JPH09136907A - 2重管式還流凝縮器およびそれを用いた塩化ビニル系樹脂の製法 - Google Patents
2重管式還流凝縮器およびそれを用いた塩化ビニル系樹脂の製法Info
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- JPH09136907A JPH09136907A JP29406595A JP29406595A JPH09136907A JP H09136907 A JPH09136907 A JP H09136907A JP 29406595 A JP29406595 A JP 29406595A JP 29406595 A JP29406595 A JP 29406595A JP H09136907 A JPH09136907 A JP H09136907A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 塩化ビニルを含む単量体を重合させる重合装
置に付設する還流凝縮器の大きさをかえずに冷却効率を
高くする。 【解決手段】 塩化ビニルまたは塩化ビニルとこれと共
重合可能な単量体との混合物を重合させる重合装置に付
設する還流凝縮器において、気化した単量体が接触し冷
却せしめれ凝縮する凝縮管が、内管と外管とからなる2
重管構造であり、内管と外管との間を冷却水が流れる2
重管式凝縮管を有する還流凝縮器を使用する。
置に付設する還流凝縮器の大きさをかえずに冷却効率を
高くする。 【解決手段】 塩化ビニルまたは塩化ビニルとこれと共
重合可能な単量体との混合物を重合させる重合装置に付
設する還流凝縮器において、気化した単量体が接触し冷
却せしめれ凝縮する凝縮管が、内管と外管とからなる2
重管構造であり、内管と外管との間を冷却水が流れる2
重管式凝縮管を有する還流凝縮器を使用する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニルまたは
塩化ビニルとこれと共重合可能な単量体との混合物を重
合させる重合装置に付設する還流凝縮器を製造し、使用
する技術分野に属する。さらに詳しくは、前記単量体を
重合させる際に気化した単量体が接触し、冷却・凝縮せ
しめられる凝縮管の凝縮器本体の横断面の単位面積あた
りの本数をふやすことができるようにし、その結果、気
化した単量体が凝縮する部分の面積が大幅に拡大した還
流凝縮器を製造し、これを用いて塩化ビニル系樹脂を製
造する技術分野に属する。
塩化ビニルとこれと共重合可能な単量体との混合物を重
合させる重合装置に付設する還流凝縮器を製造し、使用
する技術分野に属する。さらに詳しくは、前記単量体を
重合させる際に気化した単量体が接触し、冷却・凝縮せ
しめられる凝縮管の凝縮器本体の横断面の単位面積あた
りの本数をふやすことができるようにし、その結果、気
化した単量体が凝縮する部分の面積が大幅に拡大した還
流凝縮器を製造し、これを用いて塩化ビニル系樹脂を製
造する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニルまたは塩化ビニルとこれと共
重合可能な単量体との混合物を重合させてえられる塩化
ビニル系樹脂は、スケールメリット、すなわち量産効果
の発揮により活路を見出す典型的な汎用樹脂であり、様
々な方法で省エネルギー化を含む重合生産性の向上が図
られている。
重合可能な単量体との混合物を重合させてえられる塩化
ビニル系樹脂は、スケールメリット、すなわち量産効果
の発揮により活路を見出す典型的な汎用樹脂であり、様
々な方法で省エネルギー化を含む重合生産性の向上が図
られている。
【0003】現在、主流であるバッチ式重合法における
重合生産性を向上させるための手段である、バッチあた
りの単量体の増量や重合時間の短縮などを実現する際
に、発生する重合熱の除去が外部ジャケットによる冷却
のみでは間に合わなくなり、これを補うために単量体を
気化させて反応系から気化熱を奪う方法が採用されてい
る。
重合生産性を向上させるための手段である、バッチあた
りの単量体の増量や重合時間の短縮などを実現する際
に、発生する重合熱の除去が外部ジャケットによる冷却
のみでは間に合わなくなり、これを補うために単量体を
気化させて反応系から気化熱を奪う方法が採用されてい
る。
【0004】気化した単量体ガスは重合器上部に設けら
れた還流凝縮器に導入され、冷却せしめられ、凝縮した
液が重合系に戻されるが、この還流量を調節することに
よって還流凝縮器による除熱量をある程度調節すること
が可能である。
れた還流凝縮器に導入され、冷却せしめられ、凝縮した
液が重合系に戻されるが、この還流量を調節することに
よって還流凝縮器による除熱量をある程度調節すること
が可能である。
【0005】従来から使用されている還流凝縮器は、外
部ジャケットによる冷却機構を備えた直管(円筒状の単
管)を有するものであり、原理的には、蒸留などに一般
に用いられるリービッヒ型冷却管と同じものである。一
般には、このような単管構造の直管を並列に多数組み合
わせることによって気体との接触面積を大きくし、冷却
させる工夫がなされており、用いる直管の内径が決まれ
ばその本数が多いほど接触面積が大きくなる。
部ジャケットによる冷却機構を備えた直管(円筒状の単
管)を有するものであり、原理的には、蒸留などに一般
に用いられるリービッヒ型冷却管と同じものである。一
般には、このような単管構造の直管を並列に多数組み合
わせることによって気体との接触面積を大きくし、冷却
させる工夫がなされており、用いる直管の内径が決まれ
ばその本数が多いほど接触面積が大きくなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一定の容量を
有する外部ジャケット内に装填される直管の数には限り
があり、直管の径を細くしてその数を増やすばあいに
は、ジャケットの場所によって流す冷却水の流速に分布
が生じて均一な冷却が困難になり、冷却面積の増加の割
りには思ったほど冷却しないといった不都合が生じる。
有する外部ジャケット内に装填される直管の数には限り
があり、直管の径を細くしてその数を増やすばあいに
は、ジャケットの場所によって流す冷却水の流速に分布
が生じて均一な冷却が困難になり、冷却面積の増加の割
りには思ったほど冷却しないといった不都合が生じる。
【0007】他方、直管を装填したジャケット、すなわ
ち還流凝縮器そのものの容量を大きくすると、重合装置
周辺のスペースやユーティリティー、冷却水の使用量の
面で不利となる。
ち還流凝縮器そのものの容量を大きくすると、重合装置
周辺のスペースやユーティリティー、冷却水の使用量の
面で不利となる。
【0008】本発明は前記のごとき従来の技術の欠点を
改善するためになされたものであり、従来の還流凝縮器
と同等の容量および気化単量体接触面の洗浄のしやすさ
を保持しながら、少ない冷却水容量で気化した単量体を
冷却させ、凝縮させるための接触面積が大幅に増加した
還流凝縮器を提供するとともに、この還流凝縮器を付設
した重合装置を用いて塩化ビニル系樹脂を製造すること
により、重合生産性を大幅に向上させることを目的とす
る。
改善するためになされたものであり、従来の還流凝縮器
と同等の容量および気化単量体接触面の洗浄のしやすさ
を保持しながら、少ない冷却水容量で気化した単量体を
冷却させ、凝縮させるための接触面積が大幅に増加した
還流凝縮器を提供するとともに、この還流凝縮器を付設
した重合装置を用いて塩化ビニル系樹脂を製造すること
により、重合生産性を大幅に向上させることを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、気化した単量
体を冷却させ、凝縮させるための凝縮管の冷却を外部ジ
ャケットに流す冷却水によるのではなく、内管と外管と
からなる2重管式凝縮管の内管と外管との間に流す冷却
水を用いることによって、還流凝縮器本体の横断面積の
単位面積あたりの凝縮管の本数を増加させても、ジャケ
ット内に直接直管を固定して本数をふやし、ジャケット
内を流れる冷却水によって冷却するばあいのように、場
所によって冷却水の流速に分布が生じるというような不
都合が生じず、また、冷却面積を大幅に拡大させ、冷却
水の使用量を大幅に低減させ、重合生産性を大幅に向上
させることができることを見出し、本発明を完成するに
至った。
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、気化した単量
体を冷却させ、凝縮させるための凝縮管の冷却を外部ジ
ャケットに流す冷却水によるのではなく、内管と外管と
からなる2重管式凝縮管の内管と外管との間に流す冷却
水を用いることによって、還流凝縮器本体の横断面積の
単位面積あたりの凝縮管の本数を増加させても、ジャケ
ット内に直接直管を固定して本数をふやし、ジャケット
内を流れる冷却水によって冷却するばあいのように、場
所によって冷却水の流速に分布が生じるというような不
都合が生じず、また、冷却面積を大幅に拡大させ、冷却
水の使用量を大幅に低減させ、重合生産性を大幅に向上
させることができることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0010】すなわち、本発明は、塩化ビニルまたは塩
化ビニルとこれと共重合可能な単量体との混合物を重合
させる重合装置に付設する還流凝縮器において、気化し
た単量体が接触し冷却せしめられ凝縮する凝縮管が内管
と外管とからなる2重管構造であり、内管と外管との間
を冷却水が流れる2重管式凝縮管を使用することを特徴
とする2重管式還流凝縮器(請求項1)、および請求項
1の2重管式還流凝縮器を付設した重合装置を用いて塩
化ビニルまたは塩化ビニルとこれと共重合可能な単量体
との混合物を重合させることを特徴とする塩化ビニル系
樹脂の製法(請求項2)に関する。
化ビニルとこれと共重合可能な単量体との混合物を重合
させる重合装置に付設する還流凝縮器において、気化し
た単量体が接触し冷却せしめられ凝縮する凝縮管が内管
と外管とからなる2重管構造であり、内管と外管との間
を冷却水が流れる2重管式凝縮管を使用することを特徴
とする2重管式還流凝縮器(請求項1)、および請求項
1の2重管式還流凝縮器を付設した重合装置を用いて塩
化ビニルまたは塩化ビニルとこれと共重合可能な単量体
との混合物を重合させることを特徴とする塩化ビニル系
樹脂の製法(請求項2)に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の2重管式還流凝縮器は、
塩化ビニルまたは塩化ビニルとこれと共重合可能な単量
体との混合物(以下、塩化ビニル含有単量体ともいう)
を重合させる重合装置に付設する還流凝縮器である。
塩化ビニルまたは塩化ビニルとこれと共重合可能な単量
体との混合物(以下、塩化ビニル含有単量体ともいう)
を重合させる重合装置に付設する還流凝縮器である。
【0012】前記塩化ビニルとこれと共重合可能な単量
体との混合物における塩化ビニルと共重合可能な単量体
の例としては、たとえば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ルなどのビニルエステル類、エチレン、プロピレンなど
のオレフィン類、イソブチルビニルエーテルなどのビニ
ルエーテル類、無水マレイン酸、アクリロニトリル、ス
チレンなどがあげられる。これらは単独で用いてもよ
く、2種以上組み合わせて用いてもよい。
体との混合物における塩化ビニルと共重合可能な単量体
の例としては、たとえば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ルなどのビニルエステル類、エチレン、プロピレンなど
のオレフィン類、イソブチルビニルエーテルなどのビニ
ルエーテル類、無水マレイン酸、アクリロニトリル、ス
チレンなどがあげられる。これらは単独で用いてもよ
く、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0013】前記混合物中における塩化ビニルの含有割
合としては、塩化ビニルと共重合可能な単量体を共重合
させることによる流動性の向上や内部可塑化などの改質
効果がえられるという点から、99%(重量%、以下同
様)以下であるのが好ましく、また、えられる重合体が
塩化ビニル単位を含むことによる特徴である透明性や柔
軟性などの特性を充分発現するという点から、50%以
上、さらには70%以上であるのが好ましい。
合としては、塩化ビニルと共重合可能な単量体を共重合
させることによる流動性の向上や内部可塑化などの改質
効果がえられるという点から、99%(重量%、以下同
様)以下であるのが好ましく、また、えられる重合体が
塩化ビニル単位を含むことによる特徴である透明性や柔
軟性などの特性を充分発現するという点から、50%以
上、さらには70%以上であるのが好ましい。
【0014】前記塩化ビニルまたは塩化ビニルとこれと
共重合可能な単量体との混合物の重合により製造される
塩化ビニル系樹脂の例としては、ポリ塩化ビニル(PV
C)、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重
合体などがあげられる。
共重合可能な単量体との混合物の重合により製造される
塩化ビニル系樹脂の例としては、ポリ塩化ビニル(PV
C)、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重
合体などがあげられる。
【0015】前記塩化ビニル系樹脂が製造される装置
は、現在、主として還流凝縮器を付設したバッチ式重合
装置である。
は、現在、主として還流凝縮器を付設したバッチ式重合
装置である。
【0016】前記バッチ式重合装置は、一般に10〜1
30m3程度の容量を有する耐圧型の撹拌機を有する反
応釜からなり、たとえば塩化ビニル含有単量体を懸濁重
合させるばあいには、水および分散剤を含む液中に塩化
ビニル含有単量体が添加され、重合せしめられ、発生す
る反応熱の除去のため塩化ビニル含有単量体の蒸発およ
び付設した還流凝縮器による凝縮が利用される。
30m3程度の容量を有する耐圧型の撹拌機を有する反
応釜からなり、たとえば塩化ビニル含有単量体を懸濁重
合させるばあいには、水および分散剤を含む液中に塩化
ビニル含有単量体が添加され、重合せしめられ、発生す
る反応熱の除去のため塩化ビニル含有単量体の蒸発およ
び付設した還流凝縮器による凝縮が利用される。
【0017】前記2重管式還流凝縮器を付設したバッチ
式重合装置の2重管式還流凝縮器を付設したバッチ式重
合装置の部分を図面に基づいて説明する。
式重合装置の2重管式還流凝縮器を付設したバッチ式重
合装置の部分を図面に基づいて説明する。
【0018】図1において、1はバッチ式重合装置、2
は2重管式還流凝縮器、3は2重管式凝縮管、4は気化
単量体入口、5は凝縮単量体出口、6は2重管用冷却水
入口、7は2重管用冷却水出口、8は2重管用冷却水循
環部、9はジャケットを表わす。また、10は2重管式
凝縮管を設置したジャケット9にも冷却水をとおし、2
重管式凝縮管にとおした冷却水をさらに冷却するように
したばあいのジャケット用冷却水入口、11はジャケッ
ト用冷却水出口、12は気化単量体を2重管式凝縮管に
導入するための開口部、13は気化単量体が実際に接触
して冷却される接触部である。なお、図1に記載のバッ
チ式重合装置1には、撹拌機、塩化ビニル含有単量体添
加装置などが付設されているが図示されていない。ま
た、図1に記載の2重管式還流凝縮器2には、内部洗浄
用の高圧水噴射装置などが設けられているが図示されて
いない。さらに、図1では、2重管用冷却水入口6から
供給された冷却水は2本の2重管式凝縮管を冷却したの
ち2重管用冷却水出口7から放出されるようになってい
るが、通常は2〜50本の2重管式凝縮管を冷却したの
ち冷却水出口から放出される。
は2重管式還流凝縮器、3は2重管式凝縮管、4は気化
単量体入口、5は凝縮単量体出口、6は2重管用冷却水
入口、7は2重管用冷却水出口、8は2重管用冷却水循
環部、9はジャケットを表わす。また、10は2重管式
凝縮管を設置したジャケット9にも冷却水をとおし、2
重管式凝縮管にとおした冷却水をさらに冷却するように
したばあいのジャケット用冷却水入口、11はジャケッ
ト用冷却水出口、12は気化単量体を2重管式凝縮管に
導入するための開口部、13は気化単量体が実際に接触
して冷却される接触部である。なお、図1に記載のバッ
チ式重合装置1には、撹拌機、塩化ビニル含有単量体添
加装置などが付設されているが図示されていない。ま
た、図1に記載の2重管式還流凝縮器2には、内部洗浄
用の高圧水噴射装置などが設けられているが図示されて
いない。さらに、図1では、2重管用冷却水入口6から
供給された冷却水は2本の2重管式凝縮管を冷却したの
ち2重管用冷却水出口7から放出されるようになってい
るが、通常は2〜50本の2重管式凝縮管を冷却したの
ち冷却水出口から放出される。
【0019】図1において2重管式凝縮管3は2重管式
還流凝縮器2に備えられたジャケット9内に固定され、
上下端が開口している。バッチ式重合装置1から気化し
た単量体が気化単量体入口4より2重管式還流凝縮器2
に入り、2重管用冷却水入口6から供給された冷却水に
より冷却された2重管式凝縮管3で冷却・凝縮せしめら
れて、凝縮単量体出口5を経てバッチ式重合装置1にも
どる。
還流凝縮器2に備えられたジャケット9内に固定され、
上下端が開口している。バッチ式重合装置1から気化し
た単量体が気化単量体入口4より2重管式還流凝縮器2
に入り、2重管用冷却水入口6から供給された冷却水に
より冷却された2重管式凝縮管3で冷却・凝縮せしめら
れて、凝縮単量体出口5を経てバッチ式重合装置1にも
どる。
【0020】この際、2重管用冷却水入口6から供給さ
れた冷却水は2本目の2重管式凝縮管、3本目の2重管
式凝縮管にいくにしたがって(図1では、2本目の2重
管式凝縮管までしか図示されていないが、前述のごと
く、通常2〜50本の2重管式凝縮管を連結することが
できる。したがって、2重管式凝縮管2〜50本ごとに
2重管用冷却水入口および2重管用冷却水出口が設けら
れる)冷却水の温度は上昇する。冷却水温度の上昇の程
度は、気化単量体の還流量、冷却水流量などによっても
異なるため一定ではないが、一般に2重管式凝縮管を5
0本通過させると約8〜12℃の温度上昇がおこる。こ
のとき、ジャケット用冷却水入口10からジャケット用
冷却水を供給することにより、2重管式凝縮管の冷却水
の温度上昇を低くおさえることができる。ただし、この
ばあい、ジャケットにも冷却水を流す分、冷却水量が多
くなる。
れた冷却水は2本目の2重管式凝縮管、3本目の2重管
式凝縮管にいくにしたがって(図1では、2本目の2重
管式凝縮管までしか図示されていないが、前述のごと
く、通常2〜50本の2重管式凝縮管を連結することが
できる。したがって、2重管式凝縮管2〜50本ごとに
2重管用冷却水入口および2重管用冷却水出口が設けら
れる)冷却水の温度は上昇する。冷却水温度の上昇の程
度は、気化単量体の還流量、冷却水流量などによっても
異なるため一定ではないが、一般に2重管式凝縮管を5
0本通過させると約8〜12℃の温度上昇がおこる。こ
のとき、ジャケット用冷却水入口10からジャケット用
冷却水を供給することにより、2重管式凝縮管の冷却水
の温度上昇を低くおさえることができる。ただし、この
ばあい、ジャケットにも冷却水を流す分、冷却水量が多
くなる。
【0021】必要とされる2重管式還流凝縮器2の大き
さは、バッチ式重合装置1の大きさ、重合させるときの
濃度、重合速度などによっても異なるが、容量が76m
3のバッチ式重合装置1のばあい、通常、容量が3.6
〜3.8m3、横断面積が1.5〜1.8m2で、内管の
内側直径1.8〜2.2cm、外管の外側直径3.0〜
3.8cm、内管と外管との間に2〜4mmの冷却水通
路を有する長さ1.8〜2.2mの2重管式凝縮管3が
1300〜2500本、総冷却面積が130〜320m
2程度の大きさのものである。
さは、バッチ式重合装置1の大きさ、重合させるときの
濃度、重合速度などによっても異なるが、容量が76m
3のバッチ式重合装置1のばあい、通常、容量が3.6
〜3.8m3、横断面積が1.5〜1.8m2で、内管の
内側直径1.8〜2.2cm、外管の外側直径3.0〜
3.8cm、内管と外管との間に2〜4mmの冷却水通
路を有する長さ1.8〜2.2mの2重管式凝縮管3が
1300〜2500本、総冷却面積が130〜320m
2程度の大きさのものである。
【0022】なお、前記2重管式凝縮管3の単位面積
(1m2)あたりの本数は最大約900〜1400本ま
で増やすことが可能であり、従来の直管(単管)型凝縮
管のばあいの最大800本の約1.13〜1.75倍で
ある。このように2重管式凝縮管3の密度を高くできる
のは、従来の直管(単管)型還流凝縮器のばあいには、
冷却水の滞留などの問題で単位面積(1m2)あたりの
凝縮管の本数を約800本以上に設計することができな
いのに対し、2重管式還流凝縮器のばあいには、2重管
式凝縮管3にするために、凝縮管1本1本のまわりに冷
却水がくまなく流れるようにしてあり、また、冷却水入
口6から供給された冷却水は、1番目の凝縮管を冷却し
たのち2番目の冷却管を冷却するように順に凝縮管を冷
却するようになっているため、冷却水の流速を速くする
必要があり(たとえば流速4〜6m/秒)、冷却水の滞
留などがおこりにくくなっているためである。この結
果、2重管式凝縮管のばあい、従来の直管型凝縮管のよ
うに冷却水の滞留の心配がなく、極端なばあい、外管が
接触するような設計も可能である。また、冷却水は、外
管と内管との間のせまい部分を流れるため、流速が大き
くても流量は小さく、冷却水量は低減する。たとえば前
記76m3のバッチ式重合装置に付設する容量3.7
m3、横断面積1.75m2で内径2.14cm、長さ2
mの単管1320本の従来型の還流凝縮器のばあいには
約300m3/hrの冷却水を必要とするのに対し、同
じ還流凝縮器本体で凝縮管を内管の内径2.14cm、
外管の外径3.54cm、内管と外管との間の冷却水通
路3mm、長さ2mの2重管式凝縮管を1700本有
し、2重管式凝縮管50本ごとに冷却水の入口と出口を
設けた還流凝縮器のばあいには、約230m3/hrの
冷却水量に低減させることができる。
(1m2)あたりの本数は最大約900〜1400本ま
で増やすことが可能であり、従来の直管(単管)型凝縮
管のばあいの最大800本の約1.13〜1.75倍で
ある。このように2重管式凝縮管3の密度を高くできる
のは、従来の直管(単管)型還流凝縮器のばあいには、
冷却水の滞留などの問題で単位面積(1m2)あたりの
凝縮管の本数を約800本以上に設計することができな
いのに対し、2重管式還流凝縮器のばあいには、2重管
式凝縮管3にするために、凝縮管1本1本のまわりに冷
却水がくまなく流れるようにしてあり、また、冷却水入
口6から供給された冷却水は、1番目の凝縮管を冷却し
たのち2番目の冷却管を冷却するように順に凝縮管を冷
却するようになっているため、冷却水の流速を速くする
必要があり(たとえば流速4〜6m/秒)、冷却水の滞
留などがおこりにくくなっているためである。この結
果、2重管式凝縮管のばあい、従来の直管型凝縮管のよ
うに冷却水の滞留の心配がなく、極端なばあい、外管が
接触するような設計も可能である。また、冷却水は、外
管と内管との間のせまい部分を流れるため、流速が大き
くても流量は小さく、冷却水量は低減する。たとえば前
記76m3のバッチ式重合装置に付設する容量3.7
m3、横断面積1.75m2で内径2.14cm、長さ2
mの単管1320本の従来型の還流凝縮器のばあいには
約300m3/hrの冷却水を必要とするのに対し、同
じ還流凝縮器本体で凝縮管を内管の内径2.14cm、
外管の外径3.54cm、内管と外管との間の冷却水通
路3mm、長さ2mの2重管式凝縮管を1700本有
し、2重管式凝縮管50本ごとに冷却水の入口と出口を
設けた還流凝縮器のばあいには、約230m3/hrの
冷却水量に低減させることができる。
【0023】さらに、本発明における2重管式凝縮管3
を用いると還流凝縮器の内表面積が直管のばあいと比較
して約1.1〜1.7倍になるため、冷却凝縮効率が大
幅に改善される。
を用いると還流凝縮器の内表面積が直管のばあいと比較
して約1.1〜1.7倍になるため、冷却凝縮効率が大
幅に改善される。
【0024】前記還流凝縮器2の形状、設置方法、ジャ
ケット冷却水の使用方法などは、従来のものとほぼ同じ
である。
ケット冷却水の使用方法などは、従来のものとほぼ同じ
である。
【0025】たとえば本発明の2重管式還流凝縮器は、
本体構造自体は従来のものと同等であるため、特別な工
事を必要とせず、いたって容易に付設できる。
本体構造自体は従来のものと同等であるため、特別な工
事を必要とせず、いたって容易に付設できる。
【0026】また、本発明における2重管式凝縮管3の
内部は、従来の重合スケール洗浄除去方法、たとえばノ
ズルを挿入して高圧水噴射により洗浄する方法などをな
んら支障なく用いることができ、重合に関係しない時
間、いわゆる重合外時間の延長が発生することは実質的
にない。
内部は、従来の重合スケール洗浄除去方法、たとえばノ
ズルを挿入して高圧水噴射により洗浄する方法などをな
んら支障なく用いることができ、重合に関係しない時
間、いわゆる重合外時間の延長が発生することは実質的
にない。
【0027】このように、本発明の還流凝縮器の凝縮管
内部は容易に重合スケールを洗浄除去できるものである
が、あらかじめスケール防止剤を用いてもよい。
内部は容易に重合スケールを洗浄除去できるものである
が、あらかじめスケール防止剤を用いてもよい。
【0028】前記スケール防止剤の具体例としては、公
知のチッ素原子含有有機化合物、イオウ原子含有有機化
合物、キノン化合物、ケトン化合物あるいはアルデヒド
化合物や炭素数6以上のアルコール化合物、炭素数6以
上のカルボン酸化合物、さらにはヒドロキシヒドロキノ
ンやピロガロールなどから任意に選択すればよい。これ
らのスケール防止剤を用いることによってスケール付着
量は激減するばかりでなく、たとえ付着してもその除去
が非常に容易になる。
知のチッ素原子含有有機化合物、イオウ原子含有有機化
合物、キノン化合物、ケトン化合物あるいはアルデヒド
化合物や炭素数6以上のアルコール化合物、炭素数6以
上のカルボン酸化合物、さらにはヒドロキシヒドロキノ
ンやピロガロールなどから任意に選択すればよい。これ
らのスケール防止剤を用いることによってスケール付着
量は激減するばかりでなく、たとえ付着してもその除去
が非常に容易になる。
【0029】なお、前記のごとき2重管式凝縮管および
2重管式還流凝縮器を構成する材料は、従来の凝縮管お
よび還流凝縮器を構成する材料である銅、SUS30
4、SUS316、SUS316L、チタン合金などで
あればとくに制限なく使用しうるが、製造のしやすさや
コスト、腐蝕性などの点から、SUS316が好まし
い。
2重管式還流凝縮器を構成する材料は、従来の凝縮管お
よび還流凝縮器を構成する材料である銅、SUS30
4、SUS316、SUS316L、チタン合金などで
あればとくに制限なく使用しうるが、製造のしやすさや
コスト、腐蝕性などの点から、SUS316が好まし
い。
【0030】本発明の2重管式還流凝縮器を付設した重
合装置を用いた塩化ビニル系樹脂の製造は、公知の方
法、すなわち懸濁重合法、ミクロ懸濁重合法、乳化重合
法、塊状重合法、溶液重合法などにより行なうことがで
きる。
合装置を用いた塩化ビニル系樹脂の製造は、公知の方
法、すなわち懸濁重合法、ミクロ懸濁重合法、乳化重合
法、塊状重合法、溶液重合法などにより行なうことがで
きる。
【0031】前記製造に使用する開始剤、乳化剤、分散
剤、安定剤、スケール防止剤などや、これらの仕込方法
も公知の技術をなんら支障なく用いることができる。
剤、安定剤、スケール防止剤などや、これらの仕込方法
も公知の技術をなんら支障なく用いることができる。
【0032】還流凝縮器による還流量、すなわち該凝縮
器による重合装置内溶液の冷却量は、重合装置本体に備
えられたジャケットによる冷却量とのバランスを考慮
し、冷却水の温度を変えることで調節することができ
る。
器による重合装置内溶液の冷却量は、重合装置本体に備
えられたジャケットによる冷却量とのバランスを考慮
し、冷却水の温度を変えることで調節することができ
る。
【0033】一般的には、還流凝縮量が多くなると、塩
化ビニル系樹脂製品の加工時にフィッシュアイとよばれ
る斑点状欠陥が発生しやすくなるため、これを考慮して
還流凝縮量を決定すればよい。
化ビニル系樹脂製品の加工時にフィッシュアイとよばれ
る斑点状欠陥が発生しやすくなるため、これを考慮して
還流凝縮量を決定すればよい。
【0034】本発明の2重管式還流凝縮器を付設した重
合装置を用いて塩化ビニル系樹脂を製造するばあい、た
とえば容量76m3のバッチ式重合装置を用いて部分ケ
ン化ポリビニルアルコール0.07部(重量部、以下同
様)を溶解した水100部(31000kg)、重合開
始剤としてt−ブチルパーオキシネオデカノエート0.
025部および3,5,5−トリメチルへキサノイルパ
ーオキサイド0.035部を用い、塩化ビニル単量体1
00部を、撹拌下、65℃の条件で重合させ、還流凝縮
器により5.5×105kcal/hrの除熱をするば
あい、従来の直管型還流凝縮器(容量3.7m3、横断
面積1.75m2、内径2.14cm、長さ2m、管壁
の厚さ2mmの直管1320本を有するもの)を用いる
ばあいには、48℃の水を4.8m3/分の割合で流し
て冷却することが必要であるが、前記直管型還流凝縮器
における直管を内管の内側直径2.14cm、外管の外
側直径3.54cm、内管と外管との間に3mmの冷却
水通路を有する2重管にすることにより凝縮管の本数、
したがって冷却面積を約1.3倍にすることができ、そ
の結果、50℃の水を4.8m3/分の割合または48
℃の水を3.8m3/分の割合で流して冷却することに
よって同じ量の除熱を行なうことができる。
合装置を用いて塩化ビニル系樹脂を製造するばあい、た
とえば容量76m3のバッチ式重合装置を用いて部分ケ
ン化ポリビニルアルコール0.07部(重量部、以下同
様)を溶解した水100部(31000kg)、重合開
始剤としてt−ブチルパーオキシネオデカノエート0.
025部および3,5,5−トリメチルへキサノイルパ
ーオキサイド0.035部を用い、塩化ビニル単量体1
00部を、撹拌下、65℃の条件で重合させ、還流凝縮
器により5.5×105kcal/hrの除熱をするば
あい、従来の直管型還流凝縮器(容量3.7m3、横断
面積1.75m2、内径2.14cm、長さ2m、管壁
の厚さ2mmの直管1320本を有するもの)を用いる
ばあいには、48℃の水を4.8m3/分の割合で流し
て冷却することが必要であるが、前記直管型還流凝縮器
における直管を内管の内側直径2.14cm、外管の外
側直径3.54cm、内管と外管との間に3mmの冷却
水通路を有する2重管にすることにより凝縮管の本数、
したがって冷却面積を約1.3倍にすることができ、そ
の結果、50℃の水を4.8m3/分の割合または48
℃の水を3.8m3/分の割合で流して冷却することに
よって同じ量の除熱を行なうことができる。
【0035】この効果は、開始剤を16%増量して重合
時間を8%短縮できうるだけの重合生産性の向上に相当
する。
時間を8%短縮できうるだけの重合生産性の向上に相当
する。
【0036】
【実施例】本発明をさらに具体的に説明するために、以
下に実施例および比較例を示すが、本発明はこれら実施
例になんら限定されるものではない。
下に実施例および比較例を示すが、本発明はこれら実施
例になんら限定されるものではない。
【0037】比較例1 冷却伝熱面積が5m2の直管型還流凝縮器(容量0.0
8m3、横断面積0.096m2、内径21.4mm、長
さ1.29m、管壁の厚さ2mmの直管52本を有する
もの)を付設した内容積1.7m3の冷却用ジャケット
を有するバッチ式重合装置に、部分ケン化ポリビニルア
ルコール0.07部を溶解した水100部(620k
g)を仕込み、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ
ネオデカノエート(t−BPOND)0.025部およ
び3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド
(355TMHPO)0.035部を添加して脱気し、
反応系の酸素を除去した。ついで塩化ビニル(VCM)
100部を仕込み、撹拌しながら昇温し、重合温度を6
5℃にした。そののち、冷却用ジャケットに55℃の水
を流して重合温度を65℃に保った。また、重合開始後
1時間目に還流凝縮器に45℃の冷却水を流して還流凝
縮器の運転を開始した。このときの還流凝縮器の除熱速
度は23000kcal/hr、冷却用ジャケットによ
る除熱速度は14000kcal/hrで一定とした。
重合転化率が55%に達した時点で還流凝縮器からの凝
縮単量体の重合装置への還流を開始した。重合装置内の
圧力が定常圧より1kg/cm2低下した時点(約9.
5kg/cm2のとき)で未重合単量体をその自圧によ
って重合系外へ抜き出して重合を終了させた。重合時間
は3.5時間で、重合転化率は75%であった。
8m3、横断面積0.096m2、内径21.4mm、長
さ1.29m、管壁の厚さ2mmの直管52本を有する
もの)を付設した内容積1.7m3の冷却用ジャケット
を有するバッチ式重合装置に、部分ケン化ポリビニルア
ルコール0.07部を溶解した水100部(620k
g)を仕込み、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ
ネオデカノエート(t−BPOND)0.025部およ
び3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド
(355TMHPO)0.035部を添加して脱気し、
反応系の酸素を除去した。ついで塩化ビニル(VCM)
100部を仕込み、撹拌しながら昇温し、重合温度を6
5℃にした。そののち、冷却用ジャケットに55℃の水
を流して重合温度を65℃に保った。また、重合開始後
1時間目に還流凝縮器に45℃の冷却水を流して還流凝
縮器の運転を開始した。このときの還流凝縮器の除熱速
度は23000kcal/hr、冷却用ジャケットによ
る除熱速度は14000kcal/hrで一定とした。
重合転化率が55%に達した時点で還流凝縮器からの凝
縮単量体の重合装置への還流を開始した。重合装置内の
圧力が定常圧より1kg/cm2低下した時点(約9.
5kg/cm2のとき)で未重合単量体をその自圧によ
って重合系外へ抜き出して重合を終了させた。重合時間
は3.5時間で、重合転化率は75%であった。
【0038】重合開始時の水/単量体の比(重量比)は
1.0であったが、冷却用ジャケットおよび還流凝縮器
による冷却のみでは冷却不足のため、重合終了時点での
水/単量体の比が1.2になるように重合期間中、定量
ポンプを用いて水を連続的に等速度で追加する必要があ
った。
1.0であったが、冷却用ジャケットおよび還流凝縮器
による冷却のみでは冷却不足のため、重合終了時点での
水/単量体の比が1.2になるように重合期間中、定量
ポンプを用いて水を連続的に等速度で追加する必要があ
った。
【0039】実施例1 冷却伝熱面積が6.2m2の本発明の2重管式凝縮管を
有する還流凝縮器(外管の外径35.4mm、内径3
1.4mm、内管の外径25.4mm、内径21.4m
m、長さ1.29mの2重管式凝縮管65本を、内容積
0.08m3、直径35cm、高さ2mの凝縮器本体に
比較例1と同様に取り付け、2重管式凝縮管13本ごと
に冷却水の入口と出口を設けた2重管式還流凝縮器)を
付設した内容積1.7m3の冷却用ジャケットを有する
バッチ式重合装置を用い、還流凝縮器に流す冷却水温度
を43℃にかえ、追加水を加えなかったほかは、比較例
1と同じ条件で重合を行なった。還流凝縮器の冷却水出
口温度は47℃であった。
有する還流凝縮器(外管の外径35.4mm、内径3
1.4mm、内管の外径25.4mm、内径21.4m
m、長さ1.29mの2重管式凝縮管65本を、内容積
0.08m3、直径35cm、高さ2mの凝縮器本体に
比較例1と同様に取り付け、2重管式凝縮管13本ごと
に冷却水の入口と出口を設けた2重管式還流凝縮器)を
付設した内容積1.7m3の冷却用ジャケットを有する
バッチ式重合装置を用い、還流凝縮器に流す冷却水温度
を43℃にかえ、追加水を加えなかったほかは、比較例
1と同じ条件で重合を行なった。還流凝縮器の冷却水出
口温度は47℃であった。
【0040】なお、冷却用ジャケットによる除熱速度は
14000kcal/hrであったが、還流凝縮器の除
熱速度は28000kcal/hrであった。
14000kcal/hrであったが、還流凝縮器の除
熱速度は28000kcal/hrであった。
【0041】重合条件および結果を表1に示す。
【0042】実施例2 2重管式還流凝縮器に流す冷却水の温度を47℃にし、
還流凝縮量を変えた以外は実施例1と同じ条件で重合を
行なった。このばあいには重合終了時点での水/単量体
の重量比が1.1になるように重合期間中、定量ポンプ
を用いて水を連続的に等速度で追加する必要があった。
還流凝縮量を変えた以外は実施例1と同じ条件で重合を
行なった。このばあいには重合終了時点での水/単量体
の重量比が1.1になるように重合期間中、定量ポンプ
を用いて水を連続的に等速度で追加する必要があった。
【0043】なお、冷却用ジャケットによる除熱速度は
14000kcal/hrであったが、2重管式還流凝
縮器の除熱速度は26000kcal/hrであった。
14000kcal/hrであったが、2重管式還流凝
縮器の除熱速度は26000kcal/hrであった。
【0044】重合条件および結果を表1に示す。
【0045】実施例3 実施例1において使用した重合開始剤であるt−ブチル
パーオキシネオデカノエートおよび3,5,5−トリメ
チルヘキサノイルパーオキサイドの量をそれぞれ0.0
4部および0.05部に変更し、2重管式還流凝縮器に
39℃の冷却水を流して運転した以外は実施例1と同様
にして重合を行なった。
パーオキシネオデカノエートおよび3,5,5−トリメ
チルヘキサノイルパーオキサイドの量をそれぞれ0.0
4部および0.05部に変更し、2重管式還流凝縮器に
39℃の冷却水を流して運転した以外は実施例1と同様
にして重合を行なった。
【0046】なお、冷却用ジャケットによる除熱速度は
14000kcal/hrであったが、2重管式還流凝
縮器の除熱速度は32000kcal/hrであった。
14000kcal/hrであったが、2重管式還流凝
縮器の除熱速度は32000kcal/hrであった。
【0047】重合条件および重合結果を表1に示す。
【0048】比較例2 比較例1において使用した重合開始剤であるt−ブチル
パーオキシネオデカノエートおよび3,5,5−トリメ
チルヘキサノイルパーオキサイドの量をそれぞれ0.0
4部および0.05部に変更し、還流凝縮器に35℃の
冷却水を流して運転し、さらに重合終了時点での水/単
量体の重量比が1.1になるように重合期間中、定量ポ
ンプを用いて水を連続的に等速度で追加した以外は比較
例1と同様にして重合を行なった。
パーオキシネオデカノエートおよび3,5,5−トリメ
チルヘキサノイルパーオキサイドの量をそれぞれ0.0
4部および0.05部に変更し、還流凝縮器に35℃の
冷却水を流して運転し、さらに重合終了時点での水/単
量体の重量比が1.1になるように重合期間中、定量ポ
ンプを用いて水を連続的に等速度で追加した以外は比較
例1と同様にして重合を行なった。
【0049】なお、冷却用ジャケットによる除熱速度は
14000kcal/hrであったが、還流凝縮器の除
熱速度は29000kcal/hrであった。
14000kcal/hrであったが、還流凝縮器の除
熱速度は29000kcal/hrであった。
【0050】重合条件および重合結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】表1に示したように、本発明の2重管式還
流凝縮器を用いた実施例1のばあい、従来の直管型還流
凝縮器を用いた比較例1のばあいと比較して、還流凝縮
器冷却水温度を43℃にした以外は同一条件下の重合で
あっても追加水による冷却を必要としないことがわか
る。また、追加水を用いた実施例2のばあいには2重管
式還流凝縮器の冷却水温度を高めても除熱が可能である
ことがわかる。さらに、重合時間短縮のために重合開始
剤の使用量を1.5倍量用いた実施例3のばあいでも2
重管式還流凝縮器に流す冷却水温度をあまり下げる必要
がなかったのに対し、従来の直管型還流凝縮器を用いて
重合時間を短縮した比較例2のばあいには、直管型還流
凝縮器に流す冷却水温度は35℃と低下させなければな
らなかったのみならず、追加水を併用する必要があるこ
とがわかる。
流凝縮器を用いた実施例1のばあい、従来の直管型還流
凝縮器を用いた比較例1のばあいと比較して、還流凝縮
器冷却水温度を43℃にした以外は同一条件下の重合で
あっても追加水による冷却を必要としないことがわか
る。また、追加水を用いた実施例2のばあいには2重管
式還流凝縮器の冷却水温度を高めても除熱が可能である
ことがわかる。さらに、重合時間短縮のために重合開始
剤の使用量を1.5倍量用いた実施例3のばあいでも2
重管式還流凝縮器に流す冷却水温度をあまり下げる必要
がなかったのに対し、従来の直管型還流凝縮器を用いて
重合時間を短縮した比較例2のばあいには、直管型還流
凝縮器に流す冷却水温度は35℃と低下させなければな
らなかったのみならず、追加水を併用する必要があるこ
とがわかる。
【0053】
【発明の効果】従来の直管型還流凝縮器を用いるばあい
と比較して、本発明の2重管式還流凝縮器は単位面積当
りの凝縮管の本数を多くすることができるため、冷却能
力が高くなる。いいかえれば、同じ還流凝縮量を達成す
るための還流凝縮器の大きさを小さくすることができる
ことになり、重合装置周辺のスペースやいわゆるユーテ
ィリティーコストを低減させることができる。さらに、
バッチあたりの単量体の増量や、重合開始剤の増量によ
る重合時間の短縮によって単位時間あたりの重合反応熱
が増加しても、冷却水量を増やすことなく対処できるこ
とになり、重合生産性は大幅に向上するため、本発明の
工業的価値はすこぶる大きい。
と比較して、本発明の2重管式還流凝縮器は単位面積当
りの凝縮管の本数を多くすることができるため、冷却能
力が高くなる。いいかえれば、同じ還流凝縮量を達成す
るための還流凝縮器の大きさを小さくすることができる
ことになり、重合装置周辺のスペースやいわゆるユーテ
ィリティーコストを低減させることができる。さらに、
バッチあたりの単量体の増量や、重合開始剤の増量によ
る重合時間の短縮によって単位時間あたりの重合反応熱
が増加しても、冷却水量を増やすことなく対処できるこ
とになり、重合生産性は大幅に向上するため、本発明の
工業的価値はすこぶる大きい。
【図1】本発明の2重管式還流凝縮器の一例を説明する
ための説明図である。
ための説明図である。
1 バッチ式重合装置 2 2重管式還流凝縮器 3 2重管式凝縮管 4 気化単量体入口 5 凝縮単量体出口 6 2重管用冷却水入口 7 2重管用冷却水出口 8 2重管用冷却水循環部 9 ジャケット 10 ジャケット用冷却水入口 11 ジャケット用冷却水出口 12 開口部 13 接触部
Claims (2)
- 【請求項1】 塩化ビニルまたは塩化ビニルとこれと共
重合可能な単量体との混合物を重合させる重合装置に付
設する還流凝縮器において、気化した単量体が接触し冷
却せしめられ凝縮する凝縮管が、内管と外管とからなる
2重管構造であり、内管と外管との間を冷却水が流れる
2重管式凝縮管を使用することを特徴とする2重管式還
流凝縮器。 - 【請求項2】 請求項1記載の2重管式還流凝縮器を付
設した重合装置を用いて塩化ビニルまたは塩化ビニルと
これと共重合可能な単量体との混合物を重合させること
を特徴とする塩化ビニル系樹脂の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29406595A JPH09136907A (ja) | 1995-11-13 | 1995-11-13 | 2重管式還流凝縮器およびそれを用いた塩化ビニル系樹脂の製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29406595A JPH09136907A (ja) | 1995-11-13 | 1995-11-13 | 2重管式還流凝縮器およびそれを用いた塩化ビニル系樹脂の製法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09136907A true JPH09136907A (ja) | 1997-05-27 |
Family
ID=17802837
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29406595A Pending JPH09136907A (ja) | 1995-11-13 | 1995-11-13 | 2重管式還流凝縮器およびそれを用いた塩化ビニル系樹脂の製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09136907A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006074775A1 (en) * | 2005-01-13 | 2006-07-20 | Vinnolit Gmbh & Co. Kg | Process for the polymerisation of vinyl-containing monomers |
WO2006074774A1 (en) * | 2005-01-13 | 2006-07-20 | Vinnolit Gmbh & Co. Kg | Process for the polymerisation of vinyl-containing monomers |
JP2023501676A (ja) * | 2019-11-15 | 2023-01-18 | ハンワ ソリューションズ コーポレイション | 重合反応器 |
-
1995
- 1995-11-13 JP JP29406595A patent/JPH09136907A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006074775A1 (en) * | 2005-01-13 | 2006-07-20 | Vinnolit Gmbh & Co. Kg | Process for the polymerisation of vinyl-containing monomers |
WO2006074774A1 (en) * | 2005-01-13 | 2006-07-20 | Vinnolit Gmbh & Co. Kg | Process for the polymerisation of vinyl-containing monomers |
JP2023501676A (ja) * | 2019-11-15 | 2023-01-18 | ハンワ ソリューションズ コーポレイション | 重合反応器 |
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