JP2004059865A - 架橋重合体、イオン伝導性組成物、ゲル状イオン伝導性組成物および電気化学素子 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
【0002】
本発明は、架橋重合体、イオン伝導性組成物、および電気化学素子に関する。
【0003】
【従来の技術】
近年、二次電池、キャパシタ、エレクトロクロミック表示素子等の電気化学素子は、高性能化、小型化が急速に進行している。これらの電気化学素子には、電解液が用いられているが、該電気化学素子が破損した場合や、繰り返し使用によって、電解液が漏れ出すという危険性がある。
【0004】
このような問題に対処するため、全固体電解質やゲル状電解質等の高分子電解質が提案されている。これらは、比較的高いイオン伝導性、広い電位窓、良好な薄膜形成性、柔軟性、軽量性、弾性、透明性等の優れた特徴を持っている。
【0005】
高分子電解質としては、ポリアルキレンオキサイド基を構造単位に持つ重合体が知られている。例えば、Advanced Materials,10,439(1998)には、ポリエチレンオキサイド基を構造単位に持つ種々の重合体が紹介されている。また、WO96/08051号公報にはポリアルキレンオキサイド構造を有するアクリレートからなる重合体を用いたゲル状電解質が開示されている。また、特公平5−74195号公報には、ポリアルキレンオキサイド構造を有するスチレンからなる重合体を用いたゲル状電解質が開示されている。
【0006】
しかし、これらポリアルキレンオキサイド基を有する重合体をベースとする高分子電解質は、電解質塩と除去不能な微量の水との反応により発生する酸によって、または電気化学素子の繰り返し利用による電解質自体の分解生成物によって、分解されて劣化するという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、耐久性に優れた架橋重合体、該架橋重合体を含有してなるイオン伝導性組成物、および該イオン伝導性組成物を含有してなる電気化学素子を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、
(1)式(A)
【化2】
[式中、R1は、互いに独立して、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基を示し、
R2は、互いに独立して、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキレン基、置換もしくは無置換の炭素数6〜20の飽和もしくは不飽和シクロアルキレン基、置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリーレン基、置換もしくは無置換の炭素数7〜21のアリールアルキレン基、置換もしくは無置換の炭素数7〜21のアリーレンアルキレン基、置換もしくは無置換の炭素数8〜22のアリーレンビス(アルキレン)基、ジアルキル(ポリ)シリレン基、ジアリール(ポリ)シリレン基、ヘテロ原子数1〜6で炭素数1〜30のヘテロ原子含有有機基、ポリアクリレートもしくはポリメタクリレートから誘導される2価基、または直接結合を示し、そして
nは、0〜100の整数である。]
で表されるピペラジン誘導体と、脂肪族不飽和結合含有単量体とを共重合させてなる架橋重合体。
【0009】
(2)式(A)により表されるピペラジン誘導体の含有量が1〜100質量%であることを特徴とする請求項1記載の架橋重合体、
を見出すに至った。
【0010】
式(A)により表されるピペラジン誘導体中のピペラジン構造は、耐熱性に優れていると共に、水や酸を捕捉する能力があるため、本発明の架橋重合体(1)および(2)は、劣化を受けにくい。
【0011】
ゆえに、
(3)上記(1)または(2)記載の架橋重合体を含有してなるイオン伝導性組成物、
(4)上記(1)または(2)記載の架橋重合体、電解質および溶媒を含んでなるゲル状イオン伝導性組成物
は、優れた耐久性を有し、
(5)上記(3)または(4)記載のイオン伝導性組成物を含有してなる電気化学素子は、長期間安定に作動することを見出した。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳説する。
本発明の電気化学素子に係わる式(A)により表されるピペラジン誘導体において、R1により示される炭素数1〜18のアルキル基には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基等が含まれ、そして、炭素数6〜20のアリール基には、例えば、フェニル基、トルイル基、ナフチル基等が含まれる。好ましくは、R1は水素原子、または好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基であり、最も好ましくは水素原子またはメチル基である。
【0013】
式(A)において、R2により示される炭素数1〜18のアルキレン基には、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、オクチレン基、ドデシレン基等が含まれ、炭素数6〜20の飽和シクロアルキレン基には、例えば、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロオクチレン基等が含まれ、不飽和シクロアルキレン基には、例えば、シクロヘキセニレン基、シクロヘプテニレン基、シクロオクテニレン基、シクロヘキサジエニレン基、シクロヘプタジエニレン基等が含まれ、炭素数6〜20のアリーレン基には、例えば、フェニレン、ナフチレン基等が含まれ、そして、炭素数7〜21のアリールアルキレン基には、例えば、フェニルメチレン基、フェニルエチレン基、フェニルエチリデン基等が含まれる。R2により示される炭素数7〜21のアリーレンアルキレン基には、例えば、フェニレンメチレン基等が含まれ、炭素数8〜22のアリーレンビス(アルキレン)基には、例えば、キシリレン基が含まれる。R2により示されるジアルキル(ポリ)シリレン基のアルキル基は、好ましくは炭素数1〜6を有し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が含まれ、ジアリール(ポリ)シリレン基のアリール基は、好ましくは炭素数6〜10を有し、例えば、フェニル基、トルイル基、ナフチル基等が含まれる。好ましくは、R2は、炭素数1〜6のアルキレン基、特にメチレン基であるか、炭素数6〜10のアリーレン、特にフェニレン基であるか、または炭素数8〜12のアリーレンビス(アルキレン)基、特にキシリレン基である。
【0014】
式(A)において、R2により示されるヘテロ原子数1〜6で炭素数1〜30のヘテロ原子含有有機基は、主鎖中に、ヘテロ原子として酸素、硫黄または窒素原子を含有する基であって、これらへテロ原子は、炭素原子間に存在してエーテル、チオエーテルおよび/または2級アミノ基を形成しても、炭素原子上に存在してカルボニル、チオカルボニルおよび/またはイミノ基を形成しても、それらの混合物であってもよい。したがって、このヘテロ原子含有有機基には、(ポリ)オキシアルキレン基、(ポリ)カーボネート基、(ポリ)エステル基、およびアミド基も含まれるが、側鎖にのみへテロ原子を含有するポリアクリレートやポリメタクリレートのような基は含まれない。
【0015】
式(A)において、R2により示される(ポリ)オキシアルキレン基は、好ましくは炭素数1〜6を有するアルキレンオキシドのポリマーから誘導される基であり、例えば、ポリ(オキシメチレン)、ポリ(オキシエチレン)、ポリ(オキシプロピレン)、ポリ(オキシブチレン)、ポリ(オキシペンチレン)、およびそれらの共重合体が含まれる。(ポリ)カーボネート基は、エチレングリコールまたはプロピレングリコールのようなグリコールまたはポリグリコール、またはフェニレンジオールのようなアリーレンジオールまたはポリアリーレンジオールが−O(CO)O−を介して連結した2価基であり、グリコールは、好ましくは1〜12、より好ましくは2〜8、最も好ましくは2〜6の炭素数を有し、アリーレンジオールは、好ましくは6〜10、より好ましくは6〜8、最も好ましくは6の炭素数を有する。
【0016】
式(A)において、R2により示される(ポリ)エステル基は、グリコール酸、アジピン酸、フタル酸またはテレフタル酸のようなジカルボン酸と、エチレングリコールまたはプロピレングリコールのようなグリコールまたはポリグリコール、またはフェニレンジオールのようなアリーレンジオールまたはポリアリーレンジオールとの脱水縮合によって得られる2価基である。この場合のグリコールおよびアリーレンジオールは、(ポリ)カーボネート基の場合と同様のものを使用できる。
【0017】
式(A)のR2において、ヘテロ原子数1〜6で炭素数1〜30のヘテロ原子含有有機基、並びに、ポリアクリレートおよびポリメタクリレートから誘導される2価基の好ましい分子量は、60〜30,000、好ましくは100〜10,000である。
【0018】
式(A)におけるR1およびR2が置換基を有する場合のそれら置換基には、塩素、フッ素および臭素のようなハロゲン、およびシアノ基が含まれる。具体的な置換基を有する基には、トリフルオロプロピル基、クロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基、および2−シアノエチル基のようなシアノアルキル基が含まれる。式(A)におけるnは、好ましくは0〜70、特に好ましくは0〜20、更に好ましくは1〜5である。
【0019】
本発明に係わる式(A)により表されるピペラジン誘導体の具体例としては、
【0020】
【化3】
【0021】
【化4】
【0022】
等がある。
【0023】
本発明に係わる式(A)により表されるピペラジン誘導体は、公知技術を用いて容易に合成することができる。例えば、式(A)において、R2がアルキレン基、アリールアルキレン基、飽和シクロアルキレン、又はアリーレンビス(アルキレン)である化合物は、ピペラジンに、R2X及びCH2=C(R1)R2X2を逐次又は同時に反応させることにより得られる。それの反応では、化合物(A)は、式(A)においてnが異なる同種化合物の混合物として得られるので、各画分を分別する必要がある。Xは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、トシル基、メチルスルホン酸基、メシル基、又はトリフルオロメタンスルホニル基、好ましくは、塩素、臭素、又はトシル基である。生成するHXを捕捉するために塩基を添加するのが好ましい。
【0024】
また、化合物(A)が同種化合物の混合物としてではなく、単一化合物として得られる方法もある。例えば、日本化学会誌 74 (2) pp. 342−346 には、式(A)において、R2がエチレンである化合物(A)の中間体となるオリゴ(エチレンピペラジン)が単一の重合度のものとして得られる方法が記載されている。そのオリゴ(エチレンピペラジン)の2つの末端ピペラジンNH基にそれぞれハロゲン化アリルを反応させると、その重合度に応じて、上記の化合物(A−1)〜(A−5)のようなピペラジン誘導体が得られる。式(A)のR2が他のアルキレン基、アリールアルキレン基、飽和シクロアルキレン、又はアリーレンビス(アルキレン)である化合物も同様に合成できる。
【0025】
本発明において、式(A)により表されるピペラジン誘導体と共重合することができる脂肪族不飽和結合含有単量体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシブチル、(メタ)アクリル酸エトキシブチル等のエーテル結合を有する(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル;アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等のアミド基を有する不飽和単量体;N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート等の3級アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルカルバゾール等の含窒素不飽和単量体;(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル等の脂環式(メタ)アクリル酸エステル;スチレン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリル酸フェニル等の芳香族不飽和単量体;メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のポリアルキレンキサイド基を含有する不飽和単量体を挙げることができる。
【0026】
本発明の架橋重合体において、式(A)により表されるピペラジン誘導体の含有量は1〜100質量%、より好ましくは5〜80質量%である。ピペラジン誘導体含有量が1質量%より少ないと、水や酸を捕捉することができず、架橋重合体の耐久性が不足する。
【0027】
本発明の架橋重合体において、その重合方法としては、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等が用いられ、場合によっては触媒を使用しても良い。このうち、ラジカル重合が最も容易な方法である。触媒としては、過硫酸アンモニウム、過酸化ベンゾイル等の過酸化物や、2,2’−アゾビス(2−メチルプロニオンニトリル)等のアゾ化合物等に代表される熱分解型重合開始剤や、ベンゾフェノン、ベンゾインイソプロピルエーテル等の増感剤を用いることができる。増感剤は、紫外線等の活性線を照射することで、ラジカルを発生することができる。
【0028】
本発明のイオン伝導性組成物(3)は、本発明の架橋重合体と電解質とを含んでなる組成物である。本発明のイオン伝導性組成物(3)において、電解質の含有量は、電解質の種類やイオン伝導性組成物(3)が使用される電気化学素子の種類、性能にもよるが、架橋重合体1gに対して、0.01〜20mmol、好ましくは5〜10mmolである。
【0029】
本発明のイオン伝導性組成物(3)は、十分なイオン伝導度を有するが、さらに高いイオン伝導度が必要な場合、本発明のゲル状イオン伝導性組成物(4)のように、溶媒を含有させることができる。本発明のゲル状イオン伝導性組成物(4)において、溶媒の含有量は、10〜99質量%、より好ましくは50〜98質量%、最も好ましくは60〜95質量%である。溶媒の含有量は、電解質の種類、所望のイオン伝導性、ゲル状組成物の機械的強度を考慮して決定される。
【0030】
本発明のイオン伝導性組成物(3)および本発明のゲル状イオン伝導性組成物(4)は、電解質および必要に応じて溶媒の存在下で、本発明の架橋重合体の架橋を行うことにより製造することができる。また、架橋重合体の架橋後に、電解質や溶媒を含浸させることにより製造することもできる。
【0031】
本発明のイオン伝導性組成物(3)および本発明のゲル状イオン伝導性組成物(4)に係わる電解質としては、金属陽イオン、アンモニウムイオン、アミジニウムイオン、及びグアニジウムイオンから選ばれる陽イオンと、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸イオン、次亜塩素酸イオン、チオシアン酸イオン、テトラフルオロホウ素酸イオン、テトラフェニルホウ素酸イオン、硝酸イオン、有機酸イオン、過マンガン酸イオン、リン酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、チオ硫酸イオン、AsF6 −、PF6 −、ステアリルスルホン酸イオン、オクチルスルホン酸イオン、ドデシルベンゼンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオン、ドデシルナフタレンスルホン酸イオン、7, 7, 8, 8−テトラシアノ−p−キノジメタンイオン、X1SO3 −、[(X1SO2) (X2SO2)N]− 、[(X1SO2) (X2SO2) (X3SO2)C]−及び[(X1SO2) (X2SO2)YC]−から選ばれる陰イオンとからなる化合物が挙げられる。ここで、X1、X2、X3及びYは電子吸引性基である。好ましくは、X1、X2、およびX3 は各々独立して炭素数が1〜6のパーフルオロアルキル基又はパーフルオロアリール基であり、Yはニトロ基、ニトロソ基、カルボニル基、カルボキシル基、又はシアノ基である。X1、X2、およびX3は各々同一であっても、異なっていても良い。
【0032】
本発明のゲル状イオン伝導性組成物(4)に係わる溶媒としては、塩化チオニル、塩化スルフリル、液体アンモニア等の無機溶媒、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオフェン、硫化ジエチル等の硫黄化合物、アセトニトリル、ジエチルアミン、アニリン等の窒素化合物、無水酢酸、無水酪酸等の酸無水物、アセタール、シクロヘキサノン等のケトン、エステル、フェノール、アルコール、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等のカーボネート、γ−ブチロラクトン等のラクトン類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,3−ジオキソラン等のエーテル系化合物を使用することができる。これらの溶媒は、単独で使用しても、あるいは2種以上を混合して使用しても良い。
【0033】
本発明の電気化学素子(5)としては、例えばリチウム一次電池、リチウム二次電池、湿式太陽電池、キャパシタ、エレクトロクロミック素子等の化学発光表示素子、液晶表示素子等を挙げることができる。
【0034】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明する。
【0035】
実施例1
1,2−ビス(4−メタクリロイル−1−ピペラジニル)エタンの合成
1−アセチルピペラジン81.4gをエタノール800ml/水320ml混合溶媒に溶解し、炭酸カリウム86gを加えて撹拌した。続いて1,2−ジブロモエタン62gをエタノール200mlに溶解して添加し、20時間加熱還流した。生じた反応液をエバポレートして溶媒を留去し、残留物を熱アセトニトリル300mlで3回抽出し、不溶物を濾別後、アセトニトリルを減圧留去した。再度、残留物を熱アセトニトリル350mlで抽出し、不溶物を濾別後、アセトニトリルを減圧留去した。次いで、残留物を酢酸エチル220mlより再結晶し、析晶物を濾取し、酢酸エチル50mlで洗って乾燥して、第1中間体の1,2−ビス(4−アセチル−1−ピペラジニル)エタン55.2gを得た(収率62%)。
【0036】
次に、1,2−ビス(4−アセチル−1−ピペラジニル)エタン54gをエタノール500mlに溶解し、40%水酸化ナトリウム水溶液40.2gと水50mlを添加し、22時間加熱還流した。生じた反応液をエバポレートして溶媒を留去した。残留物を水130mlより再結晶し、析晶物を濾取し、水60ml及びエタノール40mlで洗って乾燥して、第2中間体の1,2−ビス(1−ピペラジニル)エタン31.6gを得た(収率83%)。
【0037】
さらに、1,2−ビス(1−ピペラジニル)エタン24gをアセトニトリル600mlに溶解し、炭酸カリウム33.5gを加えて撹拌した。続いてメタクリル酸クロリド25.3gをアセトニトリル100mlに溶解して徐々に添加し、室温にて22時間撹拌した。生じた反応液をエバポレートして溶媒を留去し、残留物に水350mlを加えた後、クロロホルム500mlで抽出し、さらに水層をクロロホルム100mlで3回抽出した。クロロホルム抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、次いでクロロホルムを減圧留去して目的化合物の粗生成物を油状物として得た。これをアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶剤;クロロホルム)で処理して純粋な目的化合物1,2−ビス(4−メタクリロイル−1−ピペラジニル)エタン11.2gを得た(収率28%)。
【0038】
融点 118.5〜119.8℃
1H−NMR(測定溶媒;CDCl3)データ
5.18ppm(t、2H、J=1.4Hz)
5.02ppm(t、2H、J=0.8Hz)
3.59ppm(s(broad)、8H)
2.54ppm(s、4H)
2.46ppm(t、8H、J=4.5Hz)
1.95ppm(t、6H、J=1.3Hz)
【0039】
架橋重合体
以下の処方で混合液を調製し、80℃で8時間加熱して架橋重合体を得た。
【0040】
【0041】
実施例2
非水系イオン伝導性組成物の調製
下記構成で非水系電解液iを調製した。
六フッ化リン酸リチウム 12.7重量部
エチレンカーボネート 31.9重量部
ジエチルカーボネート 55.3重量部
【0042】
以下の処方で混合液Iを調製し、80℃で7時間加熱して非水系ゲル組成物1を得た。
【0043】
【0044】
この非水系ゲル組成物1を密閉容器に入れ、80℃で14日間加熱したが、ゲルの崩壊は確認されなかった。また、この非水系ゲル組成物1のイオン伝導度は、5.3×10−3S/cm(室温)であった。
【0045】
リチウム二次電池
市販のリチウム二次電池(公称容量500mAh)より正極層、負極層、セパレータを取り出した。次いで、金属アルミニウム、正極層、セパレータ、負極層、金属銅を積層して、電池用セル缶に組み込んだ後、混合液Iを注入した。セル缶を封じた後、80℃で7時間加熱して、リチウム二次電池を得た。得られたリチウム二次電池に対して、100mAで充放電を行ったところ、容量は450mAhであった。また、このリチウム二次電池を80℃で2週間保存した後の容量は429mAhであった。
【0046】
実施例3
非水系イオン伝導性組成物の調製
以下の処方で混合液IIを調製し、80℃で7時間加熱して非水系ゲル組成物2を得た。
【0047】
【0048】
この非水系ゲル組成物2を密閉容器に入れ、80℃で14日間加熱したが、ゲルの崩壊は確認されなかった。また、この非水系ゲル組成物2のイオン伝導度は、5.1×10−3S/cm(室温)であった。
【0049】
リチウム二次電池
市販のリチウム二次電池(公称容量500mAh)より正極層、負極層、セパレータを取り出した。次いで、金属アルミニウム、正極層、セパレータ、負極層、金属銅を積層して、電池用セル缶に組み込んだ後、混合液IIを注入した。セル缶を封じた後、80℃で7時間加熱して、リチウム二次電池を得た。得られたリチウム二次電池に対して、100mAで充放電を行ったところ、容量は443mAhであった。また、このリチウム二次電池を80℃で2週間保存した後の容量は417mAhであった。
【0050】
実施例4
以下の処方で混合液IIIを調製し、80℃で7時間加熱して非水系ゲル組成物3を得た。
【0051】
【0052】
この非水系ゲル組成物3を密閉容器に入れ、80℃で14日間加熱したが、ゲルの崩壊は確認されなかった。また、この非水系ゲル組成物3のイオン伝導度は、5.5×10−3S/cm(室温)であった。
【0053】
リチウム二次電池
市販のリチウム二次電池(公称容量500mAh)より正極層、負極層、セパレータを取り出した。次いで、金属アルミニウム、正極層、セパレータ、負極層、金属銅を積層して、電池用セル缶に組み込んだ後、混合液IIIを注入した。セル缶を封じた後、80℃で7時間加熱して、リチウム二次電池を得た。得られたリチウム二次電池に対して、100mAで充放電を行ったところ、容量は465mAhであった。また、このリチウム二次電池を80℃で2週間保存した後の容量は438mAhであった。
【0054】
比較例1
メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(130MA:共栄社化学製)7.5重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMP:共栄社化学製) 2.5重量部、アゾビスイソブチロニトリル 0.2重量部を、非水電解液iに90重量部に溶解し、反応液aを得た。窒素雰囲気下、80℃に6時間保持して、透明なイオン伝導性ゲル状組成物を得た。このイオン伝導性ゲル状組成物を密閉容器に入れ、80℃に加熱したが、1日でゲルが崩壊した。
【0055】
市販のリチウム二次電池(公称容量500mAh)より正極層、負極層、セパレータを取り出した。次いで、金属アルミニウム、正極層、セパレータ、負極層、金属銅を積層して、電池用セル缶に組み込んだ後、反応液aを注入した。セル缶を封じた後、80℃で7時間加熱して、リチウム二次電池を得た。得られたリチウム二次電池に対して、100mAで充放電を行ったところ、容量は430mAhであった。また、このリチウム二次電池を80℃で2週間保存した後の容量は220mAhであった。
【0056】
実施例5
非水系イオン伝導性組成物の調製
下記構成で非水系電解液iiを調製した。
(C2H5)4NBF4 18.1重量部
プロピレンカーボネート 81.9重量部
【0057】
以下の処方で混合液IVを調製し、80℃で7時間加熱して非水系ゲル組成物4を得た。
【0058】
【0059】
この非水系ゲル組成物4を密閉容器に入れ、80℃で14日間加熱したが、ゲルの崩壊は確認されなかった。また、この非水系ゲル組成物2のイオン伝導度は、5.1×10−3S/cm(室温)であった。
【0060】
電気二重層キャパシタ
非表面積が2000m2/g、平均粒径が8μmの高活性活性炭80g、アセチレンブラック10g、及び12%濃度のPVDF(N−メチルピロリドン溶液)100g、N−メチルピロリドン150gを混合して活性炭含有液を作製した。この液をアルミニウム箔上に塗布して、キャパシタ用電極を作製した。この電極とセルロースセパレータを積層し、角形セルに組み込んだ後、混合液IVを注入し、80℃で7時間加熱して、積層型電気二重層キャパシタを製造した。電気二重層キャパシタの静電容量は、18Fであった。この電気二重層キャパシタに3mmφの金属棒を突き刺したが、液漏れは無かった。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したごとく、本発明の架橋重合体は、水や酸を捕捉するピペラジン誘導体を含有してなるので耐久性を有する。よって、本発明の架橋重合体を含有してなるイオン伝導性組成物は高い耐熱性を有し、本発明の電気化学素子は長期間安定に作動するという秀逸な効果を得ることができる。
【発明の属する技術分野】
【0002】
本発明は、架橋重合体、イオン伝導性組成物、および電気化学素子に関する。
【0003】
【従来の技術】
近年、二次電池、キャパシタ、エレクトロクロミック表示素子等の電気化学素子は、高性能化、小型化が急速に進行している。これらの電気化学素子には、電解液が用いられているが、該電気化学素子が破損した場合や、繰り返し使用によって、電解液が漏れ出すという危険性がある。
【0004】
このような問題に対処するため、全固体電解質やゲル状電解質等の高分子電解質が提案されている。これらは、比較的高いイオン伝導性、広い電位窓、良好な薄膜形成性、柔軟性、軽量性、弾性、透明性等の優れた特徴を持っている。
【0005】
高分子電解質としては、ポリアルキレンオキサイド基を構造単位に持つ重合体が知られている。例えば、Advanced Materials,10,439(1998)には、ポリエチレンオキサイド基を構造単位に持つ種々の重合体が紹介されている。また、WO96/08051号公報にはポリアルキレンオキサイド構造を有するアクリレートからなる重合体を用いたゲル状電解質が開示されている。また、特公平5−74195号公報には、ポリアルキレンオキサイド構造を有するスチレンからなる重合体を用いたゲル状電解質が開示されている。
【0006】
しかし、これらポリアルキレンオキサイド基を有する重合体をベースとする高分子電解質は、電解質塩と除去不能な微量の水との反応により発生する酸によって、または電気化学素子の繰り返し利用による電解質自体の分解生成物によって、分解されて劣化するという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、耐久性に優れた架橋重合体、該架橋重合体を含有してなるイオン伝導性組成物、および該イオン伝導性組成物を含有してなる電気化学素子を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、
(1)式(A)
【化2】
[式中、R1は、互いに独立して、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキル基、または置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリール基を示し、
R2は、互いに独立して、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキレン基、置換もしくは無置換の炭素数6〜20の飽和もしくは不飽和シクロアルキレン基、置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリーレン基、置換もしくは無置換の炭素数7〜21のアリールアルキレン基、置換もしくは無置換の炭素数7〜21のアリーレンアルキレン基、置換もしくは無置換の炭素数8〜22のアリーレンビス(アルキレン)基、ジアルキル(ポリ)シリレン基、ジアリール(ポリ)シリレン基、ヘテロ原子数1〜6で炭素数1〜30のヘテロ原子含有有機基、ポリアクリレートもしくはポリメタクリレートから誘導される2価基、または直接結合を示し、そして
nは、0〜100の整数である。]
で表されるピペラジン誘導体と、脂肪族不飽和結合含有単量体とを共重合させてなる架橋重合体。
【0009】
(2)式(A)により表されるピペラジン誘導体の含有量が1〜100質量%であることを特徴とする請求項1記載の架橋重合体、
を見出すに至った。
【0010】
式(A)により表されるピペラジン誘導体中のピペラジン構造は、耐熱性に優れていると共に、水や酸を捕捉する能力があるため、本発明の架橋重合体(1)および(2)は、劣化を受けにくい。
【0011】
ゆえに、
(3)上記(1)または(2)記載の架橋重合体を含有してなるイオン伝導性組成物、
(4)上記(1)または(2)記載の架橋重合体、電解質および溶媒を含んでなるゲル状イオン伝導性組成物
は、優れた耐久性を有し、
(5)上記(3)または(4)記載のイオン伝導性組成物を含有してなる電気化学素子は、長期間安定に作動することを見出した。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳説する。
本発明の電気化学素子に係わる式(A)により表されるピペラジン誘導体において、R1により示される炭素数1〜18のアルキル基には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基等が含まれ、そして、炭素数6〜20のアリール基には、例えば、フェニル基、トルイル基、ナフチル基等が含まれる。好ましくは、R1は水素原子、または好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜3のアルキル基であり、最も好ましくは水素原子またはメチル基である。
【0013】
式(A)において、R2により示される炭素数1〜18のアルキレン基には、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、オクチレン基、ドデシレン基等が含まれ、炭素数6〜20の飽和シクロアルキレン基には、例えば、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロオクチレン基等が含まれ、不飽和シクロアルキレン基には、例えば、シクロヘキセニレン基、シクロヘプテニレン基、シクロオクテニレン基、シクロヘキサジエニレン基、シクロヘプタジエニレン基等が含まれ、炭素数6〜20のアリーレン基には、例えば、フェニレン、ナフチレン基等が含まれ、そして、炭素数7〜21のアリールアルキレン基には、例えば、フェニルメチレン基、フェニルエチレン基、フェニルエチリデン基等が含まれる。R2により示される炭素数7〜21のアリーレンアルキレン基には、例えば、フェニレンメチレン基等が含まれ、炭素数8〜22のアリーレンビス(アルキレン)基には、例えば、キシリレン基が含まれる。R2により示されるジアルキル(ポリ)シリレン基のアルキル基は、好ましくは炭素数1〜6を有し、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が含まれ、ジアリール(ポリ)シリレン基のアリール基は、好ましくは炭素数6〜10を有し、例えば、フェニル基、トルイル基、ナフチル基等が含まれる。好ましくは、R2は、炭素数1〜6のアルキレン基、特にメチレン基であるか、炭素数6〜10のアリーレン、特にフェニレン基であるか、または炭素数8〜12のアリーレンビス(アルキレン)基、特にキシリレン基である。
【0014】
式(A)において、R2により示されるヘテロ原子数1〜6で炭素数1〜30のヘテロ原子含有有機基は、主鎖中に、ヘテロ原子として酸素、硫黄または窒素原子を含有する基であって、これらへテロ原子は、炭素原子間に存在してエーテル、チオエーテルおよび/または2級アミノ基を形成しても、炭素原子上に存在してカルボニル、チオカルボニルおよび/またはイミノ基を形成しても、それらの混合物であってもよい。したがって、このヘテロ原子含有有機基には、(ポリ)オキシアルキレン基、(ポリ)カーボネート基、(ポリ)エステル基、およびアミド基も含まれるが、側鎖にのみへテロ原子を含有するポリアクリレートやポリメタクリレートのような基は含まれない。
【0015】
式(A)において、R2により示される(ポリ)オキシアルキレン基は、好ましくは炭素数1〜6を有するアルキレンオキシドのポリマーから誘導される基であり、例えば、ポリ(オキシメチレン)、ポリ(オキシエチレン)、ポリ(オキシプロピレン)、ポリ(オキシブチレン)、ポリ(オキシペンチレン)、およびそれらの共重合体が含まれる。(ポリ)カーボネート基は、エチレングリコールまたはプロピレングリコールのようなグリコールまたはポリグリコール、またはフェニレンジオールのようなアリーレンジオールまたはポリアリーレンジオールが−O(CO)O−を介して連結した2価基であり、グリコールは、好ましくは1〜12、より好ましくは2〜8、最も好ましくは2〜6の炭素数を有し、アリーレンジオールは、好ましくは6〜10、より好ましくは6〜8、最も好ましくは6の炭素数を有する。
【0016】
式(A)において、R2により示される(ポリ)エステル基は、グリコール酸、アジピン酸、フタル酸またはテレフタル酸のようなジカルボン酸と、エチレングリコールまたはプロピレングリコールのようなグリコールまたはポリグリコール、またはフェニレンジオールのようなアリーレンジオールまたはポリアリーレンジオールとの脱水縮合によって得られる2価基である。この場合のグリコールおよびアリーレンジオールは、(ポリ)カーボネート基の場合と同様のものを使用できる。
【0017】
式(A)のR2において、ヘテロ原子数1〜6で炭素数1〜30のヘテロ原子含有有機基、並びに、ポリアクリレートおよびポリメタクリレートから誘導される2価基の好ましい分子量は、60〜30,000、好ましくは100〜10,000である。
【0018】
式(A)におけるR1およびR2が置換基を有する場合のそれら置換基には、塩素、フッ素および臭素のようなハロゲン、およびシアノ基が含まれる。具体的な置換基を有する基には、トリフルオロプロピル基、クロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基、および2−シアノエチル基のようなシアノアルキル基が含まれる。式(A)におけるnは、好ましくは0〜70、特に好ましくは0〜20、更に好ましくは1〜5である。
【0019】
本発明に係わる式(A)により表されるピペラジン誘導体の具体例としては、
【0020】
【化3】
【0021】
【化4】
【0022】
等がある。
【0023】
本発明に係わる式(A)により表されるピペラジン誘導体は、公知技術を用いて容易に合成することができる。例えば、式(A)において、R2がアルキレン基、アリールアルキレン基、飽和シクロアルキレン、又はアリーレンビス(アルキレン)である化合物は、ピペラジンに、R2X及びCH2=C(R1)R2X2を逐次又は同時に反応させることにより得られる。それの反応では、化合物(A)は、式(A)においてnが異なる同種化合物の混合物として得られるので、各画分を分別する必要がある。Xは、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、トシル基、メチルスルホン酸基、メシル基、又はトリフルオロメタンスルホニル基、好ましくは、塩素、臭素、又はトシル基である。生成するHXを捕捉するために塩基を添加するのが好ましい。
【0024】
また、化合物(A)が同種化合物の混合物としてではなく、単一化合物として得られる方法もある。例えば、日本化学会誌 74 (2) pp. 342−346 には、式(A)において、R2がエチレンである化合物(A)の中間体となるオリゴ(エチレンピペラジン)が単一の重合度のものとして得られる方法が記載されている。そのオリゴ(エチレンピペラジン)の2つの末端ピペラジンNH基にそれぞれハロゲン化アリルを反応させると、その重合度に応じて、上記の化合物(A−1)〜(A−5)のようなピペラジン誘導体が得られる。式(A)のR2が他のアルキレン基、アリールアルキレン基、飽和シクロアルキレン、又はアリーレンビス(アルキレン)である化合物も同様に合成できる。
【0025】
本発明において、式(A)により表されるピペラジン誘導体と共重合することができる脂肪族不飽和結合含有単量体としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシブチル、(メタ)アクリル酸エトキシブチル等のエーテル結合を有する(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル;アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等のアミド基を有する不飽和単量体;N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリレート等の3級アミノ基を有する(メタ)アクリル酸エステル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルカルバゾール等の含窒素不飽和単量体;(メタ)アクリル酸シクロペンチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル等の脂環式(メタ)アクリル酸エステル;スチレン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリル酸フェニル等の芳香族不飽和単量体;メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のポリアルキレンキサイド基を含有する不飽和単量体を挙げることができる。
【0026】
本発明の架橋重合体において、式(A)により表されるピペラジン誘導体の含有量は1〜100質量%、より好ましくは5〜80質量%である。ピペラジン誘導体含有量が1質量%より少ないと、水や酸を捕捉することができず、架橋重合体の耐久性が不足する。
【0027】
本発明の架橋重合体において、その重合方法としては、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等が用いられ、場合によっては触媒を使用しても良い。このうち、ラジカル重合が最も容易な方法である。触媒としては、過硫酸アンモニウム、過酸化ベンゾイル等の過酸化物や、2,2’−アゾビス(2−メチルプロニオンニトリル)等のアゾ化合物等に代表される熱分解型重合開始剤や、ベンゾフェノン、ベンゾインイソプロピルエーテル等の増感剤を用いることができる。増感剤は、紫外線等の活性線を照射することで、ラジカルを発生することができる。
【0028】
本発明のイオン伝導性組成物(3)は、本発明の架橋重合体と電解質とを含んでなる組成物である。本発明のイオン伝導性組成物(3)において、電解質の含有量は、電解質の種類やイオン伝導性組成物(3)が使用される電気化学素子の種類、性能にもよるが、架橋重合体1gに対して、0.01〜20mmol、好ましくは5〜10mmolである。
【0029】
本発明のイオン伝導性組成物(3)は、十分なイオン伝導度を有するが、さらに高いイオン伝導度が必要な場合、本発明のゲル状イオン伝導性組成物(4)のように、溶媒を含有させることができる。本発明のゲル状イオン伝導性組成物(4)において、溶媒の含有量は、10〜99質量%、より好ましくは50〜98質量%、最も好ましくは60〜95質量%である。溶媒の含有量は、電解質の種類、所望のイオン伝導性、ゲル状組成物の機械的強度を考慮して決定される。
【0030】
本発明のイオン伝導性組成物(3)および本発明のゲル状イオン伝導性組成物(4)は、電解質および必要に応じて溶媒の存在下で、本発明の架橋重合体の架橋を行うことにより製造することができる。また、架橋重合体の架橋後に、電解質や溶媒を含浸させることにより製造することもできる。
【0031】
本発明のイオン伝導性組成物(3)および本発明のゲル状イオン伝導性組成物(4)に係わる電解質としては、金属陽イオン、アンモニウムイオン、アミジニウムイオン、及びグアニジウムイオンから選ばれる陽イオンと、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸イオン、次亜塩素酸イオン、チオシアン酸イオン、テトラフルオロホウ素酸イオン、テトラフェニルホウ素酸イオン、硝酸イオン、有機酸イオン、過マンガン酸イオン、リン酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、チオ硫酸イオン、AsF6 −、PF6 −、ステアリルスルホン酸イオン、オクチルスルホン酸イオン、ドデシルベンゼンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオン、ドデシルナフタレンスルホン酸イオン、7, 7, 8, 8−テトラシアノ−p−キノジメタンイオン、X1SO3 −、[(X1SO2) (X2SO2)N]− 、[(X1SO2) (X2SO2) (X3SO2)C]−及び[(X1SO2) (X2SO2)YC]−から選ばれる陰イオンとからなる化合物が挙げられる。ここで、X1、X2、X3及びYは電子吸引性基である。好ましくは、X1、X2、およびX3 は各々独立して炭素数が1〜6のパーフルオロアルキル基又はパーフルオロアリール基であり、Yはニトロ基、ニトロソ基、カルボニル基、カルボキシル基、又はシアノ基である。X1、X2、およびX3は各々同一であっても、異なっていても良い。
【0032】
本発明のゲル状イオン伝導性組成物(4)に係わる溶媒としては、塩化チオニル、塩化スルフリル、液体アンモニア等の無機溶媒、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオフェン、硫化ジエチル等の硫黄化合物、アセトニトリル、ジエチルアミン、アニリン等の窒素化合物、無水酢酸、無水酪酸等の酸無水物、アセタール、シクロヘキサノン等のケトン、エステル、フェノール、アルコール、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート等のカーボネート、γ−ブチロラクトン等のラクトン類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、1,3−ジオキソラン等のエーテル系化合物を使用することができる。これらの溶媒は、単独で使用しても、あるいは2種以上を混合して使用しても良い。
【0033】
本発明の電気化学素子(5)としては、例えばリチウム一次電池、リチウム二次電池、湿式太陽電池、キャパシタ、エレクトロクロミック素子等の化学発光表示素子、液晶表示素子等を挙げることができる。
【0034】
【実施例】
以下、本発明を実施例により説明する。
【0035】
実施例1
1,2−ビス(4−メタクリロイル−1−ピペラジニル)エタンの合成
1−アセチルピペラジン81.4gをエタノール800ml/水320ml混合溶媒に溶解し、炭酸カリウム86gを加えて撹拌した。続いて1,2−ジブロモエタン62gをエタノール200mlに溶解して添加し、20時間加熱還流した。生じた反応液をエバポレートして溶媒を留去し、残留物を熱アセトニトリル300mlで3回抽出し、不溶物を濾別後、アセトニトリルを減圧留去した。再度、残留物を熱アセトニトリル350mlで抽出し、不溶物を濾別後、アセトニトリルを減圧留去した。次いで、残留物を酢酸エチル220mlより再結晶し、析晶物を濾取し、酢酸エチル50mlで洗って乾燥して、第1中間体の1,2−ビス(4−アセチル−1−ピペラジニル)エタン55.2gを得た(収率62%)。
【0036】
次に、1,2−ビス(4−アセチル−1−ピペラジニル)エタン54gをエタノール500mlに溶解し、40%水酸化ナトリウム水溶液40.2gと水50mlを添加し、22時間加熱還流した。生じた反応液をエバポレートして溶媒を留去した。残留物を水130mlより再結晶し、析晶物を濾取し、水60ml及びエタノール40mlで洗って乾燥して、第2中間体の1,2−ビス(1−ピペラジニル)エタン31.6gを得た(収率83%)。
【0037】
さらに、1,2−ビス(1−ピペラジニル)エタン24gをアセトニトリル600mlに溶解し、炭酸カリウム33.5gを加えて撹拌した。続いてメタクリル酸クロリド25.3gをアセトニトリル100mlに溶解して徐々に添加し、室温にて22時間撹拌した。生じた反応液をエバポレートして溶媒を留去し、残留物に水350mlを加えた後、クロロホルム500mlで抽出し、さらに水層をクロロホルム100mlで3回抽出した。クロロホルム抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、次いでクロロホルムを減圧留去して目的化合物の粗生成物を油状物として得た。これをアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶剤;クロロホルム)で処理して純粋な目的化合物1,2−ビス(4−メタクリロイル−1−ピペラジニル)エタン11.2gを得た(収率28%)。
【0038】
融点 118.5〜119.8℃
1H−NMR(測定溶媒;CDCl3)データ
5.18ppm(t、2H、J=1.4Hz)
5.02ppm(t、2H、J=0.8Hz)
3.59ppm(s(broad)、8H)
2.54ppm(s、4H)
2.46ppm(t、8H、J=4.5Hz)
1.95ppm(t、6H、J=1.3Hz)
【0039】
架橋重合体
以下の処方で混合液を調製し、80℃で8時間加熱して架橋重合体を得た。
【0040】
【0041】
実施例2
非水系イオン伝導性組成物の調製
下記構成で非水系電解液iを調製した。
六フッ化リン酸リチウム 12.7重量部
エチレンカーボネート 31.9重量部
ジエチルカーボネート 55.3重量部
【0042】
以下の処方で混合液Iを調製し、80℃で7時間加熱して非水系ゲル組成物1を得た。
【0043】
【0044】
この非水系ゲル組成物1を密閉容器に入れ、80℃で14日間加熱したが、ゲルの崩壊は確認されなかった。また、この非水系ゲル組成物1のイオン伝導度は、5.3×10−3S/cm(室温)であった。
【0045】
リチウム二次電池
市販のリチウム二次電池(公称容量500mAh)より正極層、負極層、セパレータを取り出した。次いで、金属アルミニウム、正極層、セパレータ、負極層、金属銅を積層して、電池用セル缶に組み込んだ後、混合液Iを注入した。セル缶を封じた後、80℃で7時間加熱して、リチウム二次電池を得た。得られたリチウム二次電池に対して、100mAで充放電を行ったところ、容量は450mAhであった。また、このリチウム二次電池を80℃で2週間保存した後の容量は429mAhであった。
【0046】
実施例3
非水系イオン伝導性組成物の調製
以下の処方で混合液IIを調製し、80℃で7時間加熱して非水系ゲル組成物2を得た。
【0047】
【0048】
この非水系ゲル組成物2を密閉容器に入れ、80℃で14日間加熱したが、ゲルの崩壊は確認されなかった。また、この非水系ゲル組成物2のイオン伝導度は、5.1×10−3S/cm(室温)であった。
【0049】
リチウム二次電池
市販のリチウム二次電池(公称容量500mAh)より正極層、負極層、セパレータを取り出した。次いで、金属アルミニウム、正極層、セパレータ、負極層、金属銅を積層して、電池用セル缶に組み込んだ後、混合液IIを注入した。セル缶を封じた後、80℃で7時間加熱して、リチウム二次電池を得た。得られたリチウム二次電池に対して、100mAで充放電を行ったところ、容量は443mAhであった。また、このリチウム二次電池を80℃で2週間保存した後の容量は417mAhであった。
【0050】
実施例4
以下の処方で混合液IIIを調製し、80℃で7時間加熱して非水系ゲル組成物3を得た。
【0051】
【0052】
この非水系ゲル組成物3を密閉容器に入れ、80℃で14日間加熱したが、ゲルの崩壊は確認されなかった。また、この非水系ゲル組成物3のイオン伝導度は、5.5×10−3S/cm(室温)であった。
【0053】
リチウム二次電池
市販のリチウム二次電池(公称容量500mAh)より正極層、負極層、セパレータを取り出した。次いで、金属アルミニウム、正極層、セパレータ、負極層、金属銅を積層して、電池用セル缶に組み込んだ後、混合液IIIを注入した。セル缶を封じた後、80℃で7時間加熱して、リチウム二次電池を得た。得られたリチウム二次電池に対して、100mAで充放電を行ったところ、容量は465mAhであった。また、このリチウム二次電池を80℃で2週間保存した後の容量は438mAhであった。
【0054】
比較例1
メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(130MA:共栄社化学製)7.5重量部、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMP:共栄社化学製) 2.5重量部、アゾビスイソブチロニトリル 0.2重量部を、非水電解液iに90重量部に溶解し、反応液aを得た。窒素雰囲気下、80℃に6時間保持して、透明なイオン伝導性ゲル状組成物を得た。このイオン伝導性ゲル状組成物を密閉容器に入れ、80℃に加熱したが、1日でゲルが崩壊した。
【0055】
市販のリチウム二次電池(公称容量500mAh)より正極層、負極層、セパレータを取り出した。次いで、金属アルミニウム、正極層、セパレータ、負極層、金属銅を積層して、電池用セル缶に組み込んだ後、反応液aを注入した。セル缶を封じた後、80℃で7時間加熱して、リチウム二次電池を得た。得られたリチウム二次電池に対して、100mAで充放電を行ったところ、容量は430mAhであった。また、このリチウム二次電池を80℃で2週間保存した後の容量は220mAhであった。
【0056】
実施例5
非水系イオン伝導性組成物の調製
下記構成で非水系電解液iiを調製した。
(C2H5)4NBF4 18.1重量部
プロピレンカーボネート 81.9重量部
【0057】
以下の処方で混合液IVを調製し、80℃で7時間加熱して非水系ゲル組成物4を得た。
【0058】
【0059】
この非水系ゲル組成物4を密閉容器に入れ、80℃で14日間加熱したが、ゲルの崩壊は確認されなかった。また、この非水系ゲル組成物2のイオン伝導度は、5.1×10−3S/cm(室温)であった。
【0060】
電気二重層キャパシタ
非表面積が2000m2/g、平均粒径が8μmの高活性活性炭80g、アセチレンブラック10g、及び12%濃度のPVDF(N−メチルピロリドン溶液)100g、N−メチルピロリドン150gを混合して活性炭含有液を作製した。この液をアルミニウム箔上に塗布して、キャパシタ用電極を作製した。この電極とセルロースセパレータを積層し、角形セルに組み込んだ後、混合液IVを注入し、80℃で7時間加熱して、積層型電気二重層キャパシタを製造した。電気二重層キャパシタの静電容量は、18Fであった。この電気二重層キャパシタに3mmφの金属棒を突き刺したが、液漏れは無かった。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したごとく、本発明の架橋重合体は、水や酸を捕捉するピペラジン誘導体を含有してなるので耐久性を有する。よって、本発明の架橋重合体を含有してなるイオン伝導性組成物は高い耐熱性を有し、本発明の電気化学素子は長期間安定に作動するという秀逸な効果を得ることができる。
Claims (5)
- 式(A)
R2は、互いに独立して、置換もしくは無置換の炭素数1〜18のアルキレン基、置換もしくは無置換の炭素数6〜20の飽和もしくは不飽和シクロアルキレン基、置換もしくは無置換の炭素数6〜20のアリーレン基、置換もしくは無置換の炭素数7〜21のアリールアルキレン基、置換もしくは無置換の炭素数7〜21のアリーレンアルキレン基、置換もしくは無置換の炭素数8〜22のアリーレンビス(アルキレン)基、ジアルキル(ポリ)シリレン基、ジアリール(ポリ)シリレン基、ヘテロ原子数1〜6で炭素数1〜30のヘテロ原子含有有機基、ポリアクリレートもしくはポリメタクリレートから誘導される2価基、または直接結合を示し、そして
nは、0〜100の整数である。]
で表されるピペラジン誘導体と、脂肪族不飽和結合含有単量体とを共重合させてなる架橋重合体。 - 式(A)により表されるピペラジン誘導体の含有量が1〜100質量%であることを特徴とする請求項1記載の架橋重合体。
- 請求項1または請求項2記載の架橋重合体と電解質とを含んでなるイオン伝導性組成物。
- 請求項1または請求項2記載の架橋重合体、電解質および溶媒を含んでなるゲル状イオン伝導性組成物。
- 請求項3または4記載のイオン伝導性組成物を含有してなる電気化学素子。
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-
2002
- 2002-07-31 JP JP2002223623A patent/JP2004059865A/ja active Pending
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