JP3340249B2 - 防曇性被覆物品の製造方法 - Google Patents

防曇性被覆物品の製造方法

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JP3340249B2
JP3340249B2 JP19314994A JP19314994A JP3340249B2 JP 3340249 B2 JP3340249 B2 JP 3340249B2 JP 19314994 A JP19314994 A JP 19314994A JP 19314994 A JP19314994 A JP 19314994A JP 3340249 B2 JP3340249 B2 JP 3340249B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防曇性被覆物品の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、透明材料として用いられてい
るプラスチックや無機ガラスは、表面の温度が露点以下
となった場合、表面に曇りを生じ透明性が損なわれてし
まうという欠点があり、これまでに曇りを防ぐ方法とし
て種々の提案がなされてきた。例えば、(イ)アルコー
ル性水酸基を有する親水性アクリレートモノマーを特定
の多官能モノマーと共重合させる、あるいはポリビニル
アルコール等の水溶性高分子を架橋させることにより吸
水性膜を形成する方法が知られている。また、(ロ)成
形品の樹脂中に界面活性剤を練り込んでおく、あるいは
(ハ)界面活性剤を含有する組成物を基材表面に塗布す
る方法が知られている。
【0003】しかしながら、(イ)の方法によれば架橋
の程度により膜の吸水性を制御するために、膜の吸水に
よる防曇性の発現と耐水性付与の両方を満たすことは困
難であった。また(ロ)、(ハ)の方法も界面活性剤が
水により流出すると防曇性が大きく低下するという問題
点があった。
【0004】これらの問題点を解決する方法として、例
えば、特公昭61−40695号公報には、不飽和基を
二個以上有する疎水性単量体混合物を予備重合させてゲ
ル化させた後、その表面にカルボキシル基、スルホン酸
基、硫酸基、リン酸基、アミノ基、水酸基等の親水基と
重合性不飽和基とを有する親水性単量体を接触させて表
面で共重合させる方法が開示されている。しかしなが
ら、この方法では、予備重合の程度を制御することが難
しいという問題点があった。
【0005】また、特開昭56−63845号公報に
は、無機物基材又は表面が無機物で被覆された有機物基
材を、無機物と反応する第一官能基と有機物と反応する
第二官能基とを有するカップリング剤で処理し、第一官
能基と無機物とを反応させた後に、第二官能基に親水性
モノマー、オリゴマー又はこれらの混合物を反応させて
表面に親水性層を設けた製品とその製造方法が開示され
ている。
【0006】また、特開平4−225301号公報に
は、表面に酸化ケイ素を含有する基材にシランカップリ
ング剤を結合させた後、反応性界面活性剤をシランカッ
プリング剤に結合させるという方法が開示されている。
【0007】しかしながら、これらの方法では、基材の
少なくとも表面に無機物又は酸化ケイ素を有している必
要があり、しかもカップリング剤の層が極薄であるため
親水性モノマー等との反応に関与する活性点が極めて少
ないという問題点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な問題点を解決し、その目的は防曇性と耐温水性を兼ね
備えた防曇性被覆物品の製造方法を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の防曇性被覆物品
の製造方法は、プラスチック基材又は無機基材上に、組
成物(A)を下塗り層として基材上に塗布し、加熱硬化
する第一の工程と、得られた硬化被膜に組成物(B)を
接触させた状態で活性光線を照射して、光硬化させる第
二の工程よりなる。
【0010】上記組成物(A)は、シランカップリング
剤(a)、化合物(b)及び光重合開始剤(c)からな
る。
【0011】上記基材としては、アクリル樹脂、ポリカ
ーボネートなどのプラスチック板状成形体及び無機ガラ
ス板等が挙げられる。これらの基材には、さらに密着性
を向上させる目的で、必要に応じて前処理が施されてい
てもよい。上記前処理としては、コロナ放電処理、グロ
ー放電処理、紫外線、電子線、放射線等の電離活性線に
よる処理;粗面化処理;化学薬品処理;プライマー処理
などが挙げられる。
【0012】上記シランカップリング剤(a)は、エポ
キシ基を含有し、下記一般式(1)で表されるものであ
る。このシランカップリング剤(a)のエポキシ基は、
後述の化合物(b)との反応または反応性シリル基の架
橋反応により架橋構造を形成し、このような架橋によっ
て、得られた塗膜は耐水性、耐温水性に優れ、基材との
密着性も向上する。
【0013】
【化2】
【0014】式中、R1 〜R3 は、それぞれ独立して、
低級アルキル基又は低級アルコシキ基を示し、R1 、R
2 及びR3 の少なくとも一つは低級アルコシキ基を示
す。X1 は、末端にエポキシ基を含有する低級アルキル
基を示す。
【0015】このようなシランカップリング剤(a)と
しては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グ
リシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルエチルジエトキシシラン、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リエトキシシラン等が挙げられる。
【0016】上記シランカップリング剤(a)は、必要
に応じて加水分解されていてもよく、加水分解の方法と
しては、水単体又は水とアルコールとの混合溶剤で希釈
し、これに酸又はアルカリの触媒を添加するのが一般的
な方法である。
【0017】上記化合物(b)としては、1分子中に少
なくとも1個の(メタ)アクリロイル基と少なくとも1
個のカルボキシル基を有する化合物であって、例えば、
(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシ
エチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチ
ルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘ
キサヒドロフタル酸、ω−カルボキシポリカプロラクト
ンモノアクリレート等が挙げられる。
【0018】また、上記化合物(b)としては、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)
アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、
エピクロルヒドリン(以下「ECH」という)変性エチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、トリグリセロ
ールジ(メタ)アクリレート、ECH変性トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、ECH変性グリセロール
トリアクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレ
ート等の水酸基含有(メタ)アクリレートと、無水コハ
ク酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメ
リット酸、無水メリット酸等のカルボン酸無水物との反
応生成物が挙げられる。
【0019】なお、上記化合物(b)は、単独で使用さ
れてもよく、二種以上が併用されてもよい。
【0020】上記組成物(A)における化合物(b)の
使用量は、少なくなると熱硬化反応が十分に進行せず、
多くなると熱硬化反応に関与しないカルボキシル基が多
くって最終的な硬化被膜の耐水性が低下するので、シラ
ンカップリング剤(a)100重量部に対して10〜5
00重量部が好ましい。
【0021】上記光重合開始剤(c)としては、紫外
線、可視光線などの活性光線により上記の(メタ)アク
リレート化合物(b)を重合させる性質を有するもので
あればよく、このような光重合開始剤については、「紫
外線硬化システム」(加藤清視著、総合技術センター社
発行)に詳しく述べられている。
【0022】紫外線で活性化する光重合開始剤(c)と
しては、例えば、ソジウムメチルジチオカーバメイトサ
ルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、
ジフェニルモノサルファイド、ジベンゾチアゾイルモノ
サルファイド及びジサルファイドなどのサルファイド
類;チオキサントン、エチルチオキサントン、2−クロ
ロチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ジイソプ
ロピルチオキサントンなどのチオキサントン誘導体;ヒ
ドラゾン、アゾイソブチロニトリル、ベンゼンジアゾニ
ウムなどのジアゾ化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチ
ルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイ
ソプロピルエ−テル、ベンゾフェノン、ジメチルアミノ
ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジルアントラキ
ノン、t−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラ
キノン、2−エチルアントラキノン、2−アミノアント
ラキノン、2−クロロアントラキノン、ベンジルジメチ
ルケタール、メチルフェニルグリオキシレートなどの芳
香族カルボニル化合物;1−ヒドロキシシクロヘキシル
フェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フ
ェニルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエト
キシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケト
ン、2, 2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメ
トキシアセトフェノンなどのアセトフェノン誘導体;4
−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ
安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、
4−ジエチルアミノ安息香酸イソプロピルなどのジアル
キルアミノ安息香酸エステル類;ベンゾイルパーオキサ
イド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオ
キサイド、キュメンハイドロパーオキサイドなどの過酸
化物;9−フェニルアクリジン、9−p−メトキシフェ
ニルアクリジン、9−アセチルアミノアクリジン、ベン
ズアクリジンなどのアクリジン誘導体;9,10−ジメ
チルベンズフェナジン、9−メチルベンズフェナジン、
10−メトキシベンズフェナジンなどのフェナジン誘導
体;4,4' ,4" −トリメトキシ−2,3−ジフェニ
ルキノキサリンなどのキノキサリン誘導体;2,4,5
−トリフェニルイミダゾイル二量体;ハロゲン化ケト
ン;アシルホスフィンオキシド、アシルホスフォナ−ト
などのアシル化リン化合物などが挙げられる。
【0023】また、可視光線で活性化する光重合開始剤
(c)としては、例えば、2−ニトロフルオレン、2,
4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−ト
リアジン、3,3' −カルボニルビスクマリン、チオミ
ヒラーケトン等が挙げられる。上記光重合開始剤(c)
は、第一の工程における加熱硬化時の温度条件等により
安定性を考慮して選択される。
【0024】上記組成物(A)における光重合開始剤
(c)の使用量は、多くなると硬化被膜の黄変が発生す
るか、又は硬化被膜が脆くなる等の問題を生じ、少なく
なると硬化が不十分となるので、シランカップリング剤
(a)100重量部に対し0.1〜20重量部であるこ
とが好ましい。
【0025】また、組成物(A)には、必要に応じて、
一般式(2)で表されるエポキシ基以外の官能基を有す
るシランカップリング剤が添加されてもよい。
【0026】
【化3】
【0027】一般式(2)において、R4 〜R6 はそれ
ぞれ独立してハロゲン原子、低級アルキル基、低級アル
コキシ基、低級アセトキシ基を示し、R4 、R5 、R6
のうち少なくとも一つは、ハロゲン原子、低級アルコキ
シ基又は低級アセトキシ基を示す。X2 は、末端にビニ
ル基又は(メタ)アクリロイル基を有する低級アルキル
基を示す。
【0028】上記シランカップリング剤としては、ビニ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリクロロシラン、ビニルトリアセトキシシラン、
メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキ
シシラン、ビニルジメトキシシラン、γ−メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシエチル
トリメトキシシラン、γ−メタクリロキシエチルトリメ
トキシシラン、γ−メタクリロキシエチルトリエトキシ
シラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−アクリロキシエチルトリメトキシシラン、γ−アクリ
ロキシエチルトリエトキシシラン等が挙げられる。
【0029】上記組成物(A)には、必要に応じて、エ
ポキシ樹脂用硬化剤あるいは硬化触媒が添加されてもよ
い。これらについては「エポキシ樹脂の高機能化と用途
展開」(英一太著、CMC社発行)に詳しく述べられて
いるが、硬化剤としては、(無水)コハク酸、(無水)
グルタル酸、(無水)フタル酸、イソフタル酸、(無
水)トリメリット酸、(無水)ピロメリット酸、(無
水)メリット酸等の多価カルボン酸又はその無水物;ジ
エチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラ
エチレンペンタミン、モルホリン、ピロリジン、シクロ
ヘキシルアミン、ペンタエチレンヘキサミン等の多官能
アミン化合物が挙げられる。
【0030】上記硬化触媒としては、加熱硬化時にカル
ボキシル基とエポキシ基との反応及びその反応により生
成する水酸基とエポキシ基の反応を活性化するものであ
れば特に限定されないが、特に三級のアミノ基を含有す
る化合物が好ましい。
【0031】上記三級のアミノ基を含有する化合物とし
ては、具体的には、ジメチルアミノメチルフェノール
(DMP−10)、トリジメチルアミノメチルフェノー
ル(DMP−30)、トリエタノールアミン、ベンジル
メチルアミン、ヘキサメチレンテトラミン、N, N' −
ジメチルピペラジン、トリエチレンジアミン、キノリ
ン、N−メチルモルホリン、ジメチルアニリン、ジメチ
ルシクロヘキシルアミン等の低分子化合物;N, N−ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N, N−ジ
エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N, N−ジ
メチルアミノプロピルアクリルアミド等の三級アミノ基
含有重合性単量体、及びこれらの単量体の単独重合体又
は共重合体が挙げられる。上記硬化剤あるいは硬化触媒
の種類に応じて、その添加量が適宜決定される。
【0032】上記組成物(A)には、最終的な硬化被膜
の架橋密度を向上させるために、必要に応じて、カルボ
キシル基を有しない疎水性の二官能以上の(メタ)アク
リレートモノマーが添加されてもよい。
【0033】上記(メタ)アクリレートモノマーとして
は、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジ
ペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエ
リスリトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO(エチ
レンオキサイド)変性トリメチロールプロパントリアク
リレート、PO(ポリエチレンオキサイド)変性トリメ
チロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロール
プロパンテトラアクリレート、ビスフェノールAジ(メ
タ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ(メ
タ)アクリレート、ジシクロペンタニエルジアクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリ
ス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレートの他に、
二官能以上のウレタンアクリレートやポリエステルアク
リレート等があげられる。
【0034】上記組成物(A)によって形成される下塗
り層の厚さは、薄くなると均一に設けるのが難しく、厚
くなるとクラックが発生する等の問題があるために、
0.1〜20μmが好ましい。
【0035】本発明の製造方法の第二工程で使用される
組成物(B)は、親水性単量体(d)を主成分とする。
【0036】上記親水性単量体(d)は、1分子中に少
なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有するもので
あって、さらに、親水基として、水酸基、スルホン酸基
又はスルホン酸塩基、一級、二級、三級アミノ基又はア
ミド基、四級アンモニウム塩基、カルボキシル基又はカ
ルボン酸塩基、リン酸基又はリン酸塩基、ポリエチレン
グリコール鎖、モルホリノ基、硫酸塩基等を、1分子中
に1個以上持つものが好ましい。
【0037】このような親水性単量体(d)としては、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロール
(メタ)アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸及び塩、スルホン酸ナトリウムエ
トキシ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミ
ド、N, N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、N, N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、N−イソプロピルアクリルアミド、N, N−ジメチ
ルアミノプロピルアクリルアミド、2−メタクリロキシ
エチルトリメチルアンモニウムクロリド、(メタ)アク
リル酸、(メタ)アクリル酸ナトリウム、2−(メタ)
アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アク
リロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロ
イルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ω−カルボキ
シ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、EO変性リ
ン酸(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン等が挙
げられ、これらは単独で使用されても、二種以上が併用
されてもよい。
【0038】上記組成物(B)には、親水性単量体
(d)以外に光重合開始剤が添加されてもよい。この光
重合開始剤としては、組成物(A)に用いられる光重合
開始剤(c)が好適に使用される。組成物(B)におけ
る光重合開始剤の使用量は、親水性単量体(d)100
重量部に対し10重量部以下が好ましい。
【0039】また、組成物(B)は、必要に応じて溶剤
で希釈されてもよい。特に、親水性単量体(d)が固体
の場合には溶剤の使用が好ましい。使用される溶剤とし
ては、極性の溶剤が好ましく、具体的には、メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコー
ル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン等のケトン類;メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類の他、酢酸エチ
ル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド、水等が挙げられる。
【0040】本発明の製造方法の第二の工程では、第一
の工程により形成された下塗り層の硬化被膜に、上記組
成物(B)を接触させた状態で活性光線を照射して光硬
化させる。この活性光線の照射によって光硬化反応が進
行し、硬化被膜表面部において該被膜に含まれている
(メタ)アクリロイル基と親水性単量体(e)とが共重
合し、硬化被膜内部においては、(メタ)アクリロイル
基の重合反応により架橋密度がさらに向上する。
【0041】上記硬化被膜に組成物(B)を接触させる
方法としては、例えば、ロールコーティング、ディッピ
ング等による塗膜形成が挙げられる。
【0042】上記第二の工程で得られた光硬化被膜は、
必要に応じてアルカリ処理されてもよい。このようなア
ルカリ処理は、親水性単量体(e)がカルボン酸基、ス
ルホン酸基又はリン酸基を含有する場合には特に有効で
あり、この処理によりアルカリ金属等の塩としておくこ
とが好ましい。上記アルカリ処理には、例えば、炭酸ナ
トリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液又はアルコール
溶液等が使用できる。
【0043】上記アルカリ溶液の濃度は硬化被膜が侵さ
れないように、0. 1〜5重量%であることが好まし
い。
【0044】余剰に付着した組成物(B)や未反応の組
成物(B)は水洗等により除去するのが好ましい。
【0045】上記活性光線の照射に用いられる光源とし
ては、特に制限はなく、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メ
タルハライドランプ、キセノンランプ、低圧殺菌ランプ
等が挙げられる。。
【0046】
【実施例】以下に実施例を示すが、本発明はこれによっ
て限定されるものではない。 (実施例1)第一の工程 (1)組成物(A)の調製 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シ
リコーン社製「KBM403」)5g、エタノール4g
及び水2gを加え、さらに2−アクリロイルオキシエチ
ルフタル酸(共栄社化学製「HOA−MPL」)5.5
g、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チ
バガイギー社製「イルガキュアー184」)0.5g、
4−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬社製「カ
ヤキュアーEPA」)0.2gを添加し均一な溶液とし
た。 (2)塗布・熱硬化 (1)で得られた組成物(A)をメイヤーバーによりガ
ラス板基材上に乾燥後の膜厚が5μmとなるように塗布
し、120℃で1時間加熱して硬化させ、下塗り層の硬
化被膜を形成した。
【0047】第二の工程 (3)光硬化 (2)の工程で得られた硬化被膜を下記の組成物(B)
溶液に浸漬した後引き上げ、高圧水銀灯で3000mJ
/cm2 の紫外線を照射して光硬化させた後、組成物
(B)の未反応部分を水洗により除去し、防曇性物品を
作製した。 ・水 75g ・エタノール 25g ・2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸 5g (日東化学社製「TBAS−Q」) ・炭酸ナトリウム 2.6g
【0048】(実施例2)組成物(A)において、2−
アクリロイルオキシエチルフタル酸に代えて2−アクリ
ロイルオキシエチルコハク酸を使用したこと以外は、実
施例1と同様にして防曇性物品を作製した。
【0049】(実施例3)組成物(A)として下記の組
成物を使用したこと以外は、実施例1と同様にして防曇
性物品を作製した。 ・β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン (信越化学社製「KBM303」) 5g ・2−アクリロイルオキシエチルフタル酸 5.4g (共栄社化学社製「HOA−MPL」) ・2−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 0.5g (チバガイギー社製「イルガキュアー184」) ・4−ジメチルアミノ安息香酸エチル 0.2g (日本化薬社製「カヤキュアーEPA」) ・水 2g ・エタノール 4g
【0050】(実施例4)組成物(A)として下記の組
成物を使用したこと以外は、実施例1と同様にして防曇
性物品を作製した。 ・β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン (信越化学社製「KBM303」) 5g ・2−アクリロイルオキシエチルコハク酸 4.4g (共栄社化学社製「HOA−MS」) ・2−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 0.5g (チバガイギー社製「イルガキュアー184」) ・4−ジメチルアミノ安息香酸エチル 0.2g (日本化薬社製「カヤキュアーEPA」) ・水 2g ・エタノール 4g
【0051】(実施例5)第二の工程で用いられる組成
物(B)として下記の組成物を使用して光硬化被膜を形
成した後、該光硬化被膜を3%炭酸ナトリウム水溶液に
1分間浸漬してアルカリ処理したこと以外は、実施例1
と同様にして防曇性物品を作製した。 ・エタノール 50g ・アクリル酸 5g ・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 0.2g (チバガイギー社製「イルガキュアー184) ・4−ジメチルアミノ安息香酸エチル 0.1g (日本化薬社製「カヤキュアーEPA」)
【0052】(実施例6)基材としてガラス板に代えて
ポリカーボネート板を使用し、組成物(A)として下記
の組成物を使用したこと以外は、実施例1と同様にして
防曇性物品を作製した。 ・γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 50g (信越シリコーン社製「KBM403」) ・無水トリメリット酸の2−ヒドロキシエチルアクリレート付加物 3.3g ・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 0.4g (チバガイギー社製「イルガキュアー184) ・4−ジメチルアミノ安息香酸エチル 0.2g (日本化薬社製「カヤキュアーEPA」) ・水 2g ・テトラヒドロフラン 4.2g
【0053】(比較例1)第二の工程を全く行わなかっ
たこと以外は、実施例1と同様にして防曇性物品を作製
した。
【0054】(比較例2)第一の工程を全く行わなかっ
たこと以外は、実施例1と同様にして防曇性物品を作製
した。
【0055】(比較例3)下記の組成物をガラス板基材
に塗布した後、80℃で1時間乾燥して防曇性物品を作
製した。 ・ポリアクリル酸(25重量%水溶液、和光純薬社製) 5g ・ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 15g ・水 80g
【0056】性能の評価 上記実施例及び比較例で得られた防曇性被覆物品につき
下記の性能評価を行い、その結果を表1に示した。 (1)防曇性 JIS−S4030に準拠して、防曇性被覆物品の一方
の面に冷却水をあてて25℃に保ちながら、もう一方の
面に42℃の水蒸気を3分間あてた時の防曇性を1級〜
4級の4段階で評価し、1級を◎、二級を○、三級を
△、四級を×で表示した。 (2)耐温水性 防曇性被覆物品を50℃の温水に24時間浸漬した後、
(1)と同様な防曇性の評価を行った。
【0057】
【表1】
【0058】
【発明の効果】本発明の防曇性被覆物品の製造方法の構
成は、上述の通りであり、防曇性及び耐温水性に優れた
防曇性被覆物品を提供する。得られた防曇性被覆物品
は、眼鏡・カメラ等のレンズ、窓ガラスや自動車のフロ
ントガラス、ヘルメットのシールド、水中眼鏡等の光学
用品、浴室や洗面所の鏡等に好適に使用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 7/04 - 7/06 B32B 27/00 - 27/42 B32B 9/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチック基材又は無機基材上に、
    (a)下記一般式(1)で表されるエポキシ基を含有す
    るシランカップリング剤、(b)1分子中に少なくとも
    1個の(メタ)アクリロイル基と少なくとも1個のカル
    ボキシル基を有する化合物及び(c)光重合開始剤から
    なる組成物(A)を下塗り層として基材上に塗布し、加
    熱硬化する第一の工程と、第一の工程により形成された
    硬化被膜に、(d)1分子中に少なくとも1個の(メ
    タ)アクリロイル基を含有する親水性単量体を主成分と
    する組成物(B)を接触させた状態で活性光線を照射し
    て光硬化する第二の工程よりなる防曇性被覆物品の製造
    方法。 【化1】 〔式中、R1 〜R3 はそれぞれ独立して低級アルキル基
    又は低級アルコキシ基を示し、R1 、R2 及びR3 の少
    なくとも一つは低級アルコキシ基を示す。X1 は、末端
    にエポキシ基を含有する低級アルキル基を示す〕
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