JP3365392B2 - 電気ポット - Google Patents

電気ポット

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JP3365392B2
JP3365392B2 JP2000084575A JP2000084575A JP3365392B2 JP 3365392 B2 JP3365392 B2 JP 3365392B2 JP 2000084575 A JP2000084575 A JP 2000084575A JP 2000084575 A JP2000084575 A JP 2000084575A JP 3365392 B2 JP3365392 B2 JP 3365392B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、貯留されている湯
水の循環機能を備える電気ポットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記のような湯水の循環機能を備える電
気ポットが特開平5-115367号公報に記載されている。そ
の電気ポットは、図8に示すように、湯水81が貯留さ
れる内容器82と、これを囲う外ケース83とを備える
容器本体84と、内容器82の上方を覆う蓋体85とを
設けて構成され、内容器82の底面に沿って配置された
電気ヒータ86によって、内容器82内の湯水81を沸
騰するまで加熱した後、所定の保温温度で保持するよう
になっている。
【0003】内容器82の底部に、電動ポンプ87が介
設されて上方に延びる給湯配管88が接続され、この給
湯配管88の上端側は、容器本体84の前面上部側の給
湯口89に至る給湯口配管90と、内容器82に接続さ
れた循環配管91とに分岐されている。この分岐箇所
に、給湯配管88への給湯口配管90と循環配管91と
の連通状態を択一的に切換える電磁弁92が介設されて
いる。この電磁弁92によって、常時は、給湯配管88
に循環配管91が連通する一方、給湯口配管90と給湯
配管88との連通が遮断された状態で保持されている。
この場合、容器本体84が仮に転倒したとき、内容器8
2内の湯が給湯口89から漏れ出ることが電磁弁92で
防止され、したがって、上記の電磁弁92は転倒止水弁
としての機能も兼用した構成になっている。
【0004】上記構成の電気ポットにおいては、容器本
体84の上面に設けられている給湯スイッチ93がユー
ザーによって押下操作されると、電磁弁92への非通電
状態で電動ポンプ87の作動が開始され、その後、例え
ば2秒程度経過後に、電磁弁92への通電が開始され
る。このような制御に伴い、電動ポンプ87によって内
容器82内から汲み出される湯が、給湯配管88と循環
配管91とを通して一旦循環する。これにより、それま
で給湯配管88内で温度の低下した湯が内容器82内に
戻される。その後に給湯配管88に給湯口配管90が連
通する状態に切換わることで、給湯口89から内容器8
2内の湯が出湯され、当初から高温湯を得ることが可能
になっている。
【0005】なお、内容器82内の湯の給湯について
は、上記のような電動ポンプ87で行う、いわゆる電動
給湯式の電気ポットの他、蓋体85の上面中央に押し板
を設け、その下側にエアーポンプを設けて、押し板の押
下操作に伴ってエアーポンプ内のエアーを内容器内に圧
送して出湯させる、いわゆる手動給湯式の電気ポットも
実用化されている。
【0006】さらに、電動給湯式電気ポットは電源が接
続されている状態でしか作動しないことから、例えば特
開平8-117102号公報に、電動ポンプとエアーポンプとの
両者を設け、電源が接続されているときには電動ポンプ
による給湯(以下、電動給湯という)を、電源が接続さ
れていない給電停止状態では上記した押し板を押す手動
操作による給湯(以下、手動給湯という)を行い得るよ
うにして、使い勝手を向上させた電気ポット(以下、電
動/エアー型電気ポットという)が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な電動/エアー型電気ポットに前記したような循環機能
を具備させようとする場合、例えば図8に示した電気ポ
ットの蓋体85に単にエアーポンプを設けただけでは、
電動/エアー型電気ポットとしての利点を得ることがで
きない。つまり、手動給湯操作は給電停止状態でこれを
行うことが前提であるが、前記した電磁弁92は、転倒
止水弁としての機能も具備させることを考慮して、電動
給湯時以外は給湯口配管90を閉じた状態になってい
る。したがって、単にエアーポンプを設けただけでは手
動給湯を行うことはできない。
【0008】本発明は、上記した問題点に鑑みなされた
もので、その目的は、循環機能を具備し、しかも、電動
給湯と手動給湯とを行わせることが可能で、使い勝手の
向上した電気ポットを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで本発明の請求項1
の電気ポットは、湯水が貯留される内容器の底部側に接
続されて上方に延びる給湯配管に電動ポンプを介設する
一方、給湯配管の上端側を給湯口に至る給湯口配管と内
容器内の上部側に連通する循環配管とに分岐し、分岐箇
所に、給湯配管への給湯口配管と循環配管との連通状態
を切換える流路切換弁を設けて、電動ポンプの作動時に
内容器内の湯水が給湯配管から給湯口配管を通して出湯
される電動給湯状態と、循環配管を通して内容器内に還
流される循環状態との切換え可能に形成した電気ポット
であって、手動による収縮変形でエアーを内容器内に供
給し加圧して給湯するためのエアーポンプを設けると共
に、エアーポンプの手動操作時に内容器の底部側を給湯
口に連通させる手動給湯経路形成手段と給湯口配管への
循環配管の連通を遮断するエアー漏れ防止手段とを設け
ていることを特徴としている。
【0010】この構成の電気ポットにおいては、エアー
ポンプの手動操作時に内容器の底部側を給湯口に連通さ
せる給湯経路が手動給湯経路形成手段によって形成され
ているので、エアーポンプの手動操作時には内容器内の
湯が上記経路を通して出湯される。しかもこのとき、循
環配管と給湯口配管との連通がエアー漏れ防止手段で遮
断されているので、エアーポンプの手動操作に伴って内
容器内に供給されるエアーが循環配管と給湯口配管とを
通して外に漏れることもなく、内容器内に圧力上昇が確
実に生じて、手動給湯が安定して行われる。したがっ
て、このような電気ポットによれば、給電状態では従来
同様に内容器内の湯水の循環や電動給湯を行わせること
ができ、加えて、給電停止状態でも手動給湯を安定して
行わせることができるので、使い勝手が向上する。
【0011】なお、上記のような手動給湯経路形成手段
は、例えば請求項2のように、流路切換弁をバイパスし
て内容器の底部側を給湯口に連通させる手動給湯用配管
を設けて構成することが可能である。すなわち、電動給
湯時の給湯経路とは別系統の手動給湯用配管を予め設け
ておくことで、給電停止状態で流路切換弁がどのような
切換位置に位置しようとも、エアー漏れ防止手段で循環
配管を通してのエアー漏れが防止されていれば、エアー
ポンプの手動操作で上記手動給湯用配管を通しての給湯
を行わせることができる。また、給電状態での湯水の循
環や電動給湯も、上記のような手動給湯用配管を設けた
ことによる支障を格別生じさせずに、従来同様に行わせ
ることが可能である。
【0012】この場合に、請求項3のように、流路切換
弁を、給湯配管への給湯口配管と循環配管との連通状態
を択一的に切換えるように形成すれば、給電停止状態で
給湯口配管と循環配管とのいずれが給湯配管に連通して
いる状態であっても、給湯口配管と循環配管との連通は
遮断された状態になる。したがって、この構成では流路
切換弁がエアー漏れ防止手段としても機能するので、こ
のエアー漏れ防止用の部材を別途設ける必要がなくな
り、全体の製作費をより安価なものとすることができ
る。
【0013】さらに請求項4のように、手動給湯用配管
における給湯口側の端部を、給湯口配管内に上方から開
口するように設けた構成とすれば、電動給湯時の逆流が
防止される。つまり、電動給湯時に、給湯配管を通して
給湯口配管に流入した湯は、この給湯口配管への手動給
湯用配管の接続口が上方に設けられているので、この手
動給湯用配管へと向かうことなく、給湯口を通して出湯
される。したがって、電動給湯時に当初から充分な出湯
量で給湯させることができる。なお、手動給湯時におけ
る逆流は、例えば給電停止時に流路切換弁が給湯口配管
への給湯配管の連通を遮断した切換位置で保持されるよ
うな構成等を採用して、これを防止することが可能であ
る。
【0014】また、前記のような手動給湯用配管を設け
る場合に、請求項5のように、手動給湯用配管における
内容器側の端部を、給湯配管における電動ポンプと内容
器との間の箇所に接続した構成とすることによっても、
全体の製作費をより安価なものとすることができる。す
なわち、手動給湯用配管の端部を給湯配管の端部と並べ
て内容器に直接接続する構成では、この内容器に2個の
取水孔を形成することが必要となるが、上記では内容器
に設ける取水孔は一個で良く、また、給湯配管の途中か
ら手動給湯用配管を分岐する配管構造も簡単に構成でき
るので、全体の製作費がより安価なものとなる。
【0015】一方、請求項6の電気ポットは、請求項1
の電気ポットにおいて、流路切換弁を、給電停止状態で
給湯配管への給湯口配管の連通を遮断するように形成す
ると共に、エアーポンプの手動操作に連動して流路切換
弁を給湯口配管が給湯配管に連通する切換位置に変位さ
せる連動機構を前記手動給湯経路形成手段として設けて
いることを特徴としている。
【0016】すなわちこの場合に、給電停止状態で給湯
配管への給湯口配管の連通を流路切換弁によって遮断す
る構成であっても、この流路切換弁がエアーポンプの手
動操作に連動して変位して、給湯口配管が給湯配管に連
通するので、電動給湯時における給湯配管と給湯口配管
とを通しての給湯経路が手動給湯時にも共用されて、こ
の給湯経路を通して出湯される。
【0017】したがって、このような構成によっても、
給電状態では従来同様に内容器内の湯水の循環や電動給
湯を行わせることができ、また、給電停止状態でも手動
操作で給湯を行わせることができるので、使い勝手が向
上する。
【0018】なおこの場合に、請求項7のように、循環
配管に、エアーポンプの手動操作に伴う内容器内の圧力
上昇に応じて循環配管を通しての流路を閉じるエアー逆
止弁を前記エアー漏れ防止手段として設けた構成とすれ
ば、手動給湯時における出湯量の低下が抑えられる。つ
まり、上記のようなエアー逆止弁を設けることで、エア
ーポンプの手動操作の過程でより迅速に循環配管を閉じ
るようにすることができる。これにより、エアーポンプ
の手動操作に伴って内容器内に供給されるエアーのう
ち、循環配管を通して漏出するエアー量をより少なくで
きので、エアーポンプの一回の押下操作当たりの出湯量
がより多くなって使い勝手が向上する。
【0019】請求項8の電気ポットは、請求項1の電気
ポットにおいて、流路切換弁を、給電停止状態で給湯配
管に給湯口配管が連通した切換位置で保持されるように
形成して、この流路切換弁が手動給湯経路形成手段とし
て機能するように形成していることを特徴としている。
【0020】この構成においては、給電停止状態で給湯
配管に給湯口配管が連通した状態で保持されているの
で、エアーポンプの手動操作に伴い、この給湯経路を通
して内容器内の湯が出湯される。したがって、この構成
においても、給電状態では従来同様に内容器内の湯水の
循環や電動給湯を行わせることができ、また、給電停止
状態でも手動操作で給湯を行わせることができるので、
使い勝手が向上する。
【0021】この場合にも、請求項9のように、流路切
換弁を、給電停止状態で給湯配管への循環配管の連通を
遮断するように形成すれば、この流路切換弁がエアー漏
れ防止手段として機能することになり、したがって、エ
アー漏れ防止用の部材を別途設ける必要がないので、全
体の製作費をより安価なものとすることができる。
【0022】一方、請求項10の電気ポットは、請求項
8の電気ポットにおいて、流路切換弁を、給電停止状態
で給湯口配管と給湯配管との両者が給湯配管に連通する
切換位置に位置するように形成して、この流路切換弁が
手動給湯経路形成手段として機能するように形成する一
方、循環配管に、エアーポンプの手動操作に伴う内容器
内の圧力上昇に応じて循環配管を通しての流路を閉じる
エアー逆止弁を前記エアー漏れ防止手段として設けてい
ることを特徴としている。
【0023】このように、給電停止状態で給湯口配管と
給湯配管との両者が給湯配管に連通する構成であって
も、循環配管に、エアー漏れを防止するエアー逆止弁が
設けられていれば、エアーポンプの手動操作に伴い、給
湯配管と給湯口配管とを通して内容器内の湯を出湯させ
ることができる。したがってこのような構成でも、給電
状態での内容器内の湯水の循環や電動給湯を行わせるこ
とができると共に、給電停止状態における手動操作での
給湯を行わせることができるので、使い勝手が向上す
る。
【0024】この場合に、請求項11のように、給湯配
管への循環配管の接続口を給湯配管への給湯口配管の接
続口よりも下方に設けた構成とすれば、給湯口配管と給
湯配管との両者が給湯配管に連通する切換位置に流路切
換弁を位置させたままで、内容器内の湯水の循環が生じ
るようにすることができる。つまり、電動ポンプの作動
によって給湯配管を通して上昇する湯水は、給湯配管へ
の給湯口配管の接続口に達する前に、循環配管の接続口
に流入することになって、湯水の循環が生じる。一方、
給湯配管への循環配管の連通状態を遮断する位置に流路
切換弁を切換えて電動ポンプを作動すれば、電動給湯が
行われることになる。
【0025】したがってこの構成でも、流路切換弁とし
て3ポジションの切換位置を有するものを用いる必要は
なく、従来同様に2ポジションの切換位置を有するもの
で構成できるので、全体の製作費をより安価なものとす
ることができる。
【0026】なお、請求項8〜11の電気ポットにおい
ては、電動ポンプの作動時やエアーポンプの操作時以外
のときも、給湯口配管と給湯配管とが相互に連通した状
態であるので、請求項12のように、給湯配管と給湯口
配管との一方に転倒止水弁を介装した構成とすることが
好ましい。これにより、転倒した場合に給湯口から内容
器内の湯が漏れ出ることが防止され、安全性が確保され
る。
【0027】
【発明の実施の形態】〔実施形態1〕次に、本発明の一
実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。図
2に本実施形態に係る電気ポットを示している。この電
気ポットは、同図(b)に示すように、内部に上方から
凹入する貯湯空間1aを有する容器本体1と、上記空間
1aの上方を覆う蓋体2とを設けて構成されている。
【0028】容器本体1は、外装体としての有底筒状の
外ケース3と、上記貯湯空間1aを囲う内容器4と、こ
れら外ケース3と内容器4との各上端側を相互に連接す
る肩ケース5とを備え、外ケース3と肩ケース5とはそ
れぞれ合成樹脂にて作製されている。なお、肩ケース5
は、その外周形状が外ケース3の上端に一体的に連なる
形状に形成され、この肩ケース5によって容器本体1の
上部側外装体が構成されている。また、容器本体1にお
ける上部前面側は、嘴状に前方(同図において左方)に
膨出する注湯部1bとして形成され、この注湯部1bの
下端側に、後述する給湯口56aが設けられている。
【0029】内容器4は、それぞれステンレス鋼板等を
用いて形成された金属製の内筒6と外筒7とによって形
成されている。内筒6は、円筒状の胴部6aと底板部6
bとを有する有底筒状に形成され、これら6a・6bに
囲われる空間が上記した貯湯空間1aとなっている。な
お、胴部6aの上端側には、断面台形状に径方向内側に
凹入する絞り部6cが設けられている。また、この絞り
部6cよりもやや下側の後面側(図において右側)内面
に、満水目盛り6dが形成されている。上記のような絞
り部6cを設け、この部位での開口面積をその下側の貯
湯空間1aよりも小さくすることにより、上方への放熱
が抑えられて保温性が向上する。
【0030】外筒7は、内筒6の胴部6aを外側から囲
う円筒状の胴部7aと、内筒6の底板部6bよりも下側
の位置で、胴部7aの下端から径方向内方に折曲された
折曲部7bとを有する形状に形成されている。この折曲
部7bの内端は、内筒6の底板部6の外周側に下側から
当接するようにさらに上方へ折曲され、その上端が、内
筒6の底板部6bに例えば溶接等によって気密に接合さ
れている。
【0031】一方、外筒7における胴部7aの上端も、
内筒6の胴部6aの上端に上記同様に気密に接合されて
いる。これにより、内筒6と外筒7の各胴部6a・7a
間、および、内筒6の底板部6b外周側と外筒7の折曲
部7bとの間に密閉空間8が形成され、この密閉空間8
を真空排気する組立てが行われて、この空間が真空断熱
空間となっている。このように本実施形態の電気ポット
は、特に真空二重構造で内容器4が形成されていること
によって、優れた保温性能を備えている。
【0032】上記内筒6の底板部6bは、その外周側に
おける外筒7との接合部位よりも内側が、上方へ段差状
に凹入するように形成されている。その中央部下面に、
サーミスタ等からなる底センサ9が下側から当接するよ
うに配置されている。この底センサ9によって、内筒6
の底板部6bの温度、すなわち、貯湯空間1aに貯留さ
れている湯水の温度が検出される。そして、上記した段
差状の凹入部内に、底センサ9を囲う形状のヒータユニ
ット(加熱手段)10が、底板部6bに下側から密着す
るように取付けられている。このヒータユニット10
は、抵抗加熱式のヒータ線を雲母板(マイカ板)に挟ん
だ構造のマイカヒータを設けて形成されている。
【0033】ヒータユニット10の下側には、このユニ
ット10を下側から覆う遮熱板11が取付けられてい
る。そして、この遮熱板11の下側に、遠心ポンプより
成る後述する電動ポンプ52と、電装品箱12とが前後
に並べて配置されている。電装品箱12内に、この電気
ポットの運転制御装置としての機能を有するるマイコン
が搭載された制御回路基板13が収納されている。
【0034】一方、前記した注湯部1bの上面は操作表
示部として形成されている。すなわち同図(a)に示す
ように、この面の中央部に表示部14が設けられ、この
表示部14を挟んで両側に、後述する電動ポンプ52を
作動させて給湯するための給湯スイッチ15、この電動
ポンプ52による給湯に対する電気的なロック状態を解
除するためのロック解除スイッチ16、保温選択スイッ
チ17、再沸騰スイッチ18、カップメンタイマースイ
ッチ19が配置されている。
【0035】保温選択スイッチ17は、後述する沸騰加
熱運転を終了した後の保温運転の運転モードを選択する
ためのもので、このスイッチ17の押下操作を繰返すこ
とによって保温運転モードが切換えられる。表示部14
に表示されている例えば「98」が選択(パイロットラ
ンプの切換点灯)されると98℃、「90」が選択され
ると90℃の各温度で湯温が保持されるように、前記し
たヒータユニット10への通電が制御される。
【0036】さらに本実施形態の電気ポットは、内容器
4を真空二重構造とすることで優れた保温性能を備えて
いることから、沸騰後にはヒータユニット10への通電
を行わずとも湯温の低下が充分に抑えられる。そこで、
ユーザーが選択し得る保温運転モードとして、「真空」
の保温モードが設けられている。これが選択されると、
ヒータユニット10による通電加熱は行われず、上記真
空二重構造による保温効果のみで保温する状態に切換わ
る。これを選択しても、湯温は長時間にわたって充分に
高温に保持され、しかも消費電力は大幅に軽減される。
【0037】一方、前記再沸騰スイッチ18は、これを
上方から押す操作を繰返すことによって、沸騰加熱運転
の運転モードが切換えられる。この操作で、表示部14
に表示されている「沸騰」が選択されると、保温運転中
のお湯を再沸騰させる運転が開始され、沸騰が検出され
るとすぐに保温運転に切換えられる。「カルキ抜き」が
選択されると、再沸騰運転を開始して沸騰が検出された
後も、カルキ抜きのために所定の時間だけ沸騰状態を継
続し、その後に保温運転に切換えられる。
【0038】また、図示しないプラグをコンセントに接
続した後に再沸騰スイッチ18を押して「おやすみ6」
や「おやすみ9」が選択されると、6時間後、或いは9
時間後に湯が沸き上がるように、所定の時間経過を待っ
て沸騰加熱運転を自動的に開始する制御が行われる。カ
ップメンタイマースイッチ19は、例えばこれを3回押
すことで、内蔵するブザー(図示せず)が3分後に作動
され、ユーザに設定時間経過が音で報知される。
【0039】このように上面が操作表示部として形成さ
れている注湯部1bの後方に、この注湯部1bに連なる
略円形の蓋体2が取付けられている。この蓋体2には、
その上面略中央に、後述する押し板25が、また、この
押し板25と注湯部1bとの間に蓋開閉レバー44がそ
れぞれ取付けられている。さらに押し板25の側方に、
手動給湯ロックつまみ40aが設けられている。
【0040】上記蓋体2は、図3に示すように、上面外
装体を形成する上ケース21と、この上ケース21の下
側を覆うようにこの上ケース21に固定された下ケース
22と、この下ケース22の略中央部に下側から取付け
られた下部成形体23と、この下部成形体23を下側か
ら覆う内蓋24とを設けて構成されている。上ケース2
1および下ケース22と下部成形体23とはそれぞれ合
成樹脂製であり、内蓋24は例えばステンレス鋼板など
の金属板で形成されている。
【0041】上ケース21は上方凸状にゆるやかに湾曲
した断面形状で形成されている。この上ケース21のほ
ぼ中央に円形開口が設けられ、この開口を囲う円筒壁2
1aが下方への垂下形状で一体形成されている。この円
筒壁21a内に、後述するベローズ27を押下操作する
ための押し板25が、図示の上限位置から下方への押動
自在に嵌挿されている。この押し板25は、円形の上壁
面25aと、その周縁から下方に垂下する円筒壁25b
とを有する逆コップ形状に形成されている。
【0042】下ケース22は、その外周縁を全周にわた
って上ケース21の周縁に下側から密着させて、この上
ケース21に固定されている。この下ケース22は、そ
の下面が下方への凸状に形成され、その略中央部上面
に、ベローズポンプ(エアーポンプ)26が設けられて
いる。このベローズポンプ26は、下端縁が下ケース2
2に溶着等によって固定された蛇腹状のベローズ27
と、このベローズ27の上端を塞ぐ上板28と、この上
板28の中央に形成されている貫通穴に上下動自在に嵌
挿された吸気弁29と、この吸気弁29の下側に上下動
自在に配置された軸体30とを設けて構成されている。
また、軸体30の下端に、弾性体より成る切換弁31
が、後述する蒸気通路38を開閉する開閉弁として取付
けられている。さらにベローズ27内に、上板28を上
方に向けて付勢する第1バネ32と、吸気弁29および
軸体30間に縮装された第2バネ33とが配置されてい
る。
【0043】下部成形体23は、下ケース22の下面と
の間に第1通路34を形成する略水平な円形壁面23a
を備えている。この円形壁面23aの中心位置、すなわ
ち前記切換弁31と同心の位置には、第1通路34を後
述する第2通路37に連通させる連通穴23bが形成さ
れ、また、これよりもやや後方の位置に、この下部成形
体23を上下に貫通する器内連通路35が形成されてい
る。この器内連通路35は、その上端側が第1通路34
に連通し、下端側は、この下部成形体23を下側から覆
う前記内蓋24に形成されている複数の貫通孔(図示せ
ず)を通して、貯湯空間1aに連通している。この器内
連通路35内には転倒止水弁36が装着されている。
【0044】一方、円形壁面23aの下側に、上記連通
穴23bの下側から前方に延びる囲壁23cが設けら
れ、この囲壁23cによって第2通路37が形成されて
いる。この第2通路37の前端は、第1通路34から区
画された下部成形体23の外縁に沿う空間を通して、器
内連通路35よりも後方の蒸気通路38に連通し、この
蒸気通路38は下ケース2を貫通して上方に延び、上ケ
ース21に形成されている蒸気孔21bを通して外部に
連通している。
【0045】前記ベローズポンプ26が非動作状態(図
示の状態)のときには、上板28が第1バネ32によっ
て押し上げられてその上限位置に保持されている。この
状態で、吸気弁29は上板28から上方に突出した開弁
状態、すなわち、ベローズ27内が吸気弁29の周壁に
形成されているスリット孔を通して上板28の上方空間
に連通した状態で保持されている。
【0046】一方、軸体30の上端側は、図示してはい
ないが、上板28の下面に形成されている下方への垂下
壁面28aの下端部に係合して、この軸体30の下方へ
の移動が阻止されている。この状態で、軸体30の下端
側は、下ケース22の中央貫通孔を通して下方に突出
し、この中央貫通孔の内周面と軸体30の外周面との間
がエアー吐出口39として形成されている。そして、軸
体30下端部の切換弁31が、下ケース22に下側から
密着し、これにより、上記エアー吐出口39が切換弁3
1によって閉じられた状態で保持されている。このと
き、第1通路34は連通穴23bを通して第2通路37
に連通し、これによって、貯湯空間1a内は、器内連通
路35・第1通路34・第2通路37・蒸気通路38を
通して外部に連通した状態となっている。したがって、
貯湯空間1a内で発生する蒸気はこの連通経路を通して
外部に放出され、器内圧の上昇が防止される。
【0047】この状態から、押し板25を下方に押す操
作が行われると、まず、吸気弁29が下降してその上壁
面が上板28の上面に密着し、これによって、ベローズ
27内とその上方空間との連通状態が遮断される。次い
で、押し板25と一体的に上板28が下降するのに伴っ
て、第2ばね27によって下方に付勢されている軸体3
0も下降し、これにより、下端の切換弁31が下ケース
22の下面から下側に離間して、上記したエアー吐出口
39が開状態となる。
【0048】同時に、下降した切換弁31が円形壁面2
3aに上方から当接して連通穴23bを塞ぎ、これによ
って、第1通路34は、第2通路37および蒸気通路3
8を通しての外部への連通状態が遮断される。したがっ
て、以降の押し板25の下降動作に伴い、ベローズ27
内で圧縮されるエアーが、上記エアー吐出口39を通し
て第1通路34から器内連通路35を通して貯湯空間1
a内に供給される。この結果、後述するように、押し板
25を押す手動操作で貯湯空間1a内の湯の給湯(以
下、手動給湯という)が行われる。
【0049】なお、上ケース21の前記した円筒壁21
aの下端側には、押し板25の下降を阻止する状態と、
許容する状態とを周方向の回転によって切換える押し板
ロック用筒体40がさらに外嵌されている。この筒体4
0における紙面手前側から上方に延びる操作部(図示せ
ず)の上端が、前記した手動給湯ロックつまみ40aと
して形成されている。
【0050】上記構成の蓋体2は、前記肩ケース5の後
端側(図において右端側)に設けられたヒンジ受け41
にヒンジピン42を介して開閉自在かつ着脱自在に支持
されている。一方、上ケース21の前端側には、この蓋
体2を閉位置(図示の位置)で容器本体1にロックする
ための蓋体ロック機構43が設けられている。このロッ
ク機構43は、上ケース21に沿って取付けられた蓋開
閉レバー44と、その下側で前後方向にスライド自在に
配置されたロック爪45と、このロック爪45を前方に
向けて付勢するバネ46とを設けて構成されている。蓋
開閉レバー44は、その前面側を上方から押すことで、
後方側が上方に跳ね上がるように回動し、このように蓋
開閉レバー44に対する回動操作を行うことで、ロック
爪45が後方にスライドしてロック状態が解除され、こ
の状態からさらに蓋開閉レバー44を上方に持ち上げる
ことで、蓋体2の全体が後端側のヒンジピン42回りに
回動し蓋体2が開けられるようになっている。
【0051】次に、前記内容器4内に貯留されている湯
を出湯させるための給湯配管構成について、図1を参照
して説明する。
【0052】内容器4には、その底部前面側に給湯配管
51が接続され、この給湯配管51に前記した電動ポン
プ52が介設されている。この給湯配管51における内
容器4と電動ポンプ52との間の給湯取水管53は、ヒ
ータユニット10と遮熱板11とにおける各前面側の切
欠穴を上下に貫通し、下端側が紙面奥側に延びて電動ポ
ンプ52の吸引口52aに接続されている。また、この
給湯取水管53の下端側における吸引口52aよりも紙
面手前側の箇所に、前面側(図において左側)に延びる
手動給湯用分岐管53aが設けられている。
【0053】この手動給湯用分岐管53aに、例えばシ
リコンゴムチューブから成る手動給湯用配管54が接続
され、この手動給湯用配管54は、給湯配管51と略平
行に、外ケース3と内容器4との間を上方に向かって延
びる形状で設けられている。なお、給湯配管51におけ
る鉛直部分は透明ガラス管から成る液量管51aとして
形成され、この液量管51aの外周面には水位目盛りが
印刷されている。また、これを前方から視認し得るよう
に、外ケース3は上記水位目盛りに沿う一部領域が透明
に形成されている。
【0054】一方、容器本体1における上部前面側の前
記注湯部1b内に、流路切換ユニット55が配置されて
いる。このユニット55内には、その上部側に後方から
前方に向かう出湯用流路空間55aを内部に形成する出
湯口管55bが設けられている。この出湯口管55bの
前端側下面に、下方に垂下する短寸の出口管55cが一
体形成され、この出口管55cの下方に、漏斗形状の給
湯口管56が取付けられている。
【0055】なお、出口管55cは、その下端側が給湯
口管56の上端開口を通してこの給湯口管56に挿入さ
れている。給湯口管56は、その下端側が注湯部1bの
下壁面を貫通してやや下方に突出するように設けられ、
その下端開口が給湯口56aとして形成されている。
【0056】流路切換ユニット55における後端側に
は、出湯用流路空間55aの下側に、略水平な仕切り壁
55cで出湯用流路空間55aから区画された流路切換
空間55eが設けられている。この流路切換空間55e
における後端側に、給湯配管51の上端が下側から接続
されている。さらに、給湯配管51に前方から近接する
位置に、略L字状の循環配管57が接続され、この循環
配管57を通して流路切換空間55eと内容器4内とが
相互に連通した構成となっている。
【0057】したがって本実施形態では、流路切換ユニ
ット55における前記出湯口管55bと、出口管55b
および給湯口管56とによって給湯口配管が構成され、
給湯配管51の上端側が、流路切換ユニット55におけ
る流路切換空間55eを介して、上記の給湯口配管と循
環配管57とに分岐された構成となっている。
【0058】そして、流路切換ユニット55における流
路切換空間55eへの循環配管57の接続口の上方に、
出湯用流路空間55aおよび仕切り壁55dを上下に貫
通する弁棒58aと、この弁棒58aの下端に取付けら
れた例えばゴム製の弁体58bとを備える流路切換弁5
8が設けられている。弁棒58aの上端側には、これを
囲うゴム製のシールキャップ58cが取付けられ、この
シールキャップ58c内にバネ58dが縮装されてい
る。このバネ58dによって、シールキャップ58cが
上方に伸長した状態で保持され、また、これと一体的に
流路切換弁58が上方に引き上げられてその上限位置
(図示の位置)で保持されている。
【0059】このとき、仕切り壁55dを弁棒58aが
貫通する貫通開口の周縁に弁体58bが下側から密着
し、これによって、出湯用流路空間55aと流路切換空
間55eとの連通、すなわち、出湯用流路空間55aと
給湯配管51との連通が遮断される一方、給湯配管51
に循環配管57が連通した状態で保持されている。した
がってこの状態で電動ポンプ52が作動されると、内容
器4内の湯水が給湯配管51・流路切換空間55e・循
環配管57を順次通して内容器4内に還流されて循環す
る(以下、このときの流路切換弁58の切換位置を循環
経路形成位置という)。
【0060】なお、内容器4への循環配管57の接続箇
所は、前記した満水目盛り6dに対応する高さ位置(以
下、満水位Lhという)よりも上方に設けられ、この接続
箇所には、例えば活性炭または備長炭や中空糸膜等が内
蔵された浄水器59を、内容器4の外周に設けられたナ
ット部材60に内容器4内から螺着させることで、この
浄水器59が循環配管57に接続されるようになってい
る。なお、このような浄水器59に代えて、例えばカル
シウム添加剤や麦飯石等が内蔵されたミネラル添加器な
どを取付けることも可能である。
【0061】流路切換弁58は、前記した給湯スイッチ
15の下面に一体形成されている垂下突起部の下端に、
シールキャップ58cを介して下側から当接するように
設けられている。これにより、給湯スイッチ15がユー
ザーによって押下操作されると、この給湯スイッチ15
によって流路切換弁58が下方に押動される。これに伴
い、弁体58bが仕切り壁55dから下方に離間して流
路切換空間55eが出湯用流路空間55aに連通する状
態に切換わる。
【0062】同時に、流路切換空間55eへの循環配管
57の開口部の周縁に弁体58bが上方から密着して、
流路切換空間55eへの循環配管57の連通状態が遮断
される。したがって、上記のように給湯スイッチ15が
押下された状態で電動ポンプ52が作動されると、内容
器4内の湯水は、給湯配管51・流路切換空間55eを
通して出湯用流路空間55aに流入し、さらに、出口管
55c・給湯口管56を通して給湯口56aから外部に
出湯される(以下、このときの流路切換弁58の切換位
置を給湯経路形成位置という)。
【0063】一方、前記した手動給湯用配管53は、そ
の上端側が、流路切換ユニット55における出湯口管5
5bに上方から接続されている。なお、この手動給湯用
配管54には転倒止水弁61が介設されている。
【0064】上記構成の電気ポットにおいては、内容器
4内に注水され、蓋体2が閉じられてプラグがコンセン
トに接続されると、前記のように再沸騰スイッチ52に
よる「おやすみ6」や「おやすみ9」のモード選択がな
い場合には、ヒータユニット10への通電がすぐに開始
されて、内容器4内の水が加熱される。そして、沸騰が
検出されると、カルキ抜きのために所定の時間だけ沸騰
状態を継続し、この時間経過後に、ブザーを作動して湯
沸かし運転が終了したことを報知し、同時に、所定の保
温温度に保持する保温運転に自動的に切換わる。
【0065】このような湯沸かし運転や保温運転中に、
電動ポンプ52が前記したマイコンにより、適度の時間
間隔で比較的低回転数で作動される。このとき、流路切
換弁58は前記した循環経路形成位置で保持されてい
る。したがって、上記のような電動ポンプ52の作動に
伴い、内容器4内の湯水は給湯配管51と循環配管57
とを通して循環する。これにより、内容器4内での自然
対流に加え、循環経路を通しての強制対流状態が付与さ
れることで、内容器4内の湯水の全体がより短時間で沸
き上がり、また、保温運転への移行後も、全体にわたっ
て均一な温度で保持される。さらに、前記した浄水器5
9などを通して循環することで、より美味しくなった湯
の貯留状態で保持される。
【0066】一方、保温中の湯の給湯は、前述した説明
から明らかなように、給湯スイッチ15に対する電動給
湯操作と、押し板25に対する手動給湯操作とをユーザ
ーが適宜選択して行われることになる。電動給湯を行う
場合には、ユーザーはまずロック解除スイッチ16を押
して電気的なロック状態を解除し、次いで、給湯スイッ
チ15を所望の給湯量が得られるまで押し続ける操作を
行う。
【0067】このとき、まずロック解除スイッチ16が
押された時点で電動ポンプ52の作動が前記マイコンに
よって開始される。したがって、この時点から、ユーザ
ーが給湯スイッチ15へと指先を移してこれを押すまで
の数秒間は、上記同様に内容器4内の湯が前記した循環
経路を通して循環する。これによって、給湯配管51内
に溜まっていた湯に幾分温度の低下が生じていても、こ
れは、上記した循環経路を通して内容器4内に戻され、
内容器4内の高温湯が給湯配管51内に新たに流入す
る。そして、その後の給湯スイッチ15の押下操作に伴
い、前記した給湯経路形成位置に流路切換弁58が切換
えられることによって、新たに給湯配管51内に流入し
た高温湯が給湯口56aから出湯される。この結果、ユ
ーザーは一杯目から所望の高温湯を確実に得ることがで
きる。
【0068】一方、本実施形態における電気ポットは、
前記のように内容器4が真空二重構造で形成され、これ
によって、保温のための加熱を行わずとも充分な保温性
能を備えている。したがって、容器本体1からプラグを
外して、この電気ポットを任意の場所に自由に持ち運び
することが可能となる。そして、特にこのような給電停
止状態でも、前記押し板25を押下操作することによっ
て給湯することができる。
【0069】この手動給湯操作では、まず手動給湯ロッ
クつまみ40aをそのロック位置からロック解除位置へ
とスライドさせて押し板25のロック状態を解除し、次
いでこの押し板25を押すことによって、前記ベローズ
ポンプ26からエアーが内容器4内に圧送されて加圧さ
れる。このとき、図1に示したように、流路切換ユニッ
ト55内では、流路切換弁58の弁体58bによって出
湯用流路空間55aへの循環配管57の連通状態は遮断
されている。したがって、内容器4内への圧送エアーが
循環配管57から給湯口56aへと漏れ出ることはな
く、ベローズ27の収縮量に応じたエアーが内容器4内
に供給されて加圧される。
【0070】このとき、給湯配管51内に滞留している
湯にも循環配管57と流路切換空間55eとを通して上
方から上記のエアー圧が加わるので、内容器4内から給
湯取水管53へと押し出される湯は、電動ポンプ52側
へと向かうことなく、手動給湯用分岐管53aから手動
給湯用配管54・流路切換ユニット55の出湯用流路空
間55a・出口管55c・給湯口管56を順次通して、
給湯口56aから出湯される。
【0071】以上の説明のように、本実施形態の電気ポ
ットにおいては、電動ポンプ52が介設された給湯配管
51とは別系統の手動給湯用配管54が設けられている
ので、給電状態では従来同様に内容器4内の湯水の循環
や電動給湯を行わせることができ、加えて、給電停止状
態でも手動給湯用配管54を通して手動給湯を行わせる
ことができるので、使い勝手が向上する。
【0072】なお手動給湯時には、内容器4内に圧送さ
れるエアーが循環配管57を通して器外に漏れることを
阻止する必要があるが、上記では給湯スイッチ15の押
下操作時以外、したがって給電停止時には、流路切換弁
58によって循環配管57が塞がれた状態で保持されて
いる。すなわち、この流路切換弁58が手動給湯時にお
けるエアー漏れ防止手段として機能する構成となってお
り、したがって、エアー漏れ防止用の部材を別途設ける
必要がないので、全体の製作費をより安価なものとする
ことが可能となっている。
【0073】また上記では、手動給湯用配管54の上端
側を、流路切換ユニット55の出湯口管55bに上方か
ら開口するように接続しているので、電動給湯時の逆流
が防止される。つまり、電動給湯時に、給湯配管51を
通して出湯用流路空間55aに流入した湯は、その上方
に開口する手動給湯用配管54へと流れ込むことはな
く、給湯口56aを通して出湯される。したがって、電
動給湯時に当初から充分な出湯量で給湯させることがで
きる。
【0074】また、手動給湯時においても、上記では出
湯用流路空間55aと流路切換空間55eとの連通が流
路切換弁58によって遮断されているので、給湯配管5
1への逆流も阻止されて、ベローズポンプ26に対する
手動操作に応じた出湯量で給湯することができる。な
お、このような逆流を生じさせないためには、例えば手
動給湯用配管54の上端部を給湯口管56の上端開口に
上方から挿入した構成等とすることも可能である。この
場合には、手動給湯時に流路切換弁58がいずれの切換
位置に位置しても、給湯配管51側に向かう逆流は生じ
ない。
【0075】一方、上記の手動給湯用配管54は、内容
器4側の端部を給湯配管51から分岐された手動給湯用
分岐管53aに接続して構成されている。すなわち、こ
の手動給湯用配管54を、内容器4の底部に直接接続し
て構成することも可能であるが、この場合には、内容器
4に2個の取水孔を形成することが必要となる。これに
対し、上記では内容器4に形成する取水孔は一個で良
く、また、給湯配管51の途中に手動給湯用配管54を
接続して構成する分岐配管構造も簡単に構成できるの
で、これによっても、全体の製作費をより安価なものと
することが可能になっている。
【0076】なお、手動給湯用配管54は、常時、給湯
口56aに連通しているが、この手動給湯用配管54に
転倒止水弁61が介設されていることによって、容器本
体1が転倒しても給湯口56aから高温湯が漏れ出るこ
とはなく、これによって安全性が確保される。
【0077】〔実施形態2〕次に、本発明の他の実施形
態について、図4を参照して説明する。なお、説明の便
宜上、前記図1〜図3に示した部材と同一の機能を有す
る部材には、同一の符号を付記して詳細な説明を省略す
る。後述するさらに他の実施形態においても同様とす
る。
【0078】前記実施形態1における電気ポットは、内
容器4の底部側と流路切換ユニット55との間に、給湯
配管51と手動給湯用配管54との二系統の給湯用配管
を互いに並設した構成としたが、本実施形態の電気ポッ
トは、図4に示すように、給湯取水管53の下端側を分
岐することなく、したがって手動給湯用配管54を設け
ることなく、給湯配管51を電動給湯と手動給湯とで共
有する構成となっている。
【0079】なお、流路切換ユニット55は、手動給湯
用配管54が接続されていない点を除いて、実施形態1
とほぼ同様に構成されている。そして、本実施形態にお
いては、流路切換弁58の下降動作が、給湯スイッチ1
5の押下操作に加え、さらに押し板25の押下操作にも
連動して生じるようにするための連動機構65がさらに
設けられている。
【0080】この連動機構65は、蓋体2内を押し板2
5側から注湯部1b側に向かって延びるスライドシャフ
ト66と、注湯部1b内の流路切換ユニット55の上方
に配置された回転板67とを設けて構成されている。ス
ライドシャフト66は、下ケース22における前面側の
壁面22aと、この下ケース22に立設されている立壁
22bとに各々形成されている貫通穴に挿通させて略水
平に支持されている。なお、このスライドシャフト66
の後端側には、上下に平板状に突出する回り止め部66
aが一体形成されている。この回り止め部66aを上記
立壁22bの貫通穴に嵌挿させて支持されている。
【0081】上記回り止め部66aと、下ケース22の
前面壁22aとの間に、このスライドシャフト66を後
方に付勢する圧縮コイルバネ68が縮装されている。こ
れにより、スライドシャフト66は、回り止め部66a
の後端面が後方側の立壁22bに当接した後退位置で保
持されている。この後退位置において、スライドシャフ
ト66の前端側が下ケース22の前面壁22aを貫通し
て、前端面が前記注湯部1bの内壁1cに近接して位置
する一方、後端が、押し板25における前面側の円筒壁
25bの下側に位置する長さ寸法で、このスライドシャ
フト66が形成されている。
【0082】上記押し板25の円筒壁25bの外面に
は、上下に突条に延びるシャフト押しリブ25cが一体
形成されている。このリブ25cと円筒壁25bとの下
端側は、下側に向かって後方に傾斜する傾斜押動面25
dとして形成され、また、スライドシャフト66の後端
面も、上記同様の方向に傾斜させて形成されている。
【0083】注湯部内壁1cには、上記スライドシャフ
ト66の前端面が対向する部位に貫通穴が形成され、こ
の貫通穴には、これを塞ぐ弾性体より成るパッキン69
が装着されている。一方、注湯部1b内の前記した回転
板67は後方側が断面略U字状に形成され、この断面U
字領域における略水平面部の下面に支軸67aが一体形
成されている。この支軸67aを、流路切換ユニット5
5の上壁面に設けられている支軸嵌合穴に嵌挿させて、
流路切換ユニット55の上方で、上記支軸67a回りに
回動自在に取付けられている。
【0084】回転板67における上記した断面U字領域
よりも前端側には略水平に前方に延びる水平面部が設け
られ、この水平面部を、流路切換弁58における前記シ
ールキャップ58cと、給湯スイッチ15との間に挟み
込んだ状態として、この回転板67が組付けられてい
る。この状態で、回転板67における後端の上方に延び
る垂直面部の上端側が、前記したパッキン69を挟んで
スライドシャフト66の前端面と対向して位置するよう
に構成されている。
【0085】さらに、本実施形態においては、循環配管
57にエアー逆止弁70が内装されている。循環配管5
7は、エアー逆止弁70の両側に二重管部57a・57
bを有する構造で形成されており、エアー逆止弁70
は、これら二重管部57a・57bの各内管の内径より
も径大な中空ボールで形成されている。このエアー逆止
弁70は、これを挟んで両側の圧力差に応じて循環配管
57を移動し、図示の位置では、左側の二重管部57a
における内管の端面に全周にわたって密着した状態にあ
る。これにより、この循環配管57を通しての流路が塞
がれた閉弁状態となっている。
【0086】一方、図において右側の二重管部57bに
おける内管には、その端面から軸方向に延びる切欠開口
57cが形成されている。したがって、エアー逆止弁7
0が図示の位置から右側に移動し、右側の二重管部57
bの内管の端面に当接しても上記切欠開口57cによっ
て流路は閉塞されず、これによって、この位置では開弁
状態が保持される。
【0087】上記構成においては、給電状態での例えば
電動給湯操作時には、前記同様に内容器4内の湯水の循
環が一旦生じ、その後、給湯される。すなわち、ロック
解除スイッチ16が押されて同時に電動ポンプ52が作
動され、これに伴って内容器4内の湯が給湯配管51か
ら循環配管57へと流入する。このとき、エアー逆止弁
70は前記開弁位置へと移動され、この循環配管57を
通して内容器4内に湯が還流する。
【0088】次いで、給湯スイッチ15を押す操作が行
われると、前記同様に流路切換弁58が下方に押動さ
れ、これにより、循環配管57が弁体58bによって塞
がれ、かつ、流路切換空間55eが出湯用流路空間55
aに連通して、内容器4内の湯が給湯口56aから出湯
される。
【0089】一方、押し板25の押下操作によって手動
による給湯が行われるときには、ベローズポンプ26の
収縮に伴って加圧エアーが内容器4内に供給され、内圧
が上昇する。この内圧上昇の過程で、当初にエアー逆止
弁70が前記した閉弁位置へと移動し、循環配管57を
通しての流路が塞がれる。次いで、押し板25の下降動
作の途中で、円筒壁25bおよびシャフト押しリブ25
cの下端がスライドシャフト66の後端に接し、以降の
下降動作に伴って、スライドシャフト66が傾斜押動面
25dによって前方に押動される。同時に、スライドシ
ャフト66の前端面がパッキン69に当接してこれを前
方に押すことになり、これによって、前方に弾性変形す
るパッキン69を介して、回転板67の後端側が前方に
押されて、この回転板67が支軸67a回りに図におい
て左回りに回動する。これに伴い、回転板67が流路切
換弁58を下降させる。
【0090】この結果、循環配管57が弁体58bによ
っても塞がれ、かつ、流路切換空間55eが出湯用流路
空間55aに連通する。これにより、内容器4内の圧力
上昇に伴って給湯取水管53へと押し出される湯は、停
止中の電動ポンプ52・給湯配管51・流路切換空間5
5e・出湯用流路空間55a・出口管55c・給湯口管
56を経て、給湯口56aから出湯される。
【0091】以上のように、本実施形態の電気ポットに
おいては、内容器4の底部と流路切換ユニット55の間
に単一の給湯配管51を設けて構成されている。この給
湯配管51は、給電停止状態で、給湯口56a側への連
通状態が流路切換弁58によって遮断されているが、さ
らに、押し板25の手動操作に連動して流路切換弁58
の切換位置の変化を生じさせる連動機構65が設けられ
ている。
【0092】これによって、内容器4と給湯口56aと
の間に単一の給湯経路を設けただけの構成であっても、
給湯配管51が電動給湯時と手動給湯時とで共用され
て、この給湯配管51を通して出湯し得るようになって
いる。したがって、このような構成によっても、給電状
態では従来同様に内容器4内の湯水の循環や電動給湯を
行わせることができ、また、給電停止状態でも手動操作
で給湯を行わせることができるので、使い勝手が向上す
る。
【0093】なお上記では、押し板25の下降動作に連
動させて流路切換弁58に切換動作が生じるようにする
ための連動機構65として、シャフト押しリブ25cと
スライドシャフト66とを設けた構成を例に挙げたが、
例えばギヤ式などのその他の機械的伝達機構で構成する
ことも可能である。
【0094】一方、上記では循環配管57にエアー逆止
弁70を設けており、これによって、手動給湯時におけ
る出湯量の低下が抑えられる。つまり、上記では押し板
25の押下操作の過程で流路切換弁58が循環配管57
を塞ぐ切換位置に切換わるようになっているものの、上
記のようなエアー逆止弁70が無いと、流路切換弁58
の切換移動が完了するまでは、内容器4内に供給される
エアーが循環配管57を通して器外に漏れることにな
る。そこで、内容器4内の圧力上昇に応じて移動するエ
アー逆止弁70を循環配管57に設けることで、押し板
25の押下操作の過程でより迅速に循環配管57を閉じ
るようにすることができる。これにより、ベローズポン
プ26の手動操作に伴って内容器4内に供給されるエア
ーのうち、循環配管57を通して漏出するエアー量をよ
り少なくできので、ベローズポンプ26の一回の押下操
作当たりの出湯量がより多くなって使い勝手が向上す
る。
【0095】なお上記実施形態では、エアー逆止弁70
を中空ボール状の弁体で形成したが、例えば図5に示す
ように、円形の平面部70aと、この平面部70aの中
心から上方に延びる軸部70bとを有する断面逆T字状
のゴム製の弁体でエアー逆止弁70を形成することも可
能である。この場合のエアー逆止弁70は、その軸部7
0bの上端側を、循環配管57に設けられている略水平
な仕切り壁57dの中央貫通穴に下側から貫通させて上
下動自在に支持されている。上記仕切り壁57dには、
中央貫通穴の外側に流路穴が複数形成されている。
【0096】このエアー逆止弁70を挟んで下側の圧力
が高くなると、このエアー逆止弁70が持ち上がり、平
面部70aが仕切り壁57dに下側から密着する。これ
により、上記の各流路穴が塞がれて、閉弁状態となる。
一方、エアー逆止弁70を挟んで上側の圧力が高く、或
いは圧力差の無い状態では、図示のように、平面部70
aが仕切り壁57dから下側に離間した状態で保持さ
れ、これによって、開弁状態で保持される。このような
エアー逆止弁70によっても、手動給湯時における出湯
量の低下を充分に抑えることができる。
【0097】〔実施形態3〕次に、本発明のさらに他の
実施形態について説明する。本実施形態における電気ポ
ットでは、図6に示すように、流路切換弁58の弁体5
8bが、常時は出湯用流路空間55aに流路切換空間5
5eを連通させる一方、循環配管57の出湯用流路空間
55aへの連通を遮断した切換位置、すなわち前記した
給湯経路形成位置で保持されるように構成されている。
【0098】この場合、流路切換弁58の上方に切換手
段として例えばソレノイド71が設けられ、このソレノ
イド71に通電することによって流路切換弁58が上方
に引き上げられる。これにより、出湯用流路空間55a
への連通状態が上記とは逆になって循環経路形成位置に
切換わるようになっている。なお、給湯配管51には転
倒止水弁61が介設されている。
【0099】この構成の電気ポットにおいては、沸騰加
熱運転や保温運転中に内容器4内の湯水を循環させる制
御は、前記マイコンによってまずソレノイド71に通電
され、これによって、循環経路形成位置への切換えが行
われた後、電動ポンプ52に通電することによって行わ
れる。
【0100】一方、電動給湯操作が行われる場合には、
同図には図示していない前記ロック解除スイッチ16が
押されたときに、前記マイコンによって上記同様にソレ
ノイド71に通電され、これによって、循環経路の形成
状態へ切換えられる。次いで、電動ポンプ52への通電
が開始され、これによって、出湯直前に、内容器4内の
湯が給湯配管51と循環配管57とを通して循環する。
その後、図示しない給湯スイッチ15が押されたことが
検知されると、ソレノイド71への通電が停止され、こ
れによって給湯経路形成状態に切換わって、給湯配管5
1から流路切換ユニット55の出湯用流路空間55aを
経て給湯口56aから高温湯が出湯される。
【0101】また、手動給湯操作が行われる場合、給電
停止状態で給湯経路形成状態にあり、また、循環配管5
7は流路切換弁58の弁体58bで塞がれているので、
押し板25を押す操作に伴って貯湯空間1a内に供給さ
れるエアーは、この状態で循環配管57を通して漏れ出
ることはなく、したがって、内容器4内の内圧の上昇に
伴い、内容器4内の湯が上記同様に給湯配管51から流
路切換ユニット55を通して給湯口56aから出湯され
る。
【0102】このように、本実施形態における電気ポッ
トにおいては、給電停止状態で給湯配管51が給湯口5
6a側に連通した状態で保持されているので、押し板2
5の押下操作に伴い、給湯配管51を通して内容器4内
の湯が出湯される。したがって、この構成においても、
給電状態では従来同様に内容器4内の湯水の循環や電動
給湯を行わせることができ、また、給電停止状態でも手
動操作で給湯を行わせることができるので、使い勝手が
向上する。
【0103】また上記では、流路切換弁58が、給電停
止状態で循環配管57を塞ぐ切換位置に位置するように
なっているので、この流路切換弁28が手動給湯時のエ
アー漏れ防止手段として機能する。したがって、エアー
漏れ防止用の部材を別途設ける必要がないので、全体の
製作費をより安価なものとすることができる。
【0104】なお上記では、電動給湯時や手動給湯時以
外のときも、給湯配管51が給湯口56a側に連通した
状態であるので、この給湯配管51、或いは前記流路切
換ユニット55よりも給湯口56a側の前記給湯口配管
に転倒止水弁61を介設した構成とすることが必要であ
り、これによって、容器本体1が転倒しても、給湯口5
6aから湯が漏れ出ることが防止されて安全性が確保さ
れる。
【0105】〔実施形態4〕次に、本発明のさらに他の
実施形態について説明する。本実施形態における電気ポ
ットでは、図7に示すように、常時は、流路切換弁58
の弁体58bが、流路切換ユニット55における流路切
換空間55eへの出湯用流路空間55aの開口位置と、
循環配管57の開口位置との中間の高さ位置を上昇切換
位置として、この位置で保持されている。これによっ
て、出湯用流路空間55aに流路切換空間55eと循環
配管57との双方が連通している。なおこの場合の流路
切換弁58は、前記図1を参照して説明した実施形態1
と同様に、給湯スイッチ15の押下操作に伴って下降
し、これによって、流路切換空間55eへの循環配管5
7の連通を遮断した下降位置に切換わる。
【0106】なお、循環配管57には、例えば前記図5
に示したと同様のエアー逆止弁70が内装され、また、
給湯配管51には、図6に示したと同様に転倒止水弁6
1が介設されている。
【0107】この電気ポットにおいては、内容器4内の
湯水の循環時には、通常、このときの電動ポンプ52の
回転数、すなわち電動ポンプ52の吐出量を電動給湯時
よりも充分に小さくして行われることを利用して行われ
る。つまり、電動ポンプ52を低速で作動しているとき
に給湯配管51を通して流路切換ユニット55の流路切
換空間55eに流入した湯水は、この流路切換空間55
eに下側から開口している循環配管57を通して流下
し、内容器4へと還流する。こうして湯水が循環してい
る状態で流路切換空間55e内での水位が上方の出湯用
流路空間55aには達しないように、この流路切換空間
55eの空間形状が電動ポンプ52の低速運転時の吐出
量に合わせて設定されている。
【0108】この電気ポットにおいて電動給湯操作が行
われるときには、前記ロック解除スイッチ16が押され
たときに、電動ポンプ52を上記のように低速で作動す
る運転が開始され、これによって、内容器4内の湯を上
記同様に循環させる。その後、給湯スイッチ15が押さ
れたことが検知されると、電動ポンプ52の回転数を所
定の給湯時回転数に上昇させる制御が行われ、同時に、
給湯スイッチ15の押下操作に伴って流路切換弁58が
下降して循環配管57が塞がれるので、電動ポンプ52
の回転数に応じた充分な出湯量で給湯口56aから給湯
される。
【0109】一方、手動給湯操作が行われるとき、押し
板25を押す操作に伴って内容器4内にエアーが供給さ
れると、当初に循環配管57内のエアー逆止弁70が閉
弁状態に切換わり、これにより、エアー漏れが防止され
た状態となる。したがって、以降の押し板25の押下操
作に伴って内容器4の内圧が上昇し、これによって、内
容器4内の湯が上記同様に給湯配管51から流路切換ユ
ニット55を通して給湯口56aから出湯される。
【0110】なお、容器本体1が転倒した場合、給湯配
管51に介設されている転倒止水弁61によって湯の漏
出が防止され、また、循環配管57を通しての湯の漏出
も、上記エアー逆止弁70によって防止される。
【0111】以上のように、本実施形態の電気ポットに
おいては、給電停止状態で給湯配管51と循環配管57
との両者が給湯口56a側に連通する構成となってお
り、この場合でも、循環配管57に手動給湯時にこれを
塞ぐエアー逆止弁70が設けられていれば、押し板26
の手動操作で給湯させることができる。したがってこの
ような構成でも、給電状態での内容器内の湯水の循環や
電動給湯を行わせることができ、また、給電停止状態に
おける手動操作での給湯を行わせることができるので、
使い勝手が向上する。
【0112】この場合に上記では、給湯配管51が接続
された流路切換空間55eを給湯配管51の上端部領域
として、この箇所への循環配管57の開口位置を、給湯
口配管でもある流路切換ユニット55の出湯口管55b
の開口位置よりも下側に設けているので、流路切換弁5
8を、出湯口管55bに給湯配管51と循環配管57と
の両者が連通した前記上昇切換位置に位置させたまま、
内容器4内の湯水の循環を行えるようになっている。
【0113】したがって、流路切換弁58は、電動給湯
時に循環配管57を塞ぐ下降位置と、上記の上昇切換位
置との2ポジションの切換位置を有するもので構成で
き、循環時に出湯用流路空間55a側を塞ぐような3ポ
ジションの切換位置を有するものを用いる必要はないの
で、これによっても全体の製作費をより安価なものとす
ることが可能となっている。
【0114】以上にこの発明の具体的な実施形態につい
て説明したが、この発明は上記各形態に限定されるもの
ではなく、この発明の範囲内で種々変更することが可能
である。例えば図6を参照して説明した実施形態3以外
の各形態では、流路切換弁58が給湯スイッチ15で押
動され下降して切換動作が生じる構成を例に挙げたが、
これらの各形態においても、実施形態3におけるソレノ
イド71のような電気的な駆動手段を設けて流路切換弁
58の切換動作が生じる構成等とすることが可能であ
る。
【0115】また上記各形態では、内容器4を真空二重
構造で構成した電気ポットを例に挙げて説明したが、そ
の他の断熱仕様の電気ポットにも本発明を適用して構成
することが可能である。
【0116】
【発明の効果】以上のように、本発明の電気ポットにお
いては、給電状態では従来同様に内容器内の湯水の循環
や電動ポンプによる給湯を行わせることができ、加え
て、給電停止状態でもエアーポンプの手動操作で安定し
た給湯を行わせることができるので、使い勝手が向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における電気ポットの前面
側の構成を示す半断面図である。
【図2】上記電気ポットの全体構成を示すもので、同図
(a)は平面図、同図(b)は縦断面図である。
【図3】上記電気ポットの上部側の構成を示す要部拡大
断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態における電気ポットの前
面側の構成を示す半断面図である。
【図5】本発明のさらに他の実施形態における電気ポッ
トの前面上部側の構成を示す要部拡大断面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施形態における電気ポッ
トの前面上部側の構成を示す要部断面図である。
【図7】本発明のさらに他の実施形態における電気ポッ
トの前面上部側の構成を示す要部断面図である。
【図8】従来の電気ポットを示す概略構成図である。
【符号の説明】
4 内容器 26 ベローズポンプ(エアーポンプ) 51 給湯配管 52 電動ポンプ 54 手動給湯用配管 55b 出湯口管(給湯口配管) 55c 出口管(給湯口配管) 56 給湯口管(給湯口配管) 56a 給湯口 57 循環配管 58 流路切換弁 61 転倒止水弁 65 連動機構 70 エアー逆止弁(エアー漏れ防止手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47J 27/21 101 A47J 41/02 103

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湯水が貯留される内容器の底部側に接続
    されて上方に延びる給湯配管に電動ポンプを介設する一
    方、給湯配管の上端側を給湯口に至る給湯口配管と内容
    器内の上部側に連通する循環配管とに分岐し、分岐箇所
    に、給湯配管への給湯口配管と循環配管との連通状態を
    切換える流路切換弁を設けて、電動ポンプの作動時に内
    容器内の湯水が給湯配管から給湯口配管を通して出湯さ
    れる電動給湯状態と、循環配管を通して内容器内に還流
    される循環状態との切換え可能に形成した電気ポットで
    あって、 手動による収縮変形でエアーを内容器内に供給し加圧し
    て給湯するためのエアーポンプを設けると共に、エアー
    ポンプの手動操作時に内容器の底部側を給湯口に連通さ
    せる手動給湯経路形成手段と給湯口配管への循環配管の
    連通を遮断するエアー漏れ防止手段とを設けていること
    を特徴とする電気ポット。
  2. 【請求項2】 請求項1の電気ポットであって、流路切
    換弁をバイパスして内容器の底部側を給湯口に連通させ
    る手動給湯用配管を上記手動給湯経路形成手段として設
    けていることを特徴とする電気ポット。
  3. 【請求項3】 請求項2の電気ポットであって、流路切
    換弁を、給湯配管への給湯口配管と循環配管との連通状
    態を択一的に切換えるように形成して、この流路切換弁
    が上記エアー漏れ防止手段として機能するように形成し
    ていることを特徴とする電気ポット。
  4. 【請求項4】 請求項3の電気ポットであって、手動給
    湯用配管における給湯口側の端部を、給湯口配管内に上
    方から開口するように設けていることを特徴とする電気
    ポット。
  5. 【請求項5】 請求項2から4のいずれかの電気ポット
    であって、手動給湯用配管における内容器側の端部を、
    給湯配管における電動ポンプと内容器との間の箇所に接
    続していることを特徴とする電気ポット。
  6. 【請求項6】 請求項1の電気ポットであって、流路切
    換弁を、給電停止状態で給湯配管への給湯口配管の連通
    を遮断するように形成すると共に、エアーポンプの手動
    操作に連動して流路切換弁を給湯口配管が給湯配管に連
    通する切換位置に変位させる連動機構を前記手動給湯経
    路形成手段として設けていることを特徴とする電気ポッ
    ト。
  7. 【請求項7】 請求項6の電気ポットであって、循環配
    管に、エアーポンプの手動操作に伴う内容器内の圧力上
    昇に応じて循環配管を通しての流路を閉じるエアー逆止
    弁を前記エアー漏れ防止手段として設けていることを特
    徴とする電気ポット。
  8. 【請求項8】 請求項1の電気ポットであって、流路切
    換弁を、給電停止状態で給湯配管に給湯口配管が連通し
    た切換位置で保持されるように形成して、この流路切換
    弁が手動給湯経路形成手段として機能するように形成し
    ていることを特徴とする電気ポット。
  9. 【請求項9】 請求項8の電気ポットであって、流路切
    換弁を、給電停止状態で給湯配管への循環配管の連通を
    遮断するように形成して、この流路切換弁がエアー漏れ
    防止手段としても機能するように形成していることを特
    徴とする電気ポット。
  10. 【請求項10】 請求項8の電気ポットであって、流路
    切換弁を、給電停止状態で給湯口配管と給湯配管との両
    者が給湯配管に連通する切換位置に位置するように形成
    して、この流路切換弁が手動給湯経路形成手段として機
    能するように形成する一方、循環配管に、エアーポンプ
    の手動操作に伴う内容器内の圧力上昇に応じて循環配管
    を通しての流路を閉じるエアー逆止弁を前記エアー漏れ
    防止手段として設けていることを特徴とする電気ポッ
    ト。
  11. 【請求項11】 請求項10の電気ポットであって、給
    湯配管への循環配管の接続口を給湯配管への給湯口配管
    の接続口よりも下方に設けていることを特徴とする電気
    ポット。
  12. 【請求項12】 請求項8から11のいずれかの電気ポ
    ットであって、給湯配管と給湯口配管との一方に転倒止
    水弁を介装していることを特徴とする電気ポット。
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