JPH09131555A - ロールコーター塗装装置 - Google Patents

ロールコーター塗装装置

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JPH09131555A
JPH09131555A JP29125595A JP29125595A JPH09131555A JP H09131555 A JPH09131555 A JP H09131555A JP 29125595 A JP29125595 A JP 29125595A JP 29125595 A JP29125595 A JP 29125595A JP H09131555 A JPH09131555 A JP H09131555A
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JP
Japan
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paint
coating
tank
coating material
coater
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Withdrawn
Application number
JP29125595A
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English (en)
Inventor
Takashi Anyashiki
孝思 庵屋敷
Keiji Yoshida
啓二 吉田
Masaru Sagiyama
勝 鷺山
Yasuhisa Tajiri
泰久 田尻
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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  • Degasification And Air Bubble Elimination (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属板にロールコーター塗装する際に、塗料
中に巻き込まれる気泡を効率よく脱泡し、あるいは塗料
中の顔料、骨材、アルミ等の金属粉等の粒子の分散を良
好にし、塗装欠陥の発生の少ない塗装金属板を連続的に
製造することができるとともに、さらに小ロットの塗装
金属板の製造にも適した塗装装置を提供する。 【解決手段】 コーターロールにより金属板13に塗装
を施すための塗料をいれるコーターパン2、コーターパ
ンの下方にコーターパンからオーバーフローした塗料を
受けるための塗料回収槽3、コーターパンの上方に超音
波発振器5を底部に有し、コーターパンに塗料を供給す
るための塗料タンク1を備え、前記塗料回収槽3と前記
塗料タンク1とがその途中に塗料回収槽から排出した塗
料を塗料タンクへ移送するための塗料循環ポンプ4を有
する塗料供給配管17を介して接続されているロールコ
ーター塗装装置

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗料中に巻き込ま
れる気泡を効率よく除去し、あるいはさらに塗料中の顔
料、骨材、アルミ等の金属粉等の粒子を効率よく分散さ
せ、塗装欠陥の発生の少ない塗装金属板を連続的に製造
するためのロールコーター塗装装置に関する。
【0002】
【従来の技術】塗装金属板は、ロールコーター塗装によ
り製造されるものが多い。ロールコーター塗装では、通
常、塗料をいれるコーターパンに一部浸漬したロールを
回転して塗料を汲み上げ、汲み上げた塗料を直接被塗材
である金属板、あるいは汲み上げた塗料をさらに別のロ
ールに転写し、転写したロールに付着した塗料を被塗材
である金属板に塗布して塗膜を形成する。
【0003】図4により、3本のコーターロールを使用
するロールコーター塗装装置により鋼板に塗装する場合
を例に上げて説明する。図4で、1は塗料タンク、2は
コーターパン、21は塗料タンク1からコーターパン2
へ塗料を送る塗料循環ポンプであり、塗料タンク1はコ
ーターパンの下方に設けられている。塗料の入ったコー
ターパン2中にピックアップロール11の一部を浸漬さ
せ、このピックアップロール11を回転させ、コーター
パンから汲み上げた塗料20をアプリケーターロール1
2を介して走行する鋼板13に塗布する。塗料が塗布さ
れた鋼板は図示されていない焼付設備により焼付けられ
て塗装鋼板となる。一方、塗料20は塗料タンク1から
塗料循環ポンプ21によりコーターパン2に送られて、
一部は鋼板13に付着するが、余分な塗料は塗料戻り配
管23を経由して再び塗料タンク1に戻る。塗料タンク
1では、塗料濃度を均一化するために、攪拌羽根を持っ
た攪拌装置24により塗料が攪拌される。また、鋼板に
付着して減少した塗料を補給するために、必要に応じて
塗料補給タンク25から塗料タンク1へ塗料が補給され
る。
【0004】上記のような塗装装置により塗料を循環使
用して鋼板に塗装する場合、塗料循環中に発生した気泡
が塗料に巻き込まれてコーターパン内に持ち込まれる。
塗料が、この気泡を巻き込んだまま、ピックアップロー
ル、アプリケーターロールを経て鋼板に付着することに
より、鋼板の塗膜面にふくれ、泡引き等の塗膜欠陥が発
生する。
【0005】近年、建材分野や家電製品分野等における
塗装鋼板の用途拡大に伴い、塗装鋼板の製品の多様化、
一層の品質向上が図られている。これに対応して、塗料
の樹脂成分、助剤、溶剤等の組成がより複雑になり、こ
れに加えて各種の添加剤が併用されるようになり、塗料
はより気泡を発生しやすくなっている。また、意匠性向
上のためにより多様な顔料、骨剤、アルミ粉等の粒子が
配合されるようになっている。これらの配合物粒子は沈
降性粒子であるため、塗料中の分散状態を良好にするた
めに、塗料タンク中で攪拌羽根による攪拌強化が行われ
ているが、この攪拌強化により発生した気泡が塗料中に
より巻込まれ易くなっている。
【0006】気泡の発生を抑制するために消泡剤の添加
が検討されている。しかし、消泡剤の添加により、はじ
き、レベリング不良等の別の塗装欠陥が発生し易くなる
場合があり、この種の添加剤により気泡の発生を完全に
防止することは現状では困難である。
【0007】そこで、塗装装置の改善による脱泡対策が
検討されている。 (1)特開平6−312152号公報には、コーターパ
ンに供給された塗料から気泡を除去する技術が記載され
ている。具体的には、例えばその実施例2において、図
5に示されるようにピックアップロール11の一部を塗
料パン2内に浸漬させてロール表面に塗料を付着させ、
帯状材に連続塗布する帯状材用ロールコータにおいて、
塗料パン2内を一枚の堰板30によって水平方向に2つ
の区分31a、31cに区切り、第1の区分31aに塗
料の供給口32と排出口33を、第2の区分31cにピ
ックアップロール11をそれぞれ配置するとともに、前
記堰板30の底部を塗料パン2の底部よりわずかに高く
して第1の区分31aと第2の区分31cとを塗料パン
2の底部で連通させ、かつ第1の区分31aにおける塗
料の排出口33の高さを塗料パン2の底面より高くした
塗料パンが記載されている。このような構成とすること
により、塗料の循環により、塗料中に含まれる気泡は堰
板30によって仕切られた塗料パンの区分31a内で上
昇し、液面に出て消滅するので、気泡がピックアップロ
ール11側の区分31c内に移動してこのロールに付着
することを防止している。
【0008】(2)特開昭56−81112号公報に
は、循環装置の途中に設けられた共振周波数10〜50
KHzの超音波振動子を有する脱泡処理装置により、塗
装部に至る前に塗料中の気泡を除去する技術が記載され
ている。具体的には、その実施例1において、図6によ
り示される装置を用いて、カーテンコーター塗装におい
て、被塗装物の上部に設けたヘッドタンク40からフィ
ルム状に落下する塗料を下部に設けた塗料タンク41に
回収し、このタンクからギアポンプ42により、脱泡処
理室43で脱泡した後、再び上部に設けられたヘッドタ
ンク40に戻る循環方式をとっている。コンベア装置4
4上を被塗装物が通過する際に塗装される。
【0009】塗料タンク41内の塗料はギアポンプ42
により、超音波脱泡装置を取り付けた脱泡処理室43に
送入される。脱泡処理室43に送入された塗料は超音波
発振器45、振動子46の働きによって塗料中の気泡が
表面に浮上する。この脱泡処理室43にコンプレッサー
47、レギュレーター48を経て圧縮空気を送入して、
脱泡処理室43の空隙部分の圧力を高めると同時に液表
面にある程度の風速を与えることにより浮上した気泡を
除去する。脱泡された塗料は塗料排出口49から流れ出
し、ガイド板50に沿ってへッドタンク40に注がれ
る。
【0010】(3)特開昭62−97668号公報に
は、浸し塗り塗装において、塗料に浸漬した被塗物に1
0KHz以上、50KHz以下の超音波を作用させるこ
とにより、塗装後、被塗物のくぼみやボイド部にできた
気泡を破壊して、被塗物の塗料をむらなく、強い付着力
で塗装することが記載されている。また、特開平2−3
1852号公報には、被塗物を浸漬した塗料タンク内部
に超音波発振器を取付けて、塗料供給時に発生する塗料
中の泡ぬきおよび塗布毎に塗料の攪拌を行うことが可能
になり、均一な塗布が可能になることが記載されてい
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記した公報
に記載される技術による場合、以下の問題点がある。 (1)特開平6−312152号公報に記載される技術
による場合、塗料パン内の気泡を上昇させるための第1
の区分の領域が狭いので、コーターパン内に供給された
塗料は、その中の気泡が第1の区分内で十分に上昇しな
い内に、ピックアップロール側の第2の区分に流入して
しまう。また、第1の区分の領域を気泡の上昇に十分な
容量にすると塗料中に配合された金属粉等がこの区分で
の沈降が大きくなり、ピックアップロール部で塗料の均
一性が低下し、不均一な塗膜が形成され、気泡の除去と
塗料中に配合された金属粉等の良好な分散とを両立でき
ない。
【0012】(2)特開昭56−81112号公報に記
載される技術による場合、脱泡処理室において浮上した
気泡を圧縮空気により強制的に破泡するので、塗料表面
からの溶剤蒸発が大きくなり塗料粘度の変化が大きく、
また塗料表面に皮張りを生じ、これがトップタンク中に
持ち込まれる可能性がある。また、脱泡処理室の上部の
塗料に浮上したり気泡が集まるが、ここで破泡されずに
残った大きな気泡がトップタンクにそのまま持ち込まれ
たり、破泡されなかった小さな気泡がトップタンクに送
られた後に集合して大きな気泡になる可能性がある。本
発明が対象とするローラーコーター塗装にこの技術を適
用した場合、前記した気泡がコーターパンに持ち込まれ
る可能性があり、前記(1)の特開平6−312152
号公報が目的とするようなコーターパンにおける脱泡対
策が必要となり、この技術により本発明の課題を解決す
ることは困難である。
【0013】(3)特開昭62−97668号公報、特
開平2−31852号公報に記載される技術は浸し塗り
を対象とし、塗料を循環させながらロールコーター塗装
により鋼板の連続塗装を行う技術本発明が対象とする技
術とは異なる技術に関するものである。これらの公報に
記載される技術は何れも塗装部で超音波を利用して消泡
するものであるが、本発明が対象とするローラーコータ
ー塗装にこの技術を適用した場合、消泡の過程で表面に
浮上した泡が鋼板に付着するので、この技術により本発
明の課題を解決することは困難である。
【0014】前記した公報に記載される技術は、塗料中
に含まれる気泡対策として不十分であったり、あるいは
ロールコーター塗装における気泡対策の記載、示唆がな
い。
【0015】また、近年、塗装色調の多様化と相まっ
て、塗装金属板の小ロット化が進んでいるが、前記した
公報には小ロット対策についての記載、示唆がない。
【0016】本発明は前記した事情を勘案してなされた
ものであり、コーターパンに収容する塗料を循環させな
がら金属板にロールコーター塗装する際に、塗料中に巻
き込まれる気泡を効率よく脱泡し、あるいはさらに塗料
中の顔料、骨材、アルミ等の金属粉等の粒子の分散を良
好にし、塗装欠陥の発生の少ない塗装金属板を連続的に
製造することができるとともに、さらに小ロットの塗装
金属板の製造にも適した塗装装置を提供することを目的
とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明の手段は下記の通りである。 (1)コーターロールにより金属板に塗装を施すための
塗料をいれるコーターパン、コーターパンの下方にコー
ターパンからオーバーフローした塗料を受けるための塗
料回収槽、コーターパンの上方に超音波発振器を底部に
有し、コーターパンに塗料を供給するための塗料タンク
を備え、前記塗料回収槽と前記塗料タンクとがその途中
に前記塗料回収槽から排出した塗料を前記塗料タンクへ
移送するための塗料循環ポンプを有する塗料供給配管を
介して接続されているロールコーター塗装装置
【0018】(2)上記(1)において、塗料タンク内
に塗料の流れを制御するための仕切板を設けたロールコ
ーター塗装装置
【0019】(3)上記(1)又は(2)において、塗
料タンクが塗料の温度調整手段を備えているロールコー
ター塗装装置 以下に、発明に至った経緯とともに本発明について説明
する。
【0020】本発明者等は、塗装欠陥となる気泡の状態
及びコーターパンや塗料循環装置各部における気泡の状
態について種々の検討を行った。
【0021】その結果、大きさ数百μmあるいはこれ以
上の大きな気泡は塗布段階で破泡しやすく塗装欠陥とな
ることは少ないが、大きさ数十μm程度以下の微細な気
泡はピックアップロールで汲み上げられると塗布後も残
り、塗装欠陥になりやすいことが判った。
【0022】また、大きさ数十μm程度以下の微細な気
泡の発生は以下の理由によるものであることが判った。 (ケース1)塗料タンクがコーターパンの位置より低い
場合、 塗装時に、ピックアップロールの回転に伴い塗料中に
気泡が巻き込まれたり、ピックアップロールとアプリケ
ーターロール、アプリケーターロールと鋼板間で絞り取
られた塗料のコーターパン内への落下等により気泡が発
生する。これらの気泡がコーターパンからオーバーフロ
ーする塗料中に巻き込まれ、この気泡が消滅することな
く塗料タンクに送られる。
【0023】コーターパンからオーバーフローした塗
料が塗料タンクに落下する際に新たに気泡が発生する。
【0024】塗料タンクで、塗料を補給した際、ある
いは塗料濃度均一化するために攪拌羽根を備えた攪拌装
置で攪拌するが、その際に塗料中に気泡が巻きこまれ
る。
【0025】前記した気泡はいろいろな大きさの気泡
が混在したものである。これらの気泡を塗料中に巻き込
んだまま、塗料循環ポンプにより加圧して塗料タンクか
らコーターパンへ塗料が供給されると、吐出圧が開放さ
れることにより、塗料中の気泡は数10μm程度の微細
な気泡となる。また、塗料循環ポンプ自体でも新たな気
泡が発生する。塗料はこれらの微細化された気泡を巻き
込んだまま、コーターパンに送り込まれる。
【0026】(ケース2)塗料タンクの位置がコーター
パンの位置より高い場合、 塗料が塗料タンクに入る際に大きな気泡を発生すること
があり、この気泡も巻き込んだ塗料が、直接コーターパ
ンに送り込まれることがあるため、上記ケース1の場合
より更に悪くなる。
【0027】従って、上記した塗装欠陥を防止するに
は、塗料タンクに存在する気泡を低減するとともに、塗
料タンクからコーターパンへの塗料の供給に際して、塗
料中の気泡の微細化に大きな影響のある塗料循環ポンプ
を使用しないことが有効であると考えた。また、塗料タ
ンクに存在する気泡の低減には、塗料タンクに持ち込ま
れる気泡の低減対策、塗料タンクでの塗料の攪拌により
発生する気泡対策および塗料タンクにおける脱泡対策が
必要と考えた。
【0028】また、近年、塗装鋼板の用途拡大、塗装色
調の多様化と相まって、塗装鋼板の小ロット化の傾向が
顕著である。経済的に小ロット製品を製造する際に、塗
料循環系統を小容量化できることが、保有する塗料容量
や色替の容易性の点からより有利であると考え、循環系
統の小容量化についても配慮した。
【0029】本発明はこの考えに基づいてなされたもの
である。先ず、塗料タンクにおける気泡の分離を超音波
を利用することにより、小容量のタンクにしても効率的
脱泡が可能であると考えて、超音波による脱泡性につい
て調査した。
【0030】(実験例1)150mlガラスビーカーに
粘度300cpのアミノアルキド系クリアー塗料をおよ
そ100ml(高さ約7cm)入れた後、小型高速ディ
スパーを用いて強制的に気泡を巻き込ませた試料を作成
した。この試料を入れたガラスビーカーの底面から2c
mの部分および液面下2cmの部分からそれぞれ試料を
スポイトでサンプリングした。サンプリングした試料
を、スペーサーを介したスライドガラスに滴下し、上部
にカバーガラスをのせた後、倍率3倍の顕微鏡観察によ
り光点として認められた気泡数をカウントした。更に、
5分間経過後にサンプリングした試料について同様にし
て気泡数を調査した。
【0031】また、図7に示すように、上記と同様に作
成した試料60を入れたガラスビーカー61を水道水6
2を入れた38KHz超音波洗浄器ウルトラソニックC
−20(超音波工業KK製)63に載せ、1分間、5分
間超音波処理を行った後、それぞれ底面から2cmの部
分(a点)、浴面下2cmの部分(b点)からサンプリ
ングした試料について上記と同様にして気泡数を調査し
た。
【0032】調査結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】表1から、超音波処理により、気泡数は短
時間で大幅に減少し、特に、ガラスビーカーの底部に近
い部分で顕著に減少しており、超音波処理により、気泡
の浮上促進、消泡促進がなされ、効率的な脱泡処理が可
能なことが判った。
【0035】即ち、本発明においては、塗料タンクがコ
ータパンの上方に設置されているため、塗料タンクから
コーターパンへの塗料の供給に際して、塗料中の気泡の
微細化に大きな影響のある塗料循環ポンプを使用する必
要がなく、かつ、塗料タンクの底部に超音波発振器が備
えられているので、塗料タンク内で脱泡が効率よく行わ
れる。
【0036】更に、塗料タンク内に仕切板を設けること
により、タンク内塗料の流れを制御することが可能にな
り、より効率的な脱泡ができる。
【0037】塗料タンクに超音波発振器を設けることに
より、塗料温度が上昇する場合がある。この温度上昇に
より塗料粘度が変化し、塗膜厚変動等の塗装作業、塗膜
品質に影響する場合がある。また、気温の季節変動によ
る塗料温度の上下変化により、同様の問題が発生する場
合もある。これらの場合、塗料タンクに温度調整手段を
設けることによって、塗料タンクの温度変化を防ぎ、前
記の問題を防止できる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図を用いて説明する。
【0039】以下の図において、説明済の図に示された
部分と同じ部分には同じ符号を付してその説明を省略す
る。
【0040】図1は、本発明の第1の実施形態を示す図
である。図1において、3は塗料回収槽、4は塗料循環
ポンプ、5は超音波発振器、8は塗料供給口、9は塗料
排出口、10は流量調整装置、16はオーバフロー管、
17及び18は塗料供給管である。
【0041】コーターパン2からオーバーフローした塗
料を、オーバフロー管16を経由して塗料回収槽3に回
収する。オーバフロー管16の下部は、ホッパー3に回
収された塗料中に浸漬している。ホッパー3に回収され
た塗料は塗料供給配管17の塗料供給口8から塗料循環
ポンプ4により塗料タンク1に送られる。塗料回収槽3
は、コーターパンから持ち込まれた気泡あるいはコータ
ーパンから落下の際に生じた気泡を含んだ塗料をここで
浮上消泡させ、ここから流出する塗料中の気泡を低減す
ることができる。従って、塗料タンク1で脱泡処理を施
す際の負荷を低減できるので、塗料タンク容量の小型
化、超音波発振器の出力の低減等に寄与する。特に、塗
料回収槽をホッパーとした場合、塗料の線流速に変化を
与えて気泡の浮上消泡効果を向上させることができるの
で、槽の小容量化に寄与する。
【0042】塗料タンク1の底部に超音波発振器5が設
けられている。超音波発振器5のキャビテーションによ
り塗料中の気泡は相互の衝突合体して大きな気泡とな
り、浮上、破泡するので、塗料タンクにおける塗料中の
気泡を効率的に除去できる。また、同時に塗料が攪拌さ
れるので、塗料濃度が均一化され、塗料中の顔料、骨
材、アルミ等の金属粉等の粒子の分散も均一にできる。
また、従来技術において用いられた攪拌羽根を持つ攪拌
装置を必要としないので、この装置に起因する気泡の巻
き込みがない。
【0043】超音波発振器の周波数は、20〜50KH
z、より好ましくは25〜40KHzとすると脱泡効率
が良好である。この周波数が、20KHz未満ではキャ
ビテーションが起こりにくくなり、脱泡効率が低下す
る。また、周波数が50KHzを超えると作業環境上の
問題が生ずるので好ましくない。超音波発振器には、塗
料の種類により、脱泡効率、分散効率が異なることに対
応できるように出力変動可能な超音波発振器を用いるこ
とができる。
【0044】超音波発生源の振動子としては、磁歪振動
子、圧電振動子、電歪振動子などを用いることができ
る。磁歪振動子としては、ニッケル、フェライト、アル
フェル合金等、圧電振動子としては、水晶、ロッシェル
塩等、電歪振動子としては、チタン酸バリウム、ジルコ
ン酸チタン鉛等を例示できる。
【0045】超音波の設置場所は塗料タンクの底部とす
るのが脱泡性の点で有利である。設置方法は、塗料タン
ク内部への投込み式、塗料タンク内部や底面部への組込
み式であってもよいが、これらの設置方法に限定される
ものではない。
【0046】超音波発振器は塗料タンクの底部の全面に
設けると塗料タンクからコーターパンへの塗料供給部の
近傍で発生したキャビテーションにより生じた気泡がコ
ーターパンへ流出する可能性がある。従って、気泡によ
る塗装欠陥が発生しやすい場合、塗料タンクからコータ
ーパンへの塗料排出部の近傍には超音波発振器を設けな
い方が望ましい。
【0047】気泡が除去された塗料は塗料タンク1の底
部に近接して設けられた塗料排出口9から、塗料供給配
管18を経由してコーターパン2に送られる。塗料タン
ク1とコーターパン2との間には、塗料タンクからコー
ターパンに供給される塗料の流量をコントロールするた
めの流量調整装置10を設置し、ポンプと連動させ、塗
料タンクの液面位置がコントロールできるようになって
いる。
【0048】コーターパンに供給された塗料は、ピック
アップロール11およびアプリケーターロール12を介
して鋼板13に塗布され、必要な工程を経て製品とな
る。
【0049】塗料タンク1をコーターパン2の上方に設
けることにより、塗料循環ポンプを使用しないで、コー
ターパンに塗料を供給できるので、塗料循環ポンプを使
用した場合の気泡の微細化、ポンプ自体で発生する気泡
の問題がなくなる。
【0050】塗料タンク1からコーターパン2への塗料
排出部9は塗料タンク1の底部近傍の位置に設けること
が好ましい。塗料中の気泡は超音波の作用により浮上す
るので、底部の方が気泡が少ない。従って、底部近傍の
位置からコーターパンへ塗料を排出することにより、気
泡の少ない塗料をコーターパンに排出することができ
る。また、スラジ等の沈降性異物が底部に存在していて
も、コーターパンに排出されることがない。
【0051】また、塗料タンク1への塗料供給口8と塗
料タンクからコーターパンへの塗料排出口9はそれぞれ
塗料タンクの反対側に設けることが好ましい。このよう
な配置にすることにより、気泡の除去をよりよくでき
る。
【0052】本発明の第2の実施形態を図2に示す。図
2で、6a、6bは塗料タンク1中に設けられた仕切板
であり、6aは底部に塗料流通部、6bは上部に塗料が
オーバーフロー部がある。本実施形態の場合、仕切板6
a、6bにより、塗料タンク中における塗料の流れを制
御できるので、実施例1の場合の作用に加えて、さらに
効率的な脱泡ができる。
【0053】仕切板6は、底部に塗料流通部を有する仕
切板6aと上部を塗料がオーバーフローする仕切板6b
とを設けることが好ましい。これらの仕切板を交互に複
数設けてもよい。底部に塗料流通部を有する仕切板6a
のみを用いることもできる。底部に塗料流通部を有する
仕切板6aの仕切板の下部の一部が凹状の形状であって
もよい。上部を塗料がオーバーフローする仕切板6b
は、仕切板の上部の一部が凹状の形状のものであっても
よい。底部に塗料流通部を有する仕切板6aは、タンク
内で浮上した気泡をトラップし、破泡し、気泡がコータ
ーパン2に送り込まれることを防止する。上部を塗料が
オーバーフローする仕切板6bは、スラジ等の沈殿性異
物をトラップし、これらの異物がコーターパンに送り込
まれることの防止にも寄与する。
【0054】仕切板の数を増加すると塗料中の気泡の分
離能力は増加するが、顔料、骨材、アルミ粉等の粒子の
分散能力が低下するので、使用する塗料の性質、要求品
質に応じて適宜仕切板の数を選定することが望ましい。
【0055】本発明の第3の実施形態を図3に示す。図
3で、7は塗料タンク1の外側部に設けられた水ジャケ
ットである。塗料タンク中の塗料温度を、図示しない温
度検出器により検出し、水ジャケット中の水温を調整し
て、塗料温度を一定温度に保持する。本実施形態の場
合、塗料タンク中の温度を一定にできるので、第2の実
施形態の作用に加えて、さらに塗布された塗膜厚変動を
低減できる。
【0056】これらの実施形態を示す図においては、3
本のロールを使用した場合について図示されているが、
本発明の装置は、使用するロール本数によることなく、
ロールコーターによる塗装を行う場合において効果を発
揮できる。
【0057】本発明の装置による塗装に用いられる塗料
は、低粘度の水系塗料だけでなく、公知の樹脂、顔料、
改質剤、添加剤、溶剤を必要に応じて選択、組合わせて
得られる粘度50cp以上(20℃での測定値)の高粘
度塗料も用いることができる。樹脂としては、アミノ樹
脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹
脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂等を
例示できる。顔料としては、酸化チタン、カーボンブラ
ック、酸化鉄、黄鉛、フェロシアニンブルー、フタロシ
アニングリーン等の無機顔料・有機顔料、硫酸バリウ
ム、タルク、マイカ等の体質顔料、アルミ粉、銅粉等の
塗料、インキ等に用いられるものが適用できる。添加剤
としては、顔料分散剤、レベリング剤、沈降防止剤、紫
外線吸収剤等が使用できる。溶剤としては、トルエン、
キシエン、ソルベット100、ソルベット150、酢酸
ブチル、酢酸エチル、ンブタノール、セロソルブ、ブチ
ルセロソルブ、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ
ン、セオソルブアセテート等一般的に塗料希釈剤として
用いられているものを使用できる。
【0058】
【実施例】前記した実施形態の装置を使用し、ポリエス
テル系塗料を用いて通常の操業条件で鋼板に100,0
00m塗装し、気泡に起因する塗装欠陥の発生数と基準
膜厚に対する塗膜厚変動を調査した。塗装欠陥の発生数
は、塗装鋼板の外観を目視観察により、また塗膜厚変動
は、蛍光X線膜厚計により調査した。結果を表2に示
す。また、比較のために図4に示す塗装装置を用いて、
上記と同様の調査を行った。結果をあわせて表2に示
す。
【0059】
【表2】
【0060】発明例1は、比較例に比べて塗膜欠陥の発
生が少ない。塗料タンクに仕切板を用いた発明例2、発
明例3は塗膜欠陥の発生が認められなかった。発明例
1、発明例2は塗料温度が時間の経過とともに幾分上昇
していったため、やや塗膜厚変動が大きかったが、塗料
温度を一定にした発明例3では塗膜厚変動が小さい。
【0061】
【発明の効果】本発明の装置を用いて鋼板に塗装した場
合、塗装欠陥の発生を低減でき、あるいはさらに塗膜厚
の変動を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態示す図
【図2】本発明の第2の実施の形態を示す図
【図3】本発明の第3の実施の形態を示す図
【図4】従来技術の塗装装置を説明するための図
【図5】従来技術におけるコーターパンにおける気泡対
策を説明するための図
【図6】従来技術における超音波による塗料の脱泡設備
を説明するための図
【図7】超音波による塗料の脱泡性調査に用いた実験設
備を示す図
【符号の説明】
1 塗料タンク 2 コーターパン 3 塗料回収槽 4 塗料循環ポンプ 5 超音波発振器 6、6a、6b 仕切板 7 冷却装置 8 塗料供給口 9 塗料排出口 10 流量調整装置 11 ピックアップロール 12 アプリケーターロール 13 鋼板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田尻 泰久 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コーターロールにより金属板に塗装を施
    すための塗料をいれるコーターパン、コーターパンの下
    方にコーターパンからオーバーフローした塗料を受ける
    ための塗料回収槽、コーターパンの上方に超音波発振器
    を底部に有し、コーターパンに塗料を供給するための塗
    料タンクを備え、前記塗料回収槽と前記塗料タンクとが
    その途中に前記塗料回収槽から排出した塗料を前記塗料
    タンクへ移送するための塗料循環ポンプを有する塗料供
    給配管を介して接続されていることを特徴とするロール
    コーター塗装装置
  2. 【請求項2】 塗料タンク内に塗料の流れを制御するた
    めの仕切板を設けたことを特徴とする請求項1記載のロ
    ールコーター塗装装置
  3. 【請求項3】 塗料タンクが塗料の温度調整手段を備え
    たことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のロール
    コーター塗装装置
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