JPH0912948A - バブルジェット用水系磁性インク、その製造方法、該インクを用いるインクジェット記録方法及びこれを用いたインクジェット記録装置 - Google Patents

バブルジェット用水系磁性インク、その製造方法、該インクを用いるインクジェット記録方法及びこれを用いたインクジェット記録装置

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JPH0912948A
JPH0912948A JP7186661A JP18666195A JPH0912948A JP H0912948 A JPH0912948 A JP H0912948A JP 7186661 A JP7186661 A JP 7186661A JP 18666195 A JP18666195 A JP 18666195A JP H0912948 A JPH0912948 A JP H0912948A
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water
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dispersion
jet recording
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JP7186661A
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Hiromichi Noguchi
弘道 野口
Yuko Suga
祐子 菅
Katsuhiro Shirota
勝浩 城田
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来水性染料用に設計されたバブルジェット
記録装置をそのまま使用しても安定駆動することが出
来、長期の保存安定性を持ったバブルジェット用水系磁
性インク、その製造方法、該インクを用いるインクジェ
ット記録方法及びこれを用いたインクジェット記録装置
を提供すること。 【構成】 少なくとも水、水溶性有機溶剤、磁性分散
体、界面活性剤(及び塩基)を含有するバブルジェット
用水系磁性インク、その製造方法、該インクを用いるイ
ンクジェット記録方法及びこれを用いたインクジェット
記録装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バブルジェット記録装
置における吐出特性を具備する水系磁性インク、その製
造方法、該インクを用いるインクジェット記録方法及び
これを用いたインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁性材料の液体分散体は、磁性流
体として知られており、水系磁性流体の作製方法も種々
研究開発されている。従来から磁性材料の水系分散体の
製造方法として、磁性金属の無機酸の塩の水溶液から酸
化物を析出させつつ界面活性剤処理を行い、微粒子分散
体を得る技術が知られている。インクジェット記録への
応用を含むそれらの代表的な例としては、”MagneticIn
k for Magnetic Ink Jet Printing”ZLATA KOVAC and C
ARLOS J.SAMBUCETTIIBM, T.J.Watson Research Center,
Reprographic Technology 543(1982) American Chemic
al Society, U.S.Patent 4,107,063 、U.S.Patent 3,99
0,981、特開昭51−37705号公報、特開昭52−
505号公報及び特開平5−140492号公報等を挙
げることが出来る。
【0003】これらに記載される製造方法は共沈法とし
て知られ、特に粒子径の小さい水系磁性流体の製造方法
として用いられている。又、特開昭56−49769号
公報及び特開昭56−61456号公報には、粉末の強
磁性材料を水系に分散する為の表面処理方法として、特
定の界面活性剤の適用が挙げられている。これらの磁性
流体に用いられる材料としては、Fe2O3-FeO系、Mn-Zn系
複合フェライト、Co-Cr系複合フェライト等、Fe、C
r、Co、Ni、Ba、Mn及びZnから選ばれる1
種、或いは2種以上の金属酸化物の特定組成の複合体で
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この方法によって、平
均粒径100〜200Å、飽和磁化20〜100emu
/gの超微粒子分散体、及び複合フェライト系磁性分散
体の製造が可能とされている。そしてこの様にして製造
された磁性分散体を用いて連続式のインクジェット装置
で磁気記録が行われている。しかしながら、バブルジェ
ット記録装置を用いて、磁性分散体を吐出させる試みは
殆ど為されていない。
【0005】事実、連続式インクジェット装置用に製造
された磁性インク、或いはその他の用途向けに製造され
た水系磁性流体を転用するだけでは、バブルジェット記
録装置では、たとえ粘度が低く、適性な表面張力を持っ
た分散体であっても、殆ど吐出させることが出来なかっ
た。このことは、薄膜ヒーターのジュール熱からインク
それ自体を発泡させるバブルジェット方式の場合、分散
体に持続的な発泡の安定性を付与するには、特別な配慮
が必要であることを意味している。
【0006】バブルジェット方式の場合は、インクに瞬
間的に高い熱を直接与え、インク自身を沸騰させるの
で、記録ヘッドの加熱素子上で、分散体の凝集、熱分解
及びコゲーションと呼ばれるヒーター上でのインク成分
の固着とヒーター自身の破壊等が起こるものと考えられ
た。従ってこれらの不具合を回避する材料的手段或いは
デバイス装置が必要であった。従って本発明の目的は、
従来水性染料用に設計されたバブルジェット記録装置を
そのまま使用しても安定駆動することが出来、長期の保
存安定性を持ったバブルジェット用水系磁性インク、そ
の製造方法、該インクを用いるインクジェット記録方法
及びこれを用いたインクジェット記録装置を提供するこ
とである。
【0007】
【課題を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明に
よって達成される。即ち、本発明は、少なくとも水、水
溶性有機溶剤、磁性分散体、ノニオン−アニオン系界面
活性剤及び塩基を含有することを特徴とするバブルジェ
ット用水系磁性インク、及び少なくとも水、水溶性有機
溶剤、磁性分散体及びポリオキシエチレンアミノエーテ
ル系界面活性剤、HLBが14以上の高級脂肪族アミン
或いは脂肪族酸アミドのエチレンオキシド付加化合物を
含有することを特徴とするバブルジェット用水系磁性イ
ンク、その製造方法、該インクを用いるインクジェット
記録方法及びこれを用いたインクジェット記録装置であ
る。
【0008】
【作用】少なくとも水、水溶性有機溶剤、磁性分散体、
界面活性剤(及び塩基)を含有するバブルジェット用水
系磁性インクを用いることによって、従来水性染料用に
設計されたバブルジェット記録装置をそのまま使用して
も安定駆動することが出来る。
【0009】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳細に説明する。本発明のインクは、少なく
とも水、水溶性有機溶剤、磁性分散体及び界面活性剤
(及び塩基)を含有することを特徴としており、該イン
クは、以下に説明する材料が特定された3つの基本工程
を経ることによって製造される。3つの基本工程とは、
Fe、Cr、Co、Ni、Ba、Mn及びZnから選ば
れた1種以上の金属元素の無機酸の塩の水溶液から、無
機塩基と長鎖アルキルカルボン酸系表面処理剤の存在
下、微粒子複合酸化物を析出生成させる第1の工程、上
記で得られた微粒子複合酸化物を重合体分散剤水溶液の
アンモニウム塩或いはアルコールミン塩にて分散処理
し、水系分散体を作製する第2の工程、及び上記で得ら
れた水系分散体に、水溶性有機溶剤、界面活性剤を添加
してインクを作製する第3の工程からなる。
【0010】上記の界面活性剤としては、ノニオン−ア
ニオン系界面活性剤と塩基とのセット、ポリオキシエチ
レンアミノエーテル系界面活性剤、HLB(疎水基と親
水基のバランス指標値:Hydrophobic-Liophobic Balanc
e)が14以上の高級脂肪族アミン或いは脂肪族酸アミ
ドのエチレンオキシド付加化合物が有効に使用され、特
に上記ノニオン−アニオン系界面活性剤は、燐酸及びカ
ルボン酸から選ばれたアニオン性解離基をエチレンオキ
シド末端に有し、且つHLBが10以上のポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、或いはポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテルであることが好ましい。
【0011】更に上記方法で界面活性剤としてノニオン
−アニオン系界面活性剤を使用する場合、塩基を併用す
るが、併用する塩基としては、アルコールアミン類であ
ることがインクジェット記録装置上での信頼性が向上す
るのでより好ましく用いられる。
【0012】以下に本発明の製造方法を更に詳しく説明
する。 <第1の工程>本発明の第1の工程はFeSO4、Fe
Cl2、FeCl3、Cr2(SO4)、NiSO4、BaC
2、MnSO4、ZnSO4等の金属の硫酸塩、塩酸塩
から対応する酸化物、即ち、Fe23、CrO2、Mn
O、ZnO、NiO等の酸化物微粒子、或いは複合酸化
物微粒子を析出させる工程である。上記酸化物微粒子を
析出させるには、水酸化ナトリウム、アンモニア等の塩
基性水溶液を析出媒体とし、これを撹拌しながら酸素ガ
スを吹き込み、そこに前記無機金属塩の水溶液を滴下す
ることによって行う。複合酸化物(フェライト)微粒子
を作製する場合の前記無機金属塩の配合は、従来から知
られている強磁性を与える為の組成に従い、例えば、 Mn−Zn系:14MnO−16ZnO−70Fe
23、21MnO−9ZnO−70Fe23、 Ni−Zn系:18.9NiO−13.6ZnO−6
7.5Fe23 の比率から計算される配合で所定の塩濃度とする。
【0013】このとき、析出してくる酸化物微粒子の結
晶の成長を抑制する為に、析出媒体である塩基性水溶液
中には、長鎖アルキルカルボン酸系表面処理剤、好まし
くは炭素数8から24個の飽和又は不飽和カルボン酸系
表面処理剤を溶解し共存させる。これらのカルボン酸と
しては、オレイン酸、リノール酸、ミリストオレイン
酸、バルミトレイン酸等が挙げられる。これらの酸の存
在で、析出する酸化物微粒子は水溶液中で100nm以
下のサイズのコロイド状態となって懸濁し、それ以上大
きな粒子にはならずに安定化するとともに、結晶成長を
抑制しつつ粒子の表面を親水化する。
【0014】<第2の工程>本発明の第2の工程は、第
一工程で得られた微粒子酸化物のコロイドを重合体分散
剤水溶液のアンモニウム塩、或いはアルコールアミン塩
にて分散処理し、水系分散体を作製する工程である。こ
こで用いられる重合体分散剤としては、アルカリ可溶型
の水溶性樹脂であり、重量平均分子量は1,000から
30,000であり、好ましくは3,000から15,
000の範囲である。
【0015】具体的には、スチレン、スチレン誘導体、
ビニルナフタレン、ビニルナフタレン誘導体、アクリル
酸のアルキルエステル、メタクリル酸のアルキルエステ
ル等の疎水性モノマーと、α,β−エチレン性不飽和カ
ルボン酸及びその脂肪族アルコールエステル、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマール
酸、及びそれらの誘導体等の親水性モノマーからなる共
重合体及びそれらの塩である。
【0016】塩を形成する塩基としては、アルカリ金属
イオン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、
トリエタノールアミン等のアルコールアミン類である。
共重合体はランダム、ブロック、グラフト等のいずれの
構造を有していてもよく、酸価は100から450、好
ましくは130から400の範囲である。
【0017】本発明において使用される分散剤として
は、更にポリビニルアルコール、カルボキシメチルセル
ロース等の水溶性ポリマー、ナフタレンスルホン酸ホル
ムアルデヒド縮合物、ポリスチレンスルホン酸等の水溶
性樹脂も使用することが可能である。又天然物から得ら
れる水溶性高分子、即ち、アラビアゴム、ゼラチン、デ
キストラン、シェラック、リグニンスルホン酸等を併用
してもよい。
【0018】前記コロイドをこれらの分散剤で分散する
には、(1)分散剤溶液を撹拌しつつ、前記磁性流体コ
ロイドを滴下し、分散のメディア(ガラスビーズ、セラ
ミックスビーズ等)を加えて分散を行う、(2)ビーズ
等を用いず、高いずり応力を発生させる撹拌機で磁性コ
ロイドと分散剤高分子溶液を高速撹拌する、(3)磁性
コロイドと分散剤高分子溶液を高圧ジェットで接触させ
て大きなずり応力を発生させて分散させる等の方法を適
用することが出来る。この中で、上記(1)の方法が最
も効率良く、狭い粒度分布の分散体を得るのに有効であ
る。
【0019】<第3の工程>本発明の第3の工程は、第
2の工程で得られた分散体に、水溶液有機溶剤、前記の
如き界面活性剤を添加してインクを作製する工程であ
る。ここで用いられる界面活性剤は基本的にインクに溶
解している。溶解する為の条件としては、HLBが一定
値以上である。これらの界面活性剤は、第1及び第2の
工程を経て作製された分散体に対して添加された場合、
バブルジェット方式のインクジェット記録装置における
安定した吐出特性を有する水系磁性インクを与える。
【0020】好ましい界面活性剤としての第1群は、燐
酸及びカルボン酸から選ばれたアニオン性解離基をエチ
レンオキシド末端に有し、且つHLBが10以上のポリ
オキシエチレンアルキルエーテル、或いはポリオキシエ
チレンアルキルフェニルエーテルである。これらの化合
物はノニオン性とアニオン性を合わせ持った界面活性剤
の一群として知られている。本発明において有効な化合
物は、HLBが10以上であることが必須である。HL
Bが10未満であると、得られるインクの初期の吐出性
能及び長期の吐出持続性のいずれも得ることが出来な
い。HLBは、10以上であれば有効である。この様な
化合物の一般構造は以下の様に表すことが出来る。
【0021】
【0022】疎水性原子団としての長鎖アルキル基の炭
素数は7以上が好ましく、芳香族原子団があってもよ
い。この様な界面活性剤は、アニオン性の解離基を有す
る為にそれ自身の水溶液の表面張力は比較的高く(0.
1重量%〜0.5重量%で、45dyne/cm以
上)、水への溶解度も高いという特徴を有する物質であ
る。
【0023】これらの物質がなぜ水系磁性インクのバブ
ルジェット方式において安定吐出性能を高めるのかは明
らかでないが、上記した特徴が、ヒーター上で熱的に生
起した分散破壊、即ち、粒子凝集とその沈着をヒーター
表面から取り去り易くする作用が大きく、結果として発
泡への熱の利用効率が良く、凝集破壊が最低限度に抑制
される等の効果があると推測される。本発明に用いる界
面活性剤の好ましい具体的な構造を以下に6種類を例示
する。
【0024】
【0025】これらの構造式は一例であり、市販されて
いる化合物としては、例えば、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル燐酸 DLP−10(HLB17.0)、
TLP−4(HLB13.0)、DOP−8N(HLB
12.5)、DDP−8(HLB11.5)、DDP−
10(HLB13.5)、TDP−8(HLB11.
5)、TDP−10(HLB14.0)、(以上は日光
ケミカルス製)、フォスファノールRE−510(HL
B10.5)、フォスファノールRE−610(HLB
12.6)、フォスファノールRE−960(HLB1
1.2)、フォスファノールRS−610(HLB1
0.5)、フォスファノールRS−710(HLB1
3.3)、フォスファノールML−220(HLB1
2.5)、フォスファノールLO−529(HLB1
3.6)、フォスファノールRD−720(HLB1
4.4)(以上は東邦化学製)、これらのアンモニウム
塩、アルカノールアミン塩等である。
【0026】上記界面活性剤と磁性分散体との重量比率
は、もしも磁性分散体のインク中での固形分が5〜10
重量%であるならば、界面活性剤は概ね、0.1〜3.
0重量%の範囲である。この比率は吐出特性を調べなが
ら個々の材料に従って実験的に決定される。これらの界
面活性剤を使用する場合には、中和剤として塩基が必要
であり、それは高分子分散剤の中和剤と同じ様な物質群
から選択すればよい。即ち、アルコールアミン類、アン
モニア、水酸化ナトリウム等である。それ自体としてp
Hは9〜10.5に調節する。好ましい界面活性剤とし
ての第2群は、ポリオキシエチレンアミノエーテルのエ
チレンオキシド付加化合物である。それらの代表例とし
ては下記物質が挙げられる。
【0027】
【0028】これらは、高級脂肪族アミン或いは脂肪族
酸アミドのエチレンオキシド付加化合物であり、それ自
体水溶液では弱塩基性を示す。これらの化合物はノニオ
ン界面活性剤の一群として知られている。本発明におい
て有効な化合物は、HLBが14以上であることが必須
である。HLBが14未満であると、インクの初期の吐
出性能及び長期の吐出持続性のいずれも得ることが出来
ない。HLBは、14以上であれば有効である。HLB
が14以上であるということは、とりもなおさずエチレ
ンオキシドの付加モル数がかなり大きいことを意味す
る。しかしながら、疎水性の原子団は必要であり、例え
ば、ポリオキシエチレン、或いはトリエチレングリコー
ル等のグリコール類ではその性能は全く示さない。疎水
性原子団としての長鎖アルキル基の炭素数は16以上が
好ましく、芳香族原子団があってもよい。
【0029】この様な界面活性剤は、乳化/可溶化作用
は大きいが、湿潤性や浸透性等の界面活性性能は高い方
ではなく、むしろ水溶液への溶解度が高いという特徴を
有する物質である。又、これらのアミノエーテル型の界
面活性剤は、それ単独の水溶液は塩基性なので、アルカ
リ可溶性の高分子分散剤の安定性に悪影響を与えること
もなく、磁性分散体インクの保存安定性は良好である。
これらの物質がなぜバブルジェット方式においてインク
の吐出性能を高めるのかは明らかではないが、第1群の
界面活性剤と同様に、上記した特徴がヒーター上で熱的
に生起した分散破壊、即ち、粒子凝集とその沈着をヒー
ター表面から取り去り易く作用していると考えられる。
又、その他の界面活性剤と比較してなぜ、アミノエーテ
ル型の界面活性剤がとりわけ明瞭な効果を有するのか、
化学的な理由は明らかではない。
【0030】本発明の水系磁性インクに用いられる溶剤
としては、水と混和性がある有機溶剤類である。それら
は、発明者等の分類として、3群に分けることが出来
る。即ち、保湿性が高く、蒸発しにくく、親水性に優れ
る第1群の溶剤、疎水性原子団を末端に有し疎水性の表
面へのぬれ性も良く、蒸発乾燥性もある第2群の溶剤、
適度のぬれ性を有し低粘度の第3群の溶剤(一価アルコ
ール類)である。
【0031】第1群に属する溶媒としては、エチレグリ
コール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、トリプロピレングリコール、グリセリン、1,2,
4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオー
ル、1,2,5−ペンタントリオール、1,2−ブタン
ジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジ
オール、ジメチルスルホキシド、ダイアセトンアルコー
ル、グリセリンモノアリルエーテル、プロピレングリコ
ール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール3
00、チオジグリコール、N−メチル−2−ピロリド
ン、2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、1,3−ジ
メチル−2−イミダゾリジノン、スルフォラン、トリメ
チロールプロパン、トリメチロールエタン、ネオペンチ
ルグリコール、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコ
ールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノメ
チルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、トリエチレングリコールメチルエーテル、トリエチ
レングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ
メチルエーテル、β−ジヒドロキシエチルウレア、ウレ
ア、アセトニルアセトン、ペンタエリスリトール、1,
4−シクロヘキサンジオール等である。
【0032】第2群に属する溶媒としては、ヘキシレン
グリコール、エチレングリコールモノプロピルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレン
グリコールモノイソブチルエーテル、エチレングリコー
ルモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールジエチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ト
リエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレ
ングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコー
ルジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチ
ルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロ
ピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレング
リコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコー
ルモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノ
メチルエーテル、グリセリンモノアセテート、グリセリ
ンジアセテート、グリセリンアセテート、エチレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノ
ール、1,2−シクロヘキサンジオール、1−ブタノー
ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−ヘキ
セン−2,5−ジオール、2,3−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオー
ル、2,5−ヘキサンジオール等である。
【0033】第3群に属する溶媒としては、エタノー
ル、n−プロパノール、2−プロパノール、1−メトキ
シ−2−プロパノール、フルフリルアルコール、テトラ
ヒドロフルフリルアルコール等である。以上の如き水溶
性溶媒の総量は、おおむねインク全体に対して5〜40
重量%である。尚、本発明の磁性分散体インクには、そ
の他、pH調整剤、防腐剤等の任意の添加剤を添加する
ことが可能である。
【0034】以上の様な材料から構成される本発明のイ
ンクの各材料の構成を纏めると以下の通りである。磁性
コロイド100重量部に対して、高分子分散剤は5〜5
0重量部であり、その様にして作製された磁性分散体は
インク中で3〜15重量%、水溶性有機溶剤は10〜4
0重量%、粘度の点で好ましくは15〜30重量%であ
る。インク中の界面活性剤は前記した様に、概ね0.1
〜3.0重量%の範囲である。
【0035】本発明のインクの基礎物性を纏めると、 粘度:2〜6cps 表面張力:35〜55dyne/cm pH:7.0〜10.5 平均粒径:50〜200nm、好ましくは80〜150
nm、より好ましくは80〜120nm の範囲である。
【0036】インク中の磁性分散体は、20重量%まで
含有させることが可能であるが、その含有量は使用目的
に従って選ぶ。固形分量は、既ね4〜12重量%であ
る。以上の様にして磁性分散体が作製される。飽和磁化
5,000〜20,000Gを有する磁性粒子が静磁気
相互作用で凝集しない為の最低粒子径は100Å前後と
計算されている。この粒径に比べて、本発明の分散方法
によるものは、動的光散乱法で測定される粒径は、それ
の10倍位大きな値を持っている。
【0037】それにもかかわらず安定性が得られている
のは、おそらく1次粒子径は理論的な値に近く、それら
の2次粒子の状態で安定化しているものと考えられる。
そして安定化の力は、高分子分散剤の界面張力の低下能
力、及び磁気引力にさからって粒子凝集を妨げる立体的
な斥力が大きいことによると考えられる。
【0038】以上の様に本発明のインクは、インクに熱
エネルギーを加えてインクの発泡により液滴を吐出する
記録方法(バブルジェット方式)に本発明のインクは特
に好適である。インクジェット記録装置として、熱エネ
ルギーを利用した装置の主要部であるヘッド構成例を図
1及び図2に示す。
【0039】図1は、インク流路に沿ったヘッド13の
断面図であり、図2は図1のA−B線での切断面図であ
る。ヘッド13はインクを通す流路(ノズル)14を有
するガラス、セラミック、シリコン又はプラスチック板
等と発熱素子基板15とを接着して得られる。発熱素子
基板15は酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコン
等で形成される保護層16、アルミニウム、金、アルミ
ニウム−銅合金等で形成される電極17−1及び17−
2、HfB2、TaN、TaAl等の高融点材料から形
成される発熱抵抗体層18、熱酸化シリコン、酸化アル
ミニウム等で形成される蓄熱層19、シリコン、アルミ
ニウム、窒化アルミニウム等の放熱性の良い材料で形成
される基板20より成り立っている。
【0040】上記ヘッドの電極17−1及び17−2に
パルス状の電気信号が印加されると、発熱素子基板15
のnで示される領域が急速に発熱し、この表面に接して
いるインクに気泡が発生し、その発生する圧力でメニス
カス23が突出し、インクがヘッドのノズル14を通し
て吐出し、吐出オリフィス22より記録小液滴24とな
り、被記録材25に向かって飛翔する。図3には図1に
示したヘッドを多数並べたマルチヘッドの外観図を示
す。このマルチヘッドはマルチノズル26を有するガラ
ス板27と、図1に説明したものと同じ様な発熱ヘッド
28を接着して作られている。
【0041】図4に、このヘッドを組み込んだインクジ
ェット記録装置の一例を示す。図4において、61はワ
イピング部材としてのブレードであり、その一端はブレ
ード保持部材によって保持固定されており、カンチレバ
ーの形態をなす。ブレード61は、記録ヘッド65によ
る記録領域に隣接した位置に配置され、又、本例の場
合、記録ヘッド65の移動経路中に突出した形態で保持
される。62は記録ヘッド65の吐出口面のキャップで
あり、ブレード61に隣接するホームポジションに配設
され、記録ヘッド65の移動方向と垂直な方向に移動し
て、インク吐出口面と当接し、キャッピングを行う構成
を備える。更に63はブレード61に隣接して設けられ
るインク吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘッ
ド65の移動経路中に突出した形態で保持される。上記
ブレード61、キャップ62及びインク吸収体63によ
って吐出回復部64が構成され、ブレード61及びイン
ク吸収体63によって吐出口面に水分、塵埃等の除去が
行われる。
【0042】65は、吐出エネルギー発生手段を有し、
吐出口を配した吐出口面に対向する被記録材にインクを
吐出して記録を行う記録ヘッド、66は記録ヘッド65
を搭載して記録ヘッド65の移動を行う為のキャリッジ
である。キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能に係
合し、キャリッジ66の一部はモーター68によって駆
動されるベルト69と接続(不図示)している。これに
よりキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が可能
となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣接し
た領域の移動が可能となる。51は被記録材を挿入する
為の給紙部、52は不図示のモーターにより駆動される
紙送りローラーである。
【0043】これらの構成により記録ヘッドの吐出口面
と対向する位置へ被記録材が給紙され、記録が進行につ
れて排紙ローラー53を配した排紙部へ排紙される。以
上の構成において記録ヘッド65が記録終了してホーム
ポジションへ戻る際、ヘッド回復部64のキャップ62
は記録ヘッド65の移動経路から退避しているが、ブレ
ード61は移動経路中に突出している。その結果、記録
ヘッド65の吐出口がワイピングされる。尚、キャップ
62が記録ヘッド65の吐出面に当接してキャッピング
を行う場合、キャップ62は記録ヘッドの移動経路中に
突出する様に移動する。記録ヘッド65がホームポジシ
ョンから記録開始位置へ移動する場合、キャップ62及
びブレード61は上記したワイピングの時の位置と同一
の位置にある。この結果、この移動においても記録ヘッ
ド65の吐出口面はワイピングされる。
【0044】上述の記録ヘッド65のホームポジション
への移動は、記録終了時や吐出回復時ばかりでなく、記
録ヘッド65が記録の為に記録領域を移動する間に所定
の間隔で記録領域に隣接したホームポジションへ移動
し、この移動に伴って上記ワイピングが行われる。図5
は、記録ヘッド65にインク供給部材、例えば、チュー
ブを介して供給されるインクを収容したインクカートリ
ッジ45の一例を示す図である。ここで40は供給用イ
ンクを収納したインク収容部、例えば、インク袋であ
り、その先端にはゴム製の栓42が設けられている。こ
の栓42に針(不図示)を挿入することにより、インク
袋40中のインクをヘッドに供給可能とする。44は廃
インクを受容するインク吸収体である。インク収容部と
してはインクとの接液面がポリオレフィン、特にポリエ
チレンで形成されているものが好ましい。
【0045】本発明で使用されるインクジェット記録装
置としては、上述の様にヘッドとインクカートリッジと
が別体となったものに限らず、図6に示す様なそれらが
一体になったものにも好適に用いられる。図6におい
て、70は記録ユニットであり、この中にはインクを収
容したインク収容部、例えば、インク吸収体が収納され
ており、かかるインク吸収体中のインクが複数オリフィ
スを有するヘッド部71からインク滴として吐出される
構成になっている。インク吸収体の材料としてはポリウ
レタンを用いることが本発明にとって好ましい。又、イ
ンク吸収体を用いず、インク収容部が内部にバネ等を仕
込んだインク袋である様な構造でもよい。72はカート
リッジ内部を大気に連通させる為の大気連通口である。
この記録ユニット70は図4に示す記録ヘッド65に換
えて用いられるものであって、キャリッジ66に対して
着脱自在になっている。
【0046】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明する。尚、以下の説明で部は重量基準である。 実施例1(磁性コロイドの作製) ・Mn−Zn−Fe系フェライト分散体 Mn2+:Zn2+:Fe3+=19.4:19.7:43.
83(イオンモル比)となる様に、3種の金属の硫酸塩
を含む水溶液を調製した。一方、水酸化リチウムでpH
10.5に調整した水溶液を準備し、そこにオレイン酸
のモノエタノールアミン塩を5重量%溶解した。この溶
液を15℃に保ち、溶液には酸素ガスを少しずつ吹き込
みながら、且つ強く撹拌しながら、上部から3種金属の
硫酸塩水溶液を滴下した。生成した沈澱は純水で洗浄
し、余分な塩基、及びオレイン酸を除去し、金属酸化物
コロイドのウェットケーキを得た。
【0047】このウェットケーキを高分子分散剤P−1
(スチレンーメタクリル酸−エチルアクリレート共重合
体、酸価400、重量平均分子量6,000、固形分2
0重量%の水溶液、中和剤:モノエタノールアミン)中
に撹拌しながらゆっくり投入した。滴下を終えた溶液は
撹拌を5分程度続けた後、ウルトラホモジナイザーを用
いて、10,000rpmにて1時間分散処理を行っ
た。分散処理後遠心分離機にて、8,000rpmの条
件で20分間処理し、粗大粒子を除去した。この様にし
て、高分子分散剤で被覆された磁性コロイド溶液(実施
例1−分散体)が得られた。この実施例1−分散体を用
いて、下記処方のインクを調製する。
【0048】 ・実施例1−分散体(固形分20重量%) 50部 ・グリセリン 15部 ・エチレングリコール 15部 ・フォスファノールRE−610のモノエタノールアミン塩 0.5部 (HLB12.6 東邦化学の製品) ・水 19.5部 これらの材料をよく撹拌し、再度遠心分離機にかけ粗大
粒子を除去し、平均粒径85mμの磁性流体インク−1
を得た。
【0049】このインクの物性は、 ・飽和磁気モーメント:23emu/g ・粘度:4.5cps ・pH:10.2 ・表面張力:38dyne/cm であった。
【0050】実施例2(磁性コロイドの作製) ・Ni−Zn−Fe系フェライト分散体 Mn2+:Ni2+:Fe3+=26.6:16.7:42.
3(イオンモル比)となる様に、3種の金属の硫酸塩を
含む水溶液を調製した。一方、水酸化アンモニウムでp
H=9.5に調整した水溶液を準備し、そこにリノール
酸のモノエタノールアミン塩を5重量%溶解した。
【0051】この溶液を、実施例1と同様にして操作
し、Ni−Zn−Fe系金属酸化物コロイドのウェット
ケーキを得た。このウェットケーキを高分子分散剤P−
2(スチレンーマレイン酸−ブチルアクリレート共重合
体、酸価350、重量平均分子量4500、固形分20
重量%の水溶液、中和剤:モノエタノールアミン)中に
撹拌しながらゆっくり投入した。滴下を終えた溶液は撹
拌を5分程度続けた後、ウルトラホモジナイザーを用い
て、10,000rpmにて30分間分散処理した。分
散処理後遠心分離機にて、8,000rpmの条件で2
0分間処理し、粗大粒子を除去した。
【0052】この様にして、高分子分散剤P−2で被覆
された磁性コロイド溶液(実施例2−分散体)が得られ
た。この実施例2−分散体を用いて、下記処方のインク
を調製する。 ・実施例2−分散体(固形分20重量%) 45部 ・グリセリン 15部 ・チオジグリコール 15部 ・イソプロピルアルコール 5部 ・前記化合物化合物1 1.0部 ・水 16部 これらの材料をよく撹拌し、遠心分離機にかけ再度粗大
粒子を除去し、平均粒径70mμの磁性流体インク−2
を得た。
【0053】このインクの物性は、 ・飽和磁気モーメント:26emu/g ・粘度:4.8cps ・pH:9.6 ・表面張力:45dyne/cm であった。
【0054】実施例3(磁性コロイドの作製) ・Fe23−FeO系フェライト分散体 Fe3+:Fe2+=1.95(イオンモル比)となる様
に、Fe2(SO4)3とFeSO4を含む水溶液を調製し
た。一方、水酸化アンモニウムでpH=10.0に調整
した水溶液を準備し、そこにオレイン酸のモノエタノー
ルアミン塩を5重量%溶解した。
【0055】この溶液を、実施例1と同様にして操作
し、Fe23−FeO系金属酸化物コロイドのウェット
ケーキを得た。このウェットケーキを高分子分散剤P−
3(スチレンーアクリル酸−n−ブチルアクリレート共
重合体、酸価300、重量平均分子量5,600、固形
分20重量%の水溶液、中和剤:モノエタノールアミ
ン)中に撹拌しながらゆっくり投入する。撹拌を5分程
度続けた後、径1mmのジルコニウムビーズを用いたサ
ンドミルを用いて、5,000rpmにて3時間処理を
行った。分散処理後遠心分離機にて粗大粒子を除去し
た。
【0056】この様にして、高分子分散剤P−3で被覆
された酸化鉄系磁性コロイド溶液(実施例3−分散体)
が得られた。この実施例3−分散体を用いて、下記処方
のインクを調製する。 ・実施例3−分散体(固形分20重量%) 45部 ・トリエチレングリコール 15部 ・ジエチレングリコールモノメチルエーテル 15部 ・フォスファノールRS−610(HLB10.5) 1.0部 ・水 24部 これらの材料をよく撹拌し、遠心分離機にかけ粗大粒子
を除去し、平均粒径85mμの磁性流体インク−3を得
た。
【0057】このインクの物性は、 ・飽和磁気モーメント:34emu/g ・粘度:3.8cps ・pH:9.3 ・表面張力:52dyne/cm であった。
【0058】比較例1 実施例1において、フォスファノールRE−610のモ
ノエタノールアミン塩を添加しないインクを作製し、こ
れを比較例1のインクとした。
【0059】比較例2 実施例2で分散体を作製する際に、分散剤としてポリオ
キシエチレンオクチルフェニルエーテル(HLB=1
0)を用いた。そしてインク作製の際には、界面活性剤
を添加しない処方のインクを作製し、これを比較例2の
インクとした。
【0060】比較例3 実施例3において、フォスファノールRS−610(H
LB10.5)を添加する代わりに、ポリオキシエチレ
ンオクチルフェニルエーテル(HLB=10)を添加
し、これを比較例3のインクとした。
【0061】評価 1.保存安定性試験 実施例及び比較例の各インクを、250mlのショット
耐熱瓶に100ml注入し、密栓して60℃のオーブン
中で1ケ月間保存した。保存前後のインクの物性を測定
した。結果を以下の基準で評価した。評価結果を表1に
示す。 ◎:平均粒径の増加が15%以下 ○:平均粒径の増加が16%以上50%未満 △:平均粒径の増加が50%以上
【0062】2.印刷試験 実施例及び比較例の各インクを用いて、キヤノン製バブ
ルジェットプリンタBJ−10EX用カートリッジBC
−01を作製した。記録紙として、インクジェット専用
コート紙を用い、上記プリンタにて印刷試験を行った。
印字の状態から結果を以下の基準で評価した。評価結果
を表1に示す。 ◎:1カートリッジのインクの全量の印字が問題なく終
了することが出来る。 ○:1カートリッジのインクの吐出は可能であるが、偶
発的な不吐出、よれ等が発生する。 △:印字途中で回復不能状態になる。
【0063】3.磁気読取試験 実施例1〜3の印字物を用いて、バーコードパターンの
読取り試験を行った。読取試験は、20cm/sec定
速で行い、バーコードからデジタル信号にノイズ無く交
換することが出来るS/N比が得られるかどうかで判定
した。その結果、文字、バーコードパターン、べたを含
むテストチャートが問題なく、連続して印刷することが
可能であった。尚、上記プリンタのべた印刷時の吐出量
は、85ng/dot(=14g/m2)である。
【0064】表1 評価結果
【0065】
【発明の効果】本発明のバブルジェット用水系磁性イン
クは、バブルジェット方式を用いて、磁性流体を記録に
用いるあらゆる用途に向けた設計に利用することが出来
る。具体的には、カードやバーコード記録用の磁気記録
層形成、堅牢性の高い黒インキとして文房具、カラープ
リンタ、カラープロッター、ポスター印刷、看板印刷、
軽印刷であり、隠蔽性を生かした液晶ディスプレイ用カ
ラーフィルタのブラックマトリックス等である。又、本
発明によって、水系磁性流体をインクとして使用するバ
ブルジェット記録システムをつくることが可能になり、
磁性流体を磁気記録媒体層或いは隠蔽性の高い光遮蔽層
として、それを小型で、精密な装置で行うことが可能に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のインクジェット記録装置の
ヘッド部の横断面図である。
【図2】本発明の一実施例のインクジェット記録装置の
ヘッド部の縦断面図である。
【図3】図1及び図2に示したヘッドをマルチ化したヘ
ッドの外観斜視図である。
【図4】本発明の一実施例のインクジェット記録装置の
1例を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施例のインクカートリッジの縦断
面図である。
【図6】本発明の一実施例のインクカートリッジ(記録
ユニットに同じ)の斜視図である。
【符号の説明】
13:ヘッド 14:ノズル 15:発熱素子基板 16:保護層 17−1、17−2:電極 18:発熱抵抗体層 19:蓄熱層 20:基板 21:インク 22:吐出オリフィス 23:メニスカス 24:記録小液滴 25:被記録材 26:マルチノズル 27:ガラス板 28:発熱ヘッド 40:インク収容部(インク袋) 42:栓 44:インク吸収体 45:インクカートリッジ 51:給紙部 52:紙送りローラー 53:排紙ローラー 61:ブレード 62:キャップ 63:インク吸収体 64:吐出回復部 65:記録ヘッド 66:キャリッジ 67:ガイド軸 68:モーター 69:駆動用ベルト部 70:記録ユニット 71:ヘッド部 72:大気連通口

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも水、水溶性有機溶剤、磁性分
    散体、ノニオン−アニオン系界面活性剤及び塩基を含有
    することを特徴とするバブルジェット用水系磁性イン
    ク。
  2. 【請求項2】 ノニオン−アニオン系界面活性剤が、燐
    酸及びカルボン酸から選ばれたアニオン性解離基をエチ
    レンオキシド末端に有し、且つHLBが10以上のポリ
    オキシエチレンアルキルエーテル、或いはポリオキシエ
    チレンアルキルフェニルエーテルである請求項1に記載
    のバブルジェット用水系磁性インク。
  3. 【請求項3】 塩基がアルコールアミン類である請求項
    1〜3に記載のバブルジェット用水系磁性インク。
  4. 【請求項4】 少なくとも水、水溶性有機溶剤、磁性分
    散体及びポリオキシエチレンアミノエーテル系界面活性
    剤、HLBが14以上の高級脂肪族アミン或いは脂肪族
    酸アミドのエチレンオキシド付加化合物を含有すること
    を特徴とするバブルジェット用水系磁性インク。
  5. 【請求項5】 Fe、Cr、Co、Ni、Ba、Mn及
    びZnから選ばれた1種以上の金属元素の無機酸の塩の
    水溶液から、無機塩基と長鎖アルキルカルボン酸系表面
    処理剤の存在下、微粒子複合酸化物を析出生成させる第
    1の工程、生成した微粒子複合酸化物を重合体分散剤水
    溶液のアンモニウム塩或いはアルコールアミン塩にて分
    散処理し、水系分散体を作製する第2の工程、及び該水
    系分散体に、水溶性有機溶剤、界面活性剤を添加してイ
    ンクを作製する第3の工程からなることを特徴とするバ
    ブルジェット用水系分散インクの製造方法。
  6. 【請求項6】 界面活性剤が、ノニオン−アニオン系界
    面活性剤、ポリオキシエチレンアミノエーテル系界面活
    性剤、HLBが14以上の高級脂肪族アミン或いは脂肪
    族酸アミドのエチレンオキシド付加化合物である請求項
    5に記載のバブルジェット用水系磁性インクの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 インクにエネルギーを与えて、インクを
    インク滴として飛翔させて記録を行うインクジェット記
    録方法において、上記インクが請求項1〜5のいずれか
    1項に記載のインクであることを特徴とするインクジェ
    ット記録方法。
  8. 【請求項8】 エネルギーが、熱エネルギーである請求
    項7に記載のインクジェット記録方法。
  9. 【請求項9】 エネルギーが、力学的エネルギーである
    請求項7に記載のインクジェット記録方法。
  10. 【請求項10】 インクを収容したインク収容部、該イ
    ンクをインク滴として吐出させる為のヘッド部を備えた
    記録ユニットにおいて、上記インクが請求項1〜5のい
    ずれか1項に記載のインクであることを特徴とする記録
    ユニット。
  11. 【請求項11】 インクを収容したタンク収容部を備え
    たインクカートリッジにおいて、上記インクが請求項1
    〜5のいずれか1項に記載のインクであることを特徴と
    するインクカートリッジ。
  12. 【請求項12】 インクを収容したインク収容部と、該
    インクを熱エネルギーの作用によりインク滴として吐出
    させる為のヘッド部を有する記録ユニットを備えたイン
    クジェット記録装置において、上記インクが請求項1〜
    5のいずれか1項に記載のインクであることを特徴とす
    るインクジェット記録装置。
  13. 【請求項13】 インクを収容したインク収容部を備え
    たインクカートリッジと、インクを熱エネルギーの作用
    によりインク滴として吐出させる為の記録ヘッドを備え
    たインクジェット記録装置において、上記インクが請求
    項1〜5のいずれか1項に記載のインクであることを特
    徴とするインクジェット記録装置。
  14. 【請求項14】 インクカートリッジに収容したインク
    を、前記記録ヘッドに対して供給するインク供給部を有
    する請求項13に記載のインクジェット記録装置。
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