JPH091336A - 無軌条自走式溶接台車 - Google Patents

無軌条自走式溶接台車

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JPH091336A
JPH091336A JP15065995A JP15065995A JPH091336A JP H091336 A JPH091336 A JP H091336A JP 15065995 A JP15065995 A JP 15065995A JP 15065995 A JP15065995 A JP 15065995A JP H091336 A JPH091336 A JP H091336A
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Kishio Fujimoto
己子男 藤本
Fujio Takanashi
不二雄 高梨
Isao Yoshino
勲 吉野
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的簡単な機構であって小型化が可能であ
ると共に、溶接残しを低減でき、しかもトーチ軌跡が直
線であってビード外観が優れた溶接部を得ることができ
る無軌条自走式溶接台車を提供する。 【構成】 台車本体31上にて台車本体の移動方向に垂
直の方向に移動可能に支持されたベース32と、このベ
ース32上に設けられ溶接トーチ45を支持するトーチ
支持部材44と、ベース32に設けられ台車本体31の
移動方向に延びるリードスクリュー46と、トーチ支持
部材44に係合すると共にリードスクリュー46の長手
方向に移動してトーチ支持部材44を回動させるスライ
ダーと、ベース32に設けられトーチ支持部材44を円
弧状の軌跡に沿って案内するガイドレール53とを有す
る。そして、トーチ支持部材44の回動支点は立板に垂
直の方向に移動可能であり、ベース32はその立板に垂
直の方向に対する位置を調整可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は下板に立設された立板に
沿って溶接構造物のすみ肉溶接を行う無軌条自走式溶接
台車に関する。
【0002】
【従来の技術】図6は従来の無軌条自走式溶接台車を示
す模式図である。台車本体21には4隅に車輪22が設
けられており、モータの回転力がこれらの車輪22に伝
達されて下板上を走行するようになっている。この台車
本体21の走行方向の前側及び後側には立板20に向け
て突出する倣いアーム6a,6bが設けられており、こ
れらの倣いアーム6a,6bの先端部には回転自在の倣
いローラ7が配設されている。倣いアーム6a,6bは
その長さが相互に異なっており、進行方向前側に配置さ
れた倣いアーム6aは後側に配設された倣いアーム6b
に比してその長さが短くなっている。このため、溶接用
台車が移動すると、台車が立板20に近付く方向に応力
が発生する。従って、溶接用台車は倣いローラ7が立坂
20に転動しつつ溶接線Wに沿って図中矢印で示す方向
に移動する。
【0003】台車本体21の上にはスライダー軸(リー
ドスクリュー)23が溶接線Wに平行になるように設け
られている。溶接トーチTは、このスライダー軸23の
回転によりその長手方向に移動可能のトーチ支持部24
に支持されている。
【0004】このように構成された無軌条自走式溶接用
台車においては、溶接線端部において例えば台車の前部
に設けられたリミットスイッチが壁に当接し台車の移動
が停止すると、スライダー軸23が回転し、トーチ支持
部24がスライダー軸23の長手方向に移動しつつ溶接
を行う。これにより、溶接線の始終端部における溶接残
しを少なくすることができる。
【0005】なお、この種の無軌条自走式溶接用台車に
おいては、図6に示すように走行方向をトーチ前方方向
に向けて右側とした所謂右勝手の台車と、図7に示すよ
うに走行方向をトーチ前方方向に向けて左側とした所謂
左勝手の台車がある。これらの台車を溶接箇所に応じて
使い分けている。
【0006】しかしながら、上述した無軌条自走式溶接
台車においては、溶接トーチTが溶接線Wに対し垂直に
配置されているため、溶接残しが比較的多いという欠点
がある。このため、溶接トーチを回動可能に取り付けた
溶接台車(特公昭46−15410号)、溶接トーチを
回動可能とすると共に溶接トーチの回動時には溶接トー
チをその長手方向に移動させる溶接台車(実開昭50−
149638号、実公昭53−38659号及び実開平
5−65482号)等が提案されている。これらの溶接
用台車においては、いずれもトーチ支持部が回動するた
め、図8,9に示す溶接用台車に比して溶接残しを少な
くできるという利点がある。また、右勝手及び左勝手を
切替可能な溶接台車として、回転位置決め機構により倣
いアームの突出長さ(台車側部からの突出長さ)を変更
可能とした溶接台車が提案されている(特開平4−32
2883号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公昭
46−15410号に開示された溶接台車においては、
単に溶接トーチが回動するだけであるので、溶接トーチ
の先端と溶接線との距離が変化し、ビード形状不良及び
溶接不良が発生する虜れがある。また、実開昭50−1
49638号に開示された溶接用台車はベルトによりト
ーチ支持部を駆動するものであり、実開平5−6548
2号に開示された溶接用台車はトーチ支持部を弧状の孔
に摺動させるものであるため、いずれもトーチ支持部を
スムーズに回動させることが難しく、耐久性に難点があ
るという欠点がある。更に、実公昭53−38659号
に開示された溶接用台車においては、2組のスライダー
の動作を同期させつつ制御する必要があり、機構が複雑
になって装置サイズが大きくなると共に、装置コストが
上昇する等の問題点がある。更にまた、特開平4−32
2883号に開示された左勝手及び右勝手兼用の溶接台
車は、走行台に対し基台を回転させることにより倣いア
ームの突出長を変更するため、機構が複雑になるという
欠点がある。
【0008】そこで、本願発明者等は、上述の欠点を解
消した無軌条自走式溶接台車を既に提案した(特願平6
−61041)。図8はこの先行出願にて開示された無
軌条自走式溶接台車のトーチ支持部1及びトーチ移動機
構を示す模式図である。トーチ支持部1は、支点lcを
中心として回動可能に設けられた棒状の回転部laと、
その一端側が回転部laに嵌合し溶接トーチを支持する
スライダー部lbとにより構成されている。スライダー
部lbは、その端部が回転部laに摺動することによ
り、長手方向に移動可能となっている。
【0009】スライダー部lbの他端側には、溶接線W
側を中心とする弧状のガイドレール5が配設されてい
る。スライダー部1bの先端下部にはローラ取付ブロッ
ク2が回転可能に支持されており、このローラ取付ブロ
ック2には1対のローラ2aがガイドレール5を挟み込
むようにして取り付けられている。
【0010】ガイドレール5を挟んで溶接線Wの反対側
には、溶接線Wに平行にスライダー軸(リードスクリュ
ー)3が配設されている。このスライダー軸3にはスラ
イダー4が螺合しており、モータ10の回転がギヤ9を
介してスライダー軸3に伝達され、このスライダー軸3
が回転することにより、スライダー4がスライダー軸3
の長手方向に移動する。このスライダー4の上面にはス
ライダー4に対して回転可能な突起4aが設けられてお
り、この突起4aがスライダー部1bの下面に設けられ
た長穴1dに係合している。
【0011】モータ10の回転により、スライダー4が
スライダー軸3の長手方向に移動し、これによりトーチ
支持部1は支点lcを中心として回動する。このとき、
スライダー部1bの先端はガイドレール5に沿って移動
すると共に、その長手方向に移動する。
【0012】ところで、ガイドレール5の曲率は、以下
に示すように設定されている。即ち、図9に示すよう
に、トーチ支持部1の長手方向におけるトーチ支持部1
の先端部と溶接線Wとの距離をA、スライダー軸3と溶
接線Wとの距離をB、溶接線Wに直交する平面とトーチ
支持部1とのなす角度をα、トーチ支持部1の長手方向
におけるスライダー軸3とガイドレール5との距離をx
(α)とすると、下記数式1に示す関係が成り立つよう
に、ガイドレール5の曲率が設定されている。
【0013】
【数1】cosα=B/{A+x(α)} この数式1から、x(α)は下記数式2に示す値とな
る。
【0014】
【数2】x(α)={B/cos(α)}−A この数式1、2に示すようにガイドレール5の曲率が設
定されているので、スライダー部1bに固定された溶接
トーチの先端から溶接線Wまでの距離が常に一定に維持
される。但し、これは、スライダー軸3と溶接線Wとの
間の距離が一定の場合である。
【0015】この無軌条自走式溶接用台車において、ワ
イヤ狙い位置を調整するために、スライダー部1bに
は、前後スライダー6が設けられている。この前後スラ
イダー6はスライダー部1bの先端に設けられており、
ハンドル7の調整により前後スライダー6に設けられた
トーチホルダ8をスライダー部1bに対して相対的に進
出退避移動させることができる。これにより、トーチホ
ルダ8の前後位置、即ちトーチホルダ8と、立板との間
の距離を調節することができる。
【0016】しかし、このワイヤ狙い位置の調整方法
は、前後スライダー6が、トーチをスライダ部1bの長
手方向と同一方向に移動させるものである。このため、
ワイヤ先端がガイドレールに与えられた曲率によってワ
イヤ先端の軌跡が直線になるように設定された溶接線W
以外の位置を狙う場合は、以下に示す問題点がある。 トーチスイング軌跡の直進性が失われることによっ
て、脚長が不揃いになり、ビード外観が悪くなる。即
ち、図11に示すように、線分OPとして表される溶接
線Wを狙う場合は、ガイドレールにより案内されたワイ
ヤ先端はこの直線OPに沿って移動するが、ワイヤ狙い
位置が点Q又は点Sである場合は、ガイドレールにより
案内されたワイヤ先端は夫々線分QU又は線分SVに沿
って移動し、直線QR又は直線STから外れた軌道に沿
って移動してしまう。このように、トーチスイングの直
線性が失われる。 溶接残しの設定量が変化する。これは溶接開始位置が
ズレることになるので、溶接開始・停止のタイミングが
ズレて操作しにくくなる(図10参照)。 ノズルが台車端よりはみ出し、ノズルの突出量が大き
くなる(図10参照)。このため、ノズルを被溶接部材
等のワークに衝突させる危険性があり、故障の原因とな
る。
【0017】また、トーチ軌跡を直線にするためには、
トーチをある支点1cで回転させる必要がある。そし
て、単に回転させるだけであると、トーチ先端は円弧を
描くので、回転支点を立板に直角方向に前後させると、
トーチ軌跡を直線にすることができる。この動作は、弧
状のガイドレール5により得られる。しかし、この場合
に、以下に示す問題点が存在する。即ち、ワイヤ狙い位
置が下板と立板とのすみ部からなるルート(図11の直
線OP)を狙う場合は、一対の弧状ガイド倣いローラ2
aは弧状ガイドレール5に沿って倣い、この弧状ガイド
レール5は前述のごとくトーチ軌跡が直線になるように
設計されているので、ワイヤ狙い位置の軌跡は直線にな
る。このため、トーチ軌跡は直線なので良好なビード外
観を得ることができる。
【0018】しかし、ワイヤ狙い位置が立板側(直線Q
R)である場合は以下に示すように、トーチ軌跡が直線
にならない。即ち、前後スライダーの調整によって、図
11に示すように、点Oから点Qへワイヤ狙い位置を変
更したとき、y軸方向の変化量はycであるとする。と
ころが点Pから同様にycだけ変化させると、y軸方向
の変化量はycではなく、トーチ軌跡は曲線QUを描く
ことになり、トーチ軌跡が直線にならず、このためビー
ド外観を損なう虞がある。これはワイヤ狙い位置が下板
側(直線ST)を狙う場合も同様である。
【0019】次に、その変化量の違いを数式により求め
てみる。先ず、図11に示すように、上面からみた立板
と平行なルート部直線をx軸とし、同立板と直角な台車
中央部をy軸とすれば各直線の関数は次式で表される。
【0020】
【数3】 直線OP:y=0 (0≦x≦G・tanα)
【0021】
【数4】直線OR:Y=yc (0≦x≦G・tanα
+yc・tanα) ところが、理想直線ORに対し、トーチは実際には曲線
QUを描く。
【0022】
【数5】 曲線QU:y=(×−G・tanα)/tanα (0≦×≦L+yc・sinα) この数式5からわかるように、曲線QUは正弦曲線の弧
である。従って、y軸方向のトーチ軌跡のズレ量△yは
下記数式6のようになる。
【0023】
【数6】 △y=yc−(×−G・tanQ)/tanα なお、前記数式5は以下のようにして求めた。先ず、点
Uの座標を求める。
【0024】△PWUにおいて、線分WUはyc・si
nα、線分WPはyc・cosαである。従って、点U
の座標は点U(G・tanα+yc・sinα、yc・
cosα)となる。よって、y=yc・cosα、x=
G・tanα+yc・sinα であるので、ycで括
ると、yc=(×−G・tanα)/sinα=Y/c
osαとなる。
【0025】故に、曲線QUは、y=(x−G・tan
α)cosα/sinα=(x−G・tanα)/ta
nαとなり、数式5が得られる。
【0026】このように、ワイヤ狙い位置が立板側又は
下板側である場合は、前後調整スライダ6によりトーチ
位置を調整しても、そのトーチ軌跡は直線にならない。
【0027】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、比較的簡単な機構であって小型化が可能で
あると共に、溶接残しを低減でき、しかもトーチ軌跡が
直線であってビード外観が優れた溶接部を得ることがで
きる無軌条自走式溶接台車を提供することを目的とす
る。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明に係る無軌条自走
式溶接台車は、台車本体と、この台車本体の移動方向の
前部及び後部で立板に接触して溶接線に沿う方向に前記
台車本体を案内するガイド部材と、前記台車本体上にて
台車本体の移動方向に垂直の方向に移動可能に支持され
たベースと、このベース上にて溶接トーチを支持すると
共に支点を中心として揺動するトーチ支持部材と、前記
ベースに設けられ前記台車本体の移動方向に延びるリー
ドスクリューと、前記トーチ支持部材に係合すると共に
前記リードスクリューの長手方向に移動して前記トーチ
支持部材を回動させるスライダーと、前記トーチ支持部
材の先端部を弧状の軌跡に沿って案内するガイドレール
とを有し、前記トーチ支持部材を回動させるスライダー
は台車本体の移動方向に垂直の方向に移動可能に前記ベ
ースに設けられていることを特徴とする。
【0029】
【作用】本発明においては、スライダーにより、トーチ
支持部をスライダー軸の長手方向に移動させる。そうす
ると、トーチ支持部の先端部はガイドレールに案内され
て弧状に移動する。また、このトーチ支持部の揺動に伴
って、支点からの突出長が変更される。
【0030】前記ガイドレールの曲率は、例えば以下の
ように設定されている。即ち、前記トーチ支持部の長手
方向における前記トーチ支持部の先端部と溶接線との距
離をA、スライダー軸と前記溶接線との距離をB、前記
溶接線に直交する平面と前記トーチ支持部とのなす角度
をαとすると、前記トーチ支持部の長手方向における前
記スライダー軸と前記ガイドレールと間の距離x(α)
が、x(α)={B/cos(α)}−Aとなるように
ガイドレールの曲率を設定する。
【0031】トーチ支持部の先端部がこのガイドレール
に案内されて弧状に移動し、それに伴ってトーチ支持部
がその先端部の突出長(支点からの突出長)を変更する
ことにより、トーチ支持部の先端部と溶接線との距離が
一定に維持される。このように、本発明においては、直
線状に配置されたスライダー軸をその長手方向に移動す
るスライダーによりトーチ支持部を駆動するので、トー
チ支持部を前記支点を中心として揺動させるための機構
が比較的簡単であり、装置の小型軽量化が可能であると
共に、装置コストが低く、耐久性が優れている。
【0032】本発明において、立板方向へのワイヤ狙い
位置を調整する場合には、スライダー軸に設けた前後調
整スライダーではなく、トーチスイング機構全体を支持
しているベース自体を前後移動させることにより、ワイ
ヤ狙い位置を調整する。これにより、トーチ前進角及び
後退角が変化しても、スライダーの調整移動方向を常に
立板と直角にすることができる。
【0033】従って、溶接開始及び停止のタイミングが
ズレて操作しにくくなること、及び脚長不揃いになり、
ビード外観が悪くなるなどの問題点を解消することがで
きる。
【0034】また、このベース移動用のハンドルは、通
常、台車本体に設けられるので、従来のようにスライダ
ー軸に前後調整用ハンドルを設けた場合と異なり、スラ
イダー軸の移動によりハンドル位置が変化してしまった
りすることがない。更に、このハンドルの配置場所を任
意に選択しやすく、使いやすさの向上にもなる。
【0035】従って、溶接品質を維持し、且つ、小型で
安価なすみ肉溶接台車を提供することができる。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例について、添付の図面
を参照して具体的に説明する。図1は本実施例の主要部
分を示す平面図である。台車本体31は、立板30に対
して倣いローラ7により倣い、立板30と下板との間の
溶接線に沿って移動する。この台車本体31の上には、
ベース32がガイドローラ33により立板に垂直の方向
に移動可能に案内されて支持されている。このベース3
2の側面には、その4カ所の位置にガイド凹部32aが
形成されており、台車本体31にはガイドローラ33が
その軸方向を垂直にして設置されていて、このガイド凹
部32aをガイドローラ33に係合することによりベー
ス32は立板30に垂直の方向に移動できるようになっ
ている。また、台車本体31にはピニオン35がその軸
方向を垂直にして設けられており、ベース32にはラッ
ク36がその長手方向を立板30に垂直にして設けられ
ている。そして、ピニオン35はラック36に噛合して
おり、ピニオン35に同軸的に固定されたハンドル34
を回転することにより、ラック36が固定されたベース
32が移動する。
【0037】ベース32には、その略中央部に、円柱状
の支点部材43が立設されており、この支点部材43に
はブロック状の支持部材42が支点部材43を中心とし
て回転可能に支持されている。この支持部材42には、
リニアガイド40の1対の平行なガイド棒41が挿通し
ており、従ってリニアガイド40は支持部材42に対し
てガイド棒41の長手方向に直線的に相対移動すること
ができ、更に、支持部材42の回転によりリニアガイド
40も支点部材43の回りに回転することができる。
【0038】ベース32には立板30に平行の方向に延
びるリードスクリュー46が設けられており、このリー
ドスクリュー46にはスライダ(図示せず)が螺合して
いて、このスライダにはスライダ突起51が設けられて
いる。このリードスクリュー46には傘歯車47が設け
られており、ベース32上に設けられたモータ49の回
転軸に設けられた傘歯車48と傘歯車47とが螺合して
いる。これにより、モータ49が正逆回転駆動される
と、傘歯車47、48を介してスクリュー46が正逆回
転する。そして、リードスクリュー46の正逆回転によ
り、それに螺合するスライダ及びスライダ突起51は、
スクリュー46に沿って往復移動する。また、このリー
ドスクリュー46と立板30との間のベース32には、
立板30側を中心とする弧状のガイドレール53が設け
られている。
【0039】そして、リニアガイド40には、トーチ支
持部材44がその長手方向をガイド棒41と平行にして
固定されている。トーチ支持部材52にはその先端部に
溶接トーチ45が取り付けられる。このトーチ支持部材
44の下面には、長穴50が設けられており、この長穴
50にスライダ突起51が嵌合している。また、トーチ
支持部材44の先端下部には、ローラ取付ブロック(図
示せず)が回転可能に支持されており、このローラ取付
ブロックには1対のローラ52がガイドレール53を挟
むようにして取り付けられている。ローラ52はガイド
レール53に沿って移動することができ、これによりト
ーチ支持部材44はその先端部に取り付けられたトーチ
45が立板30に平行に直線的に移動するように揺動す
る。
【0040】次に、このように構成された無軌条自走式
溶接台車の動作について説明する。ガイドレール53は
図10に示す先行出願のガイドレール5と同様に数式
1、2に従って湾曲しているので、ワイヤ狙い位置が立
板と下板とが交叉する位置である場合には、モータ49
の回転により、スクリュー軸46に螺合したスライダが
立板に平行に移動し、トーチ支持部材44がガイドレー
ル53に案内されて弧状に移動し、その結果、トーチ4
5は立板30に平行に直線状に移動する。
【0041】一方、ワイヤ狙い位置を変更する必要があ
る場合には、ハンドル34を回転させてピニオン35と
ラック36との共同動作によりベース32は立板30に
垂直の方向に移動する。これにより、ベース32の立板
30に対する距離を調整することができ、ワイヤ狙い位
置を所望の位置に変更することができる。この場合に、
ローラ52とガイドレール53により規制されるトーチ
支持部材44の位置と、トーチ45の先端との間の距離
は変化していない。このため、ローラ52及びガイドレ
ール53により規制されるトーチ先端部の軌跡は、ワイ
ヤ狙い位置の変更前と変わらず、直線のままである。
【0042】従って、ワイヤ狙い位置の変更後も、トー
チは直線に沿って移動するので、脚長が揃ったものとな
り、良好なビード外観が得られる。このため、溶接品質
を高めることができると共に、この溶接台車は小型で製
造コストが低いという利点がある。また、溶接の開始及
び停止のタイミングがずれて操作がし難くなることがな
く、操作性も優れている。更に、ハンドル34の位置も
一定であり、操作がし易い。
【0043】なお、図2は本実施例のベース32を、台
車本体31にその軸方向を垂直にして設けられた2対の
ガイドローラ33により挟持して支持している構造を示
す側面図である。このベース32の支持構造はこれに限
らず、種々のものを採用することができる。
【0044】例えば、図3に示すように、台車本体31
にニードルガイド又はリニアガイド61を設け、このニ
ードルガイド又はリニアガイド61によりベース32を
円滑に移動可能に支持すると共に、ベース32の側縁部
にはベース抑え部材60を配置し、このベース抑え部材
60によりベース32を立板30に垂直に移動するよう
に案内するように構成しても良い。
【0045】また、図4はラック36及びピニオン35
の替わりに、螺棒62及び螺孔63によりベース32を
移動させる構造を示す。図4において、図1と同一物に
は同一符号を付してその詳細な説明を省略する。螺棒6
2はその略先端側半分の周面にネジが形成されており、
ベース32には螺孔が設けられたブロック63が固定さ
れている。このブロック63の螺孔に螺棒62が螺合し
ている。螺棒62は支持部材65により台車本体31に
回転可能に支持されている。これにより、螺棒62に固
定されたハンドル64を回転すると、螺棒62が回転
し、この螺棒62の回転により、螺棒62が螺合したブ
ロック63が螺棒62の長手方向に移動する。このよう
にして、ベース32を立板30に垂直に移動させて、ワ
イヤ狙い位置を調整することができる。この実施例にお
いては、ハンドルの位置が台車の背面であるので、その
操作が容易である。
【0046】図5は台車本体31にベース32を直接重
ねて、台車本体31に対するベース32の位置を手作業
で調整するものである。但し、位置調整後のベース32
の台車本体31に対する固定は、ベース32に設けた螺
孔68にボルト66を螺合し、その螺孔内にゴム体67
を挿入し、ボルト66をねじ込むことにより、ゴム体6
7をブレーキに使用して固定することができる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る無軌条
自走式溶接用台車は、比較的簡単な機構で溶接線の始終
端まで溶接を実施できると共に、小型軽量化が可能であ
り、装置コストを低減できると共に、耐久性も優れてい
る。
【0048】また、本発明においては、立板方向へのワ
イヤ狙い位置を調整する場合には、スライダー軸に設け
た前後調整スライダーではなく、トーチスイング機構を
設けたベース自体を立板に対して前後移動させることに
より、ワイヤ狙い位置を調整するので、トーチ前進角及
び後退角が変化しても、スライダーの調整移動方向を常
に立板と直角にすることができる。従って、溶接開始及
び停止のタイミングがズレて操作しにくくなること、及
び脚長不揃いになり、ビード外観が悪くなるなどの問題
点を解消することができる。
【0049】従って、本発明によれば、溶接品質を維持
し、且つ、小型で安価なすみ肉溶接台車を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る無軌条自走式溶接用台車
のトーチ支持部及びトーチ移動機構を示す平面図であ
る。
【図2】同じくそのベース支持機構を示す側面図であ
る。
【図3】ベース支持機構を変更した他の実施例を示す側
面図である。
【図4】ベースの移動機構を変更した他の実施例を示す
平面図である。
【図5】本発明の更に他の実施例を示す模式図である。
【図6】従来の無軌条自走式溶接用台車を示す模式図で
ある。
【図7】従来の左勝手の無軌条自走式溶接用台車を示す
模式図である。
【図8】本発明の実施例に係る無軌条自走式溶接用台車
のトーチ支持部及びトーチ移動機構を示す模式図であ
る。
【図9】同じくその無軌条自走式溶接用台車ガイドレー
ルの曲率の設定方法を示す模式図である。
【図10】溶接残し変化量を説明する図である。
【図11】トーチ軌跡の変化を説明する図である。
【符号の説明】
1,24;トーチ支持部 2;ローラ取付ブロック 2a;ローラ 3,23;スライダー軸 4;スライダー 5;ガイドレール 6a、6b;倣いアーム 7;倣いローラ 30;立板 31;台車本体 32;ベース 33;ベースガイドローラ 40;リニアガイド 41;ガイド棒 42;支持部材 43;支点部材 44;トーチ支持部材 45;トーチ 46;リードスクリュー 49;モータ 50;長穴 51;スライダ突起 52;ガイドローラ 53;ガイドレール 62;螺棒 63;螺孔ブロック 67;ゴム体

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 台車本体と、この台車本体の移動方向の
    前部及び後部で立板に接触して溶接線に沿う方向に前記
    台車本体を案内するガイド部材と、前記台車本体上にて
    台車本体の移動方向に垂直の方向に移動可能に支持され
    たベースと、このベース上にて溶接トーチを支持すると
    共に支点を中心として揺動するトーチ支持部材と、前記
    ベースに設けられ前記台車本体の移動方向に延びるリー
    ドスクリューと、前記トーチ支持部材に係合すると共に
    前記リードスクリューの長手方向に移動して前記トーチ
    支持部材を回動させるスライダーと、前記トーチ支持部
    材の先端部を弧状の軌跡に沿って案内するガイドレール
    とを有し、前記トーチ支持部材を回動させるスライダー
    は台車本体の移動方向に垂直の方向に移動可能に前記ベ
    ースに設けられていることを特徴とする無軌条自走式溶
    接台車。
  2. 【請求項2】 前記トーチ支持部材の長手方向における
    前記トーチ支持部材の先端部と前記溶接線との距離を
    A、前記リードスクリューと前記溶接線との距離をB、
    前記溶接線に直交する平面と前記トーチ支持部材とのな
    す角度をαとすると、前記トーチ支持部材の長手方向に
    おける前記リードスクリューと前記ガイドレールとの間
    の距離x(Q)は、x(Q)={B/cos(α)}−
    Aで表されることを特徴とする請求項1に記載の無軌条
    自走式溶接台車。
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