JPH09134004A - 着色レジスト組成物およびその製造方法 - Google Patents

着色レジスト組成物およびその製造方法

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JPH09134004A
JPH09134004A JP28872995A JP28872995A JPH09134004A JP H09134004 A JPH09134004 A JP H09134004A JP 28872995 A JP28872995 A JP 28872995A JP 28872995 A JP28872995 A JP 28872995A JP H09134004 A JPH09134004 A JP H09134004A
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JP
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molecular weight
weight
pigment
acrylic acid
methacrylic acid
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JP28872995A
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Shigeo Hozumi
滋郎 穂積
Hiroya Nakagawa
弘也 中川
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 顔料の微粒化を可能にするミルベースの安定
性を確保したうえで、レットダウン後、得られる塗膜の
適正な現像性、感度をも確保した着色レジスト組成物を
提供する。 【解決手段】 (a)(メタ)アクリル酸と分子中にカ
ルボキシル基を有しない(メタ)アクリル酸エステルと
の共重合体からなり、ポリスチレン換算重量平均分子量
が10,000〜60,000の範囲にあり、かつ希アルカリ性水溶
液からなる現像液に可溶な低分子量バンイダーポリマ
ー、(b)(メタ)アクリル酸と分子中にカルボキシル
基を有しない(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体
からなり、ポリスチレン換算重量平均分子量が80,000〜
130,000 の範囲にあり、かつ希アルカリ性水溶液からな
る現像液に可溶な高分子量バンイダーポリマー、(c)
光重合性モノマー、(d)顔料、(e)光重合開始剤、
および(f)溶剤を含有する着色レジスト組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー液晶ディス
プレイやカラービデオカメラなどに使用されるカラーフ
ィルターの製造に好適な着色レジスト組成物、およびそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カラーフィルターは、ガラスやプラスチ
ックなどの透明基板またはシリコンなどの不透明基板上
に、赤(R)、緑(G)および青(B)の三原色要素を
形成することにより製造される。カラーフィルターの製
造方法は、例えば「電子材料」第29巻第2号(1990年2
月号、工業調査会発行)第 37-42頁に示されるとおり、
染色法、電着法、印刷法および顔料分散法の4種に大別
される。
【0003】これらのうち染色法は、高精細、高コント
ラストで、かつ色純度の高いカラーフィルターを与える
が、製造工程が長くて煩雑であり、また耐久性(耐熱
性、耐候性、耐湿性)に劣る欠点がある。電着法は、微
視的な膜厚のコントロールが難しく、また液晶駆動の点
から、他の方法に比べてアクティブマトリックスへの対
応が難しいといわれている。印刷法は、既存の印刷技術
の応用で安価にできる長所があるが、インク切れ不良に
よる表面平滑性不良や、高精細パターンに限界があるな
どの欠点がある。
【0004】顔料分散法においては、予め赤、緑および
青の顔料をそれぞれ、レジスト樹脂中に分散または溶解
させ、フォトリソグラフィーによりパターンを形成する
方法が主流になっている。この方法は、製造工程が比較
的簡単で、高い耐久性とパターンの寸法精度を有してい
ることから、カラーフィルターの製造方法として最もバ
ランスのとれたものといわれている。
【0005】この顔料分散法に用いる着色レジスト組成
物は、一般的に次のような手順で調製されている。すな
わち、予め顔料を、最終レジスト組成物中に存在すべき
所定量のバインダーポリマーのうちの一部および溶剤と
混合し、必要に応じてさらに分散剤を混合し、この混合
液をビーズミル装置や三本ロールなどで処理して、顔料
の平均粒子径が0.3μm 程度以下となるまで微粒化し、
高顔料濃度の着色ミルベースを調製する。このミルベー
スに、最終レジスト組成物中に存在すべき残り量のバイ
ンダーポリマー、光重合性モノマー、光重合開始剤およ
び溶剤を加え、着色レジスト組成物の適性配合比となる
ようレットダウン(希釈)することにより、最終レジス
ト組成物が得られる。
【0006】また、これら着色レジスト組成物を用いた
カラーフィルターには、高いコントラストおよび高い色
純度という性能が求められる。そして、これらの性能を
発現するためには、着色レジスト中の顔料の平均粒子径
をできるだけ小さくする必要があるといわれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】着色レジスト組成物中
の顔料の平均粒子径を小さくするためには、着色ミルベ
ース調製時に、より高いシェアーを長時間加えることが
必要となる。特にビーズミル装置を用いて着色ミルベー
スを作製する場合、用いるアクリル共重合体からなるバ
インダーポリマーの分子量があるレベルより大きくなる
と、ミリング中にミルベースの粘度が急激に上昇する現
象が見られる。そして極端な場合、ミルベースはゼリー
状に固化してしまう。この現象を回避するために、用い
るアクリル共重合体からなるバインダーポリマーの分子
量を低下させると、レットダウン後に得られる着色レジ
スト塗膜の現像液への溶解速度が速くなり、適正な現像
時間範囲が狭くなり、また場合によっては感度が低下す
ることもある。
【0008】本発明の目的は、顔料の微粒化を可能にす
るミルベースの安定性を確保したうえで、レットダウン
後、得られる塗膜の適正な現像性および感度をも確保し
た着色レジスト組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を行った結果、着色レジスト
組成物を構成するアクリル共重合体からなるバインダー
ポリマーとして、平均分子量の異なるものを組み合わせ
て用いることにより、優れた結果が得られることを見い
だし、本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち本発明は、次の各成分を含有する
着色レジスト組成物を提供するものである。
【0011】(a)アクリル酸またはメタクリル酸と分
子中にカルボキシル基を有しないアクリル酸エステルま
たはメタクリル酸エステルとの共重合体からなり、ポリ
スチレン換算重量平均分子量が 10,000 〜 60,000 の範
囲にあり、かつ、希アルカリ性水溶液からなる現像液に
可溶な低分子量バンイダーポリマー、(b)アクリル酸
またはメタクリル酸と分子中にカルボキシル基を有しな
いアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルとの
共重合体からなり、ポリスチレン換算重量平均分子量が
80,000 〜130,000 の範囲にあり、かつ、希アルカリ性
水溶液からなる現像液に可溶な高分子量バンイダーポリ
マー、(c)光重合性モノマー、(d)顔料、(e)光
重合開始剤、および(f)溶剤。
【0012】この組成物を調製するにあたっては、高顔
料濃度の着色ミルベースを作製する際に低分子量バンイ
ダーポリマー(a)を用い、これと、顔料(d)および
溶剤(f)を含有する着色ミルベースとし、さらに上記
(b)、(c)、(e)および(f)の各成分を含有さ
せるのが好ましい。
【0013】そこで本発明はまた、上記低分子量バンイ
ダーポリマー(a)、顔料(d)および溶剤(f)を含
有する着色ミルベースを調製すること、およびこの着色
ミルベースを、上記高分子量バンイダーポリマー
(b)、光重合性モノマー(c)、光重合開始剤(e)
および溶剤(f)と混合することにより、着色レジスト
組成物を製造する方法をも提供する。
【0014】以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明においては、ポリスチレン
換算重量平均分子量が 10,000 〜 60,000 の範囲にある
低分子量バインダーポリマーと、ポリスチレン換算重量
平均分子量が80,000 〜130,000 の範囲にある高分子量
バインダーポリマーとを組み合わせて用いる。いずれの
バインダーポリマーも、アクリル酸またはメタクリル酸
と分子中にカルボキシル基を有しないアクリル酸エステ
ルまたはメタクリル酸エステルとの共重合体からなるも
のであり、かつ希アルカリ性水溶液からなる現像液に可
溶なものである。かかるバインダーポリマーにおいて、
アクリル酸またはメタクリル酸と共重合する分子中にカ
ルボキシル基を有しないアクリル酸エステルまたはメタ
アクリル酸エステルの具体例としては、メチルアクリレ
ート、メチルメタクリレート、ベンジルアクリレート、
ベンジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリ
レート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、オリゴ
エチレングリコールモノアルキルエステルアクリレー
ト、オリゴエチレングリコールモノアルキルエステルメ
タクリレートなどが挙げられる。
【0016】バインダーポリマーの使用量は、レジスト
組成物中の全固形分に対し、低分子量バインダーポリマ
ーおよび高分子量バインダーポリマーの合計で、一般的
には5〜90重量%、好ましくは20〜70重量%の範
囲である。低分子量バインダーポリマーと高分子量バイ
ンダーポリマーの比率は特に限定されないが、通常は重
量比で1:1程度、より一般化した数値で示せば30〜
70:70〜30程度の範囲が好ましい。ミルベース作
製時に低分子量バインダーポリマーを使用し、レットダ
ウン時に高分子量バインダーポリマーを添加する場合
は、ミルベースの安定性と適正な現像性および感度との
バランスをとるうえで、低分子量バインダーポリマーと
高分子量バインダーポリマーの使用重量比率を上記範囲
とするのが好ましい。
【0017】光重合性モノマーは、単官能モノマーの
他、2官能、3官能、その他の多官能モノマーであるこ
とができる。単官能モノマーの具体例としては、ノニル
フェニルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシ−
3−フェノキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキ
シルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシエチル
アクリレート、N−ビニルピロリドンなどを、 2官能
モノマーの具体例としては、トリプロピレングリコール
ジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレー
ト、テトラエチレングリコールジアクリレート、ビスフ
ェノールAジアクリレートなどを、3官能モノマーの具
体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどを、ま
たその他の多官能モノマーの具体例としては、ジペンタ
エリスリトールペンタおよびヘキサアクリレートなどを
挙げることができる。これらの光重合性モノマーは、2
種類以上を併用することも可能である。光重合性モノマ
ーの使用量(2種類以上併用する場合はその合計量)
は、レジスト組成物中の全固形分に対して、一般的には
5〜90重量%、好ましくは20〜70重量%の範囲で
ある。
【0018】顔料は、着色レジストに通常用いられる各
種のものであることができる。具体例としては、硫酸バ
リウム、硫化ビスマス、亜鉛華、硫酸鉛、酸化チタン、
黄色鉛、ベンガラ、群青、紺青、酸化クロム、カーボン
ブラックのような無機顔料、以下にカラーインデックス
(C.I.)ナンバーで示した有機顔料などがある。
【0019】C.I.ピグメントイエロー 20,24,8
3,86,93,109,110,117,125,1
37,138,139,147,148,153,15
4,166,168; C.I.ピグメントオレンジ 36,43,51,55,5
9,61; C.I.ピグメントレッド 9,97,122,123,1
49,168,177,180,192,215,21
6,217,220,223,224,226,22
7,228,240,48:1; C.I.ピグメントバイオレット 19,23,29,3
0,37,40,50; C.I.ピグメントブルー 15,15:3,15:6,2
2,60,64; C.I.ピグメントグリーン 7,36; C.I.ピグメントブラウン 23,25,26; C.I.ピグメントブラック 7。
【0020】顔料は、レジスト組成物中の全固形分に対
して、一般的には5〜80重量%、好ましくは20〜8
0重量%の範囲で使用される。
【0021】光重合開始剤も、この分野で通常用いられ
る各種のものであることができる。その具体例として
は、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイ
ンエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルの
ようなベンゾインおよびそのアルキルエーテル類;アセ
トフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセト
フェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフ
ェノン、2,2−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロ
キシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−
〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプ
ロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1
−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1のような
アセトフェノン類;2,4−ジエチルチオキサントン、
2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロチ
オキサントンのようなチオキサントン類;アセトフェノ
ンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタールのよう
なケタール類;ベンゾフェノン類;アントラキノン類;
キサントン類;2,4−ビス(トリクロロメチル)−6
−(4−メトキシフェニル)トリアジン、2,4−ビス
(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)
トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−
(4−メトキシ−1−ナフチル)トリアジンのようなs
−トリアジン類;2,2′−ビス(o−クロロフェニ
ル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビスイミダ
ゾリル、2,2′−ビス(o−メトキシフェニル)−
4,4′,5,5′−テトラフェニルビスイミダゾリル
のようなヘキサアリールビスイミダゾール系化合物など
が挙げられる。これらの光重合開始剤は、それぞれ単独
で、または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0022】また、これらの光重合開始剤に加えて、水
素供与体を併用することもできる。水素供与体の例とし
ては、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプ
トベンゾオキサゾールのような芳香族メルカプタン系化
合物、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチ
ルアミノ安息香酸イソアミルのような芳香族アミン系化
合物などが挙げられる。光重合開始剤は、バインダーポ
リマーおよび光重合性モノマーの合計量を基準に、2種
以上の光重合開始剤を併用する場合はその合計量とし
て、また水素供与体を併用する場合はその量も含めて、
一般的には0.2〜30重量%、好ましくは2〜20重量
%の範囲で使用される。
【0023】溶剤も、この分野で通常用いられる各種の
ものであることができる。具体例としては、エチレング
リコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノ
エチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエー
テル、エチレングリコールモノブチルエーテルのような
エチレングリコールモノアルキルエーテル類;ジエチレ
ングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコール
ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエ
ーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルのよう
なジエチレングリコールジアルキルエーテル類;メチル
セロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートの
ようなエチレングリコールアルキルエーテルアセテート
類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテー
ト、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテ
ートのようなプロピレングリコールアルキルエーテルア
セテート類;ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳
香族炭化水素類;メチルエチルケトン、アセトン、メチ
ルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキ
サノンのようなケトン類;エタノール、プロパノール、
ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチ
レングリコール、グリセリンのようなアルコール類;酢
酸ブチル、乳酸エチルのようなエステル類;γ−ブチロ
ラクトンのような環状エステル類などが挙げられる。こ
れらの溶剤は、それぞれ単独で、または2種類以上混合
して用いることができる。溶剤の好ましい使用量は、レ
ジスト組成物中の全固形分に対して0.2〜20重量倍程
度である。
【0024】本発明の着色レジスト組成物は、例えば以
下のようにして調製できる。すなわち、予め顔料を、先
に説明した低分子量バインダーポリマーとともに溶剤と
混合し、顔料の平均粒子径が0.2μm 以下程度となるま
で、ビーズミルなどを用いて分散させる。この際、必要
に応じて分散剤が使用される。 得られた顔料分散液
(ミルベース)に、先に説明した高分子量バインダーポ
リマー、光重合性モノマー、光重合開始剤および溶剤、
また必要に応じて使用されるその他の成分を、所定の濃
度となるように添加し、目的の着色レジスト組成物を得
る。
【0025】ここで、着色レジスト組成物の保存安定性
を向上させる目的で、ハイドロキノン、メチルハイドロ
キノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、t−ブチ
ルカテコールのような熱重合禁止剤を添加することがで
きる。熱重合禁止剤を用いる場合は通常、光重合性モノ
マーの重量を基準に 500〜2,000 ppm 程度の範囲で添加
される。さらに、着色レジスト組成物の塗布性を向上さ
せる目的で、フッ素やシリコンなどを含有するレベリン
グ剤やフローコントロール剤などを添加することもでき
る。レベリング剤やフローコントロール剤などを用いる
場合は、着色レジスト組成物の全重量を基準に1ppm 〜
5%程度の範囲で添加される。その他、必要に応じて種
々の添加剤を配合することもできる。
【0026】本発明のレジスト組成物は、例えば以下の
ようにして基材上に塗布し、光硬化および現像をするこ
とができる。まず、レジスト液を基材(通常はガラス基
板)上にスピンコートし、溶剤を加温乾燥(プリベー
ク)することにより、平滑な塗膜を得る。このときの塗
膜の膜厚は、およそ1〜2μm 程度である。このように
して得られた塗膜に、目的の画像を形成するためのネガ
マスクを介して紫外線を照射する。この際、露光部全体
に均一に平行光線が照射されるよう、マスクアライナー
などの装置を使用するのが好ましい。さらにこの後、硬
化の終了した塗膜を希アルカリ水溶液または適当な有機
溶剤に接触させて未硬化部を溶解させ、現像することに
より、目的とする画像が得られる。現像後、必要に応じ
て150〜230℃で10〜60分程度、後硬化(ポス
トベーク)することもできる。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例によって限定される
ものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%およ
び部は、特にことわらないかぎり重量基準である。
【0028】実施例1〜8および比較例1〜12 〈ミルベースの調製〉表1に示す各色の顔料を用いて、
それぞれの色につき表2に示す配合で混合液とした。こ
の混合液をサンドミルで5時間処理して、分散・微粒化
し、ミルベースを得た。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】 ミルベースの配合 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 顔 料 20部 バインダーポリマー *1 10〃 プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 64〃 分散剤 *2 6〃 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ *1 バインダーポリマー:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=60/40 (モル比)の共重合体、重量平均分子量は表4に記載 *2 分散剤: Disperbyk 161(商品名、ビック・ケミー社製)
【0031】〈レジストフォーミュレーション〉上で得
られたミルベースを、表3に示す組成となるように、バ
インダーポリマー、光重合性モノマー、光重合開始剤お
よび溶剤で希釈(レットダウン)して、着色レジスト組
成物を得た。なお、ミルベース調製時に用いたバインダ
ーポリマーおよびレットダウン時に用いたバインダーポ
リマーの重量平均分子量(ポリスチレン換算)は、表4
に示した。
【0032】
【表3】 各色のレジストの組成 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 成分(部) 赤 緑 青 黒 ────────────────────────────── バインダーポリマー合計 *1 8.5 9.0 9.5 9.5 光重合性モノマー *3 8.5 9.0 9.5 9.5 顔 料 8.0 9.0 7.0 6.7 プロピレングリコールモノ メチルエーテルアセテート 75.0 73.0 74.0 74.3 分散剤 2.4 2.7 2.1 2.0 光重合開始剤 *4 3.4 3.6 3.8 3.8 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ *1 バインダーポリマー:ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=60/40 (モル比)の共重合体、重量平均分子量は表4に記載 *3 光重合性モノマー:トリメチロールプロパントリアクリレート *4 光重合開始剤:2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モ ルフォリノプロパノン−1
【0033】
【表4】
【0034】〈レジスト評価〉透明基板として2インチ
角のガラスを用い、中性洗剤、水およびアルコールにて
洗浄を行い、乾燥して準備した。このガラス基板上に、
上で調製したそれぞれのレジスト液を 2,000〜3,500 rp
m でスピンコートし、次に100℃で3分間プリベーク
した。スピンコートの際、乾燥後の各色の膜厚が1〜
1.5μm になるよう調整した。続いて、KASPER 2001 露
光機(カスパー社製)により、グレースケールとなった
20μm のラインアンドスペースを用いてパターニング
露光した。このとき、最大露光量は 2,000 mJ/cm2
し、露光はすべて大気雰囲気下で行った。その後、1%
炭酸水素ナトリウム水溶液により25℃でディップ処理
し、さらに水でリンスして、現像した。
【0035】上記ディップ処理の時間を種々に変更し、
220℃で30分間ポストベークを行ったあとに得られ
たラインアンドスペースパターンを光学顕微鏡で観察し
て、20μm のラインアンドスペースパターン形状を保
持できる最適現像時間幅を求めた。また、最適現像条件
下でラインアンドスペースパターンが20μm を保持で
きている最小露光量を感度とした。各色毎の結果を表5
に示す。
【0036】
【表5】 レジストの評価結果 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 例 No. 顔料 ミルベース分散状態 最適現像時間幅 感度 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例1 赤 問題なし 20 秒 30 mJ/cm2 〃 2 〃 かなり増粘するも分散可 30 〃 30 〃 比較例1 〃 ゼリー状で分散不可 − − 〃 2 〃 かなり増粘するも分散可 5〜10 秒 50 mJ/cm2 〃 3 〃 問題なし 5 〃 70 〃 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例3 緑 問題なし 20 秒 40 mJ/cm2 〃 4 〃 かなり増粘するも分散可 30 〃 35 〃 比較例4 〃 ゼリー状で分散不可 − − 〃 5 〃 かなり増粘するも分散可 10 秒 55 mJ/cm2 〃 6 〃 問題なし 5 〃 80 〃 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例5 青 問題なし 20 秒 30 mJ/cm2 〃 6 〃 かなり増粘するも分散可 30 〃 25 〃 比較例7 〃 ゼリー状で分散不可 − − 〃 8 〃 かなり増粘するも分散可 5〜10 秒 40 mJ/cm2 〃 9 〃 問題なし 5 〃 70 〃 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 実施例7 黒 問題なし 20 秒 200 mJ/cm2 〃 8 〃 かなり増粘するも分散可 30 〃 170 〃 比較例10 〃 ゼリー状で分散不可 − − 〃 11 〃 かなり増粘するも分散可 10 秒 250 mJ/cm2 〃 12 〃 問題なし 5 〃 300 〃 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【0037】表5に示したように、ミルベース作製時お
よびレットダウン時に用いるバインダーポリマーの分子
量により、ミルベースの分散状態やレジスト塗膜の現像
特性に大きな差のでることが判明した。実使用面から判
断すると、ミルベースの状態では、最終的に増粘が見ら
れても液状を保持していることが必要である。また最適
現像時間幅は、最低20秒程度確保できないと実使用は
難しい。感度は、もちろん高いほうが好ましい(数字が
小さいほど高感度となる)。本発明の組成を採用するこ
とにより、ミルベースの分散性、レジスト塗膜の現像性
および感度という3種の特性が高次にバランスされてい
ることが分かる。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、ミルベース作製時に良
好な顔料分散性が得られ、かつ、レジスト塗膜の最適現
像時間幅が広く、高感度の着色レジスト組成物を得るこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/033 G03F 7/033

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)アクリル酸またはメタクリル酸と分
    子中にカルボキシル基を有しないアクリル酸エステルま
    たはメタクリル酸エステルとの共重合体からなり、ポリ
    スチレン換算重量平均分子量が 10,000 〜 60,000 の範
    囲にあり、かつ、希アルカリ性水溶液からなる現像液に
    可溶な低分子量バンイダーポリマー、(b)アクリル酸
    またはメタクリル酸と分子中にカルボキシル基を有しな
    いアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルとの
    共重合体からなり、ポリスチレン換算重量平均分子量が
    80,000 〜130,000 の範囲にあり、かつ、希アルカリ性
    水溶液からなる現像液に可溶な高分子量バンイダーポリ
    マー、(c)光重合性モノマー、(d)顔料、(e)光
    重合開始剤、および(f)溶剤を含有してなることを特
    徴とする着色レジスト組成物。
  2. 【請求項2】低分子量バインダーポリマー(a)、顔料
    (d)および溶剤(f)を含有する着色ミルベースに、
    さらに(b)、(c)、(e)および(f)の各成分を
    含有せしめてなる請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】レジスト組成物中の全固形分に対し、低分
    子量バインダーポリマーおよび高分子量バインダーポリ
    マーを合計で5〜90重量%、光重合性モノマーを5〜
    90重量%および顔料を5〜80重量%含有し、低分子
    量バインダーポリマー、高分子量バインダーポリマーお
    よび光重合性モノマーの合計量に対し、光重合開始剤を
    0.2〜30重量%含有する請求項1または2記載の組成
    物。
  4. 【請求項4】アクリル酸またはメタクリル酸と分子中に
    カルボキシル基を有しないアクリル酸エステルまたはメ
    タクリル酸エステルとの共重合体からなり、ポリスチレ
    ン換算重量平均分子量が 10,000 〜 60,000 の範囲にあ
    り、かつ、希アルカリ性水溶液からなる現像液に可溶な
    低分子量バンイダーポリマー(a)、顔料(d)および
    溶剤(f)を含有する着色ミルベースを調製すること、
    およびこの着色ミルベースを、アクリル酸またはメタク
    リル酸と分子中にカルボキシル基を有しないアクリル酸
    エステルまたはメタクリル酸エステルとの共重合体から
    なり、ポリスチレン換算重量平均分子量が 80,000 〜13
    0,000 の範囲にあり、かつ、希アルカリ性水溶液からな
    る現像液に可溶な高分子量バンイダーポリマー(b)、
    光重合性モノマー(c)、光重合開始剤(e)および溶
    剤(f)と混合することを特徴とする着色レジスト組成
    物の製造方法。
  5. 【請求項5】着色ミルベースを調製する際に分散剤を配
    合する請求項4記載の方法。
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