JPH09137277A - 無電解めっき液、無電解めっき方法およびプリント配線板の製造方法 - Google Patents

無電解めっき液、無電解めっき方法およびプリント配線板の製造方法

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JPH09137277A
JPH09137277A JP31720295A JP31720295A JPH09137277A JP H09137277 A JPH09137277 A JP H09137277A JP 31720295 A JP31720295 A JP 31720295A JP 31720295 A JP31720295 A JP 31720295A JP H09137277 A JPH09137277 A JP H09137277A
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JP
Japan
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electroless plating
plating
plating solution
ions
copper
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JP31720295A
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English (en)
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Honchin En
本鎮 袁
Akihito Nakamura
明仁 中村
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Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 めっき反応を停止させることなく、ノジュー
ルを防止する。 【解決手段】 銅、ニッケルおよびコバルトから選ばれ
る少なくとも2種以上の金属イオン、ヒドロキシカルボ
ン酸、還元剤、pH調整剤からなる無電解めっき液にお
いて、前記無電解めっき液には、鉄化合物あるいは鉛化
合物を含有してなることを特徴とする無電解めっき液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は無電解めっき方法に
係り、特にはめっき未析出や反応停止がなく、ノジュー
ルのない無電解めっきが可能な無電解めっき液とこれを
用いた無電解めっき方法およびプリント配線板の製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プリント配線板の製造プロセスにおける
導体パターンの形成では、基材に無電解めっき用接着剤
層を形成した後、所定部分にめっきレジストを設け、そ
のレジスト非形成部分に対して無電解銅めっきが施され
る。無電解めっき用接着剤は、表面が粗化処理されてお
り、めっきはその粗化面に析出して、アンカー効果で密
着する。
【0003】このアンカー効果を向上させるために、種
々の方法が提案されており、例えば強度の高いCu−N
i−P合金めっきを析出させてピール強度を確保する方
法が特開平6−318771号に開示されている。ま
た、このような合金めっきを配線板に適用するにあた
り、電気導電性を改善するためにpHを6.5〜9.0
に調整し、鉛化合物を使用することにより、Cuの相対
比率を90%以上に調整する方法が特公平7−6225
4号に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、特開平6−
318771号に記載された条件により、無電解めっき
を行うと、ノジュールと呼ばれる異常析出が観察される
場合がある。特に、線間/線幅が100μm/100μ
m以下の微細な導体回路を持つプリント配線板の導体回
路形成に使用する場合、ノジュールの発生は致命的であ
る。また、特公平7−62254号に開示された条件
で、無電解めっきを行ったところ、未析出やめっき反応
の停止が観察された。本発明は上記の課題を解決するた
めなされたものであり、その目的は、めっき反応の停止
や未析出を防止し、ノジュールのない無電解めっきを実
現することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願発明は、「銅、ニッ
ケルおよびコバルトから選ばれる少なくとも2種以上の
金属イオン、ヒドロキシカルボン酸、還元剤、pH調整
剤からなる無電解めっき液において、前記無電解めっき
液には、鉄化合物を含有してなることを特徴とする無電
解めっき液」、「銅、ニッケルおよびコバルトから選ば
れる少なくとも2種以上の金属イオン、ヒドロキシカル
ボン酸、還元剤、pH調整剤からなる無電解めっき液に
おいて、前記無電解めっき液は、そのpHが9を越え、
鉛化合物を含有してなることを特徴とする無電解めっき
液」、およびこれを使用した無電解めっき方法とプリン
ト配線板の製造方法である。
【0006】本願発明における無電解めっき液には、鉄
化合物を含有してなることが必要である。鉄イオンは、
めっきの析出面に吸着してめっき析出を抑制するととも
に、析出反応を抑制してめっきの過剰析出を防止でき
る。このため、ノジュールや異常析出を低減できるので
ある。また、本願発明における無電解めっき液は、pH
が9を越え、鉛化合物を含有してなることが必要であ
る。鉛イオンは、めっきの析出面に吸着してめっき析出
を抑制するとともに、析出反応を抑制してめっきの過剰
析出を防止できる。このため、ノジュールや異常析出を
低減できるのである。
【0007】また、pHが9を越えることにより、めっ
き析出の未析出や反応停止がなくなる。特公平7−62
254号では、pHを6.5〜9.0に調整するが、再
現実験によれば、この範囲では、析出反応が生じない所
謂未析出が観察されたり、析出しても途中で反応が停止
する現象が見られる。この原因は、pH=9以下では還
元剤の還元力が十分ではないためと考えられる。特にめ
っき析出反応が進行すると、金属イオンに対する鉛イオ
ンの相対量が増加してめっき反応が阻害され、この阻害
作用を還元剤の還元力が克服できず、めっき反応の停止
が生じるのではないかと推定している。本願発明では、
pHを9を越える範囲に設定するため、還元剤の還元力
が十分であり、めっきの未析出や反応停止もなく、めっ
きの過剰析出を防止できる。さらに、pH9を越える範
囲では、ニッケルが過剰析出しやすいが、鉛イオンはこ
のニッケル析出反応を選択的に抑制して、ニッケルによ
るノジュール、異常析出を防止する。
【0008】本願発明の無電解めっき液では、銅、ニッ
ケルおよびコバルトから選ばれる少なくとも2種以上の
金属イオンを使用することが必要であるが、この理由
は、これらの合金は強度が高く、ピール強度を向上させ
ることができるからである。また、ヒドロキシカルボン
酸が必要であるが、これは錯化剤として作用して、銅、
ニッケル、コバルトイオンと塩基性条件下で安定した錯
体を形成するからである。さらに、pH調整剤は、めっ
き液を塩基性条件に調整するためのものであり、特に鉛
化合物を使用した場合は、pHを9を越える範囲に調整
するために使用される。前記無電解めっき液のpHは、
9.5〜13が最適である。pHが9.5以上であれ
ば、めっき析出反応の停止がなく、13以下であれば塩
基によりめっきレジスト等の損傷がないからである。本
願発明の無電解めっき液では、還元剤が必要であるが、
金属イオンを還元して金属元素にするためである。
【0009】本願発明で使用される鉄化合物は、フェロ
シアン化カリウムあるいはフェリシアン化カリウムから
選ばれる少なくとも1種以上が好ましい。これらは水溶
性であり、めっき液中で鉄イオンを放出するからであ
る。これら鉄化合物の濃度は、10〜100ppmが望
ましい。10ppm未満ではノジュール防止効果が得ら
れず、100ppmを越えるとめっき析出反応を阻害し
てめっき未析出となるからである。また、鉛化合物とし
ては、塩化鉛、酢酸鉛、硝酸鉛から選ばれる少なくとも
1種以上が望ましい。これらは水溶性であり、めっき液
中で鉛イオンを放出するからである。これらの濃度は、
10〜100ppmが望ましい。10ppm未満ではノ
ジュール防止効果が得られず、100ppmを越えると
めっき析出反応を阻害してめっき未析出となるからであ
る。
【0010】本願発明で使用されるpH調整剤は、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムから
選ばれる少なくとも1種であり、塩基性化合物である。
ヒドロキシカルボン酸は、塩基性条件下でニッケルイオ
ンなどと錯体を形成するからである。
【0011】また、本願発明(鉄化合物を使用する場
合)では、pH調整剤によるpHの調整範囲は、pHが
8.5〜pH10であることが望ましく、その理由は、
pHが8.5未満では、未析が生じ、また10を越える
とノジュール発生やめっきレジスト等の本来めっきが析
出するべきでない部分にまでめっき粒子が付着するとい
う現象(異常析出)が見られるからある。
【0012】また、還元剤は、アルデヒド、次亜リン酸
塩(ホスフィン酸塩と呼ばれる)、水素化ホウ素塩、ヒ
ドラジンから選ばれる少なくとも1種であることが望ま
しい。これらの還元剤は、水溶性であり、還元力に優れ
るからである。
【0013】前記ヒドロキシカルボン酸としては、クエ
ン酸、リンゴ酸、酒石酸などが望ましい。これらは、ニ
ッケル、コバルト、銅と錯体を形成しやすいからであ
る。前記ヒドロキシカルボンの濃度が0.1〜0.8M
であることが望ましい。0.1Mより少ないと、十分な
錯体が形成できず、異常析出や液の分解が生じる。0.
8Mを越えると、析出速度が遅くなったり、水素の発生
が多くなったりするなどの不具合が発生する。
【0014】前記無電解めっき液には、ビピリジルを含
有してなることが望ましい。この理由は、ビピリジルは
めっき浴中の金属酸化物の発生を抑制してノジュールの
発生を抑制できるからである。
【0015】銅イオン、ニッケルイオン、コバルトイオ
ンは、硫酸銅、硫酸ニッケル、硫酸コバルト、塩化銅、
塩化ニッケル、塩化コバルトなどの銅、ニッケル、コバ
ルト化合物を溶解させることにより供給する。
【0016】本願発明のめっき液は、特に線間/線幅が
100μm/100μm以下の微細な導体回路を持つプ
リント配線板の導体回路形成に使用する場合は有利であ
る。線間がせまいため、ノジュールの発生によりショー
トが発生しやすいが、本願発明の条件ではこのようなノ
ジュールは発生しないからである。なお、線間/線幅が
100μm/100μm以下とは、線の幅が100μm
以下で、かつ線間が100μm以下であることを言う。
【0017】本願発明の無電解めっき液の使用方法とし
ては、表面が粗化処理された無電解めっき用接着剤層の
上に、必要に応じて触媒核を付与して、これを本願発明
の請求項1〜6に記載された無電解めっき液からなるめ
っき浴に浸漬してめっき膜を析出させる手段が一般的で
ある。このような無電解めっき液を使用することによ
り、未析や反応停止、浴分解等がなく、ノジュールのな
いめっき膜を得ることができる。さらに、本願発明のめ
っき液は、次のように用いられる。即ち、「基材上に、
無電解めっき用接着剤層を形成した後、この基材を無電
解めっき液中に浸漬して無電解めっきを行う方法におい
て、後述する表面が粗化処理された無電解めっき用接着
剤層を形成した後、本願めっき液に浸漬し、銅−ニッケ
ル、銅−コバルト、ニッケル−コバルトのいずれか、還
元剤として次亜リン酸塩を使用すれば、銅−ニッケル−
リン、銅−コバルト−リン、ニッケル−コバルト−リン
のいずれかの合金からなる一次めっき膜を形成し、さら
にこの一次めっき膜の上に二次めっき膜である銅めっき
膜を形成する」ものである。
【0018】このような本願発明のめっき液により形成
された一次めっき膜は、無電解めっき用接着剤層の粗化
面に対する追従性に優れ、粗化面の形態をそのままトレ
ースする。そのため、一次めっき膜は、粗化面と同様に
アンカーを持つ。従って、この一次めっき膜上に形成さ
れる二次めっき膜は、このアンカーにより、密着が確保
されるのである。一次めっき膜はピール強度を支配する
ため、強度が高い本願発明のめっき液により析出するめ
っき膜が望ましく、二次めっき膜は電気導電性が高く、
析出速度が早いことが望ましいので、複合めっきよりも
単純な銅めっきが望ましい。
【0019】二次めっき膜は、次の無電解めっき液に浸
漬することにより形成されることが望ましい。「銅イオ
ン、トリアルカノールアミン、還元剤、pH調整剤から
なる無電解めっき液において、銅イオンの濃度が0.0
05〜0.015mol/l、pH調整剤の濃度が、
0.25〜0.35mol/lであり、還元剤の濃度が
0.01〜0.04mol/lであることを特徴とする
無電解めっき液」 このめっき液は、浴が安定であり、ノジュールなどの発
生が少ないからである。
【0020】二次無電解めっき液は、トリアルカノール
アミンの濃度が0.1〜0.8Mであることが望まし
い。この範囲でめっき析出反応が最も進行しやすいから
である。前記トリアルカノールアミンは、トリエタノー
ルアミン、トリイソパノールアミン、トリメタノールア
ミン、トリプロパノールアミンから選ばれる少なくとも
1種であることが望ましい。水溶性だからである。二次
無電解めっき液に用いられる還元剤は、アルデヒド、次
亜リン酸塩、水素化ホウ素塩、ヒドラジンから選ばれる
少なくとも1種であることが望ましい。水溶性であり、
塩基性条件下で還元力を持つからである。また、pH調
整剤は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カ
ルシウムから選ばれる少なくとも1種であることが望ま
しい。
【0021】また、本願発明におけるプリント配線板の
製造方法としては、表面が粗化処理された無電解めっき
用接着剤層を基板上に形成し、これに、触媒核を付与し
て、これを本願発明の本願発明の請求項1〜6の無電解
めっき液からなるめっき浴に浸漬してめっき膜を析出さ
せて導体回路を形成する方法が一般的である。このよう
な無電解めっき液を使用することにより、未析や反応停
止、浴分解等がなく、ノジュールのない導体回路を得る
ことができる。
【0022】さらに、本願発明のプリント配線板の製造
方法の特に望ましい構成としては、「基板上に表面が粗
化処理された無電解めっき用接着剤層を形成し、この無
電解めっき用接着剤層の上に、請求項1〜6の無電解め
っき液に浸漬することにより銅−ニッケル、銅−コバル
ト、ニッケル−コバルト、還元剤として次亜リン酸塩を
使用すれば、銅−ニッケル−リン、銅−コバルト−リ
ン、ニッケル−コバルト−リンの合金からなる一次めっ
き膜を形成し、さらにこの一次めっき膜の上に、前述の
二次の無電解めっき液により、二次めっき膜である銅め
っき膜を形成する」ものである。
【0023】基板は、銅張積層板をエッチングして銅パ
ターンとするか、ガラスエポキシ基板、ポリイミド基
板、セラミック基板、金属基板などに無電解めっき用接
着剤層を形成し、これを粗化して粗化面を形成し、ここ
に無電解めっきを施して銅パターンとすることもでき
る。
【0024】ついで、基板上に無電解めっき用接着剤層
を形成する。無電解めっき用接着剤は、酸あるいは酸化
剤に可溶性の耐熱性樹脂(耐熱性樹脂マトリックス)中
に予め硬化処理された耐熱性樹脂粒子を含有してなるも
のが望ましく、これを塗布あるいはフィルム化したもの
を積層することにより行う。耐熱性樹脂粒子を溶解除去
して蛸壺状のアンカーを形成することにより行うことが
できる。
【0025】前記耐熱性樹脂粒子としては、平均粒径
が10μm以下の耐熱性樹脂粉末、平均粒径が2μm
以下の耐熱性樹脂粉末を凝集させて平均粒径が前記粒子
の粒子径の3倍以上の大きさとした凝集粒子、平均粒
径が10μm以下の耐熱性粉末樹脂粉末と、平均粒径が
前記粒子の粒子径の1/5以下かつ2μm以下の耐熱性
樹脂粉末との混合物、平均粒径が2μm〜10μmの
耐熱性樹脂粉末の表面に、平均粒径が2μm以下の耐熱
性樹脂粉末または無機粉末のいずれか少なくとも1種を
付着させてなる疑似粒子から選ばれることが望ましい。
【0026】また、耐熱性樹脂マトリックスとしては、
感光性樹脂が望ましい。露光、現像によりバイアホール
形成用の孔を形成できるからである。
【0027】前記耐熱性樹脂マトリックスとしては、エ
ポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシアクリレート樹
脂などの熱硬化性樹脂、あるいはこれらにポリエーテル
スルフォンなどの熱可塑性樹脂を混合した複合体などが
望ましく、また耐熱性樹脂粒子としては、エポキシ樹
脂、アミノ樹脂(メラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン
樹脂)などがよい。
【0028】なお、エポキシ樹脂は、そのオリゴマーの
種類、硬化剤の種類、架橋密度を変えることにより任意
に酸や酸化剤に対する溶解度を変えることができる。例
えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂オリゴマーをア
ミン系硬化剤で硬化処理したものは、酸化剤に溶解しや
すい。しかし、ノボラックエポキシ樹脂オリゴマーをイ
ミダゾール系硬化剤で硬化させたものは、酸化剤に溶解
しにくい。
【0029】本願発明で使用される酸は、リン酸、塩
酸、硫酸、又は蟻酸、酢酸などの有機酸があるが、特に
有機酸が望ましい。粗化処理した場合に、バイアホール
から露出する金属導体層を腐食させにくいからである。
【0030】また、酸化剤は、クロム酸、過マンガン酸
塩(過マンガン酸カリウムなど)、が望ましい。特に、
アミノ樹脂を溶解除去する場合は、酸と酸化剤で交互に
粗化処理することが望ましい。
【0031】このように形成された粗化面に、触媒核を
付与する。触媒核は、貴金属イオンやコロイドなどが望
ましく、一般的には、塩化パラジウムやパラジウムコロ
イドを使用する。触媒核を固定するために加熱処理を行
うことが望ましい。
【0032】次にめっきレジストを塗布あるいはフィル
ム状にしたものを積層した後、露光、現像してめっきレ
ジストパターンを設ける。めっきレジストが形成されて
いない部分に一次めっきを施す。さらに、銅パターンだ
けでなく、バイアホールを形成して多層プリント配線板
を製造することもできる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明をプリント配線板の
製造プロセスにおける無電解めっき方法に具体化した実
施例を詳細に説明する。 (実施例)本実施形態では、フルアディティブプロセス
によってプリント配線板の導体パターンを作製してい
る。以下、そのプロセスを順を追って説明する。
【0034】(1)ガラスエポキシ銅張積層板の上に感
光性ドライフィルムをラミネートし、露光、現像を行
い、塩化第2銅エッチング液でエッチングを行い、第1
層導体回路を有する配線板を得た。 (2)ジエチレングリコールジメチルエーテル(DMD
G)に溶解したクレゾールノボラック型エポキシ樹脂
(日本化薬製 分子量2500)の25%アクリル化物を
70重量部、ポリエーテルスルフォン(PES)30重
量部、イミダゾール硬化剤(四国化成製、商品名:2E4M
Z-CN)4重量部、、感光製モノマーであるカプロラクト
ン変成トリス(アクロキシエチル)イソシアヌレート
(東亜合成製、商品名;アロニックスM325)10重
量部、光開始剤としてのベンゾフェノン(関東化学製)
5重量部、光増感剤ミヒラーケトン(関東化学製)0.
5重量部、さらにこの混合物に対してメラミン樹脂粒子
の平均粒径5.5μmを35重量部、平均粒径0.5μ
mのものを5重量部を混合した後、NMPを添加しなが
ら混合し、ホモディスパー攪拌機で粘度2000 CPSに
調整し、続いて、3本ロールで混練して、無電解めっき
用接着剤溶液を得た。
【0035】(3)この接着剤溶液を、(1)の配線板
上に、ロールコーターを用いて塗布し、水平状態で20分
間放置してから、60℃で乾燥(プリベーク)を行なっ
た。 (4)前記(3)の処理を施した配線板に、超高圧水銀
灯400mj /cm2 で露光した。さらに、前記配線板を超高
圧水銀灯により約3000mj/cm2 で露光し、ついでトリエ
チレングリコールジメチルエーテル(DMTG)で現像
する。その後150℃で5時間の加熱処理(ポストベー
ク)することによりフォトマスクフィルムに相当する寸
法精度に優れた開口を有する厚さ50μmの樹脂接着剤
層を形成した。この接着剤は、クロム酸やリン酸等のよ
うな粗化液に対して難溶の樹脂マトリックス中に、粗化
液に対して可溶の樹脂フィラーを分散させたものであ
る。この場合、次いで、常法に従ってクロム酸、過マン
ガン酸カリウム等による表面粗化処理を行い、接着剤層
2中の樹脂フィラーを溶解させる。具体的にはpH=1
3に調整した過マンガン酸カリウム(KMnO4 、80 g/l
)に70℃で20分間浸漬して、樹脂フィラーを溶解除
去し、接着剤層の表面に微細なアンカーが多数形成され
た粗化面を形成する。
【0036】(5)次いで、無電解めっき金属の最初の
析出に必要な触媒核をPdCl2 ・2H2 0 0.2g
/l、SnCl2 ・2H2 O 15g/l、HCl 3
0g/lの液中で処理することにより付与した後、市販
の液状感光性レジストを60μmの厚さで塗布して、乾
燥、露光現像を行い、めっきレジストを形成した。 (6)100g/lの硫酸水溶液中で活性化処理した
後、本願発明に係る無電解めっき液による一次めっきを
行う。一次めっきとして具体的には下記の組成を有する
無電解銅−ニッケル合金めっき浴が用いられている。め
っき浴の温度は60℃であり、めっき浸漬時間は1時間
である。 金属塩…CuSO4 ・5H2 O; 6.0mM(1.5g/l) …NiSO4 ・6H2 O; 95.1mM(25g/l) 錯化剤…Na3 6 5 7 0.23M (60g/l) 還元剤…NaPH2 2 ・H2 O ;0.19M(20g/l) pH調節剤…NaOH; ;0.75M (pH=9.5) 安定剤…硝酸鉛 ;0.2mM (80ppm) 界面活性剤 ;0.05g/l 析出速度は、1.7μm/時間
【0037】以上の条件でめっきを行うことによって、
レジスト非形成部分に厚さ約1.7μmの銅−ニッケル
−リンめっき薄膜が形成される。この後、ガラスエポキ
シ板をめっき浴から引き上げ、表面に付着しているめっ
き浴を水で洗い流す。光学顕微鏡で30倍にて観察した
が、ノジュールなどの不良は観察されなかった(図1参
照)。
【0038】次いで、ガラスエポキシ板を酸性溶液で処
理する活性化処理によって、銅−ニッケル−リンめっき
薄膜表層の酸化皮膜を除去する。その後、Pd置換を行
うことなく、銅−ニッケル−リンめっき薄膜上に対する
二次めっきを行う。ここで二次めっき用のめっき浴とし
ては、本願発明の無電解銅めっき浴が使用される。本実
施例においては、二次めっきとして具体的には下記の組
成を有するめっき浴が用いられている。めっき浴の温度
は50℃〜70℃であり、めっき浸漬時間は90分〜3
60分である。 金属塩…CuSO4 ・5H2 O; 8.6mM 錯化剤…TEA; 0.15M 還元剤…HCHO; 0.02M その他…安定剤(ビピリジル、フェロシアン化カリウム
等)少量。 析出速度は、6μm/時間
【0039】さらに、ピール強度を測定すると、1.8
kg/cmであった。ピール強度の測定は、JIS−C
−6481に準拠した。
【0040】(実施例2) (1)一次めっきであるNi−Cuめっきの安定剤とし
てK4 〔Fe(CN)6〕・3H2 Oを0.11mM
(50ppm)使用したこと以外は、実施例1とほぼ同
様にして無電解めっきにより、プリント配線板を形成し
た。 (2)光学顕微鏡(30倍)で検査したところ、ノジュ
ール等の不良がみられなかった。
【0041】(比較例1)基本的には実施例1と同様で
あるが、下記の条件で一次めっきであるNi−Cuめっ
きを施した。 金属塩…CuSO4 ・5H2 O; 6.0mM(1.5g/l) …NiSO4 ・6H2 O; 95.1mM(25g/l) 錯化剤…Na3 6 5 7 0.23M (60g/l) 還元剤…NaPH2 2 ・H2 O ;0.19M(20g/l) pH調節剤…NaOH; 0.75M (pH=9.5) 界面活性剤 0.05g/l 温度 60℃ 時間 1時間 析出速度は、2μm/時間 一次めっきを施した後、目視検査したところ、本来析出
すべきでないめっきレジスト部分にCu−Ni−Pの合
金めっきの異常析出が観察された。さらに、この基板を
厚さ10μmで二次めっきしたところ、Cu−Ni−P
の合金めっきの異常析出部分でCu析出が見られ、配線
間がショートするという不良が見られた。
【0042】(比較例2)基本的には実施例1と同様で
あるが、一次めっきの条件は、特公H7−62254号
の実施例1の条件に従った。 金属塩…CuSO4 ・5H2 O; 25mM …NiSO4 ・6H2 O; 0.1M 錯化剤…Na3 6 5 7 ; 0.2M 還元剤…NaPH2 2 ・H2 O ;0.3M 安定剤…硝酸鉛 ;50ppm pH=7 界面活性剤 0.05g/l 温度 60℃ 時間 1時間 めっき析出反応が、浸漬から30分で停止してしまっ
た。理由は明確ではないが次のように推定している。
【0043】硝酸鉛は安定剤であるため、めっき析出を
抑制する作用を持つ。一方還元剤はめっき析出を促進す
る作用を持つ。めっき反応が進行するとめっき液中の金
属イオン量が減少するため、金属イオンに対する鉛イオ
ンの相対量が増え、めっき反応の阻害が生じる。一方p
H=7では、還元剤の還元力が小さく、鉛イオンの阻害
効果を克服できず、反応の停止が生じると考えられてい
る。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように、本願発明によれ
ば、めっき析出反応を停止させることもなく、ノジュー
ルを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明のめっき浴によりめっきされた導体回
路の金属組織を表す光学顕微鏡写真である。粗化面に対
する追従性に優れることが判る。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅、ニッケルおよびコバルトから選ばれ
    る少なくとも2種以上の金属イオン、ヒドロキシカルボ
    ン酸、還元剤、pH調整剤からなる無電解めっき液にお
    いて、 前記無電解めっき液には、鉄化合物を含有してなること
    を特徴とする無電解めっき液。
  2. 【請求項2】 銅、ニッケルおよびコバルトから選ばれ
    る少なくとも2種以上の金属イオン、ヒドロキシカルボ
    ン酸、還元剤、pH調整剤からなる無電解めっき液にお
    いて、 前記無電解めっき液は、そのpHが9を越え、鉛化合物
    を含有してなることを特徴とする無電解めっき液。
  3. 【請求項3】 前記還元剤は、アルデヒド、次亜リン酸
    塩、水素化ホウ素塩、ヒドラジンから選ばれる少なくと
    も1種である請求項1〜3のいずれか一つに記載の無電
    解めっき液。
  4. 【請求項4】 前記pH調整剤は、水酸化ナトリウム、
    水酸化カリウム、水酸化カルシウムから選ばれる少なく
    とも1種である請求項1〜4のいずれか一つに記載の無
    電解めっき液。
  5. 【請求項5】 前記無電解めっき液には、ビピリジルを
    含有してなる請求項1〜5のいずれか一つに記載の無電
    解めっき液。
  6. 【請求項6】 前記無電解めっき液は、線間/線幅が1
    00μm/100μm以下の導体回路を持つプリント配
    線板の製造のために使用される請求項1〜6のいずれか
    一つに記載の無電解めっき液。
  7. 【請求項7】 基材上に、無電解めっき用接着剤層を形
    成した後、この基材を無電解めっき液中に浸漬して無電
    解めっきを行う方法において、 前記無電解めっき浴は、請求項1〜6のいずれか一つの
    無電解めっき液を用いることを特徴とする無電解めっき
    方法。
  8. 【請求項8】 基板上に、無電解めっき用接着剤層を形
    成した後、この基板を無電解めっき液中に浸漬して無電
    解めっきを行うプリント配線板の製造方法において、 前記無電解めっき液は、請求項1〜6のいずれか一つの
    無電解めっき液を用いることを特徴とするプリント配線
    板の製造方法。
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