JP4062397B2 - 画像処理装置、色変換定義生成装置、画像処理方法、色変換定義生成方法、記憶媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、n色版画像データを処理するための画像処理装置及びその画像処理装置で用いる変換定義を生成する色変換定義生成装置と色変換定義生成方法、さらにそのような処理を実行するプログラムあるいは色変換定義を格納した記憶媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
印刷、広告、出版業界等では、画像信号は例えばC(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)K(黒)など、黒を含む4色に色分解された色信号、あるいは、モノクロ(K単色)の色信号で取り扱われることが多い。単色に関しては、モノクロよりも少ないが、Y,M,Cの各単色で扱われることもある。
【0003】
印刷業界等では、色校正またはカラープルーフと呼ばれる商習慣があり、クライアントより発注された印刷物を輪転印刷などで多枚数刷る(本機刷り)前に、いわゆる校正刷りを行い、クライアントの了解を得るという工程を経る。この校正刷りは、CMYKがデジタルの色信号であれば、印刷以外のマーキング方式、例えば、熱昇華型、インクジェット、ゼログラフィー等のプリンタを用いて行うことが可能である。プリンタを用いて校正刷りを行う場合は、CMYKの4色に色分解したCMYK4色版画像データに基づいて、本機刷りを行った場合の再現色と同じになるように、CMYK4色版画像データを校正刷りを行うプリンタ用のCMYK4色版画像データへ変換する必要がある。同様に単色刷りであれば単色版画像データを、本機刷りを行った場合の再現色と同じになるように、単色版画像データを校正刷りを行うプリンタ用の単色版画像データへ変換する必要がある。機器依存のCMYK4色版画像データから、同じく機器依存のプリンタ用のC’M’Y’K’4色版画像データへの変換をCMYK→C’M’Y’K’画像変換と呼ぶ。また、CMYK4色版画像データを4色電子原稿と呼ぶことがある。同様に機器依存の単色版画像データから、同じく機器依存のプリンタ用の単色版画像データへの変換をモノ画像変換と呼び、特に単色がKである場合はモノクロ画像変換と呼ぶ。また、単色版画像データを単色電子原稿と呼び、特に単色がKである場合にはモノクロ電子原稿と呼ぶことがある。さらに、本発明に関わる電子原稿は、特に断らない限り、CMYKの各版と単色の版は多値画像であるものとするが、これに限られるものではない。
【0004】
上述のように、電子原稿を入力として、所与のプリンタで色校正できるということは、色校正にとどまらず、プリンタ出力を最終出力物とすればオンデマンドプリンティングを実現することができる。すなわち、種々のネットワークを介して電子原稿を伝送し、伝送先でプリントすれば、リモートカラープルーフとなり、また、種々のネットワークを介して電子原稿を伝送し、伝送先でのプリントを最終出力とすればリモートオンデマンドプリンティングとなる。
【0005】
さて、CMYK→C’M’Y’K’画像変換を高速に行うためには、色変換機構が必要である。色変換機構としては、ニューラルネットワークを応用した方式が特開平2−241271号公報に、多次元テーブルと補間を併用した方式が特公昭58−16180号公報に開示されている。また、高次多項式を利用する方式も知られている。実際には、上述のようなニューラルネットワーク、多次元テーブルと補間を併用(多次元テーブル型変換)した方式、高次多項式等をはじめとして、Log変換や冪乗(γ変換)やその他任意の関数形によるC,M,Y,K各色独立に階調を調整する機構(階調変換)、または、UCR(Under Color Removal)に伴う演算と組み合わせて色変換機構が実現されている。このうち階調変換は、高速化のために1次元のテーブルを利用することが知られており、1次元のテーブルを単にLUT(Lookup Table)と呼んでいる。
【0006】
色変換機構を利用してCMYK→C’M’Y’K’画像変換を行うには、ニューラルネットワークを応用した場合はその結合係数を、多次元テーブルと補間を併用した方式においてはそのテーブル値を、また、高次多項式を利用した場合には多項式の係数を、階調変換を実施する場合にはLUT等の値を、UCRを実施する場合にはUCRに伴う係数を、適宜に決定する必要がある。これらの決定対象を総称して色変換係数または変換定義と呼び、色変換係数または変換定義を生成することをキャラクタリゼーションと呼ぶことにする。特に、CMYK→C’M’Y’K’画像変換のためのキャラクタリゼーションをCMYK→C’M’Y’K’色変換と呼び、その色変換係数をCMYK→C’M’Y’K’色変換係数と呼ぶことにする。また、単色から単色への色変換に関しても、同様に、各種の色変換方法と色変換係数生成方法が知られている。最も一般的な方法は、1次元のLUTで単色から単色へ変換することである。
【0007】
キャラクタリゼーションは、多くの場合、コンピュータプログラムで実現され、生成された色変換係数は、読み出されたときに必要なデータの個数やその他の情報とともにファイルやメモリ等に記録される。この記録されたものをプロファイルと呼ぶ。
【0008】
画像処理装置は、プロファイルを何らかの手段で受け取り、受け取ったプロファイルに従って電子原稿を処理して、プリンタなどの画像出力装置で出力し、所望のプリントを得るものである。このように、キャラクタリゼーションを行うコンピュータなどの装置と、画像処理装置は、独立していることが一般的であるが、画像処理装置自身がキャラクタリゼーション機能を持っている場合もある。さらに、電子原稿にプロファイルを内包させて電子原稿を送受することでリモートプリンティングの利便性を向上させることも可能である。このようにして、先に述べたリモートカラープルーフ、リモートプリンティングなどが可能となる。
【0009】
色変換を行う際に使用するプロファイルの代表的なものとして、International Color Consortium(ICC)で定められているICCプロファイルフォーマットがある。このICCプロファイルフォーマットでは、L* a* b* 色空間やXYZ色空間とCMYK色空間などとの間の双方向の変換定義が記録されており、単色の変換定義や、3色あるいは4色の変換定義であるといえる。また、PostScript(登録商標)は画像フォーマットの形式であるが、モノクロ用、n色版用の変換定義が内蔵されているものである。
【0010】
通常、これらの変換定義を利用する場合には、L* a* b* 色空間やXYZ色空間などといった装置に独立の色空間あるいはRGB色空間などの入力装置に依存した色空間から、プリンタなどの出力装置に依存したCMYK色空間などへの変換に利用される。上述のようにICCプロファイルフォーマットでは双方向の変換定義が記録されていることから、順方向と逆方向の変換定義を組み合わせることによって、上述のようなCMYK→C’M’Y’K’色変換係数を取得することができ、CMYK→C’M’Y’K’色変換が可能となる。同様にK→K’色変換も可能である。
【0011】
しかし、従来のCMYK→C’M’Y’K’色変換が可能な装置では、モノクロ用の変換定義を用いることはないし、また、モノクロ単色の画像データを受け付ける構成にはなっていなかった。そのため、モノクロ単色版画像データが受け付けられなかったり、あるいは4色版画像データを外部で作成してから入力するしかなかった。
【0012】
一方、上述のようなモノクロ用及びn色版用の変換定義は、それぞれについては最良の色変換が行われるように定義されているものの、両者の変換結果について十分に満足できるものではなかった。例えばK単色で構成された画像データに対して、第1の出力装置のKから第2の出力装置のK’へのモノクロ画像変換を行うことを想定する。モノクロであるので、ICCプロファイルフォーマットで記述されたモノクロ用のプロファイルが適用されて、処理結果が得られるであろう。またPostScriptであれば、やはり、モノクロ用の処理がなされ、その処理結果が得られるであろう。また、CMYK→C’M’Y’K’色変換によって、上述のK単色で構成された画像データと等価となるC=M=Y=0、すなわち、CMYの色材を全く使用しないような4色版画像データに対してCMYK→C’M’Y’K’色変換を行ったとすると、やはりモノクロ用の処理を行った場合と同様の出力結果が期待される。
【0013】
しかし、C’,M’,Y’の少なくとも1色は0でない値の出力画像となっていることが一般的である。そのため、4色版画像データの変換結果により画像を形成した後の例えばL* a* b* 色空間などにおける測色値と、前記モノクロ用の処理を施された画像を形成した後の測色値とは、一致することは少ない。また、4色で再現された画像と、モノクロで再現された画像の比較であるので、明度のみ、すなわち、L* のみで比較しても、一致していることは少ない。すなわち、同等の画像データを入力しても、単色版用の変換定義を用いた場合と4色版用の変換定義を用いた場合とでは、色が異なってしまうという不具合がある。
【0014】
特に、CMYK→C’M’Y’K’色変換係数を生成する際の条件によってこのような状況が発生する。例えば、第1の出力装置に対するCMYKの画像データを作成する際に考慮されるK版生成の条件(UCR:Under ColorRemoval)を、第2の出力装置用のC’M’Y’K’に変換する際に保存(K保存)するように、CMYK→C’M’Y’K’色変換係数を作成するか否かによって、理想的にはどちらでも出力画像の測色値は一致しているはずであるが、実際には、微妙に違ってしまう。また、CMYK→C’M’Y’K’色変換係数の作成意図として、第1の出力装置の白基準(たとえば印刷用紙)と第2の出力装置の白基準(たとえばプリンタ用紙)を測色値では違うが、これを同じとみなした相対調色的一致を意図したものであるか、あるいは、あくまでも絶対的に一致させる絶対測色的一致を意図したものであるかによっても、出力結果が異なってくる。さらに、操作者の意図に従ってCMYK→C’M’Y’K’色変換係数に何らかの操作を加えた場合にも、出力結果は異なってしまう。
【0015】
一般に単色の画像処理の方が高速に処理が可能であるという利点があるため、単色の画像データに対して4色版用の変換定義を利用しようとすることが無く、そのために上述のような問題に対する解決が図られることはなかった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、単色版画像データ及びn色版画像データのいずれが入力されても処理可能であるとともに、単色版画像データ及びn色版画像データで等価な画像データが入力された場合にはほぼ同じ色再現を行うことができる画像処理装置及び画像処理方法を提供することを目的とするものである。また、そのような画像処理装置及び画像処理方法において用いられる変換定義を生成する色変換定義生成装置及び色変換定義生成方法を提供することを目的とするものである。さらに、これらの装置において実行される処理やこれらの方法を実現するプログラムあるいは変換定義を格納した記憶媒体を提供することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、n色版画像データに対して色変換処理を行うn色版画像処理手段を有しており、n色版画像データが入力された場合には、n色版画像処理手段によって色変換処理を行う。また、n色中の1色からなる単色版画像データが入力された場合には、その単色以外の色についてダミーの色版画像データを付加してn色版画像データとし、そのn色版画像データに対して色変換処理を行うことを特徴とするものである。これによって、n色版画像処理手段しか設けていなくても単色版画像データの入力を可能にするとともに、単色版画像データと等価なn色版画像データが入力された場合でも、両者の出力結果を一致させることができる。
【0018】
また本発明は、n色版画像データに対して色変換処理を行うn色版画像処理手段と、単色版画像データに対して階調変換処理を行う単色版画像処理手段の両方を具備し、n色版画像データが入力された場合には該n色版画像データに対してn色版画像処理手段により色変換処理を行い、単色版画像データが入力された場合には該単色版画像データに対して単色版画像処理手段により階調変換処理を行うとともに、単色版画像処理手段は、単色階調の画像データにダミー画像データを付加したn色版画像データを入力側装置のn色信号から出力側装置のn色信号に変換し、出力側装置のn色信号を機器に独立な色信号に変換し、機器に独立な色信号または機器に独立な色信号の一部または機器に独立な色信号から導出される指標と前記出力側装置の単色階調特性を関連づけ、該関連づけの結果に基づいて生成した単色の入力画像データから単色の出力画像データに変換するための変換定義を用いて、単色版画像データに対する階調変換処理を行うことを特徴とするものである。これによって、n色版画像データと単色版画像データの両方に対応することができるとともに、単色版画像データに対しては、単色版画像処理手段による高速処理を可能としている。さらに、単色版画像データと、それに等価なn色版画像データとにおいて、その処理後の出力結果を略等しくすることができる。
【0019】
なお、n色版画像データにおいて行う色変換処理は、n色版画像データを、m色版画像データに変換する多色から多色への色変換に対して応用できるものである。また、n色版画像処理手段と単色版画像処理手段を有する構成では、濃度、明度、反射率、彩度、白基準からの色差など、1次元の指標で一致させることが妥当であると考えられる関係にあるn色中の単色と、m色中の単色であれば適用可能である。好ましくは、n色とm色が、第1の出力装置のCMYKと第2の出力装置のC’M’Y’K’のように、同質のものがよいし、さらに好ましくはnとmが同数であれば、全てのn色に関して同様の一致が得られるものである。反対に、同質でない場合には、必ずしも不適というわけではない。たとえば、L* a* b* からCMYKに変換する変換定義の場合、L* 単色データをK単色に変換する場合が考えられ、明度を一致させるという点においては、全く問題がない。
【0022】
このようにして生成された単色版画像データに対する変換定義は、n色版画像データに対する変換定義に応じて作成されるので、単色版画像データを単色版画像処理手段で処理した結果と、その単色版画像データと等価なn色版画像データをn色版画像処理手段で処理した結果とを略一致させることができる。
【0023】
また、このようにして作成した単色版画像データに対する変換定義は、n色版画像データに対する変換定義に基づいて作成したものであるので、両者を1つの記録形式として保存管理されていると、実際の画像処理に当たって便利である。例えば、n色版画像データに対する変換定義を生成する、いわゆるプロファイラーが、単色版画像データに対する変換定義を同時に作成し、両者を1セットとして例えば単一のファイルなどの形態で保持されるようにしておくとよい。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明の構成を説明する前に、ある程度の理論的な説明を行っておく。まず、使用する黒を含むn色としてC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(黒)の4色を想定し、測色値あるいは表色系の色空間をL* a* b* とし、機器依存の色空間をCMYKとして、その関係を説明する。
【0025】
(順色予測モデル)
まず、実際に、CMYKからL* a* b* を求める、あるいは、L* a* b* よりCMYKを求める方法について説明する。なお、ここでは特に断らない限り、CMYKは一般的な意味で用い、入力のCMYKに規定するものではない。また、例としてL* a* b* 色空間を用いるが、その他の色空間であってもかまわない。CMYKからL* a* b* を求めるためには、CMYKを順次変更した色票を対象とする画像出力装置で作成して、そのL* a* b* を測色する。これによってCMYKとL* a* b* との多数の対が得られる。このCMYKとL* a* b* の対を素データと呼ぶことにする。CMYKからL* a* b* を予測するために、素データに基づいてモデルを構築することが行われてきた。CMYKからL* a* b* を予測するモデルを順色予測モデルと呼ぶことにする。
【0026】
順色予測モデルの最も一般的な手法は、最小自乗法による高次多項式近似である。また、例えば特開平2−241271号公報に記載されているように素データを教師データとしてニューラルネットワークにより予測するモデル、あるいは、特開平10−262157号公報に記載されているように重み付け線形回帰を用いて予測するモデルなどが知られている。これらのモデルはブラックボックスモデルと呼ばれ、画像出力装置の特性、面積変調か濃度変調かといった階調再現の方式に左右されない。反面、測色的一致精度を得るためには、数百から数千色の素データが必要である。
【0027】
(逆色予測モデル)
L* a* b* からCMYKを求める方法について説明する。一般的に、L* a* b* からCMYKを求める方向は1対多の関係(多義)であり、1価関数の関係ではないため解は定まらない。そこで、CMYKの中の1つを何らかの条件で拘束して固定し、与えられたL* a* b* と固定された1つから、残りの3つの値を求めることが行われる。例えば「フレキシブルUCRによる高精度色変換」、Japan Hardcopy 94論文集、電子写真学会、P177には、与えられたL* a* b* を満足する最大のK(maxK)は1つ定まり、Kは適宜のUCR率βをmaxKに乗じることにより固定し、L* a* b* とKからCMYを求める方法が記載されている。このように、L* a* b* とCMYKのうち1つを固定して、残りの3つを予測するモデルを逆色予測モデルと呼ぶ。
【0028】
ただし、あらゆるCMYKの組み合わせにより再現できるL* a* b* の範囲は、画像出力装置と出力条件で決まってしまい、色域と呼ばれている。色域を超えたL* a* b* が与えられた場合は、どのようなCMYKの組み合わせであっても解は得られない。同様に、L* a* b* が色域の範囲内であっても、固定された色の値が不適切な場合も解は得られない。例えば、与えられたL* a* b* のL* 値(明度)よりも低い明度のKを固定して、CMYを求めても、与えられたL* a* b* と同じになることはない。KにCMYを加えても明度は低くなるが高くなることはないからである。このように色域外であったり、固定値が不適切であった場合にも、モデルとしては解が存在した方が、後述するK修正処理にとって好適である。
【0029】
通常、CMYKは0〜100%の範囲であるが、逆色予測モデルにおいては、特に範囲を制限することなく、負の値、100を超える値を許容してもよい。ただし、現実には存在しない、つまり、素データにはない値であるので、素データに基づいて逆色予測モデルは外挿することになる。つまり、逆色予測モデルは色域の範囲内のみでなく、外挿能力の高いものがより好適である。逆予測してCMYを求めたとすると、CまたはMまたはYが適正な範囲外、すなわち、負の値、100を超える値であれば、不適切な解であると判断できるため、修正処理を行うことが可能である。
【0030】
(色域圧縮)
色域の概念について上述したが、本発明のように、入力側で想定する出力装置と実際に出力する出力装置が異なる場合、当然、色域が違ってくる。この場合、逆色予測モデルが解けない。そのために、入力側の色域から、出力側の色域への色域圧縮を行う方が好適である。色域圧縮については種々考案されており、詳細な説明は省略する。
【0031】
(本発明の原理)
以上が、CMYK→C’M’Y’K’色変換の色変換係数を作成するために不可欠な手段である。次に、本発明において絶対測色一致、部分測色的一致、相対測色的一致を行うための原理を説明する。前提として、予め入力側の素データと出力側の素データは適当数用意されているものとする。また、上述の順色予測モデルは入力順色予測モデルと出力順色予測モデルの2種が、前記逆色予測モデルは、入力逆色予測モデルと出力逆色予測モデルの2種が、それぞれ準備されているものとする。これらの一致を高精度に行わせ、かつ、再現開始点をそろえるなどの要求を満足する好適なCMYK→C’M’Y’K’色変換方式として、第1の1次元ルックアップテーブル(以下LUT1と呼ぶ)と、4次元テーブル型色変換部(以下4DLUTと呼ぶ)と、第2の1次元ルックアップテーブル(以下LUT2と呼ぶ)による色変換方式を用いる。すなわち、CMYKをLUT1によりC1M1Y1K1に変換し、4DLUTによりC2M2Y2K2に変換し、LUT2により、C’M’Y’K’に変換する構成とする。また、CMYK及び、C’M’Y’K’は各色8ビットであるとする。
【0032】
(絶対測色的一致)
LUT1の作成方法は、C1M1Y1K1各単色の階調と入力の紙の白からの色差△Eが線形になる様に作成する。Kを例とする。C,M,Yはすべて0%であり、Kが0%のとき紙の白からの色差△E=0である。K=100%のときの白からの色差△E=qとする。Kの全階調が8ビットであれば0から255までの256階調であるから、(C,M,Y,K)=(0,0,0,Ki)(Ki=0,1,…,255)を入力順色予測モデルに代入して(0,0,0,Ki)の時のL* a* b* 値(Li,ai,bi)が求まり、式1により△Eiが得られる。
△Ei=[(Li−L0)2+(ai−a0)2+(bi−b0)2]1/2 … 式1
ここで、(L0,a0,b0)は紙の白のL* a* b* である。
【0033】
さらに、式2のように△Eiを正規化して△Ei’を求める。
△Ei’=△Ei/q×100 … 式2
Kiと△Ei’は1対1対応であり、△Ei’を横軸に、Kiを縦軸にプロットして、回帰による近似や折れ線近似を行い、LUT1のKからK1への変換定義を決める。CMYの各単色に関しても同様である。
【0034】
LUT2に関しても出力順モデルを用いてLUT1と同様に、C2M2Y2K2の各単色の階調と出力側の紙の白からの色差△Eが線形になるように作成する。ただし、ここで作成されるのはC’M’Y’K’→C2M2Y2K2の方向の階調変換を行うルックアップテーブルである。実際に色変換処理時に使用する際には、この逆変換、すなわち、C2M2Y2K2→C’M’Y’K’の方向に変換する1次元ルックアップテーブルを用いることになる。階調変換の場合には1対1対応であるので、逆変換についても容易に取得することができる。
【0035】
上述のようにしてLUT1、LUT2を設計することによって、C1M1Y1K1とC2M2Y2K2の対応する単色同士の関係はほぼ線形となり、次工程で作成する4DLUTの補間誤差を軽減する効果がある。また、256階調全ての細かな階調制御ができるため、従来は白付近で階調幅が大きくなっていた部分をキャンセルして、CMYK→C’M’Y’K’色変換を行ったときにC’M’Y’K’の再現開始点を揃えやすくなるという効果がある。
【0036】
上述の説明では、LUT1、LUT2は白からの色差△Eが線形になるように作成したが、光学濃度、反射率、明度、あるいは、等価中性濃度、等価中性明度など、単色階調設計や評価に用いられる指標であればなんでも良い。ただし、部分測色的一致、相対測色的一致を行うためには、ルックアップテーブルの入出力関係が最小値の0は0に、最大値の100は100に変換できるものがより好適である。
【0037】
次に、C1M1Y1K1からC2M2Y2K2への変換を行う4DLUTの作成方法について説明する。4DLUTは、次の5工程により作成することができる。
▲1▼C1M1Y1が全て0、すなわち、(0,0,0,K1)を入力順色予測モデルによりL* a* b* を予測し、このときのL* 値のみをL1とする。同様に(0,0,0,K2)についても出力順色予測モデルによりL* a* b* を予測し、この時のL* 値のみをL2とする。そして、L1=L2になるようなK1とK2の対応関係を作る。これをL突き当てと呼ぶ。このL突き当てによりK1からK2を求める。
▲2▼C1M1Y1K1より入力順色予測モデルで、L* a* b* を予測する。
▲3▼L* a* b* が出力側の色域を超えていれば、色域圧縮を行い、出力側の色域内にL* a* b* を変更する。
▲4▼L* a* b* とK突き当てによるK2とからC2M2Y2を出力逆色予測モデルにより求める。
▲5▼もし、C2M2Y2が適正値でなければ、K2を調節して、C2M2Y2を求め直し、適正値のC2M2Y2K2を求める。(K修正処理)
【0038】
▲5▼の工程は、▲1▼の工程でのL突き当てによるK2が過多である場合にK2を減ずる処理であるが、反対にK2では足りない場合も起こることがあり、K2を増やす方向に調整するようにしてもよい。また、LUT1、LUT2の処理を行う場合は、▲1▼の工程を省くことも可能である。
【0039】
このような▲1▼から▲5▼の工程、あるいは、▲2▼から▲5▼までの工程を、4DLUTの格子点分だけ繰り返せば、4DLUTのテーブル値を求めることができる。
【0040】
(部分測色的一致)
部分測色的一致は、入力がK単色である場合は、出力もK単色で再現する、等の再現方法である。これは、絶対測色的一致で作成した4DLUTの一部のテーブルを書き換えることで実現される。4DLUTにおいては、入力のC1M1Y1K1はテーブルを引くためのアドレスであり、そのテーブル値がC2M2Y2K2と考えてよい。例えば、入力の白を出力時も白とするには、白のアドレス(C1,M1,Y1,K1)=(0,0,0,0)のテーブル値を強制的に(C2,M2,Y2,K2)=(0,0,0,0)とすれば良い。同様に、K1が単色(0,0,0,K1)のとき、強制的にC2=M2=Y2=0として、(0,0,0,K2)とすればよい。Yの単色再現を保証したければ、Kと同様に、(0,0,Y1,0)のとき、C2=M2=K2=0とすればよい。同様に、プロセスブラック(K1が0でC1M1Y1のみが値をもつとき)を保証したければ、(C1,M1,Y1,0)のテーブル値を強制的にK2=0にして(C2,M2,Y2,0)とすればよい。また、(C1,M1,Y1,K1)=(0,0,0,100)に関しても、テーブル値を強制的に(C2,M2,Y2,K2)=(0,0,0,100)とすれば黒べたを黒べたとして再現することができる。
【0041】
(相対測色的一致)
相対測色的一致は、入力の素データと出力の素データに対して、それぞれの白を、統一した白基準に変更し、それぞれ変更された素データをもとに、完全測色的一致または部分測色的一致を行えば良い。測色値をL* a* b* としたとき、変更された測色値を相対L* a* b* と呼ぶ。以下、相対L* a* b* への変更方法を説明する。
【0042】
L* a* b* と3刺激値XYZの関係を式3−1〜3に示す。
L* =116・(Y/Yo)1/3 −16 …式3−1
a* =500[(X/Xo)1/3 −(Y/Yo)1/3 ] …式3−2
b* =200[(Y/Yo)1/3 −(Z/Zo)1/3 ] …式3−3
ここで、(Xo,Yo,Zo)は光源の3刺激値である。(X/Xo)1/3 =P、(Y/Yo)1/3 =Q、(Z/Zo)1/3 =R、紙の白のL* a* b* 値を(Lw,aw,bw)、その時の(P,Q,R)を(Pw,Qw,Rw)とし、相対L* a* b* の白基準値を(Lo,ao,bo)とすると
Lw=116・Qw−16 …式4−1
aw=500(Pw−Qw) …式4−2
bw=200(Qw−Rw) …式4−3
である。ここに調整係数α、β、γを導入して、
Lo=116・β・Qw−16 …式5−1
ao=500(α・Pw−β・Qw) …式5−2
bo=200(β・Qw−γ・Rw) …式5−3
からα、β、γを解くことができる。与えられたL* a* b* に対して、P,Q,Rを求め、α・P、β・Q、γ・Rとして、L* a* b* に戻せば、相対L* a* b* となる。この操作を入力の素データのL* a* b* 、及び、出力の素データのL* a* b* に対して行えば、入力、出力の白のL* a* b* 値は一致する。
【0043】
また、式3−1〜3において、X/Xo=E、Y/Yo=F、Z/Zo=Gと表記し、(Lw,aw,bw)のときの(E,F,G)を(Ew,Fw,Gw)と表記すれば、式6−1〜3により相対Labに変換できる。
Lr=116・(F/Fw)1/3 −16 …式6−1
ar=500[(E/Ew)1/3 −(F/Fw)1/3 ] …式6−2
br=200[(F/Fw)1/3 −(G/Gw)1/3 ] …式6−3
式6−1〜3における(Lr,ar,br)は相対L* a* b* を表す。
【0044】
このように、絶対測色的一致によりLUT1及びLUT2と4DLUTを作成し、4DLUTについては部分測色的一致及び相対測色的一致により再現されるように、その内容を修正することによって実現することができる。
【0045】
図1は、本発明の画像処理装置の第1の実施の形態を示すブロック図である。また、本発明の画像処理方法の第1の実施の形態を実現する構成例を示すものでもある。図中、1は入力画像データ認識部、2はダミーデータ付加部、3は色変換部である。この第1の実施の形態では、単色版画像データに対して、ダミー画像データを加え、n色版画像データとして、n色版画像データに対する変換定義を適用する例を示している。n色版画像データは、ここではCMYKの4色の版で構成されるものとし、CMYK画像データと呼ぶことにする。また、色変換後についても同様に4色の版で構成されるものとし、ここではC’M’Y’K’とし、C’M’Y’K’画像データと呼ぶことにする。単色版画像データはKの画像データであるものとし、モノクロ画像データと呼ぶことにする。以下の各実施の形態においても、特に断らない限り同様である。
【0046】
入力画像データ認識部1は、入力画像データがCMYK画像データか、モノクロ画像データかを認識し、入力画像データがCMYK画像データであれば、直接、色変換部3に送出する。また入力画像データがモノクロ画像データである場合には、そのモノクロ画像データをK版の画像データとして色変換部3に送出するとともに、ダミーデータ付加部2に対してC、M、Y版のダミーの画像データを生成するように指示する。
【0047】
ダミーデータ付加部2は、入力画像データ認識部1からの指示に従い、C,M,Yとも0、すなわち、色材が乗らない値の画像データを出力する。これによって、入力画像データがモノクロ画像データの場合には、C,M,Yの画素がモノクロ画像データの処理対象の画素に付加され、色変換部3に送出される。
【0048】
色変換部3は、CMYKの4色版の画像データに対する変換定義を用いて、CMYK画像データをC’M’Y’K’画像データに変換して出力する。入力画像データがCMYK画像データであれば、C、M、Y、Kの4色とも入力画像データ認識部1から直接送られてくるので、これをC’M’Y’K’画像データに変換する。また、入力画像データがモノクロ画像データの場合には、そのモノクロ画像データがKとして、また、ダミーデータ付加部2からC,M,Yが送られてくるので、CMYK画像データと同様にして色変換処理を行えばよい。
【0049】
このような構成によって、入力画像データがモノクロ画像データであっても、またCMYK画像データであっても、同様にして色変換部3において色変換処理を行うことができる。また、入力画像データがモノクロ画像データの場合でも、そのモノクロ画像データと等価なCMYK画像データが入力された場合でも、同じ処理結果を得ることができる。
【0050】
なお、図1に示した構成において、色変換部3における処理単位は任意であり、例えば入力される画素ごとに順次処理を行うことができる。あるいは、例えばモノクロ画像全面にダミーデータを付加してから色変換処理を実施したり、処理形態として画像をブロック単位で扱う処理系であれば、ブロックごとにダミーデータを付加するように構成してもよい。
【0051】
図2は、本発明の画像処理装置の第2の実施の形態を示すブロック図である。また、本発明の画像処理方法の第2の実施の形態を実現する構成例を示すものでもある。図中、図1と同様の部分には同じ符号を付してある。4はモノクロ色変換部である。上述の第1の実施の形態では、モノクロ画像データに対してCMYK画像データに対する変換定義を適用するため、モノクロ画像データの変換結果として出力されるC’M’Y’K’画像データは必ずしもC’=M’=Y’=0とならないことが考えられる。この第2の実施の形態では、単色版画像データに対して処理後も単色を保証し、かつ、高速な変換処理を行う例を示している。なお、この例においてもC、M、Y、Kの4色(n=4)を用いるものとする。
【0052】
入力画像データ認識部1は、入力画像データがCMYK画像データかモノクロ画像データかを認識する。そして、入力画像データがCMYK画像データであれば、そのCMYK画像データを色変換部3に送出する。また、入力画像データがモノクロ画像データであれば、そのモノクロ画像データをモノクロ色変換部4に送出する。
【0053】
色変換部3は、4色版画像データに対する変換定義を用いてCMYK−C’M’Y’K’色変換を行う。この第2の実施の形態では、入力画像データがCMYK画像データの場合にのみ、そのCMYK画像データが送られてくるので、そのまま色変換処理を行ってC’M’Y’K’画像データを出力することになる。
【0054】
モノクロ色変換部4は、入力画像データ認識部1から送られてくるモノクロ画像データに対して階調処理を行い、モノクロ画像データを出力する。モノクロ色変換部4は、1入力1出力の関数であればなんでもよいが、例えば1次元のLUTで構成することができる。この1次元LUTをモノLUTと呼ぶことにする。
【0055】
このような構成によって、CMYK画像データが入力された場合でも、モノクロ画像データが入力された場合でも、色変換処理(及び階調変換処理)を行うことができる。また、モノクロ画像データに対してはモノクロ色変換部4において単色のみで変換を行うため、出力される画像データについても単色が保証される。さらに、単色のみの処理であるため、高速処理が可能である。
【0056】
しかし、このように色変換部3とは別にモノクロ色変換部4を設けた場合、モノクロ画像データのモノクロ色変換部4による変換結果と、モノクロ画像データに他の色のダミー画像データを付加して4色の画像データとして色変換部3で色変換処理を行った結果とが異なる場合がある。例えば、モノクロ画像データとしてKiという値が入力されたとき、モノクロ色変換部による変換結果がKi’であったとする。Kiと等価なCMYK画像データである(C,M,Y,K)=(0,0,0,Ki)が入力された場合、色変換部3による変換結果は(0,0,0,Ki’)とはならず、C,M,Yの1以上の要素については0にならずに色材が加わってしまう。また、K成分だけを比較しても、Ki’とは異なってしまう。このように、モノクロ画像が入力された場合と、そのモノクロ画像データと等価なCMYK画像データが入力された場合とでほぼ同一の結果が得られるようにしておくことが望まれる。
【0057】
この第2の実施の形態では、上述のように単色画像データに対して単色の色変換処理(階調変換処理)を施した場合と、その単色画像データと等価なn色画像データに対してn色版画像データに対する色変換処理を施した場合とで、略等価の結果が得られるように、単色の色変換処理時に用いる変換定義を設定する。すなわち、図2に示す構成において、モノクロ色変換部4で用いるモノLUTを上述のように設定すればよい。
【0058】
ここで、モノLUTの生成方法について、その一例を簡単に説明する。モノクロの場合においても、相対測色一致、絶対測色一致という考え方ができる。モノクロの場合におけるもっとも簡単な測色的な尺度は、明度、反射率、濃度、輝度、彩度、紙からの色差といった一次元の物理的特性である。ここでは、尺度として明度L* を用い、入力側の画像データはモノクロ印刷装置で印刷を行うときに用いるデータ、出力側の画像データはモノクロプリンタで印刷を行うときに用いるデータであるものとして説明する。ここで言うモノクロプリンタとは、カラープリンタであってもさしつかえなく、モノクロをCMYの3色で再現してもよいし、K単色を用いて再現してもよいし、さらに、CMYKの4次色で再現してもかまわない。ただし、モノクロの画像信号に対しては、K単色の出力をすることが一般的であるので、ここでは、K単色で出力する場合について説明する。
【0059】
図3は、モノLUTを生成する際の一構成例を示すブロック図である。図中、11はモノ順予測部、12はモノ逆予測部、13はモノLUT生成部である。モノ順予測部11は、入力側の装置におけるK階調特性、すなわちK値を入力側の装置に与えて印刷させた画像を測色したときのL* 値の特性を用い、与えられたK値からL* 値を取得する。
【0060】
モノ逆予測部12は、出力側の装置におけるK階調特性、すなわちK値を出力側の装置に与えて印刷させた画像を測色したときのL* 値の特性を用い、与えられたL* 値から逆にK’値を取得する。
【0061】
モノLUT生成部13は、与えられたK値と、モノ逆予測部12において取得されたK’値を対応付け、モノLUTの1つのエントリとする。複数のK値について対応するK’値を得ることによって、モノLUTを生成することができる。
【0062】
図3に示す構成における動作を、具体例を用いて説明する。図4は、入力側装置と出力側装置の階調特性の一例を示すグラフである。このグラフでは、機器依存の信号値(K値)を横軸、明度L* 値を縦軸として、入力側及び出力側の装置の特性を示している。入力側の装置であるモノクロ印刷装置における特性を印刷K階調特性、出力側の装置であるモノクロプリンタにおける特性をプリンタK階調特性として示している。
【0063】
図4に示すように、任意の横軸上の座標Aに対して印刷K階調特性曲線上の点Bを求める。この動作をモノ順予測部11が行う。点Bの縦軸上の値(L* 値)が求められたら、モノ逆予測部12において、この点Bの縦軸上の値(L* 値)と等しいプリンタK階調特性曲線上の点Cを求め、この点Cの横軸上の座標Dを求める。このとき、座標Aと座標Dの対応関係が、L* を一致させたときの変換定義となる。この変換定義をモノ変換定義と呼ぶ。通常、座標Aを等間隔に刻み、そのときの座標Dを順次算出して対応させ、LUTを生成すればよい。8ビット系の処理であれば、256個のLUTとして構成すると都合がよい。
【0064】
また、図中、E,F,G,Hのように、プリンタK階調特性曲線との交点Gを求める際に、交点が存在しない場合がある。そのような場合には、白(0%)の方向か、ベタ(100%)の方向かを判定して、それぞれ白かベタに飽和させておけばよい。
【0065】
上述の方法は、L突き当てと同様である。また、再現は絶対測色的一致となっている。モノクロであっても、予め相対L* a* b* を計算しておけば、モノクロの相対測色的一致が可能である。もちろん部分測色的一致も可能であるが、絶対測色的一致のモノLUTの1点のみをリセットすることは、擬似輪郭を発生させやすく好ましくない。この場合は、予め、印刷K階調特性曲線かプリンタK階調特性曲線の白点を一致させるように、Y軸方向にどちらかの曲線の一部または全部を引き伸ばすか縮めるかの操作を加えてから、上述のようにしてモノLUTを求めればよい。
【0066】
このようにして生成したモノLUTを、予め図2のモノクロ色変換部4にセットし、しかる後にモノクロ画像データの色変換(階調変換)を行えばよい。
【0067】
上述のモノLUTの生成方法は、最も基本的な方法である。通常、モノLUTのみを作成するには、このような方法で十分である。また、n色の色変換定義はなくても、モノLUTを作成するための測色値があればよいという利点がある。
【0068】
特に、n色版画像データに対する変換定義に対して、制作者の意図によって、リセットがなされたり、その他の変更がなされている場合、n色版画像データに対する変換定義の作成条件と同一の条件でモノLUTを作成しておくことが望ましい。以下、この場合のモノLUTの作成方法について説明する。
【0069】
図5は、n色版画像データに対する変換定義の作成条件と同一の条件でモノLUT作成する場合の構成の一例を示すブロック図である。図中、21は色変換部、22は順予測部、23はモノ逆予測部、24はモノLUT生成部である。この例では、モノLUTへの入力となるKiを与え、対応する出力のKiを生成するための構成例を示している。なお、上述の各例と同様に、CMYKの4色を用いることとする。
【0070】
色変換部21は、ここでは一例として、印刷のCMYKからプリンタのCMYKへの変換を行うものである。CMYK画像データに対する変換定義は、4つの1次元LUTと、4次元DLUTと、4つの1次元LUTで構成されているものとする。n色版画像データに対する変換定義の構成は、4DLUTだけ、あるいは4つの1次元LUTと4次元DLUT、または4次元DLUTと4つの1次元LUTなど、別の構成であってもさしつかえない。n色版画像データに対する変換定義は、ここではカラー色変換定義とも呼ぶことにする。また、モノLUTはK単色用で、8ビット(256個)として、また、0〜100%で表される機器依存のCMYKの値は0〜255に規格化されているものとして説明する。
【0071】
この色変換部21は、モノLUTの入力値となるKiを受け取るとともに、他の色、すなわちC、M、Yについては値が0のダミー画像データまたはダミーデータが入力される。本来、モノLUTを求めるのであるから、必ずしもダミー画像データである必要はなく、ダミーデータでかまわない。ダミー画像データとダミーデータの違いは、ダミー画像データが1次元LUTや4DLUTを通る毎に量子化誤差が累積されてゆくのに対して、ダミーデータは、1次元LUTは補間により浮動小数点演算し、4DLUTのアドレッシングおよび補間演算自身も浮動小数点演算とし、順色予測モデルによる演算なども浮動小数点演算として、最後のモノLUT生成時に四捨五入を行い整数に丸めることにより、計算途中の量子化誤差を最小にできる点にある。また、色変換部のみダミー画像データにより画像処理系として、ダミー画像データをダミーデータに変更後に順色予測モデルを浮動小数点演算し、最後に丸める構成を取ることもできる。この例では、モノLUTを生成するためには、精度を重視してすべて浮動小数点演算とする場合をダミーデータとして扱っている。この例ではモノLUTを生成するのが目的であるので、そのためのデータ形式が画像データであるか、単なるデータであるかは、精度の点を除いて意味はない。したがって、以降の説明では、前記ダミーデータを含めてダミー画像データと呼ぶことにする。このダミー画像データとして、色信号(C,M,Y,K)=(0,0,0,Ki)が入力される。そして色変換部21は、入力されたダミー画像データを含むCMYK画像データに対して色変換処理を行い、出力側の画像データであるプリンタのCMYK画像データを出力する。このときプリンタのCMYK画像データは、C,M,Yも0以外の値であることが多い。なお、ここまでの構成としては、図1に示した構成と同様の構成を適用可能である。
【0072】
順予測部22は、出力側の装置であるプリンタにおける順色予測モデルを用いて、色変換部21で変換されたCMYK画像データからL* a* b* 値を求める。
【0073】
モノ逆予測部23は、順予測部22で求めたL* a* b* 値のうちL* 値からプリンタにおけるプリンタK階調特性曲線を逆引きし、L* 値に対応するKi’を求める。
【0074】
モノLUT生成部24は、入力された印刷機におけるKiと、モノ逆予測部23で求めたプリンタにおけるKi’とを対応付け、モノLUTのエントリとして登録する。複数のKiとKi’との対応によってモノLUTが作成される。
【0075】
図6は、n色版画像データに対する変換定義の作成条件と同一の条件でモノLUT作成する場合の作成方法の一例を示すフローチャートである。
【0076】
S31では、Kの値を更新するためのカウンタiを0に初期化する。例えば0≦Ki≦255の場合、Ki=iとしてiを0〜255まで順に変更すればよい。
【0077】
S32では、入力側の画像データである印刷機のCMYK画像データにおいて、Kの単色版画像データに対応するCMYK画像データである(C,M,Y,K)=(0,0,0,Ki)、(0≦Ki≦255)を生成する。そしてS33において、S32で生成した印刷機のCMYK画像データ(0,0,0,Ki)を、カラー色変換定義を用いて色変換部21で色変換し、出力側の画像データであるプリンタのCMYK画像データ(C’,M’,Y’,K’)を得る。このときプリンタのCMYK画像データは、C’,M’,Y’も0以外の値であることが多い。
【0078】
S34では、順予測部22において、S33で得られたプリンタのCMYK画像データに対してプリンタの順色予測モデルを適用し、L* a* b* 値を求める。順方向の色予測モデルに与えるプリンタの素データとして相対L* a* b* を与えるか絶対L* a* b* を与えるかは、カラー色変換係数の生成時の条件に従う。そして、得られたL* a* b* 値のうち、L* 値のみを取得する。
【0079】
そしてS35では、モノ逆予測部23において、S34で取得したL* 値からプリンタのKi’値を決定する。Ki’値の決定においては、プリンタK階調特性曲線を逆引きすればよい。このとき、K階調特性曲線は、S34のようにカラー色変換係数の生成時の条件に合わせて相対L* か絶対L* で作成する。また、逆色予測モデルを、L* ,a* ,b* ,C,M,Yで拘束してKを求めるように変形し、求められたプリンタL* a* b* とC=0,M=0,Y=0で拘束してKを求めてもよい。
【0080】
このようにして求められた印刷機のK(S32で生成したKi)とプリンタのK(S35で求められたKi’)の対応が、求めるべきモノLUTであり、モノLUT生成部24においてモノLUTを生成する。モノLUTのKiに対応する値としてS35で求めたKi’をセットすればよい。
【0081】
S36では、カウンタiが所定回数を超えたか否かを判定し、所定回数を超えていなければS37でカウンタiをインクリメントして更新し、S32へ戻る。これによって、Kiを順次変更しながら、対応するプリンタのKi’値を求めてゆくことができる。所定回数繰り返したら、この処理を終了する。これによって、所定個のエントリのモノLUTが完成する。
【0082】
以上の手順により、カラー色変換定義作成時の細かい条件、絶対測色的一致、部分絶対測色的一致、相対測色的一致、K保存の有無、リセット条件などを、一切考慮することなく、単色の画像データであろうと、4色の画像データであろうと、最終出力画像はL* で等価なものが得られる。
【0083】
さらに4色のカラー色変換定義との整合性を増すために、カラー色変換定義において白リセットがなされていれば、モノLUTも白リセットを行い、100%のベタのリセットがなされていれば、モノLUTもベタのリセットを行うとよい。順色予測モデルやL* 突き当てを用いているために、完全に0%や、100%になっていない場合があるためである。
【0084】
上述の説明では、カラー色変換定義はCMYKの4色として説明したが、n色の印刷や、プリンタにも適用できる。また、単色をKとして説明したが、K以外の色についても同様に単色の変換定義を作成することができる。また、図6におけるS32〜S35で示した手法は、多次元入力時との整合をとったモノ変換定義というべきものである。C,M,Yに関しても、同様に単色処理用のモノLUTを作成することができる。ただし、Yに関しては、L* ではなく、C* で突き当てを行ったほうが精度がよい。
【0085】
図7は、変換定義を記録したプロファイルのフォーマットの一例の説明図である。図7に示す例では、4色変換用の変換定義と単色処理用の変換定義を同一のファイルにして保存する場合のフォーマットを示している。ヘッダ情報が、4色変換用の色変換定義と単色処理用の色変換定義がファイル中のどの位置に、どのような形式で記述されているかといった管理情報を含んでいる。もちろん、このようなフォーマットに限られるものではなく、4色変換用の変換定義と単色処理用の変換定義を対応付けて管理できれば、どのような形式あるいは管理方式であってもよい。
【0086】
このような作成された変換定義は保存され、例えば図示しないGUIなどを通じて指定されたプロファイルが予め読み込まれて解釈され、図1における色変換部3や、図2における色変換部3及びモノクロ色変換部4に設定される。
【0087】
図8は、本発明の画像処理装置の機能または画像処理方法、あるいは、色変換定義作成装置の機能または色変換定義作成方法をコンピュータプログラムで実現した場合におけるコンピュータプログラムあるいは色変換定義を格納した記憶媒体の一例の説明図である。図中、101はプログラム、102はコンピュータ、111は光磁気ディスク、112は光ディスク、113は磁気ディスク、114はメモリ、121は光磁気ディスク装置、122は光ディスク装置、123は磁気ディスク装置である。
【0088】
上述の本発明の画像処理装置及び画像処理方法の各実施の形態に示した構成における機能、あるいは、色変換定義作成装置及び色変換定義作成方法の各例に示した構成における機能は、コンピュータにより実行可能なプログラム101によっても実現することが可能である。その場合、そのプログラム101およびそのプログラムが用いるデータなどは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶することも可能である。また、本発明の色変換定義作成装置及び色変換定義作成方法の各例に示した構成及び動作によって作成される色変換定義(プロファイル)についても、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶することが可能である。記憶媒体とは、コンピュータのハードウェア資源に備えられている読取装置に対して、プログラムの記述内容に応じて、磁気、光、電気等のエネルギーの変化状態を引き起こして、それに対応する信号の形式で、読取装置にプログラムの記述内容を伝達できるものである。例えば、光磁気ディスク111,光ディスク112、磁気ディスク113,メモリ114等である。もちろんこれらの記憶媒体は、可搬型に限られるものではない。
【0089】
これらの記憶媒体にプログラム101を格納しておき、例えばコンピュータ102の光磁気ディスク装置121,光ディスク装置122,磁気ディスク装置123,あるいは図示しないメモリスロットにこれらの記憶媒体を装着することによって、コンピュータからプログラム101を読み出し、本発明の画像処理装置及び画像処理方法の各実施の形態で説明した機能、あるいは、色変換係数作成装置及び色変換係数作成方法の各例における機能を実行することができる。あるいは、記憶媒体にプロファイルを格納しておき、例えばコンピュータ102の光磁気ディスク装置121,光ディスク装置122,磁気ディスク装置123,あるいは図示しないメモリスロットにこれらの記憶媒体を装着することによって、コンピュータからプロファイルを読み出し、読み出したプロファイルを用いて本発明の画像処理装置及び画像処理方法の機能を実行することができる。記憶媒体には予めプログラム101やプロファイルなどを格納しておくほか、予め記憶媒体をコンピュータ102に装着しておき、例えばネットワークなどを介してプログラム101やプロファイルなどをコンピュータ102に転送し、記憶媒体にプログラム101やプロファイルなどを格納して実行させてもよい。
【0090】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、単色版画像データであってもn色版画像データであっても色変換処理を行うことができる。特に、単色版画像処理手段を有する構成では、単色の処理結果が単色になることを保証しつつ、高速な処理を行うことができるという効果がある。この時、n色版画像処理手段と単色版画像処理手段の両者において、単色版画像データを単色版画像処理手段で処理した結果と、その単色版画像データと等価なn色版画像データをn色版画像処理手段で処理した結果とが略等価となるように構成することができ、いずれで処理を行った場合でも等価な結果を得ることができるように構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像処理装置の第1の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】 本発明の画像処理装置の第2の実施の形態を示すブロック図である。
【図3】 モノLUTを生成する際の一構成例を示すブロック図である。
【図4】 入力側装置と出力側装置の階調特性の一例を示すグラフである。
【図5】 n色版画像データに対する変換定義の作成条件と同一の条件でモノLUT作成する場合の構成の一例を示すブロック図である。
【図6】 n色版画像データに対する変換定義の作成条件と同一の条件でモノLUT作成する場合の作成方法の一例を示すフローチャートである。
【図7】 変換定義を記録したプロファイルのフォーマットの一例の説明図である。
【図8】 本発明の画像処理装置の機能または画像処理方法、あるいは、色変換定義作成装置の機能または色変換定義作成方法をコンピュータプログラムで実現した場合におけるコンピュータプログラムあるいは色変換定義を格納した記憶媒体の一例の説明図である。
【符号の説明】
1…入力画像データ認識部、2…ダミーデータ付加部、3…色変換部、4…モノクロ色変換部、11…モノ順予測部、12…モノ逆予測部、13…モノLUT生成部、21…色変換部、22…順予測部、23…モノ逆予測部、24…モノLUT生成部。
Claims (22)
- n色版画像データ及びn色中の1色からなる単色版画像データを処理するための画像処理装置において、前記単色版画像データが入力された場合に該単色以外の色についてダミーの色版画像データを付加する付加手段と、入力されたn色版画像データあるいは入力された単色版画像データと前記付加手段により付加された色版画像データにより構成されるn色版画像データに対して色変換処理を行うn色版画像処理手段を具備することを特徴とする画像処理装置。
- n色版画像データ及びn色中の1色からなる単色版画像データを処理するための画像処理装置において、前記n色版画像データに対して色変換処理を行うn色版画像処理手段と、前記単色版画像データに対して階調変換処理を行う単色版画像処理手段を具備し、前記n色版画像データが入力された場合には該n色版画像データに対して前記n色版画像処理手段により色変換処理を行い、前記単色版画像データが入力された場合には該単色版画像データに対して前記単色版画像処理手段により階調変換処理を行うとともに、前記単色版画像処理手段は、単色階調の画像データにダミー画像データを付加したn色版画像データを入力側装置のn色信号から出力側装置のn色信号に変換する色変換手段と、前記出力側装置のn色信号を機器に独立な色信号に変換する順色予測手段と、前記機器に独立な色信号または前記機器に独立な色信号の一部または前記機器に独立な色信号から導出される指標と前記出力側装置の単色階調特性を関連づける逆予測手段と、前記逆予測手段により関連づけの結果に基づいて単色の入力画像データから単色の出力画像データに変換するための変換定義を生成する変換定義生成手段により生成された変換定義を用いて前記単色版画像データに対して階調変換処理を行うことを特徴とする画像処理装置。
- 前記n色版画像データが黒色を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
- 前記単色版画像データは、黒色の色版画像データであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記n色版画像処理手段は、第1の出力装置に入力するCMYKの4色版画像データから、該4色版画像データにより前記第1の出力装置において形成される画像の色と略等価な色が第2の出力装置において形成されるように前記第2の出力装置に入力するためのCMYKの4色版画像データに変換する4入力−4出力の色変換を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記変換定義生成手段によって生成した単色版画像データに対する変換定義は、前記色変換手段において用いている変換定義とともに1つの記録形式として保存可能に構成されていることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
- 前記変換定義生成手段によって生成した単色の画像データに対する変換定義及び前記色変換手段において用いている変換定義は、単一のファイルとして保存可能であることを特徴とする請求項2または請求項6に記載の画像処理装置。
- 前記n色版画像データまたは前記n色版データは黒色を含むことを特徴とする請求項2または請求項6または請求項7に記載の画像処理装置。
- 前記色変換手段は、第1の出力装置に入力するCMYKの4色版画像データから、該4色版画像データにより前記第1の出力装置において形成される画像の色と略等価な色が第2の出力装置において形成されるように前記第2の出力装置に入力するためのCMYKの4色版画像データに変換する4入力−4出力の変換定義に基づいて色変換を行うことを特徴とする請求項2または請求項6ないし請求項8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記単色は、黒色であることを特徴とする請求項6ないし請求項9のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記機器に独立な色信号から導出される指標が、明度、反射率、彩度、色差、紙の白等を基準とする色差、光学濃度のうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項6ないし請求項10のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- n色版画像データ及びn色中の1色からなる単色版画像データを処理する画像処理方法において、前記単色版画像データが入力された場合に、該単色以外の色についてダミーの色版画像データを付加してn色版画像データとし、n色版画像データに対して色変換処理を行うことを特徴とする画像処理方法。
- n色版画像データ及びn色中の1色からなる単色版画像データを処理する画像処理方法において、前記n色版画像データが入力された場合には、入力された前記n色版画像データに対して、該n色版画像データにより第1の出力装置で形成した画像の色と略等価な色が第2の出力装置において形成されるように前記第2の出力装置に入力するためのn色版画像データに色変換処理を行い、前記単色版画像データが入力された場合には、該単色版画像データに対して階調変換処理を行うものであって、前記単色版画像データに対する階調変換処理は、単色階調の画像データにダミー画像データを付加したn色版画像データを入力側装置のn色信号から出力側装置のn色信号に変換し、前記出力側装置のn色信号を機器に独立な色信号に変換し、前記機器に独立な色信号または前記機器に独立な色信号の一部または前記機器に独立な色信号から導出される指標と前記出力側装置の単色階調特性を関連づけ、該関連づけの結果に基づいて生成した単色の入力画像データから単色の出力画像データに変換するための変換定義を用いて行うことを特徴とする画像処理方法。
- 前記n色版画像データが黒色を含むことを特徴とする請求項12または請求項13に記載の画像処理方法。
- 前記単色版画像データは、黒色の色版画像データであることを特徴とする請求項12ないし請求項14のいずれか1項に記載の画像処理方法。
- 生成した単色の入力画像データから単色の出力画像データに変換するための変換定義は、前記n色版画像データまたは前記n色版データに対して色変換処理を行う際に用いた変換定義とともに1つの記録形式として保存可能であることを特徴とする請求項13に記載の画像処理方法。
- 生成した単色の入力画像データから単色の出力画像データに変換するための変換定義及び前記n色版画像データまたは前記n色版データに対して色変換処理を行う際に用いた変換定義は、単一のファイルとして保存可能であることを特徴とする請求項13または請求項16に記載の画像処理方法。
- 前記n色版画像データまたは前記n色版データは黒色を含むことを特徴とする請求項13または請求項16または請求項17に記載の画像処理方法。
- 前記n色版画像データまたは前記n色版データに対する色変換処理は、第1の出力装置に入力するCMYKの4色版画像データから、該4色版画像データにより前記第1の出力装置において形成される画像の色と略等価な色が第2の出力装置において形成されるように前記第2の出力装置に入力するためのCMYKの4色版画像データに変換する4入力−4出力の変換定義に基づいた色変換処理であることを特徴とする請求項13または請求項16ないし請求項18のいずれか1項に記載の画像処理方法。
- 前記単色は、黒色であることを特徴とする請求項13または請求項16ないし請求項19のいずれか1項に記載の画像処理方法。
- 前記機器に独立な色信号から導出される指標が、明度、反射率、彩度、色差、紙の白等を基準とする色差、光学濃度のうちの少なくとも1つであることを特徴とする請求項13または請求項16ないし請求項20のいずれか1項に記載の画像処理方法。
- コンピュータが読取可能な記憶媒体において、請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の画像処理装置の機能あるいは請求項12ないし請求項21のいずれか1項に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラムを格納したことを特徴とする記憶媒体。
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