JPH09139855A - 色補正方法及び色補正装置並びに色補正応用装置及びカラー画像システム - Google Patents

色補正方法及び色補正装置並びに色補正応用装置及びカラー画像システム

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JPH09139855A
JPH09139855A JP7295686A JP29568695A JPH09139855A JP H09139855 A JPH09139855 A JP H09139855A JP 7295686 A JP7295686 A JP 7295686A JP 29568695 A JP29568695 A JP 29568695A JP H09139855 A JPH09139855 A JP H09139855A
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恒夫 佐藤
Masayuki Saito
雅行 斎藤
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    • H04N1/603Colour correction or control controlled by characteristics of the picture signal generator or the picture reproducer
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色バランスを崩すことがない色補正方法を提
供する。また、最適な色補正を行うための調整方法も併
せて提供する。 【解決手段】 RGB信号あるいはCMY信号の入力を
CIEXYZ信号に変換する変換ステップ21と、CI
EXYZ信号をRGB信号あるいはCMY信号に戻す逆
変換ステップ23とを備える。変換ステップ21におい
て用いられる行列Mは、有彩色ベクトルを無彩色ベクト
ルに平行な方向と垂直な方向とに分割した2つのベクト
ルに基づいて得られた互いに独立な第1の行列M1 と第
2の行列M2 との和で与えられる。逆変換ステップ23
において用いられる行列は、上記行列Mの逆行列であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、カラー画像機器
を扱うシステムにおいて色管理を行う際の色補正方法及
び色補正装置に関するものである。また、その色補正方
法を応用した色補正応用装置及びカラー画像システムに
関するものでもある。
【0002】
【従来の技術】
従来例1.カラープリンタ、ビデオモニタ等のカラー画
像機器において、原稿等に表現されたのカラーのオリジ
ナル画像と再現されたカラー画像とは一致するのが望ま
しい。たとえば、カラープリンタにおいて、色分解カラ
ースキャナから得られたオリジナル画像の三原色(赤、
緑、青)の輝度信号(R,G,B)は、画像を再現する
ための三原色(シアン、マゼンタ、イエロー)のインク
の主濃度信号(C,M,Y)に変換される。この変換を
最適化して色彩の再現性を高めるために行われるのが色
補正である。具体的には、色補正は既知の色彩のカラー
パッチを複数印刷し、これらカラーパッチをカラースキ
ャナで読み取った色彩と既知の色彩とを比較することに
より行われる。
【0003】図46は、例えば特開平5−183742
号に開示された色補正パラメータ決定装置のブロック図
である。同図において、P1はインク3原色主濃度信号
(C,M,Y)で表現可能な色領域における複数のイン
ク3原色主濃度信号の組み合わせを記憶する色記憶手段
である。P2は色記憶手段P1に記憶される色の組み合
わせに相当する色をカラーパッチプリントとして印刷す
る色印刷手段である。P3は印刷されたカラーパッチプ
リントを3原色輝度信号として読取る色読取手段であ
る。
【0004】P4は色変換のパラメータを記憶する色変
換パラメータ記憶手段である。P5は、色変換パラメー
タ記憶手段P4に記憶されている非線形関数のパラメー
タに基づき、非線形変換の逆関数を求めるとともに、色
記憶手段P1に記憶されている3原色濃度信号を、その
逆非線形関数を用いて3原色輝度信号に変換する逆色変
換手段である。P6は、色読取手段P3からの3原色輝
度信号RGBと、逆色変換手段P5からの3原色輝度信
号R000 とが一致するように、マトリクス計算に
よって色補正係数を算出する色補正係数算出手段であ
る。P7は色補正係数算出手段P6により得られた色補
正係数を記憶する色補正係数記憶手段である。
【0005】P8は色補正係数記憶手段P7に記憶され
た色補正係数と色読取手段P3からの3原色輝度信号R
GBとからマトリクス計算を行うマトリクス演算手段で
ある。P9は、色変換パラメータ記憶手段P4に記憶さ
れている非線形関数のパラメータに基づき、マトリクス
演算手段P8からの計算値を非線形変換してインク3原
色主濃度信号の近似値C’M’Y’を算出する色変換手
段である。P10は、色記憶手段P1のインク3原色主
濃度信号CMYと色変換手段P9からのインク3原色主
濃度信号の近似値C’M’Y’との色の差を評価し、評
価値として算出する評価値算出手段である。P11は評
価値算出手段P10からの評価値が最小化されているか
判断し、最小化されていなければ、色変換パラメータ記
憶手段P4の記憶値を更新して、評価値の収束化を行う
制御手段である。
【0006】次に動作について説明する。色変換パラメ
ータ変換手段P4は、非線形関数、および、その逆関数
である逆非線形関数のパラメータを記憶している。非線
形関数は、例えば、式(1)のようである。 C=Cmax (1−(R/Rmaxg ) M=Mmax (1−(G/Gmaxg ) (1) Y=Ymax (1−(B/Bmaxg
【0007】この関数は、RGBからCMYに変換する
関数であり、g(以下、「γ」(ガンマ)とも記すこと
がある)がこの関数パラメータである。Cmax 、Mmax
、Ymax は主濃度信号CMYの最大値である。また、
Rmax 、Gmax 、Bmax は輝度信号RGBの最大値であ
る。式(1)の逆関数は式(2)で示される。
【0008】 R=Rmax (1−(C/Cmaxg ) G=Gmax (1−(M/Mmaxg ) (2) B=Bmax (1−(Y/Ymaxg
【0009】関数パラメータγは非線形変換パラメータ
記憶手段P4に記憶されている。逆色変換手段5は、色
記憶手段P1に記憶されている主濃度信号CMYを、色
変換パラメータ記憶手段P4に記憶されるγをパラメー
タとした式(2)で、3原色輝度信号R000 に変
換する。
【0010】色補正係数算出手段P6は、色読取手段P
3より出力されたRGBと逆色変換手段P5より出力さ
れるR000 とが一致するような色補正係数
{aij}を公知の最小二乗法により算出する。算出され
た色補正係数は色補正係数記憶手段P7に記憶される。
【0011】マトリクス演算手段P8は、色読取手段P
3より出力される輝度信号RGBに対して、色補正係数
記憶手段P7に記憶されている色補正係数{aij}をパ
ラメータとした式(3)のマトリクス計算を行う。
【0012】
【数1】
【0013】色変換手段P9は、マトリクス演算手段P
8の算出値に対し、色変換パラメータ記憶手段P4に記
憶されているγ値をパラメータとした式(1)の演算を
行い、色記憶手段P1に記憶される3原色主濃度CMY
の近似値C’M’Y’を算出する。
【0014】評価値算出手段P10は、以下の作業を行
う。色記憶手段P1に記憶されるCMY信号および色変
換手段P9より出力されるC’M’Y’信号を色補正の
対象となっているプリンタに入力してプリントを行う。
CMY信号に対応するプリントが表示している色を周知
の色彩計を用いて測定し、色度XYZを得る。色度XY
Zは、公知のXYZ−L*a*b*関係式により、均等
色空間の座標値(L*,a*,b*)に変換される。同
様に、C’M’Y’信号に対応する均等色空間の座標値
(L*’,a*’,b*’)が得られる。色記憶手段P
1のCMYから算出された(L*,a*,b*)と、色
変換手段P9のC’M’Y’から変換された(L*’,
a*’,b*’)の色差を、式(4)で算出する。 ΔEa*b*={(L*−L*’)2 +(a*−a*’)2 +(b*−b*’)21/2 (4)
【0015】評価値は、色記憶手段P1で記憶している
すべてのCMY信号による色と、対応する色変換手段P
9のC’M’Y’信号の色差の平均値とする。
【0016】制御手段P11は、評価値算出手段P10
が算出した評価値を判断し、評価値が最小となるよう
に、周知の非線形数理計画法により、色変換パラメータ
記憶手段P4に格納するパラメータを更新する。最小化
されたと判断すれば、色補正係数記憶手段P7に記憶さ
れる色補正係数{aij}および色変換パラメータ記憶
手段P4に記憶されるパラメータγを最適な色補正パラ
メータとして決定する。
【0017】従来例2.図47は、United States Pate
nt 5,333,070 に開示された APPARATUS FOR ADJUSTING
HUE, CHROMINANCE, AND LUMINANCE OF A VIDEO SIGNAL
USING MATRIXCIRCUITS のブロック図である。同図に
おいて、Q1はビデオ信号を輝度信号Yとカラー信号C
に分離するY/C分離回路、Q2は、輝度信号Y、カラ
ー信号Cを色の3原色信号R,G,Bに変換するデコー
ド回路、Q3、Q4、Q5は色補正を行う3行3列のマ
トリクス回路、Q6は色補正された信号をアナログ/デ
ィジタル変換するA/D変換器、Q7はディジタル化さ
れた信号を記憶するフレームメモリ、Q8はγ変換する
ROM、Q9はプリンタのヘッドである。また、Q10
はマトリクス回路Q4に対して係数調整を行う調整回路
である。
【0018】次に動作について説明する。ここでは、本
発明と関連の深い色補正を行う3行3列のマトリクス回
路Q3、Q4、Q5の動作について詳細に説明する。
【0019】まず、マトリクス回路Q3は、入力された
信号をRGB座標系からSfY座標系に変換する。ここ
で、SfY座標系は肌色軸S、緑色軸f、輝度軸Yから
構成される座標系である。マトリクス回路Q3のマトリ
クスをMn とすれば、肌色C1 、緑C2 の色に関して式
(5)に示すようにマトリクスMn が定められる。
【0020】
【数2】
【0021】次に、マトリクス回路Q4は、SfY座標
系で色調整をおこない、SfY座標系で表された信号を
出力する。マトリクス回路Q4のマトリクスをMh とす
れば、Mh は式(6)のように表される。
【0022】
【数3】
【0023】ここで、マトリクスMh の第3列が(0、
0、1)とされている。これは、無彩色信号の輝度を変
化させないためである。このマトリクスMh の第3列が
(0、0、1)であるときに、各マトリクス要素の役割
は次に示すとおりである。
【0024】h11 <1.0 C1の彩度を下げる h11 >1.0 C1の彩度を上げる h21 <0 C1−f軸方向の色相 h21 >0 C1+f軸方向の色相 h31 <0 C1の輝度を下げる h31 >0 C1の輝度を上げる h12 <0 C2−S軸方向の色相 h12 >0 C2+S軸方向の色相 h22 <1.0 C2の彩度を下げる h22 >1.0 C2の彩度を上げる h32 <0 C2の輝度を下げる h32 >0 C2の輝度を上げる
【0025】上記の役割を考慮して、マトリクスMh
係数は、調整回路Q10の指示に従って決められる。
【0026】次に、マトリクス回路Q5は、入力された
信号をSfY座標系からRGB座標系に変換する。ここ
で用いられるマトリクスは、マトリクスMn の逆マトリ
クスである。
【0027】上記、マトリクス回路Q3、Q4、Q5に
よる処理を順に行うことにより、マトリクス回路による
色調整が行われる。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】従来例1の色補正パラ
メータ決定装置は以上のように構成され、動作してい
た。従来例1において、色記憶手段P1に記憶された主
濃度CMYの組み合わせに対しては最小二乗法によりパ
ラメータの最適化がなされているが、記憶されていない
CMYの組み合わせに対しては必ずしもパラメータの最
適化されているとは限らないため、最適化された結果で
あってもプリント結果は適切でない場合もありえる。従
来の色補正パラメータ決定装置は、記憶されていないC
MYについての調整は殆ど出来ないという問題があっ
た。
【0029】仮に調整を行ったとしても、調整後の色バ
ランスが適切である保証はなにもないという問題もあっ
た。例えば調整された結果、無彩色であるべき色が色み
がついてしまって全体的に赤みがかった画像となってし
まうという問題があった。
【0030】さらに、従来例1では、特定のプリンタと
特定のスキャナ(色読取手段)の組み合わせに基づいて
色補正係数、色変換パラメータを最小化する。したがっ
て、プリンタ及びスキャナの組み合わせが変更された場
合は、再度、色補正係数、色変換パラメータの最適化を
行わなければならないという問題もあった。
【0031】従来例2の APPARATUS FOR ADJUSTING HU
E, CHROMINANCE, AND LUMINANCE OFA VIDEO SIGNAL USI
NG MATRIX は上記のように構成されていたので、SfY
座標系で、かつマトリクスの第3列の要素が固定された
条件でしか使用することが出来ないという問題があっ
た。
【0032】また、従来例2では、無彩色信号の輝度を
変更したい場合には、マトリクスの第3列を調整しなけ
ればならないが、その調整に関する事項についてなんら
触れていない。
【0033】また、従来例2では、色調整を行うために
一度他の座標系に変換し、最後に元の座標系に戻してい
るために、座標変換について二重の手間がかかるという
問題もあった。
【0034】この発明は、上記のような問題点を解消す
るためになされたものであり、色バランスが崩れず、色
補正係数を算出する時、調整時いずれの場合にも適用で
きる一貫した色補正方法及び色補正装置を提供すること
を目的としている。
【0035】また、この色補正方法及び色補正装置を応
用した色補正応用装置及びカラー画像システムも併せて
提供することを目的とする。
【0036】また、算出された色補正係数を用いて、高
速に色補正を行う色補正方法及び色補正装置を提供する
ことを目的とする。
【0037】また、対象としている周辺機器の組み合わ
せが変わったとしても、再度、色補正係数を合わせるこ
となく、構成に対応して適切な色が得られる色補正応用
装置及びカラー画像システムを提供することを目的とす
る。
【0038】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る色補正方
法は、画像入力手段からの色入力信号を、上記画像入力
手段に対応する無彩色成分変換マトリクス及び有彩色成
分変換マトリクスに基づき得られる変換マトリクスを用
いて変換する変換ステップと、上記変換ステップによる
変換出力を、画像出力手段に対応する無彩色成分変換マ
トリクス及び有彩色成分変換マトリクスに基づき得られ
る逆変換マトリクスを用いて逆変換する逆変換ステップ
とを備えたものである。
【0039】上記変換ステップにより、入力された赤、
緑、青(RGB)あるいはシアン、マゼンタ、イエロー
(CMY)信号はCIEXYZ空間の信号に変換され
る。上記逆変換ステップにより、CIEXYZ空間の信
号はRGBあるいはCMY信号に変換される。CIEX
YZ空間は、色そのものを比較するための共通の座標で
ある。この種の標準座標として、CIEXYZ空間以外
に、CIELAB空間,CIELUV空間,HSL空間
がある。
【0040】変換マトリクスMは画像入力手段及び画像
出力手段に固有のものであり、後に詳述するように、た
とえば、M=M1 +M2 で与えられる。ここで、M1
無彩色成分変換マトリクス、M2 は有彩色成分変換マト
リクスである。 M1 =k(eRP,eGP,eBP) M2 =(eRV’、eGV’、eBV’) (eRP,eGP,eBP)の各列ベクトルは、有彩色ベクト
ルeR ,eG ,eB の無彩色ベクトルmに平行な成分ベ
クトルである。(eRV、eGV、eBV)の各列ベクトル
は、有彩色ベクトルeR ,eG ,eB の無彩色ベクトル
mに垂直な成分ベクトルである。
【0041】請求項2に係る色補正方法は、上記変換ス
テップの変換マトリクスと上記逆変換ステップの逆変換
マトリクスとからあらかじめ合成された合成マトリクス
に基づき、上記変換ステップと上記逆変換ステップとを
同時に行うことを特徴とするものである。
【0042】請求項3に係る色補正方法は、上記変換ス
テップの変換マトリクスによる演算をルックアップテー
ブルを用いて行うことを特徴とするものである。
【0043】請求項4に係る色補正方法は、上記逆変換
ステップの逆変換マトリクスによる演算をルックアップ
テーブルを用いて行うことを特徴とするものである。
【0044】請求項5に係る色補正方法は、上記変換ス
テップの前に、上記画像入力手段に対応するレスポンス
変換を上記色入力信号に対して行うレスポンス変換ステ
ップと、上記逆変換ステップの後に、上記画像出力手段
に対応する逆レスポンス変換を上記変換出力に対して行
い、この逆レスポンス変換により得られた色出力信号を
上記画像出力手段に出力する逆レスポンス変換ステップ
とを備えたものである。
【0045】レスポンス変換は、後に詳述するように次
式で表される。 R’=fscanner.R (R) G’=fscanner.G (G) B’=fscanner.B (B) 逆レスポンス変換は次式で表される。 Rmonitor =f-1 monitor.R (R”) Gmonitor =f-1 monitor.G (G”) Bmonitor =f-1 monitor.B (B”)
【0046】請求項6に係る色補正方法は、上記無彩色
成分変換マトリクス及び上記有彩色成分変換マトリクス
は、互いに独立であることを特徴とするものである。こ
の独立は、数学的な独立を意味する。
【0047】請求項7に係る色補正方法は、無彩色ベク
トルを、白点及び黒点に基づき設定し、有彩色ベクトル
を、三原色の各点に基づき設定し、上記無彩色成分変換
マトリクスを、上記有彩色ベクトルを上記無彩色ベクト
ルに平行な成分に分解して得られた平行成分のベクトル
和と上記無彩色ベクトルとが一致する条件の下で得られ
た無彩色成分ベクトルに基づき求め、上記有彩色成分変
換マトリクスを、上記有彩色ベクトルの上記無彩色ベク
トルに垂直な成分に分解して得られた垂直成分に対応す
る対応垂直ベクトルをこれら対応垂直ベクトルの和が0
となる条件の下で求め、上記垂直成分と上記対応垂直ベ
クトルとの差が小さくなる条件の下で得られた有彩色成
分ベクトルに基づき求めることを特徴とするものであ
る。
【0048】上記三原色の各点は、赤点(R)、緑点
(G)、青点(B)、あるいは、シアン(C)点、マゼ
ンタ(M)点、イエロー(Y)点に対応する。上記無彩
色成分変換マトリクスの条件式は後に詳述するように次
式で与えられる。 m=k{(WR −BkR )eRP+(WG −BkG )eGP
+(WB −BkB )eBP
【0049】上記有彩色成分変換マトリクスの条件式は
次式である。 (WR −BkR )eRV’+(WG −BkG )eGV’+
(WB −BkB )eBV’=0 さらに、次式で与えられる変化量が最小であることが必
要である。 変化量=LEN(eRV’−eRV)+LEN(eGV’−e
GV)+LEN(eBV’−eBV) LEN()はベクトルの大きさを示す。
【0050】請求項8に係る色補正方法は、基準ベクト
ルを、あらかじめ定められた色補正マトリクスを分解し
て得られるベクトルに基づき設定し、上記色補正マトリ
クスから得られるベクトルを、上記基準ベクトルに平行
な平行ベクトルと垂直な垂直ベクトルとに分解し、上記
無彩色成分変換マトリクスを、上記平行ベクトルに基づ
き求め、上記有彩色成分変換マトリクスを、上記垂直ベ
クトルに基づき求めることを特徴とするものである。
【0051】あらかじめ定められた色補正マトリクス
は、たとえば、公知の補正マトリクスA{aij}であ
る。
【0052】請求項9に係る色補正方法は、請求項1の
上記変換ステップの無彩色成分変換マトリクス及び有彩
色成分変換マトリクスをそれぞれ補正する第1の調整ス
テップ及び第2の調整ステップを備えたことを特徴とす
るものである。
【0053】請求項10に係る色補正方法は、請求項1
の上記逆変換ステップの無彩色成分変換マトリクス及び
有彩色成分変換マトリクスをそれぞれ補正する第1の調
整ステップ及び第2の調整ステップを備えたことを特徴
とするものである。
【0054】請求項11に係る色補正方法は、上記第1
の調整ステップに、上記無彩色成分変換マトリクスを用
いて評価用の画像データから無彩色成分変換画像を求め
るマトリクス演算ステップと、無彩色の程度及び明るさ
の程度について評価を行う評価ステップと、上記評価ス
テップで調整が必要と判断されたときに、上記無彩色成
分変換マトリクスを構成する複数のベクトルを変更して
色バランス及び明るさの調整を行う無彩色調整ステップ
と、調整された上記ベクトルに基づき調整マトリクスを
求める変換マトリクス調整ステップとを備えたことを特
徴とするものである。
【0055】請求項12に係る色補正方法は、上記無彩
色調整ステップは、中間のグレーバランスを変更すると
きは、上記複数のベクトル間の大きさの比を変更し、黒
点に近い色のバランスを変えることなく白点に近い色の
バランスを変更するときは、上記黒点側を中心に上記複
数のベクトルの向きを変更し、白点に近い色のバランス
を変えることなく黒点に近い色のバランスを変更すると
きは、上記白点側を中心に上記複数のベクトルの向きを
変更し、白点に近い色の明るさを変更するときは、上記
複数のベクトルの大きさと上記白点を変更し、黒点に近
い色の明るさを変更するときは、上記複数のベクトルの
大きさと上記黒点を変更することを特徴とするものであ
る。
【0056】請求項13に係る色補正方法は、上記第2
の調整ステップに、上記有彩色成分変換マトリクスを用
いて評価用の画像データから有彩色成分変換画像を求め
るマトリクス演算ステップと、鮮やかさの程度及び色合
いの程度について評価を行う評価ステップと、上記評価
ステップで調整が必要と判断されたときに、上記有彩色
成分変換マトリクスを構成する複数のベクトルを変更し
て色合い及び鮮やかさ調整を行う有彩色調整ステップ
と、調整された上記ベクトルに基づき調整マトリクスを
求める変換マトリクス調整ステップとを備えたことを特
徴とするものである。
【0057】請求項14に係る色補正方法は、上記有彩
色調整ステップは、全体の色合いを変更するときは、上
記複数のベクトルの向きを変更し、全体の鮮やかさを変
更するときは、上記複数のベクトルの大きさを変更する
ことを特徴とするものである。
【0058】請求項15に係る色補正装置は、画像入力
手段からの色入力信号を受ける入力インタフェースと、
上記色入力信号を、上記画像入力手段に対応する無彩色
成分変換マトリクス及び有彩色成分変換マトリクスに基
づき得られる変換マトリクスを用いて変換する第1のマ
トリクス回路と、上記第1のマトリクス回路の出力を、
画像出力手段に対応する無彩色成分変換マトリクス及び
有彩色成分変換マトリクスに基づき得られる逆変換マト
リクスを用いて逆変換する第2のマトリクス回路と、補
正後の色信号を上記画像出力手段に出力する出力インタ
フェースとを備えたものである。
【0059】請求項16に係る色補正装置は、上記入力
インタフェースの出力に対して上記画像入力手段に対応
するレスポンス変換を行い、変換後の出力を上記第1の
マトリクス回路に出力する第1のレスポンス回路と、上
記第2のマトリクス回路の変換出力に対して上記画像出
力手段に対応する逆レスポンス変換を行い、変換後の出
力を上記出力インタフェースに出力する第2のレスポン
ス回路とを備えたことを特徴とするものである。
【0060】請求項17に係る色補正応用装置は、画像
入力手段としてのスキャナと、画像出力手段としてのモ
ニタと、画像出力手段としてのプリンタと、変換マトリ
クス及び逆変換マトリクスを保持する記録装置と、上記
記録装置が保持する変換マトリクス及び逆変換マトリク
スに基づき色補正を行う請求項15記載の色補正装置を
備え、上記スキャナからの色入力信号を補正し、補正後
の信号を上記モニタあるいは上記プリンタに出力するコ
ンピュータとを備えたものである。
【0061】請求項18に係る色補正応用装置は、画像
入力手段としてのスキャナと、画像出力手段としてのモ
ニタと、画像出力手段としてのプリンタと、変換マトリ
クス、逆変換マトリクス、レスポンス変換及び逆レスポ
ンス変換のデータを保持する記録装置と、上記記録装置
が保持する変換マトリクス、逆変換マトリクス、レスポ
ンス変換及び逆レスポンス変換のデータに基づき色補正
を行う請求項16記載の色補正装置を備え、上記スキャ
ナからの色入力信号を補正し、補正後の信号を上記モニ
タあるいは上記プリンタに出力するコンピュータとを備
えたものである。
【0062】請求項19に係る色補正応用装置は、テス
トチャート、プリンタ出力画像及びモニタ表示画像を測
色する測色計を備え、上記コンピュータは、上記測色計
の測定結果に基づき補正に関する色データを作成して上
記記録装置に記録することを特徴とするものである。
【0063】請求項20に係るカラー画像システムは、
固有の無彩色成分変換マトリクス及び有彩色成分変換マ
トリクスに基づき得られる変換マトリクスを用いて色信
号を変換して出力する複数の画像入力手段と、固有の無
彩色成分変換マトリクス及び有彩色成分変換マトリクス
に基づき得られる逆変換マトリクスを用いて入力された
色信号を逆変換して表示する複数の画像出力手段とを備
え、上記複数の画像入力手段と上記複数の画像出力手段
との間の信号が上記変換マトリクスにより変換された信
号であることを特徴とするものである。
【0064】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態1.以下、この発明の実施の形態を図
について説明する。図1は、本発明の一発明の実施の形
態を示す全体ブロック図である。同図において、1は画
像入力手段である。2は画像入力手段1からの画像デー
タを受けて色補正を行う色補正手段である。3は色補正
手段2により補正された画像データを受けて画像を出力
する画像出力手段である。画像入力手段1より入力され
た画像データは、色補正手段2において、画像入力手段
1と画像出力手段3との間の色特性の差異を補償する変
換を施される。
【0065】本発明は、色補正手段2で用いられる色補
正方法、およびその実現方法に特徴がある。以下、色補
正手段2について詳細に説明する。図2は、色補正手段
2における色補正処理の流れ図である。説明を分かりや
すくするために、画像入力手段1からの入力画像データ
はスキャナで読取られたスキャナRGBデータとし、画
像出力手段1に対する出力画像データはモニタに表示さ
れるモニタRGBデータとする。
【0066】スキャナRGBデータ(20)は、後述さ
れるRGB−XYZ変換(21)を施され、公知である
CIEXYZの色空間データ(22)に変換される。そ
の後、CIEXYZデータは、同じく後述されるXYZ
−RGB変換(23)により、モニタRGBデータ(2
4)に変換される。このように、本発明はRGB−XY
Z変換、及び、XYZ−RGB変換の両方を行うこと、
すなわち、いったんXYZ空間を経由して行う色補正方
法であることに特徴がある。
【0067】次にこの発明の実施の形態1の色補正方法
について説明する。まず、最初に色補正に用いる変換式
の求め方について説明する。次に求められた変換式を用
いた色補正について説明する。
【0068】[色補正に用いる変換式の求め方]では、
RGB−XYZ変換(21)について説明する。図3に
RGB−XYZ変換(21)の流れ図を示す。RGBデ
ータ(20)は、レスポンス変換(210)され、つい
で、RGB−XYZマトリクス変換(211)される。
【0069】<レスポンス変換式の求め方>図4に示す
手順でレスポンス変換式は求められ、レスポンス変換
(210)は、このレスポンス変換式に従い変換が行わ
れる。では、図4から図6を参照してレスポンス変換式
の設定について説明を行う。
【0070】図4におけるカラーチャートの準備(21
00)は、図5に示すようなディジタルデータを有する
複数の色見本を用意することである。工業的に色は三つ
の独立した色成分、例えば、赤(R)、緑(G)、青
(B)、または、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエ
ロー(Y)の組み合わせで表現できる。図5には、赤系
統カラーチャートの色成分を示している。ここで、各色
成分は8ビットの階調を有していると仮定している。よ
って、色見本番号0の(R、G、B)=(0、0、0)
は黒を、色見本番号(m−1)の(R、G、B)=(2
55、0、0)は他成分のない純粋な赤を、色見本番号
(n)の(R、G、B)=(255、255、255)
は白を表す。
【0071】図5は、黒から純粋な色(図5では純粋な
赤)を経て、白までの色を数段階準備することを示して
いる。図5は、赤系統のカラーチャートの色成分だけを
示したが、同様に、緑、青、シアン、マゼンタ、イエロ
ー、そして、グレイの各系統のカラーチャートを準備す
る。グレイ系統のカラーチャートは、黒から灰色を経
て、白に至る色の色見本である。したがって、カラーチ
ャートの準備2100により、無彩色と有彩色の両方の
カラーチャートが提供される。なお、従来のカラーパッ
チプリントは、上述のような系統だったものではなかっ
た。
【0072】次に、図4に示すカラーチャートの測色
(2101)が行われる。カラーチャートの準備(21
00)で用意された複数の色見本を測色計を用いて測色
する。このとき測色値はCIEXYZ表色系で求められ
る。
【0073】次に、図4に示すカラーチャートのスキャ
ン(2102)が行われる。これは、カラーチャートの
準備(2100)で用意された複数の色見本をスキャナ
でスキャンして、読取データ値を求めることである。読
取データ値は、スキャナが読取ったRGB値である。こ
のRGB値は、カラーチャートの準備(2100)で述
べた色成分R、G、Bの値とは一致しないものである。
【0074】次に、図4に示すグラフ作成(2103)
が行われる。これは、カラーチャートの測色(210
1)、および、カラーチャートのスキャン(2102)
で得られたデータを基づきグラフの作成が行われる。レ
スポンス変換に必要なデータは、グレイ系統のカラーチ
ャートの測色値とスキャナでの読取データ値である。こ
れらのデータから、R−X、G−Y、B−Yのグラフを
作成する。図6に横軸に測色値のX、縦軸にスキャン値
のRをとったグラフを示す。図中、黒丸がカラーチャー
トの各色見本のデータを現している。
【0075】次に、図4に示す近似曲線作成(210
4)が行われる。これは、グラフ作成(2103)でプ
ロットされたデータ(図中の黒丸)を基に、非線形最小
二乗法やn次曲線最小二乗法などの統計的手法を用い
て、近似曲線を求めることである。図6に示す実線bが
近似曲線である。
【0076】次に、図4に示す直線設定に(2105)
が行われる。ここでは、カラーチャートの白の色見本の
読取データ値(図6の左端の黒丸)及び黒の色見本の読
取データ値(図6の右端の黒丸)を通過するような直線
を設定する。図6の破線が設定された直線aを現す。
【0077】次に、レスポンス変換式作成(2106)
が行われる。図6は、グラフ作成(2103)、近似曲
線作成(2104)、直線設定(2105)の結果出来
上がったグラフを一緒に示す。ここでX=X0 としたと
き、縦軸Rに平行に引いた直線と近似曲線作成(210
4)の結果得られた近似曲線bとの交点、および、縦軸
Rに平行に引いた直線と直線設定(2105)の結果得
られた直線aとの交点までの距離をそれぞれB、Aとし
た場合、R=Bの値が入力されたときにAの値を返すこ
とをレスポンス変換すると言う。図6のグラフに基づ
き、近似曲線上のデータを直線上のデータに置き換える
作業を行うことがレスポンス変換である。この置き換え
作業を関数化したものが、スキャナのR信号に対するレ
スポンス変換式(7)である。同様にして、G−Y、B
−Zのグラフより、スキャナのG信号、B信号に対する
レスポンス変換式(7)が求められる。
【0078】 R’=fR (R) G’=fG (G) (7) B’=fB (B)
【0079】では、RGB−XYZマトリクス変換(2
11)について説明をする。図7はRGB−XYZマト
リクス変換(211)におけるRGB−XYZ変換マト
リクスの作成手順を述べたものである。ここで作成され
たRGB−XYZ変換マトリクスを用いてRGB−XY
Zマトリクス変換(211)が行われる。
【0080】図7から図11を参照してRGB−XYZ
変換マトリクスの作成手順を詳細に説明する。図7にお
けるホワイト・ポイント、ブラック・ポイントの設定
(2110)は、レスポンス変換式(7)をグレイ系統
カラーチャートのスキャン値に適用して得られたグラフ
(図8)を利用して、スキャナのホワイト、ブラックの
ポイント(図8の左端の白丸、右端の白丸)を決めるこ
とである。スキャン値をレスポンス変換した点を黒丸で
示す。カラーチャートの色見本の白、黒は、必ずしもス
キャナが読み取れる限界の色であるわけではないので、
測定点(黒丸)列を外挿して、ホワイト、ブラックのポ
イントを設定する。
【0081】次に、図7の無彩色ベクトルの設定(21
11)を行う。ホワイト・ポイント、ブラック・ポイン
トの設定(2110)で、ホワイト・ポイント、ブラッ
ク・ポイントを式(8)の様に設定したとする。ホワイ
ト、ブラックともにCIEXYZ色空間での値と、スキ
ャナのRGB色空間での値のふたつを有する。
【0082】 ホワイト=(WX ,WY ,WZ )(CIEXYZ色空間) =(WR ,WG ,WB )(スキャナRGB色空間) ブラック=(BkX ,BkY ,BkZ )(CIEXYZ色空間) (8) =(BkR ,BkG ,BkB )(スキャナRGB色空間)
【0083】式(8)の値を用いて無彩色ベクトルmを
次のように設定する。 m={Wx −BkX ,WY −BkY ,WZ −BkZ } (9)
【0084】次に、図7の有彩色ベクトルの設定(21
12)を行う。カラーチャートのスキャン(2102)
で得られた有彩色系統(スキャナの場合は、R系統、G
系統、B系統)の色見本のスキャナの読取データ値をレ
スポンス変換式(7)で変換し、図8と同様なグラフを
作成する。ついで、ホワイト・ポイント、ブラック・ポ
イントの設定(2110)の場合と同様に、レッド・ポ
イント、グリーン・ポイント、ブルー・ポイント(式
(10))を設定する。
【0085】 レッド =(RX ,RY ,RZ )(CIEXYZ色空間) =(RR ,RG ,RB )(スキャナRGB色空間) グリーン=(GX ,GY ,GZ )(CIEXYZ色空間) =(GR ,GG ,GB )(スキャナRGB色空間) (10) ブルー =(BX ,BY ,BZ )(CIEXYZ色空間) =(BR ,BG ,BB )(スキャナRGB色空間)
【0086】式(10)を用いて次のベクトルを求め
る。レッドについてだけ示したが、グリーン、ブルーに
ついても同様に求める。 Rat CIEXYZ ={Rx −BkX ,RY −BkY ,RZ −BkZ } Rat scannerRGB ={RR −BkR ,RG −BkG ,RB −BkB } (11-2)
【0087】ついで、CIEXYZ色空間におけるベク
トル(式11−1)を、スキャナRGB色空間における
ベクトル(式11−2)の大きさで割ったベクトルを有
彩色ベクトル(式12)として設定する。 eR =Rat CIEXYZ /LEN(Rat scannerRGB ) (12) ここで、LEN()はベクトルの大きさを示す。
【0088】次に、図7の有彩色ベクトルの分割(21
13)を行う。一般に、ベクトルは分解方向が決まれ
ば、複数のベクトルに分解できる。ここでは、図9に示
すように、無彩色ベクトルmに平行なベクトルeRP、無
彩色ベクトルmに垂直な平面上のベクトルeRVに分解す
る。G,Bについても同様に分解する。
【0089】次に、図7の第1マトリクス作成(211
4)を行う。有彩色ベクトルの分割(2113)で、無
彩色ベクトルmに平行な3つのベクトル(eRP、eGP
BP、図10)が得られた。今、式(13)を満たす定
数kを求める。 m=k{(WR −BkR )eRP +(WG −BkG )eGP+(WB −BkB )eBP} (13)
【0090】式(13)で求めたkより、第1マトリク
スM1を式(14)の様に作成する。 M1 =k(eRP,eGP,eBP) (14)
【0091】ここで、第1マトリクスM1 の意味につい
て説明する。第1マトリクスM1 を用いて、式(15)
を考える。
【0092】
【数4】
【0093】ベクトル(eRP,eGP,eBP)は無彩色ベ
クトルmに平行であるから、適当な無彩色のベクトルe
P を用いて、式(16)に置き換えられる。ここで、j
R 、jG 、jB は定数である。 eRP=jRP ,eGP=jGP ,eBP=jBP (16)
【0094】式(16)を用いて、式(15)を書き換
えると、式(17)となる。ここで、jはスカラーであ
る中括弧内部を置き換えたものである。この式(17)
は、式(15)の演算を施すと、無彩色ベクトルに平行
なベクトルに変換できることを示している。即ち、第1
マトリクスは、無彩色成分変換マトリクスの意味を有す
る。
【0095】 式(15)={k(R−BkR )jR +k(G−BkG )jG +k(B−BkB )jB }eP =jeP (17)
【0096】次に、図7に示す第2マトリクス作成(2
115)を行う。有彩色ベクトルの分割(2113)で
無彩色ベクトルmに垂直な3つのベクトル(eRV
GV、eBV、図11)を得た。ここでは、無彩色をスキ
ャナで読取ったデータに対して、次に示す式(18)を
満たすようにベクトルeRV’、eGV’、eBV’を求め
る。これらのベクトルeRV’、eGV’、eBV’は、垂直
ベクトルeRV、eGV、eBVにそれぞれ対応する。一般
に、数多くのeRV’、eGV’、eBV’の組み合わせが考
えられるが、ここではさらに次の式(19)の条件を加
える。すなわち、それぞれの変化量の和が最小となる制
限条件のもとでベクトルeRV’、eGV’、eBV’を求め
る。
【0097】 (WR −BkR )eRV’+(WG −BkG )eGV’ +(WB −BkB )eBV’=0 (18) 変化量=LEN(eRV’−eRV) +LEN(eGV’−eGV)+LEN(eBV’−eBV) (19) LEN()はベクトルの大きさを示す。
【0098】式(18)、式(19)の制約条件下でで
求めたベクトルeRV’、eGV’、eBV’を用いて、式
(20)に示す第2マトリクスM2 を求める。 M2 =(eRV’、eGV’、eBV’) (20)
【0099】ここで、第2マトリクスM2 の意味につい
て説明する。第2マトリクスM2 を用いて、式(21)
を考える。
【0100】
【数5】
【0101】ここで、式(21)のベクトルを無彩色ベ
クトルm1 と有彩色ベクトルc1 とに分解する(式(2
2))。
【0102】
【数6】
【0103】式(21)は、式(22)を用いて式(2
3)と表される。右辺の第1項は、式(18)が示すよ
うに、無彩色ベクトルm1 に対しては、0となる。なぜ
なら、ベクトルm1 は無彩色ベクトルmの定数倍である
からである。よって、第2項だけが残る。これから分か
るように第2マトリクスM2 は、有彩色成分に対してだ
け働く有彩色成分変換マトリクスの意味を有する。 式(22)=M2 (m1 +c1 ) =M21 (23)
【0104】次に、図7に示すRGB−XYZ変換マト
リクス作成(2116)に進む。ここでは、第1マトリ
クス作成(2114)、第2マトリクス作成(211
5)で得られたマトリクスM1 とM2 を加算して、RG
B−XYZ変換マトリクスMを作成する。 M=M1 +M2 (24) RGB−XYZ変換マトリクスMは、第1マトリクスM
1 、第2マトリクスM2 の意味付けから分かるように、
RGB−XYZ変換マトリクスMで無彩色ベクトルを変
換しても、変換後のベクトルと無彩色ベクトルは、始点
を黒色とした平行ベクトルとなる。言い換えれば、RG
B−XYZ変換マトリクスMは、無彩色ベクトルを固有
ベクトルとするマトリクスである。そのため、スキャナ
のRGB色空間での無彩色ベクトル上のスキャナ読取デ
ータ値は、CIEXYZ色空間上の無彩色ベクトル上に
必ず変換される。
【0105】<XYZ−RGB変換マトリクス及び逆レ
スポンス変換の求め方>以上で、図2に示すRGB−X
YZ変換(21)に必要なデータが揃った。次に、XY
Z−RGB変換(23)について説明する。XYZ−R
GB変換(23)の詳細を図12に示す。XYZ−RG
B変換(23)は、大きくXYZ−RGBマトリクス変
換(230)と逆レスポンス変換(231)に分けられ
る。これらの二つの変換は、それぞれRGB−XYZマ
トリクス変換(211)、レスポンス変換(210)と
逆変換の関係にある。よって、数学的に逆変換式を求め
てXYZ−RGB変換(23)用のデータとすれば良
い。
【0106】入力画像データがスキャナで読取られたス
キャナRGBデータ、出力画像データがモニタに表示さ
れるモニタRGBデータである場合、XYZ−RGB変
換(23)に必要なデータは、モニタの測色データであ
る。モニタ用のレスポンス変換式とRGB−XYZ変換
マトリクスを求め方は、スキャナ用の場合と同様であ
る。モニタの測色データは、図13に示す手順で測色さ
れ、レスポンス変換式が作成される。カラーチャートの
準備(2300)では、図5に示したような画像データ
を準備する。モニタの場合は、この画像データがモニタ
のRGB値となる。
【0107】次に、カラーチャートの測色(2301)
を行う。モニタの場合は、カラーチャートとして用意し
た画像データを、モニタ上に表示して、測色計で測色す
る。以後の手順(2302から2305)は、スキャナ
で述べた手順(図4)と同様である。また、モニタ用の
RGB−XYZ変換マトリクスは、図7で示した同様の
手順で作成する。
【0108】以上で、モニタ用のレスポンス変換式とR
GB−XYZ変換マトリクスが得られる。次に、これら
の逆変換式を数学的に求め、逆レスポンス変換式、XY
Z−RGB変換マトリクスとする。
【0109】今までに、得られた式を式(25)にまと
めて示す。スキャナ用の式は、scanner 、モニタ用の式
は、monitor の添字をつけた。
【0110】 R’=fscanner.R (R) G’=fscanner.G (G) (25-1) B’=fscanner.B (B) T (X,Y,Z)=Mscanner T (R’,G’,B’) (25-2) T (R”,G”,B”)=M-1 monitor T (X,Y,Z) (25-3) Rmonitor =f-1 monitor.R (R”) Gmonitor =f-1 monitor.G (G”) (25-4) Bmonitor =f-1 monitor.B (B”) ただし、Tは行列の転置を示す。
【0111】[求められた変換式を用いた色補正]以上
の手順により、スキャナ、モニタの色特性を表す式が得
られた。次に、これらの式を用いて、実際に色を補正す
る手順を説明する。図14に、色補正の手順を示す。ス
キャナRGBデータ(20)は、まずスキャナ用レスポ
ンス変換(210)される。ここでは、式(25−1)
の演算を行う。次に、スキャナ用RGB−XYZ変換
(211)される。ここでは、式(25−2)の演算を
行う。これらスキャナ用レスポンス変換(210)、ス
キャナ用RGB−XYZ変換(211)を行い、CIE
XYZデータ(22)となる。図4、図7で示した手順
で変換式を求めているので、これらの変換(210、2
11)を行っても、スキャナの無彩色軸が変化すること
はない。
【0112】ついで、CIEXYZデータ(22)は、
モニタ用XYZ−RGB変換(230)、モニタ用逆レ
スポンス変換(231)される。それぞれ、式(25−
3)、式(25−4)の演算を行う。これらの変換(2
30、231)によっても、モニタの無彩色軸が変化す
ることはない。
【0113】以上の変換を施されたモニタRGBデータ
(24)は、画像出力手段3に送られ、画像出力され
る。
【0114】以上のようにこの発明の実施の形態1によ
れば、RGBをXYZに変換してから再びRGBに戻し
ている。上記RGBとXYZとの間の変換は、無彩色成
分変換マトリクスM1 と有彩色成分変換マトリクスM2
との和である変換マトリクスMによりなされる。この変
換マトリクスによれば、変換の際にスキャナの無彩色
軸、モニタの無彩色軸は変化しない。したがって、補正
する際に、無彩色であるべき色に色みがつき赤みがかる
という不都合がなくなり、カラーバランスの良い画像が
得られる。
【0115】発明の実施の形態2.次に、本発明の実施
の形態2について説明する。この発明の実施の形態2に
おいては、CIEXYZデータを経ずにスキャナ用RG
Bからモニタ用RGBへの変換が行われる。
【0116】図15にこの発明の実施の形態2における
色補正の手順を示す。図15は、図14に対応する流れ
図である。スキャナRGBデータ(20)は、スキャナ
用レスポンス変換(210)で実施の形態1の場合と同
様のレスポンス変換が行われる。ここでは、式(25−
1)の演算が行なわれる。
【0117】次に、スキャナ用RGB−モニタ用RGB
変換(212)で所定の変換がなされる。ここでは、式
(25−2)、式(25−3)を合わせた演算を行う。
即ち式(26)に示すモニタ用XYZ−RGB変換(2
30)に使用するマトリクス式(25−3)とスキャナ
用RGB−XYZ変換(211)に使用するマトリクス
式(25−2)とを予めマトリクス演算して得られたマ
トリクスを用いて、スキャナ用RGB−モニタ用RGB
変換を行う。
【0118】
【数7】
【0119】ついで、モニタ用逆レスポンス変換(23
1)を行う。ここでは、式(25−4)の演算を行う。
【0120】一連の変換(210、212、231)を
行っても、スキャナの無彩色軸、モニタの無彩色軸は変
化することはない。さらに、この発明の実施の形態2に
よれば、予め式(26)に示したマトリクスを求めてい
るので、マトリクス演算の回数が、発明の実施の形態1
に対して減っており、処理の高速化が図れる。
【0121】発明の実施の形態3.次に、本発明の実施
の形態3について説明をする。この発明の実施の形態3
においては、スキャナ用レスポンス変換、スキャナ用R
GB−モニタ用RGB変換、及び、モニタ用逆レスポン
ス変換は、RAM、ROM等のメモリを用いたテーブル
ルックアップにより行われる。
【0122】図16に発明の実施の形態3における色補
正の手順を示す。まず、スキャナRGBデータ(20)
を引数として、ルックアップテーブル1〜9を引く(2
13)。
【0123】ルックアップテーブル1〜9は以下のよう
にして作成される。発明の実施の形態2で求められたス
キャナ用RGB−モニタ用RGB変換(212)のマト
リクスを式(27)とする。
【0124】
【数8】
【0125】式(27)に示した各々の要素に対して、
図17に示した表に従って、ルックアップテーブル1〜
9を作成する。例えば、ルックアップテーブル1(LU
T11 )の内容は、スキャナの各R入力(0から255
まで)に対してスキャナ用レスポンス変換(210)の
式(25−1)のR用の演算fscanner R (R
scanne r )を施したのち、この値と式(27)のマトリ
クス要素M11とをかけたものである。以下同様にして、
スキャナの各R、G、B入力とそれらを演算した結果と
の対応関係を示す9つのルックアップテーブル1〜9
(LUT2〜9)を作成する。以上のように、ルックア
ップテーブルは、スキャナのRGB入力とモニタのRG
B出力との対応関係を示すテーブルである。
【0126】ルックアップテーブル1〜9を引く(21
3)ことにより、9つのテーブル値が得られる。これら
9つのテーブル値を式(28)のように書くこととす
る。
【0127】 LUT1(Rscanner ) LUT2(Gscanner ) LUT3(Bscanner ) LUT4(Rscanner ) LUT5(Gscanner ) (28) LUT6(Bscanner ) LUT7(Rscanner ) LUT8(Gscanner ) LUT9(Bscanner
【0128】次に、ルックアップテーブル1〜9のテー
ブル値の加算(214)を行う。ここでは、式(29)
に示すように、3つのテーブル値を加算して、3つの数
値を得る。ここまでの手順により、図15に示すところ
のスキャナ用レスポンス変換(210)及びスキャナ用
RGB−モニタ用RGB変換(212)が終了したこと
になる。 R”=LUT1(Rscanner ) +LUT2(Gscanner )+LUT3(Bscanner ) G”=LUT4(Rscanner ) +LUT5(Gscanner )+LUT6(Bscanner ) (29) B”=LUT7(Rscanner ) +LUT8(Gscanner )+LUT9(Bscanner
【0129】ついで、上記の3つの加算値を引数として
ルックアップテーブルa〜cを引く(232)。
【0130】ルックアップテーブルa〜c(LUTa〜
c)は、図18に示す対応関係を有する。LUTa〜c
の内容は、図17のルックアップテーブルにより得られ
たモニタ色補正の中間値R”、G”、B”の各入力と、
これを式(25−4)のモニタ用逆レスポンス変換式に
代入して得られた結果との対応関係である。 Rmonitor =LUTa(R”) Gmonitor =LUTb(G”) (30) Bmonitor =LUTc(B”)
【0131】3つの加算値を引数としてルックアップテ
ーブルa〜cを引いた(232)結果で得られた3つの
テーブル値(式30)は、図15に示すところのスキャ
ナ用レスポンス変換(210)、スキャナ用RGB−モ
ニタ用RGB変換(212)、モニタ用逆レスポンス変
換(231)をすべて施されたモニタRGBデータ(2
4)となる。
【0132】この発明の実施の形態3では、ルックアッ
プテーブルで各演算を行うこととしたため、発明の実施
の形態2よりさらに高速に演算することが出来る。
【0133】発明の実施の形態4.本発明の実施の形態
4について述べる。この発明の実施の形態4は、上記発
明の実施の形態1の処理をハードウエアで実現するため
の構成に関するものである。
【0134】図19は発明の実施の形態4の装置のブロ
ック図である。図中、入力インタフェース(200)
は、図1の画像入力手段(1)とのインタフェースをつ
かさどるブロックである。レスポンス回路(215)
は、式(25−1)に示すレスポンス変換式に従って、
レスポンス変換を行う。レジスタ(2150)は、式
(25−1)に関する係数や、パラメータ値を記憶する
ブロックである。マトリクス回路(216)は、式(2
5−2)に示すRGB−XYZマトリクス変換を行うブ
ロックである。レジスタ(2160)は、式(25−
2)に関する係数や、パラメータ値を記憶するブロック
である。
【0135】マトリクス回路(233)は、式(25−
3)に示すXYZ−RGBマトリクス変換を行うブロッ
クである。レジスタ(2330)は、式(25−3)に
関する係数や、パラメータ値を記憶するブロックであ
る。逆レスポンス回路(234)は、式(25−4)に
示す逆レスポンス変換式に従って、逆レスポンス変換を
行う。レジスタ(2150)は、式(25−4)に関す
る係数や、パラメータ値を記憶するブロックである。出
力インタフェース(240)は、図1の画像出力手段
(3)とのインタフェースをつかさどるブロックであ
る。
【0136】つぎに動作について説明する。入力インタ
フェース(200)に入力された画像データは、レスポ
ンス回路(215)、マトリクス回路(216)、マト
リクス回路(233)、レスポンス回路(234)で順
次演算され、出力インタフェース(240)より出力さ
れる。一連の演算により、図14に示した色補正の手順
が行われる。出力されるデータは、画像出力手段(3)
の特性にあったデータとなる。
【0137】この発明の実施の形態4では、図14の処
理手順をハードウェアで処理する構成としたので、発明
の実施の形態1、発明の実施の形態2、発明の実施の形
態3いずれよりも高速に処理できる。また、レジスタ
(2150、2160、2330、2340)の内容を
書き換えるだけで、画像入力手段(1)、画像出力手段
(3)の特性の変化に対応できる。
【0138】発明の実施の形態5.発明の実施の形態5
について述べる。上記発明の実施の形態1〜4は、RG
B入力を受けてRGBを出力した。この発明の実施の形
態5は、RGB入力を受けてCMYを出力する。
【0139】図20は、発明の実施の形態5における色
補正処理の流れ図である。発明の実施の形態5では、ス
キャナRGBデータ(20)から、プリンタCMYデー
タ(26)への色補正について述べる。プリンタがRG
Bデータを受け付ける場合は、発明の実施の形態1に即
して色補正を行えば良い。CMYデータを受け付ける場
合は、図20に示すように、スキャナRGBデータ(2
0)は、前述されたRGB−XYZ変換(21)を施さ
れ、公知であるCIEXYZの色空間データ(22)に
変換される。その後、CIEXYZデータは、後述され
るXYZ−CMY変換(25)により、プリンタCMY
データ(26)に変換される。
【0140】スキャナRGBデータ(20)のRGB−
XYZ変換(21)は、発明の実施の形態1で述べたと
おりである。
【0141】では、XYZ−CMY変換(25)につい
て説明する。XYZ−RGB変換(25)の詳細を図2
1に示す。XYZ−CMY変換(25)は、大きくXY
Z−CMYマトリクス変換(250)と逆レスポンス変
換(251)に分けられる。
【0142】図22に示す手順でレスポンス変換式を求
める。このレスポンス変換の逆変換が逆レスポンス変換
(251)である。では、図22から図24を参照して
レスポンス変換式の設定について説明を行う。図22に
おけるカラーチャートの準備(2510)は、CMYに
関する図23に示すようなディジタルデータを有する複
数の色見本を用意することである。図23には、シアン
系統カラーチャートの色成分を示している。ここで、各
色成分は8ビットの階調を有していると仮定している。
よって、(C、M、Y)=(0、0、0)は白を、
(C、M、Y)=(255、0、0)は他成分のない純
粋なシアンを、(C、M、Y)=(255、255、2
55)は黒を表す。図23は、白から純粋な色(図23
では純粋なシアン)を経て、黒までの色を数段階準備す
ることを示している。
【0143】ここでは、シアン系統のカラーチャートの
色成分だけを示したが、他にも、赤、緑、青、マゼン
タ、イエロー、そして、グレイの各系統のカラーチャー
トを準備する。グレイ系統のカラーチャートは、白から
灰色を経て、黒に至る色の色見本である。プリンタの場
合、このテストチャートのデータがプリンタのCMY値
となる。
【0144】次に、図22に示すカラーチャートの測色
(2511)を行う。カラーチャートの準備(251
0)で用意された複数の色見本を測色計を用いて測色す
る。CIEXYZ表色系での測色値を求める。
【0145】次に、図22に示すグラフ作成(251
2)を行う。ここでは、カラーチャートの準備(251
0)で得られたCMY値、および、カラーチャートの測
色(2511)で得られたXYZ値を基にグラフを作成
する。レスポンス変換に必要なデータは、グレイ系統の
カラーチャートのCMY値とカラーチャートの測色値で
ある。これらのデータから、C−X、M−Y(CIEX
YZのY)、Y(CMYのY)−Zのグラフを作成す
る。図24に横軸を測色値のX、縦軸をCMY値のCと
したグラフを示す。図中、黒丸がカラーチャートの各色
見本のデータを現している。
【0146】次に、図22に示す近似曲線作成(251
3)に移る。これは、グラフ作成(2512)でプロッ
トしたデータを基に、非線形最小二乗法やn次曲線最小
二乗法などの統計的手法を用いて、近似曲線を求める。
図24に示す実線bが近似曲線である。
【0147】次に、図22に示す直線設定(2514)
に移る。ここでは、カラーチャートの白、黒の色見本の
読取データ値を通過するような直線を設定する。図24
の破線が設定された直線aを現す。
【0148】次に、レスポンス変換式作成(2515)
に進む。図24は、グラフ作成(2512)、近似曲線
作成(2513)、直線設定(2514)の結果出来上
がったすべてのグラフを示す。縦軸Cに平行に引いた直
線と、近似曲線作成(2513)の結果得られた近似曲
線b、および、直線設定(2514)の結果得られた直
線aとの交点までの距離をそれぞれB、Aとした場合、
C=Bの値が入力されたときに、Aの値を返すことをレ
スポンス変換すると言う。このようにして、近似曲線上
のデータを、直線場のデータに置き換える作業を行うこ
とがレスポンス変換である。この置き換え作業を関数化
したものが、プリンタのC信号に対するレスポンス変換
式である。同様にして、M−Y(CIEXYZのY)、
Y(CMYのY)−Zのグラフより、プリンタのM信
号、Y信号に対するレスポンス変換式を求める。これら
レスポンス変換の逆変換が逆レスポンス変換(251)
である。レスポンス変換式及び逆レスポンス変換式を式
(31)で表す。
【0149】 C’=fC (C) M’=fM (M) (31-1) Y’=fY (Y) C=fC -1 (C”) M=fM -1 (M”) (31-2) Y=fY -1 (Y”)
【0150】では、XYZ−CMYマトリクス変換(2
50)について説明する。XYZ−CMYマトリクス変
換(250)は、CMY−XYZマトリクス変換の逆変
換である。そこで、はじめにCMY−XYZ変換マトリ
クスを求める。図25はCMY−XYZ変換マトリクス
の作成手順を述べたものである。ここで作成されたCM
Y−XYZ変換マトリクスの逆マトリクスを用いてXY
Z−CMYマトリクス変換(250)を行う。
【0151】図25から図29を参照してCMY−XY
Z変換マトリクスの作成手順を詳細に説明する。図25
におけるホワイト・ポイント、ブラック・ポイントの設
定(2500)は、レスポンス変換式(式31)をグレ
イ系統カラーチャートのスキャン値に適用して得られた
グラフ(図26)を利用して、プリンタのホワイト、ブ
ラックのポイントを決めることである。CMY値をレス
ポンス変換した点を黒丸で示す。カラーチャートの色見
本の白、黒は、必ずしもプリンタが再現できる限界の色
であるわけではないので、測定点(黒丸)列を外挿し
て、ホワイト、ブラックのポイント(図26の白丸)を
設定する。
【0152】次に、図22の無彩色ベクトルの設定(2
501)を行う。ホワイト・ポイント、ブラック・ポイ
ントの設定(2500)で、ホワイト・ポイント、ブラ
ック・ポイントを式(32)の様に設定したとする。ホ
ワイト、ブラックともにCIEXYZ色空間での値と、
プリンタのCMY色空間での値のふたつを有する。
【0153】 ホワイト=(WX ,WY ,WZ ) =(WC ,WM ,WY ) ブラック=(Bkx ,BkY ,BkZ ) (32) =(Bkc ,BkM ,BkY
【0154】式(32)の値を用いて無彩色ベクトルm
を次のように設定する。 m=(WX −Bkx ,WY −BkY ,WZ −BkZ ) (33)
【0155】次に、図22の有彩色ベクトルの設定(2
502)を行う。カラーチャートの準備(2510)で
得られた有彩色系統(プリンタの場合は、C系統、M系
統、Y系統)の色見本のCMY値をレスポンス変換式
(30)で変換し、図24と同様なグラフを作成する。
ついで、ホワイト・ポイント、ブラック・ポイントの設
定(2500)と同様に、シアン・ポイント、マゼンタ
・ポイント、イエロー・ポイント(式34)を設定す
る。
【0156】 シアン=(CX ,CY ,CZ ) =(Cc ,CM ,CY ) マゼンタ=(MX ,MY ,MZ ) =(Mc ,MM ,MY ) (34) イエロー=(YX ,YY ,YZ ) =(YC ,YM ,YY
【0157】式(34)を用いて次のベクトルを求め
る。シアンについてだけ示したが、マゼンタ、イエロー
についても同様に求める。
【0158】 Cat CIEXYZ =(CX −BkX ,CY −BkY ,CZ −BkZ ) (35-1) Cat printerCMY =(CC −Bkc ,CM −BkM ,CY −BkY ) (35-2)
【0159】ついで、CIEXYZ色空間におけるベク
トル(式35−1)を、プリンタCMY色空間における
ベクトル(式35−2)の大きさで割ったベクトルを有
彩色ベクトル(式36)として設定する。 eC =Cat CIEXYZ /LEN(Cat printerCMY ) (36)
【0160】次に、図25の有彩色ベクトルの分割(2
503)を行う。一般に、ベクトルは、分解方向が方向
が決まれば、複数のベクトルに分解できる。ここでは、
図27に示すように、無彩色ベクトルmに平行なベクト
ル(eCP)、無彩色ベクトルmに垂直な平面上のベクト
ル(eCV)に分解する。
【0161】次に、図25の第1マトリクス作成(25
04)を行う。有彩色ベクトルの分割(2503)で、
無彩色ベクトルmに平行な3つのベクトル(eCP
MP、eYP、図28)を得た。今、式(37)を満たす
定数kを求める。 m=k{(Wc −Bkc )eCP +(WM −BkM )eMP+(WY −BkY )eYC} (37)
【0162】式(37)で求めたkより、第1マトリク
スM1 を式(38)の様に作成する。 M1 =k(eCP,eMP,eYP) (38)
【0163】ここで、第1マトリクスM1 は、発明の実
施の形態1と同様に無彩色成分変換マトリクスである。
【0164】次に、図25に示す第2マトリクス作成
(2505)の作成を行う。有彩色ベクトルの分割(2
503)で無彩色ベクトルmに垂直な3つのベクトル
(eCV、eMV、eYV、図29)を得た。ここでは、無彩
色のCMY値に対して、次に示す式(39)を満たすよ
うにベクトルe’CV、e’MV、e’YVを求める。これら
のベクトルe’CV、e’MV、e’YVは、垂直ベクトルe
CV、eMV、eYVにそれぞれ対応するものである。それぞ
れの変化量の和が最小となる制限条件(式40)のもと
でベクトルe’CV、e’MV、e’YVを求める。
【0165】 (Wc −Bkc )e’CV +(WM −BkM )e’MV+(WY −BkY )e’YV=0 (39) 変化量=LEN(e’CV−eCV) +LEN(e’MV−eMV)+LEN(e’YV−eYV) (40)
【0166】式(39)で求めたベクトルe’CV、e’
MV、e’YVを用いて、式(41)に示す第2マトリクス
2 を求める。 M2 =(e’CV,e’MV,e’YV) (41)
【0167】ここで、第2マトリクスM2 は、発明の実
施の形態1と同様有彩色成分変換マトリクスの意味を有
する。
【0168】次に、図25に示すCMY−XYZ変換マ
トリクス作成(2506)に進む。ここでは、第1マト
リクス作成(2504)、第2マトリクス作成(250
5)で得られたマトリクスM1 ,M2 を加算して、CM
Y−XYZ変換マトリクスMを作成する。 M=M1 +M2 (42)
【0169】CMY−XYZ変換マトリクスMは、第1
マトリクスM1 、第2マトリクスM2 の意味付けから分
かるように、CMY−XYZ変換マトリクスMで無彩色
ベクトルを変換しても、変換後のベクトルと無彩色ベク
トルは、平行ベクトルとなる。言い換えれば、CMY−
XYZ変換マトリクスMは、無彩色ベクトルを固有ベク
トルとするマトリクスである。そのため、プリンタのC
MY色空間での無彩色ベクトル上のCMY値は、CIE
XYZ色空間上の無彩色ベクトル上に必ず変換される。
【0170】ここで、得られたCMY−XYZ変換マト
リクスMの逆マトリクスM-1を使用してXYZ−CMY
マトリクス変換(250)を行う。
【0171】以上の手順により、スキャナ、プリンタの
色特性を表す式が得られた。これらの式を用いて、実際
に色を補正する。具体的な手順は、発明の実施の形態1
〜4で述べた補正手順と同様である。この発明の実施の
形態5によれば、色補正して得られたプリンタCMYデ
ータ(26)は、スキャナの無彩色軸、プリンタの無彩
色軸を変化させずに、色を補正されているため、カラー
バランスの良い画像が得られる。
【0172】発明の実施の形態6.発明の実施の形態6
について説明する。この発明の実施の形態6は、1つあ
るいは複数の画像入力手段と、1つあるいは複数の画像
出力手段とからなるカラー画像システムに関するもので
ある。画像入力手段にはスキャナが、画像出力手段には
モニタ、プリンタがある。
【0173】図30は、カラー画像システムの一例を示
した図である。カラー画像入出力機器に関するカラー画
像データの受け渡しは、図30に示すように、多種多様
の組み合わせが考えられる。例えば、スキャナ(40)
からプリンタA(41)、スキャナ(40)からモニタ
A(42)、モニタA(42)からプリンタA(4
1)、モニタA(42)からモニタB(44)、モニタ
A(42)からプリンタB(43)、モニタB(44)
からモニタA(42)と様々な組み合わせが考えられ
る。多様な組合せに対するカラー画像データの受け渡し
に関する色補正は、図31に示す色特性データを用いて
行われる。
【0174】発明の実施の形態1、発明の実施の形態5
では、スキャナ、プリンタ、モニタの各画像機器の色特
性を式化する方法を示した。カラー画像データの3成分
(RGBまたはCMY)からCIEXYZに変換するデ
ータと、逆変換であるCIEXYZからカラー画像デー
タの3成分に変換するデータが得られた。ここで、前者
を順方向の変換データ、後者を逆方向の変換データと呼
ぶこととする。図30のスキャナ(40)、プリンタ
(41、43)、モニタ(42、44)は、それぞれ、
図31に示すように、色特性式の情報を、順方向、逆方
向ともに画像機器の色特性データとして保存している。
【0175】実際の色補正は以下の手順で行われる。例
えば、モニタA(42)からプリンタA(41)に画像
データを送る場合は、モニタA(42)の色特性データ
とプリンタA(41)の色特性データを用意する。モニ
タA(42)の順方向の色特性データとプリンタA(4
1)の逆方向の色特性データを組み合わせて、発明の実
施の形態1から5で示した手順で色補正を行う。
【0176】また、モニタA(42)からモニタB(4
4)に画像データを送る場合は、モニタA(42)の順
方向の色特性データとモニタB(44)の逆方向の色特
性データを組み合わせて、発明の実施の形態1から5で
示した手順で行う。
【0177】このように、この発明の実施の形態6によ
れば、各種画像機器の色特性データを順方向、逆方向に
分けて保存し、画像データを送る向きにより、一方の画
像機器の順方向色特性データと他方の画像機器の逆方向
色特性データを組み合わせることで、種々の画像機器の
組み合わせに対応できる。さらに、同一機種において、
以前に得た画像データを再現する場合に経年変化の影響
を受けなくなる。画像を取り込んだ際の色特性データを
保存し、実際に画像を出力する際には最新の色特性デー
タを作成し、これらと保存された色特性データとを組み
合わせることで同一機種における経年変化による色の変
化を補正できるようになる。また、モニタA(42)と
モニタB(44)の例のように、異機種間の色の違いも
補正できる。
【0178】発明の実施の形態7.本発明の実施の形態
7について説明する。この発明の実施の形態7は変換マ
トリクスMの調整方法に関する。
【0179】図32は発明の実施の形態7における色調
整の手順を示している。ステップ(50)よりはじめ
る。発明の実施の形態1、発明の実施の形態5で求めた
マトリクスMは、無彩色成分変換マトリクスM1 と有彩
色成分変換マトリクスM2 とに分離できる。ステップ
(51)では、マトリクスMを無彩色成分変換マトリク
スM1 と有彩色成分変換マトリクスM2 とに分離する。
ステップ(52)では、画像データ(R、G、B)を、
無彩色成分変換マトリクスM1 でマトリクス演算して無
彩色成分変換画像を求める。ここで、データ(BkR
BkG ,BkB )は、式(8)、式(32)で示してい
るブラックポイントである。つぎに、無彩色変換画像を
評価するステップ(53)に進む。
【0180】ステップ(53)では、無彩色の程度(色
みがあるか、あるとすればどの色みに偏っているか)
と、明るさの程度(明るさは適切か、適切でない場合ど
ちらによっているか)にポイントをおいて評価する。評
価は、測色計を用いたり、主観評価を数値化したりして
行う。ステップ(53)の評価の結果、無彩色変換画像
が不適切であると判断された場合、ステップ(54)の
色バランスの調整、ステップ(55)の明るさの調整を
おこない無彩色成分変換マトリクスM1 を変更する。無
彩色変換画像が適切であると判断された場合、ステップ
(58)に進む。以下、ステップ(54)、ステップ
(55)について説明を行う。
【0181】無彩色成分変換マトリクスM1 は、式(1
4)で定義される。無彩色成分変換マトリクスM1 の各
列は、有彩色ベクトルを分解してえられた無彩色ベクト
ルmに平行なベクトルに関係している。今、無彩色成分
変換マトリクスM1 を式(43)であるとする。 M1 =(e1 ,e2 ,e3 ) (43)
【0182】ベクトルe1 、e2 、e3 は、式(44)
の関係にある。 e1 =keRP2 =keGP (44) e3 =keBP
【0183】無彩色ベクトルmとベクトルe1 、e2
3 を図に表すと、図33になる。すなわち、ベクトル
1 、e2 、e3 は、無彩色ベクトルmに平行である。
ベクトルe1 、e2 、e3 は、無彩色成分変換マトリク
スM1 の各列ベクトルであるから、この3つのベクトル
を変更することで、無彩色成分変換マトリクスM1 の変
換の性質を変えることができる。次に、ベクトルe1
2 、e3 の変更が無彩色成分変更マトリクスM1 の変
換性質にどの様な影響を与えるかについて説明する。
【0184】(1)ベクトルe1 、e2 、e3 の大きさ
の比を変更する。変更後のベクトルをe’1 、e’2
e’3 として、式(45)の条件を満たすようにする。
【0185】 e1 +e2 +e3 =e’1 +e’2 +e’31 とe’1 とは平行(向きを含めて) e2 とe’2 とは平行(向きを含めて) (45) e3 とe’3 とは平行(向きを含めて)
【0186】式(45)は図34の関係を意味する。こ
の場合、ホワイトポイント、ブラックポイントは変更さ
れず、中間のグレー部のカラーバランスが変わる。逆に
言えば、中間のグレーバランスを変更したい場合は、式
(48)を満たすように、ベクトルe1 、e2 、e3
大きさの比を変更すれば良い。
【0187】(2)ホワイトポイントを変えて、ベクト
ルe1 、e2 、e3 の向きを変える。変更後のベクトル
をe’1 、e’2 、e’3 として、式(46)の条件を
満たすようにする。
【0188】 LEN(e1 )=LEN(e’1 ) LEN(e2 )=LEN(e’2 ) (46) LEN(e3 )=LEN(e’3 ) e’1 とe’2 とe’3 とm’とは平行(向きを含めて)
【0189】式(46)は図35の関係を示す。ちょう
ど、ベクトルe1 、e2 、e3 を回転した関係にある。
ブラックポイントは変更されず、ホワイトポイントのみ
が変更される。これにより、無彩色ベクトルも、ブラッ
クポイントを中心として回転する。また、中間のグレー
部は、ホワイトポイントに近づくにほど、大きくカラー
バランスが変わる。逆に言えば、ブラックポイントに近
い色はバランスを変えずに、ホワイトポイントに近い色
のバランスを変更したい場合は、式(46)を満たすよ
うに、ベクトルe1 、e2 、e3 の向きを変更すれば良
い。
【0190】(3)ブラックポイントを変えて、ベクト
ルe1 、e2 、e3 の向きを変える。変更後のベクトル
をe’1 、e’2 、e’3 として、式(47)の条件を
満たすようにする。
【0191】 LEN(e1 )=LEN(e’1 ) LEN(e2 )=LEN(e’2 ) (47) LEN(e3 )=LEN(e’3 ) e’1 とe’2 とe’3 とm’とは平行(向きを含めて)
【0192】式(47)は図36の関係を示す。ちょう
ど、ベクトルe1 、e2 、e3 を回転した関係にある。
ホワイトポイントは変更されず、ブラックポイントのみ
が変更される。これにより、無彩色ベクトルも、ホワイ
トポイントを中心として回転する。また、中間のグレー
部は、ブラックポイントに近づくにほど、大きくカラー
バランスが変わる。逆に言えば、ホワイトポイントに近
い色はバランスを変えずに、ブラックポイントに近い色
のバランスを変更したい場合は、式(47)を満たすよ
うに、ベクトルe1 、e2 、e3 の向きとブラックポイ
ントを変更すれば良い。
【0193】(4)ホワイトポイントを変えて、ベクト
ルe1 、e2 、e3 の大きさを変える。変更後のベクト
ルをe’1 、e’2 、e’3 として、式(48)の条件
を満たすようにする。kはホワイトポイントを変更した
ことによる、無彩色ベクトルの伸縮係数の意味を有す
る。
【0194】 m’=km e1 ’=ke1 ,e2 ’=ke2 ,e3 ’=ke3 (48)
【0195】式(48)は図37の関係を示す。ちょう
ど、ベクトルe1 、e2 、e3 を各々定数倍した関係に
ある。ブラックポイントは変更されず、ホワイトポイン
トのみが変更される。これにより、無彩色ベクトルは、
ブラックポイントを固定点として、伸縮する。伸縮係数
は同じであるが、伸縮の大きさは、ホワイトポイントが
最大となる。グレー部も、一様に伸縮するが、カラーバ
ランスが変わることはない。すなわち、このような操作
をする事により、ホワイトポイントに近い色の明るさを
変更することができる。逆に言えば、ホワイトポイント
に近い色の明るさだけを変更したい場合は、式(48)
を満たすように、ベクトルe1 、e2 、e3 の大きさと
ホワイトポイントを変更すれば良い。
【0196】(5)ブラックポイントを変えて、ベクト
ルe1 、e2 、e3 の大きさを変える。変更後のベクト
ルをe’1 、e’2 、e’3 として、式(49)の条件
を満たすようにする。kはブラックポイントを変更した
ことによる、無彩色ベクトルの伸縮係数の意味を有す
る。
【0197】 m’=km e1 ’=ke1 ,e2 ’=ke2 ,e3 ’=ke3 (49)
【0198】式(49)は図38の関係を示す。ちょう
ど、ベクトルe1 、e2 、e3 を各々定数倍した関係に
ある。ホワイトポイントは変更されず、ブラックポイン
トのみが変更される。これにより、無彩色ベクトルは、
ホワイトポイントを固定点として、伸縮する。伸縮係数
は同じであるが、伸縮の大きさは、ブラックポイントが
最大となる。グレー部も、一様に伸縮するが、カラーバ
ランスが変わることはない。すなわち、このような操作
をする事により、ブラックポイントに近い色の明るさを
変更することができる。逆に言えば、ブラックポイント
に近い色の明るさだけを変更したい場合は、式(49)
を満たすように、ベクトルe1 、e2 、e3 の大きさと
ブラックポイントを変更すれば良い。
【0199】ステップ(53)の評価結果に従い、ステ
ップ(54)あるいはステップ(55)のいずれか一
方、あるいは両方の処理が行われる。ステップ(54)
では、上記(1)、(2)、(3)の処理を行う。同様
に、ステップ(55)では(4)、(5)の処理行う。
【0200】ステップ(56)では、ステップ(5
4)、ステップ(55)で得られたベクトルe’1
e’2 、e’3 から調整マトリクスM’1 を式(50)
に基づき求める。 M1 ’=(e1 ’,e2 ’,e3 ’) (50)
【0201】ステップ(57)では、ステップ(56)
で求めた調整マトリクスM’1 をM1 と置き換える。そ
の後、ステップ(52)に戻る。以下、ステップ(5
3)の評価が適切となるまで、ステップ(52)→ステ
ップ(53)→ステップ(54)とステップ(55)→
ステップ(56)→ステップ(57)→ステップ(5
2)というループをまわる。
【0202】ステップ(53)の評価が適切であると判
断されると、ステップ(58)に進む。ステップ(5
8)では、画像データ(R、G、B)を、有彩色成分変
換マトリクスM2 でマトリクス演算して有彩色成分変換
画像を求める。ここで、データ(BkR ,BkG ,Bk
B )は、式(8)、式(32)で示しているブラックポ
イントである。つぎに、有彩色変換画像を評価するステ
ップ(59)に進む。
【0203】ステップ(59)では、鮮やかさの程度
と、色合いの程度(色は適切に再現されているか、適切
でない場合どの色に偏っているか)にポイントをおいて
評価する。評価は、測色計を用いたり、主観評価を数値
化したりして行う。ステップ(59)の評価の結果、有
彩色変換画像が不適切であると判断された場合、ステッ
プ(5a)の色合いの調整、ステップ(5b)の鮮やか
さの調整を行い有彩色成分変換マトリクスM2 を変更す
る。有彩色変換画像が適切であると判断された場合、ス
テップ(5e)に進む。以下、ステップ(5a)、ステ
ップ(5b)について説明を行う。
【0204】有彩色成分変換マトリクスM2 は、式(2
0)で定義される。有彩色成分変換マトリクスM2 の各
列は、有彩色ベクトルを分解してえられた無彩色ベクト
ルmに関して、式(51)を満たすベクトルから構成さ
れる。ステップ(54)、ステップ(55)でブラック
ポイント、ホワイトポイントが変更された場合は、有彩
色成分変換マトリクスM2 は、改めてマトリクスMより
有彩色成分変換マトリクスM2 を求めるので、ステップ
(51)で求めた有彩色色成分M2 とは異なる。
【0205】 (WR −BkR )e’RV +(WG −BkG )e’GV+(WB −BkB )e’BV=0 (51)
【0206】今、有彩色成分変換マトリクスM2 を式
(52)であるとする。 M2 =(e4 ,e5 ,e6 ) (52)
【0207】ベクトルe4 、e5 、e6 は、式(53)
の関係にある。 e4 =ke’RV5 =ke’GV (53) e6 =ke’BV
【0208】ベクトルe4 、e5 、e6 を図に表すと、
図39になる。ベクトルe4 、e5、e6 は、同一平面
上にある。ベクトルe4 、e5 、e6 は、有彩色成分変
換マトリクスM2 の各要素であるから、この3つのベク
トルを変更することで、有彩色成分変換マトリクスM2
の変換の性質を変えることができる。次に、ベクトルe
4 、e5 、e6 の変更が有彩色成分変更マトリクスM2
の変換性質にどの様な影響を与えるかについて説明す
る。
【0209】(6)ベクトルe4 、e5 、e6 の向きを
一様に変更する。変更後のベクトルをe’4 、e’5
e’6 として、式(54)の条件を満たすようにする。
【0210】 (WR −BkR )e’4 +(WG −BkG )e’5 +(WB −BkB )e’6 =0 LEN(e4 )=LEN(e’4 ) LEN(e5 )=LEN(e’5 ) (54) LEN(e6 )=LEN(e’6 ) (e4 ×e’4 )と(e5 ×e’5 )と(e6 ×e’6 )とは平行 ただし、×はベクトルの外積を示す。
【0211】式(54)は図40の関係を示す。ベクト
ルe4 、e5 、e6 、ベクトルe’4 、e’5 、e’6
は同一平面上にあり、ちょうど、ベクトルe4 、e5
6を回転させたベクトルが、ベクトルe’4 、e’
5 、e’6 である。この場合は、色合いが一様に回転す
る。逆に言えば、全体の色合いを変えたい場合は、ベク
トルe4 、e5 、e6 の向きを変更すれば良い。
【0212】(7)ベクトルe4 、e5 、e6 の大きさ
を一様に変更する。変更後のベクトルをe’4 、e’
5 、e’6 として、式(55)の条件を満たすようにす
る。ここで、kはベクトルe4 、e5 、e6 の伸縮係数
である。
【0213】 (WR −BkR )e’4 +(WG −BkG )e’5 +(WB −BkB )e’6 =0 e’4 =ke4 、e’5 =ke5 、e’6 =ke6 (55)
【0214】図では、図41の関係である。ベクトルe
4 、e5 、e6 、ベクトルe’4 、e’5 、e’6 は同
一平面上にあり、ちょうど、ベクトルe4 、e5 、e6
をk倍させたベクトルが、ベクトルe’4 、e’5
e’6 である。この場合、鮮やかさが一様に変化する。
k=0の場合は、鮮やかさが全くなくなる。逆に言え
ば、全体の鮮やかさを変えたい場合は、ベクトルe4
5 、e6 の大きさを変更すれば良い。
【0215】(8)ベクトルe4 、e5 、e6 の向き、
大きさを個別に変更する。(6)、(7)では、ベクト
ルe4 、e5 、e6 を一様に変更したが、個別に変更す
ることも可能である。この場合においても、式(56)
の条件を満たすように変更すれば、無彩色成分変換マト
リクスM1 との分離は保たれる。
【0216】 (WR −BkR )e’4 +(WG −BkG )e’5 +(WB −BkB )e’6 =0 (56)
【0217】個々のベクトルの大きさの変更は、鮮やか
さの変更に、ベクトルの向きの変更は、色合いの変更に
対応する。この事から、ステップ(59)の評価により
ある特定の色部分の鮮やかさや、色合いを変えたい場合
は、その色に近いベクトルを変更することになる。例え
ば、赤であれば、ベクトルeR に関係するベクトル、ま
たは、補色で調整を行う場合は、ベクトルeB ,eG
関係するベクトルを調整し、それ以外のベクトルは変化
量が最小になるように変更する。
【0218】ステップ(59)の評価結果に従い、ステ
ップ(5a)あるいはステップ(5b)のいずれか一
方、または両方の処理が行われる。ステップ(5a)で
は、上記(6)、(8)の処理を行い、ステップ(5
b)では(7)、(8)の処理行う。ステップ(5c)
では、ステップ(5a)、ステップ(5b)で得られた
ベクトルe’4 、e’5 、e’6 から調整マトリクス
M’2 を式(57)から求める。 M2 ’=(e1 ’,e2 ’,e3 ’) (57)
【0219】ステップ(5d)では、ステップ(5c)
で求めた調整マトリクスM’2 をM2 と置き換える。そ
の後、ステップ(58)に戻る。以下、ステップ(5
9)の評価が適切となるまで、ステップ(58)→ステ
ップ(59)→ステップ(5a)とステップ(5b)→
ステップ(5c)→ステップ(5d)→ステップ(5
8)のループをまわる。
【0220】ステップ(59)の評価が適切であると判
断されると、ステップ(5e)に進む。ステップ(5
e)では、調整マトリクスM1 、M2 よりマトリクスM
を求める。このようにして求められたマトリクスは、無
彩色成分変換マトリクスと、有彩色成分変換マトリクス
に分離されているので、無彩色は無彩色に変換され、有
彩色は無彩色に影響されずに変換される。
【0221】ステップ(5e)で求められたマトリクス
で各種画像機器の色特性を表して、発明の実施の形態1
他で述べた方法を用いて実際の色補正を行う。
【0222】以上のように、この発明の実施の形態7に
よれば、変換マトリクスMを評価結果に基づいて調整す
ることができるので、適切な色補正が可能になる。ま
た、この調整を、変換マトリクスMを無彩色成分変換マ
トリクスM1 と有彩色成分変換マトリクスM2 とに分離
して行うので、無彩色に関する調整と有彩色に関する調
整とを独立して行うことができる。したがって、調整は
容易であるという特徴も有する。
【0223】発明の実施の形態8.本発明の実施の形態
8について説明する。発明の実施の形態1から7におい
て、無彩色成分変換マトリクスと有彩色成分変換マトリ
クスを測定データから作り出す方法、及び、この測定デ
ータを用いて色補正を行う方法について説明した。本発
明の実施の形態8では、公知の色補正マトリクスAを用
いて色補正されている画像システムに、本発明による無
彩色成分マトリクスと有彩色成分マトリクスに分離する
方法を適用する具体的方法について説明する。
【0224】今、ある画像システムにおいて、式(5
8)で表される色補正を行っているとする。
【0225】
【数9】
【0226】このマトリクスAの3つの列ベクトルをA
1 、A2 、A3 とする。すなわち、式(59)に示すと
おりである。 A1 =(a11,a21,a31) A2 =(a12,a22,a32) (59) A3 =(a13,a23,a33
【0227】列ベクトルA1 、A2 、A3 を加算したも
のをベクトルnとする。このベクトルnが無彩色ベクト
ルmに相当する。 n=A1 +A2 +A3 (60)
【0228】ついで、列ベクトルA1 、A2 、A3 をベ
クトルn方向とそれに垂直な方向とに分解する。それぞ
れ、式(61)のように分解されるとする。 A1 =A1P+A1V2 =A2P+A2V (61) A3 =A3P+A3V
【0229】式(61)の平行ベクトルA1P、A2P、A
3Pは、式(13)に相当する条件を、垂直ベクトル
1V、A2V、A3Vは、式(18)に相当する条件を一般
的には満たしていないので、これを満たすように平行ベ
クトル、垂直ベクトルを調整する。この方法は、発明の
実施の形態1で述べた方法を用いる。調整の結果、得ら
れたベクトルを各々次のように式(62)で表す。 A’1P、A’2P、A’3P・・・平行ベクトル A’1V、A’2V、A’3V・・・垂直ベクトル (62)
【0230】式(62)のベクトルを列ベクトルとして
持つ2つのマトリクスを考える。 A’P =(A’1P、A’2P、A’3P) A’V =(A’1V、A’2V、A’3V) (63)
【0231】これら2つのマトリクスA’P 、A’V
は、それぞれ、式(13)、式(18)を充たすベクト
ルから構成されているから、マトリクスA’P は、無彩
色成分変換マトリクス、マトリクスA’V は有彩色成分
変換マトリクスである。 A’=A’P +A’V (6
4)
【0232】式(64)に示すように、無彩色成分変換
マトリクスと有彩色細分変換マトリクスを加算したマト
リクスを、色補正マトリクスA’として定義する。この
ように定義されたマトリクスは、発明の実施の形態7に
示した色調整の手法により色を調整することが可能とな
る。さらに、調整されたマトリクスを用いて実際に色補
正もできる。
【0233】発明の実施の形態9.次に、本発明の実施
の形態9について述べる。この発明の実施の形態9は、
上記発明の実施の形態1〜8の色補正方法を行うための
具体的なハードウエア構成に関するものである。
【0234】図42に、発明の実施の形態9の回路ブロ
ック図を示す。図中、61は外部装置から画像データを
受け取る入力回路、62はレスポンス変換を行うレスポ
ンス回路、63はマトリクス変換を行うマトリクス回
路、64は色調整用のマトリクス変換を行うマトリクス
回路、65は逆マトリクス変換を行うマトリクス回路、
66は逆レスポンス変換を行うレスポンス回路、67は
レスポンス回路62〜レスポンス回路66からの複数の
入力から1入力を選択するセレクタ、68は外部装置に
画像データを送り出す出力回路、69はCPUなどの制
御部(図示せず)との通信をつかさどる通信回路、6a
0、6a1、6a2、6a3は、それぞれ入力回路61
からの入力あるいはレスポンス回路62〜レスポンス回
路66からの入力の一方を選択する2入力1出力のセレ
クタである。色変換回路ブロック6はこれら入力回路6
1〜通信回路69により構成される。これらの回路はボ
ード上に構築されるか、または、LSI化される。
【0235】次に動作について説明を行う。図示しない
制御部では、図31に示した色特性データを読取り、そ
こに記述されているレスポンス変換用データ、RGB−
XYZ変換用データ、逆レスポンス変換用データ、XY
Z−RGB変換用データを色変換回路ブロック6に送
る。また、図31には記載されていないが、色調整用の
データも色特性データと同様に記述され、データとして
保存されている。この色調整データを制御部は読取り、
色変換回路ブロック6に送られる。
【0236】送られてきたデータは、通信回路69で受
け取られ、データの内容により、レスポンス回路62、
マトリクス回路63、マトリクス回路64、マトリクス
回路65、レスポンス回路66に送られ、各回路のセッ
トアップを行う。レスポンス回路62にはレスポンス変
換用データ、マトリクス回路63にはRGB−XYZ変
換用データ、マトリクス回路64には色調整用データ、
マトリクス回路65にはXYZ−RGB変換用データ、
レスポンス回路66には逆レスポンス変換用データが送
られる。
【0237】画像データは入力回路61で受け取られ
る。入力回路61の出力は、レスポンス回路62、セレ
クタ6a0、6a1、6a2、6a3に入力される。セ
レクタ6a0、6a1、6a2、6a3の切り換えは、
通信回路69を介して、制御部の指示で行われる。制御
部は画像データにどの処理を施すかによって、セレクタ
6a0、6a1、6a2、6a3の切り換えを行う。ま
た、各処理回路の出力側に接続されているセレクタ67
も、通信回路69を介した制御部の指示で行われる。例
えば、色調整だけを行いたい場合には、セレクタ6a1
を入力回路61側に設定し、他のセレクタ6a0、6a
2、6a3は処理回路側に設定する。さらに、セレクタ
67はマトリクス回路64の出力を選択する設定とす
る。
【0238】レスポンス回路62、66、マトリクス回
路63、64、65に入力された画像データは、セット
アップされた色特性データに従がって演算を行い、その
結果を出力する。出力されたデータは、次段の処理回路
に入力されるか、またはセレクタ67により選択され
て、出力回路68に渡され、外部装置に送られる。
【0239】なお、この発明の実施の形態9において色
補正用LSIの回路ブロックを示したが、このLSIを
画像処理用のコンピュータ用のボードに搭載しても良
い。
【0240】発明の実施の形態10.次に、本発明の実
施の形態10について説明をする。図43に発明の実施
の形態10の構成図を示す。70は各種制御や処理を行
うコンピュータである。71はコンピュータ70に搭載
された発明の実施の形態9で述べたところのボードであ
る。72はスキャナ、73はモニタ、74はプリンタで
ある。75は、画像データや色特性データを記録保存す
る記録装置である。
【0241】動作について説明する。スキャナ72で読
取った画像データをモニタ73に表示する例について説
明する。コンピュータ70は、記録装置75にあるスキ
ャナ72およびモニタ73の色特性データを読取り、ボ
ード71上の色補正LSIのセットアップを行う。次
に、スキャナ70を動作させ、スキャナ70から出力さ
れた画像データをボード71を介して、色補正し、モニ
タ73に送り表示する。モニタ73からプリンタ74、
スキャナ70からプリンタ74にデータを送る場合も同
様である。
【0242】スキャナ70で読取った画像データを記録
装置75に記録する場合は、次のように行う。コンピュ
ータ70は、記録装置75にあるスキャナ72の色特性
データを読取り、ボード71上の色補正LSIのセット
アップを行う。この際、入力段のセレクタ6a0はレス
ポンス回路62の出力を、出力段のセレクタ67はマト
リクス回路63の出力を選択するようにする。次に、ス
キャナ70を動作させ、スキャナ70から出力された画
像データをボード71を介して、色補正し、XYZデー
タとする。このXYZデータを記録装置75に記録す
る。
【0243】また、記録装置75に記録された画像デー
タをモニタ73に表示する場合は、次のように行う。コ
ンピュータ70は、記録装置75にあるモニタ73の色
特性データを読取り、ボード71上の色補正LSIのセ
ットアップを行う。この際、入力段のセレクタ6a2は
入力回路61の出力を、セレクタ6a3はマトリクス回
路63の出力を、出力段のセレクタ67は、レスポンス
回路66の出力を選択するようにする。次に、記録装置
75に記録された画像データを読取り、ボード71を介
して、XYZで記述されている画像データをRGBで記
述、色補正する。このRGBデータをモニタ73で表示
する。
【0244】また、発明の実施の形態9で述べた色補正
用LSIをスキャナに搭載してもよい。スキャナには、
色補正用LSIのほかに、ホストコンピュータとの通信
を行うLSIや、色特性データを記憶しておくRAM、
ROM、EEPROM(書換可能なROM)などが搭載
されている。もちろん、画像を読取るためのセンサや、
光学系なども搭載されている。
【0245】動作について説明をする。色補正用LSI
の各回路は、ROMなどに記憶されている色特性データ
(図31)でセットアップされる。または、通信用LS
Iを介してホストコンピュータから送られてきた色特性
データでセットアップされる。セットアップ後に、スキ
ャナは読み取り作業を行い、センサから出力された画像
データは色補正用LSIに入力され、色特性データに即
した演算を施され、スキャナより出力される。
【0246】また、発明の実施の形態9で述べた色補正
用LSIをモニタに搭載してもよい。モニタには、色補
正用LSIのほかに、ホストコンピュータとの通信を行
うLSIや、色特性データを記憶しておくRAM、RO
M、EEPROM(書換可能なROM)などが搭載され
ている。もちろん、画像を表示するためのCRTなども
搭載されている。
【0247】色補正用LSIの各回路は、ROMなどに
記憶されている色特性データ(図31)でセットアップ
される。または、通信用LSIを介してホストコンピュ
ータから送られてきた色特性データでセットアップされ
る。セットアップ後に、ホストコンピュータから送られ
てきた画像データを色補正用LSIに入力し、色特性デ
ータに即した演算を施こし、CRT上に表示する。
【0248】また、発明の実施の形態9で述べた色補正
用LSIをプリンタに搭載してもよい。プリンタには、
色補正用LSIのほかに、ホストコンピュータとの通信
を行うLSIや、色特性データを記憶しておくRAM、
ROM、EEPROM(書換可能なROM)などが搭載
されている。もちろん、画像を印字するためのサーマル
ヘッドや、インクヘッド、ドラムなどが印字方式別に搭
載されている。
【0249】色補正用LSIの各回路は、ROMなどに
記憶されている色特性データ(図31)でセットアップ
される。または、通信用LSIを介してホストコンピュ
ータから送られてきた色特性データでセットアップされ
る。セットアップ後に、ホストコンピュータから送られ
てきた画像データを色補正用LSIに入力し、色特性デ
ータに即した演算を施こし、ヘッドなどに送り、画像を
印字する。
【0250】また、発明の実施の形態9で述べた色補正
用LSIを記憶装置であるハードディスクに搭載しても
よい。ハードディスクには、色補正用LSIのほかに、
ホストコンピュータとの通信を行うLSIが搭載されて
いる。もちろん、データを記憶するディスクや、読み書
き用のヘッドなども搭載されている。
【0251】予めハードディスクに図31に示した色特
性データを記憶しておく。記憶されている色特性データ
(図31)で色補正用LSIの各回路をセットアップす
る。また、複数の色特性データが記憶されている場合
は、通信用LSIを介したホストコンピュータから指示
による色特性データでセットアップする。セットアップ
後に、ホストコンピュータから送られてきた画像データ
を色補正用LSIに入力し、色特性データに即した演算
を施こし、ヘッドなどに送り、ハードディスクに書き込
む。画像データを読み出す場合は、ホストコンピュータ
の指示に従い、色補正用LSIで処理を施し、ホストコ
ンピュータに送る。
【0252】発明の実施の形態11.次に、本発明の実
施の形態11について説明する。図44は発明の実施の
形態16の構成図である。70は、各種制御や処理を行
うコンピュータである。72はスキャナ、73はモニ
タ、74はプリンタである。75は、画像データや色特
性データを記録保存する記録装置である。80は、テス
トチャート、プリンタ出力画像、モニタ表示画像を測色
できる測色計である。
【0253】動作について説明する。発明の実施の形態
11は、発明の実施の形態1、発明の実施の形態5での
べた方法で、色特性データを作成するシステムである。
図45に処理の手順を示す。まず、測色800を行う。
これは、スキャナ72の場合はテストチャート、モニタ
73の場合はコンピュータ70の制御で表示された表示
テストチャート、プリンタ74の場合はコンピュータ7
0の制御でプリントアウトされたテストチャートの各色
を測色計80を用いて測色する。測色されたデータは、
コンピュータ70に取り込まれ、色特性データ作成80
1に進む。
【0254】色特性データ作成801では、発明の実施
の形態1、発明の実施の形態5に示した方法に沿って、
色特性データ(図31)を作成する。詳細な説明は省略
する。次に、作成した色特性データ保存802に進む。
ここでは、色特性データ作成801で作成した色特性デ
ータ(図31)を記録装置75に記録する。記録された
色特性データ(図31)は、必要に応じて、読み出され
て、色補正に利用される。
【0255】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、画像
入力手段からの色入力信号を、上記画像入力手段に対応
する無彩色成分変換マトリクス及び有彩色成分変換マト
リクスに基づき得られる変換マトリクスを用いて変換す
る変換ステップと、上記変換ステップによる変換出力
を、画像出力手段に対応する無彩色成分変換マトリクス
及び有彩色成分変換マトリクスに基づき得られる逆変換
マトリクスを用いて逆変換する逆変換ステップとを備え
たので、カラーバランスのずれない良好な色補正ができ
る。
【0256】また、この発明によれば、上記変換ステッ
プの変換マトリクスと上記逆変換ステップの逆変換マト
リクスとからあらかじめ合成された合成マトリクスに基
づき演算を行うので、色補正マトリクスの演算回数が減
り、高速な色補正処理ができる。
【0257】また、この発明によれば、マトリクス演算
をルックアップテーブル方式で行うので、高速な色補正
処理ができる。
【0258】また、この発明によれば、変換ステップあ
るいは逆変換ステップのの無彩色成分変換マトリクス及
び有彩色成分変換マトリクスをそれぞれ補正する第1の
調整ステップ及び第2の調整ステップを備えたので、色
補正処理の調整が可能になる。
【0259】また、この発明によれば、固有の無彩色成
分変換マトリクス及び有彩色成分変換マトリクスに基づ
き得られる変換マトリクスを用いて色信号を変換して出
力する複数の画像入力手段と、固有の無彩色成分変換マ
トリクス及び有彩色成分変換マトリクスに基づき得られ
る逆変換マトリクスを用いて入力された色信号を逆変換
して表示する複数の画像出力手段とを備え、上記複数の
画像入力手段と上記複数の画像出力手段との間の信号を
上記変換マトリクスにより変換された信号としたので、
様々な画像機器それぞれに適当な色特性の補償を行うこ
とができて、色管理の優れたシステムが得られる。画像
入力手段と画像出力手段との組み合わせが変更されても
色特性データの変更を行うだけですむ。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1の装置の概略ブロッ
ク図である。
【図2】 この発明の実施の形態1における色処理のフ
ローを示す流れ図である。
【図3】 この発明の実施の形態1におけるスキャナの
RGB−XYZ変換のフロー図である。
【図4】 この発明の実施の形態1におけるスキャナの
レスポンス変換式作成手順を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態1におけるテストチャ
ートの構成を説明する図である。
【図6】 この発明の実施の形態1におけるスキャンデ
ータをプロットした図である。
【図7】 この発明の実施の形態1におけるRGB−X
YZ変換マトリクス作成手順を示す図である。
【図8】 この発明の実施の形態1におけるブラックポ
イント、ホワイトポイントの決め方を示す図である。
【図9】 この発明の実施の形態1におけるベクトルの
分割を説明する図である。
【図10】 この発明の実施の形態1におけるベクトル
m方向の成分を説明する図である。
【図11】 この発明の実施の形態1におけるベクトル
mに垂直な方向の成分を説明する図である。
【図12】 この発明の実施の形態1におけるモニタの
XYZ−RGB変換のフロー図である。。
【図13】 この発明の実施の形態1におけるモニタの
レスポンス変換式作成手順を示す図である。
【図14】 この発明の実施の形態1におけるスキャナ
からモニタへの色補正の手順を示す図である。
【図15】 この発明の実施の形態2におけるスキャナ
からモニタへの色補正の手順を示す図である。
【図16】 この発明の実施の形態3におけるスキャナ
からモニタへの色補正の手順を示す図である。
【図17】 この発明の実施の形態3におけるルックア
ップテーブル1〜9を説明する図である。
【図18】 この発明の実施の形態3におけるルックア
ップテーブルa〜cを説明する図である。
【図19】 この発明の実施の形態4の装置の構成の概
略ブロック図である。
【図20】 この発明の実施の形態5における色補正処
理のフロー図である。
【図21】 この発明の実施の形態5におけるプリンタ
のXYZ−CMY変換の手順を示す図である。
【図22】 この発明の実施の形態5におけるプリンタ
のレスポンス変換式作成の手順を示す図である。
【図23】 この発明の実施の形態5におけるプリンタ
の色見本データを説明する図である。
【図24】 この発明の実施の形態5におけるプリンタ
の色見本の測色結果を示す図である。
【図25】 この発明の実施の形態5におけるプリンタ
のCMY−XYZ変換マトリクス作成の手順を示す図で
ある。
【図26】 この発明の実施の形態5におけるプリンタ
のブラックポイント、ホワイトポイントの決め方を示す
図である。
【図27】 この発明の実施の形態5におけるベクトル
の分割を説明する図である。
【図28】 この発明の実施の形態5におけるベクトル
m方向の成分を説明する図である。
【図29】 この発明の実施の形態5におけるベクトル
mに垂直な方向の成分を説明する図である。
【図30】 この発明の実施の形態6におけるカラー画
像システムの構成を示す図である。
【図31】 この発明の実施の形態6における色特性デ
ータの構成図である。
【図32】 この発明の実施の形態7における色調整の
手順を示す図である。
【図33】 この発明の実施の形態7における無彩色ベ
クトルmとベクトルe1 、e2 、e3 の関係を示す図で
ある。
【図34】 この発明の実施の形態7におけるベクトル
1 、e2 、e3 と、大きさ変更後のベクトルe’1
e’2 、e’3 の関係を示す図である。
【図35】 この発明の実施の形態7におけるベクトル
1 、e2 、e3 と、n点を中心とする回転変更後のベ
クトルe’1 、e’2 、e’3 の関係を示す図である。
【図36】 この発明の実施の形態7におけるベクトル
1 、e2 、e3 と、終点を中心とする回転変更後のベ
クトルe’1 、e’2 、e’3 の関係を示す図である。
【図37】 この発明の実施の形態7におけるベクトル
1 、e2 、e3 と、n点を同じくする無彩色ベクトル
mの大きさ変更後のベクトルe’1 、e’2、e’3
関係を示す図である。
【図38】 この発明の実施の形態7におけるベクトル
1 、e2 、e3 と、終点を同じくする無彩色ベクトル
mの大きさ変更後のベクトルe’1 、e’2、e’3
関係を示す図である。
【図39】 この発明の実施の形態7におけるベクトル
4 、e5 、e6 の関係を示す図である。
【図40】 この発明の実施の形態7におけるベクトル
4 、e5 、e6 と回転変更後のベクトルe’4 、e’
5 、e’6 の関係を示す図である。
【図41】 この発明の実施の形態7におけるベクトル
4 、e5 、e6 と大きさ変更後のベクトルe’4
e’5 、e’6 の関係を示す図である。
【図42】 この発明の実施の形態9における色変換回
路のブロック図である。
【図43】 この発明の実施の形態11におけるカラー
マッチングシステムの構成図である。
【図44】 この発明の実施の形態16における色特性
データ作成システムの構成図である。
【図45】 この発明の実施の形態16における色特性
データ作成の手順を示す図である。
【図46】 従来例1における色補正パラメータ決定装
置のブロック図である。
【図47】 従来例2におけるAPARATUS FOR ADJUSTING
HUE, CHROMINANCE,AND LUMINANCE OF A VIDEO SIGNAL
USING MATRIX CIRCUITSのブロック図である。
【符号の説明】
1 画像入力手段、2 色補正手段、3 画像出力手
段、4 カラー画像システム、5 色調整、6 色変換
回路ブロック、7 カラーマッチングシステム、8 色
特性データ作成システム。

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像入力手段からの色入力信号を、上記
    画像入力手段に対応する無彩色成分変換マトリクス及び
    有彩色成分変換マトリクスに基づき得られる変換マトリ
    クスを用いて変換する変換ステップと、 上記変換ステップによる変換出力を、画像出力手段に対
    応する無彩色成分変換マトリクス及び有彩色成分変換マ
    トリクスに基づき得られる逆変換マトリクスを用いて逆
    変換する逆変換ステップとを備えた色補正方法。
  2. 【請求項2】 上記変換ステップの変換マトリクスと上
    記逆変換ステップの逆変換マトリクスとからあらかじめ
    合成された合成マトリクスに基づき、上記変換ステップ
    と上記逆変換ステップとを同時に行うことを特徴とする
    請求項1記載の色補正方法。
  3. 【請求項3】 上記変換ステップの変換マトリクスによ
    る演算をルックアップテーブルを用いて行うことを特徴
    とする請求項1記載の色補正方法。
  4. 【請求項4】 上記逆変換ステップの逆変換マトリクス
    による演算をルックアップテーブルを用いて行うことを
    特徴とする請求項1記載の色補正方法。
  5. 【請求項5】 上記変換ステップの前に、上記画像入力
    手段に対応するレスポンス変換を上記色入力信号に対し
    て行うレスポンス変換ステップと、 上記逆変換ステップの後に、上記画像出力手段に対応す
    る逆レスポンス変換を上記変換出力に対して行い、この
    逆レスポンス変換により得られた色出力信号を上記画像
    出力手段に出力する逆レスポンス変換ステップとを備え
    た請求項1記載の色補正方法。
  6. 【請求項6】 上記無彩色成分変換マトリクス及び上記
    有彩色成分変換マトリクスは、互いに独立であることを
    特徴とする請求項1または請求項2記載の色補正方法。
  7. 【請求項7】 無彩色ベクトルを、白点及び黒点に基づ
    き設定し、 有彩色ベクトルを、三原色の各点に基づき設定し、 上記無彩色成分変換マトリクスを、上記有彩色ベクトル
    を上記無彩色ベクトルに平行な成分に分解して得られた
    平行成分のベクトル和と上記無彩色ベクトルとが一致す
    る条件の下で得られた無彩色成分ベクトルに基づき求
    め、 上記有彩色成分変換マトリクスを、上記有彩色ベクトル
    の上記無彩色ベクトルに垂直な成分に分解して得られた
    垂直成分に対応する対応垂直ベクトルをこれら対応垂直
    ベクトルの和が0となる条件の下で求め、上記垂直成分
    と上記対応垂直ベクトルとの差が小さくなる条件の下で
    得られた有彩色成分ベクトルに基づき求めることを特徴
    とする請求項1または請求項2記載の色補正方法。
  8. 【請求項8】 基準ベクトルを、あらかじめ定められた
    色補正マトリクスを分解して得られるベクトルに基づき
    設定し、 上記色補正マトリクスから得られるベクトルを、上記基
    準ベクトルに平行な平行ベクトルと垂直な垂直ベクトル
    とに分解し、 上記無彩色成分変換マトリクスを、上記平行ベクトルに
    基づき求め、 上記有彩色成分変換マトリクスを、上記垂直ベクトルに
    基づき求めることを特徴とする請求項1または請求項2
    記載の色補正方法。
  9. 【請求項9】 請求項1の上記変換ステップの無彩色成
    分変換マトリクス及び有彩色成分変換マトリクスをそれ
    ぞれ補正する第1の調整ステップ及び第2の調整ステッ
    プを備えたことを特徴とする色補正方法。
  10. 【請求項10】 請求項1の上記逆変換ステップの無彩
    色成分変換マトリクス及び有彩色成分変換マトリクスを
    それぞれ補正する第1の調整ステップ及び第2の調整ス
    テップを備えたことを特徴とする色補正方法。
  11. 【請求項11】 上記第1の調整ステップに、 上記無彩色成分変換マトリクスを用いて評価用の画像デ
    ータから無彩色成分変換画像を求めるマトリクス演算ス
    テップと、 無彩色の程度及び明るさの程度について評価を行う評価
    ステップと、 上記評価ステップで調整が必要と判断されたときに、上
    記無彩色成分変換マトリクスを構成する複数のベクトル
    を変更して色バランス及び明るさの調整を行う無彩色調
    整ステップと、 調整された上記ベクトルに基づき調整マトリクスを求め
    る変換マトリクス調整ステップとを備えたことを特徴と
    する請求項9または請求項10記載の色補正方法。
  12. 【請求項12】 上記無彩色調整ステップは、 中間のグレーバランスを変更するときは、上記複数のベ
    クトル間の大きさの比を変更し、 黒点に近い色のバランスを変えることなく白点に近い色
    のバランスを変更するときは、上記黒点側を中心に上記
    複数のベクトルの向きを変更し、 白点に近い色のバランスを変えることなく黒点に近い色
    のバランスを変更するときは、上記白点側を中心に上記
    複数のベクトルの向きを変更し、 白点に近い色の明るさを変更するときは、上記複数のベ
    クトルの大きさと上記白点を変更し、 黒点に近い色の明るさを変更するときは、上記複数のベ
    クトルの大きさと上記黒点を変更することを特徴とする
    請求項11記載の色補正方法。
  13. 【請求項13】 上記第2の調整ステップに、 上記有彩色成分変換マトリクスを用いて評価用の画像デ
    ータから有彩色成分変換画像を求めるマトリクス演算ス
    テップと、 鮮やかさの程度及び色合いの程度について評価を行う評
    価ステップと、 上記評価ステップで調整が必要と判断されたときに、上
    記有彩色成分変換マトリクスを構成する複数のベクトル
    を変更して色合い及び鮮やかさ調整を行う有彩色調整ス
    テップと、 調整された上記ベクトルに基づき調整マトリクスを求め
    る変換マトリクス調整ステップとを備えたことを特徴と
    する請求項9または請求項10記載の色補正方法。
  14. 【請求項14】 上記有彩色調整ステップは、 全体の色合いを変更するときは、上記複数のベクトルの
    向きを変更し、 全体の鮮やかさを変更するときは、上記複数のベクトル
    の大きさを変更することを特徴とする請求項13記載の
    色補正方法。
  15. 【請求項15】 画像入力手段からの色入力信号を受け
    る入力インタフェースと、 上記色入力信号を、上記画像入力手段に対応する無彩色
    成分変換マトリクス及び有彩色成分変換マトリクスに基
    づき得られる変換マトリクスを用いて変換する第1のマ
    トリクス回路と、 上記第1のマトリクス回路の出力を、画像出力手段に対
    応する無彩色成分変換マトリクス及び有彩色成分変換マ
    トリクスに基づき得られる逆変換マトリクスを用いて逆
    変換する第2のマトリクス回路と、 補正後の色信号を上記画像出力手段に出力する出力イン
    タフェースとを備えた色補正装置。
  16. 【請求項16】 上記入力インタフェースの出力に対し
    て上記画像入力手段に対応するレスポンス変換を行い、
    変換後の出力を上記第1のマトリクス回路に出力する第
    1のレスポンス回路と、 上記第2のマトリクス回路の変換出力に対して上記画像
    出力手段に対応する逆レスポンス変換を行い、変換後の
    出力を上記出力インタフェースに出力する第2のレスポ
    ンス回路とを備えたことを特徴とする請求項15記載の
    色補正装置。
  17. 【請求項17】 画像入力手段としてのスキャナと、画
    像出力手段としてのモニタと、画像出力手段としてのプ
    リンタと、変換マトリクス及び逆変換マトリクスを保持
    する記録装置と、上記記録装置が保持する変換マトリク
    ス及び逆変換マトリクスに基づき色補正を行う請求項1
    5記載の色補正装置を備え、上記スキャナからの色入力
    信号を補正し、補正後の信号を上記モニタあるいは上記
    プリンタに出力するコンピュータとを備えた色補正応用
    装置。
  18. 【請求項18】 画像入力手段としてのスキャナと、画
    像出力手段としてのモニタと、画像出力手段としてのプ
    リンタと、変換マトリクス、逆変換マトリクス、レスポ
    ンス変換及び逆レスポンス変換のデータを保持する記録
    装置と、上記記録装置が保持する変換マトリクス、逆変
    換マトリクス、レスポンス変換及び逆レスポンス変換の
    データに基づき色補正を行う請求項16記載の色補正装
    置を備え、上記スキャナからの色入力信号を補正し、補
    正後の信号を上記モニタあるいは上記プリンタに出力す
    るコンピュータとを備えた色補正応用装置。
  19. 【請求項19】 テストチャート、プリンタ出力画像及
    びモニタ表示画像を測色する測色計を備え、 上記コンピュータは、上記測色計の測定結果に基づき補
    正に関する色データを作成して上記記録装置に記録する
    ことを特徴とする請求項17または請求項18記載の色
    補正応用装置。
  20. 【請求項20】 固有の無彩色成分変換マトリクス及び
    有彩色成分変換マトリクスに基づき得られる変換マトリ
    クスを用いて色信号を変換して出力する複数の画像入力
    手段と、 固有の無彩色成分変換マトリクス及び有彩色成分変換マ
    トリクスに基づき得られる逆変換マトリクスを用いて入
    力された色信号を逆変換して表示する複数の画像出力手
    段とを備え、 上記複数の画像入力手段と上記複数の画像出力手段との
    間の信号が上記変換マトリクスにより変換された信号で
    あるカラー画像システム。
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