JP4500523B2 - オニウム塩 - Google Patents

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Description

本発明は、一次もしくは二次のリチウム電池、色素増感型太陽電池、電気二重層キャパシタ、表示素子等の電気化学デバイスあるいは電析浴、更には化学合成の媒体として利用可能なオニウム塩に関する。
近年多く用いられるようになったリチウム一次電池、リチウム二次電池、電解コンデンサ、電気二重層キャパシタ、エレクトロクロミック表示素子、あるいは将来的な実用化に向けて種々に検討がなされている色素増感型太陽電池などの電気化学デバイスにおける非水系の電解液としては、電解質をエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、あるいはアセトニトリル等の有機溶媒に溶解させた溶液が用いられてきた。しかし、これらの電解質溶液に用いられる有機溶媒は揮発しやすく、それ自体が危険物であることから、長期の信頼性、耐久性、および安全性に問題がある。
そこで電解質として有機溶媒を用いず、常温で液状であるオニウム塩を電解質として応用することが提案され、種々検討されている。例えば1−メチル−3−エチルイミダゾリウムカチオンと、ビストリフルオロメタンスルホン酸アミドアニオンからなるオニウム塩は、周囲温度で液状であり、高いイオン伝導率を示すことが示されている(例えば、特許文献1)。
特に、近年注目を集めている色素増感太陽電池は、製造コストがシリコン型太陽電池の1/5以下で製造できると試算されている。色素増感型太陽電池における光電変換効率には、電解液中の三ヨウ化物イオンとヨウ化物イオンの伝導度が大きな影響があり、高い光電変換効率を得るためには高いイオン伝導度を必要とする。このような高いイオン伝導度を得るためには、電解液の粘度を可能な限り低いものとすることが重要である。色素増感型太陽電池の電解質として用いられてきたヨウ化物は固体であるか、極めて粘度の高い液体であるため、従来は、粘度の低い溶媒と混合して低粘度の電解液を調製する手法が採用されていた。
このような目的で用いるヨウ化物としては、1−メチル−3−アルキルイミダゾリウムヨウ化物が知られている(例えば、非特許文献1)。
特開平8−259543号公報 松本 一、松田俊彦、蔭山博之、「ヨウ化物常温溶融塩の物性と色素増感太陽電池特性の相関」、ポリマープレプリンツ ジャパン、社団法人 高分子学会、2001年、第50巻、第13号、p.3464−3465
太陽電池は通常太陽光の照射される場所に設置されるが、この太陽光照射によって加熱され、例えば屋根に設置した場合、その温度が100℃以上に上がることがある。そして、上記のような低粘度の溶媒は、通常揮発性も高いため、高温下での使用では経時的に揮発してしまう。そのため、イオン伝導性が高い粘度の低い溶媒を用いると沸点が低くなり寿命が短くなってしまう。他方、沸点の高い溶媒を用いると粘度が高くなり、光電変換効率が低くなってしまい、従来公知の電解液(電荷移動層)を用いた場合には、光電変換効率と高温時の耐久性とを両立させることが困難であるという問題があった。
この点を解決するため、揮発を防止する目的で、電解液を擬凝固体としたり、より気密性の高い封止技術について検討されているが、これら方法によっても、いまだ充分な耐久性は得られていないのが現状である。
従って、高い光電変換効率を得つつ、その耐久性を高くするために、低粘度の溶媒を用いなくても高いイオン伝導性を発現する電解液の調整が可能な、低粘度のヨウ化物を見出すことが大きな課題の一つであった。
本発明者らは上記課題を解決すべく、オニウム塩を構成するカチオンの構造について、その特性との相関性に関して鋭意検討を行なった。その結果、ヘテロ芳香環を構成する炭素原子に結合する水素がすべてフッ素に置換されており、且つ1位と3位に異なるアルキル基が結合したフッ化イミダゾリウムカチオンのヨウ化物塩が、15℃以上で液体であり、さらに、その粘度はフッ化物でない対応するイミダゾリウムカチオンヨウ化物塩の粘度より低下するという新たな知見を得、さらに検討を進めた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記一般式
Figure 0004500523
(式中、RとRは互いに異なる、炭素1から6の、ハロゲン原子により置換された若しくは非置換の一価のアルキル基である)
で示されるオニウム塩である。
上記本発明のオニウム塩は新規の化合物であり、常温において低粘度の液状のイオン性化合物として、非水電解液用の電解質や化学合成における溶媒として使用できる。一般にヨウ化物塩は固体であるか、液体であっても粘度が高くイオン伝導度が低いが、本発明のオニウム塩におけるカチオンは、イミダゾリウム環を構成する炭素原子に結合する水素原子をフッ素原子に置換し、かつ、窒素原子(1位と3位)に互いに異なるアルキル基を結合させたものであり、ヨウ化物であっても粘度が低く高イオン伝導度を発現する。この理由は明らかではないが、フッ素原子により置換することによって、正電荷が分散され、ヨウ化物イオン(アニオン)とイミダゾリウムカチオン間の相互作用が弱くなると同時に、異なるアルキル基を結合させることにより非対称性も大きくなっているためであると推測される。
本発明のオニウム塩は、下記一般式
Figure 0004500523
(式中、RとRは互いに異なる、炭素1から6の、ハロゲン原子により置換された若しくは非置換の一価のアルキル基である)
で示される化合物である。
このようなフッ化イミダゾリウムカチオンはこれまで合成されていないばかりでなく、他のヨウ化物塩よりもその粘度が著しく低いものとなる。
上記オニウム塩において、R及びRは互いに異なる炭素数1から6のアルキル基であり、該アルキル基はハロゲン原子よりなる置換基を有していても良い。これら とR とが異なるアルキル基であることにより、双方が同一である場合に比して、融点(凝固点)が大幅に低いものとなり、色素増感型太陽電池等の電解液として好適に使用できる。
当該アルキル基としては、炭素数1〜6のものであれば特に制限されるものではなく、直鎖状、分枝状又は環状のいずれでもよい。
このようなアルキル基を具体的に例示すると、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基等が例示される。また、これらアルキル基が置換基を有する場合、その置換基は、粘度を低くし、また、各種電気化学的デバイスにおける電解液として用いた場合に、望ましくない電気化学的反応を起こし難い点で、ハロゲン原子であり、フッ素原子であることがより好ましい。このような置換基を有するアルキル基を具体的に例示すると、2,2,2−トリフルオロエチル基、3,3,3,−トリフロロプロピル基等が挙げられる。

これらのなかでも、炭素数が少ないほどオニウム塩の粘度が低くなる傾向が強いため、炭素数1〜4の無置換のアルキル基又はフッ素原子により置換されたアルキル基が特に好ましい。
上記本発明のオニウム塩において、RとRとは異なるものであればよく、その組み合わせは特に限定されないが、有機溶媒を使用せずとも自体を非水電解質として使用できる温度範囲が広いという理由から、メチル基とプロピル基、メチル基とブチル基、エチル基とプロピル基、又はエチル基とブチル基の組み合わせが好ましく、メチル基とプロピル基の組み合わせが最も好ましい。
本発明のオニウム塩の製造方法は特に限定されるものではないが、以下のような方法で好適に製造できる。即ち、1−アルキル−2,4,5−トリフロロイミダゾールと、ヨウ化アルキルとを反応させる方法である。なおここで、該イミダゾールにおけるアルキル基と、ヨウ化アルキルにおけるアルキル基は、異なるアルキル基である必要がある。用いる1−アルキル−2,4,5−トリフロロイミダゾールとヨウ化アルキルの比は特に制限は無いが、反応の効率の点から1−アルキル−2,4,5−トリフロロイミダゾール:ヨウ化アルキルのモル比は0.5〜2:1であるのが望ましい。
反応条件は、特に制限されるものではなく、加熱下、冷却下、加圧下、減圧下、常圧下で行うことができるが、収率を高くするために加熱下で行うのが好ましい。反応温度は特に制限は無いが、常温では反応しにくいことから50℃より高温で、好適には70℃、さらに好適には85℃以上で行う。他方、高温すぎると原料の分解や揮発が生じる可能性があるため、200℃以下、好ましくは150℃以下で行うとよい。
反応において、溶媒は用いても用いなくても良いが、製造原料が溶解し、生成するオニウム塩が溶解しない適当な溶媒を選択することにより反応終了後に分離が容易となる。このような溶媒は通常、非極性の溶媒であり、具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素溶媒が挙げられる。
このような溶媒を用いた場合には、生成した目的物と、有機溶媒とが相分離するため、反応終了後に有機溶媒層を分離・除去し、さらに、残存する溶媒を真空下や加熱などで除去することにより、目的物であるオニウム塩が単離できる。
得られたオニウム塩の同定は、通常NMRと質量分析により可能である。即ち、1H−NMRにより、窒素原子に結合するR及びRの有する水素原子のスペクトルを見出すことができる。また、質量分析により判明する質量数からフッ素化イミダゾリウム環であることを見出すことができる。
この様にして得られた本発明のオニウム塩は、低融点で高イオン伝導性を示すため、単独で1次及び2次Li電池、色素増感型(湿式)太陽電池、キャパシタ、エレクトロクロミック表示素子等の電気化学的デバイス、あるいはメッキ用の電解液として、あるいは、他の溶媒を加えてこれら電解液における電解質として好適に使用できるし、また合成反応等における溶媒としても使用できる。本発明のオニウム塩は、粘性が低いため、従来公知の他の電解質に比べて、低温でのイオン伝導性に優れ、上記のような用途に用いた場合、低温特性の良好な電気化学デバイスを構築することもできる。
このような電気化学デバイスに用いる場合、本発明のオニウム塩を単独で電解液として用いても良いし、また、必要に応じ、例えば、より電解液の粘度を低下させるために、電気化学デバイスの電解液における溶媒として公知の溶媒と混合して用いても良い(この場合、本発明のオニウム塩は、電解液中の電解質として作用する)。このような溶媒としては、エチレンカーボネートやプロピレンカーボネートのカーボネート類、アセトニトリルやメトキシアセトニトリルやプロピオニトリル、メトキシプロピオニトリルなどのニトリル類、及びこれらの混合物等を挙げることができる。これら溶媒を用いる場合には、本発明のオニウム塩が不揮発性であるという特徴をより生かすために、常圧での沸点が100℃以上のものを用いることが好ましい。
さらに、このような溶媒と混合して用いる場合には、アクリロイル基やメタクリロイル基のような重合性基を持つ化合物、例えばアクリロニトリルやメタクリロニトリル等を加えてゲル化したマトリックスとし、該マトリックスに本発明のオニウム塩及び上記溶媒を保持させた形で使用することもできる。
また、これら電気化学デバイスに用いる場合には、必要に応じて他の公知の電解質を加えても良い。例えば、色素増感型太陽電池の場合には、リチウムヨウ化物、ナトリウムヨウ化物、カリウムヨウ化物などの金属ヨウ化物、アルキルアンモニウムヨウ化物、四級ピリジニウムヨウ化物、又は四級イミダゾリウムヨウ化物などの従来の色素増感型太陽電池で使用されている電解質をさらに加えることができる。また、tert−ブチルピリジン、N−メチルベンズイミダゾール等の添加剤を加えて使用する事もできる。
このような他の成分を配合して電気化学的デバイスに用いる場合、本発明のオニウム塩の濃度は特に限定されるものではなく、必要に応じて適宜設定すれば良い。好適には、例えば、色素増感型太陽電池の電荷移動層(電解液)として使用する場合には、少量では短絡電流量が小さくなり光電流変換効率の低下を招く可能性があるため、1モル/l以上とするのが好適である。
またいずれの場合においても、本発明のオニウム塩は、一種のみを用いても、複数の種類のものを混合して用いても良い。
以下、実施例を挙げて本発明に用いた化合物の合成方法を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.NMR測定
試料10〜20mgを約1mlのジメチルスルフォキシド−d6(標準物質として1,4−ビストリフルオロメチルベンゼン含有)に溶解し日本電子製核磁気共鳴装置JNM−LA500によりH核を測定した。
2.光電変換効率の測定方法
各オニウム塩を用いて以下の方法により、色素増感型太陽電池を作製し、該色素増感型太陽電池を用いて、光電変換効率の測定を行った。なお、光化学電池の作製は、“色素増感太陽電池の最新技術”(シーエムシー社、2001)の44〜53項に記載された方法、及びインターネット上の東北大学多元物質科学研究所のホームページに掲載された方法(kuroppe.icrs.tohoku.ac.jp/~masaki/wet_cell/main-j.htm)等に基づき下記(1)〜(3)の手順で作製し、得られた光化学電池の光電変換効率を下記(4)に示すようにして測定した。
(1) 半導体電極の作製
和光純薬工業株式会社から購入したチタンイソプロポキサイド125mlを0.1Mの硝酸水溶液750mlに攪拌しながらゆっくり滴下した。80度8時間攪拌後室温まで放冷後、オートクレーブを用いて225℃で12時間水熱処理を行い酸化チタンの含有量が11重量%になるよう調整した。得られたコロイド溶液1重量部に和光純薬株式会社製Triton−Xを0.02〜0.05重量部加え均一な分散液とした。フッ素をドープした酸化スズ透明電極付ガラス基板にこの分散液をブレード法で塗布し100℃で1時間乾燥した後、450℃で1時間焼成した。その後0.1Mの四塩化チタン水溶液を一滴滴下し一晩放置した。その後水洗し、再び100℃で1時間乾燥した後、450℃で1時間焼成し作製した。
(2) 色素の固定
色素の固定はルテニウム増感色素(シス−ジシアネート−ビス−2、2‘−ジピリジル−4、4’−ジカルボキシレート)ルテニウム(II)0.3mmol含むエタノール溶液に上記チタニア板を一晩浸漬し固定した。
(3) セルの組み立て
前記(1)で作製したチタニア基板を光電変換素子とし、対向電極として白金をスパッタしたガラス基板を用いた。スペーサーをはさんで電極をはさみ、注入口2箇所を残しエポキシ系接着剤で周りを封止後、電解液を注入し、注入後注入口をエポキシ系接着剤で封止した。この後電極にリード線を取り付けて電池とした。
(4)光電変換効率の測定
500Wのキセノンランプの光をAM1.5フィルターとUVカットフィルターを通した擬似太陽光を作製した太陽電池に照射し発電性能の測定を行った。また、寿命試験として80℃で240時間の照射前後の光電変換効率を測定した。また、劣化の度合いを表す数値として
変換効率低下度 =240時間後変換効率/初期変換効率 X 100
を求め、どの程度低下したかの指標とした。
実施例1
1−メチル−3−プロピル−2,4,5−トリフロロイミダゾリウム・ヨウ化物の合成
Angewandte Chemie、93(6−7)、601−2、1981に従い、1−メチル−2,4,5−トリクロロイミダゾール10.2gを合成した。これを100mlのアセトニトリルに溶解し、21.0gのフッ化銀を加え24時間放置した。放置後ろ過を行い、得られた液体を100℃まで加熱しアセトニトリルを留去した。残留物として得られたオイル上の液体5.0gを温度計、滴下漏斗、及び窒素風船を装着した50mL三口フラスコに入れた後、ヨウ化プロピル9.5g(0.055mol)を添加し、90℃で8時間反応させた。その後、この溶液を一晩80℃で減圧下濃縮し、赤茶色の液体1.4gを得た。H−NMRには、メチル基、プロピル基に由来する1.04(t)、2.25(m)、4.63(t)、4.77(s)ppmが確認された。さらにMS−ESI測定(溶媒:メタノール:水=1:1)においては、1−メチル−3−プロピル−2,4,5−トリフロロイミダゾリウムカチオンと考えられる分子量179.2のカチオンが観察された。以上の測定により目的のヨウ化物塩が合成されたことを確認した。
実施例2
1−メチル−3−ブチル−2,4,5−トリフロロイミダゾリウム・ヨウ化物の合成
ヨウ化プロピル9.5gに代えて、ヨウ化ブチルを用いた以外は、実施例1と同様の操作を行って赤茶色の液体1.1gを得た。H−NMRには、メチル基、プロピル基に由来する1.04(t)、2.25(m)、4.63(t)、4.77(s)ppmが確認された。さらにMS−ESI測定(溶媒:メタノール:水=1:1)においては、1−メチル−3−ブチル−2,4,5−トリフロロイミダゾリウムカチオンと考えられる分子量193のカチオンが観察された。以上の測定により目的のヨウ化物塩が合成されたことを確認した。
実施例3
実施例1で合成した1−メチル−3−プロピル−2,4,5−トリフロロイミダゾリウム・ヨウ化物に、ヨウ素0.05M、N−メチルベンズイミダゾール0.5Mとなるように添加して電解液を調整し、この電解液を用いて色素増感型太陽電池を製造した。初期、及び240時間後の光電変換効率を測定した。結果を表1に示す。
実施例4
1−メチル−3−プロピル−2,4,5−トリフロロイミダゾリウム・ヨウ化物に代えて、実施例2で合成した1−メチル−3−ブチル−2,4,5−トリフロロイミダゾリウム・ヨウ化物を用いた以外は、実施例1と同様にして初期、及び240時間後の光電変換効率を測定した。結果を表1に示す。
比較例1
1−メチル−3−プロピル−2,4,5−トリフロロイミダゾリウム・ヨウ化物に代えて、イミダゾリウム環がフッ素原子により置換されていない化合物である1−メチル−3−プロピルイミダゾリウム・ヨウ化物を用いた以外は、実施例1と同様にして初期、及び240時間後の光電変換効率を測定した。結果を表1に示す。
比較例2
1−メチル−3−プロピル−2,4,5−トリフロロイミダゾリウム・ヨウ化物に代えて、イミダゾリウム環に置換しているフッ素原子が1つだけの化合物である1−メチル−3−プロピル−2−フロロイミダゾリウム・ヨウ化物を用いた以外は、実施例1と同様にして初期、及び240時間後の光電変換効率を測定した。結果を表1に示す。
比較例3
プロピオニトリルにヨウ化リチウム0.3M、1、2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムヨウ化物0.5M、ヨウ素0.05M、N−メチルベンズイミダゾール0.5Mとなるように添加して電解液を調整した。この電解液を用いて色素増感型太陽電池を製造した。初期、及び240時間後の光電変換効率を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0004500523
表1に示したように、本発明のトリフッ素化されたイミダゾリウム塩を用いた色素増感型太陽電池の光電変換効率は、従来型の非フッ素化イミダゾリウム塩を用いた比較例1、又はイミダゾリウム環上で1つだけフッ素化されたイミダゾリウム塩を用いた比較例2に比べて2割以上高い光電変換効率を示している。また、低粘度の揮発性溶媒を用いた比較例3は、初期の光電変換効率は良好であるが、耐久性に劣るものであった。

Claims (3)

  1. 下記一般式
    Figure 0004500523
    (式中、RとRは互いに異なる、炭素1から6の、ハロゲン原子により置換された若しくは非置換の一価のアルキル基である)
    で示されるオニウム塩。
  2. 請求項1に記載のオニウム塩を含む非水電解液。
  3. 請求項2記載の電解液を用いることを特徴とする電気化学的デバイス。
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