JP2001106850A - 帯電防止性樹脂組成物およびこれを用いた熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

帯電防止性樹脂組成物およびこれを用いた熱可塑性樹脂組成物

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JP2001106850A
JP2001106850A JP28906399A JP28906399A JP2001106850A JP 2001106850 A JP2001106850 A JP 2001106850A JP 28906399 A JP28906399 A JP 28906399A JP 28906399 A JP28906399 A JP 28906399A JP 2001106850 A JP2001106850 A JP 2001106850A
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Takayuki Tsubaki
隆幸 椿
Manabu Kikuta
学 菊田
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DKS Co Ltd
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Dai Ichi Kogyo Seiyaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電性領域での低い表面抵抗値を発現し、し
かも、該抵抗値の湿度に対する依存性の小さい成形体が
得られる帯電防止性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 A成分50〜99重量%とB成分1〜5
0重量%を含有してなる帯電防止性樹脂組成物であっ
て、A成分は、エチレン構造単位70〜99モル%と、
式(2)で表されるアクリレート構造単位0〜15モル
%と、式(3)で表されるアクリルアミド構造単位1〜
30モル%とを含有する重量平均分子量が1,000〜
80,000であるカチオン変性共重合体であり、B成
分は、一般式:(RSOMで表されるスルホン
酸塩である。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯電防止性能と帯
電防止性能の湿度依存性とに優れる帯電防止性樹脂組成
物およびこれを用いた熱可塑性樹脂組成物に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】プラスチックは軽量性、成形性、外観が
優れるため、成形体やフィルム・シートとして、家電・
オフィス機器の筐体、自動車部品、各種包装用材料、雑
貨品等に幅広く使用されている。しかしながら、プラス
チックは材料自身の電気抵抗が高いため、摩擦や剥離に
よって生じた静電気が漏洩することなく蓄積し、このた
め外観的には埃付着による商品価値の低下、電子機器な
どでは放電による誤動作や故障などの問題点を有してい
る。このような静電気障害に対しては、帯電防止剤を使
用することがその対処手段として公知である。即ち、ア
ニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性
剤、非イオン界面活性剤等からなる帯電防止剤をプラス
チックに練り込むことが一般的に行われている。
【0003】また、最近では静電気による埃付着防止の
ためだけでなく、帯電防止能を持つプラスチックを導電
材料として利用する試みもあり、さらに低い抵抗値や安
定的な性能発現が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のプラスチックに界面活性剤を練り込む方法では、到
達される表面抵抗値がせいぜい1010Ωにとどまり、
静電気による埃付着を防止する程度にとどまる。また、
この場合、帯電防止性能の発現機構が表面へのブリード
アウトであるため、初期に性能が発現せず、また過剰に
添加した場合には表面のベタツキなどの問題も有してい
る。
【0005】これに対する方法として、プラスチックに
ポリエーテルエステルアミド化合物など親水性樹脂を練
り込み、初期に帯電防止性能を発現させる方法もある
が、到達する表面抵抗値がやはり1010Ωレベルにと
どまる。また、この場合、湿度に対する表面抵抗値の変
化が非常に大きく、オフィス環境で求められる低温低湿
度と高温高湿度との間での変化が抵抗値で3桁以上もあ
り、安定した抵抗値を要求される導電性用途としては利
用され難い状況である。
【0006】また、低レベルの抵抗値を得る方法として
は、カーボンなどの導電性フィラーをプラスチックに練
り込まれる方法も用いられるが、添加量に対する効果が
鋭敏で、表面抵抗が10〜10Ωの範囲で安定的に
抵抗値を制御することが困難である。
【0007】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたものであり、その目的とするところは、表面
抵抗値が低く、しかも、該抵抗値の湿度に対する依存性
の小さい成形体が得られる帯電防止性樹脂組成物を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の帯電防止性樹脂
組成物は、下記A成分50〜99重量%と下記B成分1
〜50重量%を含有してなる樹脂組成物である。
【0009】A成分は、下記式(1)で表されるエチレ
ン構造単位70〜99モル%と、下記一般式(2)で表
されるアクリレート構造単位0〜15モル%と、下記一
般式(3)で表されるアクリルアミド構造単位1〜30
モル%とを含有し、重量平均分子量が1,000〜8
0,000であるカチオン変性共重合体である。
【0010】
【化2】 上記式中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル
基を示し、Rは炭素数2〜8のアルキレン基を示し、
,R,Rはそれぞれ独立に炭素数1〜12のア
ルキル基、炭素数7〜12のアリールアルキル基又は炭
素数6〜12の脂環アルキル基を示し、Xはハロゲン原
子、CHOSO、COSO、RSO
示し、ここで、Rは炭素数1〜12のアルキル基、炭
素数7〜12のアリールアルキル基又は炭素数6〜12
の脂環アルキル基を示す。
【0011】B成分は、下記一般式(4)で表されるス
ルホン酸塩である。
【0012】(RSOM (4) 上記式中、Rは炭素数1〜2のアルキル基又は炭素数
6〜8のアリールアルキル基を示し、Mは金属イオンを
示す。また、n=1〜3である。
【0013】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記帯電
防止性樹脂組成物と熱可塑性樹脂とを含有してなるもの
である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施に関連する事
項について説明する。
【0015】(1)A成分 A成分として使用するカチオン変性共重合体は、上記し
たように、式(1)で表されるエチレン構造単位と、一
般式(2)で表されるアクリレート構造単位と、一般式
(3)で表されるアクリルアミド構造単位とを含有して
なる線状に不規則に配列したアクリルアミド系共重合体
である。
【0016】式(1)で表されるエチレン構造単位は、
分子内に70〜99モル%含有されている。この含有割
合が70モル%未満の場合は機械的物性が低下し、99
モル%を越える場合は帯電防止効果が劣る。好ましい範
囲は80〜97モル%である。
【0017】一般式(2)で表されるアクリレート構造
単位は、分子内に0〜15モル%含有されている。この
含有割合が15モル%を越えると成形体にベタツキを生
じてしまう。該アクリレート構造単位は、本発明では必
ずしも必須ではないが、存在することによりB成分との
混和性が良好となるので好ましい。アクリレート構造単
位の含有割合の好ましい範囲は1〜10モル%である。
【0018】このアクリレート構造単位において、R
は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。炭素
数4を越えると、成形体が柔らかくなり過ぎ、ベタツキ
の原因となる。Rの具体例としては、水素原子、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n
−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げ
られ、これらの基は1分子中に混在していてもよい。こ
れらの中ではメチル基およびエチル基が特に好ましい。
【0019】一般式(3)で示されるアクリルアミド構
造単位は、分子内に1〜30モル%含有されている。こ
の含有割合が1モル%未満の場合は帯電防止性が不足
し、30モル%を越える場合は成形体の耐水性が低下す
る。好ましい範囲は2〜10モル%である。
【0020】このアクリルアミド構造単位において、R
は炭素数2〜8のアルキレン基である。具体例として
は、エチレン基、プロピレン基、ヘキサメチレン基、ネ
オペンチレン基等が挙げられ、これらの基は1分子中に
混在していてもよい。これらの中では、製造の容易性お
よび経済性の面からエチレン基とプロピレン基が特に好
ましい。
【0021】また、R、R、Rは、それぞれ独立
に、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数7〜12のア
リールアルキル基、又は、炭素数6〜12の脂環アルキ
ル基である。具体例としては、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec
−ブチル基、n−オクチル基、n−ラウリル基等のアル
キル基;ベンジル基、4−メチルベンジル基等のアリー
ルアルキル基;シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシ
ル基等の脂環アルキル基が挙げられ、これらの基は1分
子中に混在していてもよい。これらの中ではメチル基、
エチル基が特に好ましい。
【0022】また、4級アンモニウム塩の対イオンであ
るXは、Cl、Br、Iなどのハロゲン原子、CH
SO、COSO等のアルキルサルフェート、
又は、RSOであり、これらは1分子中に混在して
いてもよい。ここで、RSOの具体例としては、メ
タンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン
酸、ドデカンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、メ
タキシレンスルホン酸などが挙げられる。Xは、帯電防
止性能の点から、Cl、CHOSO、COS
、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、パラトル
エンスルホン酸が好ましい。
【0023】以上の構造単位よりなるA成分のカチオン
変性共重合体は、本発明の効果を損なわない範囲で、少
量の他の構造単位、例えば、メタクリル酸、アクリロニ
トリル、グリシジルメタクリレート、スチレン等の構造
単位を含有してもよい。
【0024】このカチオン変性共重合体の重量平均分子
量は1,000〜80,000である。重量平均分子量
が1,000未満の場合には帯電防止性樹脂組成物の物
性が低下し、これを用いた熱可塑性樹脂組成物でブリー
ドアウトを生じ、80,000を越える場合にはハンド
リング性が悪化する。特に好ましい重量平均分子量は
3,000〜50,000である。ここで、重量平均分
子量とは、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー
(GPC)で測定した単分散のポリスチレン換算の重量
平均分子量をいい、超高温GPC法(絹川等、高分子論
文集44巻2号、139〜141頁、1987)に準じ
て測定できる。
【0025】このカチオン変性共重合体の製造方法は、
特に限定されるものではない。たとえば特開平4−19
8309号公報に記載されているように、エチレンとア
クリル酸エステルを高圧重合法により共重合させて得ら
れるエチレン−アクリル酸エステル共重合体をたとえば
特開昭60−79008号公報に記載の方法により加水
分解と同時に熱減成して所望の分子量とし、得られたエ
チレン−アクリル酸エステル−アクリル酸共重合体を
N,N−ジアルキルアミノアルキルアミンでアミド化し
たのち、4級化剤でカチオン変性することにより、A成
分の共重合体が得られる。
【0026】(2)B成分 B成分として使用するスルホン酸塩は、上記したよう
に、一般式(4)で表される。この一般式(4)におい
て、Rは、炭素数1〜2のアルキル基又は炭素数6〜
8のアリールアルキル基である。アルキル基の炭素数が
3以上又はアリールアルキル基の炭素数が9以上では、
表面固有抵抗値の湿度による変化が大きくなり、また、
表面固有抵抗値も高くなる。
【0027】このスルホン酸塩において、RSO
表されるスルホン酸基としては、メタンスルホン酸、エ
タンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホ
ン酸、キシレンスルホン酸が挙げられる。そのうち好ま
しいのは、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トル
エンスルホン酸である。特に好ましいものとしては、メ
タンスルホン酸が挙げられる。
【0028】また、このスルホン酸塩において、Mで表
される金属イオンとしては、Li、Na、K、Mg、C
a、Fe、Zn、Alなどが挙げられる。このうち好ま
しいものとしては、Li、Na、K、Mg、Ca、Al
が挙げられる。特に好ましくは、Li、Na、K、Ca
である。
【0029】(3)帯電防止性樹脂組成物 本発明の帯電防止性樹脂組成物は、上記A成分とB成分
を含有してなる組成物であり、組成物中に含まれる両成
分の濃度は、A成分が50〜99重量%、B成分が1〜
50重量%である。B成分が50重量%を越える場合に
は、成形体の表面外観が悪化する。また、B成分が1重
量%未満の場合には、表面抵抗値の湿度による変化が大
きくなる。
【0030】A成分とB成分との配合は、公知の種々の
混合方法又は混練方法を用いて行うことができる。得ら
れた樹脂組成物は、射出成形、押出し成形など公知の樹
脂成形方法により、成形体やフィルム・シートとされ、
静電気傷害を防止する程度の帯電防止性能が要求される
電子部品パッケージや電子機器ハウジング、ICトレイ
といった用途を始め、導電ロールや導電ベルト等の導電
性用途にも用いられる。
【0031】本発明の帯電防止性樹脂組成物において
は、着色のために一般的な体質顔料等を配合したり、耐
熱性付与を目的とした酸化防止剤の配合、離型剤等の各
種添加剤を性能が低下しない範囲以内で配合することも
可能である。
【0032】(4)熱可塑性樹脂組成物 本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記帯電防止性樹脂組
成物と熱可塑性樹脂とを含有するものである。すなわ
ち、上記A成分及びB成分とともに、C成分として熱可
塑性樹脂を含有するものである。
【0033】このC成分として用いられる熱可塑性樹脂
は、特に限定されるものでなく、ポリオレフィン類、ポ
リスチレン類、ポリアクリル類、ポリアミド類、ポリエ
ステル類などの各種の熱可塑性樹脂を挙げることができ
る。これらの熱可塑性樹脂は、単独でも2種以上併用し
てもよい。
【0034】上記ポリオレフィン類としては、ポリプロ
ピレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポ
リプロピレン−ポリエチレンブロックもしくはランダム
共重合体、エチレン−プロピレンエラストマー、エチレ
ン−プロピレン−ジシクロペンタジエンエラストマー、
エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢
酸ビニル共重合体が例示される。
【0035】上記ポリスチレン類としては、ポリスチレ
ン、高衝撃ポリスチレン、ポリスチレン−ブタジエン共
重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチ
レン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−メタクリ
ル酸メチル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−
ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−エチレンプ
ロピレン−スチレン3元ブロック共重合体、およびポリ
スチレン類とポリカーボネートとのアロイ等が例示され
る。
【0036】上記ポリアクリル類としては、ポリメタク
リル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリ
ル酸プロピル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル
酸メチル、ポリアクリル酸エチル、メタクリル酸メチル
−アクリル酸メチル共重合体、メタクリル酸メチル−メ
タクリル酸エチル共重合体、メタクリル酸メチル−メタ
クリル酸ブチル共重合体、メタクリル酸メチル−アクリ
ル酸エチル共重合体などの(メタ)アクリル酸メチル、
エチル、プロピル、ブチルなどのアルキルエステル化合
物の単独重合体あるいは共重合体などが例示される。
【0037】上記ポリアミド類としては、ポリアミド6
6、ポリアミド6、ポリアミド66−ポリアミド6共重
合体、ポリアミド12などが例示される。
【0038】上記ポリエステル類としては、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
カーボネートなどが例示される。
【0039】本発明の熱可塑性樹脂組成物において、C
成分である熱可塑性樹脂に対する上記帯電防止性樹脂組
成物の配合量は特に限定されず、任意の割合で添加する
ことができる。なお、配合は、通常は、上記A成分、B
成分及びC成分を一度に配合するが、予めA成分とB成
分を配合した上でこれをC成分と配合してもよい。配合
には、上記帯電防止性樹脂組成物と同様、公知の種々の
混合方法又は混練方法を用いることができる。得られた
熱可塑性樹脂組成物は、上記帯電防止性樹脂組成物と同
様、射出成形、押出し成形など公知の樹脂成形方法によ
り、成形体やフィルム・シートに成形される。
【0040】本発明の熱可塑性樹脂組成物においては、
上記帯電防止性樹脂組成物と同様に、着色のために一般
的な体質顔料等を配合したり、耐熱性付与を目的とした
酸化防止剤の配合、離型剤等の各種添加剤を性能が低下
しない範囲以内で配合することも可能である。
【0041】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0042】合成例1(A1〜A4の合成) A成分のカチオン変性共重合体として、表1に示す4種
類の構成の共重合体A1〜A4を特開平4−19830
9号公報に記載の方法に準じて製造した。
【0043】
【表1】 合成例2(B1〜B7の合成) B成分のスルホン酸塩として、B1及びB2については
メタンスルホン酸の70重量%水溶液を用い、B3につ
いてはエタンスルホン酸の50重量%水溶液を用い、B
4〜B7についてはパラトルエンスルホン酸の50重量
%水溶液を用いて、各水溶液に、当量の金属水酸化物ま
たは酸化物を水に溶解または分散させた溶液を添加し、
濃縮後、熱風にて乾燥して、表2に示す7種類のスルホ
ン酸塩B1〜B7を得た。
【0044】
【表2】 実施例1〜11及び比較例1〜14 合成例1で得られた共重合体A1〜A4、合成例2で得
られたスルホン酸塩B1〜B7、及び、表3に示す熱可
塑性樹脂(C成分)を用いて、これらを表4に示す配合
にしたがってドライブレンドして、実施例1〜11及び
比較例1〜14の樹脂組成物を得た。なお、比較例13
及び14については、スルホン酸塩として、本願のB成
分に含まれない、ラウリルスルホン酸ナトリウム(表
中、BR1と記す。)及びラウリルベンゼンスルホン酸
ナトリウム(表中、BR2と記す。)を用いた。
【0045】
【表3】 得られた樹脂組成物を定量供給機より二軸押出し機に供
給し、200〜240℃でコンパウンドペレットを作成
した。得られたコンパウンドペレットを用いて、射出成
形により3mm×60mm×60mmの成形体を成形
し、その特性を以下に示す項目について測定した。
【0046】 表面固有抵抗 試験片を測定温度20℃、相対湿度20%および80%
の条件下に、12時間以上放置したのち、ウルトラハイ
レジスタンスメーターR8340(アドバンテスト社
製)を用いて測定した。
【0047】 表面外観 表面外観を目視により観察した。判定基準は、成形体表
面が滑らかで、樹脂単独成形体と差がないものを
「○」、成形体表面に若干曇りが見られるものを
「△」、成形体表面にザラツキが認められるものを
「×」とした。
【0048】実施例1〜11及び比較例1〜14の試験
結果を表4に示す。
【0049】
【表4】 表4に示した結果から明らかなように、実施例1〜11
の場合、表面固有抵抗値が低く、しかも、該抵抗値の湿
度による変化が非常に小さくて安定した帯電防止性能を
有していた。また、表面外観の悪化を伴うこともなかっ
た。
【0050】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、特定の
カチオン変性共重合体とスルホン酸塩とを組み合わせる
ことにより、導電性領域での表面抵抗値を発現し、しか
も、該抵抗値の湿度に対する依存性の小さい帯電防止性
樹脂組成物を得ることができ、さらに、この樹脂組成物
を熱可塑性樹脂に添加することで、同様な性能を熱可塑
性樹脂組成物に持たせることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 3/16 108 (C08F 210/02 //(C08F 210/02 220:10 220:10 220:60) 220:60) C08L 101/00 Fターム(参考) 4J002 AA01X BB01X BB28W BC02X BG00X CF00X CL00X EV256 FD106 GQ01 GQ02 4J100 AA02P AJ02Q AJ02R AL03Q AM21R BA32H BA32R BA35H BC02R BC04R BC43R CA04 CA05 CA31 DA01 DA58 HA31 HA61 HC45 HD00 JA28 JA43 JA57 JA58

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記A成分50〜99重量%と下記B成分
    1〜50重量%を含有してなる帯電防止性樹脂組成物。 A:式(1)で表されるエチレン構造単位70〜99モ
    ル%と、 一般式(2)で表されるアクリレート構造単位0〜15
    モル%と、 一般式(3)で表されるアクリルアミド構造単位1〜3
    0モル%とを含有し、重量平均分子量が1,000〜8
    0,000であるカチオン変性共重合体。 【化1】 (式中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基
    を示し、Rは炭素数2〜8のアルキレン基を示し、R
    ,R,Rはそれぞれ独立に炭素数1〜12のアル
    キル基、炭素数7〜12のアリールアルキル基又は炭素
    数6〜12の脂環アルキル基を示し、Xはハロゲン原
    子、CHOSO、COSO、R SO
    示し、ここで、Rは炭素数1〜12のアルキル基、炭
    素数7〜12のアリールアルキル基又は炭素数6〜12
    の脂環アルキル基を示す。) B:一般式(4)で表されるスルホン酸塩。 (RSOM (4) (式中、Rは炭素数1〜2のアルキル基又は炭素数6
    〜8のアリールアルキル基を示し、Mは金属イオンを示
    す。また、n=1〜3である。)
  2. 【請求項2】請求項1記載の樹脂組成物と熱可塑性樹脂
    とを含有してなる熱可塑性樹脂組成物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009226871A (ja) * 2008-03-25 2009-10-08 Sekisui Plastics Co Ltd 帯電防止性熱可塑性樹脂発泡成形体とその製造方法、帯電防止性熱可塑性樹脂発泡成形体製造用成形型及び帯電防止性熱可塑性樹脂発泡成形体製造用成形装置

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JP2009226871A (ja) * 2008-03-25 2009-10-08 Sekisui Plastics Co Ltd 帯電防止性熱可塑性樹脂発泡成形体とその製造方法、帯電防止性熱可塑性樹脂発泡成形体製造用成形型及び帯電防止性熱可塑性樹脂発泡成形体製造用成形装置

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