JPH09136217A - 放射性廃棄物切断装置 - Google Patents

放射性廃棄物切断装置

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JPH09136217A
JPH09136217A JP32130195A JP32130195A JPH09136217A JP H09136217 A JPH09136217 A JP H09136217A JP 32130195 A JP32130195 A JP 32130195A JP 32130195 A JP32130195 A JP 32130195A JP H09136217 A JPH09136217 A JP H09136217A
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JP
Japan
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radioactive waste
saw blade
cutting
dust
cutting device
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JP32130195A
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English (en)
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Tomohiro Nakagawa
智博 中川
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Nuclear Fuel Industries Ltd
Original Assignee
Nuclear Fuel Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】切断作業に伴い発生する2次廃棄物を最小限に
抑え、種々の形状の放射性廃棄物を安定に固定して切断
することができる切断装置を提供する。 【解決手段】 放射性廃棄物を固定する固定手段と、固
定された放射性廃棄物を切断する鋸刃を含む切断手段
と、鋸刃に対して冷却用の圧縮空気を噴射する冷却手段
と、鋸刃による放射性廃棄物の切断に際して発生する粉
塵を捕集する集塵手段とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核燃料施設などか
ら発生する放射性廃棄物を切断するための放射性廃棄物
切断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、放射性廃棄物の切断には帯鋸
刃切断装置が広く用いられている。この種の切断装置の
鋸刃は、モータにより高速回転駆動されると共に油圧に
より昇降されるように構成されており、その下方にある
テーブル上で油圧バイスによって挟持固定されている放
射性廃棄物に対して、回転している鋸刃を降下させるこ
とによって切断が行われる。更に、従来の切断装置で
は、実際の切断時に、鋸刃による放射性廃棄物の切削部
分に適当な切削油を注ぎ、その冷却作用と潤滑作用によ
って切削の改善が図られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
如き従来の切断装置は、切断時に切削油を用いる湿式冷
却方式を採用しているため、放射性廃棄物を切削する際
に切り屑と共に発生する放射性物質が切削油に混入して
しまい、2次廃棄物として多量に発生していた。また、
このような2次廃棄物は処理や処分が困難なため、施設
内に保管管理せざるを得なかった。
【0004】また、従来装置では、放射性廃棄物を切削
する際に切り屑と共に発生する放射性物質が周辺の空気
中や床面などに飛散するため、作業環境が汚染されると
いう問題も生じていた。
【0005】更に、放射性廃棄物には特定の形状がな
く、例えば、配管などの円筒形状や機械などの複雑な形
状のものが多く存在する。しかし、直方体形状の廃棄物
の固定を想定して構成されている従来装置では、図5に
示されているように、1対の固定部材18、19からな
る1機のバイスで廃棄物を固定するので、様々な形状を
有する廃棄物を安定して固定することができないという
問題もあった。
【0006】このように従来の切断装置では、安定に固
定できないため、高速回転の鋸刃が放射性廃棄物に与え
る衝撃によって、振動や騒音などが発生するだけでな
く、鋸刃が破損することもあり、またその破片が飛散す
るなど、安全性、経済性に問題があった。
【0007】本発明は、上記問題点に鑑み、切断作業に
伴い発生する2次廃棄物を最小限に抑えることができる
放射性廃棄物切断装置を提供することを主目的とする。
さらに、作業環境を安全かつ清潔に保つことができる放
射性廃棄物切断装置を得ることを別の目的とする。ま
た、本発明の更に別の目的は、如何なる形状の放射性廃
棄物に対しても安定に固定し、効率的かつ安全に切断す
ることができる放射性廃棄物切断装置を得ることにあ
る。本発明のまた別の目的は、鋸刃の耐性を考慮した放
射性廃棄物切断装置を得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明に係る放射性廃棄物切断装置
は、放射性廃棄物を固定する固定手段と、固定された放
射性廃棄物を切断する鋸刃を含む切断手段と、該鋸刃に
対して冷却用の圧縮空気を噴射する冷却手段と、前記鋸
刃による放射性廃棄物の切断に際して発生する粉塵を捕
集する集塵手段とを備えたことを特徴とするものであ
る。
【0009】本発明は、固定された放射性廃棄物を切断
する鋸刃に対して、冷却手段から冷却用の圧縮空気を噴
射するものである。即ち、本発明は、切断時の鋸刃に対
する冷却方式として乾式冷却方式を採用したものであ
る。この構成により、従来装置のように切削油を用いな
くても、切断時に鋸刃を強制的に冷却できる。
【0010】また、放射性廃棄物を切断する際に切り屑
と共に発生する放射性物質が切削油に混入することはな
く、処理・処分の困難な2次廃棄物が多量に発生すると
いう問題は生じない。よって、2次廃棄物に係る保管管
理の必要がなくなる。切断作業により周辺に切削油が飛
散することもないため、作業スペースを清潔に保つこと
ができる。
【0011】更に、本発明は、鋸刃による放射性廃棄物
の切断に際して発生する粉塵が集塵手段により捕集され
るものである。鋸刃による放射性廃棄物の切断に際して
発生する粉塵には放射性物質が混入しているので、これ
らの粉塵が集塵手段によって捕集されれば、周辺の空気
中や床面などの作業環境を安全に保つことができる。ま
た、同時に切り屑も捕集されるので作業環境が清潔に保
たれる。
【0012】本願請求項2に記載の放射性廃棄物切断装
置は、請求項1に記載の放射性廃棄物切断装置におい
て、前記固定手段は、一対の固定部材により放射性廃棄
物を挟持固定するバイスを複数有し、各々の前記バイス
は、放射性廃棄物を挟む方向を前記鋸刃による切断方向
にそろえて配置されると共に、放射性廃棄物の寸法形状
に応じて固定位置を調節可能であることを特徴とするも
のである。
【0013】本発明は、放射性廃棄物を複数のバイスに
よって挟持固定するので、放射性廃棄物を保持する点が
増加し安定に固定される。そして、各バイスは、放射性
廃棄物を挟む方向を鋸刃による切断方向にそろえて配置
されている。即ち、放射性廃棄物を切断中の鋸刃が、放
射性廃棄物との間で受ける摩擦により摩耗しにくい構成
となっている。
【0014】加えて、これら複数のバイスの固定位置
は、放射性廃棄物の寸法形状に応じて調節可能である。
よって、特定の形状を持たない放射性廃棄物であって
も、その寸法形状に応じて、複数のバイスのうちの少な
くとも一部の固定位置を調節することによって、安定し
て固定することができる。従って、切断時における振動
や騒音などが発生することはなく、また、鋸刃が破損す
る可能性が減少する。
【0015】本願請求項3に記載の放射性廃棄物切断装
置は、請求項1に記載の放射性廃棄物切断装置におい
て、前記冷却手段は、前記圧縮空気を前記鋸刃に噴射す
るためのノズルを前記鋸刃の両面側近傍に配置してなる
ことを特徴とする。
【0016】よって、鋸刃に対して両面側から冷却用の
圧縮空気を噴射することができる、即ち、鋸刃を一様に
冷却することができるので、鋸刃の冷却箇所の片寄りに
よる熱応力を避けることができる。
【0017】本願請求項4に記載の放射性廃棄物切断装
置では、請求項1又は3に記載の放射性廃棄物切断装置
において、前記冷却手段は、噴射前の前記圧縮空気を予
め除湿する乾燥手段を有することを特徴とするものであ
る。
【0018】よって、圧縮空気中に含まれる水分を予め
除去(除湿)しておいた上で、その乾燥した冷却用の圧
縮空気を鋸刃に噴射することができるので、鋸刃の腐食
を防止することができる。
【0019】本願請求項5に記載の放射性廃棄物切断装
置では、請求項1に記載の放射性廃棄物切断装置におい
て、前記集塵手段は、前記切断手段を覆うカバー部と、
該カバー部内に設けられて前記粉塵を吸引する吸入口
と、該吸入口から吸引された前記粉塵を捕集するフィル
タとを有することを特徴とするものである。
【0020】本発明では、鋸刃による放射性廃棄物の切
断に際して発生する粉塵を捕集する集塵手段が、切断手
段を覆うカバー部を有しているので、粉塵はカバー部に
より制限された空間内に閉じ込められ、カバー部の外へ
飛散することがない。更に、カバー部内には粉塵を吸引
する吸入口が設けられており、吸入口から吸引された粉
塵はフィルタによって捕集される。従って、周辺の空気
中や床面などの作業環境を安全かつ清潔に保つことがで
きる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る放射性廃棄
物切断装置の一つの実施の形態について、図1〜図4を
参照して説明する。図1は本実施の形態を示す放射性廃
棄物切断装置を側面から見たときの概略説明図であり、
テーブル10上には放射性廃棄物を固定するための固定
手段(11〜15)と、固定された放射性廃棄物を切断
する鋸刃を含む切断手段(21〜27)とが設けられて
いる。更に、この放射性廃棄物切断装置には、鋸刃に対
して冷却用の圧縮空気を噴射する冷却手段(31〜3
5)と、鋸刃による放射性廃棄物の切断に際して発生す
る粉塵を捕集する集塵手段(41〜45)とが設けられ
ている。
【0022】図2は、図1に示す放射性廃棄物切断装置
を構成する固定手段(11〜15)を上方から見たとき
の概略説明図である。図3は、放射性廃棄物を固定手段
によって挟持固定する場合の説明図である。図4は、冷
却手段(31〜35)に設けられている、鋸刃に冷却用
の圧縮空気を噴射するノズルの構成に関する概略説明図
である。
【0023】本実施の形態の切断装置では、固定手段と
して油圧式バイスを採用した。油圧式バイス(図1参
照)は、一対の固定部材11、12のうちの一方の固定
部材12が油圧調整弁13を介して油圧ポンプ14に接
続され、油圧調整弁13の調整によりX方向に可動とな
っており、他方の固定部材11はテーブル10に対して
固定されている。従って、可動側の固定部材12に対
し、固定された固定部材11に向かう力を付与すること
により、放射性廃棄物(不図示)を挟持固定することが
できる。なお、固定された固定部材11には、テーブル
10に対する固定部材11の固定位置を例えばX方向に
調節することができる位置調節手段15が配されてい
る。
【0024】本実施の形態の固定手段は、上記構成の油
圧式バイスを2機、それぞれの放射性廃棄物を挟む方向
を鋸刃21による切断方向(X方向とする)に揃え、2
機の油圧式バイスA及びBの間に帯鋸刃切断ラインLが
くるようにしてテーブル10上に設けたものである。よ
って、放射性廃棄物(不図示)は、2機の油圧式バイス
A及びBによって挟持固定され、それらの間の帯鋸刃切
断ラインLに沿って切断されることになる。
【0025】本来ならば、2機の油圧式バイスを用いて
安定に物品を固定するには、X方向に加えてY方向の力
を付加するのが最適である。しかしながら、本実施の形
態の切断装置における切断手段(後述する)のように、
比較的柔軟な帯鋸刃にとっては、Y方向の力による切断
時の物品からのはさみつけによる摩擦に耐えることがで
きない。
【0026】この点を考慮し、本実施の形態では、2機
の油圧式バイスによるX方向の力のみで固定することと
した。このように、固定手段は一方向の力のみで固定す
る構成となっているが、2機の油圧式バイスにより放射
性廃棄物を保持する点を増加させているので、安定性に
問題は生じない。ここで、本実施の形態では、油圧式バ
イスを2機設けたが、本発明によれば、2機以上で構成
してもよいことはいうまでもない。
【0027】また、本実施の形態の固定手段は、図2に
示されているように、2機の油圧式バイスA及びBの可
動側の固定部材12a、12bが、共通の油圧調整弁1
3を介して油圧ポンプ14に共有接続されている。この
ように、油圧ポンプ14および油圧調整弁13を共用す
ることにより、2機の油圧式バイスA及びBが放射性廃
棄物に対して与える圧力を一様にすることができる。
【0028】一方、2機の油圧式バイスA及びBの固定
側の固定部材11a、11bは、各々に接続された位置
調節手段15a、15bによって、テーブル10に対す
る固定位置を例えばX方向に各々調節することが可能で
ある。従って、複雑な形状の放射性廃棄物であっても、
その寸法形状に応じて、固定部材11a及び/又は11
bの固定位置を調節することによって、一対の固定部材
(11aと12a、11bと12b)により挟持固定す
ることができる。
【0029】例えば、図3(a)に示されるように、放
射性廃棄物51が円筒形状をなす場合、固定部材11a
及び11bをX方向にほぼ等しい位置に固定しておけ
ば、鋸刃切断ラインLが円筒の中心軸付近を通るように
放射性廃棄物を挟持固定することができる。また、図3
(b)に示されるように、放射性廃棄物52が複雑形状
をなす場合、その形状に応じて固定部材11a及び11
bの固定位置をX方向に互いにずらしておけば、安定に
挟持固定することができる。
【0030】一方、本実施の形態の切断装置における切
断手段(21〜27)は、図1に示されているように、
放射性廃棄物を切断するための鋸刃として輪状の帯鋸刃
21を用いたものである。この帯鋸刃21は、後述の集
塵手段を構成する防塵用鋸刃カバー41の内部に取りつ
けられた2個のプーリ22、23に巻き掛けられ、2個
のプーリ22、23の間隔の調整により適度な張力が与
えられている。ここで、2個のプーリ22、23が所定
の間隔をあけて配置された方向をX方向、各プーリの回
転軸方向をY方向とする。
【0031】この切断装置では、一方のプーリ23がモ
ータ24により回転駆動されるように構成されている。
上記のように、帯鋸刃21には適度な張力が与えられて
いるので、各プーリと帯鋸刃21との間には適度な摩擦
が生じ、互いに滑ることはない。従って、モータ24の
回転駆動により、帯鋸刃21を空回りすることなく回転
させることができる。ここで、回転する帯鋸刃21は、
XーZ面内にある。
【0032】以上の帯鋸刃21などを覆っている防塵用
鋸刃カバー41は、下方が開口しており、開口縁の一端
部がテーブル10に軸支され、この軸部27を支点とし
て回動自在に設けられている。加えて、防塵用鋸刃カバ
ー41の開口縁の他部位には、テーブル10に固定され
た鋸刃昇降用油圧シリンダ25内部で上下運動するピス
トン28の上部が連結されている。
【0033】従って、油圧ポンプ(不図示)などの制御
によりピストン28を上下させることにより、防塵用鋸
刃カバー41を軸部27のまわりに所定角度範囲で回動
させることができる。このとき同時に、防塵用鋸刃カバ
ー41内部に設けられている帯鋸刃21は、テーブル1
0に対して上下に昇降運動することとなる。
【0034】本実施の形態の切断装置は、鋸刃昇降用油
圧シリンダ25により帯鋸刃21をテーブル10に向か
って降下させたとき、図2に示されるように、帯鋸刃2
1が油圧式バイスAとBとの間に位置するように構成さ
れている。よって、帯鋸刃21を降下させた状態でモー
タ24を回転させれば、テーブル10上に固定された放
射性廃棄物(不図示)を帯鋸刃切断ラインLで切断する
ことができる。
【0035】ここで、防塵用鋸刃カバー41の側部は部
分的に欠けた構成となっており、防塵用鋸刃カバー4
1、即ち、帯鋸刃21を降下させて、放射性廃棄物(不
図示)を切断する際に、防塵用鋸刃カバ41ーが放射性
廃棄物にぶつからないように考慮されている。
【0036】また、本実施の形態の切断装置における冷
却手段(31〜35)は、図1に示されているように、
帯鋸刃21近傍にその先端部が位置するように配された
圧縮空気配管31の他方の端部にコンプレッサー35を
設け、コンプレッサー35で圧縮されて送出される空気
を、エアドライヤー34とゴミ除去フィルター33とク
ーラー32とを介した後に、圧縮空気配管31の先端部
に設けられたノズル(構造の詳細は後述する)から帯鋸
刃21に対して噴射するものである。
【0037】即ち、帯鋸刃21に対して噴射される冷却
用の圧縮空気は、エアドライヤー34を介すことにより
水分が除去(除湿)され、ゴミ除去フィルター33を介
することによりゴミが除去されたものである。
【0038】このように、冷却用の圧縮空気はエアドラ
イヤー34によって除湿(乾燥)されているので、帯鋸
刃21が腐食することは防止されている。また、冷却用
の圧縮空気はゴミ除去用フィルター33によってゴミ除
去されているので、ゴミなどがクーラー32の細い配管
やノズル(不図示)などを詰まらせることは防止されて
いる。
【0039】なお、ゴミ除去フィルター33、エアドラ
イヤー34およびコンプレッサー35は、切断装置が設
置された放射線管理区域Rの外である周辺監視区域Sに
設置されている。よって、エアドライヤー34から発生
する凝縮水や、使用済みのゴミ除去フィルタ33は、非
放射性の2次廃棄物とすることができる。よって、放射
性の2次廃棄物の発生を極力減らすことに寄与する。
【0040】ここで、図4を参照し、圧縮空気配管31
の先端部の構造について説明する。本実施の形態では、
図4に示されるように、圧縮空気配管31の先端部が二
股に分岐した形状に成形されており、これら分岐した配
管が対抗する内側部分に各々4個づつノズル31aが設
けられている。
【0041】そして、圧縮空気配管31は、先端の2つ
に分岐した部分によって帯鋸刃21を挟むように配され
る。よって、冷却用の圧縮空気を帯鋸刃21に噴射する
ためのノズル31aは、帯鋸刃21の両面側近傍に配置
されることとなる。従って、冷却用の圧縮空気は帯鋸刃
21の両面側から噴射されることとなるため、帯鋸刃2
1を一様に冷却することができ、帯鋸刃21の冷却箇所
の片寄りに起因して生じる熱応力を避けることができ
る。
【0042】なお、帯鋸刃21に対する冷却は、帯鋸刃
21による放射性廃棄物50の切断直後に行われること
が望ましいため、図4に示されているように、テーブル
10上において一対の固定部材11、12の間で挟持固
定されている放射性廃棄物50に対し、帯鋸刃21の進
行方向前方にノズル31aを配置する。
【0043】また更に、本実施の形態の切断装置におけ
る集塵手段(41〜45)は、帯鋸刃21による放射性
廃棄物の切断に際して発生する粉塵を捕集する手段であ
り、図1に示されているように、帯鋸刃21を含む前記
切断手段のほぼ全体を覆う防塵用鋸刃カバー41を有し
ている。
【0044】この防塵用鋸刃カバー41は、前述のよう
に、油圧ポンプの駆動によって軸部27を回動中心とし
て回動しうる構成となっているので、放射性廃棄物の切
断の際には、テーブル10の上面にかぶさる状態とする
ことができる。よって、放射性廃棄物の切断に際して発
生する粉塵は、防塵用鋸刃カバー41により制限された
空間内に閉じ込められ、防塵用鋸刃カバー41の外の周
辺の床や空気中へ飛散することが防止される。
【0045】更に、本実施の形態の装置の集塵手段で
は、放射性廃棄物の切断に際して発生し防塵用鋸刃カバ
ー41内で舞う粉塵を吸引するために、排気系(ブロワ
ー)45に接続された吸入口を防塵用鋸刃カバー41内
の2箇所に設け、これら2箇所の吸引口42、43から
吸引された粉塵をHEPA(high efficiency particula
te air) フィルター44によって回収する構成とした。
【0046】吸入口43は防塵用鋸カバー41内部にお
いて帯鋸刃21による切断方向前方の所定箇所、吸入口
42は帯鋸刃21と放射性廃棄物が接触する部分の近傍
箇所に配置されている。HEPAフィルター44は、放
射性物質取り扱い施設で通常用いられる高性能フィルタ
ーの一種であり、99.7%以上の捕集効率を有してい
る。ブロワー45は、その風量が吸入口で1m/s以上
の能力を有する仕様のものを用いた。
【0047】放射性廃棄物の切断に際して発生する粉塵
は、放射性物質を含んだ切り屑であり、上記集塵手段
で、このような粉塵を回収することができるので、周囲
の空気中や床面などの汚染を防止し、作業環境を安全且
つ清潔に保つことができる。
【0048】以上説明した本実施の形態の切断装置を用
いて、実際に放射性廃棄物を切断する際には、放射性廃
棄物をテーブル10上に載置して、2機の油圧式バイス
A及びBによって挟持固定する。そして、モータ24の
駆動により帯鋸刃21を回転させると共に、油圧の駆動
により防塵用カバー41を降下させる。また同時に、コ
ンプレッサー35などを作動させて帯鋸刃21に対して
冷却用の圧縮空気を噴射すると共に、排気系45などを
作動させて粉塵を吸引しながら、テーブル10上に固定
されている放射性廃棄物の切断が行なわれる。
【0049】上記本実施の形態の切断装置によれば、従
来装置のように切削油を用いることなく切断時の鋸刃を
冷却することができる。よって、放射性廃棄物を切断す
る際に切り屑と共に発生する放射性物質が切削油に混入
することがなく、処理・処分の困難な2次廃棄物が多量
に発生するという問題が解消する。更に、2次廃棄物に
係る保管管理の必要がなくなる。また、切削油が周辺に
飛散することもないので作業スペースが清潔に保たれ
る。
【0050】更にまた、放射性廃棄物の切断に際して発
生する切り屑を集塵手段により回収しているので、切り
屑およびそれに混入している放射性物質が周辺の空気中
や床面などに飛散することはなく、作業環境を清潔かつ
安全に保つことができる。
【0051】また、放射性廃棄物がどんな形状寸法のも
のであっても安定して固定させることができるので、切
断時における振動や騒音などが発生することはなく、鋸
刃が破損する可能性が減少する。
【0052】従って、本実施の形態の切断装置によれ
ば、従来の問題の発生なくして効率的かつ安全に、いか
なる形状の放射性廃棄物であっても必要な方向および寸
法に切断することができる。
【0053】核燃料施設などから発生する放射性廃棄物
は、現在のところ、ドラム缶詰めにした後、保管管理さ
れている。近年、ブラスト法や超音波洗浄法などを用い
た放射性廃棄物の除染処理が検討されており、本発明の
切断装置を用いれば、放射性廃棄物を各々の除染方法に
適した寸法に切断することができるので、放射性廃棄物
の全表面に対して除染処理を施すことが可能となる。よ
って、除染処理を施した後の放射性廃棄物をドラム缶詰
めにして保管管理することが可能となる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の放射性廃
棄物切断装置は、切断作業に伴い発生する2次廃棄物を
最小限に抑えることができるものである。また、本発明
の放射性廃棄物切断装置は、作業環境を安全かつ清潔に
保つことができるものである。更に、本発明の放射性廃
棄物切断装置は、如何なる形状の放射性廃棄物に対して
も安定に固定し、効率的かつ安全に切断することができ
るものである。また、本発明の放射性廃棄物切断装置
は、鋸刃の耐性を考慮したものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による放射性廃棄物切断
装置を側面から見た時の概略説明図である。
【図2】図1に示す放射性廃棄物切断装置を構成する固
定手段を上方から見た時の概略説明図である。
【図3】(a)は、図2に示す固定手段によって円筒形
状の放射性廃棄物を挟持固定する場合の説明図、(b)
は、図2に示す固定手段によって複雑形状の放射性廃棄
物を挟持固定する場合の説明図である。
【図4】図1に示す放射性廃棄物切断装置を構成する冷
却手段に設けられているノズルの構成に関する概略説明
図である。
【図5】従来装置における固定手段の説明図である。
【符号の説明】
10:テーブル、11、12:固定部材、13:油圧調
整弁、14:油圧ポンプ、15:位置調整手段 21:帯鋸刃、22、23:プーリー、24:モータ
ー、25:鋸刃昇降用油圧シリンダ、27:軸部、2
8:ピストン 31:圧縮空気配管、31a:ノズル、32:クーラ
ー、33:ゴミ除去フィルター、34:エアドライヤ
ー、35:コンプレッサー 41:防塵用鋸刃カバー、42、43:吸入口、44:
HEPAフィルター、45:ブロワ 50、51、52、53:放射性廃棄物 A、B:油圧式バイス、L:鋸刃切断ライン

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射性廃棄物を固定する固定手段と、 固定された放射性廃棄物を切断する鋸刃を含む切断手段
    と、 該鋸刃に対して冷却用の圧縮空気を噴射する冷却手段
    と、 前記鋸刃による放射性廃棄物の切断に際して発生する粉
    塵を捕集する集塵手段とを備えたことを特徴とする放射
    性廃棄物切断装置。
  2. 【請求項2】 前記固定手段は、一対の固定部材により
    放射性廃棄物を挟持固定するバイスを複数有し、 各々の前記バイスは、放射性廃棄物を挟む方向を前記鋸
    刃による切断方向にそろえて配置されると共に、放射性
    廃棄物の寸法形状に応じて固定位置を調節可能であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の放射性廃棄物切断装
    置。
  3. 【請求項3】 前記冷却手段は、前記圧縮空気を前記鋸
    刃に噴射するためのノズルを前記鋸刃の両面側近傍に配
    置してなることを特徴とする請求項1に記載の放射性廃
    棄物切断装置。
  4. 【請求項4】 前記冷却手段は、噴射前の前記圧縮空気
    を予め除湿する乾燥手段を有することを特徴とする請求
    項1又は3に記載の放射性廃棄物切断装置。
  5. 【請求項5】 前記集塵手段は、前記切断手段を覆うカ
    バー部と、 該カバー部内に設けられて前記粉塵を吸引する吸入口
    と、 該吸入口から吸引された前記粉塵を捕集するフィルタと
    を有することを特徴とする請求項1に記載の放射性廃棄
    物切断装置。
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