JPH09135775A - ジャーポット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 効率よく容器内の水を加熱し、ヒーター線温
度を下げヒーター寿命性能を向上させ、加熱ヒーター近
傍の雰囲気温度を低下させたジャーポットを得る。 【構成】 液体を収容する容器２と、容器２内の液体を
加熱沸騰させた後に所定の温度にて保温する加熱ヒータ
ー４を備えたジャーポットにおいて、加熱ヒーター４は
容器２底部に密着させ、さらにこの加熱ヒーター４の容
器２底部密着面と反対面に密着させて冷却板５を設け、
この冷却板５に導水パイプ６を埋設し、この導水パイプ
６の一端を逆流防止弁７を介して容器２底部に導通する
よう接続し、また、導水パイプ６の他端を容器２上方に
導通するよう接続したジャーポット。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は容器内の水を加熱して湯
を沸かした後に所定の温度で保温する一般家庭用のジャ
ーポットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来の一般的なジャーポットは、例えば
実開平７−２０１２４号公報に示すごとく、本体内部に
設けた液体を収容する容器と、容器底部に密着させ容器
内の液体を加熱沸騰する加熱ヒーターと、この加熱ヒー
ターにより加熱された容器内の液体を導出する導出手段
等を備え、容器内の液体を加熱沸騰させた後に所定の温
度にて保温するものであった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来のジャーポッ
トは加熱ヒーター面の片側は容器に密着しているが、加
熱ヒーター反対面は容器に密着しておらず、この反対面
では液体に熱を伝えられないため、熱効率が高くなら
ず、加熱ヒーターの温度が上昇しヒーター線温度が高く
なり寿命が短くなるとともに、加熱ヒーター近傍の雰囲
気温度が高くなるので、制御装置の遮熱構造が必要とな
る等の問題があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためになされたもので、液体を収容する容器と、容
器内の液体を加熱沸騰させた後に所定の温度にて保温す
る加熱ヒーターを備えたジャーポットにおいて、加熱ヒ
ーターは容器底部に密着させ、さらにこの加熱ヒーター
の容器底部密着面と反対面に密着させて冷却板を設け、
この冷却板に導水パイプを埋設し、この導水パイプの一
端を逆流防止弁を介して容器底部に導通するよう接続
し、また、導水パイプの他端を容器上方に導通するよう
接続したものである。

【０００５】

【作用】上記構成により、加熱ヒーターは容器密着面側
で直接容器内の水を加熱する一方、加熱ヒーターの容器
面と反対面の熱は冷却板を介して導水パイプ内の水も加
熱する。やがて、導水パイプ内の水が沸騰すると圧力が
上昇するが、導水パイプの一端に設けた逆流防止弁が逆
流を防止するので、沸騰水が導水パイプの上方に導通す
る他端から容器内に送られる。さらに、導水パイプ内の
沸騰水が無くなると圧力が下がるため、容器内の水が容
器底部から逆流防止弁を介して導水パイプ内に流入し、
再度導水パイプ内に水が満たされる。この結果、容器底
部密着面の反対面にも水が流れることになるので、容器
内の水は加熱ヒーターの容器密着面側と反対面の両方か
ら効率よく加熱されることになるとともに、ヒーター線
温度を下げる作用をする。

【０００６】

【実施例】以下本発明の一実施例を図面を用いて説明す
る。図１は本発明の一実施例を示すジャーポットの概略
断面図、図２は同じくジャーポットの表示部の正面図、
図３は同じくジャーポットの制御系統図である。

【０００７】図１において、１は本体で、２は本体１に
内蔵され水や湯などの液体を収納する容器であり、３は
容器２に設けられた容器満水線である。４は保温ヒータ
ー４ａ及び湯沸かしヒーター４ｂからなる加熱ヒーター
である。５は加熱ヒーター４の容器２密着面と反対側に
密着させて設けられた冷却板である。６は冷却板５内に
埋設された導水パイプであり、この導水パイプ６の一端
は容器２の容器満水線３よりも上に接続され、導水パイ
プ６の他端は逆流防止弁（以下逆止弁と称す）７に接続
され、さらに逆止弁７の他端は容器２の底部に接続され
ている。また、逆止弁７は逆止弁７を取り付けた容器２
の底部側から容器２の容器満水線３よりも上に接続され
た導水パイプ６の一端方向へのみ水を流すように構成さ
れている。８は加熱ヒーター４を容器２外底面に固定し
ている押さえ板である。９は容器２の外底面中央部に装
着された水温センサーで、容器２内の液体の温度を検知
する。

【０００８】１０はヒンジ１１を中心に回動自在に本体
１の上部開口に着脱自在に載置された蓋で、１２はこの
蓋１０の下面を覆うように装着固定されているステンレ
ス鋼板製の裏蓋カバーである。１３は蓋１０内に納めら
れたベローズポンプであり、１４は蓋１０上部に設けら
れたプッシュプレートであり、ベローズポンプ１３はプ
ッシュプレート１４の押圧に連動して押圧され圧縮され
る。

【０００９】１５はベローズポンプ１３の上部中央に設
けられたべローズ吸気弁で、プッシュプレート１４が押
圧されるとべローズポンプ１３の上部を閉塞し、プッシ
ュプレート１４が押圧されていないときはべローズポン
プ１３の上部を開放してべローズポンプ１３内に空気を
取り入れる。１６はべローズ吸気弁１５の下に設けられ
たべローズシャフトで、べローズポンプ１３の上下動に
連動して動作する。

【００１０】１７はベローズシャフト１６の下端に取り
付けられた切り換え弁で、１８は蓋１０内に形成された
蒸気通路で、１９は蒸気通路１８に連通して蓋１０上部
に形成された蒸気孔である。プッシュプレート１４が押
圧されたとき切り換え弁１７が下がって容器２と蒸気通
路１８間を閉塞してべローズポンプ１３と容器２内を連
通し、プッシュプレート１４が押圧されないとき切り換
え弁１７が上がって蒸気通路１８を介し容器２と蒸気孔
１９間を連通し沸騰した蒸気を逃がす。

【００１１】２０はジャーポットが転倒したとき容器２
内の湯が流出しないように蓋１０内に設けられたステン
レス球製の蓋転倒流水防止弁、２１は蓋１０と容器２間
を気密に保つフタパッキンである。２２は蓋１０の回動
による開閉を操作する蓋ロックレバーである。

【００１２】２３は容器２内の湯を出湯させる透明ガラ
ス管の出湯経路で、２４はジャーポットが転倒したとき
湯が流出しないように出湯経路２３の下流に設けられた
セラミック製の本体転倒流水防止弁で、２５は本体１上
部に本体転倒流水防止弁２４と連設された出湯口であ
る。

【００１３】２６は本体１底部の底枠で、この底枠２６
前面部には表示および再沸騰などの操作スイッチ（後
述）を設けたパネル２７が配設されている。２８はマグ
ネットプラグからの商用電源を受ける底枠２６後面部に
設けられたプラグ受けである。２９は本体１内パネル２
７近傍に設けられジャーポットを制御する１チップマイ
コンを含む制御基板装置である。

【００１４】３０は蓋１０上部のプッシュプレート１４
を押さないときロックして不意の事故を防止するために
設けられた出湯操作ストッパーであり、この出湯操作ス
トッパー３０の操作部を操作することによりプッシュプ
レート１４の外周に設けられた係止用凸部１４ａに出湯
操作ストッパー３０の内周に設けられた係止用凸部３０
ａが嵌合してプッシュプレート１４の動作を止める。

【００１５】図２の表示部の正面図において、３１は湯
沸かし時に点灯する湯沸かしランプ、３２は保温時に点
灯する保温ランプ、３３は湯沸かし時に沸騰時間を長く
して、水道水中のカルキ臭や発ガン物質であるトリハロ
メタンを軽減する機能を選択した場合に湯沸かしランプ
３１に代って点灯するカルキ抜きランプ、３４はパネル
２７に置かれ、保温時に押すと湯沸かしに切り替え、湯
沸かし時に押すと通常の湯沸かしから沸騰時間を延長す
る湯沸かしに切り替える再沸騰スイッチである。

【００１６】図３の制御系統図において、３５は制御基
板装置２９内に設けられ１チップマイコンにより構成さ
れ、入出力及び所定のプログラムによりジャーポットの
制御を行う制御装置である。３６は水温センサー９で検
知した温度に対応したアナログ電圧をデジタル量に変換
して制御装置３５へ入力するＡＤ変換装置である。３７
は再沸騰スイッチ３４からの入力を制御装置３５へ送る
入力制御装置である。３８は湯沸かしランプ３１、保温
ランプ３２、カルキ抜きランプ３３の表示を制御する表
示制御装置である。３９は保温時に容器２内の湯温を所
定の温度に保つために設けられた比較的小さな電力の保
温ヒーター４ａを制御する保温ヒーター制御装置であ
り、４０は湯沸かし用の比較的大きな電力の湯沸かしヒ
ーター４ｂを制御する湯沸かしヒーター制御装置であ
る。

【００１７】次に上記構成からなる本実施例の作用につ
いて説明する。

【００１８】容器２に水を入れプラグ受け２８に商用電
源に接続された器具用プラグ（図示せず）を挿入すると
制御基板装置２９に通電され、所定のプログラムに従い
湯沸かしが行なわれる。制御装置３５は初期通電時の水
温センサー９の検知温度が約９０℃未満の時は湯沸かし
制御になり、約９０℃以上の時は保温制御になるようプ
ログラムされている。通常、最初は水温が低いので湯沸
かし制御が開始され、湯沸かしヒーター制御装置４０に
より加熱ヒーター４中の湯沸かしヒーター４ｂに通電さ
れ、容器２底部より加熱が開始される。このとき表示制
御装置３８により湯沸かしランプ３１が点灯する。

【００１９】加熱ヒーター４は容器２密着面側で直接容
器２内の水を加熱する一方、加熱ヒーター４の容器２面
と反対面の熱は冷却板５に設けられた導水パイプ６内の
水を加熱する。やがて、導水パイプ６内の水が沸騰する
と導水パイプ６内の圧力が上昇するが、導水パイプ６の
他端には逆止弁７が接続されているため逆流せずに、逆
止弁７を取り付けた容器２の底部側から容器２の容器満
水線３よりも上に接続された導水パイプ６の一端方向へ
のみ流れ、沸騰水が容器２内に送られる。

【００２０】さらに、導水パイプ６内に沸騰水がなくな
ると圧力が下がるため、容器２内の水が導水パイプ６内
に流入して、再度導水パイプ６内に水が満たされる。こ
の結果、加熱ヒーター４の容器２密着面の反対面にも水
が流れることになり、効率よく容器２内の水を加熱でき
るばかりか、ヒーター線温度を下げることができる。

【００２１】やがて、容器２内の水が沸騰すると、温度
上昇しなくなるため、水温センサー９の検知温度上昇も
小さくなる。制御装置３５は湯沸かし制御中でしかも水
温センサー９の検知温度が約９０℃以上において、所定
の時間内に定められた温度上昇が得られなかったとき
は、保温制御に移行するようにプログラムされている。

【００２２】このため、前記のように湯沸かし制御中に
容器２内の湯が沸騰して水温センサー９の検知温度上昇
が小さくなると、制御装置３５は沸騰を検知して、湯沸
かし制御から保温制御に移行させる。保温制御に移行す
ると湯沸かしヒーター制御装置４０により湯沸かしヒー
ター４ｂへの通電を停止する。

【００２３】やがて湯温が僅かずつ降下し水温センサー
９の検知温度が約９５℃未満になると、制御装置３５は
保温ヒーター制御装置３９により保温ヒーター４ａへ通
電を開始させ容器２内の湯を加熱し、また水温センサー
９の検知温度が約９６℃以上になると保温ヒーター制御
装置３９により保温ヒーター４ａへの通電を停止するよ
うにプログラムされている。

【００２４】このため、前記のように保温制御中に湯温
が僅かずつ降下し、水温センサー９の検知温度が約９５
℃未満になると、保温ヒーター制御装置３９により保温
ヒーター４ａへ通電し、湯温を上昇させ、水温センサー
９の検知温度が約９６℃まで温度上昇すると保温ヒータ
ー４ａへの通電を停止する動作を繰り返し行い、容器２
内の湯を約９５℃から９６℃の間で保温する。また、こ
のとき表示制御装置３８により保温ランプ３２が点灯す
る。

【００２５】制御装置３５は保温制御中に水温センサー
９の検知温度が約９０℃未満になったとき、または保温
制御中に再沸騰スイッチ３４を押したときには湯沸かし
制御に移行するようプログラムされている。このため、
容器２内に水を追加した場合や、高温の湯を得るため再
沸騰スイッチ３４を押したときは、前記同様の湯沸かし
制御を行い、さらに沸騰検知を行った後に保温制御にな
るという動作を行う。

【００２６】また、前記湯沸かし中に再沸騰スイッチ３
４が押されると、沸騰検知後も湯沸かしを継続して沸騰
時間を約３分間にするカルキ抜き湯沸かしを実行するよ
うに制御装置３５にプログラムされている。また、この
ときの表示は制御装置３５が表示制御装置３８を制御
し、前記湯沸かし時の湯沸かしランプ３１に代ってカル
キ抜きランプ３３が点灯するようプログラムされてい
る。

【００２７】次に出湯動作は下記のように行われる。

【００２８】容器２内の湯を出湯させるときは、出湯操
作ストッパー３０を解除して蓋１０上部のプッシュプレ
ート１４を軽く押し下げると、ベローズ吸気弁１５が閉
じべローズポンプ１３上部が密閉されるとともに、さら
に切り換え弁１７が下降し蒸気通路１８が閉塞され、こ
れによりべローズポンプ１３と容器２内は連通され、べ
ローズポンプ１３の空気が容器２内に圧送されて容器２
内の圧力を高め、容器２内の圧力が上昇する。このため
出湯経路２３内の湯が押し上げられて、やがて出湯口２
５より出湯がはじまる。

【００２９】出湯を止めた後は、出湯操作ストッパー３
０の操作部を操作しロックすることにより、プッシュプ
レート１４の外周に設けられた係止用凸部１４ａに出湯
操作ストッパー３０の内周に設けられた係止用凸部３０
ａが嵌合して、プッシュプレート１４の押し込みができ
なくなるため、安全性が確保できる。

【００３０】

【発明の効果】以上本発明によれば、加熱ヒーターは容
器底部に密着させ、さらにこの加熱ヒーターの容器底部
密着面と反対面に密着させて冷却板を設け、この冷却板
に導水パイプを埋設し、この導水パイプの一端を逆流防
止弁を介して容器底部に導通するよう接続し、また、導
水パイプの他端を容器上方に導通するよう接続したか
ら、容器内の水は加熱ヒーターの容器密着面側と反対面
の両方から加熱されるので加熱効率が向上し、その上ヒ
ーター線温度が低くなるのでヒーター線の寿命が向上す
るとともに湯沸かし音も低減でき、湯沸かし中に導水パ
イプ内の水が部分沸騰するので効率よく水道水中のカル
キ臭やトリハロメタンを除去できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示すジャーポットの概略断
面図である。

【図２】同じくジャーポットの表示部の正面図である。

【図３】同じくジャーポットの制御系統図である。

【符号の説明】

２ 容器 ４ 加熱ヒーター ５ 冷却板 ６ 導水パイプ ７ 逆流防止弁（逆止弁）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 液体を収容する容器（２）と、容器
   （２）内の液体を加熱沸騰させた後に所定の温度にて保
   温する加熱ヒーター（４）を備えたジャーポットにおい
   て、前記加熱ヒーター（４）は容器（２）底部に密着さ
   せ、さらにこの加熱ヒーター（４）の容器（２）底部密
   着面と反対面に密着させて冷却板（５）を設け、この冷
   却板（５）に導水パイプ（６）を埋設し、この導水パイ
   プ（６）の一端を逆流防止弁（７）を介して容器（２）
   底部に導通するよう接続し、また、導水パイプ（６）の
   他端を容器（２）上方に導通するよう接続したことを特
   徴とするジャーポット。