JPH0912923A - 塗料用下塗り層組成物 - Google Patents

塗料用下塗り層組成物

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JPH0912923A
JPH0912923A JP7168882A JP16888295A JPH0912923A JP H0912923 A JPH0912923 A JP H0912923A JP 7168882 A JP7168882 A JP 7168882A JP 16888295 A JP16888295 A JP 16888295A JP H0912923 A JPH0912923 A JP H0912923A
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勇司 江口
Shigeki Nomura
茂樹 野村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】種々の材料の親水性あるいは疎水性処理に有効
であり、その効果が持続できるような下塗り層組成物を
提供する。 【解決手段】加水分解性シリル基を有する化合物を含有
する熱硬化性バインダー100重量部、および分子内に
加水分解性シリル基と活性光線によりラジカル重合を開
始する官能基を有する化合物5〜150重量部からな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗料用下塗り層組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】表面の改質については、目的とする性能
や処理する基材により種々の方法が用いられている。例
えば表面を親水化する場合には、化学的処理としては、
親水性高分子や界面活性剤等を塗布する、あるいは親水
性モノマーを基材表面にグラフト重合させる等の方法が
あり、物理的処理としては、プラズマ処理やコロナ処理
等が挙げられる。
【0003】撥水化する場合にも同様な方法がとられて
おり、撥水性を有する樹脂組成物を塗布する、あるいは
特定のガス雰囲気下でプラズマ処理する等が挙げられ
る。
【0004】上記のような方法の中でも表面特性の持続
性という点では、表面でのグラフト重合による改質が有
効である。このような方法として、例えば特公昭61−
40695号公報には、基材表面に塗工された不飽和基
を二個以上有する疎水性単量体混合物を予備重合させて
ゲル化させた後、その表面にカルボン酸基、スルホン酸
基、硫酸基、リン酸基、アミノ基、水酸基等の親水基と
不飽和基とを有する親水性単量体を接触させて、ゲル中
の残存不飽和基と親水性単量体の不飽和基とを表面付近
で共重合させる方法が開示されている。
【0005】しかしながら上記の方法では、効率的に表
面で共重合させるためには、疎水性単量体混合物の重合
をゲル状で停止させ、一定の割合以上の不飽和基を残存
させておく必要がある。これはゲルを形成するための官
能基と、表面で共重合するための官能基とが同じ不飽和
結基であるため重合の程度を制御することはかなり難し
い。
【0006】そのため、基材表面を親水性あるいは疎水
性処理しても、その効果が持続せず払拭などの操作で簡
単に機能が低下するという問題があった。
【0007】本発明においては、加水分解性シリル基を
有する化合物を含有する熱硬化性バインダ−と、分子内
に加水分解性シリル基と活性光線によりラジカル重合を
開始する官能基を有する化合物とからなる組成物を用い
ている。加水分解性シリル基を有する熱硬化性化合物
は、後に本文中で詳細に記述するようなものが既に公知
であり、また分子内に加水分解性シリル基と活性光線に
よりラジカル重合を開始する官能基を有する化合物も、
官能基を有する光重合開始剤の一種としてEP0281
941号公報に開示されているが、本発明のような使用
法は述べられていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の様な
点に鑑みて研究されたものであり、種々の材料の親水性
あるいは疎水性処理に有効であり、その効果が持続でき
るような下塗り層組成物及びその下塗り層を提供するこ
とを目的とする。
【0009】上記課題を解決すべく、本発明者らが鋭意
研究を進めた結果、加水分解性シリル基を有する化合物
を含有する熱硬化性バインダ−、分子内に加水分解性シ
リル基と活性光線によりラジカル重合を開始する官能基
を有する化合物とからなる組成物を用いて下塗り層を設
けることにより、その表面に種々の重合性単量体を接触
させて活性光線を照射すれば、有効な表面改質が可能で
あることを見いだし本発明に至った。することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の塗料用下塗り層
組成物は、加水分解性シリル基を有する化合物を含有す
る熱硬化性バインダー100重量部、および分子内に加
水分解性シリル基と活性光線によりラジカル重合を開始
する官能基を有する化合物5〜150重量部からなる。
【0011】上記要件の分子内に加水分解性シリル基と
活性光線によりラジカル重合を開始する官能基を有する
化合物としては、一般式(1)で示される化合物が、好
ましい。
【0012】
【化2】 (式中R1 、R2 、R3 は、CH3 、CH2 CH3 、O
CH3 、OCH2 CH3のいずれかであり、R1
2 、R3 の少なくとも2つがOCH3 、OCH2 CH
3 のいずれかである。)
【0013】本発明で使用される加水分解性シリル基を
有する化合物としては、従来公知の種々のものが使用で
きるが、例えば、(イ)有機高分子で側鎖あるいは末端
に加水分解性シリル基を有するもの、(ロ)エポキシ
基、アミノ基、イソシアネート基、チオール基、ビニル
基、(メタ)アクリル基等の官能基と加水分解性シリル
基とを同一分子内に有する化合物(ハ)テトラアルコキ
シシラン等が挙げられる。
【0014】本発明で使用される熱硬化性バインダー
は、加水分解性シリル基以外にも他の熱硬化できる官能
基を有する化合物を含有してもよい。
【0015】有機高分子で側鎖あるいは末端に加水分解
性シリル基を有するもの(イ)としては、例えば、3−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタ
クリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリ
ロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリ
ロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプ
ロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピル
メチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、p−トリメトキシシリルス
チレン等のラジカル重合性シラン化合物とスチレン、o
−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルス
チレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、
2,4−ジメチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレ
ン、p−n−オクチルスチレン、p−メトキシスチレ
ン、p−フェニルスチレンなどのスチレン類、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエス
テル類、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アク
リル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、
(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n
−オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)ア
クリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸フ
ェニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)
アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニ
ル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)
アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸
グリシジル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル
(メタ)アクリレート、メタクリロイルイソシアネー
ト、2−メタクリロキシエチルイソシアネートなどの
(メタ)アクリル酸エステル類、ビニルメチルエーテ
ル、ビニルエチルエーテルなどのビニルエーテル類、ビ
ニルメチルケトン、ビニルエチルケトンなどのビニルケ
トン類等の重合性単量体との共重合体や、特開平2−1
96792号公報等に開示されている加水分解性シリル
基含有アゾ系化合物等の加水分解性シリル基を有するラ
ジカル重合開始剤を用いて上記重合性シラン化合物や上
記重合性単量体を重合させたもの等が挙げられる。
【0016】エポキシ基、アミノ基、イソシアネート
基、チオール基、ビニル基、(メタ)アクリル基等の官
能基と加水分解性シリル基とを同一分子内に有する化合
物(ロ)としては、3−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシ
ラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポ
キシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキ
シシラン、3−トリメトキシシリルプロピルイソシアネ
ート、3−トリエトキシシリルプロピルイソシアネー
ト、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−
メルカプトプロピルトリエトキシシランや、先に記述し
た重合性シラン化合物等が挙げられる。
【0017】テトラアルコキシシラン(ハ)としては、
例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラ
ン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等
が挙げられる。
【0018】上記加水分解性シリル基を有する化合物
は、単独でまたは二種以上を併用して使用される。
【0019】上記加水分解性シリル基を有する化合物を
含有する熱硬化性バインダーは、触媒、硬化剤等の添加
剤や他の硬化成分としてTi、Zr、Al、Mg、B等
の金属のアルコキシドを添加されてもよい。
【0020】上記触媒としては、ジラウリン酸ジブチル
スズ等のスズ系の化合物や三級アミン等が挙げられ、硬
化剤としては、多価アミン化合物、多価カルボン酸化合
物、多価アルコール化合物、多価イソシアネート化合
物、多価エポキシ化合物等が挙げられる。
【0021】上記の硬化剤を使用する場合には、それぞ
れの反応に有効な触媒を使用することも可能である。ま
た上記硬化剤は、あらかじめ熱硬化性バインダーと反応
させておいてもよい。
【0022】本発明で用いられる分子内に加水分解性シ
リル基と活性光線の照射によりラジカル重合を開始する
官能基を有する化合物としては、官能基を有する光重合
開始剤の一種としてEP0281941号公報に開示さ
れているものなどが挙げられるが好ましくは、一般式
(1)で示される化合物が挙げられる。
【0023】
【化3】 (式中R1 、R2 、R3 は、CH3 、CH2 CH3 、O
CH3 、OCH2 CH3のいずれかであり、R1
2 、R3 の少なくとも2つがOCH3 、OCH2 CH
3 のいずれかである。)
【0024】上記一般式(イ)で示される化合物は、一
般式(ロ)で示されるイソシアネート基含有シランカッ
プリング剤と一般式(ハ)で表される光重合開始剤との
付加反応により得られる。
【0025】
【化4】 (式中R1 、R2 、R3 は、CH3 、CH2 CH3 、O
CH3 、OCH2 CH3のいずれかであり、R1
2 、R3 の少なくとも2つがOCH3 、OCH2 CH
3 のいずれかである。)
【0026】
【化5】
【0027】上記一般式(2)で示されるイソシアネ−
ト基含有シランカップリング剤としては、例えば、3−
トリメトキシシリルプロピルイソシアネート(信越化学
工業製:KBM−9007)、3−トリエトキシシリル
プロピルイソシアネート(信越化学工業製:KBE−9
007)、3−ジメトキシメチルシリルプロピルイソシ
アネート(信越化学工業製:KBM−9207)、3−
ジエトキシメチルシリルプロピルイソシアネート(信越
化学工業製:KBE−9207)等が挙げられる。ま
た、一般式(3)で示される光重合開始剤としては、4
−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロ
キシ−2−プロピル)ケトン(チバ・ガイギー製:イル
ガキュアー2959)が挙げられる。
【0028】上記一般式(1)で示される化合物を合成
する方法としては、従来公知のウレタン生成反応が利用
できる。すなわち原料として上記一般式(2)の化合物
と一般式(3)の化合物、さらにジラウリン酸ジ−n−
ブチルスズのよなスズ系の化合物や三級アミンのような
ウレタン合成用の触媒を少量添加することにより容易に
合成可能である。
【0029】本発明で使用される分子内に加水分解性シ
リル基と活性光線の照射によりラジカル重合を開始する
官能基を有する化合物の添加量は、少なくなるとラジカ
ル重合開始部分が相対的に少なくなるため耐久性が不足
し、多くなると熱硬化性が不足し、上塗り層を塗工する
とき侵食されてしまうためで加水分解性シリル基を有す
る化合物を含有する熱硬化性バインダー100重量部に
対して5〜150重量部である。
【0030】本発明の塗料用下塗り層組成物には、光硬
化性塗料を上塗り層とする場合光照射による硬化の酸素
阻害を低下させるために、三級アミン類を添加しておく
のが有効である。
【0031】上記三級アミン類としては、熱硬化時に硬
化に関与できる官能基、例えば、加水分解性シリル基、
水酸基、一級あるいは二級アミノ基を有しているものが
このましい。
【0032】上記塗料用下塗り層組成物には、必要に応
じて紫外線吸収剤、酸化防止剤、レベリング剤、界面活
性剤等を添加しておいてもよく、また、溶剤で希釈して
もよい。
【0033】上記溶剤としては、一般的に塗料などに使
用されるなものが使用可能であで、例えば、メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコー
ル類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセ
ロソルブ等のセロソルブ類、テトラヒドロフラン、水等
が挙げられ、これらは単独でまたは二種以上混合して使
用できる。
【0034】本発明で用いられる加水分解性シリル基を
有する化合物の加水分解性シリル基は、必要に応じて加
水分解しておいてもよく、特に、エポキシ基、アミノ
基、イソシアネート基、チオール基、ビニル基、(メ
タ)アクリル基等の官能基と加水分解性シリル基とを同
一分子内に有する化合物(ロ)及びテトラアルコキシシ
ラン(ハ)を使用する場合には有効である。
【0035】本発明の塗料用下塗り層組成物は水を含む
溶剤で希釈し、これに酸またはアルカリの触媒を加えて
加水分解し、脱水縮合を進行させることもできる。これ
は、一般にゾル−ゲル法と呼ばれているものである。
【0036】本発明の塗料用下塗り層組成物は、塗料層
を設け、基材の表面を例えば撥水性、親水性とする場
合、塗料層と基材の間に下塗り層を設ける場合に使用さ
れ、上記塗料層の耐久性を向上させ、撥水性、親水性機
能の耐久性を向上させるために用いられる。
【0037】上記基材としては、アクリル系樹脂、ポリ
カーボネートなどのプラスチック板状成型体、無機ガラ
ス板等が挙げられる。これらは必要に応じて密着性を向
上させる目的で前処理されていてもよく、前処理法とし
ては、例えば、コロナ放電処理、グロー放電処理、プラ
ズマ処理、紫外線、電子線、放射線等の電離活性線によ
る処理、粗面化処理、化学薬品処理、プライマー処理等
が挙げられる。
【0038】上記基材上に下塗り層を設ける方法として
は、従来公知の方法が適用でき、例えばスプレーコー
ト、バーコート、ディッピング、ロールコート、スピン
コート等の種々の方法が挙げられる。
【0039】上記下塗り層の膜厚は、薄くなると均一に
設けるのが難しく、厚くなると硬化に時間がかかり、短
時間の硬化では硬度が低くなるので0.1〜20μmが
好ましい。
【0040】本発明の塗料用下塗り層組成物は、基材に
塗工し、熱硬化して、下塗り層を形成する。
【0041】上記熱硬化の条件としては、分子内に加水
分解性シリル基と活性光線によりラジカル重合を開始す
る官能基を有する化合物のラジカル重合を開始する官能
基の熱安定性を考慮して決定されるが、50〜200℃
程度で数分〜3時間程度が好ましい。硬化時間は高温ほ
ど短くなる。また熱硬化は、減圧条件下で行ってもよ
い。
【0042】上記下塗り層は、ラジカル重合を開始する
官能基を有しており、この下塗り層上にラジカル重合性
不飽和結合を有する単量体を接触させた状態で活性光線
を照射することにより、単量体の重合を開始させること
ができる。例えば親水性あるいは撥水性の単量体を用い
れば、それぞれ表面が高度に親水化あるいは撥水化され
た層が形成される。
【0043】上記の親水性の単量体としては、1分子中
に少なくとも1個のラジカル重合性不飽和結合と、少な
くとも1個の親水基を有するものである。親水基として
は、水酸基、スルホン酸あるいはスルホン酸塩基、一
級、二級及び三級アミノ基またはアミド基、四級アンモ
ニウム塩基、カルボン酸あるいはカルボン酸塩基、リン
酸あるいはリン酸塩基、ポリエチレングリコール鎖、モ
ルホリノ基、硫酸塩基等が挙げられる。単量体として
は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロー
ル(メタ)アクリレート、2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸とその塩、スルホン酸ナトリウ
ムエトキシ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルア
ミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ート、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジメ
チルアミノプロピルアクリルアミド、2−メタクリロキ
シエチルトリメチルアンモニウムクロリド、(メタ)ア
クリル酸、(メタ)アクリル酸およびその塩、2−(メ
タ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)
アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アク
リロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ω−カル
ボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、EO変
性リン酸(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコー
ル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、p
−スチレンスルホン酸およびそのナトリウム塩等が挙げ
られる。これらは単独で使用してもよいし、二種以上を
併用してもよい。
【0044】上記撥水性単量体としては、一般式(4)
で示されるフルオロアルキル(メタ)アクリレートや、
【0045】
【化6】 (式中、R4 はH又CH3 、lは2〜20の整数、m、
n、p及びqは整数でm+n=2、p+q=3)
【0046】一般式(5)で示されるジメチルシロキシ
基を有する(メタ)アクリレート
【0047】
【化7】 (式中、xは10〜100の整数であり、R5 はH又C
3 、R6 はCH3 又は一般式(6)で示されるもので
ある。)
【0048】
【化8】
【0049】等がある。これらは単独で使用してもよい
し、二種以上を併用してもよい。
【0050】また他にも、目的に応じて本文中で挙げた
ような重合性単量体を使用することも可能である。
【0051】またこれらの単量体は必要に応じて溶剤で
希釈してもよい。
【0052】これらの単量体を硬化被膜に接触させる方
法としては、ディッピング、スプレー法、ポッティン
グ、カーテンコート等により行うことができる。
【0053】上記活性光線としては、超高圧水銀灯、高
圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、低
圧殺菌ランプ等を光源に用いて紫外線照射を行う方法が
適用できる。露光量は使用する単量体の種類等によって
も調製する必要があるが、通常100mJ/cm2 〜2
0J/cm2 程度が適当である。また紫外線を照射する
時、酸素阻害を防止する目的で、不活性ガス雰囲気下で
行うか、あるいはプラスチックフィルム、ガラス板等で
ラミネートし酸素を遮断した状態で行うとより硬化速度
を大きくすることが出来、効率的である。
【0054】余剰付着分は洗浄等により除去してもよ
い。
【0055】本発明の塗料用下塗り層組成物を基材に塗
工し、加熱硬化されて塗料用下塗り層が得られる。
【0056】上記塗料用下塗り層組成物を基材に塗工す
る方法及び加熱硬化する方法は、本発明に記載された方
法及び条件で行われることが好ましい。
【0057】上記塗料用下塗り層の厚みは、本発明に記
載された理由により、本発明に記載の範囲が好ましい。
【0058】得られる塗料用下塗り層は、ラジカル重合
を開始する官能基を有しており、この下塗り層上にラジ
カル重合性不飽和結合を有する単量体を接触させた状態
で活性光線を照射することにより、単量体の重合を開始
させることができる。例えば親水性あるいは撥水性の単
量体を用いれば、それぞれ表面が高度に親水化あるいは
撥水化された層が形成される。
【0059】上記ラジカル重合性不飽和結合を有する単
量体は、塗料組成物に含有させることによって、塗料用
下塗り層に強固に塗料層を形成し、耐久性にすぐれた塗
料層とすることができる。
【0060】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。尚、以下
「部」とあるのは「重量部」を意味する。
【0061】(実施例1) (1)下塗り層組成物の調整 テトラハイドロフラン(THF)30gに4−(2−ヒ
ドキシエトキシ)−フェニル(2−ヒドロキシ−2−プ
ロピル)ケトン(チバ・ガイギー製:イルガキュアー2
959)5.0gを溶解し、次にジラウリン酸ジ−n−
ブチルスズ100mg、3−トリエトキシシリルプロピ
ルイソシアネート(信越化学工業製:KBE9007)
5.5gを加えて室温で3時間撹拌した。その後反応溶
液を50℃に加温して3時間放置した。
【0062】上記の溶液からTHFを除去して、下記一
般式(7)で示される化合物を得た。
【0063】
【化9】
【0064】上記一般式(6)の化合物5.0gに、エ
タノール25g、テトラエトキシシラン5.5g、水
2.6g(0.4重量%HCl含有)を添加し、室温で
1時間撹拌し下塗り層組成物塗液を得た。
【0065】(2)塗工.熱硬化 上記下塗り層組成物塗液をメイヤーバーでガラス板上に
塗工し、180℃で30分間硬化し、硬化後の膜厚が、
0.5μmの下塗り層を形成した。 (3)表面処理.光照射 上記下塗り層の上に下記組成の親水性処理用塗工液Aを
塗工し、塗工面をガラス板でラミネートした状態で高圧
水銀灯により紫外線を6J/cm2 照射した。その後余
剰の未硬化付着分を水洗により除去し、ガラス板/下塗
り層/親水性層の親水性処理ガラスを得た。
【0066】 塗工液A 水 75g エタノール 25g 2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸 20g (日東化学製:TBAS−Q) 炭酸ナトリウム 10.4g (4)評価 上記親水性処理ガラスの親水性層に対し以下のようにし
てその性能を評価した。
【0067】(親水性層のぬれ性)25℃、50%RH
の状態で、イオン交換水を用いて協和界面科学社製接触
角計CA−D型により測定した。
【0068】(ぬれ性の耐久性)300g/cm2 の圧
力をかけた布で100回の払拭を行った後、外観および
対水接触角で評価した。
【0069】実施例1の親水層は、対水接触角が6°で
あった。また、300g/cm2 の圧力をかけた布で1
00回の払拭を行った後、親水層には傷もなく、対水接
触角は8°であった。
【0070】(実施例2)実施例1の親水性処理用塗工
液Aに換えて、撥水性を有する単量体であるパーフルオ
ロオクチルエチルアクリレート(共栄社化学製、FA−
108)のメチルエチルケトン溶液(50重量%)を用
いた以外は同様にして、高圧水銀灯により紫外線を6J
/cm2 照射した。その後、未硬化余剰付着分をメチル
エチルケトンで洗浄し、除去し、ガラス板/下塗り層/
疎水性層の疎水性処理ガラスを得た。
【0071】(実施例3)下塗り層組成物塗液として下
記組成のものを調整し、室温で1時間撹拌した。 一般式(7)の化合物 4.0g β−(3,4−エポキシシクロヘキシル) エチルトリメトキシシラン 6.0g (信越化学工業製、KBM303) 無水トリメリット酸 1.56g エタノール 22.7g 水(0.4重量%HCl含有) 1.8g 次いで、メイヤーバーでガラス板上に塗工し、180℃
で30分間硬化させ、硬化後の膜厚は、3.5μmの下
塗り層を形成した。
【0072】上記下塗り層上に、実施例1の親水性処理
用塗工液Aを塗工し、塗工面をガラス板でラミネートし
た状態で高圧水銀灯により紫外線を10J/cm2 照射
し、未硬化余剰付着分を水洗により除去し、ガラス板/
下塗り層/親水性層の親水性処理ガラスを得た。
【0073】( 実施例4)実施例3の親水性処理用塗工
液Aを撥水性を有する単量体であるジメチルシロキシ基
含有二官能メタクリレート(信越化学製、X−22−1
64C)に換えた以外は同様にして、ガラス板/下塗り
層/疎水性層の疎水性処理ガラスを得た。
【0074】(実施例5)下塗り層組成物塗液を下記組
成とし、室温で1時間撹拌した。 一般式(7)の化合物 4.0g 3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン (信越化学工業製、KBM403) 6.0g 3−アミノプロピルトリメトキシシラン 3.0g (信越化学工業製、KBM903) エタノール 35g 水(0.4重量%HCl含有) 2.7g 次いで、メイヤーバーでコロナ放電処理されたポリカー
ボネート板(PC板)上に塗工し、80℃で3時間硬化
させ、硬化後の膜厚が3.2μmの下塗り層を形成し
た。
【0075】上記下塗り層上に親水性処理用塗工液Aを
塗工し、高圧水銀灯により紫外線を12J/cm2 照射
し、PC板/下塗り層/親水性層のポリカーボネート板
を得た。
【0076】(実施例6)実施例5の親水性処理用塗工
液Aに換えて、撥水性を有する単量体であるジメチルシ
ロキシ基含有二官能メタクリレート(信越化学製、X−
22−164C)を用いて、高圧水銀灯により紫外線を
12J/cm2 照射した以外は同様にして、PC板/下
塗り層/疎水性層のポリカーボネート板を得た。
【0077】(比較例1)実施例1の下塗り層組成物塗
液を下記の組成とした以外は実施例1と同様にした。 一般式(7)の化合物 0.1g エタノール 18.4g テトラエトキシシラン 5.5g 水(0.4重量%HCl含有) 2.0g
【0078】(比較例2)実施例1の下塗り層組成物塗
液を下記の組成とした以外は実施例1と同様にした 一般式(7)の化合物 3.5g エタノール 20g テトラエトキシシラン 0.5g 水(0.4重量%HCl含有) 0.7g
【0079】(比較例3)実施例2の下塗り層組成物塗
液を下記組成に換えた以外は同様にした。 一般式(7)の化合物 0.1g エタノール 18.4g テトラエトキシシラン 5.5g 水(0.4重量%HCl含有) 2.0g
【0080】実施例2〜6及び比較例1〜3で得られた
基材/下塗り層/塗料面の構成のものについて実施例1
と同様の評価を行いその結果を表1に示した。
【0081】
【表1】
【0082】
【発明の効果】以上から明らかなように、本発明の塗料
用下塗り層組成物は上述の構成であるから得られる下塗
り層は、その上に塗料層を設けると、充分な耐久性を有
する表面の特性を自在に形成することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加水分解性シリル基を有する化合物を含有
    する熱硬化性バインダー100重量部、および分子内に
    加水分解性シリル基と活性光線によりラジカル重合を開
    始する官能基を有する化合物5〜150重量部からなる
    塗料用下塗り層組成物。
  2. 【請求項2】分子内に加水分解性シリル基と活性光線に
    よりラジカル重合を開始する官能基を有する化合物が、
    一般式(1)で示される化合物であることを特徴とする
    請求項1記載の塗料用下塗り層組成物。 【化1】 (式中R1 、R2 、R3 は、CH3 、CH2 CH3 、O
    CH3 、OCH2 CH3のいずれかであり、R1
    2 、R3 の少なくとも2つがOCH3 、OCH2 CH
    3 のいずれかである。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001527021A (ja) * 1997-12-29 2001-12-25 デコ パテンツ インコーポレイテッド 改良された接着性及び耐久性を有する放射線硬化性インキによるガラス質物品の装飾方法及び装飾用組成物
CN103159794A (zh) * 2013-01-31 2013-06-19 北京化工大学常州先进材料研究院 植物油基光引发剂2959制备方法
WO2015022942A1 (ja) * 2013-08-12 2015-02-19 横浜ゴム株式会社 プライマー組成物

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