JP6163123B2 - イオン交換性ポリマー、高分子機能性膜および高分子機能性膜の製造方法 - Google Patents

イオン交換性ポリマー、高分子機能性膜および高分子機能性膜の製造方法 Download PDF

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本発明は、イオン交換性ポリマー、高分子機能性膜および高分子機能性膜の製造方法に関する。
電気脱塩(EDI:Electrodeionization)、連続的な電気脱塩(CEDI:Continuous Electrodeionization)、電気透析(ED:Electrodialysis)、逆電気透析(EDR:Electrodialysis reversal)等に用いられるイオン交換膜の主原料として一般的にスチレン系ポリマーが用いられている。しかしながら、このスチレン系ポリマーの製造は、熱硬化を必要とするため費用が高い。これに対し、アクリルアミド系ポリマーは、アクリルアミド等の光重合性モノマーを用いて、紫外線(UV)硬化プロセスによって安価に製造できる。
従来から、様々なスチレン系ポリマーおよびアクリルアミド系ポリマーが知られている。例えば、特許文献1および2には、スチレン系ポリマーおよび/またはアクリルアミド系ポリマーが記載されている。しかしながら、これらのポリマーをイオン交換膜に用いることは記載されていない。また、特許文献3には、スチレン系ポリマーが記載されている。しかしながら、アクリルアミド系ポリマーに関する記載はない。
特開昭57−19735号公報 特開昭61−282370号公報 特公昭62−51297号公報
本発明者らのこれまでの研究により、イオン性基と架橋性基を併せ持つ化合物(チャージドクロスリンカー)を用いて作成したアクリルアミド系ポリマーからなるイオン交換膜は、膜の電気抵抗(膜抵抗)、選択透過性等のイオン交換膜としての主要性能に優れることが明らかになっている。
アクリルアミド系ポリマーは、アクリル酸エステル系ポリマーと比較すると塩基などに対する安定性は高く、本発明者らは、この優位性をさらに高めることで、イオン交換膜の性能を一段と優れたものにする検討を開始した。一方で、イオン交換膜の性能を高めるためには、選択透過性を高く維持して、含水率、膜抵抗、透水率のいずれも低下させることが重要であることも明らかになった。
このことから、アクリルアミド系ポリマーからなるイオン交換膜を含めた高分子機能性の性能をさらにレベルアップさせるため、本発明は、透水率、膜抵抗およびイオンの選択透過性に優れ、かつ、これらの性質の経時安定性に優れるイオン交換性ポリマー、該イオン交換性ポリマーからなる高分子機能性膜(本願明細書において、高分子機能性膜を単に「膜」ということもある。)およびその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、アクリルアミド系イオン交換膜の長期間電気透析を行うと透水率、膜抵抗、イオンの選択透過性の性能が安定しないことがあり、この原因を解析した。解析結果から、ポリマーとポリマーを架橋する架橋部分の結合が切断され、架橋密度が低下することがわかった。
このため、アクリルアミド系イオンポリマーの酸化に対する安定性を高め、しかも仮に架橋部分の結合が切断されても架橋が維持できるような化学構造の検討を種々行った。
この結果、アクリルアミドの窒素原子と第4級の窒素原子環構成原子に組み込んだ特定の構造とすることで、上記の課題が解決できることがわかった。
従って、本発明の課題は、以下の手段で達成された。
<1>下記一般式(1)で表される単位構造を含むイオン交換性ポリマー。
Figure 0006163123
一般式(1)において、L は2価もしくは3価の連結基を表す。LおよびLは各々独立に脂肪族ヘテロ環を形成するための連結基を表す。X は有機または無機のアニオンを表す。Rは水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。nは2または3を表す。Rはアルキル基またはアリール基を表す。複数のRは互いに結合して脂肪族ヘテロ環を形成してもよい。
<2>一般式(1)で表される単位構造が、下記一般式(2)で表される単位構造である<1>に記載のイオン交換性ポリマー。
Figure 0006163123
一般式(2)において、RおよびRは各々独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。RおよびRは各々独立にアルキル基またはアリール基を表す。RおよびRは互いに結合して脂肪族ヘテロ環を形成してもよい。X およびX は各々独立に有機または無機のアニオンを表す。L は2価の連結基を表す。
<3>一般式(1)または(2)で表される単位構造の総含有率が10質量%以上である<1>または<2>に記載のイオン交換性ポリマー。
<4>下記一般式(3)で表される化合物を含有する組成物を重合硬化反応させてなるイオン交換性ポリマー。
Figure 0006163123
一般式(3)において、L は2価もしくは3価の連結基を表す。LおよびLは各々独立に、脂肪族ヘテロ環を形成するための連結基を表す。X は有機または無機のアニオンを表す。Rは水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。lは2または3を表す。Rはアルキル基またはアリール基を表す。複数のRは互いに結合して脂肪族ヘテロ環を形成してもよい。
<5>一般式(3)で表わされる化合物が、下記一般式(4)で表される化合物である<4>に記載のイオン交換性ポリマー。
Figure 0006163123
一般式(4)において、RおよびR10は各々独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。R11およびR12は各々独立にアルキル基またはアリール基を表す。R11およびR12は互いに結合して脂肪族ヘテロ環を形成してもよい。X およびX は各々独立して有機または無機のアニオンを表す。L は2価の連結基を表す。
<6>一般式(3)または(4)で表される化合物を、全固形分質量において10質量%以上含む組成物を重合硬化反応させてなる<4>または<5>に記載のイオン交換性ポリマー。
<7>組成物に活性放射線を照射することにより形成されてなる<4>〜<6>のいずれかに記載のイオン交換性ポリマー。
<8>前記<1>〜<7>のいずれかに記載のイオン交換性ポリマーを含む高分子機能性膜。
<9>支持体を有する<8>に記載の高分子機能性膜。
<10>支持体が織布または不織布である<9>に記載の高分子機能性膜。
<11>一般式(3)または(4)で表される化合物を含む組成物を支持体に含浸させた後に重合硬化反応させてなる<9>または<10>に記載の高分子機能性膜。
<12>高分子機能性膜が、イオン交換膜、逆浸透膜、正浸透膜またはガス分離膜である<8>〜<11>のいずれかに記載の高分子機能性膜。
<13>少なくとも1種の下記一般式(3)で表される化合物を含む組成物を重合硬化反応させる高分子機能性膜の製造方法。
Figure 0006163123
一般式(3)において、L は2価もしくは3価の連結基を表す。LおよびLは各々独立に、脂肪族ヘテロ環を形成するための連結基を表す。X は有機または無機のアニオンを表す。Rは水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。lは2または3を表す。Rはアルキル基またはアリール基を表す。複数のRは互いに結合して脂肪族ヘテロ環を形成してもよい。
<14>組成物に活性放射線を照射する<13>に記載の高分子機能性膜の製造方法。
<15>組成物を支持体に含浸させた後に重合硬化反応させる<13>または<14>に記載の高分子機能性膜の製造方法。
本明細書において「〜」とは、その前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
また、各一般式において、特に断りがない限り、複数存在する同一符号の基がある場合、これらは互いに同一であっても異なってもよく、同じく、複数の部分構造の繰り返しがある場合は、これらの繰り返しが同一の繰り返しであるもの、または、規定する範囲で異なった繰り返しの混合であるものの両方を意味するものである。
さらに、各一般式における二重結合の置換様式である幾何異性体は、表示の都合上、異性体の一方を記載したとしても、特段の断りがない限り、E体であってもZ体であっても、これらの混合物であっても構わない。
本発明において、「アクリル」とは、アクリルやメタクリルのようなアシル基のα位にメチル基だけでなくアルキル基が置換したものを含み、これらの酸もしくはその塩、ならびにエステルもしくはアミドを総称するものとして使用する。すなわち、アクリル酸エステル、アミドまたは酸もしくはその塩と、α−アルキル置換アクリル酸エステル、アミドまたは酸もしくはその塩、の両方を包含するものである。
本発明により、透水率、膜抵抗およびイオンの選択透過性に優れ、かつ、これらの性質の経時安定性に優れる特定のアクリルアミド構造を有するイオン交換性ポリマー、該イオン交換性ポリマーからなる高分子機能性膜およびその製造方法を提供することができる。
膜の透水率を測定するための装置の流路を模式的に表したものである。
<<イオン交換性ポリマー>>
<一般式(1)で表される単位構造を含むイオン交換性ポリマー>
本発明のイオン交換性ポリマーは、下記一般式(1)で表される単位構造を含む。
Figure 0006163123
一般式(1)において、L は2価もしくは3価の連結基を表す。LおよびLは各々独立に脂肪族ヘテロ環を形成するための連結基を表す。X は有機または無機のアニオンを表す。Rは水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。nは2または3を表す。Rはアルキル基またはアリール基を表す。複数のRは互いに結合して脂肪族ヘテロ環を形成してもよい。
における2価または3価の連結基は、Rが結合する窒素原子に結合する原子が炭素原子の連結基が好ましく、該炭素原子が、アルキレン基またはアリーレン基の炭素原子がより好ましい。
2価の連結基としては、連結基の結合手部分が炭素原子(例えば、アルキレンまたはアリーレンの炭素原子)であって、アルキレン基またはアリーレン基、さらにアルキレン基、アリーレン基、2価のヘテロ環基、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−C(=O)−、−N(Ra)−から選択される基から組み合わされた基が好ましい。ここで、Raは、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。
アルキレン基は、直鎖もしくは分岐のアルキレン基で、炭素数は1〜10が好ましく、2〜10がより好ましく、2〜8がさらに好ましく、2〜6が特に好ましく、2または3が最も好ましい。該アルキレン基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、後述の置換基群αから選択される任意の置換基が挙げられる。
また、アリーレン基は、炭素数が6〜12が好ましく、6〜8がより好ましく、6が特に好ましい。該アリーレン基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、後述の置換基群αから選択される任意の置換基が挙げられる。
アルキレン基、アリーレン基、2価のヘテロ環基、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−C(=O)−、−N(Ra)−から選択される基から組み合わされた基における組み合わせ数は2〜8が好ましく、3〜8がより好ましく、3〜6がさらに好ましく、3または4が特に好ましく、3が最も好ましい。
これらの組み合わされた基としては、アルキレン−アリーレン基、アルキレン−アリーレン−アルキレン基、アルキレン−O−アルキレン基、アルキレン−S−アルキレン基、アルキレン−SO−アルキレン基、アルキレン−SO−アルキレン基、アルキレン−N(Ra)−アルキレン基、アルキレン−C(=O)−アルキレン基、アルキレン−C(=O)−N(Ra)−アルキレン基、アルキレン−O−アリーレン−O−アルキレン基、アルキレン−O−アリーレン−O−アルキレン基、アルキレン−S−アリーレン−S−アルキレン基、アルキレン−O−アリーレン−アルキレン−アリーレン−O−アルキレン基などが挙げられる。
ここで、「アルキレン」におけるアルキレン基は、メチレン、エチレン、エチリデン、2,2−プロピレン、プロピリデン、イソプロピリデンのように炭素数は1〜10が好ましく、1〜4がより好ましく、1または2がさらに好ましく、1が特に好ましい。
ただし、アルキレン基のみである場合や「アルキレン」に、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−N(Ra)−のヘテロ原子が結合する場合、同一炭素原子にヘテロ原子が置換しないアルキレン基(例えば1,2−エチレン)が好ましく、炭素数は2〜10が好ましく、2〜4がより好ましく、2がさらに好ましい。
一方、「アリーレン」におけるアリーレン基はフェニレン基が好ましく、1,3−フェニレンまたは1,4−フェニレンが好ましい。
これらの組み合わされた連結基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、後述の置換基群αから選択される任意の置換基が挙げられる。
3価の連結基としては、連結基の結合手部分が炭素原子(例えば、2価もしくは3価のアルキル基または2価もしくは3価のアリール基の炭素原子)であって、3価のアルキル基または3価のアリール基、さらに2価もしくは3価のアルキル基、2価もしくは3価のアリール基、2もしくは3価のヘテロ環基、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−C(=O)−、>N−、−N(Ra)−から選択される基から組み合わされた基が好ましい。ここで、Raは、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。
3価のアルキル基(アルカントリイル基)は、直鎖もしくは分岐のアルキル基で、炭素数は1〜16が好ましく、6〜16がより好ましく、2〜12がさらに好ましく、2〜10が特に好ましく、2または3が最も好ましい。該アルカントリイル基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、後述の置換基群αから選択される任意の置換基が挙げられる。
また、3価のアリール基(アリーントリイル基)は、炭素数が6〜12が好ましく、6〜8がより好ましく、6が特に好ましい。該アリーントリイル基は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、後述の置換基群αから選択される任意の置換基が挙げられる。
2価もしくは3価のアルキル基、2価もしくは3価のアリール基、2もしくは3価のヘテロ環基、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−C(=O)−、>N−、−N(Ra)−から選択される基から組み合わされた基における組み合わせ数は2〜8が好ましく、3〜8がより好ましく、3〜6がさらに好ましく、3または4が特に好ましく、3が最も好ましい。
これらの組み合わされた基としては、アリーントリ(アルキレン)基、N,N,N−トリ(アルキレン)基などが挙げられる。
ここで、「2価もしくは3価のアルキル」におけるアルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜4がより好ましく、1または2がさらに好ましく、1が特に好ましい。
ただし、2価もしくは3価のアルキル基のみである場合や2価もしくは3価の「アルキル」に、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−N(Ra)−のヘテロ原子が結合する場合、同一炭素原子にヘテロ原子が置換しないアルキル基(例えば、1,2−エチレン、1,2,3−プロパントリイル)が好ましく、炭素数は2〜10が好ましく、2〜4がより好ましい。
一方、「2価もしくは3価のアリール」におけるアリール基は、フェニレン、ベンゼントリイルが好ましく、1,3,5−ベンゼントリイルがより好ましい。
これらの組み合わされた連結基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、後述の置換基群αから選択される任意の置換基が挙げられる。
またはLで表される連結基は、アルキレン基が好ましく、炭素数2以上のアルキレン基がより好ましく、炭素数が2〜4のアルキレン基がさらに好ましく、炭素数2または3のアルキレン基が特に好ましく、例えば、エチレン、プロピレンが挙げられる。アルキレン基は置換基を有してもよく、該置換基としては、後述の置換基群αから選択される任意の置換基が挙げられる。
とLで形成される環は、例えば、ピペラジン環またはホモピペラジン環が好ましい。
およびRにおけるアルキル基は、炭素数は1〜8が好ましく、1〜4がより好ましく、1または2がさらに好ましく、1が特に好ましい。アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、2−エチルヘキシルが挙げられる。アルキル基は置換基を有してもよく、該置換基としては、後述の置換基群αから選択される任意の置換基が挙げられる。
およびRにおけるアリール基は、炭素数は6〜12が好ましく、6〜10がより好ましく、6〜8がさらに好ましい。アリール基は置換基を有してもよく、該置換基としては、後述の置換基群αから選択される任意の置換基が挙げられる。アリール基は、フェニル基が好ましい。
は、なかでもアルキル基が好ましい。
は、水素原子、アルキル基が好ましく、水素原子、メチル基がより好ましく、水素原子がさらに好ましい。
複数のRが互いに結合して形成する脂肪族ヘテロ環は5または6員環が好ましく、例えば、モルホリン環、チオモルホリン環が挙げられる。
なお、本発明においては、複数のRが互いに結合しない場合が好ましい。
は有機または無機のアニオンを表すが、無機アニオンが好ましい。
有機アニオンの具体例としては、アルキルスルホン酸アニオン、アリールスルホン酸アニオン、アルキルもしくはアリールカルボン酸アニオンが挙げられ、例えば、メタンスルホン酸アニオン、ベンゼンスルホン酸アニオン、トルエンスルホン酸アニオン、酢酸アニオンが挙げられる。
無機アニオンとしてはハロゲンアニオン、硫酸ジアニオン、リン酸アニオンが挙げられ、ハロゲンアニオンが好ましい。ハロゲンアニオンのなかでも塩素アニオン、臭素アニオンが好ましい。
ここで、置換基群αを説明する。
置換基群αは、以下の置換基からなる置換基の群である。
(置換基群α)
アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−デシル、n−ヘキサデシル)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜30、より好ましくは炭素数3〜20、特に好ましくは炭素数3〜10のシクロアルキル基であり、例えばシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10のアルケニル基であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10のアルキニル基であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(アミノ基、アルキルアミノ基、アリ−ルアミノ基を含み、好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10のアミノ基であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10のアルコキシ基であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールオキシ基であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12のヘテロ環オキシ基であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、
アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のアシル基であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12のアリールオキシカルボニル基であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルオキシ基であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルアミノ基であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、
アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニルアミノ基であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12のアリールオキシカルボニルアミノ基であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アルキルもしくはアリールスルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(スルファモイル基、アルキルもしくはアリールスルファモイル基を含み、好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12のスルファモイル基であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、
カルバモイル基(カルバモイル基、アルキルもしくはアリールカルバモイル基を含み、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のカルバモイル基であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキルチオ基であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールチオ基であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12のヘテロ環チオ基であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、
アルキルもしくはアリールスルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキルもしくはアリールスルホニル基であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、アルキルもしくはアリールスルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキルもしくはアリールスルフィニル基であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のウレイド基であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12のリン酸アミド基であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、より好ましくはフッ素原子が挙げられる)、
シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、オキソ基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12のヘテロ環基であり、環構成ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子が好ましく、具体的には例えばイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24のシリル基であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24のシリルオキシ基であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)などが挙げられる。
これらの置換基は、さらに上記置換基群αより選択されるいずれか1つ以上の置換基により置換されてもよい。
なお、本発明において、1つの構造部位に複数の置換基があるときには、それらの置換基は互いに連結して環を形成していたり、上記構造部位の一部または全部と縮環して芳香族環もしくは不飽和複素環を形成していたりしてもよい。
<一般式(2)で表される単位構造を含むイオン交換性ポリマー>
本発明において、前記一般式(1)で表される単位構造が、下記一般式(2)で表される単位構造であることが好ましい。
Figure 0006163123
一般式(2)におけるRおよびRは、一般式(1)におけるRと同義であり、好ましい範囲も同じである。また、一般式(2)におけるRおよびRは、一般式(1)におけるRと同義であり、好ましい範囲も同じである。
なお、RとRで形成される脂肪族ヘテロ環は、一般式(1)における複数のRが互いに結合して形成する脂肪族ヘテロ環と同義であり、好ましい範囲も同じである。
一般式(2)におけるX およびX は、一般式(1)におけるX と同義であり、好ましい範囲も同じである。また、一般式(2)におけるLは、一般式(1)におけるLで表される2価の連結基と同義であり、好ましい範囲も同じである。
[一般式(1)または(2)で表される単位構造の含有率]
本発明のイオン交換性ポリマーは、一般式(1)または(2)で表される単位構造の総含有率〔すなわち、イオン交換性ポリマーを形成する重合性化合物の全質量に対する一般式(1)または(2)で表される単位構造の含有率〕は10質量%以上が好ましく、30〜100質量%がより好ましく、60〜100質量%が特に好ましい。
<一般式(3)で表される化合物を含有する組成物>
本発明の前記一般式(1)で表される単位構造を含むイオン交換性ポリマーは、下記一般式(3)で表される化合物を含有する組成物を重合硬化反応させてなることが好ましい。一般式(3)で表される化合物は、イオン性基と架橋性基を併せ持つチャージドクロスリンカーである。なお、該組成物は、以後、高分子機能性膜形成用組成物とも称し、含有しうる他の素材は、以後、説明する。
Figure 0006163123
一般式(3)におけるL〜L、R、R、X およびlは、それぞれ、一般式(1)における対応するL〜L、R、R、X およびnと同義であり、好ましい範囲も同じである。
本発明において、前記一般式(3)で表される化合物は、下記一般式(4)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0006163123
一般式(4)におけるR〜R12、X 、X およびLは、それぞれ、一般式(2)における対応するR〜R、X およびX およびLと同義であり、好ましい範囲も同じである。
以下、一般式(3)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0006163123
Figure 0006163123
Figure 0006163123
Figure 0006163123
[一般式(3)で表される化合物の含有率]
本発明におけるイオン交換性ポリマーを形成するための組成物は、イオン交換性ポリマーを形成する重合性化合物の全固形分質量に対して一般式(3)で表される化合物を10質量%以上含むことが好ましく、20〜100質量%がより好ましく、30〜100質量%がさらに好ましく、60〜100質量%が特に好ましい。
上記好ましい範囲内であることで、所望の硬化性、pH耐性、機械強度、柔軟性を満たすイオン交換性ポリマーが得られる。
<<高分子機能性膜>>
本発明の高分子機能性膜は、イオン交換、逆浸透、正浸透、ガス分離等を行うために用いることができる。以下、本発明の好ましい実施態様について、前記高分子機能性膜がイオン交換膜としての機能を有する場合を例に挙げて説明する。
本発明の高分子機能性膜は、アニオン交換膜である。
本発明の高分子機能性膜の厚さは、支持体を有する場合は支持体を含めて、30〜150μmが好ましく、50〜130μmがより好ましく、60〜110μmが特に好ましい。
本発明の高分子機能性膜は、膜ならびに任意の多孔質支持体および任意の多孔質補強材料の全乾燥質量に基づき、好ましくは2.0meq/g以上、より好ましくは2.5meq/g以上、特に好ましくは3.0meq/g以上のイオン交換容量を有する。イオン交換容量の上限に特に制限はないが、7.0meq/g以下であることが現実的である。ここで、meqはミリ当量である。
イオン交換容量は、中垣正幸/編,膜学実験法,194頁,喜多見書房(1984年)(ISBN−978−4−906126−09−5)に記載の方法で測定できる。
本発明の高分子機能性膜は、乾燥膜の面積に基づき、好ましくは100meq/m以上、より好ましくは125meq/m以上、特に好ましくは150meq/m以上の電荷密度を有する。電荷密度の上限に特に制限はないが、3,500meq/m以下であることが現実的である。
本発明の高分子機能性膜(アニオン交換膜)のClなどのアニオンの選択透過性は、好ましくは0.91以上、より好ましくは0.93以上、特に好ましくは0.95以上である。
本発明の高分子機能性膜の電気抵抗(膜抵抗)は、3.0Ω・cm未満が好ましく、2.4Ω・cm未満がより好ましく、2.0Ω・cm未満が特に好ましい。電気抵抗は低いほど好ましく、実現できる範囲で最も低い値とすることが本発明の効果を奏する上で好ましい。
本発明の高分子機能性膜の水中での膨潤率(膨潤による寸法変化率)は、好ましくは30%未満、より好ましくは15%未満、特に好ましくは8%未満である。膨潤率は、重合硬化段階で適切なパラメーターを選択することにより制御することができる。
電気抵抗、選択透過性および水中での膨潤率%は、Membrane Science,319,217〜218(2008)、中垣正幸著,膜学実験法,193〜195頁(1984)に記載されている方法により測定することができる。
本発明の高分子機能性膜の透水率は、1.7×10―4mL/m/Pa/hr以下が好ましく、1.0×10―4mL/m/Pa/hr以下がより好ましく、7.5×10―5mL/m/Pa/hr以下が特に好ましい。
膜の電気抵抗(Ω・cm)と透水率(mL/m/Pa/hr)の積は、2.5×10−4以下が好ましく、2.0×10−4以下がより好ましく、1.5×10−4以下がさらに好ましく、1.2×10−4以下が特に好ましい。下限は、特に制限されるものではないが、1.0×10−6が現実的である。
本発明の高分子機能性膜の含水率(%)は、低いほど好ましい。
含水率(%)は、12時間以上0.5M NaCl水溶液に浸漬して膜の質量(W)と乾燥膜の質量(W)を測定し、下記式で求めることができる。
含水率=(W − W)/W×100 %
含水率(%)は、50%以下が好ましく、下限は現実的には15%以上である。
本発明では、20〜50%が好ましい。
本発明の高分子機能性膜を構成するポリマーの質量平均分子量は、三次元架橋が形成されているため数十万以上であり、実質的に測定できない。一般的には無限大とみなされる。
<高分子機能性膜の製造方法>
本発明の高分子機能性膜は、前記一般式(3)で表される重合性化合物を必須成分として含有し、必要に応じてさらに、単官能重合性化合物(好ましくは下記一般式(A)〜(C)で表される単官能重合性化合物)、重合開始剤、重合禁止剤、溶媒を含有する組成物(以下、「高分子機能性膜形成用組成物」とも称する。)を重合硬化反応させて製造する。本発明における重合硬化反応は、紫外線もしくは電子線などの活性放射線照射による重合反応であることが好ましい。すなわち、これらを含有する高分子機能性膜形成用組成物に活性放射線を照射して重合することで、該高分子機能性膜形成用組成物が重合硬化反応し、膜が形成される。
以下に、本発明における高分子機能性膜形成用組成物の各成分について説明する。
<単官能重合性化合物>
本発明においては、特に高分子膜に機能を付与し、高分子機能性膜とするために、単官能重合性化合物を使用することが好ましい。
単官能重合性化合物は、部分構造もしくは置換基に解離基、アニオン基、カチオン基のような極性の置換基を有することが好ましく、なかでもカチオン基としてはオニオ基(アンモニオ基、ピリジニオ基、スルホニオ基等)が好ましい。
単官能重合性化合物は、下記一般式(A)〜(C)のいずれかで表される単官能重合性化合物が好ましい。
下記一般式(A)で表される単官能重合性化合物および一般式(B)で表される単官能重合性化合物は、アンモニオ基を有する。
−一般式(A)で表される単官能重合性化合物−
Figure 0006163123
一般式(A)において、RA1は水素原子またはアルキル基を表し、RB1〜RB3は各々独立に、アルキル基またはアリール基を表す。ZA1は−O−または−NRa−を表す。ここで、Raは水素原子またはアルキル基を表す。LA1はアルキレン基を表す。XA1はハロゲンイオンまたは脂肪族もしくは芳香族カルボン酸イオンを表す。
A1、Raにおけるアルキル基は、直鎖もしくは分岐のアルキル基で、炭素数は1〜12が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜4がさらに好ましく、1が特に好ましい。
A1は、なかでも水素原子またはメチル基が好ましく、水素原子が最も好ましい。
Raは、水素原子およびアルキル基のうち、水素原子が好ましい。
A1におけるアルキル基は、置換基を有してもよく、該置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アミノ基(アミノ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含む)、アシルアミノ基、アルキルもしくはアリールのスルホンアミド基、アルキルもしくはアリールのカルバモイル基、アルキルもしくはアリールのスルファモイル基、アルキルもしくはアリールのスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、オニオ基(アンモニオ基、ピリジニオ基、スルホニオ基等)、カルボキシル基、スルホ基が挙げられる。
B1〜RB3におけるアルキル基は、直鎖もしくは分岐のアルキル基で、炭素数は1〜9が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜4がさらに好ましく、1が特に好ましい。
B1〜RB3におけるアリール基は、炭素数は6〜12が好ましく、6〜9がより好ましく、6が特に好ましい。
B1〜RB3は、なかでもアルキル基が好ましい。
B1〜RB3におけるアルキル基、アリール基は置換基を有してもよく、該置換基としては、RA1におけるアルキル基が有してもよい置換基が挙げられる。
置換アルキル基は、ベンジル基が好ましい。
A1は−O−または−NRa−を表すが、−NRa−が好ましい。
A1におけるアルキレン基は、直鎖もしくは分岐のアルキレン基で、炭素数は1〜12が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜4が特に好ましい。該アルキレン基は、置換基を有してもよく、該置換基としては、RA1におけるアルキル基が有してもよい置換基が挙げられる。アルキレン基が有してもよい置換基のうち、ヒドロキシ基が特に好ましい。
A1−におけるハロゲンイオンは、塩素イオン、臭素イオン、沃素イオンが挙げられる。
A1−における脂肪族もしくは芳香族カルボン酸イオンは、ギ酸イオン、酢酸イオン、プロピオン酸イオン、ブタン酸イオン、安息香酸イオン等が挙げられる。
A1−における脂肪族もしくは芳香族カルボン酸イオンは、脂肪族カルボン酸イオンが好ましく、特に酢酸イオンが好ましい。
A1−は塩素イオン、臭素イオン、沃素イオン、酢酸イオンが好ましい。
以下に、一般式(A)で表される単官能重合性化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0006163123
前記一般式(3)で表される化合物と上記一般式(A)で表される単官能重合性化合物の合計モル量に対して、一般式(3)で表される化合物のモル含有量の割合は、10〜100モル%が好ましく、20〜100モル%がより好ましく、40〜100モル%が特に好ましい。
−一般式(B)で表される単官能重合性化合物−
本発明における高分子機能性膜形成用組成物は、下記一般式(B)で表される単官能重合性化合物を含んでも良い。
Figure 0006163123
一般式(B)におけるL、L10およびX は、それぞれ、一般式(1)におけるL、LおよびX と同義であり、好ましい範囲も同じである。R12は、一般式(3)におけるRと同義であり、好ましい範囲も同じである。一般式(B)におけるR13およびR14は一般式(3)におけるRと同義であり、好ましい範囲も同じである。
以下に、一般式(B)で表される単官能重合性化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0006163123
−一般式(C)で表される多官能重合性化合物−
本発明における高分子機能性膜形成用組成物は、下記一般式(C)で表される多官能重合性化合物を含んでもよい。
Figure 0006163123
一般式(C)において、RC1は、水素原子またはメチル基を表す。RD1は水素原子またはアルキル基を表す。L11はアルキレン基を表す。
C1は水素原子が好ましい。
D1におけるアルキル基は、直鎖もしくは分岐のアルキル基で、炭素数は1〜18が好ましく、1〜12がより好ましく、1〜6がさらに好ましい。例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−オクチル、t−オクチル、n−デシル、n−オクタデシルが挙げられる。
D1におけるアルキル基は置換基を有してもよく、該置換基としては、前述の置換基群αから選択される任意の置換基が挙げられる。
D1におけるにおけるアルキル基が置換基を有する場合、アルキル基部分の炭素数は1〜6が好ましく、1〜3がより好ましい。
11におけるアルキレン基はメチレンが好ましい。アルキレン基は置換基を有してもよく、該置換基としては、前述の置換基群αから選択される任意の置換基が挙げられる。
一般式(A)〜(C)のいずれかで表される化合物は、興人(株)、協和発酵ケミカル(株)、Fluka(株)、aldrich(株)、東亜合成(株)から市販されていたり、通常の方法で合成できる。
<重合開始剤>
本発明で使用する高分子機能性膜形成用組成物は、重合開始剤を含むことが好ましい。
重合開始剤の中でも、本発明においては、活性放射線照射で重合させることが可能な光重合開始剤が好ましい。
光重合開始剤としては、芳香族ケトン類、アシルホスフィン化合物、芳香族オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、並びにアルキルアミン化合物等が挙げられる。
芳香族ケトン類、アシルホスフィンオキシド化合物およびチオ化合物の好ましい例としては、「RADIATION CURING IN POLYMER SCIENCE AND TECHNOLOGY」,pp.77〜117(1993)に記載のベンゾフェノン骨格またはチオキサントン骨格を有する化合物等が挙げられる。より好ましい例としては、特公昭47−6416号公報に記載のα−チオベンゾフェノン化合物、特公昭47−3981号公報に記載のベンゾインエーテル化合物、特公昭47−22326号公報に記載のα−置換ベンゾイン化合物、特公昭47−23664号公報に記載のベンゾイン誘導体、特開昭57−30704号公報に記載のアロイルホスホン酸エステル、特公昭60−26483号公報に記載のジアルコキシベンゾフェノン、特公昭60−26403号公報、特開昭62−81345号公報記載のベンゾインエーテル類、特公平1−34242号公報、米国特許第4,318,791号明細書、欧州特許出願公開第0284561A1号明細書に記載のα−アミノベンゾフェノン類、特開平2−211452号公報に記載のp−ジ(ジメチルアミノベンゾイル)ベンゼン、特開昭61−194062号公報に記載のチオ置換芳香族ケトン、特公平2−9597号公報に記載のアシルホスフィンスルフィド、特公平2−9596号公報に記載のアシルホスフィン、特公昭63−61950号公報に記載のチオキサントン類、特公昭59−42864号公報に記載のクマリン類等を挙げることができる。また、特開2008−105379号公報、特開2009−114290号公報に記載の重合開始剤も好ましい。また、加藤清視著「紫外線硬化システム」(株式会社総合技術センター発行:平成元年)の第65〜148頁に記載されている重合開始剤などを挙げることができる。
本発明では、水溶性の重合開始剤が好ましい。
ここで、重合開始剤が水溶性であることは、25℃において蒸留水に0.1質量%以上溶解することを意味する。前記水溶性の光重合開始剤は、25℃において蒸留水に1質量%以上溶解することがさらに好ましく、3質量%以上溶解することが特に好ましい。
これらのなかでも、本発明における高分子機能性膜形成用組成物に好適な光重合開始剤は、芳香族ケトン類(特に、α−ヒドロキシ置換ベンゾイン化合物)またはアシルホスフィンオキサイド化合物である。特に、p−フェニルベンゾフェノン(和光純薬工業社製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド(Irgacure 819、BASF・ジャパン社製)、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド(Darocur TPO、BASF・ジャパン社製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(Irgacure 369、BASF・ジャパン社製)、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(Irgacure 907、BASF・ジャパン社製)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(Irgacure 2959、BASF・ジャパン社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(Darocur 1173、BASF・ジャパン社製)が好ましく、水溶性と加水分解耐性の観点から、Irgacure 2959(BASF・ジャパン社製)、Darocur 1173(BASF・ジャパン社製)が最も好ましい。
本発明において、重合開始剤の含有量は、高分子機能性膜形成用組成物中の全固形分質量100質量部に対し、0.1〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましく、0.3〜2質量部がさらに好ましい。
<重合禁止剤>
本発明においては、重合禁止剤を含むことも好ましい。
重合禁止剤としては、公知の重合禁止剤が使用でき、フェノール化合物、ハイドロキノン化合物、アミン化合物、メルカプト化合物などが挙げられる。
フェノール化合物の具体例としては、ヒンダードフェノール(オルト位にt−ブチル基を有するフェノールで、代表的には、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールが挙げられる)、ビスフェノールが挙げられる。ハイドロキノン化合物の具体例としては、モノメチルエーテルハイドロキノンが挙げられる。また、アミン化合物の具体例としては、N−ニトロソ―N−フェニルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミンが挙げられる。
なお、これらの重合禁止剤は、1種単独でも、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
重合禁止剤の含有量は、高分子機能性膜形成用組成物中の全固形分質量100質量部に対し、0.01〜5質量部が好ましく、0.01〜1質量部がより好ましく、0.01〜0.5質量部がさらに好ましい。
<溶媒>
本発明で使用する高分子機能性膜形成用組成物は、溶媒を含んでいてもよい。高分子機能性膜形成用組成物中の溶媒の含有量は、全高分子機能性膜形成用組成物に対し、5〜35質量%が好ましく、10〜35質量%がより好ましく、10〜27質量%がさらに好ましい。
溶媒を含むことで、重合硬化反応が、均一にしかもスムーズに進行する。また、多孔質支持体へ高分子機能性膜形成用組成物の含浸させる場合に含浸がスムーズに進行する。
溶媒は、水、または水と水に対する溶解度が5質量%以上の溶媒の混合液が好ましく用いられ、さらには水に対して自由に混合するものが好ましい。このため、水および水溶性溶媒から選択される溶媒が好ましい。
水溶性溶媒としては、特に、アルコール系溶媒、非プロトン性極性溶媒であるエーテル系溶媒、アミド系溶媒、ケトン系溶媒、スルホキシド系溶媒、スルホン系溶媒、ニトリル系溶媒、有機リン系溶媒が好ましい。
アルコール系溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールなどが挙げられる。これらは1種類単独でまたは2種類以上を併用して用いることができる。
また、非プロトン性極性溶媒としては、ジメチルスルホキシド、ジメチルイミダゾリジノン、スルホラン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン、ジオキサン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミド、ヘキサメチルホスホロトリアミド、ピリジン、プロピオニトリル、ブタノン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、エチレングリコールジアセテート、γ−ブチロラクトン等が好ましい溶媒として挙げられ、中でもジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルイミダゾリジノン、スルホラン、アセトンまたはアセトニトリル、テトラヒドロフランが好ましい。これらは1種類単独でまたは2種類以上を併用して用いることができる。
必要により、例えば、界面活性剤、粘度向上剤、表面張力調整剤、防腐剤を含有してもよい。
<支持体>
とりわけ良好な機械的強度を有する本発明の膜を提供するために、多くの技術を用いることができる。例えば、膜の補強材料として支持体を用いることができ、好ましくは多孔質支持体を使用することができる。この多孔質支持体は、前記高分子機能性膜形成用組成物を塗布およびまたは含浸させた後、重合硬化反応させることにより膜の一部を構成することができる。
補強材料としての多孔質支持体としては、例えば、合成織布または合成不織布、スポンジ状フィルム、微細な貫通孔を有するフィルム等が挙げられる。本発明の多孔質支持体を形成する素材は、例えば、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリアミドおよびそれらのコポリマーであるか、あるいは、例えばポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリエーテルミド(polyethermide)、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、ポリアクリレート、酢酸セルロース、ポリプロピレン、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリクロロトリフルオロエチレンおよびそれらのコポリマーに基づく多孔質膜であることができる。これらのうち、本発明では、ポリオレフィンが好ましい。
市販の多孔質支持体および補強材料は、例えば、日本バイリーンやFreudenbergFiltration Technologies(Novatexx材料)およびSefar AGから市販されている。
なお、多孔質支持体および補強材料は光重合硬化反応を行う場合は、照射光の波長領域を遮らない、すなわち、重合硬化に用いられる波長の照射を通過させることが要求されるが、熱重合硬化の場合は、この点を考慮する必要はない。また、多孔質補強材料は、イオン交換膜形成用組成物が浸透することができるものであることが好ましい。
多孔質支持体は親水性を有することが好ましい。支持体に親水性を付与するには、コロナ処理、オゾン処理、硫酸処理、シランカップリング剤処理などの一般的な方法を使用することができる。
[高分子機能性膜の製造方法]
以下、本発明の高分子機能性膜の製造方法の一例を詳細に説明する。
本発明の高分子機能性膜は、固定された支持体を用いてバッチ式で調製(バッチ方式)することが可能であるが、移動する支持体を用いて連続式で膜を調製(連続方式)することもできる。支持体は、連続的に巻き戻されるロール形状でもよい。なお、連続方式の場合、連続的に動かされるベルト上に支持体を載せ、高分子機能性膜形成用組成物である塗布液の連続的な塗布と重合硬化して膜を形成する工程を連続して行うことができる。なお、塗布工程と膜形成工程の一方のみを連続的に行ってもよい。
また、支持体と別に、高分子機能性膜形成用組成物を多孔質支持体に浸漬させ、重合硬化反応が終わるまでの間、仮支持体(重合硬化反応終了後、仮支持体から膜を剥がす)を用いてもよい。
このような仮支持体は、物質透過を考慮する必要がなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムやアルミ板等の金属板を含め、膜形成のために固定できるものであれば、どのようなものでも構わない。
また、高分子機能性膜形成用組成物を多孔質支持体に浸漬させ、多孔質支持体以外の支持体を用いずに重合硬化させることもできる。
高分子機能性膜形成用組成物は、種々の方法、例えば、カーテンコーティング、押し出しコーティング、エアナイフコーティング、スライドコーティング、ニップロールコーティング、フォワードロールコーティング、リバースロールコーティング、浸漬コーティング、キスコーティング、ロッドバーコーティングまたは噴霧コーティングにより、多孔質支持体に塗布もしくは浸漬することができる。複数の層の塗布は、同時または連続して行うことができる。同時重層塗布するには、カーテンコーティング、スライドコーティング、スロットダイコーティングおよび押し出しコーティングが好ましい。
高分子機能性膜の連続方式での製造は、高分子機能性膜形成用組成物を、移動している支持体に連続的に、より好ましくは、高分子機能性膜形成用組成物塗布部と、該組成物を重合硬化するための照射源と、形成された膜を収集する膜収集部と、支持体を前記組成物塗布部から照射源および膜収集部に移動させるための手段とを含む製造ユニットにより製造する。
本製造例では、(i)本発明で使用する高分子機能性膜形成用組成物を支持体(好ましくは多孔質支持体)に塗布およびまたは含浸し、(ii)該組成物を活性放射線照射、必要な場合これに加えてさらに加熱により重合硬化反応し、(iii)所望により膜を支持体から取り外す、という過程を経て本発明の高分子機能性膜が作成される。
なお、前記(ii)において、加熱は活性放射線照射と同時に行ってもよく、また、活性放射線照射により形成後の膜に対して行なってもよい。
また、工程(i)では、高分子機能性膜形成用組成物を支持体に含浸させることが好ましい。
[活性放射線照射]
前記製造ユニットでは、前記組成物塗布部は照射源に対し上流の位置に設け、照射源は複合膜収集部に対し上流の位置に置かれる。
高速塗布機で塗布する際に十分な流動性を有するために、本発明で使用する高分子機能性膜形成用組成物の35℃での粘度は、4000mPa・s未満が好ましく、1〜1000mPa・sがより好ましく、1〜500mPa.sが最も好ましい。スライドコーティングの場合、35℃での粘度は1〜100mPa・sが好ましい。
高速塗布機では、高分子機能性膜形成用組成物である塗布液を、15m/分を超える速度で、移動する支持体に塗布することができ、400m/分を超える速度で塗布することもできる。
特に機械的強度を高めるために支持体を使用する場合、本発明で使用する高分子機能性膜形成用組成物を支持体の表面に塗布する前に、この支持体を、例えば支持体の湿潤性および付着力を改善するために、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、紫外線照射処理などに付してもよい。
本発明で使用する高分子機能性膜形成用組成物の重合硬化は、該組成物を支持体に塗布もしくは含浸して、好ましくは60秒以内、より好ましくは15秒以内、特に好ましくは5秒以内、最も好ましくは3秒以内に開始する。
重合硬化の活性放射線照射時間は、好ましくは10秒未満、より好ましくは5秒未満、特に好ましくは3秒未満、最も好ましくは2秒未満である。連続法では照射を連続的に行い、高分子機能性膜形成用組成物が照射ビームを通過して移動する速度を考慮して、重合硬化反応時間を決める。
強度の高い紫外線(UV光)を重合硬化反応に用いる場合、かなりの量の熱が発生するため、過熱を防ぐために、光源のランプおよび/または支持体/膜を冷却用空気などで冷却することが好ましい。著しい線量の赤外光(IR光)がUVビームと一緒に照射される場合、IR反射性石英プレートをフィルターにしてUV光を照射する。
活性放射線は紫外線が好ましい。照射波長は、高分子機能性膜形成用組成物中に包含される任意の光重合開始剤の吸収波長と波長が適合することが好ましく、例えばUV−A(400〜320nm)、UV−B(320〜280nm)、UV−C(280〜200nm)である。
適した紫外線源は、水銀アーク灯、炭素アーク灯、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、旋回流プラズマアーク灯、金属ハロゲン化物灯、キセノン灯、タングステン灯、ハロゲン灯、レーザーおよび紫外線発光ダイオードである。中圧または高圧水銀蒸気タイプの紫外線発光ランプがとりわけ好ましい。これに加えて、ランプの発光スペクトルを改変するために、金属ハロゲン化物などの添加剤が存在していてもよい。200〜450nmに発光極大を有するランプがとりわけ適している。
照射源のエネルギー出力は、好ましくは20〜1000W/cm、好ましくは40〜500W/cmであるが、所望の暴露線量を実現することができるならば、これより高くても低くても構わない。暴露強度により、膜の重合硬化を調整する。暴露線量は、High Energy UV Radiometer(EIT−Instrument Markets製のUV Power PuckTM)により、該装置で示されたUV−A範囲で測定して、好ましくは少なくとも40mJ/cm以上、より好ましくは100〜2,000mJ/cm、最も好ましくは150〜1,500mJ/cmである。暴露時間は自由に選ぶことができるが、短いことが好ましく、最も好ましくは2秒未満である。
なお、塗布速度が速い場合、必要な暴露線量を得るために、複数の光源を使用しても構わない。この場合、複数の光源は暴露強度が同じでも異なってもよい。
本発明の高分子機能性膜は、特にイオン交換で使用することを主として意図している。しかしながら、本発明の高分子機能性膜はイオン交換に限定されるものではなく、逆浸透およびガス分離にも好適に用いることができると考えられる。
以下、本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」および「%」は質量基準である。
[環状アクリルアミドの合成]
(モノマー(M−1)の合成)
下記合成スキームでモノマー(M−1)を合成した。
Figure 0006163123
塩化アクリロイル 135.4mL(1.66mol、和光純薬工業製)、アセトニトリル 300mLの混合溶液を撹拌しているところへ、1−メチルピペラジン 185.0mL(1.66mol、東京化成工業製)を5〜10℃にて滴下した。続いて40℃で4時間攪拌した後、水 110.7mL、水酸化ナトリウム 66.4gを加え、40℃で2時間攪拌した。生じた結晶を除去した後、減圧蒸留(96℃、1mmHg)によりモノマー(M−1)を200.2g(収率:78%)得た。
(モノマー(M−2)の合成)
下記合成スキームでモノマー(M−2)を合成した。
Figure 0006163123
1−メチルピペラジンの代わりに1−メチルホモピペラジン(東京化成製)を等モル量用いた以外は、モノマー(M−1)と同様にしてモノマー(M−2)を合成した。
(モノマー(M−3)の合成)
特開昭61−282370号公報の実施例1に記載の方法で、モノマー(M−3)を合成した。以下にモノマー(M−3)の合成スキームを示す。
Figure 0006163123
なお、下記表1〜3においては、モノマー(M−1)〜(M−3)に分類し、それぞれ単に(M−1)〜(M−3)と記載した。
(化合物(XL−1)の合成)
下記合成スキームで化合物(XL−1)を合成した。
Figure 0006163123
パラジクロロキシレン 49.0g(0.28mol、東京化成製)、メトキシハイドロキノン 0.42g、ニトロベンゼン 210mL、水 210mLの混合溶液を撹拌しているところへ、モノマー(M−1)90.68g(0.59mol)を滴下した。続いて50℃にて10時間攪拌した後、分液操作にてニトロベンゼンを除去し、アセトン 3Lを加え生じた結晶をろ過した。結晶を40℃で6時間乾燥し、化合物(XL−1)の白色結晶113.4g(収率:84%)を得た。
(化合物(XL−2)の合成)
下記合成スキームで化合物(XL−2)を合成した。
Figure 0006163123
モノマー(M−1)の代わりにモノマー(M−2)を等モル量用いた以外は、化合物(XL−1)と同様にして化合物(XL−2)を合成した。
(化合物(XL−3)の合成)
下記合成スキームで化合物(XL−3)を合成した。
Figure 0006163123
パラジクロロキシレンの代わりに1,3−ジブロモプロパン(東京化成製)を等モル量用いた以外は、化合物(XL−1)と同様にして化合物(XL−3)を合成した。
(化合物(XL−4)の合成)
下記合成スキームで化合物(XL−4)を合成した。
Figure 0006163123
パラジクロロキシレンの代わりに1,4−ジブロモブタン(東京化成製)を等モル量用いた以外は、化合物(XL−1)と同様にして化合物(XL−4)を合成した。
(化合物(XL−5)の合成)
下記合成スキームで化合物(XL−5)を合成した。
Figure 0006163123
パラジクロロキシレンの代わりにビス(2−ブロモエチル)エーテル(Aldrich製)を等モル量用いた以外は、化合物(XL−1)と同様にして化合物(XL−5)を合成した。
(化合物(XL−6)の合成)
下記合成スキームで化合物(XL−6)を合成した。
Figure 0006163123
2,4,6−トリス(ブロモメチル)メシチレン 78.46g(0.20mol、Aldrich製)、メトキシハイドロキノン 0.42g、ニトロベンゼン 210mL、水 210mLの混合溶液を撹拌しているところへ、モノマー(M−1)90.68g(0.59mol)を滴下した。続いて60℃にて20時間攪拌した後、分液操作にてニトロベンゼンを除去し、アセトン 3Lを加え、生じた結晶をろ過した。結晶を40℃で6時間乾燥し、化合物(XL−6)の白色結晶135.0g(収率:80%)を得た。
(化合物(XL−7)の合成)
下記合成スキームで化合物(XL−7)を合成した。
Figure 0006163123
モノマー(M−1)の代わりにモノマー(M−2)を等モル量用いた以外は、化合物(XL−6)と同様にして化合物(XL−7)を合成した。
(化合物(XL−8)の合成)
下記合成スキームで化合物(XL−8)を合成した。
Figure 0006163123
2、4、6-トリス(ブロモメチル)メシチレンの代わりにトリスクロロエチルアミン塩酸塩(Aldrich製)を等モル量用いた以外は、化合物(XL−6)と同様にして化合物(XL−8)を合成した。
合成した化合物(XL−1)〜(XL−8)はイオン性基と架橋性基を併せ持つチャージドクロスリンカーである。なお、下記表1〜3においては、架橋剤に分類し、それぞれ単に(XL−1)〜(XL−8)と記載した。
[アニオン交換膜の作成]
(実施例1)
下記表1に示す組成(単位:g)の組成物の塗布液をアルミ板に、150μmのワイヤ巻き棒を用いて、手動で約5m/分の速さで塗布し、続いて、不織布(Freudenberg社製 FO−2226−14、厚さ100μm)に塗布液を含浸させた。ワイヤの巻いていないロッドを用いて余分な塗布液を除去した。塗布時の塗布液の温度は約50℃であった。UV露光機(Fusion UV Systems社製、型式Light Hammer LH6、D−バルブ、速度15m/分、100%強度)を用いて、前記塗布液含浸支持体を重合硬化反応することにより、アニオン交換膜を調製した。重合硬化時間は0.8秒であった。露光時間は0.47秒であった。得られた膜をアルミ板から取り外し、0.1M NaCl溶液中で少なくとも12時間保存した。
(実施例2〜20、比較例1〜2)
実施例1のアニオン交換膜の作成において、組成を下記表1〜3に記載の組成に変えた以外は、実施例1と同様にして実施例2〜20、比較例1〜2のアニオン交換膜をそれぞれ作成した。
(比較例3)
特表2011−506749号公報を参照して下記架橋剤N−1を合成した。組成を下記表3に記載の組成に変えた以外は、実施例1と同様にして比較例3のアニオン交換膜を作成した。なお、下記表1〜3において、架橋剤N−1を「N−1」と記載した。
Figure 0006163123
(比較例4)
国際公開第98/36002号パンフレットを参照して下記架橋剤N−2を合成した。組成を下記表3に記載の組成に変えた以外は、実施例1と同様にして比較例4のアニオン交換膜を作成した。なお、下記表1〜3において、架橋剤N−2を「N−2」と記載した。
Figure 0006163123
(比較例5〜9)
実施例1のアニオン交換膜の作成において、組成を下記表3に記載の組成に変えた以外は、実施例1と同様にして比較例5〜9のアニオン交換膜をそれぞれ作成した。
[アニオン交換膜の性能評価]
実施例1〜20および比較例1〜9で作成したアニオン交換膜について、下記項目を評価した。
[含水率(%)]
12時間以上0.5M NaCl水溶液に浸漬して膜の質量(W)と乾燥膜の質量(W)を測定し、下記式で求めた。
含水率(%)は低いほど好ましい。
含水率=(W − W)/W×100 %
[選択透過性]
選択透過性は、静的膜電位測定により膜電位(V)を測定し、算出した。2つの電解槽(cell)は、測定対象の膜により隔てられている。測定前に、膜を0.05M NaCl水溶液中で約16時間平衡化した。その後、異なる濃度のNaCl水溶液を、測定対象の膜の相対する側の電解槽に、それぞれ、注いだ。
一方のcellに0.05M NaCl水溶液を100mL注いだ。また、他方のcellに0.5M NaCl水溶液を100mL注いだ。
恒温水槽により、cell中のNaCl水溶液の温度が25℃に安定した後、両液を膜面に向かって流しながら、両電解槽とAg/AgCl参照電極(Metrohm社製)を、塩橋で接続して膜電位(V)を測定し、下記式(II)により選択透過性tを算出した。
なお、膜の有効面積は1cmであった。
t=(a’+b’)/2b’ 式(II)
前記式(II)における各符号の詳細を以下に示す。
a’:膜電位(V)
b’:0.5915log(f1c1/f2c2)(V)
f1,f2:両cellのNaCl活量係数
c1,c2:両cellのNaCl濃度(M)
[膜の電気抵抗(Ω・cm)]
約2時間、0.5M NaCl水溶液中に浸漬した膜の両面を乾燥ろ紙で拭い、2室型セル(有効膜面積1cm、電極にはAg/AgCl参照電極(Metrohm社製)に挟んだ。両室に同一濃度のNaClを100mL満たし、25℃の恒温水槽中に置いて平衡に達するまで放置し、セル中の液温が正しく25℃になってから、交流ブリッジ(周波数1,000Hz)により電気抵抗rを測定した。測定NaCl濃度は0.5Mとした。次に膜を取り除き、0.5M NaCl水溶液のみとして両極間の電気抵抗rを測り、膜の電気抵抗rをr−rとして求めた。
表1〜3では、「膜の電気抵抗」を「膜抵抗」と省略して記載した。
[透水率(mL/m/Pa/hr)]
膜の透水率を図1に示す流路10を有する装置により測定した。図1において、符号1は膜を表し、符号3および4は、それぞれ、フィード溶液(純水)およびドロー溶液(3M NaCl)の流路を表す。また、符号2の矢印はフィード溶液から分離された水の流れを示す。
フィード溶液400mLとドロー溶液400mLとを、膜を介して接触させ(膜接触面積18cm)、各液はペリスタポンプを用いて符号5の矢印の向きに流速0.11cm/秒で流した。フィード溶液中の水が膜を介してドロー溶液に浸透する速度を、フィード液とドロー液の質量をリアルタイムで測定することによって解析し、透水率を求めた。
[ピンホール試験]
測定用の膜を厚さ1.5nmのPtでコーティングし、以下の条件で走査型電子顕微鏡(SEM)で得られた画像でピンホールの量を測定した。
測定装置:Hitachi S−3200H SEM、株式会社日立ハイテクノロジーズ社製
加速電圧:2kV
作動距離:4mm
絞り:4
倍率:×1,000倍
視野の傾斜:3°
得られた画像から、900μm×1100μmの範囲を観測し、以下の観点でピンホール評価を行った。
A:欠陥、ピンホールが観測されなかった。
B:欠陥、ピンホールが1〜2個観測された。
C:欠陥、ピンホールが3個以上観測された。
[経時安定性試験]
アニオン交換膜を次亜塩素酸ナトリウム水溶液(次亜塩素酸濃度:140ppm)に浸漬し、1日間保管した。続いてアニオン交換膜を取り出し、経時前に行った項目と同じ項目の測定および試験を行った。
表1〜3には、1日間保管後の結果と経時後の変化も割合(経時後の値÷経時前の値)を示した。
得られた結果をまとめて下記表1〜3に示す。
なお、下記表1〜3では、使用した素材は、以下の略称で記載した。
(表1〜3における略称)
DMAPAA−Q:ジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル4級塩(東京化成工業製)
BAP:1、4−ビス(アクリロイル)ピペラジン(Aldrich製)
MBA:メチレンビスアクリルアミド(東京化成工業製)
EGDM:エチレングリコールジメタクリレート(東京化成工業製)
TEGDM:トリエチレングリコールジメタクリレート(東京化成工業製)
MEHQ:モノメチルエーテルハイドロキノン
Darocur 1173:商品名、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製
Irgacure 2959:商品名、BASF・ジャパン社製
Tego Glide 432:商品名、Evonil Industries製
なお、Tego Glide 432は、表面張力調整剤であり、表1〜3では、表面調整剤と記載した。
Figure 0006163123
Figure 0006163123
Figure 0006163123
Figure 0006163123
表1〜3から明らかなように、本発明の規定を満たす実施例1〜20のアニオン交換膜は、本発明の規定を満たさない比較例1〜9のアニオン交換膜と比較して、選択透過性に優れ、かつ、(膜抵抗)×(透水率)の値が低く優れたアニオン交換膜としての性質を有することが分かる。さらに、ピンホール試験の結果から、膜の面状も優れることがわかる。
しかも、本発明の規定を満たす実施例1〜20のアニオン交換膜は、本発明の規定を満たさない比較例1〜9のアニオン交換膜と比較して、全ての項目において、経時安定性に優れることがわかる。
1 膜
2 フィード溶液中の水が膜を介してドロー溶液に浸透することを示す矢印
3 フィード溶液の流路
4 ドロー溶液の流路
5 液体の進行方向
10 透水率測定装置の流路

Claims (15)

  1. 下記一般式(1)で表される単位構造を含むイオン交換性ポリマー。
    Figure 0006163123
    一般式(1)において、L は2価もしくは3価の連結基を表す。LおよびLは各々独立に脂肪族ヘテロ環を形成するための連結基を表す。X は有機または無機のアニオンを表す。Rは水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。nは2または3を表す。Rはアルキル基またはアリール基を表す。複数のRは互いに結合して脂肪族ヘテロ環を形成してもよい。
  2. 前記一般式(1)で表される単位構造が、下記一般式(2)で表される単位構造である請求項1に記載のイオン交換性ポリマー。
    Figure 0006163123
    一般式(2)において、RおよびRは各々独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。RおよびRは各々独立にアルキル基またはアリール基を表す。RおよびRは互いに結合して脂肪族ヘテロ環を形成してもよい。X およびX は各々独立に有機または無機のアニオンを表す。L は2価の連結基を表す。
  3. 前記一般式(1)または(2)で表される単位構造の総含有率が10質量%以上である請求項1または2に記載のイオン交換性ポリマー。
  4. 下記一般式(3)で表される化合物を含有する組成物を重合硬化反応させてなるイオン交換性ポリマー。
    Figure 0006163123
    一般式(3)において、L は2価もしくは3価の連結基を表す。LおよびLは各々独立に、脂肪族ヘテロ環を形成するための連結基を表す。X は有機または無機のアニオンを表す。Rは水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。lは2または3を表す。Rはアルキル基またはアリール基を表す。複数のRは互いに結合して脂肪族ヘテロ環を形成してもよい。
  5. 前記一般式(3)で表わされる化合物が、下記一般式(4)で表される化合物である請求項4に記載のイオン交換性ポリマー。
    Figure 0006163123
    一般式(4)において、RおよびR10は各々独立に水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。R11およびR12は各々独立にアルキル基またはアリール基を表す。R11およびR12は互いに結合して脂肪族ヘテロ環を形成してもよい。X およびX は各々独立して有機または無機のアニオンを表す。L は2価の連結基を表す。
  6. 前記一般式(3)または(4)で表される化合物を、全固形分質量において10質量%以上含む組成物を重合硬化反応させてなる請求項4または5に記載のイオン交換性ポリマー。
  7. 前記組成物に活性放射線を照射することにより形成されてなる請求項4〜6のいずれか1項に記載のイオン交換性ポリマー。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のイオン交換性ポリマーを含む高分子機能性膜。
  9. 支持体を有する請求項8に記載の高分子機能性膜。
  10. 前記支持体が織布または不織布である請求項9に記載の高分子機能性膜。
  11. 前記一般式(3)または(4)で表される化合物を含む組成物を前記支持体に含浸させた後に重合硬化反応させてなる請求項9または10に記載の高分子機能性膜。
  12. 前記高分子機能性膜が、イオン交換膜、逆浸透膜、正浸透膜またはガス分離膜である請求項8〜11のいずれか1項に記載の高分子機能性膜。
  13. 少なくとも1種の下記一般式(3)で表される化合物を含む組成物を重合硬化反応させる高分子機能性膜の製造方法。
    Figure 0006163123
    一般式(3)において、L は2価もしくは3価の連結基を表す。LおよびLは各々独立に、脂肪族ヘテロ環を形成するための連結基を表す。X は有機または無機のアニオンを表す。Rは水素原子、アルキル基またはアリール基を表す。lは2または3を表す。Rはアルキル基またはアリール基を表す。複数のRは互いに結合して脂肪族ヘテロ環を形成してもよい。
  14. 前記組成物に活性放射線を照射する請求項13に記載の高分子機能性膜の製造方法。
  15. 前記組成物を支持体に含浸させた後に重合硬化反応させる請求項13または14に記載の高分子機能性膜の製造方法。
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