JPH09136187A - 肉盛溶接用合金、及びこれを用いた溶接方法 - Google Patents

肉盛溶接用合金、及びこれを用いた溶接方法

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JPH09136187A
JPH09136187A JP8232705A JP23270596A JPH09136187A JP H09136187 A JPH09136187 A JP H09136187A JP 8232705 A JP8232705 A JP 8232705A JP 23270596 A JP23270596 A JP 23270596A JP H09136187 A JPH09136187 A JP H09136187A
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Katsuhiko Kishitake
勝彦 岸武
Koji Matsumoto
弘司 松本
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NIKKO YOUZAI KOGYO KK
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KUYOU GIKEN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 黒鉛組織を有し、耐焼付き性の高い肉盛金属
層を基材上に形成する。 【解決手段】 鉄をベース金属とし、4〜6%炭素、1
〜5%珪素、および不可避不純物を含む肉盛溶接用合
金。これを、肉盛溶接法により基材1上に肉盛し、肉盛
部2に黒鉛を形成し得る肉盛溶接方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は肉盛溶接用合金、及
びこれを用いた溶接方法に関し、詳しくは、黒鉛組織を
有する肉盛金属層を形成し得る肉盛溶接用合金、及びこ
れを用いた溶接方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱間における鋼材の耐焼付き性を改善す
る方法としては、片状黒鉛鋳鉄などの、黒鉛組織を有し
耐焼付き性の高い鋳鉄層を機能部材として鋼材の表面に
設ける方法が考えられる。しかしながら、そのような鋳
鉄層からなる機能部材を鋼材上に設ける方法としては、
従来、片状黒鉛鋳鉄などの鋳鉄塊を適当な形状寸法を持
った機能部材として予め成形して、この機能部材を焼き
嵌め、ボルト締め等の固定手段に頼って鋼材上に固着す
る方法が実施されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来方法
では、基材としての鋼材と機能部材としての鋳鉄塊との
双方に凹部や貫通孔などといった固定のための係合手段
を設ける必要がある、機能部材としての鋳鉄塊自身に構
造的な強度を持たせるために機能部材に必要以上の寸法
を持たせる必要があり、鋼材並びに機能部材の設計上、
不都合な制約となり改善の余地があった。
【0004】さらに、上記のような従来方法では、機能
部材としての鋳鉄塊は、鋳鉄同士間では信頼性の高い接
合が困難であるという性質上、鋳鉄塊が或る程度磨滅し
た段階で同じ鋳鉄を継ぎ足すことは難しい。したがっ
て、その全体が使用によって磨滅する以前に、例えば鋳
鉄塊の基部などに設けられた係合手段に磨滅領域が到達
すると、基部を含めて全体を新たな機能部材に取り替え
る必要があり、省資源の意味でも改善の余地があった。
【0005】ここで、上記の従来方法の有する欠点を解
決する方法として、炭素を十分に含む肉盛溶接用粉末を
プラズマ粉体肉盛溶接法によって鋼材上などに肉盛溶接
し、この肉盛溶接によって得られた溶接層を耐焼付き性
のある機能部材として使用する方法が考えられる。しか
し、肉盛溶接部は急冷凝固されるため、単に通常のプラ
ズマ粉体肉盛溶接用の溶接粉末の組成を、多量の炭素を
含んだ組成に変更した方法では、肉盛溶接部分が白銑組
織となり、十分に炭素成分が黒鉛として晶出せず、その
結果、耐焼付き性の高い肉盛金属層が得られない。即
ち、単に炭素成分を高めたプラズマ粉体肉盛溶接用粉末
を溶接した場合の金属組織(炭素4%を含む。本明細書
における%は、すべて重量%を表す)を図3に示すが、
ここに見られるのはオーステナイト組織とレーデブライ
ト組織であり、黒鉛の晶出は認められない。図6に示す
組織では、単に炭素成分を高めたプラズマ粉体肉盛溶接
用粉末を溶接しても、黒鉛の晶出した肉盛金属層を得る
ことは困難であることを示している。
【0006】本発明の課題は、上記従来技術の欠点に鑑
み、鋼材の耐焼け付き性を改善する方法として、基材側
や機能部材側に相互係合手段を別途設ける必要がなく、
機能部材に必要以上の寸法を持たせる必要もなく、機能
部材が或る程度磨滅した段階で同じ材質の部材を継ぎ足
し補修することが可能な省資源の意味でも有効である、
耐焼付き性の高い肉盛金属層を、鋼材上であっても形成
可能な肉盛溶接用合金、及びこれを用いた肉盛溶接方法
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、請求項に
記載されている発明により達成される。即ち、本発明に
かかる肉盛溶接用合金の特徴構成は、鉄をベース金属と
し、4〜6%炭素、1〜5%珪素、および不可避不純物
を含む点にある。合金中に含まれる炭素が4%未満であ
ると、肉盛凝固時の急冷により、十分な黒鉛を晶出する
ことができず、耐焼付き性に優れた肉盛を形成すること
ができない。炭素が6%より多いと、融点がかなり高く
なるため肉盛溶接するための溶材を製造する際、炭素を
溶材内部に確実に含有させることが難しくなる。つま
り、溶材表面に未溶解炭素が偏在し易くなるため、炭素
を多く含ませるための実質的な効果が発揮し得なくな
る。珪素は、肉盛部が急冷されるにも拘らず、炭素を有
効に晶出させるために必要な元素であるが、珪素が1%
未満ではその効果を発揮し得ず、珪素が5%を越える
と、珪素が鋳造流動性を高める作用を有するので、好ま
しい肉盛が形成され難い。もっとも、炭素を溶材に十分
溶解させる方法が開発されれば、これを溶材中に多く含
ませることは、耐焼付き性に優れた肉盛を形成する点で
好ましい。前記炭素が4〜5%であり、前記珪素が1〜
3%であると一層好ましい。この場合、肉盛溶接するた
めの溶材を製造する際に、炭素を溶材内部に確実に含有
することができると共に、湯の流動性が適度に調節さ
れ、有効に効果を発揮し得る。
【0008】さらに、請求項1記載の合金に、0.5〜
10%クロム、0.5〜5%モリブデン、0.5〜3%
銅、0.5〜6%ニッケル、0.5〜5%マンガンの1
種又は2種以上が添加されていると、一層好ましい。上
記範囲のクロム、モリブデンの添加は、肉盛部分の硬度
を一層高くすることができる。上記範囲の銅の添加は黒
鉛の晶出を一層促進させ、上記範囲のニッケルの添加は
肉盛部分の耐食性を向上させ、又、上記範囲のマンガン
の添加はマトリクス組織のフェライト化を抑制してパー
ライト化を促進する効果があり、マトリクスを安定化さ
せると共に、強度、耐摩耗性の改善し得る。
【0009】肉盛溶接がプラズマ肉盛溶接であり、合金
が粉末状であると、溶材をワイヤやロッド状に成形し難
い場合にも高能率の肉盛作業を実現して都合がよい。も
っとも、肉盛溶接用合金がワイヤ形状になっていてもよ
い。この場合には、MAG溶接や炭酸ガスアーク溶接な
どの汎用の溶接方法が採用でき、プラズマ肉盛溶接に比
べて設備コストを軽減できると共に、高い溶着効率を利
用して溶接時間を短縮できるなど、溶接作業性を一層高
めることができて都合がよい。
【0010】又、本発明にかかる肉盛溶接方法の特徴構
成は、鉄をベース金属とし、4〜6%炭素、1〜5%珪
素、および不可避不純物を含む肉盛溶接用合金を、肉盛
溶接法により基材上に肉盛し、肉盛部に黒鉛を形成し得
る点にある。このような方法であると、肉盛部に効果的
に黒鉛を形成し得て、耐焼付き性に優れた肉盛を形成す
ることができる。肉盛溶接用合金を粉末状とし、肉盛溶
接法をプラズマ粉体肉盛溶接法であることが好ましい。
その結果、少なくとも溶接粉末中の炭素成分の相当量
が、溶接から冷却の途中段階で炭化物(セメンタイト)
として晶出することなく、黒鉛として晶出し、したがっ
て、耐焼付き性の高い溶接金属層が得られた。これによ
って、溶接という簡便な手法によって鋼材の耐焼付き性
を改善する方法を提供することが可能となった。又、肉
盛溶接用合金をワイヤ状としてもよい。この場合、肉盛
溶接法としては、設備コストの低いMAG溶接など汎用
の各種溶接方法を用いることができて、溶接コストを低
減できる。したがって、鋼材などの基材の耐焼付き性を
改善する方法として、基材側や機能部材側に相互係合手
段を別途設ける必要がなく、機能部材に必要以上の寸法
を持たせる必要のない画期的な方法を、また、機能部材
が或る程度磨滅した段階で同じ材質の部材を継ぎ足し補
修することが可能な、省資源の意味でも有効な方法を提
供することができた。
【0011】前記基材は鋼材であることが好ましい。鋼
材としての優れた性質を維持したまま、表面のみを耐焼
付き性に優れた改善を施すことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】図2に、本実施形態にかかる肉盛
用合金につき、粉体を製造し、これをプラズマ粉体肉盛
溶接用粉末として用いて実際に肉盛溶接したときの組織
を示すが、大きな黒鉛の片状結晶が多数認められる。つ
まり、図2は、特定量の炭素と特定量の珪素を併用した
本実施形態による合金をプラズマ粉体肉盛溶接用粉末に
使用した方法では、溶接という急冷条件でも黒鉛が晶出
することを示す。ところで、炭素と珪素は鉄−炭素系平
衡状態図において、黒鉛を晶出する安定系凝固を促進す
る元素であり、プラズマ粉体肉盛溶接用粉末の成分とし
て特定量以上の炭素と珪素を含ませることにより、溶接
時における黒鉛の晶出を促進することに、特に寄与し得
るという機構が考えられる。
【0013】〔別実施形態〕本発明による肉盛溶接用合
金の組成は、本発明の課題である、肉盛金属層中に黒鉛
を晶出させることによって耐焼付き性を高めるという点
では、請求項1に特に示されたものが好ましい範囲であ
るが、請求項1に示された成分、即ち炭素と珪素の他
に、0.5〜10%の範囲でクロムを添加してもよい。
これによって、黒鉛を晶出させたまま部分的にレーデブ
ライト組織を晶出させて、肉盛金属層2の硬度を向上さ
せることができるので、より高い表面硬度を必要とする
肉盛を形成する場合に都合がよい。クロムが0.5%未
満では硬度の向上に効果が少なく、10%を越えると炭
化物を多く形成するので、黒鉛の晶出に支障をきたして
好ましくない。
【0014】更に、0.5〜5%の範囲でモリブデンを
添加することも可能である。これによって、マトリクス
がマルテンサイト化し、やはり黒鉛を晶出させたまま肉
盛金属層の硬度を向上させることが可能である。モリブ
デンが0.5%未満では硬度の向上に効果が少なく、5
%を越えると炭化物を形成し易くなるので、黒鉛の晶出
に支障をきたして好ましくない。クロムとモリブデンと
を併用することは、より高い硬度増大効果が得られて好
ましい。
【0015】更に又、0.5〜3%の範囲で銅を添加す
ることも可能である。これによって、黒鉛の晶出を更に
促進させることが可能である。更に、炭素と珪素の他
に、0.5〜6%の範囲でニッケルを添加することも可
能であり、これによって、黒鉛を晶出させたまま肉盛金
属層の耐食性を向上させることができる。ニッケルにつ
いては、炭化物を生成し難いので、その意味での使用量
の上限はないと言えるが、6%を越えると溶材中に均一
に含有させることが難しくなる。クロム、モリブデン、
銅、ニッケルを種々組み合わせて添加しても、夫々の元
素の有する特異的な利点を発揮できて好ましい。
【0016】更に又、0.5〜5%の範囲でマンガンを
添加してもよい。マンガンの添加によって、マトリクス
組織のフェライト化を抑制してパーライト化を促進する
効果があり、マトリクスを安定化させる(溶接時におい
てもマトリクスのパーライト組織が維持される)と共
に、強度、耐摩耗性を向上させる利点を有する。この場
合、マンガンの添加が0.5%未満では効果が少なく、
5%を越えると、レーデブライト組織(遊離黒鉛が出に
くい)が生成し易くなって好ましくない。上記の添加元
素、クロム、モリブデン、銅、ニッケル、マンガンの1
種のみならず、2種以上を適宜複合的に添加してもよ
い。各元素特有の効果を発揮し得て好ましい。
【0017】更に又、炭化珪素(SiC)を添加しても
よい。その添加量については、炭素および珪素を請求項
1に記載されている範囲になるように、配合量を決めれ
ばよい。この炭化珪素の添加は、特に片状黒鉛を晶出し
易くし、溶接条件の変動に対しても、安定して晶出黒鉛
を維持して好ましい。炭化珪素に代えて、あるいは共
に、ニッケルグラファイト複合粉を添加してもよい。そ
の添加量は、請求項1又は2に記載した範囲になるよう
に配合すればよい。ニッケルグラファイト複合粉単独、
あるいは炭化珪素との併用添加によっても、安定した黒
鉛を晶出・維持できる。
【0018】
【実施例】
〔実施例1〕図1は、本実施例によるプラズマ粉体肉盛
溶接用粉末を使って成形したピンチローラを示す。この
ピンチローラは、外径が、最大部、即ち両端において4
50mm、中央の凹部において300mm、また幅が4
50mmのプーリ状の形状寸法を備えており、高温のビ
レットを両側から挟み付けながら搬送することによって
前記ビレットを曲げ加工するための製鋼用設備である。
ピンチローラは、約800℃の高温下にあるビレットに
強い圧力を加えることによってビレットを変形させるの
で、使用にしたがってビレットとピンチローラの間に焼
付きが生じる現象が見られる。この焼付きによって、ピ
ンチローラの稼動面に酸化鉄の皮膜が何層にも形成され
てピンチローラの稼動面の形状に使用に耐えないほどの
変化が生じたり、これらの皮膜と共にピンチローラの組
織が欠損したりし易い。上記の焼付き現象のため、高ク
ロム鋳鋼からなる従来品のピンチローラ(一体成形品)
の平均的な耐用成績は約1カ月と短い。
【0019】本実施例のピンチローラでは、鋼材からな
る基材1に対して本実施例による溶接用粉末を使ったプ
ラズマ粉体肉盛溶接によって肉盛金属層2を形成するこ
とによって構成されている。肉盛金属層2は、1回の溶
接によって形成されるビード21を繰り返し積み重ねて
できた多層(21,21・・)からなる。本実施例で使
用された溶接用粉末は、鉄、5%炭素、3%珪素、1%
銅を含み、溶接条件は、電流値が100A、電圧値が3
1V、粉末供給速度は1kg/hであった。また、形成
された各ビード21のピンチローラの径方向での積層数
は、ピンチローラの中央の凹部において3層、稼動面の
両端において5層であった。肉盛金属層2の金属組織を
図2(ロ)に示す。
【0020】本実施例による溶接用粉末を使ったプラズ
マ粉体肉盛溶接によって稼動面の機能部材を形成された
ピンチローラは、実機での使用テストの結果、3カ月の
耐用を示した。これは、同設備で従来品として使われた
高クロム鋳鋼品の示した約1カ月に比較して非常に高い
耐用成績であり、本実施例による溶接用粉末を使ったプ
ラズマ粉体肉盛溶接によって形成された機能部材、すな
わち肉盛金属層2がその組織に晶出させた黒鉛によって
高い耐焼付き性を備えていることを示している。尚、炭
素を4%及び6%とし、他の成分、肉盛条件を同一とし
て場合の金属組織を夫々図2(イ)及び(ハ)に示す。
いずれも黒鉛が晶出していることが伺える。
【0021】〔実施例2〕実施例1と同様なピンチロー
ラに、鉄、5%炭素、3%珪素、1%銅、0.7%マン
ガンを含む組成の溶接用粉末を用いてプラズマ粉体肉盛
溶接を行った。溶接条件その他は、実施例1と同様とし
た。この場合の肉盛溶接層の金属組織を、図3に示す。
図3より、粗大な黒鉛の晶出とともに、マトリクスにパ
ーライト組織が顕著に生成していることが伺える。
【0022】〔実施例3〕実施例1と同様なピンチロー
ラに、鉄、4.7%炭素、2.3%珪素、1%銅を含む
組成のベース粉末と、62.2%炭素−31.1%珪素
を含む炭化珪素粉末とを94対6の割合で配合した溶接
用粉末を用いて、プラズマ粉体肉盛溶接を行った。溶接
時に約20%希釈されるので、実際の炭素量は約5%で
あった。尚、溶接条件その他は、実施例1と同様とし
た。この場合の肉盛溶接層の金属組織を、図4に示す。
図4においても、粗大な黒鉛の晶出とともに、マトリク
スにパーライト組織が顕著に生成していることが伺え
る。
【0023】〔実施例4〕実施例3と同様なベース粉末
と75%ニッケル−25%炭素を含む炭化ニッケル粉末
とを8対92の割合で配合した溶接用粉末を用いて、実
施例1と同様な溶接条件でプラズマ粉体肉盛溶接を行っ
た。この場合も、実施例3と同様に実際の炭素量は約5
%であり、図示は省略するが、肉盛部分には粗大な黒鉛
の晶出相が見られた。
【0024】〔実施例5〕0.5mm厚、10mm幅の
冷間圧延鋼帯(JIS SPCC)を外皮とし、炭素、
珪素、クロム、モリブデン、銅を有する粉末をフラック
スとして内側に含む2mm径のワイヤを、冷間ロール成
形法により製造した。このワイヤの組成は、5%炭素−
3%珪素−2.5%クロム−3%モリブデン−1%銅、
残り鉄であった。かかるワイヤを、MAG溶接(アルゴ
ン−20%炭酸ガス)により鋼材に肉盛溶接を行った。
肉盛溶接部分の金属組織を図5に示す。同図からもわか
るように、粗大な黒鉛が晶出している。
【0025】〔その他の実施例〕 本発明による方法
は、上記実施例に示したピンチローラの他に、耐磨耗性
と耐焼付き性の要求される、以下の設備に各々適用可能
である。即ち、特にH型鋼用のホットランテーブルロー
ラの稼動面に対して、従来のSC46CFの代わりに、
シームレスパイプの圧延に使われるガイドシューの稼動
面として、従来のダクタイル鋳鉄の代わりに、粗圧延後
の鋼材を搬送するサイドガイド、又はサイドローラの稼
動面として、従来のダクタイル鋳鉄やSS材の代わり
に、ベルトコンベアーのスケール落とし用スクラバーの
稼動面として、従来の普通鋳鋼や鋳鉄の代わりに、さら
に線材圧延用のカリバーロールの稼動面として、従来の
鋳鉄(チルドロール)の代わりに適用可能である。以上
挙げた例の他にも、ステンレス鋼の製鋼設備における耐
磨耗性、耐焼付き性の要求される各種の設備において適
用可能である。
【0026】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構造に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によって形成された稼動面を備えたピン
チローラ
【図2】実施例1による肉盛金属層の金属組織写真
【図3】実施例2による肉盛金属層の金属組織写真
【図4】実施例3による肉盛金属層の金属組織写真
【図5】実施例5による肉盛金属層の金属組織写真
【図6】従来の溶接粉末による肉盛金属層の金属組織写
【符号の説明】
1 基材 2 肉盛部
【手続補正書】
【提出日】平成8年9月3日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図5
【補正方法】変更
【補正内容】
【図5】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正内容】
【図6】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/58 C22C 38/58 C23C 4/06 C23C 4/06 6/00 6/00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄をベース金属とし、4〜6%炭素、1
    〜5%珪素、および不可避不純物を含む肉盛溶接用合
    金。
  2. 【請求項2】 0.5〜10%クロム、0.5〜5%モ
    リブデン、0.5〜3%銅、0.5〜6%ニッケル、
    0.5〜5%マンガンの1種又は2種以上が添加されて
    いる請求項1記載の肉盛溶接用合金。
  3. 【請求項3】 肉盛溶接がプラズマ肉盛溶接であり、合
    金が粉末状である請求項1または2記載の肉盛溶接用合
    金。
  4. 【請求項4】 ワイヤ形状になっている請求項1または
    2記載の肉盛溶接用合金。
  5. 【請求項5】 鉄をベース金属とし、4〜6%炭素、1
    〜5%珪素、および不可避不純物を含む肉盛溶接用合金
    を、肉盛溶接法により基材(1)上に肉盛し、肉盛部
    (2)に黒鉛を形成し得る肉盛溶接方法。
  6. 【請求項6】 前記基材(1)が鋼材である請求項5記
    載の肉盛溶接方法。
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