JPH0913015A - 防曇塗料及び防曇体 - Google Patents

防曇塗料及び防曇体

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JPH0913015A
JPH0913015A JP7165575A JP16557595A JPH0913015A JP H0913015 A JPH0913015 A JP H0913015A JP 7165575 A JP7165575 A JP 7165575A JP 16557595 A JP16557595 A JP 16557595A JP H0913015 A JPH0913015 A JP H0913015A
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JP
Japan
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antifogging
coating
coater
layer
binder
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JP7165575A
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Katsumi Ryomo
克己 両毛
Tadashi Ishiguro
忠 石黒
Masaaki Fujiyama
正昭 藤山
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Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 防曇層による化学的組成によって、透明体ま
たは反射体表面に結露する水分による曇りを、湿潤性を
与えて表面張力を下げて水分を拡散し迅速に防曇する。 【構成】 液媒中にスルホ琥珀酸ジアルキルナトリウム
塩と結合剤を溶解もしくは分散させたことを特徴とする
防曇塗料、及び支持体2表面に結合剤中にスルホ琥珀酸
ジアルキルナトリウム塩を含有する組成物からなる防曇
層3が塗設された防曇体1である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防曇塗料及び防曇体に
関するものであり、例えばプラスチックフイルム、プラ
スチックシート、ガラス板等の表面に水分の凝縮による
曇りが生じない防曇層を形成させるための防曇塗料及び
かかる防曇層を具備した防曇体(材料)に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】例えば、透明なプラスチックフイルムや
プラスチックシート、透明なガラス、あるいは反射鏡面
を有するガラスや金属板のごとき材料の透明体あるいは
反射体では、それらが配置され、その場において接する
空気の温度よりも著しく低温である場合には、空気中の
水分がかかる透明体や反射体の表面で凝縮(結露)して
表面を曇らせ、各々透明性や反射性を失い、透明体や反
射体としての機能を喪失する。
【0003】このため、例えば自動車におけるフロント
ガラス等の窓ガラスでは、これに温風を吹きかけたり、
窓ガラス内部にヒーターを設置し、それ自体を加温して
結露するのを防いでいる。また航空機では、機械的機構
による防曇機器を設置して、操縦席のフロントガラスの
結露により視界が妨げられるのを防止している。さらに
建物の窓ガラスや浴室、洗面台等の湿度が高い所に設置
された鏡などにおいても窓ガラスや鏡の内部にヒーター
を内蔵して結露防止が図られている。また、眼鏡や鏡、
安全マスク、食品包装用プラスチックフイルムや農業用
プラスチックフイルムになどにおいても、結露によりそ
れぞれの透明性や反射性が失われる。
【0004】このような空気中の水分の結露による透明
体や反射体の曇りは、一般家庭の場合や小規模な場合に
は、生じた結露を拭き取るのが面倒という程度で、大き
な問題とされることはないが、前述の透明体や反射体を
利用して、例えば飛行場における管制室や鉄道の駅にお
ける信号制御室、工場における管制室におけるごとく監
視を任務とする場所や結露の拭き取りが困難な交通ミラ
ー等においては、結露は重要な問題である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した従
来技術におけるごとき、透明体や反射体の内部にヒータ
ーを内蔵させることなく、極めて簡便、容易に防曇性を
付与することができる新規な防曇塗料を提供し、さらに
この防曇塗料を塗布し、防曇層を形成させた新規な防曇
体(材料)を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、液媒中
にスルホ琥珀酸ジアルキルナトリウム塩と結合剤を溶解
もしくは分散させたことを特徴とする防曇塗料、及び支
持体表面に結合剤中にスルホ琥珀酸ジアルキルナトリウ
ム塩を含有する組成物からなる防曇層が塗設されている
ことを特徴とする防曇体である。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。まず、本
発明の防曇塗料について説明する。この防曇塗料は、上
述したごとく基本的には防曇剤であるスルホ琥珀酸ジア
ルキルナトリウム塩、結合剤及び液媒からなる。防曇剤
としてのスルホ琥珀酸ジアルキルナトリウム塩は、下記
の化学構造式を有する化合物である。
【0008】R1 OCOCH2 CH(SO3 Na)CO
OR この構造式中、R及びR2 は、それぞれ炭素原子数
3〜20、好ましくは4〜15、さらに好ましくは5〜10の
アルキル基であり、R1 とR2 とは同一のアルキル基で
あってもよく、異なるアルキル基であってもよい。ま
た、分岐を有するアルキル基であってもよい。アルキル
基として具体的には、イソプロピル基、2−エチルヘキ
シル基、n−オクチル基、イソオクチル基、イソブチル
基、2−エチルヘプチル基、2−ヘキサデシル基などが
ある。これらの化合物の市販品としては、例えば“ペレ
ックスOTP”(花王(株)製)、“リパール870 P”
(ライオン(株)製)、“サンモリンOT−70”(三洋
化成工業(株)製)、“マーポマーセPT”(松本油脂
製薬(株)製)、“エアロールCT−1”(東邦化学工
業(株)製)、“ピークロン700 ”(日華化学(株)
製)、“ニッコールOTP”(日本サーファクタント
(株)製)、“サクシノール”(日本染化工業(株)
製)、“日産ラピゾールB−30”(日本油脂(株)
製)、“ネオコールSW−C”(第一工業製薬(株)
製)、“プレノールB−18”(吉村油化学(株)製)、
“ソルパライトS−80”(共栄社油脂(株)製)、“A
erosol・IB(スルホ琥珀酸ジブチルナトリウ
ム)”(米国・アメリカンサイアナミッド社製、以下同
じ)、“Aerosol・MA(スルホ琥珀酸ジヘキシ
ルナトリウム)”、“Aerosol・OT(スルホ琥
珀酸ジオクチルナトリウム)”、“Alphasol・
OT(スルホ琥珀酸ジオクチルナトリウム)”、“Ae
rosol・NAL(スルホ琥珀酸モノラウリルナトリ
ウム)”、“Aerosol・NAO(スルホ琥珀酸モ
ノオレイルナトリウム)”などがあり、本発明の実施の
ために使用することができる。
【0009】塗料成分の配合比として、防曇剤は、後述
する結合剤(約0.5 g/m2 以上)に対して0.1 重量%
以上の量であるこが望ましく、添加量が多ければそれだ
け表面張力が低くなり防曇効果も高いが、所望の防曇効
果が得られる量として約0.01〜50重量%の量である。
【0010】他方、結合剤としては、従来種々の“結合
剤”として公知の有機高分子物質があり、具体的には熱
可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂、電子線硬化型
樹脂、紫外線硬化型樹脂、可視光線硬化型樹脂などがあ
り、所望によりこれらの複数種を混合して使用する。
【0011】熱可塑性樹脂としては、例えば塩化ビニル
酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル重合体、塩化ビニルビ
ニルアルコール共重合体、塩化ビニル酢酸ビニルビニル
アルコール共重合体、塩化ビニル塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニルアクリロニトリル共重合体、アクリル酸
エステルアクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステ
ル塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸エステルスチレ
ン共重合体、メタクリル酸エステルアクリロニトリル共
重合体、メタクリル酸エステル塩化ビニリデン共重合
体、メタクリル酸エステルスチレン共重合体、ウレタン
エラストマー、ナイロンシリコン系樹脂、ニトロセルロ
ーズポリアミド樹脂、ポリ弗化ビニル、塩化ビニリデン
アクリロニトリル共重合体、ブタジエンアクリロニトリ
ル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、
セルローズ誘導体(酢酸酪酸セルローズ、二酢酸セルロ
ーズ、三酢酸セルローズ、プロピオン酸セルローズ、ニ
トロセルローズ、メチルセルローズ、エチルセルロー
ズ、プロピルセルローズ、メチルエチルセルローズ、カ
ルボキシメチルセルローズ、アセチルセルローズ等)、
スチレンブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、クロロビニルエーテルアクリル酸エ
ステル共重合体、アミノ樹脂、各種の合成ゴム系熱可塑
性樹脂、及びこれらの混合物があり、一般には軟化温度
が150 ℃以下、平均分子量が1万〜30万、重合度が50〜
2,000 程度、より好ましくは200 〜700 程度のものが用
いられる。
【0012】また、熱硬化性樹脂や反応型樹脂として
は、例えばフェノール樹脂、フェノキシ樹脂、エポキシ
樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレ
タンポリカーボネート樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、
アルキド樹脂、シリコン樹脂、アクリル系反応樹脂、エ
ポキシポリアミド樹脂、ニトロセルローズメラミン樹
脂、高分子量ポリエステル樹脂とイソシアネートプレポ
リマーの混合物、メタクリル酸塩共重合体とジイソシア
ネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリオール
とポリイソシアネートとの混合物、尿素ホルムアルデヒ
ド樹脂、低分子量グリコール/高分子量ジオール/トリ
フェニルメタントリイソシアネートの混合物、ポリアミ
ン樹脂、ポリイミン樹脂及びこれらの混合物があり、一
般には塗料の状態では分子量が20万以下であるが、塗膜
を形成した後は、縮合反応や付加反応により著しく大き
な分子量となり、強靭な塗膜を形成するものが好まし
い。
【0013】前述したように、防曇塗料の固形成分とし
ては、基本的には防曇剤と結合剤であるが、これらの固
形成分を後述の液媒中に分散させて安定(分散した成分
の凝固や沈降を抑制)させ、あるいは固形成分の溶解を
助長する分散剤が用いられる。
【0014】分散剤は、一般には界面活性剤であり、従
って界面活性剤として液媒中への固形成分の分散、溶解
促進の外、塗布性の向上、塗膜硬化の促進、帯電防止効
果や防曇効果を助長させるなどの機能を呈する。界面活
性剤としては、一般に知られているアニオン性界面活性
剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両
性界面活性剤など各種の界面活性剤があり、適宜選択し
て本発明の防曇塗料を調製することができる。この際に
は、界面活性剤の価格や入手の容易さのみに左右される
ことなく、防曇塗料として湿潤剤や結合剤の液媒中への
溶解促進の助長、溶媒からの析出抑止、塗料として気泡
の抑制、被塗面への良好な漏れや塗布性、さらに塗膜の
特性(帯電防止性等)などを考慮して選択することが望
ましい。界面活性剤の具体例としては、炭素数2〜39個
のアルキル基、フェニル基、アルアルキル基を有する脂
肪酸(例えばカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミ
リスチン酸、バルミチン酸、ステアリン酸、オレイン
酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアロ
ール酸、ベヘン酸、マレイン酸、フタル酸等)、これら
の脂肪酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、銅や
鉛等の金属塩(例えばオレイン酸銅等)、これらの脂肪
酸アミド、レシチン(大豆油レシチン等)、炭素数4〜
40の高級アルコール(例えば、オクチルアルコール、ミ
リスチルアルコール、ステアリルアルコール等)、これ
ら高級アルコールの硫酸エステル、スルホン酸塩、フェ
ニルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、燐酸(モ
ノ、ジ、トリ)エステル、アルキルホスホン酸塩、アリ
ールホスホン酸塩、さらにアミン化合物、ポリエチレン
グリコール、ポリエチレンオキサイド等も使用できる。
この分散剤(界面活性剤)は、1種類でもよく、もしく
は2種類以上が併用されてもよく、分散剤の添加量は、
結合剤100 重量部に対して0.005 〜100 重量部、好まし
くは0.00001 〜10重量部程度である。
【0015】さらに、防曇塗料の調製のため、あるいは
形成する防曇塗料膜の特性を向上させるために、防曇塗
料の組成物中に例えば酸化防止剤、帯電防止剤、防黴
剤、所望により着色剤等の各種の化合物を添加すること
がある。酸化防止剤は、防曇塗膜の成分が酸化により分
解及び劣化し、塗膜自体の崩壊を防止あるいは遅延させ
るための成分である。酸化防止剤としては、例えばアル
キルフェノール、ベンゾトリアジン、テトラアザインデ
ン、スルファミド、グアニジン、核酸、ピリジンアミ
ン、ハイドロキノン、EDTA等の金属キレート剤など
がある。帯電防止剤は、防曇塗膜における静電気の帯電
を防止あるいは低減させるための成分である。帯電防止
剤としては、カーボンブラック、グラファイト、変成グ
ラファイト、カーボンブラックグラフトポリマー、酸化
錫、酸化錫−酸化アンチモン、酸化チタン−酸化錫−酸
化アンチモン等の導電性粉末等の外、前記の界面活性剤
があり、適宜選択して添加することができる。
【0016】防黴剤は、防曇塗膜における黴の発生、増
殖を防止し、低減させるための成分である。防黴剤とし
ては、2−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾール、
N−(フルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミド、
10,10’−オキシビスフェノキシサルシン、2,4,
5,6−テトラクロロイソフタロニトリル、p−トリル
ジヨードメチルスルホン、トリヨードアリルアルコー
ル、ジヒドロアセト酸、フェニルオレイン酸水銀、酸化
ビス(トリブチル錫)、サルチルアニリドなどがある。
防黴剤に関しては、例えば「微生物災害と防止技術」
(工学図書、1972年出版)あるいは「化学と工業」誌、
第32巻第904 頁以降(1979年刊行)などに詳細に記載さ
れており、これらの記載は、本発明の実施のため有用で
ある。
【0017】着色剤は、防曇塗膜を不透明化させること
なく着色し、または所望の透明度に調製するための成分
である。着色剤としては。各種のカーボンブラック、フ
タロシアニン等有機着色顔料、弁柄や酸化チタン等の無
機着色顔料がある。
【0018】これらの添加剤が塗料調製の際に用いられ
る液媒に可溶な場合は、これを液媒に完全に溶解させる
ことが望ましく、また添加剤が上記溶剤に不溶な場合
は、これを粒系0.01〜100 μm程度にまで微細に粉砕し
た微粒子として用いる。
【0019】上述したごとき本発明の防曇塗料の固形成
分である防曇剤(スルホ琥珀酸ジアルキルエステルナト
リウム塩)、結合剤及び所望の添加剤は、液媒(溶剤及
び分散媒)中に溶解し、あるいは分散させる。固形成分
は、液媒中に溶解あるいは分散させる。液媒としては、
水の外、各種の有機溶剤がある。有機溶剤としては、メ
タノール、エタノール、n−(又はイソ−)プロパノー
ル、n−(又はイソ−、第二−、第三−)ブタノール、
イソアミルアルコール、シクロヘキサノール、メチルシ
クロヘキサノール等のアルコール類、ジエチルエーテ
ル、メチルイソプロピルエーテル、ジクロルエチルエー
テル、イソピルエーテル、ジ−n−ブチルエーテル、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテ
ル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソプロピルケトン、メチルジプロピルケトン、メ
チルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン
等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロ
ピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミ
ル、乳酸エチル等のエステル類、エチルモノ(又はジ、
トリ)グリコール、ブチル(又はジ、トリ)グリコール
等のグリコール類、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、スチレン、エチルベンゼン等の脂肪族あ
るいは芳香族炭化水素類、酸化メチル、塩化メチレン、
塩化エチレン、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンク
ロルヒドリン、トリクロルエタン、トリクロルエチレ
ン、ジクロルベンゼン、o−クロルトルエン、p−クロ
ルトルエン、ジクロルトルエン等の塩素化炭化水素、
N,N−ジメチルホルムアルデヒド、トルイジン等があ
り、例えば、アルコール類やアセトン等と水との混合溶
剤も使用できる。
【0020】これらの液媒としては、通常任意の1種類
もしくは2種類以上を所望の比率に混合したものが用い
られる。液媒は、通常固形成分100 重量部に対して100
〜20,000重量部の割合で、特に好ましくは100 〜1,000
重量部である。
【0021】防曇塗料の調製のための組成物の混練、分
散、溶解には、従来の塗料製造技術を利用し、また各成
分の添加順序や混練・分散中の添加、液媒の温度等を適
宜選択、設定して行うことができる。混練、分散、溶解
のための機器としては、例えば二本ロールミル、三本ロ
ールミル、ボールミル、ペブルミル、トロンミル、サン
ドグラインダー、ツェグバリアトライター、高速インペ
ラー分散機、高速ストーンミル、高速衝撃ミル、ディス
パー、ニーダー、高速ミキサー、リボンブレンダー、コ
ニーダー、インテンシブミキサー、タンブラー、ブレン
ダー、ディスパーサー、ホモジナイザー、単軸スクリュ
ー押出機、二軸スクリュー押出機及び超音波分散機等を
用いることができる。調液には、通常これらの分散・混
練機を複数備え、連続的に処理することが望ましい。
【0022】上記の機器により調製した液状組成物を所
望の編み目のフイルターにより濾過し、組成物の粘度を
1〜20,000ストークス(液温25℃)であるように調製
し、本発明の防曇塗料とする。
【0023】以上のごとく調製された防曇塗料は、防曇
を要する例えば透明なプラスチックフイルムやプラスチ
ックシート、透明なガラスあるいは反射鏡面を有するガ
ラスや金属のごとき透明体あるいは反射体の表面に塗布
され、乾固すると、防曇性塗膜を形成する。従って透明
体あるいは反射体上に形成される塗膜は、透光性を有
し、各々の透明性あるいは反射性を保持し得るように光
学濃度が0〜2.0 (透過率…1〜100 %)程度であるこ
とが望ましい。従って、許容できる透光性を有する成分
を採用し、許容できる塗膜強度(耐久性)の範囲で、で
きるだけ薄い塗膜を形成させるなどして、塗膜に必要な
光学特性を持たせることが重要である。前述したよう
に、防曇塗膜の透光性を低下させることが必要なときに
は、防曇塗料の成分として着色剤を添加する場合もあ
る。
【0024】本発明の防曇塗料を上記の透明体あるいは
反射体に塗布するには、刷毛塗り、スプレーコーター、
エアドクターコーター、ブレードコーター、エアナイフ
コーター、スクイズコーター、含浸コーター、リバース
ロールコーター、トランスファーロールコーター、グラ
ビアロールコーター、キスコーター、キャストコータ
ー、ロッドコーター、正回転ロールコーター、カーテン
コーター、押出コーター、バーコーター、リップコータ
ーなどいずれの方法でもよく、透明体や反射体の付設状
況に応じて塗布方法を選択する。そして、透明体や反射
体には、その塗布前あらかじめ下塗り処理やコロナ放電
処理、プラズマ処理、熱処理、除塵埃処理等を施してお
いてもよく、また塗膜強度を大きくするためや塗膜厚さ
のムラを防止するため、逐次多層塗布や同時多層塗布を
行ってもよい。
【0025】透明体や反射体への塗布は、塗布液として
1〜1000μm程度の厚さに塗布した後、20〜130 ℃の温
度で乾燥させると約0.1 〜100 μm程度の厚さの防曇層
を形成する。
【0026】次に、本発明の防曇塗料を支持体材料上に
塗布し、防曇層(防曇性塗膜)を形成させた防曇体(材
料)である第二の発明について説明する。本発明の第二
の態様である防曇体は、透明プラスチック支持体表面に
結合剤中にスルホ琥珀酸ジアルキルナトリウム塩を含有
する組成物からなる防曇層が設けられた材料である。
【0027】透明プラスチック支持体の素材としては、
ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレー
ト等のポリエステル、ポリプロピレン等ポリオレフィ
ン、二酢酸セルローズや三酢酸セルローズ等のセルロー
ズ誘導体、ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂、ポリ塩化
ビニリデン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリアミ
ド、ポリスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリエーテ
ルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテ
ルケトン、ポリアリレート、ポリベンゾオキサゾール等
のプラスチックのフイルムがある。
【0028】これらのプラスチックフイルムは、長手方
向あるいは横方向のいずれかのヤング率が400 kg/m
2 以上であることが望ましい。またこれらのプラスチ
ックフイルムに防曇層を設ける場合、設けられた塗膜の
プラスチックフイルムに対する接着強度と耐久性を付与
するために防曇塗料の塗布に先立ってプラスチックフイ
ルムにコロナ放電処理、プラズマ処理、下塗処理、熱処
理、除塵埃処理、アルカリ処理等の表面処理を施すこと
が好ましい。プラスチックフイルムに対するこれらの表
面処理には、当該工業分野において周知の表面処理技術
を利用し、本発明を実施することができる。
【0029】防曇体(材料)の支持体であるプラスチッ
クフイルムに防曇塗料を塗布する方法としては、スプレ
ーコート、刷毛塗り、エアドクターコーター、ブレード
コーター、エアナイフコーター、スクイズコーター、含
浸コーター、リバースロールコーター、トランスファー
ロールコーター、グラビアコーター、キスコーター、キ
ャストコーター、ロッドコーター、正回転ロールコータ
ー、カーテンコーター、押出コーター、バーコーター、
リップコーター等を利用し、同時あるいは逐次による多
層塗布法等を行ってもよい。
【0030】支持体上に約1〜1000μm程度の厚さに防
曇塗料を塗布した後、温度20〜130℃で乾燥させた後、
乾燥厚さ0.1 〜100 μm程度の防曇層を形成する。
【0031】このようにして形成した防曇体は、所望の
透明体(透明材料)あるいは反射体(反射材料)の表面
に貼着する。通常“防曇体”は、支持体の裏面に接着層
を形成せしめ、さらに離型層を積層させた態様に構成す
る。
【0032】接着層を構成する接着剤としては、目的の
透明体(透明材料)あるいは反射体(反射材料)の材質
表面の特性により選択されるものであるが、多くの被着
対象例がガラスであることを考慮すると、一般にガラス
用接着剤として知られている例えばポリ酢酸ビニル、ポ
リビニルブチラール、シアノアクリレート、不飽和ポリ
エステルとスチレンモノマー、エポキシ樹脂、フェノー
ル樹脂、フェノリックニトリルゴム、ビニルニトリルゴ
ム、ポリクロロプレン、ポリクロロプレンとニトリルゴ
ム変成フェノール樹脂等を主成分とする接着剤を使用す
ることができる。
【0033】これらの接着剤は、各々特性を有してお
り、耐候性が劣る例えばポリ酢酸ビニル接着剤を使用し
た場合は、防曇体の被着対象を室内の透明体あるいは反
射体に制限させるべきであるなど、接着剤の選択には配
慮する必要がある。防曇体の用途を限定する場合には、
上記以外の他の接着剤を使用してもよい。接着剤は、通
常1〜100 μm程度の厚さに塗設し、接着層を厚く形成
した場合には接着強度や接着耐久性を向上させることが
できるが、接着の厚さにより防曇体の光透過性を低減さ
せることのないよう注意すべきである。
【0034】離型層としては、シリコーン樹脂やテフロ
ン等の離型剤で表面処理した離型紙又は離型フイルムが
用いられる。
【0035】上述した接着層や離型層の構成は、いずれ
も公知の技術であり、本発明の実施者がそれらを適宜選
択して本発明を実施することができる。
【0036】第1図は、本発明による防曇体の基本的層
構成を示す断面図である。図中、1は防曇体(層全
体)、2は支持体、3は防曇層、4は接着層、5は離型
層である。防曇層3は、それ自体の接着性によって支持
体2の表面に被着し、支持体2の裏面には接着層4が、
さらにその上には離型層5が被着、積層している。
【0037】この防曇体1の使用に際しては、離型層5
と共に防曇体1を所望の寸法、大きさに裁断した後、離
型層5を剥離して接着層4を露出させ、この面を所望の
透明体あるいは反射体の表面に貼着する。
【0038】
【使用態様と発明の作用】本発明による防曇塗料は、一
般の塗料の特長と同じく、防曇すべき対象物の所在地に
これを搬入し、適宜塗布装置や塗布用具により対象物表
面の所望の部分に所望量を塗布し、所望の防曇塗膜を形
成させることができ、他方、本発明の他の態様である防
曇体は、塗料自体の問題である液状物の使用という作業
上の問題や塗布技能の優劣に基づく塗膜ムラの発生、現
場作業での取扱いや過剰な塗布による塗料の損失などの
諸問題をなくし、作業の簡便さや均一な塗膜の形成など
接着性フイルムの特徴をそのまま実現することができ
る。いずれの態様においても透明体あるいは反射体の表
面に防曇性塗膜が形成され、透明体あるいは反射体の使
用に際して環境内の水分の凝縮による結露を発生させる
ことがないという重要な効果を奏することができる。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、スルホ琥珀酸ジアルキ
ルナトリウム塩を含む防曇塗料により形成される防曇層
の表面は、湿潤性が高く(表面張力が小さく)、防曇層
表面とそれに接する空気相との温度差により結露(空気
相中の水分の凝縮、液化)を生ずる状態であっても、結
露しかかる水分を瞬時に拡散して曇りの発生を防止し、
防曇塗料の透視性を維持する。従って、結露防止の電気
的手段とは異なり、停電時においても良好な防曇性を発
揮するものである。
【0040】また液媒中にスルホ琥珀酸ジアルキルナト
リウム塩と結合剤とを溶解させてなる防曇塗料は、所望
の透明体や反射体の表面に極めて容易に塗布され防曇層
を形成するので、現場施工性が極めて良好な防曇方法を
実現することができる。
【0041】
【実施例】次に本発明をその実施例に基づいて具体的に
説明する。なお、実施例中の量単位である“部”は、す
べて“重量部”である。
【0042】実施例1〜実施例4及び比較例 下記の組成物を配合し、混練機で混練し、希釈剤を添加
して粘度を調節して防曇塗料(試料1〜試料4及び比較
試料)を調製した。
【0043】 組成物 スルホ琥珀酸ジオクチルナトリウム塩 X部 結合剤:スルホン酸ナトリウム2×10-3当量/(樹脂1g) 含有のポリエステル樹脂(分子量7万) 80部 同:トリメチロールプロパン1モルにトリレンジイソシア ネート3モル付加したポリイソシアネート 20部 液 媒:メチルエチルケトン2部/シクロヘキサノン1部の 混合溶剤 200部 希釈剤:トルエン100 部/イソブチルケトン50部の混合溶剤 150部 (注)上記組成において、実施例1ではXは5部(試料
1)、実施例2ではXを10部(試料2)、実施例3では
Xを20部(試料3)、実施例4ではXを50部(試料
4)、比較例ではXを0部(添加せず:比較試料)とし
て調合した。
【0044】調製した各塗料をガラス板上に乾燥厚さが
1μmとなるように塗布し、乾燥して防曇層を形成せし
め、各試料を作成した。
【0045】このようにして作成した各試料の防曇塗料
膜(防曇層)について、その表面に水滴を付着させ、5
秒後の透過率と1分後の透過率とを測定したところ、表
1に記載されたごとき結果が得られた。
【0046】
【表1】
【0047】表1に示された結果から、スルホ琥珀酸ジ
オクチルナトリウム塩を配合した本発明による試料1〜
4においては、5秒後において90%以上の透過率とな
り、1分後には97%の透過率となり、顕著な防曇効果が
得られる事が判明した。その防曇効果は、スルホ琥珀酸
ジアルキルナトリウム塩を5重量%配合された試料1に
おいて充分に得られていたが、スルホ琥珀酸ジアルキル
ナトリウム塩を全く添加しなかった比較試料では、1分
経過後においても透過率の向上は殆ど認められなかっ
た。
【0048】実施例5〜実施例7 上記の実施例1〜実施例4におけるスルホ琥珀酸ジアル
キルナトリウム塩を次の化合物に代え、配合量を10部と
した以外は、実施例1〜実施例4の場合と全く同様にし
て実施した。
【0049】実施例5:スルホ琥珀酸2−エチルヘキシ
ル−1−メチルヘプチルナトリウム塩(試料5) 実施例6:スルホ琥珀酸ジ−(n−ヘプチル)ナトリウ
ム塩(試料6) 実施例7:スルホ琥珀酸ジ−(1−ブチルアミル)ナト
リウム塩(試料7) 各試料について、前例と同様に防曇性を測定したとこ
ろ、表2に示されるごとき結果が得られた。
【0050】
【表2】
【0051】表2に示された結果から、スルホ琥珀酸ジ
アルキルとして上記各試料における化合物に代えた場合
も、迅速で高い防曇効果が得られることが分かった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による防曇体の基本的構造を示す概略断
面図
【符号の説明】
1 防曇体 2 支持体 3 防曇層 4 接着層 5 離型層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 7/02 JLE C09J 7/02 JLE

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液媒中にスルホ琥珀酸ジアルキルナトリ
    ウム塩と結合剤を溶解もしくは分散させたことを特徴と
    する防曇塗料。
  2. 【請求項2】 支持体表面に、結合剤中にスルホ琥珀酸
    ジアルキルナトリウム塩を含有する組成物からなる防曇
    層が塗設されていることを特徴とする防曇体。
JP7165575A 1995-06-30 1995-06-30 防曇塗料及び防曇体 Withdrawn JPH0913015A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6946498B2 (en) 2001-06-13 2005-09-20 Nippon Arc Co., Ltd. Coating composition and article coated with the composition
CN115260893A (zh) * 2022-08-30 2022-11-01 广东邦固化学科技有限公司 一种自修复uv光固化防雾树脂聚合物及其制备方法

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US6946498B2 (en) 2001-06-13 2005-09-20 Nippon Arc Co., Ltd. Coating composition and article coated with the composition
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