JPH091320A - 自動注湯方法及び装置 - Google Patents

自動注湯方法及び装置

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JPH091320A
JPH091320A JP7194208A JP19420895A JPH091320A JP H091320 A JPH091320 A JP H091320A JP 7194208 A JP7194208 A JP 7194208A JP 19420895 A JP19420895 A JP 19420895A JP H091320 A JPH091320 A JP H091320A
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ladle
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mold frame
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二朗 佐藤
Taketoshi Yoshida
健逸 吉田
Koichi Sakano
厚一 阪野
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D41/00Casting melt-holding vessels, e.g. ladles, tundishes, cups or the like
    • B22D41/04Casting melt-holding vessels, e.g. ladles, tundishes, cups or the like tiltable
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D37/00Controlling or regulating the pouring of molten metal from a casting melt-holding vessel

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 例え出湯口とモールド枠湯口とが極めて接近
しているような場合にあっても、又、トリベの傾動に伴
うトリベからモールド枠への注湯流量及び流速が変動し
ても、更には、溶融金属(溶湯)の性質(濡れ性或は粘
性など)によりトリベからモールド枠への注湯流線が変
動しても、モールド枠湯口の定位置に溶融金属(溶湯)
を注湯することのできる自動注湯方法及び装置を提供す
る。 【構成】 トリベ1は、回転軸4を中心として回転傾斜
されると共に、その回転軸4の回転中心O1 が、注湯開
始時におけるこのトリベ1の出湯口2の溶湯落下開始点
或はこれに近接して設定された仮想の初期出湯中心Oを
中心とした所定の円弧状軌跡よりずれた軌跡に沿って移
動され、同時に、前記出湯口2の仮想の初期出湯中心O
を、前記回転軸4の回転中心O1 と一定の関係を保ちな
がら移動させ、それによって、トリベ1の傾動に伴う溶
湯の注湯流線の変動にも拘らずモールド枠湯口100c
の定位置に注湯を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般には鋳造技術に関
するものであり、特に、トリベの傾動に伴ってトリベか
らモールド枠への注湯流量及び流速が変動しても、又
は、溶融金属(溶湯)の性質(濡れ性、粘性など)など
によりトリベからモールド枠への注湯流線が変動して
も、モールド枠湯口の定位置に溶湯を注湯することので
きる自動注湯方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来鋳造工場において、溶湯をモールド
枠に注湯する作業は、長い経験を有する熟練作業者の勘
にたよっていた。即ち、溶湯は溶解炉から通常大略円筒
状の上部一端に湯口のついたトリベに満載され、注湯セ
クシヨンつまりモールド枠が配列されている位置へと運
搬された。トリベは吊下げ手段により支持されているの
が通常であるので、作業者はトリベを回転傾斜させ、モ
ールド枠の湯口へと溶湯を注入することが必要となる。
この時トリベ湯口とモールド枠湯口とはある距離隔てら
れて設けられており、又この距離は、トリベの傾斜回動
と共に変動する。更に、トリベの傾斜と共にトリベ中の
溶湯の表面積は変動し、一定速度でトリベを傾斜すると
注湯される量が次第に変動する。故に作業者はトリベ湯
口との距離の変動及び注湯量の変動を補正するために、
モールド枠湯口に対するトリベ湯口の位置関係を調整す
る作業及びトリベの傾斜回動角度を調整する作業を同時
に、湯の流れ曲線を観察しながら行なわねばならない。
これらの作業は前述の如く極めて困難な且つ高度の技術
を必要とする作業であり、同時に極めて危険な作業であ
る。
【0003】従って、注湯作業を機械化によって自動化
することが試みられているが、この場合には、トリベの
傾動につれてそのトリベ湯口位置が変動するのを許容す
るために、図5に示すように、トリベ1とモールド枠1
00との間に中間樋200を配置し、トリベ1をその回
転軸4の回りに回転傾斜させ、トリベ1からの溶湯Lを
先ず中間樋200へと送給し、次いで、モールド枠10
0の湯口100cへと注入する方法が採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記方法によれば、モ
ールド枠湯口100cに対するトリベ湯口2の位置関係
を調整する必要はないが、注湯温度の低下、ノロ付着に
よる流線の乱れによる不良品の発生、更には、中間樋2
00のメンテナンス及び交換作業が余儀なくされ、問題
がある。
【0005】本出願人は、上記諸点に鑑みて、特公昭5
2−9580号公報に記載され、又本願の図6及び図7
に図示するように、注湯時のトリベ1内の溶湯Lの表面
積(S=S1 +S2 )が大略一定となるべく出湯口2を
通る縦断面形状が扇形となるトリベ1を使用した注湯方
法を提案した。該扇形トリベ注湯方法は、トリベ1の回
転角度に関係なく常に出湯口2の溶湯落下開始点とモー
ルド枠湯口100cとの位置関係を一定に保ち、即ち、
l、h(図7)が変動せず、トリべ1とモールド枠湯口
100c間の溶湯の注湯流線Tが変わることなく注湯し
得るという特長を有している。
【0006】しかしながら、斯る扇形トリベ1は、トリ
ベ1の出湯口2を通る軸線を中心として傾動する必要が
あり、そのために回転支持軸及び関連の駆動機構などが
この周辺に集中して配置され、従って、トリベの出湯口
2とモールド枠湯口100cとを極めて接近して注湯し
たい場合などにおいては、このような構造を取り得ない
ことがある。
【0007】更に、本発明者らは、多くの研究実験の結
果、次のことを見出した。
【0008】つまり、上記の如き扇形トリベ1は、トリ
ベの傾動に伴う出湯口の形状の変動は無視し得たとして
も、トリベの傾斜が増し、トリベの前傾斜壁が水平位置
に近付くと、出湯口へと水平方向に打ち出される溶湯の
速度がトリベの傾動と共に増加し、溶湯はより遠くへと
トリベから離れる方向に落下する傾向がある。
【0009】又、出湯口に注目すると、トリベの傾動角
度が小さい場合には、溶湯が出湯口の壁に接触する距離
が長くなり、一方、傾動角度が大きくなると、溶湯が出
湯口の壁に接触する距離が短くなる。従って、溶湯とト
リベの濡れ性(溶湯と耐火材との親和性)が良いと、傾
動角度が大きくなるにつれて溶湯はモールド枠よりトリ
ベに近づく方向に落下する傾向がある。これらの現象は
溶湯の粘性によっても大きく影響される。
【0010】このように、本発明者らは、扇形トリベに
ついての多くに研究実験の結果、扇形トリベであって
も、トリベの傾動に伴ってトリベからモールド枠への注
湯流量及び流速が変動したり、或は、溶湯の性質(濡れ
性、粘性など)などによりトリベからモールド枠への注
湯流線が変動することにより、モールド枠湯口の定位置
に溶湯を注湯することが困難となることを見出した。本
発明はこのような本発明者らによる新規な知見に基づく
ものである。
【0011】従って、本発明の目的は、例え出湯口とモ
ールド枠湯口とが極めて接近しているような場合にあっ
ても、又、トリベの傾動に伴うトリベからモールド枠へ
の注湯流量及び流速が変動しても、更には、溶融金属
(溶湯)の性質(濡れ性或は粘性など)によりトリベか
らモールド枠への注湯流線が変動しても、モールド枠湯
口の定位置に溶融金属(溶湯)を注湯することのできる
自動注湯方法及び装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明によ
って完全に達成される。要約すれば、本発明は、溶湯を
保有したトリベを傾動してモールド枠へと注湯する注湯
方法において、トリベは、回転軸を中心として回転傾斜
されると共に、その回転軸の回転中心O1 が、注湯開始
時におけるこのトリベの出湯口の溶湯落下開始点或はこ
れに近接して設定された仮想の初期出湯中心Oを中心と
した所定の円弧状軌跡(R)よりずれた軌跡(R1 、R
2 )に沿って移動され、同時に、前記出湯口の仮想の初
期出湯中心Oを、前記回転軸の回転中心O1 と一定の関
係を保ちながら移動させ、それによって、トリベの傾動
に伴う溶湯の注湯流線の変動にも拘らずモールド枠湯口
の定位置に注湯を行なうことを特徴とする注湯方法であ
る。
【0013】好ましくは、前記トリベは、回転軸を中心
として回転傾斜されると共に、垂直方向及び水平方向に
駆動することにより、既定の軌跡に沿って移動される。
又、前記出湯口の仮想の初期出湯中心Oは、トリベが回
転軸を中心として注湯開始から所定角度だけ傾斜される
までは、モールド枠に接近するように下方へと移動し、
その後は、モールド枠から離れるように水平方向に移動
される。より具体的には、水平打ち出し速度の影響が濡
れ性による影響より大とされる場合には、前記回転軸の
回転中心O1 は、前記出湯口の仮想の初期出湯中心Oを
中心とした所定の円弧状軌跡(R)より外方へとずれた
軌跡(R1 )に沿って移動され、同時に、前記出湯口の
仮想の初期出湯中心Oは、トリベが回転軸を中心として
注湯開始から所定角度だけ傾斜されるまでは、モールド
枠に接近するように下方へと移動し、その後は、モール
ド枠から離れるように水平方向(H1 )に移動される。
又、水平打ち出し速度の影響が濡れ性による影響より小
とされる場合には、前記回転軸の回転中心O1 は、前記
出湯口の仮想の初期出湯中心Oを中心とした所定の円弧
状軌跡(R)より内方へとずれた軌跡(R2 )に沿って
移動され、同時に、前記出湯口の仮想の初期出湯中心O
は、トリベが回転軸を中心として注湯開始から所定角度
だけ傾斜されるまでは、モールド枠に接近するように下
方へと移動し、その後は、モールド枠に接近するように
水平方向(H2 )に移動される。
【0014】上記注湯方法は、溶湯を保有したトリベ
と、該トリベを回転軸の回りに回転傾斜する駆動手段
と、前記トリベの回転軸の回転中心O1 が、注湯開始時
におけるこのトリベの出湯口の溶湯落下開始点或はこれ
に近接して設定された仮想の初期出湯中心Oを中心とし
た所定の円弧状軌跡(R)よりずれた軌跡(R1 、R
2 )に沿って移動され、同時に、前記出湯口の仮想の初
期出湯中心Oを、前記回転軸の回転中心O1 と一定の関
係を保ちながら移動させ、それによって、トリベの傾動
に伴う溶湯の注湯流線の変動にも拘らずモールド枠湯口
の定位置に注湯を行なうように、このトリベを上下方向
及び水平方向に移動するための制御及び駆動手段とを具
備することを特徴とする注湯装置にて好適に実施され
る。
【0015】
【実施例】次に、図面を参照して本発明に係る自動注湯
方法及び装置を説明する。
【0016】実施例1 最初に、図1〜図3を参照して、本発明の原理を説明す
る。
【0017】図2を参照すると、本実施例にて、トリベ
1は、図6、図7に図示するような扇形トリベとされ、
所定量の溶湯を貯留することのできる溜め部1Aと、こ
の溶湯溜め部1Aに連通した、一般にカラス口と呼ばれ
る出湯口2を有する。又、本実施例ではトリベ1を担持
するべく、トリベ1の側部から垂直に外方向へと突出し
て回転軸4が固定されている。この回転軸4は、注湯装
置の基台40(図3を参照せよ)に回転自在に取り付け
られ、トリベ1のこの回転軸4を中心とした回転傾斜を
可能とする。
【0018】今、トリベ1は、前記回転軸4を中心とし
て回転傾斜されると共に、トリベ1は、その回転軸4の
回転中心O1 が、出湯口2の先端部における溶湯落下開
始点或はこれに近接して設定された仮想の初期出湯中心
Oを中心とする、円弧状軌跡R上を移動するように駆動
制御されるものとする。
【0019】従って、トリベ1の回転傾斜及び円弧状移
動により、出湯口2の先端部における溶湯落下開始点
と、モールド枠湯口100cとの位置関係(l、h)
は、トリベ1の移動にも拘らず一定に維持される。
【0020】更に説明すると、図2に示すように、トリ
ベ1が水平位置から角度θn だけ傾斜した位置を初期位
置とし、この時の仮想の出湯中心Oを原点(0、0)と
する。このトリベ1の仮想の出湯中心Oを通る垂直軸を
Z軸、水平軸をY軸とする。
【0021】ここで、トリベ1の回転中心O1 を中心と
して角度θだけ図2上で反時計方向に回転傾斜させた場
合において、原点に位置していた初期出湯中心Oは、中
心O’へと移動する。従って、出湯中心Oを一定位置と
するには、この移動後の中心O’を初期の出湯中心Oの
位置へと戻す制御を行なえば良い。
【0022】つまり、図2に示すように、トリベ1が水
平位置に設置されている時の、トリベ1の回転中心O1
と出湯中心Oとを結ぶ直線が水平線と成す角度は上述の
ように、角度θn であり、トリベ1の回転中心O1 と出
湯中心Oとの間の距離をLnとすると、移動後の出湯中
心O’の位置(y、z)は、 y=Ln cosθn −Ln cos(θ+θn ) z=Ln sin(θ+θn )−Ln sinθn にて表される。
【0023】従って、トリベ1は、トリベ1の回転中心
1 を中心として角度θだけ回転傾斜させると共に、ト
リベ1の回転軸4、即ち、その回転中心O1 が、上記位
置(y、z)を取るように、Z軸及びY軸方向に位置制
御することにより、出湯口2の先端部における溶湯落下
開始点と、モールド枠湯口との位置関係(l、h)は、
トリベ1の移動にも拘らず一定に維持される。
【0024】即ち、図4に示すように、運転開始信号に
より、所定の回転傾斜(傾動)速度にて回転軸4を駆動
する。と同時に、この回転軸4の角度を検出して、その
角度に応じてZ軸及びY軸方向に上記位置(y、z)だ
けトリベ1を駆動して位置制御する。
【0025】本発明者らは、上記構成の注湯方法を研究
する過程において、上記方法を実施したのでは、場合に
よって、モールド枠湯口の定位置に溶融金属(溶湯)を
注湯することが困難となることを見出した。この問題を
検討した結果、次のことが分かった。
【0026】つまり、トリベ1の傾斜が増し、即ち、傾
斜角度θが大きくなり、トリベ1の前傾斜壁が水平位置
に近付くと、水平方向に打ち出される溶湯の速度がトリ
ベの傾動と共に増加し、溶湯はより遠くへと、即ち、ト
リベ1より離れる方向に落下する傾向があることが分か
った。
【0027】従って、本発明の第1の実施態様によれ
ば、図1に示すように、トリベ1は、回転軸4を中心と
して回転傾斜されると共に、その回転軸4の回転中心O
1 が、注湯開始時におけるこのトリベの出湯口2の溶湯
落下開始点或はこれに近接して設定された仮想の初期出
湯中心Oを中心とした所定の円弧状軌跡Rより外方へと
ずれた軌跡R1 に沿って移動されるべく補正制御が行な
われる。同時に、出湯口2の仮想の初期出湯中心Oは、
回転軸4の回転中心O1 と一定の関係、即ち、一定距離
n を保ちながら移動させる。それによって、トリベの
傾動に伴う溶湯の水平打ち出し速度の変動による注湯流
線の変動にも拘らずモールド枠湯口の定位置に注湯を行
なうことができる。
【0028】又一方、出湯口2に注目すると、トリベの
傾動角度が小さい場合には、溶湯が出湯口の壁に接触す
る距離(面積)が大となり、又傾動角度が大きくなる
と、溶湯が出湯口の壁に接触する距離(面積)が小とな
る。従って、溶湯とトリベの濡れ性(溶湯と耐火材との
親和性)が良いと、傾動角度が大きくなるにつれて溶湯
は、モールド枠湯口より遠くへと落下し、これらの現象
は溶湯の粘性によっても大きく影響される。
【0029】従って、本発明の第2の実施態様によれ
ば、図1に示すように、トリベ1は、回転軸4を中心と
して回転傾斜されると共に、その回転軸4の回転中心O
1 が、注湯開始時におけるこのトリベの出湯口の溶湯落
下開始点或はこれに近接して設定された仮想の初期出湯
中心Oを中心とした所定の円弧状軌跡Rより内方へとず
れた軌跡R2 に沿って移動されるべく補正制御が行なわ
れる。同時に、出湯口2の仮想の初期出湯中心Oは、回
転軸4の回転中心O1 と一定の関係、即ち、一定距離L
n を保ちながら移動させる。それによって、トリベの傾
動に伴う溶湯の濡れ性の影響による注湯流線の変動にも
拘らずモールド枠湯口の定位置に注湯を行なうことがで
きる。
【0030】このように、本発明によれば、水平打ち出
し速度の影響が濡れ性による影響より大とされる場合に
は、上記第1の実施態様に従って、即ち、軌跡R1 に沿
ったトリベ1の位置制御を行ない、逆に、水平打ち出し
速度の影響が濡れ性による影響より小とされる場合に
は、上記第2の実施態様に従って、即ち、軌跡R2 に沿
ったトリベ1の位置制御を行なう。
【0031】又、本発明では、トリベ1の出湯口2の仮
想の初期出湯中心Oは、トリベ1が回転軸4を中心とし
て注湯開始(角度0°)から所定角度、本実施例では傾
斜角度8°だけ傾斜されるまでは、図1に示すように、
モールド枠湯口100cに接近するように軌跡V1 に沿
って下方へと移動し、その後は、本実施例では傾斜角度
8°〜50°まではモールド枠100から離れるように
軌跡H1 に沿って水平方向に移動される。これは、水平
打ち出し速度の影響が濡れ性による影響より大とされる
場合に適用される。
【0032】もし、水平打ち出し速度の影響が濡れ性に
よる影響より小とされる場合には、トリベが回転軸4を
中心として注湯開始から所定角度、本実施例では傾斜角
度8°だけ傾斜されるまでは、先の実施例と同様に、ト
リベ1の出湯口2の仮想の初期出湯中心Oは、図1に示
すように、モールド枠湯口100cに接近するように軌
跡V2 に沿って下方へと移動されるが、その後は、本実
施例では傾斜角度8°〜50°まではモールド枠に接近
するように軌跡H2 に沿って水平方向に移動される。
【0033】図3に、本発明の注湯装置の一実施例を示
す。図1及び図2に関連して説明したように、トリベ1
が回転軸4の回りに回動し得るようにして基台40に取
付けられる。本実施例で、トリベ1は、回転軸4の回転
中心Oを回転中心とするセクタ歯車41を一体に有し、
このセクタ歯車42は、駆動歯車42に噛合している。
又、駆動歯車42は、基台40に据え付けられた駆動手
段43によりベルト或はチェーンなどの伝達機構44を
介して駆動される。
【0034】前記基台40は、油圧シリンダ45を介し
て台車50に取付けられる。従って、油圧シリンダ45
を作動させることにより、前記基台40を、つまりトリ
ベ1を上下方向に運動せしめる。油圧シリンダ45の代
わりに、他の手段、例えばボール螺子機構などを利用す
ることも可能である。台車50は、駆動手段(図示せ
ず)を搭載しており、軌条52上を自走可能に構成さ
れ、モールド枠100に対してトリベ1を離接して運動
せしめる。
【0035】このような構成において、注湯作業に際し
ては上述のようにトリベ1自体が前記回転軸4の回りに
回転されると共に、上記油圧シリンダ45及び台車50
は、トリベ1の回転軸4の回転中心O1 及び仮想の出湯
中心Oを所定の軌跡R1 (R2 )、V1 (V2 )、H1
(H2 )上を移動するように、上下方向及び水平方向
(図面上下左右方向)に各々駆動制御される。
【0036】本発明の注湯装置は、斯かるトリベ1の回
転傾斜及び上下、水平移動により、トリベの傾動に伴う
溶湯の注湯位置の変動にも拘らずモールド枠湯口の定位
置に注湯を行なうことができる。
【0037】実施例2 上記実施例1にて、トリベは扇形トリベを使用するもの
として説明したが、任意の形状のものを使用し得る。例
えば、図5に示すような概略円筒状のトリベ1を使用す
ることも可能である。この場合には、斯る表面積の変動
に対応してトリベの傾動速度を補正し、トリベからの溶
湯の流出量が常に一定となるように制御することができ
る。
【0038】図8を参照して更に説明すると、本実施例
にて、トリベ1は、図5に図示すると同様の円筒状トリ
ベとされ、実施例1の扇形トリベと同様に、所定量の溶
湯を貯留することのできる溜め部1Aと、この溶湯溜め
部1Aに連通した、一般にカラス口と呼ばれる出湯口2
を有する。又、本実施例ではトリベ1を担持するべく、
トリベ1の側部から垂直に外方向へと突出して回転軸4
が固定されている。この回転軸4は、実施例1の場合と
同様に、注湯装置の基台40(図3を参照せよ)に回転
自在に取り付けられ、この回転軸4を中心としたトリベ
1の回転傾斜を可能とする。
【0039】本実施例においても、トリベ1は、前記回
転軸4を中心として回転傾斜されると共に、基本的に
は、その回転軸4の回転中心O1 が、出湯口2の先端部
における溶湯落下開始点或はこれに近接して設定された
仮想の初期出湯中心Oを中心とする、円弧状軌跡R上を
移動するように駆動制御される。
【0040】従って、トリベ1の回転傾斜及び円弧状移
動により、出湯口2の先端部における溶湯落下開始点
と、モールド枠湯口100cとの位置関係(l、h)
は、トリベ1の移動にも拘らず一定に維持される。
【0041】本実施例においても、図8に示すように、
トリベ1が水平位置から角度θn だけ傾斜した位置を初
期位置とし、この時の仮想の出湯中心Oを原点(0、
0)とする。このトリベ1の仮想の出湯中心Oを通る垂
直軸をZ軸、水平軸をY軸とする。
【0042】ここで、トリベ1を、図8にて、その回転
中心O1 を中心として角度θだけ反時計方向に回転傾斜
すると、原点に位置していた初期出湯中心Oは、中心
O’へと移動する。従って、出湯中心Oを一定位置とす
るには、この移動後の中心O’を初期の出湯中心Oの位
置へと戻す制御を行なえば良い。
【0043】つまり、図8に示すように、トリベ1が水
平位置に設置されている時の、トリベ1の回転中心O1
と出湯中心Oとを結ぶ直線が水平線と成す角度は上述の
ように、角度θn であり、トリベ1の回転中心O1 と出
湯中心Oとの間の距離をLnとすると、移動後の出湯中
心O’の位置(y、z)は、 y=Ln cos(θn −θ)−Ln cosθn z=Ln sinθn −Ln sin(θn −θ) にて表される。
【0044】従って、トリベ1は、トリベ1の回転中心
1 を中心として角度θだけ回転傾斜させると共に、ト
リベ1の回転軸4、即ち、その回転中心O1 が、上記位
置(y、z)を取るように、Z軸及びY軸方向に位置制
御することにより、出湯口2の先端部における溶湯落下
開始点と、モールド枠湯口との位置関係(l、h)は、
トリベ1の移動にも拘らず一定に維持される。
【0045】即ち、図4に示すように、運転開始信号に
より、所定の回転傾斜(傾動)速度にて回転軸4を駆動
する。と同時に、この回転軸4の角度を検出して、その
角度に応じてZ軸及びY軸方向に上記位置(y、z)だ
けトリベ1を駆動して位置制御する。
【0046】更に、本発明に従えば、実施例1と同様
に、図1に示すように、トリベ1は、回転軸4を中心と
して回転傾斜されると共に、その回転軸4の回転中心O
1 が、注湯開始時におけるこのトリベの出湯口2の溶湯
落下開始点或はこれに近接して設定された仮想の初期出
湯中心Oを中心とした所定の円弧状軌跡Rより外方へと
ずれた軌跡R1 に沿って移動されるべく補正制御が行な
われる。同時に、出湯口2の仮想の初期出湯中心Oは、
回転軸4の回転中心O1 と一定の関係、即ち、一定距離
n を保ちながら移動させる。それによって、トリベの
傾動に伴う溶湯の水平打ち出し速度の変動による注湯流
線の変動にも拘らずモールド枠湯口の定位置に注湯を行
なうことができる。
【0047】又、別法として、本発明の他の態様によれ
ば、図1に示すように、トリベ1は、回転軸4を中心と
して回転傾斜されると共に、その回転軸4の回転中心O
1 が、注湯開始時におけるこのトリベの出湯口の溶湯落
下開始点或はこれに近接して設定された仮想の初期出湯
中心Oを中心とした所定の円弧状軌跡Rより内方へとず
れた軌跡R2 に沿って移動されるべく補正制御が行なわ
れる。同時に、出湯口2の仮想の初期出湯中心Oは、回
転軸4の回転中心O1 と一定の関係、即ち、一定距離L
n を保ちながら移動させる。それによって、トリベの傾
動に伴う溶湯の濡れ性の影響による注湯流線の変動にも
拘らずモールド枠湯口の定位置に注湯を行なうことがで
きる。
【0048】従って、本実施例の場合も、実施例1の場
合と同様に、水平打ち出し速度の影響が濡れ性による影
響より大とされる場合には、即ち、軌跡R1 に沿ったト
リベ1の位置制御を行ない、逆に、水平打ち出し速度の
影響が濡れ性による影響より小とされる場合には、軌跡
2 に沿ったトリベ1の位置制御を行なう。
【0049】又、場合によっては、上記軌跡R1 、R2
の制御を混用してトリベ1の位置制御を行なうことも可
能である。但し、これは、湯質によって流線軌跡が非線
形に変動する場合に限られるであろう。
【0050】又、本実施例においても、トリベ1の出湯
口2の仮想の初期出湯中心Oは、トリベ1が回転軸4を
中心として注湯開始(角度0°)から所定角度、本実施
例では傾斜角度8°だけ傾斜されるまでは、図1に示す
ように、モールド枠湯口100cに接近するように軌跡
1 に沿って下方へと移動し、その後は、本実施例では
傾斜角度8°〜50°まではモールド枠100から離れ
るように軌跡H1 に沿って水平方向に移動される。これ
は、水平打ち出し速度の影響が濡れ性による影響より大
とされる場合に適用される。
【0051】もし、水平打ち出し速度の影響が濡れ性に
よる影響より小とされる場合には、トリベが回転軸4を
中心として注湯開始から所定角度、本実施例では傾斜角
度8°だけ傾斜されるまでは、先の実施例と同様に、ト
リベ1の出湯口2の仮想の初期出湯中心Oは、図1に示
すように、モールド枠湯口100cに接近するように軌
跡V2 に沿って下方へと移動されるが、その後は、本実
施例では傾斜角度8°〜50°まではモールド枠に接近
するように軌跡H2 に沿って水平方向に移動される。
【0052】上述したように、本実施例のように、円筒
状のトリベ1を使用した場合には、トリベ1の傾動と共
にトリベ内の表面積が変動し、一定傾動速度で注湯を行
なった場合には、一定流量にての注湯作業は不可能であ
る。従って、この場合には、斯る表面積の変動に対応し
てトリベの傾動速度を補正し、トリベからの溶湯の流出
量が常に一定となるように制御することができる。この
制御態様の一実施例を次に説明する。
【0053】図9〜図12を参照すると、トリベ1の大
略中央部に形成された支持部1aに、このトリベ1から
垂直に外方向に突出して回転軸4が固定される。この回
転軸4は基台40(図3)に回転自在に取り付けられ
る。
【0054】本実施例では、回転軸4には被駆動歯車6
が固着され、該被駆動歯車6には駆動手段であるサーボ
モータMの出力軸8に固定された駆動歯車10が噛合す
る。又、トリベ1の回転軸4にはトリベ1の回転角度を
検出するための角度検出手段、例えばポテンシヨメータ
12が一体的に設けられる。
【0055】次に、トリベの回転制御手段20について
説明すると、前記角度検出手段12にて検出されたアナ
ログ信号は、A−D変換器22にてデイジタル信号とさ
れ、記憶演算装置24に送られる。該記憶演算装置24
には予め使用されるトリベ1の傾動角度に対するトリベ
1の表面積の変動割合が記憶されており、該記憶演算装
置24に入力される前記角度検出手段12からの信号及
びトリベ1の速度指令装置26からの信号、並びに前記
記憶信号により演算され、トリベの傾動速度が補正され
る。上記記憶させる方法としては、上述のように、トリ
ベ内の横断面積の変化を計算により記憶装置にインプッ
トするか、又はモールドに1トリベ分を実際に注湯し、
該注湯作業において傾動角度と注湯速度、時間の関係を
記憶させておくティーチングプレイバック方式で行なう
方法とがある。
【0056】トリベの傾動速度はトリベ1から流出する
溶湯の流量がモールドに注湯中一定になるように補正さ
れる。補正されたトリベ1の速度信号は、速度変換手
段、例えばD−A変換器28を介してトリベ駆動手段、
例えば上述のようにサーボモータMに送信される。又、
記憶演算装置24に記憶された記憶信号又は速度補正の
ための演算係数等を書き込んだり、書き変えたりするた
めの補正入力装置30が設けられる。
【0057】上記構成の注湯装置について、一例を挙げ
てその作動態様について更に具体的に説明する。注湯速
度指令装置26より発する速度信号は、記憶演算装置2
4に入力されると、該記憶演算装置24に記憶されてい
る速度補正信号により補正され、速度信号変換手段28
を介してトリベ駆動手段Mに伝達され、該駆動手段Mを
制御する。使用されるトリベ1の表面積は、トリベ1の
傾動角度に対し変動し、斯る信号は補正係数として記憶
演算装置に記憶される。
【0058】今、運転開始ボタン(図示せず)を押下す
ることによつて、図10の状態にあるトリベ1が傾動を
開始する。該トリベの傾動速度は、後述するように、回
転角度又は重量の変動に応じてその回転速度が調整され
る。同時に、図1に示すように、トリベ1の回転軸4の
中心O1 が、所定の円弧状軌跡R1 、R2 に沿って移動
制御され、且つ、出湯口2の仮想の初期出湯中心Oは、
回転軸4の回転中心O1 と一定の関係を保ちながら移動
制御される。
【0059】そして、トリベの傾動開始と同時にモール
ド枠の湯口位置とトリベの出湯点が所定位置関係にある
ことを位置検出手段(図示せず)によつて確認し、GO
の信号時、つまりモールド枠の湯口位置とトリベの出湯
点が所定位置関係にあるときは注湯を開始する。溶湯が
トリベの出湯口を出た瞬間(図11)出湯検出センサS
が、出湯を確認し、同時に速度指令装置26からの速度
信号は、記憶演算装置24によつて、そのトリベの傾動
角の位置によつて、最適な速度まで補正され、速度信号
変換手段28を介してトリベ駆動手段Mに伝達され、所
定の傾動速度が得られる。1モールド分の注湯量を放出
(計量変化による確認)すると、湯切りがスムーズに行
なわれるよう、最大の速度でいままでの回転方向とは逆
の方向に後傾し、一定の角度(溶湯がトリベ口2からこ
ぼれない位置)で該後傾運動を停止する。
【0060】連続したタクトサイクルタイムに従って、
次のモールドが所定位置に設置されると、上述の手順に
従って繰り返し注湯作業が行なわれる。このような注湯
作業はトリベ1内の溶湯が1モールド分以下になるまで
連続して行なわれる。
【0061】上記実施例では、トリベ1の回転角度が記
憶演算装置24の速度補正のためのパラメータとして使
用されたが、トリベ1の重量を常時計量する計重装置を
具備した図3に示すような自動注湯装置においてはトリ
ベの傾動角度ではなく、トリベ内重量の変位を、つまり
計重装置(ロードセル)からの出力信号をパラメータと
して記憶演算装置24に入力することができる。
【0062】このように、本発明に従えば、如何なる形
状のトリベであっても、つまりトリベの傾動と共にトリ
ベ内の表面積が変動しても、斯る表面積の変動に対応し
てトリベの傾動速度が補正されるので、トリベからの溶
湯の流出量は常に一定となり、安全で、確実で、且つ経
済的な注湯が実施可能とされる。
【0063】実施例3 本発明によれば、上述したように、湯質によって流線軌
跡が非線形に変動する場合などには、上記軌跡R1 、R
2 の制御を混用してトリベ1の位置制御を行なうことも
可能であるが、更に、所望に応じて、注湯動作を終了さ
せる湯切り動作においては、注湯時に採用される、トリ
ベ1の回転中心O1 を中心とした傾動運動と、Z軸及び
Y軸方向の移動との制御関係を崩し、例えば、Z軸方向
の駆動を中止するか、或はZ軸方向の運動を規定値より
大とするなどにより、湯切りをより迅速に行なうことが
できる。
【0064】更に、他の実施例によると、注湯開始時に
おいては、トリベ1の回転中心O1を中心とした傾動運
動と、Z軸及びY軸方向の移動との制御関係を崩し、Y
軸方向への運動を規定値より大とし、よりモールド枠1
00の方へと前進させ、又、注湯終了時には、Y軸方向
への運動を規定値より小とし、モールド枠100からの
退避運動を遅らせることができる。この方法により、ト
リベ1の出湯口2から垂れた溶湯がモールド枠100の
湯口100c以外のところへと落下するのをより効果的
に防止することができる。もし、モールド枠100の湯
口直径が100mm程度ある場合には、前記規定値より
のずれ量は、出湯口2と湯口100cとの距離にもよる
が、通常30〜40mm程度とされるであろう。
【0065】
【発明の効果】以上の如くに本発明によれば、トリベ
は、回転軸を中心として回転傾斜されると共に、その回
転軸の回転中心O1 が、注湯開始時におけるこのトリベ
の出湯口の溶湯落下開始点或はこれに近接して設定され
た仮想の初期出湯中心Oを中心とした所定の円弧状軌跡
よりずれた軌跡に沿って移動され、同時に、前記出湯口
の仮想の初期出湯中心Oを、前記回転軸の回転中心O1
と一定の関係を保ちながら移動させ、それによって、ト
リベの傾動に伴う溶湯の注湯流線の変動にも拘らずモー
ルド枠湯口の定位置に注湯を行なう構成とされるので、
例え出湯口とモールド枠湯口とが極めて接近しているよ
うな場合にあっても、又、トリベの傾動に伴うトリベか
らモールド枠への注湯流量及び流速が変動しても、更に
は、溶融金属(溶湯)の性質(濡れ性或は粘性など)に
よりトリベからモールド枠への注湯流線が変動しても、
モールド枠湯口の定位置に溶融金属(溶湯)を注湯する
ことができ、極めて安全で、確実な注湯を実現すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る注湯方法を説明する図である。
【図2】本発明に係る注湯方法の原理を説明する図であ
る。
【図3】本発明に係る注湯装置の一実施例の側面図であ
る。
【図4】本発明に従ってトリベを駆動するための駆動制
御フロー図である。
【図5】従来の注湯方法を説明する図である。
【図6】従来の扇形トリベを使用した注湯方法を説明す
る図である。
【図7】従来の扇形トリベを使用した注湯方法を説明す
る図である。
【図8】円筒状のトリベを使用した本発明に係る注湯方
法の原理を説明する図である。
【図9】円筒状のトリベを使用した注湯方法の一実施例
を説明する概略斜視図である。
【図10】図9に示す注湯方法を説明する図である。
【図11】図9に示す注湯方法を説明する図である。
【図12】図9に示す注湯方法を説明する図である。
【符号の説明】
1 トリベ 2 出湯口 4 回転軸 10 円筒状トリベ駆動歯車 20 トリベの回転制御手段 40 基台 41 傾動駆動手段(セクタ歯車) 45 上下方向駆動手段(油圧シリンダ) 50 水平方向駆動手段(台車) 100 モールド枠 100c モールド枠湯口

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶湯を保有したトリベを傾動してモール
    ド枠へと注湯する注湯方法において、前記トリベは、回
    転軸を中心として回転傾斜されると共に、その回転軸の
    回転中心O1 が、注湯開始時におけるこのトリベの出湯
    口の溶湯落下開始点或はこれに近接して設定された仮想
    の初期出湯中心Oを中心とした所定の円弧状軌跡(R)
    よりずれた軌跡(R1 、R2 )に沿って移動され、同時
    に、前記出湯口の仮想の初期出湯中心Oを、前記回転軸
    の回転中心O1 と一定の関係を保ちながら移動させ、そ
    れによって、トリベの傾動に伴う溶湯の注湯流線の変動
    にも拘らずモールド枠湯口の定位置に注湯を行なうこと
    を特徴とする注湯方法。
  2. 【請求項2】 前記トリベは、回転軸を中心として回転
    傾斜されると共に、垂直方向及び水平方向に駆動するこ
    とにより、既定の軌跡に沿って移動されることを特徴と
    する請求項1の注湯方法。
  3. 【請求項3】 前記出湯口の仮想の初期出湯中心Oは、
    トリベが回転軸を中心として注湯開始から所定角度だけ
    傾斜されるまでは、モールド枠に接近するように下方へ
    と移動し、その後は、モールド枠から離れるように或は
    接近するように水平方向に移動される請求項1の注湯方
    法。
  4. 【請求項4】 水平打ち出し速度の影響が濡れ性による
    影響より大とされる場合には、前記回転軸の回転中心O
    1 は、前記出湯口の仮想の初期出湯中心Oを中心とした
    所定の円弧状軌跡(R)より外方へとずれた軌跡(R
    1 )に沿って移動され、同時に、前記出湯口の仮想の初
    期出湯中心Oは、トリベが回転軸を中心として注湯開始
    から所定角度だけ傾斜されるまでは、モールド枠に接近
    するように下方へと移動し、その後は、モールド枠から
    離れるように水平方向(H1 )に移動される請求項1の
    注湯方法。
  5. 【請求項5】 水平打ち出し速度の影響が濡れ性による
    影響より小とされる場合には、前記回転軸の回転中心O
    1 は、前記出湯口の仮想の初期出湯中心Oを中心とした
    所定の円弧状軌跡(R)より内方へとずれた軌跡(R
    2 )に沿って移動され、同時に、前記出湯口の仮想の初
    期出湯中心Oは、トリベが回転軸を中心として注湯開始
    から所定角度だけ傾斜されるまでは、モールド枠に接近
    するように下方へと移動し、その後は、モールド枠に接
    近するように水平方向(H2 )に移動される請求項1の
    注湯方法。
  6. 【請求項6】 溶湯を保有したトリベと、該トリベを回
    転軸の回りに回転傾斜する駆動手段と、前記トリベの回
    転軸の回転中心O1 が、注湯開始時におけるこのトリベ
    の出湯口の溶湯落下開始点或はこれに近接して設定され
    た仮想の初期出湯中心Oを中心とした所定の円弧状軌跡
    (R)よりずれた軌跡(R1 、R2 )に沿って移動さ
    れ、と同時に、前記出湯口の仮想の初期出湯中心Oを、
    前記回転軸の回転中心O1 と一定の関係を保ちながら移
    動させ、それによって、トリベの傾動に伴う溶湯の注湯
    流線の変動にも拘らずモールド枠湯口の定位置に注湯を
    行なうように、このトリベを上下方向及び水平方向に移
    動するための制御及び駆動手段とを具備することを特徴
    とする注湯装置。
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