JPH09137030A - アクリル系樹脂組成物 - Google Patents

アクリル系樹脂組成物

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JPH09137030A
JPH09137030A JP7299699A JP29969995A JPH09137030A JP H09137030 A JPH09137030 A JP H09137030A JP 7299699 A JP7299699 A JP 7299699A JP 29969995 A JP29969995 A JP 29969995A JP H09137030 A JPH09137030 A JP H09137030A
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acrylic resin
meth
polymer
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JP7299699A
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Masanari Uno
将成 宇野
Toshiji Yoshihara
資二 吉原
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 少ない帯電防止剤の配合量で、恒久的に、か
つ成形直後あるいは低湿度下においても十分な帯電防止
性を有しているのみならず、機械的特性などにも優れた
アクリル系樹脂組成物およびそれからなる成形品を提供
すること。 【構成】 アクリル系樹脂(I)100重量部に対して、4級
アンモニウム塩化されたアミノアルキル基含有ビニル系
単量体単位10〜100モル%よりなる重合体ブロック(A)、
および(メタ)アクリル酸エステル単位50〜100モル%
よりなる重合体ブロック(B)から構成され、重量平均分
子量(Mw)/数平均分子量(Mn)が1.8〜12.0であるブロック
共重合体(II)0.5〜20重量部を配合してなるアクリル系
樹脂組成物、並びに該樹脂組成物からなる成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリル系樹脂お
よび特定のブロック共重合体からなるアクリル系樹脂組
成物、並びに該樹脂組成物からなる成形品に関する。本
発明のアクリル系樹脂組成物から製造される成形品は、
恒久的に、かつ成形直後あるいは低湿度下においても十
分な帯電防止性を有しているのみならず、機械的特性な
どにも優れているので、自動車部品、電気・電子部品、
包装材料などの各種用途に好適に使用することができ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に熱可塑性樹脂は電気絶縁体である
ため、電気・電子部品用途などに広く使用されている。
しかしながら、これらの熱可塑性樹脂から製造された成
形品は、摩擦により容易に静電気を発生して帯電してし
まうため、成形品表面への埃の付着を招き、外観を損ね
るばかりか周辺の機器に電気的影響を及ぼすなどの問題
点を有している。また、これらの熱可塑性樹脂からフィ
ルムやシートなどを製造する場合には、帯電反発により
フィルムやシートの巻取りや積層が困難になるなどの製
造上の問題点も有している。
【0003】このような問題点を解決するために、低分
子量の界面活性剤を帯電防止剤として成形品表面に塗布
する方法、熱可塑性樹脂に練り込む方法などが行われて
きた。しかしながら、これらの方法では、洗浄、拭き取
りなどにより容易に帯電防止性が低下してしまうという
欠点を有している。また、帯電防止剤として低分子量の
界面活性剤を多量に熱可塑性樹脂に練り込むと、帯電防
止性は持続性するものの、界面活性剤がブリードアウト
して成形品の表面が汚れたり、成形品の機械的特性が損
なわれる。
【0004】そこで、近年では、帯電防止性能の恒久化
を目的として、熱可塑性樹脂に相溶性を有する親水性高
分子を、帯電防止剤として用いる試みが行われている。
例えば、ポリエチレングリコ−ルを含有するマルチブロ
ックポリアミドエラストマ−(特開平5−287157
号公報参照)、4級アンモニウム塩化されたビニル単量
体とこれに共重合可能なビニル単量体からなるランダム
共重合体(特開昭63−54467号公報参照)、ある
いはリビング重合により得られた4級アンモニウム塩基
含有重合体ブロックと熱可塑性樹脂に相溶性を有する重
合体ブロックからなり、重量平均分子量(Mw)と数平
均分子量(Mn)の比Mw/Mnが1.3であるブロッ
ク共重合体(特開平1−301783号公報参照)を帯
電防止剤として用いる試みが行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開平5−287157号公報に記載されている、ポリエ
チレングリコ−ルを含有するマルチブロックポリアミド
エラストマ−を帯電防止剤として使用した場合には、帯
電防止性は持続するものの、吸湿速度が遅いため、成形
直後には十分な帯電防止効果が発現しない。上記特開昭
63−54467号公報に記載されている、4級アンモ
ニウム塩基含有系ランダム共重合体を帯電防止剤として
使用した場合には、疎水性である熱可塑性樹脂との相溶
性の制御が難しい。すなわち、ランダム共重合体と熱可
塑性樹脂との相溶性が比較的良好な場合には、帯電防止
剤の成形品表面への濃縮が困難であり、十分な帯電防止
効果が発現しない。一方、ランダム共重合体と熱可塑性
樹脂との相溶性が悪い場合には、帯電防止剤の熱可塑性
樹脂への分散性が劣るため、成形品表面において均一な
帯電防止効果が発現しない。また、上記特開平1−30
1783号公報に記載されている、リビング重合により
得られたブロック共重合体を帯電防止剤として使用した
場合には、熱可塑性樹脂への分散性は優れるものの、分
子量分布が非常に狭いため、成形直後あるいは低湿度下
において十分な帯電防止効果が発現しない。さらに、上
記に示した従来の帯電防止剤を熱可塑性樹脂に配合する
方法では、目標とする帯電防止性能を達成するために
は、帯電防止剤を多量に添加する必要があるため、熱可
塑性樹脂の各種特性が低下するとともに、樹脂組成物の
価格が高くなってしまうという欠点がある。
【0006】本発明の目的は、少ない帯電防止剤の配合
量で、恒久的に、かつ成形直後あるいは低湿度下におい
ても十分な帯電防止性を有しているのみならず、機械的
特性などにも優れたアクリル系樹脂組成物およびそれか
らなる成形品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、帯電防止剤とし
て、4級アンモニウム塩化されたアミノアルキル基含有
ビニル系単量体単位からなる重合体ブロック(A)と
(メタ)アクリル酸エステル単位からなる重合体ブロッ
ク(B)から構成され、重量平均分子量(Mw)と数平
均分子量(Mn)の比Mw/Mnが1.8〜12.0で
あるブロック共重合体をアクリル系樹脂に配合すること
により、成形品表面に親水性成分が良好に濃縮され、従
来の帯電防止剤よりも少ない配合量で目標とする帯電防
止性能が恒久的に発現され、かつ機械的特性にも優れた
アクリル系樹脂組成物が得られることを見出だし、本発
明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、アクリル系樹脂
(I)100重量部に対して、4級アンモニウム塩化さ
れたアミノアルキル基含有ビニル系単量体単位10〜1
00モル%およびこれと共重合可能なビニル系単量体単
位90〜0モル%よりなる重合体ブロック(A)、並び
に(メタ)アクリル酸エステル単位50〜100モル%
およびこれと共重合可能なビニル系単量体単位50〜0
モル%よりなる重合体ブロック(B)から構成され、重
量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw
/Mnが1.8〜12.0であるブロック共重合体(I
I)0.5〜20重量部を配合してなるアクリル系樹脂
組成物に関する。さらに、本発明は上記のアクリル系樹
脂組成物からなる成形品に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明を具体的に説明する。
本発明に用いられるアクリル系樹脂(I)は、(メタ)
アクリル酸エステル単位を主成分とするものであり、そ
の含有量としては50重量%以上であるのが好ましく、
80重量%以上であるのがより好ましい。(メタ)アク
リル酸エステル単位としては、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブ
チル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル
酸2−エチルヘキシルなどから誘導される単位を挙げる
ことができ、これらのうち1種または2種以上を含ませ
ることができる。さらに、(メタ)アクリル酸エステル
単位以外に、必要に応じて、(メタ)アクリロニトリル
などのシアン化ビニル系単量体から誘導される単位を5
0重量%以下の割合で含んでいてもよいし、スチレン、
o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、
p−クロロスチレンなどの芳香族ビニル系単量体から誘
導される単位を10重量%以下の割合で含んでいてもよ
い。
【0010】本発明に用いられるブロック共重合体(I
I)は、以下に述べる重合体ブロック(A)および重合
体ブロック(B)から構成されており、例えば、AB型
ブロック共重合体、ABA型ブロック共重合体、BAB
型ブロック共重合体などを挙げることができる。これら
のなかでも、AB型ブロック共重合体が好ましい。
【0011】本発明に用いられるブロック共重合体(I
I)を構成する重合体ブロック(A)は、4級アンモニ
ウム塩化されたアミノアルキル基含有ビニル系単量体単
位を10〜100モル%含有しており、30〜100モ
ル%含有していることが好ましく、60〜100モル%
含有していることがより好ましい。4級アンモニウム塩
化されたアミノアルキル基含有ビニル系単量体単位の含
有割合が10モル%未満の場合には、得られるアクリル
系樹脂組成物の帯電防止性が劣る。アミノアルキル基含
有ビニル系単量体としては、例えば、下記の一般式
(1)、一般式(2)で表される化合物などを挙げるこ
とができる。
【0012】
【化1】
【0013】
【化2】
【0014】〔上記の一般式(1)、(2)中、R1
水素原子またはメチル基、R2は炭素数1〜10のアル
キレン基または少なくとも1つ以上の水酸基を有する炭
素数1〜10のアルキレン基、R3およびR4はそれぞれ
水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を示す。〕
【0015】アミノアルキル基含有ビニル系単量体を4
級塩化する際に使用される4級化剤は、特に制限され
ず、従来から使用されているいずれもが使用できる。例
えば、硫酸ジメチル、硫酸ジエチルなどの硫酸エステル
類;メタンスルホン酸メチル、メタンスルホン酸エチル
などの脂肪族系スルホン酸エステル類;o−トルエンス
ルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸メチル、o−
トルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸エ
チル、ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸
エチルなどの芳香族系スルホン酸エステル類;塩化メチ
ル、塩化エチル、塩化ベンジル、ヨウ化メチル、ヨウ化
エチル、ヨウ化ベンジル、臭化メチル、臭化エチル、臭
化ベンジルなどのハロゲン化アルキル;クロロ酢酸ナト
リウム、ブロモ酢酸ナトリウム、ヨード酢酸ナトリウム
などのハロゲン化アルキルカルボン酸塩;1,3−プロ
パンスルトン、1,4−ブタンスルトンなどのスルトン
類などが挙げられる。これらの中でも得られるブロック
共重合体(II)の樹脂に帯電防止性を付与する能力が優
れている点で、スルホン酸エステル類を4級化剤として
用いるのが好ましい。さらに、得られるブロック共重合
体(II)の耐熱性が優れている点において、o−トルエ
ンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸メチル、
o−トルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン
酸エチルを4級化剤として用いるのがより好ましい。な
お、アミノアルキル基の4級アンモニウム塩化は、AB
ブロック共重合体(II)を製造する際の任意の段階で行
うことができる。例えば、モノマーの段階でアミノアル
キル基を4級アンモニウム塩化してもよいし、アミノア
ルキル基含有ビニル系単量体を用いてブロック共重合体
(II)を製造した後に、アミノアルキル基を4級アンモ
ニウム塩化してもよい。
【0016】重合体ブロック(A)は、必要に応じて、
4級アンモニウム塩化されたアミノアルキル基含有ビニ
ル系単量体単位と共重合可能なビニル系単量体単位を9
0モル%以下、好ましくは70モル%以下、より好まし
くは40モル%以下の割合で含んでいてもよい。この併
用可能なビニル系単量体単位としては、スチレン、p−
スチレンスルホン酸、およびそのナトリウム塩、カリウ
ム塩などのスチレン系単量体類;(メタ)アクリロニト
リル類;酢酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどのビニルエ
ステル類;(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸
ブチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリ
ル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒド
ロキシエチルなどの(メタ)アクリル酸およびそのエス
テル;(メタ)アクリルアミド;N−ビニル−2−ピロ
リドンなどから誘導される単位を挙げることができ、こ
れらのうち1種または2種以上を含ませることができ
る。
【0017】ブロック共重合体(II)を構成する重合体
ブロック(B)は、(メタ)アクリル酸エステル単位を
50〜100モル%含有しており、70〜100モル%
含有していることが好ましい。(メタ)アクリル酸エス
テル単位の含有割合が50モル%未満の場合には、ブロ
ック共重合体(II)のアクリル系樹脂(I)への相溶性
が低下するため、得られるアクリル系樹脂組成物の帯電
防止性能が劣る。(メタ)アクリル酸エステル単位とし
ては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリ
ル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)ア
クリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシ
ル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸
ドデシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどから誘導
される単位を挙げることができ、これらのうち1種また
は2種以上を含ませることができる。これらのなかで
も、炭素数1〜4のアルキル基を有する(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルから誘導される単位が好ましい。
【0018】重合体ブロック(B)は、必要に応じて、
(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能なビニル系単
量体単位を50モル%以下、好ましくは30モル%以下
の割合で含んでいてもよい。この併用可能なビニル系単
量体単位としては、例えば、スチレン、p−スチレンス
ルホン酸、およびそのナトリウム塩、カリウム塩などの
スチレン系単量体類;(メタ)アクリロニトリル類;酢
酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどのビニルエステル類;
(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリルアミド;N−ビ
ニル−2−ピロリドンなどから誘導される単位を挙げる
ことができ、これらのうち1種または2種以上を含ませ
ることができる。
【0019】重合体ブロック(A)の数平均分子量は
5,000〜200,000であるのが好ましく、1
5,000〜160,000であるのがより好ましい。
重合体ブロック(B)の数平均分子量は500〜50,
000であるのが好ましく、1,000〜30,000
であるのがより好ましい。重合体ブロック(A)および
(B)の数平均分子量がこれらの範囲内にあると、アク
リル系樹脂への溶融分散性およびアクリル系樹脂への帯
電防止性能の付与効果の点においてより優れたブロック
共重合体(II)が得られるので好ましい。さらに、AB
型ブロック共重合体の場合には、重合体ブロック(A)
の数平均分子量(MnA)と重合体ブロック(B)の数
平均分子量(MnB)の比MnA/MnBは、0.5〜
50.0であるのが好ましく、2〜20であるのがより
好ましい。MnA/MnBがこの範囲内にあると、アク
リル系樹脂組成物との相溶性のバランスが良くなり、得
られるアクリル系樹脂組成物の恒久的な帯電防止性能が
より優れたものとなる。
【0020】ブロック共重合体(II)の重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnは、
1.8〜12.0であり、2.0〜6.0であるのが好
ましい。Mw/Mnがこの範囲内にあると、成形品の表
面近傍にブロック共重合体(II)の筋状配向が形成され
やすく、より帯電防止性に優れたものが得られる。な
お、本明細書でいう数平均分子量および重量平均分子量
は、重合体ブロック(A)に含まれるアミノアルキル基
を4級アンモニウム塩化していないアミンの状態で、ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法に
より、標準ポリスチレン検量線から求めた値である。
【0021】ブロック共重合体(II)の製造法は、特に
制限はないが、例えば、重合体ブロック(A)〔または
重合体ブロック(B)〕を構成する単量体成分を、チオ
−S−カルボン酸、2−アセチルチオエチルチオール、
10−アセチルチオデカンチオールなどの分子内にチオ
エステル基とメルカプト基を含有する化合物の存在下に
ラジカル重合し、得られた重合体を水酸化ナトリウム、
アンモニアなどのアルカリ、または塩酸、硫酸などの酸
で処理することにより、片末端にメルカプト基を有する
重合体とし、該重合体の存在下に、重合体ブロック
(B)〔または重合体ブロック(A)〕を構成する単量
体成分をラジカル重合することによりブロック共重合体
(II)を製造する方法が、目的とする分子量および分子
量分布を有するブロック共重合体(II)を簡便かつ効率
的に得ることができるので好ましい。
【0022】本発明のアクリル系樹脂組成物は、アクリ
ル系樹脂(I)100重量部に対して上記のブロック共
重合体(II)を0.5〜20重量部配合しており、0.
5〜10重量部配合していることが好ましく、1〜5重
量部配合していることがより好ましい。ブロック共重合
体(II)の配合量が0.5重量部未満の場合には、得ら
れるアクリル系樹脂組成物の帯電防止性が劣り、20重
量部を越える場合には、得られるアクリル系樹脂組成物
の帯電防止性は良好であるが、機械的強度などが劣る。
【0023】本発明のアクリル系樹脂組成物は、必要に
応じて、滑剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、染料、顔料、
アンチブロッキング剤、ガラス繊維、カーボン繊維など
の繊維状充填剤、シリカ、水酸化アルミニウム、炭酸カ
ルシウム、タルク、マイカ、酸化チタン、カーボンブラ
ック、チタン酸カリウムなどの粉末状充填剤、ポリマー
アロイ用相溶化剤、エンジニアプラスチック樹脂、汎用
樹脂などを含有していてもよい。また、アクリル系樹脂
組成物の耐衝撃性をより向上させるために、ゴム成分を
30重量%以下の割合で配合してもよい。該ゴム成分と
しては、例えば、ブタジエン、イソプレンゴムなどのジ
エン系ゴムを挙げることができる。また、これらのゴム
成分は、アクリル系樹脂への分散性を高めるために、
(メタ)アクリル系樹脂で表面が被覆されたコアシェル
粒子が好ましい。
【0024】本発明のアクリル系樹脂組成物は、上記の
アクリル系樹脂(I)およびブロック共重合体(II)を
使用して、通常のポリマーブレンドの手法により製造す
ることができる。例えば、アクリル系樹脂(I)および
ブロック共重合体(II)を、樹脂材料の混合に用いられ
るような一軸押出機、二軸押出機、ブラベンダー、ニー
ダー、バンバリーミキサーなどの溶融混練機を用いて溶
融混練してもよいし、ヘンシェルミキサー、リボンブレ
ンダー、タンブラーミキサーなどでドライブレンドして
もよい。
【0025】本発明のアクリル系樹脂組成物は、熱溶融
成形や加熱加工が可能であり、射出成形、押出成形、イ
ンフレーションフィルム成形、ブロー成形などの任意の
成形方法によって種々の形状の成形品を円滑に製造する
ことができる。
【0026】本発明のアクリル系樹脂組成物は、成形後
すみやかに帯電防止効果を発現し、この帯電防止効果は
恒久的に持続するため、自動車部品、電気・電子部品、
包装材料などの各種用途の素材などとして有用である。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定さ
れるものではない。なお、以下の例において、アクリル
系樹脂組成物の評価は下記の方法に従って行った。
【0028】〔表面抵抗率の測定〕20℃、40%RH
の条件下で6時間または24時間放置した試験片、ある
いは30℃水中に1日浸漬した後、超音波洗浄を1時間
行い、20℃、40%RHの条件下で1日放置した試験
片について、20℃、40%RHの条件下で、デジタル
超高抵抗/微少電流計(ADVANTEST社製R8340)を用い
て、印加電圧1000Vでの表面抵抗率を測定した。
【0029】〔アイゾッド衝撃試験〕射出成形した試験
片から64mm×12.7mm×3.18mmの試験片
を切り出し、0.25mmRのノッチを付け、20℃、
50%RHの条件下で1日放置した後、アイゾッド衝撃
試験機(東洋精機製作所製)を用いて測定した。
【0030】参考例1 メタクリル酸メチル800重量部にチオ−S−酢酸1
5.2重量部、アゾビスイソブチロニトリル(AIB
N)0.04重量部を添加し、窒素気流下、70℃で、
40%転換率まで重合させることにより、末端にチオエ
ステル基を有するポリメタクリル酸メチルを得た。この
ポリメタクリル酸メチル200重量部をトルエン/メタ
ノールの混合溶媒800重量部に溶解させ、1.0重量
部の水酸化ナトリウムを添加し、60℃で2時間反応さ
せることにより、末端にチオール基を有するポリメタク
リル酸メチルを得た。ジメチルアミノエチルメタクリレ
ート300重量部と末端にチオール基を有するポリメタ
クリル酸メチル20重量部とをトルエン320重量部に
溶解し、70℃でAIBN0.6重量部を添加して、9
8%の転換率に達するまで重合した。得られた重合体を
メタノールで20%溶液に稀釈し、これにトルエンスル
ホン酸メチル355重量部を添加し、50℃で6時間反
応させることにより、重合体中の3級アミノ基を全て4
級アンモニウム塩化した。得られたAB型ブロック共重
合体(ポリマーA)の物性値を下記の表1に示す。
【0031】参考例2 メタクリル酸メチル303重量部、アクリロニトリル4
97重量部にチオ−S−酢酸2.3重量部、AIBN
0.02重量部を添加し、窒素気流下、70℃で、5.
8%転換率まで重合させることにより、末端にチオエス
テル基を有する(メタクリル酸メチル/アクリロニトリ
ル)共重合体を得た。この(メタクリル酸メチル/アク
リロニトリル)共重合体30重量部をトルエン/メタノ
ールの混合溶媒120重量部に溶解させ、0.2重量部
の水酸化ナトリウムを添加し、60℃で2時間反応させ
ることにより、末端にチオール基を有する(メタクリル
酸メチル/アクリロニトリル)共重合体を得た。ジメチ
ルアミノエチルメタクリルアミド50重量部と末端にチ
オール基を有する(メタクリル酸メチル/アクリロニト
リル)共重合体20重量部とをトルエン90重量部に溶
解し、70℃でAIBN0.1重量部を添加して重合を
開始させ、70%の転換率に達した時点でジメチルアミ
ノエチルメタクリルアミド20重量部を追加し、98%
の転換率に達するまで重合した。得られた重合体をメタ
ノールで20%溶液に稀釈し、これにトルエンスルホン
酸メチル83.4重量部を添加し、50℃で6時間反応
させることにより、重合体中の3級アミノ基を全て4級
アンモニウム塩化した。得られたAB型ブロック共重合
体(ポリマーB)の物性値を下記の表1に示す。
【0032】参考例3 参考例1のメタクリル酸メチル800重量部をメタクリ
ル酸メチル717重量部およびスチレン83重量部に、
ジメチルアミノエチルメタクリレート300重量部をジ
メチルアミノエチルメタクリルアミド80重量部に、ト
ルエン320重量部を100重量部に、AIBN0.6
重量部を0.1重量部に、トルエンスルホン酸メチル3
55重量部を95.4重量部に代えた以外は参考例1と
同様に行い、AB型ブロック共重合体を得た。得られた
AB型ブロック共重合体(ポリマーC)の物性値を下記
の表1に示す。
【0033】参考例4 参考例1のメタクリル酸メチル800重量部をメタクリ
ル酸n−ブチル800重量部に、チオ−S−酢酸15.
2重量部を30.4重量部に、ジメチルアミノエチルメ
タクリレート300重量部を160重量部に、トルエン
320重量部を180重量部に、AIBN0.5重量部
を0.3重量部に、トルエンスルホン酸メチル355重
量部を190重量部に代えた以外は参考例1と同様にし
て、AB型ブロック共重合体を得た。得られたAB型ブ
ロック共重合体(ポリマーD)の物性値を下記の表1に
示す。
【0034】参考例5 参考例1のチオ−S−酢酸15.2重量部を133重量
部に、ジメチルアミノエチルメタクリレート300重量
部をジメチルアミノエチルメタクリレート628重量部
およびメタクリル酸メチル172重量部に、トルエン3
20重量部を820重量部に、AIBN0.6重量部を
1.6重量部に、トルエンスルホン酸メチル355重量
部を744重量部に代えた以外は参考例1と同様にし
て、AB型ブロック共重合体を得た。得られたAB型ブ
ロック共重合体(ポリマーE)の物性値を下記の表1に
示す。
【0035】参考例6 参考例1のチオ−S−酢酸15.2重量部を30.4重
量部に、ジメチルアミノエチルメタクリレート300重
量部をジメチルアミノエチルメタクリレート15重量部
およびメタクリル酸メチル185重量部に、トルエン3
20重量部を220重量部に、AIBN0.5重量部を
0.2重量部に、トルエンスルホン酸メチル355重量
部を17.8重量部に代えた以外は参考例1と同様にし
て、AB型ブロック共重合体を得た。得られたAB型ブ
ロック共重合体(ポリマーF)の物性値を下記の表1に
示す。
【0036】参考例7 参考例1で得られたAB型ブロック共重合体(ポリマー
A)をメタノールで20重量%溶液に希釈し、この溶液
に5倍量のトルエンを添加した。2層に分離した下層を
分離乾燥して分子量分布の狭いAB型ブロック共重合体
を得た。GPC法により測定した分子量分布(Mw/M
n)は1.3であった。得られたAB型ブロック共重合
体(ポリマーG)の物性値を下記の表1に示す。
【0037】参考例8 スチレン800重量部にチオ−S−酢酸1.1重量部、
AIBN0.2重量部を添加し、窒素気流下、70℃
で、6.3%転換率まで重合させることにより、末端に
チオエステル基を有するポリスチレンを得た。このポリ
スチレン30重量部をトルエン/メタノールの混合溶媒
120重量部に溶解させ、0.2重量部の水酸化ナトリ
ウムを添加し、60℃で2時間反応させることにより、
末端にチオール基を有するポリスチレンを得た。ジメチ
ルアミノエチルメタクリルアミド260重量部と末端に
チオール基を有するポリスチレン20重量部とをトルエ
ン280重量部に溶解し、70℃でAIBN0.4重量
部を添加して、98%の転換率に達するまで重合した。
得られた重合体をメタノールで20%溶液に稀釈し、こ
れに臭化エチル182重量部を添加し、室温で8時間反
応させることにより、重合体中の3級アミノ基を全て4
級アンモニウム塩化した。得られたAB型ブロック共重
合体(ポリマーH)の物性値を下記の表1に示す。
【0038】参考例9 ジメチルアミノエチルメタクリレート431重量部、メ
タクリル酸メチル69重量部、ブタンチオール0.6重
量部、トルエン500重量部にAIBN0.2重量部を
添加し、窒素気流下、70℃で、65%転換率まで重合
させることにより、(ジメチルアミノエチルメタクリレ
ート/メタクリル酸メチル)ランダム共重合体を得た。
得られたランダム共重合体をメタノールで20%溶液に
稀釈し、これにトルエンスルホン酸メチル332重量部
を添加し、50℃で6時間反応させることにより、重合
体中の3級アミノ基を全て4級アンモニウム塩化した。
得られたランダム共重合体(ポリマーI)の物性値を下
記の表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】実施例1〜5、比較例1〜6 ポリメタクリル酸メチル樹脂100重量部に、参考例1
〜8で得られたAB型ブロック共重合体または参考例9
で得られたランダム共重合体を、下記の表2に示した割
合で配合し、二軸押出機を用いて250℃で混合するこ
とによりメタクリル系樹脂組成物を得た。このメタクリ
ル系樹脂組成物を用いて、250℃で10cm×10c
m×3.18mmの板状試験片を射出成形した。前記の
評価方法に従って評価した結果を、下記の表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】本発明のアクリル系樹脂組成物から製造
される成形品は、恒久的に、かつ成形直後あるいは低湿
度下においても十分な帯電防止性を有しているのみなら
ず、機械的特性などにも優れているので、自動車、電気
・電子製品、包装材などの各種用途に好適に使用するこ
とができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル系樹脂(I)100重量部に対
    して、4級アンモニウム塩化されたアミノアルキル基含
    有ビニル系単量体単位10〜100モル%およびこれと
    共重合可能なビニル系単量体単位90〜0モル%よりな
    る重合体ブロック(A)、並びに(メタ)アクリル酸エ
    ステル単位50〜100モル%およびこれと共重合可能
    なビニル系単量体単位50〜0モル%よりなる重合体ブ
    ロック(B)から構成され、重量平均分子量(Mw)と
    数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが1.8〜12.
    0であるブロック共重合体(II)0.5〜20重量部を
    配合してなるアクリル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 ブロック共重合体(II)を構成する、重
    合体ブロック(A)の数平均分子量が5,000〜20
    0,000であり、重合体ブロック(B)の数平均分子
    量が500〜50,000である請求項1記載のアクリ
    ル系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のアクリル系樹脂
    組成物からなる成形品。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015113444A (ja) * 2013-12-13 2015-06-22 東邦化学工業株式会社 ブロック共重合体の製造方法

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JP2015113444A (ja) * 2013-12-13 2015-06-22 東邦化学工業株式会社 ブロック共重合体の製造方法

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