JPH0914043A - ノッキング検出装置 - Google Patents

ノッキング検出装置

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JPH0914043A
JPH0914043A JP16725495A JP16725495A JPH0914043A JP H0914043 A JPH0914043 A JP H0914043A JP 16725495 A JP16725495 A JP 16725495A JP 16725495 A JP16725495 A JP 16725495A JP H0914043 A JPH0914043 A JP H0914043A
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JP
Japan
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knocking
engine
operation mode
knocking detection
frequency
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JP16725495A
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English (en)
Inventor
Masahiro Sato
正博 佐藤
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Hitachi Ltd
Hitachi Automotive Systems Engineering Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Automotive Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】周波数分析を用いたノッキング検出において、
エンジンの運転モード切り替えに応じたノッキング判定
所定値を設定し、またエンジンの運転モード毎のバック
グランドレベルを記憶し、それぞれの運転モード毎にそ
れらを用いることにより最適なノッキング検出を行う。 【効果】エンジンの運転モードを切り替えた場合のノッ
キング検出感度を向上でき、ノッキング誤判定の防止と
共に、最適化点火時期制御が可能となり、機関出力,燃
費,エミッションの向上に寄与できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関のノッキング検
出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のようにノッキングは燃焼室内の端
末部の未燃ガスの自己発火により燃焼室内のガスが振動
を起こし、この振動が機関本体に伝われる現象である。
【0003】そして、このノッキングは機関の発生エネ
ルギの損失(出力低下)や機関各部への衝撃、さらには
燃費の低下等を招来するため、できるだけ回避するのが
望ましく、そのためにはノッキングの発生を正確に検出
することが不可欠である。
【0004】このような要請のもと、例えば、特開昭58
−45520 号公報に記載のように、振動検出センサの出力
信号の中から5〜12kHzの範囲の単一の共鳴周波数
成分だけをバンドパスフィルタを用いて分離し、その出
力の積分値がバックグランドレベルより大きくなったか
否でノッキングの発生を検出する方法,特開平3− 474
49 号公報にあるように、複数の共鳴周波数成分を取り
出してノッキングの検出を行う方法などがあった。
【0005】また、近年の厳しい法規制(排気ガス規制
や燃費規制)の要求からの、リーンバーン運転,大量E
GR運転,大量エバポパージ運転等の特殊運転モード
(特殊燃焼状態)の採用が必須になってきており、それ
ぞれの燃焼状態に合わせた更なるノッキング検出精度向
上が求められている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように複数の
共鳴周波数成分を取り出してノッキングの検出を行い、
エンジン回転数と負荷(エンジンの運転領域)によって
リーンバーン等の運転モードを変化させる機種について
は、エンジン回転数と負荷(エンジンの運転領域)によ
ってノッキング判定値を設定し、ノッキング検出を行い
ノッキングの検出精度を高める特開平5−125991 号公
報の方法が有効であった。
【0007】ところが、この発明ではエンジンの運転領
域に対するエンジン燃焼状態は1対1の対応をとること
が必要条件であるが、実際にはエンジン運転領域のみで
エンジン運転モード(燃焼状態)を切り替えるのではな
く、その他にエンジン温度,トランスミッションのギア
位置,空燃費フィードバック(学習制御含む)の収束状
態等のその他運転モード切り替え条件が多く、運転領域
毎のノッキング判定値設定ではノッキングの検出感度が
著しく低下してしまう場合があり、動力性能,排気ガス
性能,燃料消費性能などに悪影響を及ぼす場合があっ
た。
【0008】更に、ノッキング強度を演算するために、
ノッキングが発生していない場合の周波数成分の分析結
果、すなわち、バックグランドレベル(以下BGLと省
略)を用いるが、運転モード(燃焼状態)が変化した場
合に上記BGLも変化することにより、ノッキング検出
感度低下、また、ノッキング誤判定を誘発してしまう危
険性があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は内燃機関
に関する物理量のノッキングの特徴を表わす複数の特徴
成分と物理量に基づいて定められる比較成分とを抽出
し、複数の特徴成分と比較成分の関係からノッキングに
関する情報を抽出し、ノッキング強度を演算すると共
に、この演算結果と予め設定しておいたノッキング検出
用所定値とによりノッキングを検出するノッキング検出
手段を有し点火時期を制御する点火時期制御装置におい
て、エンジン温度,エンジン回転数,エンジン負荷等の
エンジン状態パラメータを検出するエンジンパラメータ
検出手段によりエンジンの運転モードを切り替えるエン
ジン運転モード切り替え手段を持ち、上記エンジン運転
モードを切り替えに対応した上記エンジン運転モード毎
の上記ノッキング検出用所定値を備えたことにより、正
確にノッキング有無に関する情報を抽出可能とするため
のノッキング判定しきい値補正方法に関して規定したと
ころにある。
【0010】更に、本発明の他の特徴は、エンジン運転
モード切り替え時に、ノッキング強度演算用のBGL等
のノッキング強度演算用パラメータを各エンジン運転モ
ード毎に記憶しておきノッキング強度演算に用いる、ま
たは、エンジン運転モード切り替え時にはノッキング強
度演算用パラメータが収束するまでの特定期間内ノッキ
ング判定を停止させ、エンジン運転モード切り替え時の
ノッキング判定精度を向上させるところにもある。
【0011】
【作用】各エンジン運転モード毎にノック強度とノッキ
ング検出判定用所定値とのクリアランスが適正に保た
れ、正確なノッキング判定情報が得られるようになり、
ノッキングの検出精度を向上できるようになる。
【0012】
【実施例】以下、図面に従い、本発明の一実施例を詳細
に説明する。
【0013】まず始めに、本発明におけるノッキングの
発生の有無の判定の原理について説明する。エンジンの
振動には多くの振動成分が含まれている。例えば、ピス
トンの摩擦,クランク軸の回転,弁の作動などによる振
動成分などである。さらに、これらの振動成分はエンジ
ン状態によって変化する。
【0014】エンジンにノッキングが発生すると、ノッ
キングに特有な振動が発生する。ノッキングの発生の有
無の判定は、振動センサが検出するエンジンの全体の振
動からノッキングに特有な振動を分離することによって
なされる。
【0015】以下、本発明の中心となるノッキングの検
出方法について詳細に説明する。
【0016】まず、振動センサの出力に含まれる複数の
共鳴周波数成分を複合的に用いたものをすべてノック指
数と定義する。
【0017】図5はエンジンのノッキング周波数モー
ド、すなわち、ノッキング発生時にエンジン特有の周波
数に現れるパワースペクトル(ノッキング成分)に関す
る法則(Draper式)を示す。エンジンのノッキング共鳴
振動周波数は、音速に比例し、エンジンのシリンダ径に
反比例する。音速は燃焼速度であり、これは燃焼温度な
どにより変化する。共鳴振動周波数は共鳴振動5個のモ
ードに別れ、ノッキングのパワースペクトルは図5に示
すようにf10〜f11の分布になる。
【0018】図6はノッキングが発生していない時の振
動センサの出力の周波数成分の解析結果とノッキングが
発生した時の振動センサの出力の周波数成分の解析結果
を表わした特性図である。
【0019】図6(a)ではノッキングが発生している
場合を実線で示し、ノッキングが発生していない場合を
破線で示している。ノッキングが発生している場合は、
ノッキングが発生していない場合に比して、各々の共鳴
周波数成分、すなわち、周波数毎の振動強度(パワース
ペクトル)が大きくなっていることが理解でき、ノッキ
ングの発生によって各共鳴周波数帯での振動強度が大き
くなっていることがわかる。
【0020】本発明では、ノッキング有り無しにおける
振動強度の比(S/N比)で前述のノック指数を求めて
いるが、各検出周波数毎にノッキング無し時の振動強度
(バックグランドレバル)を過去に検出したノック周波
数成分を基に平均化処理で作成している。
【0021】図6(b)では、(a)で求めた周波数成
分を基に各周波数毎のS/Nを表したものである。ノッ
キング無しの状態であればS/Nは理論上で1.0 にな
りノッキングが発生していればそれ以上になる。このS
/N値を複数個加算することにより、より明確にノッキ
ングの有無を現すことができ、これをノック指数として
いる。
【0022】また、ノック指数を用いるとバックグラン
ド振動に対してノッキングの発生による特有な周波数成
分の構成が考慮されるので、バックグラウンド振動が大
きくなってもノッキング発生の有無が判定できる。
【0023】図2は本発明で用いられる点火装置のシス
テムの系統図である。空気はエアクリーナ1の入口部よ
り入り、ダクト3,絞弁を有するスロットルセンサ5,
吸気管6を通りエンジン7のシリンダ内に吸入される。
吸入空気量はダクト3に設けられた熱線式空気流量計2
によって検出され、検出信号はコントロールユニット9
に入力される。
【0024】一方、燃料は図示していない燃料タンクか
らインジェクタ16を経て噴射され、吸入通路内で吸入
空気と混合されエンジン7のシリンダ内に供給される。
混合気はエンジン7で圧縮され、点火プラグ15により
着火された爆発後に排気管8から排出される。排気管8
には排気センサ11が設けられており、検出信号はコン
トロールユニット9に入力される。
【0025】点火コイル13で発生した高電圧はディス
トリビュータ14によって各気筒に分配され、点火プラ
グ15に供給される(機種によってはディストリビュー
タ方式ではなく点火プラグに直接点火コイルを搭載した
ダイレクト点火システム:DIS方式の場合もあ
る。)。エンジンの回転状態はクランク角センサ12に
よって検出され、クランク角センサ12は1回転毎の絶
対位置を示すRef信号および当該絶対位置からの所定角
度移動した位置を示すPOS信号を出力する。Ref信号
及びPOS信号はコントロールユニット9に入力され
る。エンジン7には振動を検出する振動センサ17が取
りつけてあり、検出信号はコントロールユニット9に入
力される。
【0026】コントロールユニット9は各センサからの
信号に基づいて燃料供給量及び点火時期等を演算し、イ
ンジェクタ16及び点火コイル13に制御信号を出力す
る。図3はコントロールユニット9の詳細を示すブロッ
ク図である。コントロールユニット9はCPU20,A
/D変換器21,ROM22,入力I/O23,RAM
24,DPRAM25,出力I/O26およびバス37
で構成される制御用ブロック34と、CPU29,ポー
ト27,タイミング回路28,A/D変換器30,RO
M31,RAM32,クロック33,オペレーショナル
回路38,増幅率切り替え回路39、およびバス36で
構成されるノッキング検出用ブロック35に分けられ
る。ここで、CPU20,CPU29のデータの交換は
デュアルポートRAMであるDPRAM25を通じてな
される。
【0027】熱線式流量計2によって検出された吸入空
気量Qa はA/D変換器21によってディジタル値に変
換され、CPU20に取り込まれる。またクランク角セ
ンサ12によって検出されるRef信号及びPOS信号は
入力I/O23を通じてCPU20に取り込まれる。C
PU20はROM22に保持しているプログラムに従っ
て演算処理し、演算結果は出力I/O26に燃料噴射量
を意味する燃料噴射時間信号Ti,点火時期信号θign
としての各々のアクチュエータに伝えられる。演算処理
中の必要なデータ保持はRAM24によってなされる。
【0028】一方、タイミング回路28は、オペレーシ
ョン回路35が上死点(Top DeadCenter)を示すTDC
信号を発生すると、CPU20がポート27に入力した
内容に従って、クロック33の発生する周期信号を分周
してサンプリング信号を発生する。サンプリング信号が
発生すると、A/D変換器30は振動センサ17の出力
信号をディジタル値に変換する。
【0029】また、A/D変換器の前段でセンサ出力を
一定電圧範囲内におさめるために増幅率切り替え回路3
9で検出信号を増幅処理で行っている。
【0030】ノッキングを検出するための振動センサ
は、従来のものは13KHz付近で共振するが、本実施
例では少なくとも18〜20KHzまでの共鳴周波数成
分を得るために、18KHz以上で共振するものを用い
ている。
【0031】CPU29はROM31に保持しているプ
ログラムに従いサンプリングされたディジタル値をRA
M32に格納すると共に、図1に示したようなフローチ
ャートをもとに格納したデータに基づいて周波数分析
し、ノッキングの発生の有無の判定をする。ノッキング
の発生の有無の判定結果はDPRAM25を介してCP
U20に伝えられる。
【0032】次にCPU20による点火時期の演算動作
を図4のフローチャートを用いて説明する。このフロー
チャートの動作は一定時間周期、例えば、10msec 毎
に起動される。ステップ201で、RAM24内に設定
された所定のレジスタからエンジン回転数N及び吸入空
気量Qを読み込む。ステップ202で、単位回転数あた
りの吸入空気量Q/Nを演算し、さらにQ/Nから燃料
噴射時間幅Tiを求め、燃料供給のためにROM22内
に保持している基本点火時期マップから基本点火時期θ
baseを求める。ステップ203で後に示す図1のフロー
チャートにより判定したノックフラグ(knock flag )の
内容によってノッキングの発生の有無の判定をする。ノ
ッキングが発生していれば、ステップ213で点火時期
θadv から所定の遅角量Δθret を減算する。なお、こ
の減算によって点火時期が遅角(リタード)される。ス
テップ214で、ノッキング発生により、遅角させた点
火時期を所定の回転例えば50と比較すること(ステッ
プ205)でリカバーするベースを決定する。カウント
データAを初期化してステップ208に進む。
【0033】一方、ステップ203でノッキングが発生
していなければ、ステップ204で、カウントデータA
を一つカウントアップする。カウントデータAはノッキ
ング発生により遅角された点火時期θadv を進角量Δθ
adv だけリカバーする時間になったかを判定するために
用いられる。ステップ205で、カウントデータAが所
定値50に等しくなったかを判断する。この図16に示
すフローは10msec毎に起動されるので、カウントデ
ータAが50に等しくなるときは、カウントデータAが
初期化されてから0.5秒が経過したときであり、0.5
秒経過毎にリカバーされる。ステップ205で、カウン
トデータAが50に等しくなっていなければステップ2
06に進む。ステップ206で、遅角値θadv に所定の
進角量Δθadv に加算する。この加算により点火時期が
リカバーされることになる。
【0034】次に、ステップ208で基本点火時期θba
seに求めた点火時期θadv を加えることにより点火時期
θign を演算する。ステップ209で、エンジン回転数
N及び単位回転数あたりの吸入空気量Q/Nに応じて、
最大進角値θres を求める。最大進角値θres はROM
31内に格納されている最大進角値マップから読みだす
ことによってなされる。ステップ210で点火時期θig
n が最大進角値θresを超えたかを判断する。超えてい
なければステップ211に進む。最大進角値θres を超
えていると、進角しすぎているので、ステップ211で
最大進角値θres を点火時期θign とする。
【0035】最後に点火時期θign が設定された後に、
ステップ212でエンジン状態に応じて、ディレイ時間
td ,サンプリング点数ns ,分周比ts をポート27
に出力する。
【0036】なお、分周比ts によって振動センサの出
力のディジタル値のサンプリング周期が決まり、サンプ
リング点数ns によってサンプリング点数が決まる。
【0037】このようにして複数の共鳴周波数成分から
ノッキングを検出して点火時期を制御することで、機関
のノッキングを回避することが可能となる。
【0038】次に、本発明でのCPUによるノッキング
発生の有無の判定処理の動作を図1を用いて説明する。
【0039】図1において、このフローチャートは爆発
サイクル毎に実行されるもので、CPUに割込みをかけ
て起動される。
【0040】ステップ101では振動センサからの出力
信号がA/D変換器で変換されたA/D変換値が取り込
まれる。
【0041】次にステップ102ではA/D変換された
振動センサの信号を周波数分析する。この周波数分析は
高速フーリェ変換やウォルシフーリェ変換といった手法
で行われる。
【0042】この後、ステップ103で周波数分析され
た信号のうち、共鳴周波数を含む周波数帯を複数個選択
する。本実施例では8個の共鳴周波数が選択される。
【0043】ステップ103で周波数が選択されると、
ステップ114で選択周波数fiはディジタル演算で発
生する量子化誤差の影響を排除するため、またノッキン
グ検出に貢献しないノイズレベルのfiを除外する意味
で限界成分fLMTiと比較する。
【0044】ステップ114でfLMTi以上であれば
次のステップ117へ進むが、fLMTiよりも小さけ
ればステップ115へ進み、その周波数におけるS/N
比SNiはノック検出に貢献しないつまりノッキングが
発生していないとの意味の値に置換(実施例では理論値
である1に置換)し、更にステップ116でその周波数
のfiをfLMTiに置換し、ステップ104のSNi
演算処理を飛び越し、ステップ105へ移る。
【0045】ステップ114でfLMTi以上であった
とき、次のステップ117に進み、エンジンの運転モー
ド切り替えフラグ(例えば、通常理論空燃比での運転モ
ードからリーンバーン運転モードに切り替わったか、ま
たは逆にリーンバーンモードから通常理論空燃比に切り
替わったかの識別フラグ)を見る。切り替わっていなけ
ればステップ104に進み、切り替わっていれば運転モ
ード毎のBGLi(予め運転モード毎に初期値を設定
し、その後ステップ110の如き処理を行いメモりに記
憶しておくBGLi)をメモりから読みだし、ステップ
104へ移る。
【0046】これは図5に示したDraper式で記述したと
おり、燃焼状態で共鳴周波数が変動し、ノッキングとは
言えない程度のfi変動がBGLiに影響を及ぼし、ノ
ッキング検出感度低下や誤判定を招いてしまうことを防
止するためである(BGLiはステップ110で示す通
りfiの加重平均値である。)。
【0047】次にステップ104で振動強度を表わすS
/N比を選択周波数毎に求める。
【0048】つまり、複数の選択周波数(f1……f
i)、本実施例ではf1……f8と、これに対応した周
波数のバックグラウンドレベル(BGL1……BGL
i)、本実施例ではBGL1……BGL8を求め、各周
波数毎のS/N比SNi=fi/BGLiを求める。
【0049】したがって本実施例ではSN1=f1/B
GL1,……,SN8=f8/BGL8が求められる。
【0050】次に、ステップ105でこれら選択された
周波数のうちS/N比が大きい順にm個、本実施例では
5個を抽出してノック強度を求める。このノック強度を
求める式は例えば、S=ΣSLi(i=1〜m)で表わ
されるようにS/N比を加算して求められる。
【0051】ステップ119ではステップ117と同一
処理がなされ、状態判別フラグの変化がなければそのま
まステップ106のノッキング判定処理へ進むが、変化
があった場合は予めメモり内(ROM31)に設定して
ある運転モード別所定値を読みだし(ステップ12
0)、次のステップ106へ移る。
【0052】ステップ106では、ノック判定のための
所定値とステップ105で求められたノック強度が比較
され、ステップ105で求められたノック強度が大きい
と判断されるとノッキングが生じたとしてステップ10
7でノッキングが検出される。
【0053】その後、ステップ108でノッキング発生
を示すノックフラグに“1”をセットする。このノック
フラグは別に起動される点火制御タスクで用いられる。
【0054】一方、ステップ106でノック強度が所定
値より小さいと判断されるとノッキングが生じていない
としてステップ109で各バックグラウンドレベルBG
Liが予め定めた限界値、ここではバックグランドレベ
ルの下限リミッタBGLMTiより大きいかどうかが判断され
る。本実施例ではBGL1……BGL8に対してBGL
MT1……BGLMT8が比較される。
【0055】ステップ109でバックグラウンドレベル
が下限リミッタBGLMTiより大きいと判断、つまり
正常のバックグラウンドレベルと判断されるとステップ
110でバックグラウンドレベルBGLiの更新が行われ
る。
【0056】このバックグラウンドレベルBGLiの更
新は選択された周波数の振動強度をフィルタ処理して求
められる。具体的には各々の選択された周波数毎にBG
Li=BGLi×(1−α)+fi×αで求められる。
【0057】逆に、ステップ109でバックグラウンド
レベルBGLiが下限リミッタBGLMTiより小さい
と判断し、つまり、異常バックグラウンドレベルと判断
されるとステップ111でリミッタ値をセットして次回
のステップ104のBGLiとして用いる(ステップ1
10,111で求められたBGLiはステップ112で
RAM32にストアされ、次回のSNi演算のBGLi
に用いる。)。
【0058】但し、fLMTiを用いた場合には本BG
LMTiは使用しなくとも良い。
【0059】次にステップ113ではノックフラグを
“0”にセットする。
【0060】以上の処理でノック検出ルーチンが終了す
るが、このルーチンでセットされたノックフラグが点火
制御タスクで使用されることになる。
【0061】以上のようにして得られたノック発生の信
号は上述の点火制御タスクで使用される。
【0062】ここでステップ117,118,119,
120についての補足説明を行う。図7にはエンジン運
転モードの切り替え制御について記述する。エンジン運
転モード切り替えは、エンジン水温,スロットル開度,
エンジン回転数,エンジン負荷,トランスミッションの
ギア位置などのエンジン(車両)状態を検出すること
で、運転モード切り替えの条件が合致した場合に、リー
ンバーン運転や大量EGR運転,大量エバポパージ運転
などに切り替える(条件が合えば、複合的に運転モード
が重なっても良い。)。
【0063】なお、エンジン運転モードでは燃焼状態が
変化するものを含み、他にシリンダ内の渦を生成し燃焼
促進を行うためのスワール渦生成用バルブやタンブル渦
生成用バルブを作動させた時も同様である。
【0064】図8では運転モード切り替えによって共鳴
振動周波数のスペクトル変化を示している。P1からP
8はノッキング検出に用いる周波数帯域とすると、運転
モードが変化する前(運転モード1)は検出周波数P5
のみに大きなスペクトル(A部)が発生しているが、運
転モード切り替え後(運転モード2)にはA部はA′部
に移動(すなわち、P4の周波数帯域へ移動)し、更に
運転モード切り替え前には小さなスペクトルを示してい
たP2(B部)は、P1のB′部に移動し、スペクトルも
増大している。このことはノッキング判定を行う上での
SNi演算用パラメータであるBGLiが変動すること
につながり、また運転モード切り替え後のSNiはノッ
キング判定に用いる判定用所定値との適正なクリアラン
スを失いノッキング感度の低下やノッキング誤検出にい
たってしまう。従って、BGLiや判定用所定値は運転
モード毎に切り分ける必要が生じる。
【0065】ただし、図9のステップ130,131に
示すとおり、運転モード切り替え後所定期間はノッキン
グ判定を停止し、BGLiの更新を十分に行ってからノ
ッキング判定処理を実行(ステップ106を実行)して
も良い。この場合、ステップ119,120はステップ
130の前にあっても良く、また図1,図9でステップ
117での切り替えフラグ変化を本ルーチン終了まで記
憶できていればステップ119は不要になり、この場
合、ステップ120はステップ118の後に配置した方
がよい。
【0066】また、所定期間ノッキング判定を停止して
しまった場合、その間のノッキング発生が懸念される。
図10にはその場合の点火時期補正方法を示しており、
運転モード切り替えが合った後、所定期間内はステップ
220へ進み、θmodをθignへの加算処理(実際には遅
角処理)を実行する。
【0067】以上説明した実施例により、エンジンの運
転モード(燃焼状態)によらない、高精度ノッキング検
出を可能にできる。
【0068】
【発明の効果】エンジン運転モードを切り替えた場合で
もノッキングの検出感度が向上でき、エンジンのノッキ
ングからの保護の効果とともに、エンジン出力,燃費,
エミッションの向上に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例となるフローチャート。
【図2】システムの系統図。
【図3】制御装置のブロック図。
【図4】点火演算を示すフローチャート。
【図5】共鳴振動周波数の説明図。
【図6】ノック発生時と発生していない時の振動強度を
示す説明図。
【図7】エンジンの運転モード切り替え方法を示すブロ
ック図。
【図8】運転モード切り替えによるノッキングスペクト
ル変動を示す特性図。
【図9】本発明の一実施例となるフローチャート。
【図10】図9の実施例の実行時の点火時期補正を示す
フローチャート。
【符号の説明】
1…エアクリーナ、2…熱線式空気流量計、3…ダク
ト、5…スロットルセンサ、6…吸気管、7…エンジ
ン、8…排気管、9…コントロールユニット、11…空
燃比を測る空燃比センサ、12…クランク角センサ、1
3…点火コイル、14…ディストリビュータ、15…点
火プラグ、16…インジェクタ、17…振動センサ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの燃焼室内の燃焼状態を検出する
    燃焼状態センサと、上記燃焼状態センサの出力に基づい
    て上記燃焼状態センサの出力に含まれる所定の周波数成
    分を分析する周波数分析手段と、上記周波数分析手段に
    基づきノッキング強度を演算するノッキング強度演算手
    段と、この演算結果と予め設定しておいたノッキング検
    出用所定値とによりノッキングを検出するノッキング検
    出手段とを含み点火時期を制御する点火時期制御装置に
    おいて、エンジンの状態パラメータを検出するエンジン
    パラメータ検出手段によりエンジンの運転モードを切り
    替えるエンジン運転モード切り替え手段と、上記エンジ
    ン運転モードの切り替えに対する識別手段と、上記識別
    結果に応じ、上記ノッキング検出手段を切り替えるノッ
    キング検出切り替え手段とを備えたことを特徴とするノ
    ッキング検出装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、上記エンジン運転モー
    ドの切り替え時には、上記ノッキング検出手段によるノ
    ッキング検出を特定期間停止する運転モード切り替え時
    ノッキング検出遅延手段を備えるノッキング検出装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、上記エンジン運転モー
    ドの切り替え時には、上記各エンジン運転モード毎に予
    め設定してあるノッキング検出用所定値を用いるノッキ
    ング検出装置。
  4. 【請求項4】請求項1において、上記エンジン運転モー
    ドの切り替え時には、上記各エンジン運転モード毎に記
    憶するノッキング強度演算用パラメータを用いるノッキ
    ング検出装置。
JP16725495A 1995-07-03 1995-07-03 ノッキング検出装置 Pending JPH0914043A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010180836A (ja) * 2009-02-06 2010-08-19 Honda Motor Co Ltd 内燃機関のノッキング検出装置
WO2015104909A1 (ja) * 2014-01-10 2015-07-16 三菱重工業株式会社 内燃機関のノッキング判定装置及びノッキング制御装置

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