JP5350851B2 - 光電変換素子用組成物及びそれを用いた光電変換素子 - Google Patents

光電変換素子用組成物及びそれを用いた光電変換素子 Download PDF

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Description

本発明は、光電変換素子用組成物に関する。また本発明は、該光電変換素子用組成物を用いた光電変換素子に関する。
単結晶シリコン、多結晶シリコン及びアモルファスシリコンを用いたシリコン系太陽電池は、20%に及ぶ優れた光電変換効率を有しており、太陽光発電システムの主力技術として実用化されている。しかしながら、このシリコン系太陽電池は素材製造にかかるエネルギーコストが高く、価格及び材料供給等の観点から制限を受けている。一方、Gratzel等により提案された色素増感型太陽電池が近年注目を集めている。これは、増感色素を担持させた酸化チタン多孔質電極と対極との間に電解液を介在させた構造を有し、材料及び製法等の点から大幅なコストダウンが可能なものである。
この色素増感型太陽電池では、ニトリル系やカーボネート系などの有機溶剤又はイオン液体(常温溶融塩)に、ハロゲンレドックス対を構成するハロゲン及び電解質を溶解させた電解液が通常使用される。電解質として用いられるものは、主としてイミダゾリウムハライド、ピリジニウムハライド、四級アンモニウムハライド、ピロリジニウムハライド、ピペリジニウムハライドのような、窒素系カチオンを有する四級ハライド塩である。しかしながら、これらの四級ハライド塩の窒素系カチオンはその分子構造に活性部位を有するために、色素増感型太陽電池の電解質として用いた場合には電解液の分解を生じさせる可能性がある。
一方、リン系の四級ホスホニウムカチオンを主体とする四級ホスホニウムハライドも知られている。四級ホスホニウムハライドは化学的及び熱的に安定であることが知られており、更にリンを含有することによる難燃性(自己消火性)を有することも知られている。四級ホスホニウムハライドの色素増感型太陽電池の電解液への応用に関しては、例えば特許文献1〜3に、窒素原子又はリン原子に結合したアルキル基又はアルケニル基からなる四級アンモニウム塩及びホスホニウム塩を含んでなる電解質組成物が記載されている。しかしながら、同文献に記載された四級ホスホニウムハライドを含有する電解質を用いた色素増感型太陽電池は、光電変換効率や電解液の安定性の点で更なる改良が必要なものである。
特開2000−299139号公報 特開2001−35253号公報 特開2003−092153号公報
本発明は、前述した従来技術が有する種々の欠点を解消し得る光電変換素子用電解質組成物及びそれを用いた光電変換素子を提供するものである。
本発明は、下記一般式(1)で表される四級ホスホニウム塩及び下記式(2)で表されるイミダゾリウム塩を含有し、両者の合計量に対して前記四級ホスホニウム塩が20〜80mol%、前記イミダゾリウム塩が20〜80mol%含まれることを特徴とする光電変換素子用電解質組成物を提供するものである。
Figure 0005350851
本発明の光電変換素子用電解質組成物は、高い光電変換効率を与えるものである。また該組成物は、良好な溶解性を有し、かつ耐熱性や難燃性に富むものである。
図1は、本発明の電解質組成物を用いた光電変換素子の一実施形態の構造を示す模式図である。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明する。本発明の光電変換素子用電解質組成物(以下、単に「電解質組成物」ともいう。)は、前記の四級ホスホニウム塩及びイミダゾリウム塩を含むことを特徴とする。本発明の電解質組成物においては、この四級ホスホニウム塩及びイミダゾリウム塩が所定の割合で併用されていることによって、高い光電変換効率が達成される。以下、これらの化合物についてそれぞれ説明する。
一般式(1)で表される四級ホスホニウム塩において、4つのアルキル基は炭素数が1〜6であることを条件として、同一のものでよく、あるいは異なるものでもよい。場合によっては、4つのアルキル基のうち、R1とR2とが結合して環を形成していてもよい。このような比較的短鎖のアルキル基がリン原子に直接結合した構造の四級ホスホニウム塩を、一般式(2)で表されるイミダゾリニウム塩とともに光電変換素子用の電解質組成物として用いることで、光電変換効率が従来よりも非常に高くなることが本発明者らの検討の結果判明した。また、一般式(1)で表される四級ホスホニウム塩を用いることで、これを含む電解質組成物は化学的安定性及び耐熱性が向上することも判明した。この理由は、一般式(1)で表されるホスホニウムカチオンは、イミダゾリウムカチオンのような活性水素部位を持たないからであると本発明者らは考えている。更に、一般式(1)で表される四級ホスホニウム塩は、対応する窒素系カチオン塩に比較して溶媒への溶解性が高く、アニオンの濃度を高めることが容易であるという観点からも有利である。
特に、4つのアルキル基のうち、R1〜R3までの3つのアルキル基が同一のアルキル基であり、R4がR1〜R3と異なるアルキル基であることが、光電変換効率の一層の向上の点から好ましい。この場合、R4の炭素数がR1〜R3の炭素数よりも少ない場合の方が、R4の炭素数がR1〜R3の炭素数よりも多い場合よりも、光電変換効率が一層高くなることが判明した。前者の場合、R4の炭素数とR1〜R3の炭素数との差は、1〜5であることが好ましく、特に2〜4であることが好ましい。R4の炭素数がR1〜R3の炭素数よりも少ない場合の方が、光電変換効率が向上する理由は現時点では完全に解明されていない。本発明者らはこの理由を、一般式(1)で表される四級ホスホニウムカチオンの存在によってレッドクス対の酸化還元効率が高まり、電解質組成物中での電荷移動の効率が高まるからではないかと考えている。
一般式(1)中のR1〜R4の具体的なアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、i−プロピル基、i−ブチル基、n−ペンチル基、i−へキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。R1とR2とが環を形成している場合に、そのような環としては、例えばテトラヒドロホスホール環、ペンタヒドロホスホリン環、9−H−9−ホスファビシクロノナン環等が挙げられる。これらのアルキル基は、一価の置換基によって置換されていてもよい。そのような置換基の例としては、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルコキシカルボニル基、スルホキシ基、アルキルスルホニル基、ヒドロキシ基、ヒドロキシスルホニル基、アリール基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、ガルバモイル基、スルホン酸基、スルファモイル基、シクロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、複素環基、アミノスルホニル基、ハロゲン原子、2−ブトキシエチル基、6−ブロモヘキシル基、2−カルボキシエチル基、3−スルホキシプロピル基、4−スルホキジブチル基、2−ヒドロキシエチル基、フェニルメチル基、4−ブトキシフェニルメチル基などが挙げられる。
1〜R3が同じアルキル基であり、かつR4の炭素数がR1〜R3の炭素数よりも少ない場合には、R1〜R3としては例えばエチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、i−プロピル基、i−ブチル基、n−ペンチル基、i−へキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。これらのアルキル基は一価の置換基で置換されていてもよい。そのような置換基の例としては、上述したものと同様のものが挙げられる。一方、R4としては、炭素数がR1〜R3よりも少ないことを条件として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、i−プロピル基、i−ブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基などが挙げられる。R4もR1〜R3と同様の置換基で置換されていてもよい。
1〜R4の特に好ましい組み合わせとしては、R1〜R3がエチル基で、R4がメチル基;R1〜R3がn−プロピル基で、R4がメチル基;R1〜R3がi−プロピル基で、R4がメチル基;R1〜R3がn−ブチル基で、R4がメチル基;R1〜R3がi−ブチル基で、R4がメチル基;R1〜R3がn−ペンチル基で、R4がメチル基;R1〜R3がシクロペンチル基で、R4がメチル基;R1〜R3がn−ヘキシル基で、R4がメチル基;R1〜R3がシクロヘキシル基で、R4がメチル基;の組み合わせが挙げられる。とりわけ好ましい組み合わせは、R1〜R3がn−ブチル基で、R4がメチル基の組み合わせである。
一般式(1)において、X1 -で表される一価のアニオンとしては、例えばハロゲン化物イオン、テトラフルオロボレート(BF4)、ヘキサフルオロホスフェート(PF6)、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(N(SO2CF32)、ビス(フルオロスルホニル)イミド(N(SO2F)2)、テトラシアノボレート(B(CN)4)、トリフルオロメタンスルホネート(SO3CF3)、ペンタフルオロエタンスルホネート(SO3CF2CF3)、テトラフルオロエタンスルホネート(SO3CHFCF3)、メタンスルホネート(SO3CH3)、エタンスルホネート(SO325)、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート((C253PF3)、トリフルオロ酢酸(CF3COO)、アミノ酸、ビスオキサラトボレート(B(C242)、p-トルエンスルホネート(SO364CH3)、チオシアネート(SCN)、ジシアナミド(N(CN)2)、ジアルキルリン酸((RO)2POO)、ジアルキルジチオリン酸((RO)2PSS)、脂肪族カルボン酸(RCOO)などが挙げられる。これらのアニオンのうち、光電変換効率の一層の向上の点から、ハロゲン化物イオンを用いることが好ましい。特にヨウ化物イオンを用い、これを一般式(2)で表されるイミダゾリウム塩と併用すると、優れた光電変換効率を達成できるので好ましい。
一般式(1)で表される四級ホスホニウム塩の好ましい具体例としては、テトラメチルホスホニウムクロリド、テトラメチルホスホニウムブロミド、テトラメチルホスホニウムヨージド、テトラエチルホスホニウムクロリド、テトラエチルホスホニウムブロミド、テトラエチルホスホニウムヨージド、トリエチルメチルホスホニウムクロリド、トリエチルメチルホスホニウムブロミド、トリエチルメチルホスホニウムヨージド、テトラ−n−プロピルホスホニウムクロリド、テトラ−n−プロピルホスホニウムブロミド、テトラ−n−プロピルホスホニウムヨージド、トリ−n−プロピルメチルホスホニウムクロリド、トリ−n−プロピルメチルホスホニウムブロミド、トリ−n−プロピルメチルホスホニウムヨージド、トリ−n−プロピルエチルホスホニウムヨージド、テトラ−n−ブチルホスホニウムクロリド、テトラ−n−ブチルホスホニウムブロミド、テトラ−n−ブチルホスホニウムヨージド、トリ−n−ブチルメチルホスホニウムクロリド、トリ−n−ブチルメチルホスホニウムブロミド、トリ−n−ブチルメチルホスホニウムヨージド、トリ−n−ブチルエチルホスホニウムヨージド、トリ−i−ブチルメチルホスホニウムクロリド、トリ−i−ブチルメチルホスホニウムブロミド、トリ−i−ブチルメチルホスホニウムヨージド、テトラ−n−ペンチルホスホニウムクロリド、テトラ−n−ペンチルホスホニウムブロミド、テトラ−n−ペンチルホスホニウムヨージド、トリ−n−ペンチルメチルホスホニウムクロリド、トリ−n−ペンチルメチルホスホニウムブロミド、トリ−n−ペンチルメチルホスホニウムヨージド、トリ−n−ペンチルエチルホスホニウムヨージド、トリ−n−ペンチル−n−プロピルホスホニウムヨージド、トリシクロペンチルメチルホスホニウムヨージド、テトラ−n−ヘキシルホスホニウムクロリド、テトラ−n−ヘキシルホスホニウムブロミド、テトラ−n−ヘキシルホスホニウムヨージド、トリ−n−ヘキシルメチルホスホニウムクロリド、トリ−n−ヘキシルメチルホスホニウムブロミド、トリ−n−ヘキシルメチルホスホニウムヨージド、トリ−n−ヘキシルエチルホスホニウムヨージド、トリ−n−ヘキシル−n−プロピルホスホニウムヨージド、トリ−n−ヘキシル−n−ブチルホスホニウムヨージド、トリ−n−ヘキシル−i−ブチルホスホニウムヨージド、トリシクロヘキシルメチルホスホニウムヨージドなどが挙げられる。これらの化合物のうち、トリエチルメチルホスホニウムヨージド、トリ−n−プロピルメチルホスホニウムヨージド、トリ−i−プロピルメチルホスホニウムヨージド、トリ−n−ブチルメチルホスホニウムヨージド、トリ−i−ブチルメチルホスホニウムヨージド、トリ−n−ペンチルメチルホスホニウムヨージド、トリシクロペンチルメチルホスホニウムヨージド、トリ−n−ヘキシルメチルホスホニウムヨージド、トリシクロヘキシルメチルホスホニウムヨージド等が特に高い化学的安定性及び耐熱性を発現する観点から好ましい。更にこれらの中で、トリ−n−ブチルメチルホスホニウムヨージドが、特に優れた光電変換効率を発現するので好ましい。
一般式(1)で表される四級ホスホニウム塩としては、市販品を用いることができる。そのような市販品としては、本出願人が製造販売するヒシコーリンPX−4MIなどが挙げられる。また、一般式(1)で表される四級ホスホニウム塩は、以下の方法で合成することもできる。すなわち、該塩が例えばハライドである場合には、トリアルキルホスフィンと、対応するアルキルハライドとの求核反応によって合成することができる。例えば、トリアルキルホスフィンに対してハロゲン化アルキルを好ましくは0.5〜2倍モル、更に好ましくは0.9〜1.2倍モル添加し、塩素を含まない不活性溶媒中、例えばトルエン中で、好ましくは20〜150℃、更に好ましくは30〜100℃で、好ましくは3時間以上、更に好ましくは5〜12時間反応させる。トリアルキルホスフィンは容易に酸化されるので、反応雰囲気は酸素が存在しない雰囲気が好ましい。例えば窒素雰囲気又はアルゴン雰囲気が好ましい。酸素が存在する雰囲気中でトリアルキルホスフィンとハロゲン化アルキルを反応させると、トリアルキルホスフィンに酸素が結合したトリアルキルホスフィンオキシドが生成してしまい収率が低下することがある。トリアルキルホスフィンオキシドは適宜有機溶媒で洗浄することで除去できるが、四級ホスホニウムハライドの炭素数の総数が大きくなると四級ホスホニウムハライドも有機溶媒に溶解する傾向があるため除去が困難になる。したがって、トリアルキルホスフィンオキシドを生成させないようにするために、不活性雰囲気下で反応を行うことが好ましい。
得られた四級ホスホニウムハライドは、再結晶により精製することができる。再結晶は、不純物含有量が低下するまで適宜繰り返して行うことが好ましい。再結晶により除去すべき不純物としては、未反応原料及びトリアルキルホスフィンオキシド等が挙げられる。再結晶に用いることができる有機溶媒としては、例えば水、メタノール、アセトン、トルエン、ヘキサンなどを単独で又は組み合わせて用いることが好ましい。
再結晶により精製された四級ホスホニウムハライドは、水分や有機溶媒を除去するために乾燥されることが好ましい。乾燥法としては、不純物の混入を防止し、水分と有機溶媒を一度に除去できることから真空乾燥法が好ましい。真空乾燥法では、乾燥温度が好ましくは70〜120℃、更に好ましくは80〜100℃であり、真空度が好ましくは0.1〜1.0kPa、更に好ましくは0.1〜0.5kPaである。乾燥時間は好ましくは2〜8時間程度、更に好ましくは5〜12時間程度である。
次に、一般式(1)で表される四級ホスホニウム塩と併用される化合物である、一般式(2)で表されるイミダゾリウム塩について説明する。このイミダゾリニウム塩におけるR5〜R9は水素又は炭素数1〜8のアルキル基を表し、同一であっても異なっていてもよい。
5〜R9がアルキル基である場合、その具体的な例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、i−プロピル基、i−ブチル基、n−ペンチル基、i−へキシル基、n−ヘプチル基、i−ヘプチル基、n−オクチル基、i−オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。これらのアルキル基は、一価の置換基によって置換されていてもよい。そのような置換基の例としては、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルコキシカルボニル基、スルホキシ基、アルキルスルホニル基、ヒドロキシ基、ヒドロキシスルホニル基、アリール基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、ガルバモイル基、スルホン酸基、スルファモイル基、シクロアルキル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、複素環基、アミノスルホニル基、ハロゲン原子、2−ブトキシエチル基、6−ブロモヘキシル基、2−カルボキシエチル基、3−スルホキシプロピル基、4−スルホキジブチル基、2−ヒドロキシエチル基、フェニルメチル基、4−ブトキシフェニルメチル基などが挙げられる。
一般式(2)においては、R5〜R9のうち、R8及びR9が水素であることが、高光電変換効率の達成の点から好ましい。この場合、R5〜R7は水素又は炭素数1〜8のアルキル基であることが好ましい。特に、R5〜R7は(i)それらのうちの2個がアルキル基であり、残り1個が水素であるか、又は(ii)3個すべてがアルキル基であることが好ましい。(i)の場合、R5及びR7がアルキル基であり、R6が水素であることが好ましい。R5及びR7は同一であっても異なっていてもよいが、一方はメチル基であり、他方は炭素数1〜8のアルキル基であることが好ましい。(ii)の場合、R5及びR6は同一のアルキル基であり、R7はR5及びR6と異なるアルキル基であることが好ましい。この場合、R7はR5及びR6よりも炭素数の大きなアルキル基であることが好ましい。特にR5及びR6がメチル基であり、R7が炭素数2〜4のアルキル基であることが好ましい。
一般式(2)における一価のアニオンX2 -としては、例えば例えばハロゲン化物イオン、テトラフルオロボレート(BF4)、ヘキサフルオロホスフェート(PF6)、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(N(SO2CF32)、ビス(フルオロスルホニル)イミド(N(SO2F)2)、テトラシアノボレート(B(CN)4)、トリフルオロメタンスルホネート(SO3CF3)、ペンタフルオロエタンスルホネート(SO3CF2CF3)、テトラフルオロエタンスルホネート(SO3CHFCF3)、メタンスルホネート(SO3CH3)、エタンスルホネート(SO325)、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート((C253PF3)、トリフルオロ酢酸(CF3COO)、アミノ酸、ビスオキサラトボレート(B(C242)、p-トルエンスルホネート(SO364CH3)、チオシアネート(SCN)、ジシアナミド(N(CN)2)、ジアルキルリン酸((RO)2POO)、ジアルキルジチオリン酸((RO)2PSS)、脂肪族カルボン酸(RCOO)などが挙げられる。これらのアニオンのうち、光電変換効率の一層の向上の点から、ハロゲン化物イオンを用いることが好ましく、特にヨウ化物イオンを用い、これを一般式(1)で表されるホスホニウム塩と併用すると、優れた光電変換効率を達成できるので好ましい。またX2 -は、一般式(1)におけるX1 -と同種のものであることも好ましい。最も好ましいのはX1 -とX2 -がいずれもヨウ化物イオンの場合である。
イミダゾリウム塩の好ましい具体例としては、高い開放電圧及び形状因子を発現する観点から、1,3−ジメチルイミダゾリウムヨージド、1,3−ジエチルイミダゾリウムヨージド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムブロミド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムヨージド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヨージド、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウムヨージド、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムクロリド、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムブロミド、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムヨージド、1,2−ジメチル−3−ブチルイミダゾリウムクロリド、1,2−ジメチル−3−ブチルイミダゾリウムブロミド、1,2−ジメチル−3−ブチルイミダゾリウムヨージドなどが挙げられる。これらの化合物のうち、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド、1−プロピル−3−メチルイミダゾリウムヨージド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムヨージド、1−オクチル−3−メチルイミダゾリウムヨージド、1,2−ジメチル−3−エチルイミダゾリウムヨージド、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムヨージド、1,2−ジメチル−3−ブチルイミダゾリウムヨージド等が好ましい。更にこれらの中で、1,2−ジメチル−3−プロピルイミダゾリウムヨージドが、特に優れた光電変換効率を発現するので好ましい。
一般式(2)で表されるイミダゾリウム塩は当該技術分野において公知の物質であり、商業的に入手可能である。
本発明は、一般式(1)で表される四級ホスホニウム塩と一般式(2)で表されるイミダゾリウム塩とを特定の割合で用いる点に特徴の一つを有する。具体的には、両者の合計量に対して四級ホスホニウム塩を20〜80mol%、好ましくは40〜60mol%用い、イミダゾリウム塩を20〜80mol%、好ましくは40〜60mol%用いる。このような割合で両者を用いることで、本発明の電解質組成物は、高い光電変換効率を与えるものとなる。また該組成物は、良好な溶解性を有し、かつ耐熱性や難燃性に富むものとなる。詳細には、本発明の電解質組成物を用いることによって、レッドクス対の酸化還元効率が高まり、電解質組成物中での電荷移動の効率が高まって短絡光電流密度が向上し、その結果光電変換効率が向上する。また、四級ホスホニウム塩とイミダゾリウム塩との併用に起因して、電解質組成物の化学的安定性及び耐熱性が向上する。更に、一般式(1)で表される四級ホスホニウムイオンは、対応する窒素系カチオンに比較して溶媒への溶解性が高く、アニオン、特にハライドイオンの濃度を高めることが容易であるという観点からも有利である。
本発明の電解質組成物において、四級ホスホニウム塩の割合が20mol%未満であるか、又はイミダゾリウム塩の割合が80mol%超である場合には、短絡光電流密度が低下して光電変換効率が低下してしまうことに加えて、四級ホスホニウム塩に由来する化学的安定性及び耐熱性が低下してしまう。逆に、四級ホスホニウム塩の割合が80mol%超であるか、又はイミダゾリウム塩の割合が20mol%未満である場合には、開放電圧及び形状因子が低下し、その結果光電変換効率が低下してしまう。
本発明の組成物は、リン含有の成分である一般式(1)で表される四級ホスホニウム塩を含んでいるので、難燃性及び自己消火性を発現する。特に、一般式(1)で表される四級ホスホニウム塩においては、アルキル基が短く(炭素数1〜6)、分子量が小さいことからリン原子の割合が高く、適度な難燃性及び自己消火性を有する。
以上の説明から明らかなように、本発明の電解質組成物は、レッドクス対の酸化還元効率を高め、その結果高い光電変換効率が得られ、また良好な溶解性を有し、かつ化学的安定性、耐熱性及び難燃性が高いものである。したがって本発明の電解質組成物は、光電変換素子の電解質組成物として有利に使用できるものである。
本発明の電解質組成物は、一般式(1)で表される四級ホスホニウム塩及び一般式(2)で表されるイミダゾリウム塩のみから構成されていてもよく、あるいはこれらに加えて他の成分を含んで構成されていてもよい。そのような他の成分については後述する。本発明の電解質組成物が、当該他の成分を含む場合、電解質組成物における一般式(1)で表される四級ホスホニウム塩及び一般式(2)で表されるイミダゾリウム塩の合計量の割合は、電解質組成物全体に対して0.05〜3.0mol/L、特に0.1〜1.5mol/Lであることが、十分に高い光電変換効率を達成する観点から好ましい。
本発明の電解質組成物を備えた光電変換素子としては、光を電気エネルギーに変換する素子及び逆に電気エネルギーを光に変換する素子が包含される。前者の代表的なものとしては、色素増感型太陽電池やフォトダイオード等の発電デバイスが挙げられる。後者の代表的なものとしては、発光ダイオードや半導体レーザ等の発光デバイスが挙げられる。光電変換素子が発電デバイス及び発光デバイスのいずれである場合においても、図1に示すように、光電変換素子10は、半導体層11、半導体層11の一方の面に設けられた色素層12、半導体層11の他方の面に設けられた透明電極層13、色素層12に対向して配された対極14、及び色素層12と対極14との間に配された電解質層15を具備する。電解質層15は、一般式(1)で表される四級ホスホニウムハライドを含有する組成物からなる。図1に示す光電変換素子10を発電デバイスとして用いる場合には、透明電極層13の側から太陽光(可視光)を照射することで、透明電極層13と対極14との間に起電力が生じる。同図に示す光電変換素子10を発光デバイスとして用いる場合には、透明電極層13と対極14との間に電圧を印加することで。半導体層11と色素層12との間で発光が起こる。なお、図1においては、透明電極層13及び対極14に導線が接続されているが、透明電極層13に代えて、半導体層11に導線を接続することもできる。この場合には透明電極層13は必須ではない。
本発明の電解質組成物を用いた光電変換素子10は、発電デバイスの一種である色素増感型太陽電池として特に有用なものである。特に一般式(1)で表される四級ホスホニウム塩としてトリ−n−ブチルメチルホスホニウムヨージドを含有する電解質組成物は、レッドクス対の酸化還元効率を高め、その結果高い光電変換効率が得られるなどの優位性が期待できるので好ましい。また、この電解質組成物を色素増感型太陽電池に用いると、窒素系カチオンのハロゲン化物を用いた場合に比較して、高い化学的及び熱的安定性が得られるので好ましい。
本発明の電解質組成物を用いた光電変換素子が色素増感型太陽電池である場合、該色素増感型太陽電池の具体的な構成の一例は次のとおりである。すなわち色素増感型太陽電池は、透明電極層、それに塗設されかつ増感色素が担持されたナノポーラス酸化物半導体層、対極、及び透明電極層と対極との間の少なくとも一部に配されたレドックス対を含む電解質層から構成される。透明電極側から照射された太陽光(例えば可視光)が酸化物半導体上の色素を励起すると、励起された色素は酸化物半導体の伝導帯に電子を注入する。その結果生じた色素酸化体は、電解質層中の還元体から電子を受容し、基底状態色素に戻り、還元体は酸化体となる。酸化物半導体層に注入された電子は外部回路を経由し、対極で電解質層中の酸化体に電子を供与する。以上のサイクルにより、回路に定常的な光電流が流れる。
前記の透明電極層は、光透過率がよく、表面に導電材料からなる層を形成して導電性を有するものであればその種類に特に制限はない。例えばスズ添加酸化インジウム(ITO)、酸化スズ(SnO2)、フッ素添加酸化スズ(FTO)、酸化亜鉛(ZnO)などの透明な酸化物半導体を単独で又は組み合わせて、ガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)などの非導電性でかつ透明な基板上に薄膜として形成することが好ましい。ナノポーラス酸化物半導体層は、酸化チタン(TiO2)、酸化スズ(SnO2)、酸化タングステン(WO3)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化二オブ(Nb25)などを単独で又は組み合わせて使用した酸化物半導体微粒子を主成分とする多孔質薄膜である。用いる酸化物半導体微粒子の平均粒径は好ましくは1〜200nm、更に好ましくは3〜100nm、一層好ましくは5〜50nmである。酸化物半導体は一般にn型のものであるが、これに限られずp型のものであってもよい。ナノポーラス酸化物半導体に担持される増感色素は、効率よく太陽光(例えば可視光)を吸収するものであれば特に制限されない。例えばビピリジン構造、ターピリジン構造などを含む配位子を有するルテニウム錯体及び鉄錯体などの含金属錯体、ポルフィリン系やフタロシアニン系の含金属錯体、エオシン、ローダミン、メロシアニン、クマリンなどの有機色素などであることが、太陽光照射条件での光励起の観点から好ましい。対極としては、前記の透明電極との間で起電力を生じさせる電極であれば特に限定されないが、金、白金、炭素系材料、導電性高分子材料などの導電性材料を、スパッタ法や蒸着法といった真空製膜法、塗布法、塩化白金酸溶液などの含白金溶液を塗布後に熱処理を加える湿式製膜法などの方法により、電極として基板上に形成したものを用いることが好ましい。
本発明の電解質組成物を、色素増感型太陽電池の電解質層として用いる場合には、一般式(1)で表される四級ホスホニウム及び一般式(2)で表されるイミダゾリウム塩に加え、該電解質組成物にレドックス対を添加することが好ましい。レドックス対としては、そのレドックス対の酸化還元電位が励起色素の還元電位と対極の酸化電位との間にあれば特に限定されないが、ヨウ化物イオン(I-)、臭化物イオン(Br-)、塩化物イオン(Cl-)などのハロゲン化物イオンと、Br3 -、I3 -、I5 -、I7 -、Cl2-、ClI2 -、Br2-、BrI2 -などのポリハロゲン化物イオンとからなる含ハロゲン系レドックス対を用いることが好ましい。レドックス対の該電解質組成物全体に対する濃度は、モル濃度で好ましくは0.05〜4.0mol/L、更に好ましくは0.1〜3.0mol/L、一層好ましくは0.5〜2.0mol/Lである。この含ハロゲン系レドックス対は、ヨウ化物イオン、臭化物イオン、塩化物イオンなどのハロゲン化物イオンに、ハロゲン分子を反応させることによって得ることができる。ハロゲン化物イオンに対するハロゲン分子の比は、特に限定されないが、モル比で好ましくは1〜100%であり、更に好ましくはモル比で2〜50%であり、一層好ましくはモル比で3〜30%である。
本発明の電解質組成物に含まれている四級ホスホニウム塩は、電解質としてだけでなく、レドックス対を構成するハロゲン化物イオンの供給源としても機能する。もちろん、該四級ホスホニウム塩以外の物質をハロゲン化物イオンの供給源として別途、電解質組成物に添加してもよい。例えばハロゲン化リチウム、ハロゲン化ナトリウム、四級アンモニウムハライド、ピリジニウムハライド、ピロリジニウムハライド、ピペリジニウムハライド、スルホニウムハライドなどを単独で又は組み合わせて用いることができる。
本発明の電解質組成物を、色素増感型太陽電池の電解質層として用いる場合には、必要に応じて、該電解質組成物に4−tert−ブチルピリジン(TBP)、2−ビニルピリジン、N−ビニル−2−ピロリドンなどの有機窒素化合物、リチウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、ヨウ化物、チオシアン酸塩、水などの各種添加物を、光電変換効率を高めるために添加することが好ましい。後述する実施例において例証されるように、添加物としてTBPを用いたり、あるいはTBPとヨウ化リチウムとを組み合わせて用いたりすると、光電変換効率が一層向上するので好ましい。これらの添加物の添加量に特に制限はないが、電解質組成物中における各添加剤の濃度を好ましくは0.01〜4.0mol/L、更に好ましくは0.05〜3.0mol/L、一層好ましくは0.1〜2.0mol/Lとする。
本発明の電解質組成物には、必要に応じて溶媒を添加することもできる。溶媒としては、低粘度でイオン移動度が高く、優れたイオン伝導性を発現できるものを用いることが好ましい。そのような溶媒としては例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物;3−メチル−2−オキサゾリジノン等の複素環化合物;ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル化合物;エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等の鎖状エーテル類;メタノール、エタノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル等のアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル化合物;ジメチルスルフォキシド(DMSO)、スルフォラン等の非プロトン性極性溶媒;水;イオン液体(常温溶融塩)等が挙げられる。これらの溶媒は二種以上を混合して用いてもよい。溶媒の使用量は電解質組成物全体に対して5〜95重量%とすることが好ましい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲は、かかる実施例に制限されない。
〔実施例1並びに比較例1及び2〕
以下の表1に示す組成を有する電解質組成物を製造した。
Figure 0005350851
得られた電解質組成物を用い、色素増感型太陽電池を以下の手順で作製し、その評価を以下の方法で行った。その結果を表2に示す。
光アノードとして、酸化チタンナノ粒子(Solaronix D)を、膜厚が15μmとなるようにドクターブレードによって塗布したフッ素添加酸化スズ透明電極(FTO;旭硝子株式会社製、10.8Ωcm-2)を、450℃で30分間焼成したものを用いた。この光アノードを、0.3mmol/lのN3色素(cis−ジ(チオシアナト)−N,N−ビス(2,2’−ビピリジル−4,4’−ジカルボン酸)ルテニウム(II)錯体)エタノール溶液中に40℃で数時間浸漬させ、色素を担持させた。色素を担持させた光アノードと白金担持対極とを挟んでセルを組み(間隔:300μm)、両者の間に実施例及び比較例で得られた電解質組成物を充填した。光アノードの作用面積は0.283cm3であり、それ以外の面をマスクした。それ以外は常法に従い色素増感型太陽電池を作製した。このようにして得られた色素増感型太陽電池について、光電流−起電圧特性を、ケイスレー2400型高圧電源及び500Wキセノンランプを装備したAM1.5ソーラーシミュレータ(ペクセルPEC−L10N)を用いて測定した。光強度は、NDフィルターを用いて調整した(100mWcm-2)。すべての測定は、常温常圧の条件で行った。なお形状因子は、電気的な内部損失を示す指標であり数値が大きい方ほど電池が高性能であることを意味する。
Figure 0005350851
表2に示す結果から明らかなように、四級ホスホニウム塩とイミダゾリウム塩とを併用した実施例の電解質組成物を使用した太陽電池は、四級ホスホニウム塩を単独で用いた比較例1の電解質組成物を使用した太陽電池に比べて、高い光電変換効率を示すことが判る。また、イミダゾリウム塩を単独で用いた比較例2の電解質組成物を使用した太陽電池に比べて、高い短絡光電流密度及び高い光電変換効率を示すことが判る。
10 光電変換素子
11 半導体層
12 色素層
13 透明電極層
14 対極
15 電解質層

Claims (7)

  1. 下記一般式(1)で表される四級ホスホニウム塩及び下記式(2)で表されるイミダゾリウム塩を含有し、両者の合計量に対して前記四級ホスホニウム塩が20〜80mol%、前記イミダゾリウム塩が20〜80mol%含まれることを特徴とする光電変換素子用電解質組成物。
    Figure 0005350851
  2. 前記一般式(1)において、R1、R2及びR3がすべて同一のアルキル基であり、R4の炭素数がR1、R2及びR3のそれぞれの炭素数よりも少ない請求項1記載の光電変換素子用電解質組成物。
  3. 前記一般式(1)において、R1、R2及びR3がブチル基であり、R4がメチル基である請求項2記載の光電変換素子用電解質組成物。
  4. 前記一般式(1)において、X1 -がヨウ化物イオンである請求項1ないし3のいずれかに記載の光電変換素子用電解質組成物。
  5. ハロゲン化物イオンと、ポリハロゲン化物イオンとからなる含ハロゲン系レドックス対を、組成物全体に対して0.05〜4.0mol/L含む請求項1ないし4のいずれかに記載の光電変換素子用電解質組成物。
  6. 半導体層;
    該半導体層の一方の面に設けられた色素層;
    該色素層に対向して配された対極;及び
    該色素層と該対極との間に配された、請求項1記載の電解質組成物からなる電解質層;
    を具備することを特徴とする光電変換素子。
  7. 色素増感型太陽電池である請求項6記載の光電変換素子。
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