JP3896478B2 - 耐食性、耐摩耗性および耐焼付き性に優れた肉盛り用材料及び複合工具 - Google Patents

耐食性、耐摩耗性および耐焼付き性に優れた肉盛り用材料及び複合工具 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製鉄分野の圧延プロセスなどで用いられる耐食性、耐磨耗性および耐焼付き性に優れたプラズマ肉盛溶接用材料およびこれを用いて表層部をプラズマ肉盛溶接処理したロールやローラをはじめとする、複合工具に係わるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、製鉄分野で使用される高耐摩耗性ロール、ローラー等では、SKD6,12等の熱間、冷間工具鋼、焼入れハイス鋼或いは溶接ハイス鋼、ステンレス鋼、耐熱合金鋼等で製造されている場合が多い。この場合、SKD鋼では炭素量、Cr量の増加によって耐摩耗性は大になるが炭化物組成がCr炭化物であるため硬さに限界があり耐摩耗性を大幅に向上させる事は困難であった。一方、ハイス鋼においてはV,Mo,W等による高硬度炭化物を含有するため耐摩耗性は大幅に向上する。また、SKD、ハイス鋼等は多量の炭化物を含有する傍ら、基地組織はマルテンサイトを主体にしているため耐焼付き性は比較的良好である反面、冷却水、水蒸気および洗浄水などの腐食性雰囲気に伴う腐食摩耗、また通板材からの伝熱による温度上昇に伴う酸化摩耗等の耐食性が考慮されておらず本来の耐摩耗性を十分に享受できない。
また、耐食性を主眼に置いた場合従来のステンレス鋼、耐熱合金鋼があるが、ステンレス鋼、耐熱合金鋼では基地をオーステナイトやマルテンサイトにするための合金設計上、多量の炭化物を含有させる事が不可能であるため、機械的な耐摩耗性およびCr量に起因する焼付き等の問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたもので耐食性を大幅に向上させるとともに、耐磨耗性および耐焼付き性に優れたプラズマ肉盛溶接用材料およびこれを用いて表層部をプラズマ肉盛溶接処理した複合工具を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するものであり、その発明の要旨とするところは、
(1) 質量%で、C:1.0〜4.5%、Si:0.5%以下、Mn:1.0%以下、Cr:15.0〜30.0%、Co:1.0〜20.0%、V:5.0〜25.0%、MoおよびWのうちの1種または2種を1.0%≦2Mo+W≦14.5%を含有し、さらに、質量%で、 T i:0.01〜0.1%含有して、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする記載の耐食性、耐磨耗性および耐焼付け性に優れたプラズマ肉盛溶接用材料。
(2) 質量%で、C:1.0〜4.5%、Si:0.5%以下、Mn:1.0%以下、Cr:15.0〜30.0%、Co:1.0〜20.0%、V:5.0〜25.0%、MoおよびWのうちの1種または2種を1.0%≦2Mo+W≦14.5%を含有し、さらに、質量%で、 T i:0.01〜0.1%、Al:0.2%以下、およびランタノイド系元素のうちの1種または2種以上を0.3%以下含有して、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とする耐食性、耐磨耗性および耐焼付け性に優れたプラズマ肉盛溶接用材料。
(3) さらに、質量%で、Ni:1.0〜10.0%を含有することを特徴とする上記(1)から(2)の何れかに記載の耐食性、耐磨耗性および耐焼付け性に優れたプラズマ肉盛溶接用材料。
(4) 上記(1)から(3)の何れかに記載の溶接用材料を用いて、表層表面から0.5mm以上の範囲が肉盛処理された溶接金属中のMC炭化物の円相当粒径が1〜150μmで、かつMC炭化物の面積率が10〜70%であることを特徴とするプラズマ肉盛溶接処理された耐食性、耐磨耗性および耐焼付け性に優れた複合工具。
【0005】
【発明の実施の形態】
発明者らは、製鉄分野の圧延プロセスなどで用いられ、耐食性、耐摩耗性および耐焼付き性が要求されるロールやローラ等の複合工具の耐食性および耐摩耗性の向上を目的とし、従来材の耐食性および悪化の原因を組織上から解析した結果、腐食環境下では基地の腐食、通板材からの伝熱による基地の優先酸化により耐食性が低下すること、次いで組織中のMC型炭化物が欠落するために耐摩耗性も低下することを見出した。
発明者らはかかる問題を解決すべく検討を重ね、複合工具の少なくとも表層部の基地を(固溶状態で)CrおよびCoリッチとし、主にVC炭化物などのMC型炭化物の面積率を増加させ、またMC型炭化物を多量に微細晶出させることにより、耐食性を大幅に改善できるとともに、耐摩耗性、耐焼付き性の劣化を防止できることを明らかにした。
【0006】
また、このような複合工具の少なくとも表層部の基地をCr、Coリッチとし、主にVC炭化物などのMC型炭化物、Cr炭化物、さらにはMoCまたはWCなどのMC型炭化物またはMC炭化物またはMo、WおよびCrからなる複炭化物を含む鉄基合金とするためには、Cr、Co、VおよびCを含む鉄基合金を溶解後冷却して炭化物を晶出させた後、粉砕するか、あるいはCr、Co、VおよびCを含む溶湯をアトマイズして得られた粉末を例えば溶接材料または溶射材料として、少なくとも工具の表層部を溶接あるいは溶射による肉盛処理をして得られる。
【0007】
以下に本発明の肉盛り用材料の元素およびその限定理由を示す。なお、以下に示す%は特段の説明がない限りは、質量%を示すものとする。C含有量を1.0〜4.5%と限定した理由は、その下限値未満では硬質炭化物の晶出が少なく、耐摩耗性、耐焼付き性を確保することが出来ない。一方、上限値を越えると後述するCr炭化物が基地中の結晶粒界に形成しやすくなり溶接性が劣化するとともに、基地中の固溶状態のCr量が少なくなり、十分な耐食性が望めなくなる。Cr含有量を15.0〜30.0%と限定した理由は、その下限値未満でもある程度の耐食性は得られるものの、苛酷な腐食環境下では、その耐食性が十分に発揮されない。一方、Cr含有量が多いほど耐食性は向上するものの、その含有量が30.0%を越えると基地中の固溶Crにより耐焼付き性が著しく低下するため好ましくないからである。Coは耐熱性、基地硬さを向上する作用を有する元素であり、その含有量を1.0%以上と限定した理由は、その下限値未満では基地硬さを向上させるに十分でないためである。一方、含有量の上限は、耐熱性、基地硬さの向上効果を得るためには特に規定する必要はないが、素材コストが非常に高くなるため経済性の理由から20.0%とすることが好ましい。また、本発明では、耐食性を向上するためにCrを多量に添加する必要があり、Crの多量添加に伴って硬度、耐摩耗性が低下するおそれがあるが、Coを後述するVと複合添加することによりCrによる高い耐食性を確保しつつ、硬度、耐摩耗性を向上させることができる。Vは、炭化物の中でも極めて硬質のMC型炭化物であるVC炭化物を晶出させるために用いられ、その含有量はCとのバランスで決定される。本発明の材質を得るために、この粒状で微小なVC炭化物を利用して耐摩耗性を向上させるとともに、溶接金属が凝固する際に、初晶の炭化物として晶出させ組織を制御するために重要である。V含有量を5.0〜25.0%と限定した理由は、前述のC含有範囲において、V含有量が5.0%未満では硬質のMC型炭化物であるVC炭化物は晶出されずに基地中に固溶してしまい、充分な硬度、耐摩耗性向上の効果が得られない。また、V含有量が25.0%を越えると、Vが最終凝固部に固溶され、均一に分散することが困難となるとともに、MC型炭化物が粗大化して充分な硬度、耐摩耗性向上効果が得られない。本発明では、耐食性を向上するために、Crを多量添加する必要があり、その多量添加に伴って硬度、耐摩耗性が低下するおそれがあるが、Vを上述するCoと複合添加することによりCrによる高い耐食性を確保しつつ、硬度、耐摩耗性を向上させることができる。Mo、Wは、MC型炭化物、MC型炭化物またはCrとともにMC型炭化物等の複炭化物を形成し、耐摩耗性、耐焼付き性の向上に寄与するとともに、一部基地中に固溶して基地を強化し、高温での硬度低下の抑制、耐摩耗性の向上に寄与する。MoおよびWのうちの1種または2種の含有量を1.0%≦2Mo+W≦14.5%を満たすように限定した理由は、2Mo+Wが1.0%未満では高温での硬度低下の抑制や耐摩耗性の向上効果を十分に発揮することができない。一方、2Mo+Wが14.5%を超える場合には、ネット状の複炭化物が増加し過ぎて、靱性、耐クラック性が低下する。Niは、肉盛金属の靱性を改善する作用を有する元素であり、その含有量を1.0〜10.0%と限定したのは、その下限値未満では肉盛金属の靱性が劣るため、肉盛中に割れが発生しやすくなる。一方、上限値をこえると硬度低下が著しくなるため好ましくないためである。Si、Mn、Alおよびランタノイド元素は、通常脱酸剤として用いられるが、Siの場合は0.5%、Mnの場合は1.0%、をそれぞれ越えると肉盛金属の靱性を損なうため、それぞれの上限値未満での添加が望ましい。また、Alおよびランタノイド系元素についても同様に、各々、0.2%および0.3%を超えると肉盛性が著しく悪化するため、上限値を0.2%および0.3%に規定した。Tiの微量添加は、肉盛金属中での初晶MC炭化物や結晶粒の微細化を促進する。Ti含有量を0.01〜0.1%と規定したのは、その下限値未満では微細効果が発揮されず、上限値を超えると、Tiが炭化物を形成し、MC型炭化物の粒径が大きくなるためである。
【0008】
本発明の複合工具は、以上の成分からなるプラズマ肉盛溶接用材料を用い、少なくとも複合工具の表層部を例えば溶接あるいは溶射などを用いてプラズマ肉盛溶接処理をして製造できる。
【0009】
本発明の複合工具の表層部の溶接または溶射金属部の元素およびその限定理由は、上記の肉盛り用材料と同じものあるが、複合工具の耐摩耗性および耐焼付け性の向上効果を充分にえるためには、以下のようにMC型炭化物の粒径および面積率を限定する必要がある。
肉盛金属中のMC型炭化物は、粒状から角張状あるいは星形状と多彩な形状で晶出しその硬度は高いが、硬いがためにそのサイズがあまり大きくなると炭化物内で亀裂が発生しやすく、欠け落ちの原因となり耐摩耗性を低下させる。このような欠け落ちが発生を抑制するためには、肉盛金属中のMC型炭化物の平均円相当径を150μm以下に限定する必要がある。また、MC型炭化物の粒径が微細な程、耐摩耗性は向上するが、溶接または溶射等による肉盛り処理後に平均円相当径が1μm未満のMC型炭化物を得ることは難しいため、平均円相当径の下限を1μmとした。
なお、ここで、MC炭化物の平均円相当径とは、各MC型炭化物の最大長さと最小長さの平均で示される円相当粒径の平均値と定義する。
また、溶接金属中のMC型炭化物の晶出量は、耐摩耗性、耐焼付き性を充分確保するため、MC型炭化物を溶接金属の組織断面における面積率で、10%以上とする必要がある。一方、MC型炭化物が肉盛金属の組織断面における面積率で、70%を超えると靱性が低下するため、その上限を70%とする。
また、複合工具の表層部に付与する肉盛厚みは、厚いほど長期の使用に耐えられるため好ましいが、肉盛厚みはその肉盛り方法によって制約され、例えばプラズマ溶接による肉盛処理では、1層当たりの肉盛厚みは1〜3mmが限界であり、複数パスの溶接を繰り返すことで、全盛り厚みを増加することになるため肉盛施工コストが増加する原因となる。したがって、肉盛厚みは、肉盛処理の施工コストと複合工具の耐用性を考慮して決定すれば良いが、研削仕上げ時の切削量を踏まえて、耐食性、耐摩耗性および耐焼付き性を確保するための肉盛厚みとして、その厚みを0.5mm以上とした。
【0010】
さらに、被加工材と工具とのすべりが苛酷な状態での耐焼付き性を改善する方法を検討した結果、肉盛表面に熱処理によりスケール処理を施すことにより,より一層の耐焼付き性を改善できることを見出した。このスケールは熱間で使用中に消耗と生成を繰り返し、ある程度維持され、一種の潤滑作用および耐焼付き性を示す。この時のスケール厚みを5μm〜300μmとしたのは、下限以下ではスケールの生成が間に合わず早期に消耗し、十分な耐焼付き効果を発揮できないため、下限を5μmとした。上限は肉盛部の耐摩耗性確保上から300μmとした。スケール処理温度としては、800〜1250℃で行い、高温ほど短時間での処理が可能となる。
【0011】
接または溶射法で複合化する場合は、プラズマのアーク中に粉末を供給することにより必要厚みを溶射すればよい。この場合、減圧中で行えば厚肉の溶射も容易となる。本発明の表層部に溶接または溶射により肉盛処理を行った複合工具は、熱間、冷間を問わず加工用ロール、ラッパーロールおよびローラ等をはじめあらゆる分野の工具として使用される。製鉄部材へ適用する場合は、板圧延、シームレス圧延、線材圧延、熱押しの工具材として使用でき、さらに鍛造用工具としても使用可能である。本発明をロール等に適用する場合は、外層部の少なくとも表層部を本発明範囲の溶接または溶射肉盛り処理を施した複合工具とした単層あるいは復層のスリーブとし、外層部と内層部との接合は溶接、焼結、溶融等の接合方法の他、焼嵌、嵌合等の方法によって接合することにより複合ロールとして使用できる。
【0012】
【実施例】
表1に示すような組成の溶接用材料を機械構造用鋼材よりなる母材の上に、プラズマ肉盛溶接施工し、▲1▼耐食性、▲2▼耐摩耗性、▲3▼耐焼付き性を評価した。表中の材質番号3、7、11、17についてはスケール処理を施した。
腐食試験はJIS Z2371に規定されるような塩水噴霧試験により、摩耗試験は図1に模式的に示すようなディスク対ディスク型摩耗試験機により、それぞれ以下の条件で評価した。
図1中、符号aは加熱片(加工材側担当)、bは試験片(ロール材等の工具側担当)、Cは高周波加熱装置、dは水冷ノズル、eは放射温度計を示す。
(腐食試験条件)
(1)試験片サイズ:長さ50mm、幅20mm、厚み10mm、試験片表面2mmについて、プラズマ肉盛溶接した後、肉盛層が2mmになるように仕上げた。
(2)試験条件:5%食塩水を35℃で試験片に噴霧し、腐食発生の迄の時間を比較した。試験時間は最長6週間行った。
(摩耗・焼付き試験条件)
(1)試験片サイズ:外径80mm、厚み10mm、表層をプラズマ肉盛溶接し、最終的に肉盛部が3mmになるように仕上げた。
(2)加熱片サイズ:外径160mm、厚み15mm、材質S45C
(3)摩耗試験条件:加熱片温度900℃、すべり率11%、荷重70kgf
耐摩耗性の評価は、1万回転動後の試験片重量変化を測定して得られる摩耗量は比較した。
ここで、すべり率は次のように定義される。
(すべり率)=(加熱片速度−試験片速度)/(試験片速度)×100(%)
(4)焼付き試験条件:加熱片温度500℃、試験片温度約300℃、荷重30kgf
焼付きの評価は、すべり率を変化させて、焼付きが発生したすべり率で評価し、焼付き発生時のすべり率が高いほど耐焼付き性が高いと評価した。
【0013】
【表1】
Figure 0003896478
【0014】
表2に腐食試験、摩耗・焼付き試験した結果および組織観察によるMC炭化物面積率、円相当粒径を示す。なお、腐食試験、摩耗・焼付き試験いずれも比較材として鋳造ハイス材についても同時に行い、摩耗・焼付き性についてはハイス材との比で比較した。
つまり、摩耗比=試験材の摩耗重量/ハイス材の摩耗重量、焼付き発生すべり率比=試験材の焼付き発生すべり率/ハイス材の焼付き発生すべり率、腐食は錆発生までの時間で表現した。摩耗比は小さい程耐摩耗性が高く、焼付き発生すべり率は大きい程耐焼付き性に優れる。
さらに、肉盛厚の影響として、材質番号3と同じ組成にて、肉盛厚が0.2mmとなるように加工した材料についても耐食性、耐摩耗性を評価した。その結果、耐食性は5週間で錆発生、摩耗比は1.05の結果となり、良好な結果は得られなかった。
【0015】
表3にスケール処理材の腐食試験、摩耗・焼付き試験した結果および評価試験片と同時にスケール処理した別試験片の断面観察による表層スケール厚みを示す。
【0016】
【表2】
Figure 0003896478
【0017】
【表3】
Figure 0003896478
【0018】
以上の実施例から本発明の適用により、従来の鋳造ハイス材と比較して、耐食性を大幅に向上でき、また、耐摩耗性および耐焼付き性も劣化することなく場合によっては耐摩耗性が10〜30%、耐焼付き性が10〜30%改善することが判る。さらに、スケール処理を施すことにより、耐焼付き性が改善していることが判る。
【0019】
【発明の効果】
以上、詳述したように、本発明は耐摩耗性、耐クラック性、耐食性、耐焼付き性に優れるため、ロール、ローラをはじめとする熱間加工用工具や冷間加工用工具への適用により、基幹産業に多大の貢献をなすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ディスク対ディスク型摩耗試験機の設備概要を示す図である。
【符号の説明】
a 加熱片(加工材側相当)
b 試験片(ロール材等の工具側担当)
c 高周波加熱装置
d 水冷ノズル
e 放射温度計

Claims (4)

  1. 質量%で、C:1.0〜4.5%、Si:0.5%以下、Mn:1.0%以下、Cr:15.0〜30.0%、Co:1.0〜20.0%、V:5.0〜25.0%、MoおよびWのうちの1種または2種を1.0%≦2Mo+W≦14.5%を含有し、さらに、質量%で、 T i:0.01〜0.1%含有して、残部がFeおよび不可避的不純物からなる
    ことを特徴とする耐食性、耐磨耗性および耐焼付け性に優れたプラズマ肉盛溶接用材料。
  2. 質量%で、C:1.0〜4.5%、Si:0.5%以下、Mn:1.0%以下、Cr:15.0〜30.0%、Co:1.0〜20.0%、V:5.0〜25.0%、MoおよびWのうちの1種または2種を1.0%≦2Mo+W≦14.5%を含有し、さらに、質量%で、 T i:0.01〜0.1%、Al:0.2%以下、およびランタノイド系元素のうちの1種または2種以上を0.3%以下含有して、残部がFeおよび不可避的不純物からなる
    ことを特徴とする耐食性、耐磨耗性および耐焼付け性に優れたプラズマ肉盛溶接用材料。
  3. 請求項1〜2のいずれかに、さらに、質量%で、Ni:1.0〜10.0%を含有する
    ことを特徴とする耐食性、耐磨耗性および耐焼付け性に優れたプラズマ肉盛溶接用材料。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の溶接用材料を用いて、表層表面から0.5mm以上の範囲が肉盛処理された溶接金属中のMC炭化物の円相当粒径が1〜150μmで、かつMC炭化物の面積率が10〜70%である
    ことを特徴とするプラズマ肉盛溶接処理された耐食性、耐磨耗性および耐焼付け性に優れた複合工具。
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