸膜の評価)
得られた中空糸膜の機械的強度、すなわち、最大応力、最大強度、伸度およびヤング率を上記方法により測定した。得られた結果を表2に示す。
(ドナン透析試験)
得られた中空糸膜の、ドナン透析試験を上記方法により行った。除去対象イオンとしてNO イオン、駆動力イオンとしてClイオンを用いた。対カチオンとしては、Naイオンを用いた。得られた結果を、図14(透過流束)と図15(選択係数)中にプロットした。
比較例7、8
比較例6において、架橋処理液中のグルタルアルデヒド濃度を、0.05体積%(比較例7)、0.1体積%(比較例8)となるように変えた以外は比較例6と同様にして中空糸膜を作製した。こうして得られた中空糸膜のドナン透析試験を、比較例6と同様にして行った。得られた結果を、図14と図15中にプロットした。
比較例9
(アニオン性中空糸(AP−2−HF)膜の作製)
(アニオン性重合体AP−2の合成)
攪拌機、温度センサー、滴下漏斗および還流冷却管を備え付けた6Lセパラブルフラスコに、酢酸ビニル2340g、メタノール640g、および2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウムを25質量%含有するメタノール溶液25.7gを仕込み、攪拌下に系内を窒素置換した後、内温を60℃まで上げた。この系に2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを1.2g含有するメタノール20gを添加し、重合反応を開始した。重合開始時点より2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウムを25質量%含有するメタノール溶液193.2gを系内に添加しながら、2.5時間重合反応を行った後、重合反応を停止した。重合反応を停止した時点における系内の固形分濃度、すなわち、重合反応スラリー全体に対する固形分の含有率は31.0質量%であった。ついで、系内にメタノール蒸気を導入することにより、未反応の酢酸ビニル単量体を追い出し、ビニルエステル共重合体を35質量%含有するメタノール溶液を得た。
このビニルエステル共重合体を35質量%含有するメタノール溶液に、該共重合体中の酢酸ビニル単位に対する水酸化ナトリウムのモル比が0.025、ビニルエステル共重合体の固形分濃度が20質量%となるように、メタノール、および水酸化ナトリウムを10質量%含有するメタノール溶液をこの順序で撹拌下に加え、40℃でけん化反応を開始した。
けん化反応の進行に伴ってゲル化物が生成した直後に、これを反応系から取り出して粉砕し、ついで、ゲル化物が生成してから1時間が経過した時点で、この粉砕物に酢酸メチルを添加することにより中和を行い、膨潤状態のポリ(ビニルアルコール−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム)のアニオン性重合体を得た。この膨潤したアニオン性重合体に対して質量基準で6倍量(浴比6倍)のメタノールを加え、還流下に1時間洗浄し、該重合体をろ取した。該重合体を65℃で16時間乾燥し、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム単位を2モル%含有するポリビニルアルコールであるAP−2を得た。AP−2は以下の構造式で表わされる。4%水溶液の粘度は33.1mPa・s(20℃)であり、重合度は1900、けん化度は99.2モル%であった。
Figure 0005637483
(中空糸膜の作製)
比較例6において、カチオン性重合体であるポリアリルアミン塩酸塩(PAAm)とポリビニルアルコール(PVA)の混合物を用いた代わりに、アニオン性重合体である「AP−2」を100gを用いた以外は、比較例6と同様にして、アニオン性中空糸(A−HF)膜であるAP−2−HF膜を作製した。
(中空糸膜の観察)
得られたアニオン性中空糸膜の断面をカラー3Dレーザー顕微鏡を用いて観察し、その画像を撮影した。得られた画像を図9に示す。また、この画像から算出された中空糸膜の内径、外径、膜厚(d)の値を表1に示す。さらに、膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、その画像を撮影した。得られた画像を図10に示す。さらに、作製した中空糸膜の断面形態学を観察するために、中空糸膜の断面をデジタルマイクロスコープを用いて観察した。撮影した画像を図11に示す。この結果から、断面が円形な中空糸膜が作製できていることが確認できた。また、作製した中空糸膜は多孔層を有しておらず、一般的な透過膜のように均一な膜であることが判明した。
(中空糸膜の評価)
得られた中空糸膜の機械的強度、すなわち、最大応力、最大強度、伸度およびヤング率を上記方法により測定した。得られた結果を表2に示す。
(ドナン透析試験)
こうして得られたアニオン性中空糸膜のドナン透析試験を行った。比較例6において、除去対象イオンとしてNO イオンの代わりにCa2+イオンを用い、駆動力イオンとしてClイオンの代わりにNaイオンを用い、対アニオンとしてClイオンを用いた以外は比較例6と同様にして試験を行い、透過流束と選択係数を測定した。得られた結果を、図16(透過流束)と図17(選択係数)中にプロットした。
比較例10、11
比較例9において、架橋処理液中のグルタルアルデヒド濃度を、0.05体積%(比較例10)、0.1体積%(比較例11)となるように変えた以外は比較例9と同様にして中空糸膜を作製した。こうして得られた中空糸膜のドナン透析試験を、比較例9と同様にして行った。得られた結果を、図16(透過流束)と図17(選択係数)中にプロットした。
実施例7
(カチオン性中空糸(C−HF−2)膜の作製)
参考例(分子末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコール系重合体の合成)
特許文献1に記載された方法によって、平均分子量1500、けん化度98.5mol%の分子末端にメルカプト基を有するポリビニルアルコール(PVA−1)を合成した。
(PVA系カチオン基含有ブロックポリマーの合成)
還流冷却管、攪拌翼を備え付けた5L四つ口セパラブルフラスコに、水2330g、末端にメルカプト基を有するビニルアルコール系重合体(PVA−1)を424g仕込み、攪拌下95℃まで加熱して該ビニルアルコール系重合体を溶解した後、室温まで冷却した。該水溶液に1/2規定の硫酸を添加してpHを3.0に調整した。別に、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド171gを水200gに溶解し、これを先に調製した水溶液に攪拌しながら添加した後、70℃まで加温した。また、水溶液中に30分間窒素をバブリングすることにより、系内を窒素置換した。窒素置換後、上記水溶液に過硫酸カリウムの2.5%水溶液171mLを1.5時間かけて逐次添加してブロック共重合を開始、進行させた後、系内温度を75℃に1時間維持して重合をさらに進行させ、ついで冷却して、固形分濃度17%のPVA−(b)−p−ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド共重合体水溶液を得た。得られた水溶液の一部を乾燥した後、重水に溶解し、400MHzでのH−NMR測定に付した結果、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド単位の変性量は8モル%であった。また、B型粘度計で測定した4%水溶液粘度は18ミリPa・s(20℃)であった。
(中空糸膜の作製)
比較例6において、カチオン性重合体であるポリアリルアミン塩酸塩(PAAm)とポリビニルアルコール(PVA)の混合物を用いた代わりに、上記のPVA−(b)−p−ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライドブロック共重合体を100gを用いた以外は、比較例6と同様にして紡糸原液を得た。比較例6と同様の乾湿式紡糸によって、得られた紡糸原液からカチオン性中空糸(C−HF−2)膜を作製した。
(ドナン透析試験)
得られたカチオン性中空糸膜のドナン透析試験を、比較例6と同様に行い、透過流束と選択係数を測定した。得られた結果を、図18(透過流束)と図19(選択係数)中にプロットした。
実施例8〜10
実施例7において、架橋処理液中のグルタルアルデヒド濃度を、0.05体積%(実施例8)、0.075体積%(実施例9)および0.1体積%(実施例10)となるように変えた以外は実施例7と同様にして中空糸(C−HF−2)膜を作製した。得られた中空糸膜のドナン透析試験を、実施例7と同様にして行った。得られた結果を、図18(透過流束)と図19(選択係数)中にプロットした。
比較例12
(延伸処理カチオン性中空糸(C−HF−3)膜の作製)
(延伸処理中空糸膜の作製)
比較例6の紡糸原液のポリアリルアミン塩酸塩(PAAm)をポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(PDADMAC)に変更し、ポリビニルアルコール(PVA)の量をPDADMAC:PVA=16:84の重量比(変性量:5mol%)となるように変更した以外は、比較例6と同様にして中空糸を作製し、中空糸膜の洗浄を行った。このようにして得られた中空糸膜を一軸延伸機11AO((株)井元製作所)に設置し、チャック間距離を5cmに設定し、温度50℃にて延伸倍率2倍の延伸処理を行い、延伸処理が施された中空糸膜を作製した。
(熱処理)
上記で得られた中空糸膜を軽くエタノールに潜らせることにより、中空糸膜についている塩を取り除いた後、型枠に巻き取り固定した。固定した中空糸膜を、減圧状態で80℃のオーブン中で5時間乾燥させた。その後、減圧状態において、160℃で10分間熱処理を行った。熱処理後、型枠から中空糸膜を取り、飽和硫酸ナトリウム水溶液中に保存した。
(架橋処理)
飽和硫酸ナトリウム水溶液に、グルタルアルデヒド(GA)をその濃度(CGA)が0.15体積%になるように、硫酸とともに加え、架橋処理液を作製した。作製した架橋処理液に、型枠に巻き取り固定した中空糸膜を入れ、25℃で24時間撹拌しながら液を浸透させた。架橋処理後、中空糸膜を取り出した。このようにして作製した延伸処理後カチオン性中空糸(C−HF−3)膜は純水中に保存した。
(ドナン透析試験)
こうして得られた延伸中空糸膜のドナン透析試験を比較例6と同様に行い、透過流束と選択係数を測定した。得られた結果を表3に示す。また、硝酸イオンの透過流束と選択係数との関係を、図20に示した。
比較例13、14
比較例12において、延伸倍率を3倍(比較例13)、4倍(比較例14)となるように変えた以外は比較例12と同様にして、延伸処理が施された中空糸膜を作製した。得られた中空糸膜のドナン透析試験を、比較例12と同様にして行った。得られた結果を表3に示す。また、比較例12と同様、延伸倍率を変えた場合の硝酸イオンの透過流束と選択係数との関係を図20に示した。
比較例15
比較例12において、延伸処理を行わなかった以外は比較例12と同様の方法を用いて、未延伸処理の中空糸膜を作製した。得られた中空糸膜のドナン透析試験を、比較例12と同様にして行った。得られた結果を表3に示す。また、この未延伸の中空糸膜についても、比較例12と同様に硝酸イオンの透過流束と選択係数との関係を図20に示した。
比較例1
(PVA中空糸(N−HF)膜の作製)
(紡糸原液の作製)
比較例6において、ポリアリルアミン塩酸塩(PAAm)とポリビニルアルコール(PVA)の混合物を用いた代わりに、ポリビニルアルコール「PVA−124」を100gを用いた以外は、比較例6と同様にしてPVA中空糸(N−HF)膜であるPVA−HFを作製した。こうして得られたPVA中空糸膜の断面を、比較例6と同様にして、カラー3Dレーザー顕微鏡を用いて観察し画像を得た。得られた画像を図12に示す。また、この画像から算出された中空糸膜の内径、外径、膜厚(d)の値を表1に示す。さらに、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し画像を得た。得られた画像を図13に示す。
(中空糸膜の評価)
得られた中空糸膜の機械的強度、すなわち、最大応力、最大強度、伸度およびヤング率を上記方法により測定した。得られた結果を表2に示す。
(ドナン透析試験)
こうして得られたPVA中空糸膜のドナン透析試験を、アニオン透析について、除去対象イオンとしてNO イオンを、駆動力イオンとしてClイオンを用い、比較例6と同様にして透析試験を行った。得られた結果を図14(透過流束)と図15(選択係数)中にプロットした。また、カチオン透析について、除去対象イオンとしてCa2+イオンを、駆動力イオンとしてNaイオンを用い、比較例9と同様にしてドナン透析試験を行った。得られた結果を図16(透過流束)と図17(選択係数)中にプロットした。
比較例2、3
比較例1において、架橋処理液中のグルタルアルデヒド濃度を、0.05体積%(比較例2)、0.1体積%(比較例3)となるように変えた以外は比較例1と同様にして中空糸膜を作製した。こうして得られたPVA中空糸膜の、アニオン透析についてのドナン透析試験を比較例6と同様にして行った。得られた結果を、図14(透過流束)と図15(選択係数)中にプロットした。また、得られたPVA中空糸膜のカチオン透析についてのドナン透析試験を比較例9と同様にして行った。得られた結果を、図16(透過流束)と図17(選択係数)中にプロットした。
比較例4
市販の株式会社トクヤマ製アニオン交換膜「ネオセプタAM−1」(平膜)を用い、比較例6と同様の方法にしたがって、アニオン透析についてのドナン透析試験を行った。当該「AM−1」の膜厚は130μmである。得られた、除去対象イオンであるNO イオンおよび駆動力イオンであるClイオンの透過流束はそれぞれ、JNO3=4.0×10−6[mol・m−2・s−1]およびJCl=4.5×10−6[mol・m−2・s−1]であった。透過係数αは、0.89であった。これらの値を図14(透過流束)と図15(選択係数)中に示した。
比較例5
市販の株式会社トクヤマ製カチオン交換膜「ネオセプタCM−1」(平膜)を用い、比較例9で行ったのと同様の方法にしたがって、カチオン透析についてのドナン透析試験を行った。当該「CM−1」の膜厚は140μmである。得られた除去対象イオンであるCa2+イオンおよび駆動力イオンであるNaイオンの透過流束は、それぞれ、JCa=4.2×10−6[mol・m−2・s−1]およびJNa=8.0×10−6[mol・m−2・s−1]であった。透過係数αは1であった。これらの値を図16(透過流束)と図17(選択係数)中に示した。
図7〜図13の結果から、作製したC−HF−1、AP−2−HF、N−HFのそれぞれの中空糸膜はほぼ円形を示しており、緻密な層のみを有する均一膜であることが確認できた。
Figure 0005637483
Figure 0005637483
Figure 0005637483
図14および図15より、PAAmとPVAの混合物からなるC−HF−1膜とPVAからなるN−HF膜の結果を比較すると、C−HF−1膜の方が透過流束、選択係数共に高い値を示すことがわかる。これは、C−HF−1膜の荷電基(カチオン基)により副イオンであるカチオン(Naイオン)の流束が抑えられるため、駆動力イオンである塩化物イオンの拡散に伴い、硝酸イオンがその濃度勾配に逆らって輸送されやすくなったためであると考えられる。また、架橋剤であるグルタルアルデヒドの濃度が増加すると膜の含水率が低下するために、除去対象イオンおよび駆動力イオンの両方ともその透過流束が低下するが、架橋剤濃度が増加すると膜の荷電密度が増加するために、選択係数αは増加し、より高い対イオン選択透過性を示すことがわかる。これよりC−HF−1膜の方が、N−HF膜よりも、NO イオンの濃縮や分離に適していると言える。
また市販のアニオン交換膜(AM−1)と比較すると、選択係数αは約半分の値であった。これは市販イオン交換膜の方がより高い膜荷電密度を有するためである。C−HF−1膜の透過流束は市販膜の約3倍であり、さらに中空糸膜の方が単位体積あたりの膜面積を大きくしたモジュールが作製可能であることから、よりコンパクトな透析システムの構築が可能である。
図16および図17より、アニオン性中空糸膜であるAP−2−HF膜とPVAからなるN−HF膜の結果を比較すると、AP−2−HF膜の方が透過流束、選択係数共に高い値を示すことがわかる。これはAP−2−HF膜の荷電基(アニオン基)により副イオンであるアニオン(Clイオン)の流束が抑えられるため、駆動力イオンであるNaイオンの拡散に伴い、Ca2+イオンがその濃度勾配に逆らって輸送されやすくなったためである。また架橋剤であるグルタルアルデヒドの濃度が増加すると膜の荷電密度が増加するために、除去対象イオンおよび駆動力イオンの両方ともその透過流束は増減するが、膜の含水率が低下するためにさらに架橋剤濃度が増加すると透過流束は低下する。一方、選択係数αは架橋剤濃度が増加すると荷電密度が増加するために増加し、グルタルアルデヒド濃度が0.1体積%である架橋処理液を用いた場合のAP−2−HF膜においては1の値になる(1以上になっているのは実験誤差である)。すなわち、100%の選択透過性を有することを示す。これより、AP−2−HF膜の方がN−HF膜よりも多価カチオンの濃縮や分離に適していると言える。
また市販のカチオン交換膜(CM−1)と比較すると、AP−2−HF膜の透過流束は市販膜の約2倍であり、選択係数αは、グルタルアルデヒド濃度が0.1体積%の架橋処理液を用いて架橋処理したAP−2−HF膜において同等の値となった。さらに、中空糸膜のほうが単位体積あたりの膜面積を大きくしたモジュールが作製可能であることから、よりコンパクトな透析システムの構築が可能である。
図15と図19より、C−HF−1膜とC−HF−2膜の結果を比較すると、同じ変性量であるが、C−HF−2膜は選択係数が高い値を示すことがわかる。これは、C−HF−1膜は、PVAとカチオン性ポリマーのブレンド物であることからマクロな層分離構造をとり、イオンチャネルが不均一に存在しかつ連通孔が形成されにくいのに対し、PVAとカチオン性ポリマーのブロック共重合体からなるC−HF−2膜はミクロな層分離構造をとるためイオンチャネルがより均一に存在し、連通孔が形成されやすいためと考えられる。すなわち、C−HF−2膜の方がC−HF−1膜よりもアニオンの濃縮や分離に適していると言える。
また、図20より、C−HF−3膜の延伸倍率を高めると、除去対象であるNO イオンの透過流束が高く、かつ選択係数も高くすることができることがわかる。延伸処理を施すことによって、PVAの分子鎖は延伸方向に配向し結晶化が促進されるが、カチオン基はPVAの結晶化領域には存在しにくいため、PVAマトリックスから排除されやすい。この為に、中空糸膜中でカチオン基が局在化することとなり、膜中の荷電基の密度が増加し、イオン選択性が向上するものと考えられる。これらのことからも、ブロック共重合体であるC−HF−2膜の方が、PAAmとPVAの混合物であるC−HF−1膜よりもアニオンの濃縮や分離に適していると言える。

Claims (8)

  1. カチオン性重合体またはアニオン性重合体から選択されるイオン性重合体からなる中空糸膜であって;
    該イオン性重合体が、イオン性単量体を重合してなる重合体成分とポリビニルアルコール成分とを含有する、ブロック共重合体からなることを特徴とする中空糸膜。
  2. 前記イオン性重合体のイオン性単量体含有量が0.1〜50モル%である請求項1に記載の中空糸膜。
  3. 膜厚が0.1〜500μmである請求項1または2に記載の中空糸膜。
  4. ドナン透析用中空糸膜である、請求項1〜のいずれかに記載の中空糸膜。
  5. カチオン性重合体またはアニオン性重合体から選択されるイオン性重合体からなる中空糸膜の製造方法であって、前記イオン性重合体を含む溶液からなる紡糸原液を環状ノズルから紡出し、凝固液中に導入して凝固させることによって中空糸膜を形成することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の中空糸膜の製造方法。
  6. 前記紡糸原液を環状ノズルから紡出する際に、環状ノズルに紡糸原液を供給するとともに環状ノズルの内側に凝固液を供給して、紡糸原液と凝固液とを同時に紡出する請求項に記載の中空糸膜の製造方法。
  7. 前記中空糸膜を形成した後に、延伸倍率2倍以上で延伸する請求項5または6に記載の中空糸膜の製造方法。
  8. 前記中空糸膜を形成した後に、熱処理および/または架橋処理を施す請求項5または6に記載の中空糸膜の製造方法。
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