JP2011068820A - インク - Google Patents

インク Download PDF

Info

Publication number
JP2011068820A
JP2011068820A JP2009222592A JP2009222592A JP2011068820A JP 2011068820 A JP2011068820 A JP 2011068820A JP 2009222592 A JP2009222592 A JP 2009222592A JP 2009222592 A JP2009222592 A JP 2009222592A JP 2011068820 A JP2011068820 A JP 2011068820A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
magnetic
weight
beaker
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009222592A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5645384B2 (ja
Inventor
Marcel P Breton
ピー ブレトン マルセル
Richard P N Veregin
ピー エヌ ベレジン リチャード
A Mofuatsuto Karen
エイ モファット カレン
M Kazumaiyaa Peter
エム カズマイヤー ピーター
Patricia A Burns
エイ バーンズ パトリシア
Paul F Smith
エフ スミス ポール
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Xerox Corp
Original Assignee
Xerox Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Xerox Corp filed Critical Xerox Corp
Priority to JP2009222592A priority Critical patent/JP5645384B2/ja
Publication of JP2011068820A publication Critical patent/JP2011068820A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5645384B2 publication Critical patent/JP5645384B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】優れた磁性顔料の分散と分散体の安定性を有する、安定化された磁性単結晶ナノ粒子を含むインクを提供する。
【解決手段】キャリヤーと、任意成分の着色剤と、安定化磁性単結晶ナノ粒子とを含むインクであって、磁性ナノ粒子の磁気異方性の絶対値が、2×10J/m以上であるインク。
【選択図】なし

Description

本発明の開示は、安定化された磁性単結晶ナノ粒子を含むMICRインクジェット用インクに関し、ここでその磁性ナノ粒子の磁気異方性の絶対値である|K1|が、2×10J/m以上である。その磁性ナノ粒子は、たとえばFePtのような強磁性ナノ粒子であってもよい。そのインクには、粒子のサイズを最小化させる磁性材料が含まれていて、その結果として、特に非水系インクジェット用インクにおいて、優れた磁性顔料の分散と分散体の安定性が得られる。より小さなサイズのその磁性インク粒子はさらに、優れた磁性を保持しているために、インクにおいて必要とされる磁性粒子の担持量を低下させる。
MICRインクジェット用インクを開発するために、無数の挑戦が行われてきた。第一には、全部とはいわないまでもほとんどのインクジェットプリンタでは、そのインクのすべての粒子成分で、粒子サイズがかなり限定されるが、その理由は、基材の上にインクを吐出するインクジェットのプリントヘッドノズルのサイズが極めて小さいからである。インクジェットのヘッドノズルのサイズは一般的には約40〜50μmのオーダーであるが、10μm未満ということもあり得る。ノズルのサイズがこのように小さいということは、インクジェットプリンタにおいて使用することを目的としたインクジェット用インク組成物の中に含まれる粒子状物質はいずれも、ノズルの閉塞の問題を回避するためには、極めて小さな粒子のサイズでなくてはならないということを示唆している。しかしながら、その粒子のサイズがノズルのサイズよりも小さいときでさえも、それらの粒子がさらに凝集化したり、集まってクラスター化したりして、その凝集化物のサイズがノズルのサイズを超え、そのためにそのノズルが閉塞されてしまう可能性もある。それに加えて、印刷している間にその粒子状物質が析出して、そのために、かさぶた状のものが形成され、それがノズルを閉塞させたりおよび/または流動パラメーターを乱したりすることもあり得る。
MICRインクジェット用インクの配合に関するまた別な関心事は、そのインクが流体でなければならず、乾燥してはならないということである。したがって、顔料のサイズが大きくなると、相応に密度が高くなり、そのために、液状のインク組成物の中で顔料を懸濁または分散状態に維持することが困難となる。
MICRインクには、必要とされる磁性を与えるための磁性材料が含まれる。磁性材料が十分な磁荷を保持していて、印刷された文字がそれらの読み取り可能な特性を維持し、検出デバイスまたは読取り機によって容易に検出されるということが肝要である。磁性材料によって保持される磁荷は「残留磁気」と呼ばれる。磁性材料の「保磁力」とは、磁気誘導Bを消失させるために、対称的で環状の磁化方式で、磁性材料に加えなければならない磁場Hのことを指している。したがって、磁性材料の保磁は、ヒステリシスループ中における材料の保磁力であって、その極大誘導がほぼ飽和磁気誘導に近い。磁性材料の、観察される残留磁化および観察される保磁度は、結晶中で磁気モーメントに好適な配向を与える、いくつかの異方性を有する磁性材料に依存する。主として四種の異方性の力がその粒子の保磁力を決めるが、それらは、結晶磁気異方性、ひずみ異方性、交換異方性、および形状異方性である。特に支配的な二種の異方性は、1)形状異方性(この場合は、好適な磁気配向が磁性結晶の軸に平行である)、および2)結晶磁気異方性(この場合は、電子スピン−軌道カップリングが磁気モーメントを好ましい結晶軸に揃える)。
磁性材料は、磁化源に暴露させた後では、十分な残留磁気を示して、MICR読み取り可能な信号を発生し、長期にわたってそれを維持できる能力を有していなければならない。一般的には、業界標準で定められたところでは、受容可能な磁荷のレベルは、50〜200シグナル・レベル・ユニット(Signal Level Units)の間であって、その公称値が100であるが、これは、ANSI(ジ・アメリカン・ナショナル・スタンダーズ・インスティチュート(the American National Standards Institute))によって開発された標準によって定義されている。これより低い信号では、MICR読取りデバイスによって読取られない可能性があり、またこれより大きい信号でも、正確な読取りが得られない可能性がある。読取られる文書は、提供された文書を証明したり認証したりする手段としてのMICR印刷された文字を採用していることから、MICR文字またはその他の表示が、いかなる文字についても読み飛ばしや読み間違いがなく、正確に読取られるということが肝要である。したがって、MICRの目的においては、残留磁気は、少なくとも最低でも20emu/gであるべきである。もっと高い残留磁気の値は、より強力に読み取ることが可能な信号に相当する。
残留磁気は、粒子のサイズおよび磁性顔料コーティングの密度の関数として増大する傾向がある。したがって、磁性粒子のサイズが小さくなると、その磁性粒子は、それ相応の残留磁気の低下を伴う傾向がある。磁性粒子のサイズが小さくなるにつれ、そしてインク組成物の中での磁性粒子のパーセント濃度が実用上の限界に達するにつれて、十分な信号強度を達成することが次第に困難となってくる。残留磁気の値が高い程、磁性粒子のパーセントがより高いインク配合物に比較して、インク配合物中で必要とされる磁性粒子の合計パーセントが低くなり、懸濁特性が改良され、沈降が起きる可能性が下がる。
さらに、たとえば加熱式バブルジェット(登録商標)プリンタおよび圧電式プリンタのようなドロップ−オン−デマンドタイプの印刷装置、ならびに連続タイプの印刷機構の両方で適切に機能を果たすためには、MICRインクジェット用インクは、典型的には、ジェッティング温度(この際、ジェッティング温度の範囲が約25℃〜約140℃である)で約15cP未満のオーダー、または約2〜8cPのオーダーの低粘度を示さなければならない。しかしながら、低粘度流体を使用するとなると、インク分散体の中に磁性粒子を上手に組み入れるということが問題として加わってくるが、その理由は、より高粘度で濃厚な流体に比較して、より低粘度で希薄な流体の中では、粒子の沈降が早くなるからである。
マグネタイト(酸化鉄、Fe)は、MICRインクジェット用インクの中で使用される一般的な磁性材料である。マグネタイトは、−1.1×10J/mという低い結晶磁気異方性、K1を有している。一つの結晶寸法が他のものよりもはるかに大きい、針状結晶の形態のマグネタイトは、(2:1)以上の単結晶の長軸寸法対短軸寸法のアスペクト比(Dmajor/Dminor)を有していて、インク中での残留磁気および保磁度の性能を増大させるのに役立つ。針状のマグネタイトは、短軸、長軸それぞれのサイズが典型的には0.6×0.1μmであって、大きな形状異方性(6/1)を有している。インク中での酸化鉄の担持量は典型的には約20〜40重量パーセントである。しかしながら、針状結晶の形状のマグネタイト粒子のサイズおよびアスペクト比が大きいために、特にインクジェット印刷において使用するためには、インク中で分散させ、安定化させるのが困難である。さらに、球状または立方晶のマグネタイトはサイズがより小さい(どの方向でも200nm未満)が、形状異方性(Dmajor/Dminor)が約1と低い。その結果、全体としての異方性が低いために、球状または立方晶のマグネタイトは残留磁気および保磁度が低くなり、磁気性能を与えるためには、40重量パーセントを超える担持量が必要となる場合が多い。したがって、球状および立方晶のマグネタイトは、いずれの方向にも、200nm未満という望ましい小さな粒子のサイズを有してはいるものの、担持量をかなり高くしなければならないことから、分散させたり、安定な分散体を保持させたりすることが困難となる。さらに、不活性で、非溶融性の磁性材料を大量に担持させることは、他のインク性能、たとえば基材への接着性や耐引っ掻き性に悪影響を与える。その結果、このことが、インクジェット印刷インクのためのマグネタイトの適合性を低下させる。
米国特許出願公開第2008/0000384号明細書 米国特許出願公開第2007/0142492号明細書 米国特許出願公開第2007/0120910号明細書
さらに、マグネタイトが約7の比重を有しているために、マグネタイトは、流体インク組成物の底部に沈降する自然な傾向がある。このことが、酸化鉄が多い下側層と酸化鉄が少ない上側層とを有する不均質な流体という結果をもたらす。さらに、良好な分散特性を与え、良好なエマルション特性も与えるためには、適切なインクジェットの酸化物は一般的に、本質的に親水性でなければならない。後者のパラメーターは、沈降を最小限とし、インクジェット用インク組成物の中に一般的に存在している他の水溶性成分とその磁性粒子が適切な濡れをさらに示すような、磁性粒子の性能に直接関係している。
MICRインクジェット用インク中で酸化鉄を使用する際に一般的に伴ってくるこれらの問題は、いくつかの異なった方法で対処されてきた。たとえば、インク組成物の中で磁気成分を有用に懸濁または分散状態に保持することを目的として、極めて小さな粒子のサイズの金属酸化物と同時に界面活性剤を組み合わせて使用することは公知である。インクジェットプリンタにおいて使用したりMICR読み取り可能な印刷を得たりするために適したインクジェット用インクを得るためのまた別な手段は、特定の親水性コーティングを用いて金属磁性材料を被覆して、その粒子状の磁性金属を懸濁液の中に維持できるようにするものである。
さらに、MICRインクジェット印刷のために使用されるまた別のタイプのインクは、エクスフェロン(xFerrone)(登録商標)(鉄錯体顔料)インクであるが、このものは、G7・プロダクティビティ・システムズ・インコーポレーテッド(G7 Productivity Systems,Inc.)から市販されている水性インクである(バーサインク(VersaInk)(登録商標))。それらのインクは、HP(登録商標)、キャノン(Canon)(登録商標)、レックスマーク(Lexmark)(登録商標)、デル(Dell)(登録商標)およびエプソン(Epson)(登録商標)のプリンタに適合していて、たとえば小切手のスキャンの信頼性の向上や、店のレジの順番待ち行列の解消など各種の用途を有している。しかしながら、それらのインクは、優れた磁性顔料の分散性と分散体の安定性とを有し、しかも優れた磁性を保持し、粒子担持必要量を低減させるような、小さなサイズの磁性材料粒子を含むことの特性を示していない。その理由は、そのような従来からのインクで使用されている磁性粒子の長軸/短軸比が、少なくとも(2:1)の比率を有していなければならず、その結果、針状のマグネタイトの粒子のサイズが、長軸で0.6μmであるためである。このことが、分散性および分散体の安定性を低下させている。
本実施の形態におけるインクは、キャリヤーと、任意成分の着色剤と、安定化磁性単結晶ナノ粒子と、を含むインクであって、前記磁性ナノ粒子の磁気異方性の絶対値が、2×10J/m以上である。
一般的に、本明細書の開示は、キャリヤー媒体中に分散された、大きな異方性を示す磁性ナノ粒子を含むインクに関する。そのインクにはさらに、1種または複数の樹脂、1種または複数の着色剤、および/または1種または複数の添加物が含まれていてよい。一つの実施態様においては、それらの磁性ナノ粒子が金属ナノ粒子である。また別な実施態様においては、それらの磁性ナノ粒子が単結晶の強磁性ナノ粒子である。それらのインクは、MICR用途を含めて、各種の用途において使用するのに適している。さらに、それらの印刷されたインクは、そうして得られたインクが、MICR用途において好適な保磁度および残留磁気を十分に示さない場合であったとしても、装飾目的で使用することもできる。本明細書に開示のインクは、マグネタイトを含むインクよりも優れた、安定性、分散性および磁性を示す。以下において、そのインク組成物について詳しく説明する。
本明細書の開示は、本明細書に記載された特定の実施態様に限定されるものではなく、当業者ならば、本明細書の開示に基づいて、いくつかの成分およびプロセスを変更することも可能である。本明細書において使用された用語は、単に特定の実施態様を記述することのみを目的としており、限定することを意図したものではない。
本明細書および後に続く特許請求項において、たとえば「a」、「an」および「the」のような単数形には、複数形もまた含まれる(内容的に明らかに別な状況を示している場合は除く)。
本明細書および特許請求項において、「インク」という用語は「インク組成物」も指しており、逆も同様である。
本明細書の開示において使用するのに好適な磁性材料には、大きな異方性を示す単結晶ナノ粒子が含まれる。本明細書において使用する場合、「大きな異方性」とは、粒子の結晶磁気異方性の絶対値と定義され、その絶対値が2×10J/m以上である。好適な磁性材料は、約2×10J/m〜約5×10J/m、たとえば約5×10J/m〜約5×10J/m、または約7×10J/m〜約4×10J/mのK1値を有しているが、これらよりも高いK1値を有する材料もまた適している。いくつかの実施態様においては、その単結晶ナノ粒子が、大きな異方性を有する磁性金属ナノ粒子または強磁性ナノ粒子であってよく、中でもたとえば、CoおよびFe(立方晶系)が挙げられる。さらに、それらの磁性ナノ粒子が、二金属もしくは三金属系、またはそれらの混合物であってもよい。好適な二金属系磁性ナノ粒子としては、CoPt、fcc相FePt、fct相FePt、FeCo、MnAl、MnBi、CoO・Fe、BaO・6Fe、それらの混合物などが挙げられる(これらに限定される訳ではない)。また別な実施態様においては、その磁性ナノ粒子がfct相FePtである。三金属系ナノ粒子の例としては、上述の磁性ナノ粒子の三成分混合物、または三金属系ナノ粒子を形成するコア/シェル構造、たとえばCo被覆されたfct相FePtなどが挙げられる(これらに限定される訳ではない)。
それらの磁性ナノ粒子は、当業者公知のいかなる方法で調製してもよいが、そのような方法としては、より大きな粒子をボールミル摩砕し(ナノサイズの顔料製造で一般的に使用される方法)、次いで焼きなます(アニーリング)方法が挙げられる。一般的には焼きなましが必要とされるが、その理由は、ボールミル加工によって非晶質のナノ粒子が生成するので、それを次いで結晶化させて所望の単結晶の形態にしなければならないからである。RFプラズマによってナノ粒子を直接的に製造することも可能である。適切な大規模RFプラズマ反応器は、テクナ・プラズマ・システムズ(Tekna Plasma Systems)から入手することができる。溶媒(水も含む)中での、各種のインサイチュ法で、ナノ粒子を製造することも可能である。
それらの磁性ナノ粒子の平均粒子サイズは、全部の方向でたとえば、約10nm〜約300nmのサイズとするのがよい。それらは、球状、立方体、六角柱など各種の形状とすることができる。一つの実施態様においては、ナノ粒子のサイズが約10nm〜約500nm、たとえば約50nm〜約300nm、または75nm〜約250nmであるが、それらの量がこれらの範囲から外れていてもよい。本明細書においては、「平均」粒子サイズは典型的にはd50として表されるか、または粒子サイズ分布の第50パーセントにある中央粒子サイズ値として定義され、ここでその分布中の粒子の50%は、d50粒子サイズ値よりは大きく、その分布中の粒子の残りの50%は、d50値よりも小さい。平均粒子サイズは、粒子サイズを推測するための光散乱技術、たとえば動的光散乱法を使用する方法によって測定することができる。「粒子直径」という用語は、透過型電子顕微鏡法(TEM)によって得られる粒子の画像から誘導されるその顔料粒子の長さを指している。
そのナノ単結晶の長軸対短軸の比率(Dmajor/Dminor)は、約(4:1)未満、たとえば約(3:2)未満または約(2:1)未満とすることができる。
インク中における磁性ナノ粒子の担持必要量は、約0.5重量パーセント〜約15重量パーセント、たとえば約5重量パーセント〜約10重量パーセント、または約6重量パーセント〜約8重量パーセントであってよいが、それらの量がこれらの範囲から外れていてもよい。
その磁性ナノ粒子は、約20emu/g〜約100emu/g、たとえば約40emu/g〜約80emu/g、または約50emu/g〜約70emu/gの残留磁気を有することができるが、それらがこれらの範囲から外れていてもよい。
その磁性ナノ粒子の保磁度は、たとえば約200エルステッド〜約50,000エルステッド、たとえば約1,000エルステッド〜約40,000エルステッド、または約10,000エルステッド〜約20,000エルステッドとすることができるが、それらがこれらの範囲から外れていてもよい。
飽和磁気モーメントは、たとえば約20emu/g〜約150emu/g、たとえば約30emu/g〜約100emu/g、または約50emu/g〜約80emu/gであってよいが、それらがこれらの範囲から外れていてもよい。
大きい結晶磁気異方性、K1を有する好適な磁性ナノ粒子組成物の例を表1に示す。表1には、参照のマグネタイトも示している。ナノ結晶性材料で得られる実際の保磁度は、ここに示された最大保磁度よりも低いことがあり得るが、その理由は、保磁度のサイズ依存性が強いからである。FeおよびCoの場合のピーク保磁度は、それらの粒子のサイズが約20nmである場合に現れるが、CoO・Feの場合のピーク保磁度は、それらの粒子のサイズが約30nmである場合に現れる。高い結晶磁気異方性を有するまた別の好適な磁性材料としては、たとえば、4.9×10J/mのK1値を有するCoPtが挙げられる。
Figure 2011068820
文献において調製された、高い結晶磁気異方性を有する磁気ナノ結晶の例を表2に示す。以下に示す粒子はいずれも、MICRインク用途には適している。
Figure 2011068820
しかしながら、材料が大きな固有の結晶磁気異方性を有しているとしても、MICR用途における適性をその材料に与えるような高い残留磁気または高い保磁度をその材料が有しているであろうという保証はない。同様にして、FePt合金、FeまたはCoも、必要とされる残留磁気または保磁度を必ずしも有している訳ではない。一般的に、MICR用途に対しては、その材料が1)大きな固有結晶磁気異方性と、2)そのドメインサイズが少なくとも約10nmであるような単結晶ドメイン(正確な最小サイズの限界は、材料に依存する)との両方を有している場合にのみ、その特定の材料が適している。
さらに、その結晶磁気異方性K1の絶対値が2×10J/mよりも大きく、そしてFeCoまたはFeの少なくとも一方である、二金属磁性ナノ粒子を含むインクを製造することが可能である。これは、当業者公知の各種の手段により実施するのがよい。たとえば、FePt結晶質ナノ粒子を含むインクを、Feを含むインクと混合してもよい。別な方法として、FePt結晶質ナノ粒子とFeとを、インクの合成の間にそのインクの中に添加してもよい。したがって、そのような混合物では、比較的安価なFeを、FePt結晶質ナノ粒子の改良された磁気的性質および分散性と組み合わせて、MICRインクジェット用インクが製造される。そのような混合物においては、磁性ナノ粒子のFeCoまたはFeに対する比率は、約(0.1:99.9)もしくはその逆、たとえば約(10:90)、または約(30:70)、または約(50:50)である。そのような混合物では、その担持必要量は、たとえばインクの約0.5重量パーセント〜約15重量パーセント、たとえば約2重量パーセント〜約10重量パーセント、または5重量パーセント〜約8重量パーセントであるが、それらの量がこれらの範囲から外れていてもよい。
インク組成物にはさらに、単一のキャリヤー物質、または2種以上のキャリヤー物質の混合物が含まれる。たとえば、水性インクジェット用インク組成物では、適切なキャリヤー物質として、水、または水と1種または複数の他の溶媒との混合物を使用することができる。固体(または相変化)インクジェット用インク組成物の場合には、そのキャリヤーに1種または複数の有機化合物が含まれていてよい。
放射線(たとえば紫外光線)硬化性インク組成物の場合においては、そのインク組成物には、典型的には、硬化性モノマー、硬化性オリゴマー、もしくは硬化性ポリマー、またはそれらの混合物であるキャリヤー物質が含まれる。
本明細書の開示によるインク組成物には、1種または複数のバインダ樹脂が含まれていてもよい。
そのバインダ樹脂は、各種好適な物質であってよい。
本明細書の開示によるMICRインクは、インク製造の間に着色剤を添加することにより、着色インクとして製造してもよい。インク組成物の中には、各種所望の、または有効な着色剤を使用できるが、顔料、染料、顔料と染料との混合物、顔料の混合物、染料の混合物などが挙げられる。
画像密度を向上させ、読み取りヘッドに対するオフセットと画像汚れを効果的に防止するために、1種または複数のワックスをMICRインクジェット用インクに添加してもよい。
場合によっては、インク組成物に抗酸化剤がさらに含まれていてもよい。
場合によっては、インク組成物に粘度調整剤がさらに含まれていてもよい。
その他の任意成分のインクに対する添加物としては、清澄剤,粘着付与剤、接着剤、および可塑剤が挙げられる。インクの中に界面活性剤を使用してもよい。
本発明に開示のインク組成物は、各種所望の、または好適な方法によって調製することができる。
本明細書の開示によるMICRインクは、たとえば水性インク、油性インク、硬化性インク、固体インク、またはホットメルトインクなどであってよい。
磁性金属粒子インクは一般的に、適切な基材の上に印刷することができる。
MICRインクを基材の上に印刷するには、各種適切な印刷方法を使用すればよい。
本明細書に開示のインクは、MICR用途および非MICR用途の両方に使用することができる。
実施例1:
ブレンダを通過させて、トリアミド樹脂(米国特許第6,860,930号明細書の実施例IIの記載に従って調製したもの)を加工して、粉体を形成させた。約750.72gの粉体化トリアミド樹脂および約239.7gのナイペックス(Nipex)(登録商標)150カーボンブラック(オンタリオ州バーリントン(Burlington,Ontario)のデグッサ・カナダ(Degussa Canada)から入手)を、リトルフォードM5(LITTLEFORD M5)ブレンダ中で0.8Aで約30分間かけて混合した。その粉体混合物を、ダボ(DAVO)逆転2本スクリュ押出機(独国トロイスドルフ(Troisdorf,Germany)のドイチェ・アパラーテ−フェルトリープオルガニザティオン・GmbH&Co(Deutsche Apparate−Vertrieborgaisation GmbH & Co)製のモデルVS104)に0.8ポンド/時間の速度でフィードした。次いでその押出機の内容物を、70℃、50RPMで混合した。出口温度は75℃に設定した。そのようにして押出加工した分散物、押出物Aを他のインク成分と溶融混合して、実施例2〜5に記載のカーボンブラックインクを形成させた。
実施例2:
実施例1の記載に従って調製した押出物A(全インク重量の13.13重量%、約19.70g)およびペトロライト(Petrolite)CA−11ジウレタン分散剤(全インク重量の3.95重量%、約5.92g)を、第一の250ミリリットルビーカー(A)の中に秤り込んだ。クロンプトン・コーポレーション(Crompton Corp.)製のケマミド(Kemamide)(登録商標)S180(全インク重量の15.19重量%、22.79g)、荒川化学工業(株)(Arakawa Chemical Industries Ltd.)製のKE100樹脂(全インク重量の10.85重量%、約16.28g)、およびクロンプトン・コーポレーション(Crompton Corp.)製のナウガード(Naugard)(登録商標)N445(全インク重量の0.12重量%、約0.18g)を、第二の250ミリリットルビーカー(B)の中に秤り込んだ。ベーカー・ペトロライト(Baker Petrolite)製のポリエチレンワックス(全インク重量の54.26重量%、約81.39g)、および米国特許第6,309,453号明細書(引用することにより、その全てを本明細書に取り入れたものとする)の実施例4に記載のウレタン樹脂(全インク重量の2.5重量%、約3.74g)を、第三の250ミリリットルビーカー(C)の中に秤り込んだ。ビーカーA、BおよびCを130℃で約3時間加熱した。2時間の加熱の後に、加熱したスパチュラを用いてビーカーBの内容物を撹拌して、その混合物の溶融と溶解を促進させたが、その30分後にもこれを繰り返した。ビーカーBの中の混合物が完全に溶解、溶融したら、ビーカーBの内容物をビーカーAの中に注ぎ込んだ。
ソニック・ディスメンブレータ・モデル500・ソニファイヤ(Sonic Dismembrator Model 500 Sonifier)を使用して、ビーカーAの内容物を30秒間ずつ6回超音波処理し、合計3分間の超音波処理時間をかけた。超音波処理の際には、温度を130℃未満に維持しながら、ビーカーを回転させて、処理が混合物全体に均等に行われるようにした。最初の3分間の超音波処理の後、ビーカー(A)を110℃で30分間加熱した。次いで、ビーカー(A)についての超音波処理をもう2回繰り返し、3回目の超音波処理の最初の30秒の超音波処理の間にビーカー(C)中の内容物をビーカー(A)の中に少しずつ注ぎ込んだ。このようにして調製したカーボンブラックインクは、TA・インストルメンツ(TA Instruments)製のAR2000・レオメーター(AR2000 Rheometer)で測定して、約10.8センチポワズ(cps)の粘度を示した。次いでそのインクを、15ポンド/平方インチ(psi)の圧力をかけ、110℃で、1μmガラス繊維ディスクフィルタ、次いで0.45μmガラス繊維ディスクフィルタを通して濾過した。最終的なインクを次いで冷却して室温とし、ゼロックス(Xerox)(登録商標)フェーザー(PHASER)(登録商標)8400圧電インクジェットプリンタ上で試験した。このインクの組成を表3に示す。
実施例3:
ペトロライト(Petrolite)CA−11(ベーカー・ペトロライト(Baker Petrolite)から入手可能)に代えて、WB−5ジウレタン分散剤(ベーカー・ペトロライト(Baker Petrolite)から入手可能)を使用したことを除いては、実施例2の記述に従ってカーボンブラックインクを調製した。このインクの組成を表3に示す。
実施例4:
ペトロライト(Petrolite)CA−11に代えて、WB−17ジウレタン分散剤(ベーカー・ペトロライト(Baker Petrolite)から入手可能)を使用したことを除いては、実施例2の記述に従ってカーボンブラックインクを調製した。このインクの組成を表3に示す。
実施例5:
4リットルビーカー(A)の中125℃で、以下の成分を溶融し、撹拌混合した:実施例1の記載に従って調製した押出物A(全インク重量の13.13重量%、約367.64g)、ペトロライト(Petrolite)CA−11(全インク重量の3.94重量%、約110.49g)、クロンプトン・コーポレーション(Crompton Corp.)製のケマミド(Kemamide)(登録商標)S180(全インク重量の15.19重量%、約425.41g)、荒川化学工業(株)(Arakawa Chemical Industries Ltd.)製のKE100樹脂(全インク重量の10.85重量%、約303.86g)、およびクロンプトン・コーポレーション(Crompton Corp.)製のナウガード(Naugard)(登録商標)N445(全インク重量の0.12重量%、約3.40g)。ビーカー(A)に加熱マントルと機械式撹拌機を取り付けた。そのカーボンブラック分散体を加熱し、125℃で1時間撹拌した。第二の4リットルビーカー(B)の中で、ベーカー・ペトロライト(Baker Petrolite)製の蒸留ポリエチレンワックス(米国特許出願公開第2007/0120916号明細書(引用することにより、その全てを本明細書に取り入れたものとする)の記載に従ったもの;全インク重量の54.24重量%、約1,519.32g)、および米国特許第6,309,453号明細書の実施例4に記載のウレタン樹脂(全インク重量の2.53重量%、約70.80g)を、125℃で溶融混合した。ビーカー(B)にも加熱マントルと機械式撹拌機を取り付けた。ビーカー(B)の中の樹脂分散体を加熱し、1時間撹拌して、すべての樹脂を完全に溶融混合させた。
アイカ・ウルトラ・タラックス(IKA Ultra Turrax)(登録商標)T50ホモジナイザーを使用し、125℃で30分かけて、ビーカー(A)の内容物を均質化させた。125℃に保持した、ビーカー(B)中の溶融樹脂混合物を、ビーカー(A)中の均質化顔料分散体の中に添加した。さらに30分かけて、ビーカー(A)の中のカーボンブラックインクをさらに均質化させた。ビーカー(A)中のカーボンブラックインクのレオロジーを、AR2000・レオメーター(AR2000 Rheometer)を使用して測定した。得られたカーボンブラックインクを、低圧下(5psi未満)115℃で、1μmガラス繊維カートリッジフィルタ、次いで0.45μmガラス繊維カートリッジフィルタを通して濾過した。次いでそのインクを冷却して室温とした。最終的なインクを、ゼロックス(Xerox)(登録商標)フェーザー(Phaser)8860圧電インクジェットプリンタ上で試験した。
実施例6:
ワタリ(Watari)ら、ジャーナル・オブ・マテリアルズ・サイエンス(J.Materials Science)(引用することにより、その全てを本明細書に取り入れたものとする)、23、1260〜1264(1988)に記載の手順に従って、磁性Fe粒子を調製する。0.5μmの粒子のサイズを有する鉱物質針鉄鉱α−FeOOHを、等温加熱処理下に水素雰囲気下400℃で2時間かけて還元させて、それらの粒子をFe金属粒子に転化させるが、その粒子は、サイズが20×20×200nm、アスペクト比が10/1、残留磁気モーメントが72.2emu/g、保磁度が1540エルステッド、そして結晶磁気異方性が約4×10J/mである(ルボルスキー(Luborsky)、ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス(J.Appl.Phys.)、第32巻(3)サプリメント、171S−184S(1961)により測定)。
実施例7:
磁性FePt粒子は、リ(Li)ら、ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス(J.Appllied Physics)、99、08E911(2006)に記載の手順に従って調製する。15nmのFePtナノ粒子を、アルゴン雰囲気下で化学的に合成する。そのFePtのX線結晶構造はfccである。NaCl粉体を、24時間かけてボールミル摩砕する。そのボールミル摩砕したNaCl粉体を次いで、ヘキサンの中に分散させ、合成したままのfccFePtナノ粒子のヘキサン分散体と混合して、NaCl対FePtの比率が(100:1)になるようにする。その混合物を撹拌して溶媒をすべて蒸発させ、700℃で2時間フォーミングガス(93%H、7%Ar)中で焼きなまして、そのFePtを目的のfct結晶構造に転化させる。水を用いて塩を洗い出してから、粒子を乾燥させる。その磁性Fe粒子は、立方晶系で、サイズが15nm、アスペクト比が1/1、残留磁気モーメントが約40emu/g、保磁度が20,000エルステッド、結晶磁気異方性が660×10J/mである。
実施例8:
実施例6の記載に従って調製した磁性Fe粒子A71.91gを添加して押出物Bを形成させることを除いて実施例1に記載の工程を実施する。
実施例9:
71.91gに代えて実施例6の記載に従って調製した磁性Fe粒子A約200.00gを使用することを除いて実施例8に記載の工程を実施する。
実施例10:
実施例8の記載に従って調製した押出物B(全インク重量の13.13重量%、約19.70g)およびペトロライト(Petrolite)CA−11ジウレタン分散剤(全インク重量の3.95重量%、約5.92g)を、第一の250ミリリットルビーカー(A)の中に秤り込む。クロンプトン・コーポレーション(Crompton Corp.)製のケマミド(Kemamide)(登録商標)S180(全インク重量の15.19重量%、約22.79g)、荒川化学工業(株)(Arakawa Chemical Industries Ltd.)製のKE100樹脂(全インク重量の10.85重量%、約16.28g)、およびクロンプトン・コーポレーション(Crompton Corp.)製のナウガード(Naugard)(登録商標)N445(全インク重量の0.12重量%、約0.18g)を、第二の250ミリリットルビーカー(B)の中に秤り込む。ベーカー・ペトロライト(Baker Petrolite)製のポリエチレンワックス(全インク重量の54.26重量%、約81.39g)、および米国特許第6,309,453号明細書の実施例4に記載のウレタン樹脂(全インク重量の2.5重量%、約3.74g)を、第三の250ミリリットルビーカー(C)の中に秤り込む。ビーカー(A)、(B)および(C)を、130℃で約3時間加熱する。2時間の加熱の後に、加熱したスパチュラを用いてビーカー(B)の内容物を撹拌して、その混合物の溶融と溶解を促進させるが、その30分後にもこれを繰り返す。ビーカー(B)の中の混合物が完全に溶解、溶融したら、ビーカー(B)の内容物をビーカー(A)の中に注ぎ込む。
このようにして調製した磁性カーボンブラックインクは、TA・インストルメンツ(TA Instruments)製のAR2000レオメーターで測定して、約11cpsの推定粘度(projected viscosity)を示す。この粘度は、典型的には約110〜約140℃で約10〜約11cpsの範囲にその粘度がある、カーボンブラックだけを含むインクの粘度から推測したものである。Fe粒子が十分に分散されているならば、Fe粒子の濃度にもよるが、それらは約10〜約20パーセントを超えるような粘度上昇はしないと考えられる。次いでそのインクを、15psiの加圧下110℃で、順に6μm、次いで場合によっては1.0μmのガラス繊維ディスクフィルタを通過させて濾過する。次いで最終的なインクを冷却して室温とし、印刷する。このインクの組成を表3に示す。
実施例11:
4リットルビーカー(A)の中125℃で、以下の成分を溶融し、撹拌混合する:実施例9の記載に従って調製した押出物C(全インク重量の13.13重量%、約367.64g)、ペトロライト(Petrolite)CA−11(全インク重量の3.94重量%、約110.49g)、クロンプトン・コーポレーション(Crompton Corp.)製のケマミド(Kemamide)(登録商標)S180(全インク重量の15.19重量%、約425.41g)、荒川化学工業(株)(Arakawa Chemical Industries Ltd.)製のKE100樹脂(全インク重量の10.85重量%、約303.86g)、およびクロンプトン・コーポレーション(Crompton Corp.)製のナウガード(Naugard)(登録商標)N445(全インク重量の0.12重量%、約3.40g)。ビーカー(A)に加熱マントルと機械式撹拌機を取り付ける。そのカーボンブラックを含むマグネタイト分散体を加熱し、125℃で1時間撹拌する。第二の4リットルビーカー(B)の中で、ベーカー・ペトロライト(Baker Petrolite)製のポリエチレンワックス(全インク重量の54.24重量%、約1,519.32g)、および米国特許第6,309,453号明細書(その全てを参考として引用し本明細書に組み入れる)の実施例4に記載のウレタン樹脂(全インク重量の2.53重量%、約70.80g)を、125℃で溶融混合させる。ビーカー(B)にも加熱マントルと機械式撹拌機を取り付ける。ビーカー(B)の中の樹脂分散体を加熱し、1時間撹拌して、すべての樹脂を完全に溶融混合させる。
アイカ・ウルトラ・タラックス(IKA Ultra Turrax)(登録商標)T50ホモジナイザーを使用し、30分間かけてビーカー(A)中の内容物を均質化させるが、均質化の間は温度を125℃に維持する。ビーカー(B)中の溶融樹脂混合物を125℃に保持してから、ビーカー(A)中の均質化顔料分散体の中に添加する。さらに30分かけて、ビーカー(A)の中の磁性カーボンブラックインクをさらに均質化させる。そうして得られたインクを、順に6μm、次いで1.0μmのガラス繊維カートリッジフィルタに低圧下(5psi未満)115℃で通して濾過してから、インクを冷却して室温とする。次いでその最終的なインクを、インクジェットプリンタを使用して印刷する。このインクの組成を表3に示す。
実施例12:
最後の30分間の均質化工程の後で追加の200gの押出物Cをインクに添加し、そのインクをさらに20分かけて均質化させることを除いては、実施例11の記載に従って磁性カーボンブラックインクを調製する。このインクの組成を表3に示す。
実施例13:
71.91gの実施例6の磁性Fe粒子Aに代えて、71.91gの実施例7の磁性FePt粒子Bを使用することを除いては、実施例8に記載の工程を実施する。
実施例14:
実施例13の記載に従って調製した押出物D(全インク重量の13.13重量%、約19.70g)およびペトロライト(Petrolite)CA−11(全インク重量の3.95重量%、約5.92g)を、第一の250ミリリットルビーカー(A)の中に秤り込む。クロンプトン・コーポレーション(Crompton Corp.)製のケマミド(Kemamide)(登録商標)S180(全インク重量の15.19重量%、約22.79g)、荒川化学工業(株)(Arakawa Chemical Industries Ltd.)製のKE100樹脂(全インク重量の10.85重量%、約16.28g)、およびクロンプトン・コーポレーション(Crompton Corp.)製のナウガード(Naugard)(登録商標)N445(全インク重量の0.12重量%、約0.18g)を、第二の250ミリリットルビーカー(B)の中に秤り込む。ベーカー・ペトロライト(Baker Petrolite)製のポリエチレンワックス(全インク重量の54.26重量%、約81.39g)、および米国特許第6,309,453号明細書(引用することにより、その全てを本明細書に取り入れたものとする)の実施例4に記載のウレタン樹脂(全インク重量の2.5重量%、約3.74g)を、第三の250ミリリットルビーカー(C)の中に秤り込む。ビーカー(A)、(B)および(C)を115℃で約3時間加熱する。2時間の加熱の後に、加熱したスパチュラを用いてビーカー(B)の内容物を撹拌して、その混合物の溶融と溶解を促進させるが、その30分後にもこれを繰り返す。ビーカー(B)の中の混合物が完全に溶解、溶融したら、ビーカー(B)の内容物をビーカー(A)の中に注ぎ込む。
このようにして調製した磁性カーボンブラックインクは、TA・インストルメンツ(TA Instruments)製のAR2000・レオメーター(AR2000 Rheometer)を使用して測定して、約110℃〜約140℃で約11cpsの粘度を示すと考えられる。次いでそのインクを、15psiの加圧下110℃で、順に6μm、次いで1.0μmのガラス繊維ディスクフィルタを通過させて濾過する。次いでその最終的なインクを冷却して室温とし、インクジェットプリンタを使用して印刷する。このインクの組成を表3に示す。
実施例15:
ペトロライト(Petrolite)CA−11に代えて、WB−5分散剤を使用することを除いては、実施例12の記載に従って磁性カーボンブラックインクを調製する。このインクの組成を表3に示す。
実施例16:
ペトロライト(Petrolite)CA−11に代えて、WB−17分散剤を使用することを除いては、実施例12の記載に従って磁性カーボンブラックインクを調製する。このインクの組成を表3に示す。
実施例17:
実施例6の記載に従って調製された磁性Fe粒子A71.91gに代えて、実施例7の記載に従って調製された磁性FePt粒子B約200.00gを使用することを除いては、実施例8に記載の工程を実施する。
実施例18:
カーボンブラックインクを、実施例12の記載に従って調製するが、(実施例9の記載に従って調製された押出物Cに代えて)実施例17の記載に従って調製された押出物Eを使用する。このインクの組成を表3に示す。
実施例19:
ペトロライト(Petrolite)CA−11に代えて、WB−5分散剤を使用することを除いては、実施例14の記載に従ってカーボンブラックインクを調製する。このインクの組成を表3に示す。
実施例20:
ペトロライト(Petrolite)CA−11に代えて、WB−17分散剤を使用することを除いては、実施例14の記載に従ってカーボンブラックインクを調製する。このインクの組成を表3に示す。
実施例21:
39.9gの実施例7の記載に従って調製した磁性FePt粒子を、1.3gの20%水性アニオン性界面活性剤ダウファクス(Dowfax)2A1(商標)を含む300gの脱イオン水に添加し、それに対して、83gの18%ナイペックス(Nipex)(登録商標)150カーボンブラック(オンタリオ州バーリントン(Burlington,Ontario)のデグッサ・カナダ(Degussa Canada)製)の溶液を添加し、3時間かけてボールミル摩砕をして、顔料分散体を製造する。
15.25gのジエチレングリコール、5.0gのジェファミン(Jeffamine)ED−600、ポリエーテルジアミン(テキサコ・ケミカル・カンパニー(Texaco Chemical Co.)から入手可能)、および20.15gの先に調製した顔料分散体を混合しながら59.6gの脱イオン水に添加して、水性インク組成物を調製する。このインクは、加熱式または圧電式インクジェットプリンタのいずれを用いても印刷することが可能である。
Figure 2011068820
実施例22:
セバシン酸ジブチル(ノースカロライナ州(NC)のモルフレックス・インコーポレーテッド(Morflex,Inc.)から入手可能)中の、安定な磁性カーボンブラック濃縮物を以下のようにして得る:初期速度1500RPMおよび最終速度2500RPMに設定した40mm高剪断混合ディソルバを備えた、ディスパーマット(DISPERMAT)FT(VMA−ゲッツマン・GMBH(VMA−Getzmann GMBH)から入手可能)を取り付けた1リットルのステンレス鋼製ビーカーの中に、60.0gのナイペックス(Nipex)(登録商標)150Gカーボンブラック(キャボット(Cabot)から入手可能)を、100.18gのセバシン酸ジブチル(モルフレックス・インコーポレーテッド(Morflex,Inc.)から入手可能)中100gのソルスパース(SOLSPERSE)13940(40%活性、アベシア(Avecia)から入手可能)の溶液に、高剪断混合をしながら徐々に添加する。40gの実施例6の記載に従って調製した磁性Fe粒子Aを添加する。カーボンブラックおよび磁性粒子を添加してから2時間の間、その分散液を連続的に撹拌する。顔料に対する分散剤の担持量は、安定化に最適な条件を仮定すると、約2.6mg/mと推測される。
この分散液を、ディスパーマット(DISPERMAT)SL−C12(VMA−ゲッツマン・GMBH(VMA−Getzmann GMBH)から入手可能)中で、下記の条件下で270分かけてさらに加工する:速度=2000RPM;温度=30〜55℃(水冷);循環速度=約3g/秒(125mLのチャンバーを通過);ミリングビーズ量=100mL;ビーズのタイプ=0.8〜1.0ジルコニウム−二酸化ケイ素。
実施例23:
リノレン酸のコバルト塩は、米国特許出願公開第2007/0120923A1号明細書の実施例5の記載に従って調製することができる。
リノレン酸のコバルト塩は、N.クマール(N.Kumar)ら、カナディアン・ジャーナル・オブ・ケミストリー(Canadian Journal of Chemisitry)(1987)、65(4)、740〜3の記載に従って、直接的な電気化学的合成によって得てもよい。具体的には、0.1gのリノレン酸を、0.04gのEtNClOを含む50mLのアセトン中に溶解させる。この溶液を添加して、Pt(−)/CHCN+リノレン酸/Co(++)の形の単純な電気化学セルを形成させ、初期電圧25Vを45分間印加する。コバルト(II)リノレン酸塩が、その電気化学的酸化の間に直接沈降する。
別な方法としては、リノレン酸のコバルト塩を、沈降プロセスによって調製してもよいが、それにはたとえば、水溶性の硫酸コバルトを加熱したリノレン酸のナトリウム塩溶液に、沈降が完了するまで添加する。そうして得られた塩を洗浄し、常法により乾燥させる。リノール酸のコバルト塩もまた同様にして、これらの方法によって得ることができる。
実施例24〜27:
高剪断ミキサを用い、実施例22の記載に従って調製した安定な磁性カーボンブラック濃縮物を、ビヒクルすなわち直鎖状および分岐状のアルカンとアルコールとのブレンド物の中に分散させ、次いで金属塩を添加することによって、磁性粒子を含むインク組成物24〜27を調製する。表4には、実施例24〜27の特定の組成物を記載する。場合によっては、その金属塩がステアリン酸マンガンであってもよい。
Figure 2011068820

Claims (1)

  1. キャリヤーと、
    任意成分の着色剤と、
    安定化磁性単結晶ナノ粒子と、
    を含むインクであって、
    磁性ナノ粒子の磁気異方性の絶対値が、2×10J/m以上である、インク。
JP2009222592A 2009-09-28 2009-09-28 インク Expired - Fee Related JP5645384B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009222592A JP5645384B2 (ja) 2009-09-28 2009-09-28 インク

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009222592A JP5645384B2 (ja) 2009-09-28 2009-09-28 インク

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011068820A true JP2011068820A (ja) 2011-04-07
JP5645384B2 JP5645384B2 (ja) 2014-12-24

Family

ID=44014396

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009222592A Expired - Fee Related JP5645384B2 (ja) 2009-09-28 2009-09-28 インク

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5645384B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111148574A (zh) * 2017-07-25 2020-05-12 麦格诺莫有限责任公司 用于可磁化塑料的方法和组合物

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0912948A (ja) * 1995-06-30 1997-01-14 Canon Inc バブルジェット用水系磁性インク、その製造方法、該インクを用いるインクジェット記録方法及びこれを用いたインクジェット記録装置
JPH1135863A (ja) * 1997-04-30 1999-02-09 Eastman Kodak Co 検出可能な標識物質を有するインクジェット記録用インク組成物
JP2000212498A (ja) * 1999-01-19 2000-08-02 Hitachi Maxell Ltd 水性磁性分散体とその製造方法および水性磁性分散体インク印字物とその印字方法
JP2006156965A (ja) * 2004-10-29 2006-06-15 Tdk Corp フェライト磁性材料及びその製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0912948A (ja) * 1995-06-30 1997-01-14 Canon Inc バブルジェット用水系磁性インク、その製造方法、該インクを用いるインクジェット記録方法及びこれを用いたインクジェット記録装置
JPH1135863A (ja) * 1997-04-30 1999-02-09 Eastman Kodak Co 検出可能な標識物質を有するインクジェット記録用インク組成物
JP2000212498A (ja) * 1999-01-19 2000-08-02 Hitachi Maxell Ltd 水性磁性分散体とその製造方法および水性磁性分散体インク印字物とその印字方法
JP2006156965A (ja) * 2004-10-29 2006-06-15 Tdk Corp フェライト磁性材料及びその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111148574A (zh) * 2017-07-25 2020-05-12 麦格诺莫有限责任公司 用于可磁化塑料的方法和组合物
CN111148574B (zh) * 2017-07-25 2023-04-21 麦格诺莫有限责任公司 用于可磁化塑料的方法和组合物

Also Published As

Publication number Publication date
JP5645384B2 (ja) 2014-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8236192B2 (en) Ferromagnetic nanoparticles with high magnetocrystalline anisotropy for MICR ink applications
US8597420B2 (en) Solvent-based inks comprising coated magnetic nanoparticles
US8409341B2 (en) Solvent-based inks comprising coated magnetic nanoparticles
JP5860307B2 (ja) 無機酸化物コーティングされた磁気ナノ粒子を含む硬化性インク
US20120236089A1 (en) Phase Change Magnetic Ink Comprising Coated Magnetic Nanoparticles And Process For Preparing Same
US8646896B2 (en) Phase change magnetic ink comprising surfactant coated magnetic nanoparticles and process for preparing same
US8702217B2 (en) Phase change magnetic ink comprising polymer coated magnetic nanoparticles and process for preparing same
US20120236090A1 (en) Phase Change Magnetic Ink Comprising Inorganic Oxide Coated Magnetic Nanoparticles And Process For Preparing Same
JP2012193349A (ja) コーティングされた磁気ナノ粒子を含む硬化性インク
JP2012193364A (ja) 炭素被覆磁性ナノ粒子を含む溶剤系磁性インクおよびその製造方法
JP2010009044A (ja) Micrトナー用途のための磁気結晶異方性を有する強磁性ナノ粒子
US8360546B2 (en) Phase change magnetic ink and process for preparing same
US8657431B2 (en) Phase change magnetic ink comprising carbon coated magnetic nanoparticles and process for preparing same
JP2012193346A (ja) 界面活性剤コーティングされた磁気ナノ粒子を含む硬化性インク
JP5645384B2 (ja) インク
US20160208120A1 (en) Water based magnetic ink character recognition ink jet ink based on dispersion of functionalized nanoparticulate magnetic ferrite
CN102031037B (zh) 用于micr油墨应用的具有高磁晶各向异性的铁磁性纳米颗粒
JP5588826B2 (ja) 磁性酸化鉄粒子分散液及びその製造方法
CA2677571C (en) Ferromagnetic nanoparticles with high magnetocrystalline anisotropy for micr ink applications
JP2012233053A (ja) 磁性インクジェットインク
KR101640730B1 (ko) Micr 잉크 적용을 위하여 높은 자기결정 비등방성을 구비한 강자성 나노입자
JP2000212498A (ja) 水性磁性分散体とその製造方法および水性磁性分散体インク印字物とその印字方法
EP2295508B1 (en) Ferromagnetic nanoparticles with high magnetocrystalline anisotropy for MICR ink applications
JP5639371B2 (ja) 水性磁性分散体および磁性インクジェットインク
JP2021127419A (ja) インクジェット用インク

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120921

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141021

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141104

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5645384

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees