JPH0812791A - 防曇性物品の製造方法 - Google Patents

防曇性物品の製造方法

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JPH0812791A
JPH0812791A JP6152036A JP15203694A JPH0812791A JP H0812791 A JPH0812791 A JP H0812791A JP 6152036 A JP6152036 A JP 6152036A JP 15203694 A JP15203694 A JP 15203694A JP H0812791 A JPH0812791 A JP H0812791A
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JP
Japan
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meth
group
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acrylate
photopolymerization initiator
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JP6152036A
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English (en)
Inventor
Yuji Eguchi
勇司 江口
Shigeki Nomura
茂樹 野村
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】防曇性と耐水性を兼ね備えた防曇性物品の製造
方法を提供する。 【構成】プラスチック又は無機基材上に、(a)重合
体、(b)特定の化合物又はその無水物、(c)疎水性
多官能(メタ)アクリレート化合物及び(d)光重合開
始剤からなる組成物(A)を下塗り層として基材上に塗
布し、加熱硬化する第一の工程と、第一の工程により形
成された硬化被膜に、(e)親水性単量体及び(d)光
重合開始剤からなる組成物(B)を接触させた状態で活
性光線を照射して光硬化させる第二の工程よりなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、防曇性物品の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、透明材料として用いられてい
るプラスチックや無機ガラスは、表面の温度が露点以下
となった場合、表面に曇りを生じ透明性が損なわれてし
まうという欠点があり、これまでに曇りを防ぐ方法とし
て種々の提案がなされてきた。例えば、(1)アルコー
ル性水酸基を有する親水性アクリレートモノマーを特定
の多官能モノマーと共重合させる、あるいはポリビニル
アルコール等の水溶性高分子を架橋させることにより吸
水性膜を形成する方法が知られている。また、(2)成
形品の樹脂中に界面活性剤を練り込んでおく、あるいは
(3)界面活性剤を含有する組成物を基材表面に塗布す
る方法が知られている。
【0003】しかしながら、(1)の方法によれば架橋
の程度により膜の吸水性を制御するために、膜の吸水に
よる防曇性の発現と耐水性付与の両方を満たすことは困
難であった。また(2)、(3)の方法も界面活性剤が
水により流出すると防曇性が大きく低下するという問題
点があった。
【0004】これらの問題点を解決する方法として、例
えば、特公昭61−40695号には、不飽和基を二個
以上有する疎水性単量体混合物を予備重合させてゲル化
させた後、その表面にカルボキシル基、スルホン酸基、
硫酸基、リン酸基、アミノ基、水酸基等の親水基と重合
性不飽和基とを有する親水性単量体を接触させて表面で
共重合させる方法が開示されている。しかしながら、こ
の方法では、予備重合の程度を制御することが難しいと
いう問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な問題点を解決し、その目的は防曇性と耐水性を兼ね備
えた防曇性物品の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の防曇性物品の製
造方法は、プラスチック又は無機基材上に、組成物
(A)を下塗り層として基材上に塗布し、加熱硬化する
第一の工程と、得られた硬化被膜に組成物(B)を接触
させた状態で活性光線を照射して、光硬化させる第二の
工程よりなる。
【0007】上記組成物(A)は、重合体(a)、1分
子中に少なくとも2個のカルボキシル基を含有する化合
物又はその無水物(b)、疎水性多官能(メタ)アクリ
レート化合物(c)及び光重合開始剤(d)からなる。
【0008】上記基材としては、アクリル樹脂、ポリカ
ーボネートなどのプラスチック板状成形体及び無機ガラ
ス板等が挙げられる。これらの基材には、さらに密着性
を向上させる目的で、必要に応じて前処理が施されてい
てもよい。上記前処理としては、コロナ放電処理、グロ
ー放電処理、紫外線、電子線、放射線等の電離活性線に
よる処理;粗面化処理;化学薬品処理;プライマー処理
などが挙げられる。
【0009】上記重合体(a)は、下記一般式(1)で
表される構造単位を有する重合体である。
【0010】
【化4】 式中、R1 は、水素またはメチル基を示し、R2 は、エ
ポキシ基を含有する側鎖を示す。
【0011】上記重合体(a)は、エポキシ基を有する
重合性単量体の一種もしくは二種以上を併用して(共)
重合させるか、またはエポキシ基を含有する重合性単量
体とエポキシ基を含有しない重合性単量体とを共重合す
ることにより得られる。
【0012】上記エポキシ基を含有する重合性単量体と
しては、グリシジル(メタ)アクリレート、β−グリシ
ドキシエチル(メタ)アクリレート、3, 4−エポキシ
ブチル(メタ)アクリレート、4, 5−エポキシペンチ
ル(メタ)アクリレート、3, 4−エポキシシクロヘキ
シルメチル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエ
ーテル等が挙げられる。
【0013】また、エポキシ基を含有しない重合性単量
体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチ
ルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレ
ン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、
p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレ
ン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン等の
スチレン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビ
ニルなどのビニルエステル類;(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プ
ロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アク
リル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、
(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸−2
−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メ
タ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボル
ニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルなどの(メタ)ア
クリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエ
チルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケ
トン、ビニルエチルケトンなどのビニルケトン類などが
挙げられ、これらは単独で用いられてもよく、二種以上
が併用されてもよい。
【0014】また、上記重合体(a)の重合時において
架橋によって起こるゲル化を防ぐために、エポキシ基を
含有しない重合性単量体としては、重合時の条件でエポ
キシ基と反応しないものを使用するのが好ましい。
【0015】上記重合体(a)構成成分中、エポキシ基
を含有する重合性単量体の量は、少なくなると後述の第
一の工程での架橋が不十分となり、後述の第二の工程に
より硬化被膜が侵されてしまうため、20mol%以上
が好ましい。
【0016】上記1分子中に少なくとも2個のカルボキ
シル基を含有する化合物又はその無水物(b)として
は、例えば、(無水)コハク酸、(無水)グルタル酸、
(無水)フタル酸、イソフタル酸、(無水)トリメリッ
ト酸、(無水)ピロメリット酸、(無水)メリット酸な
どが挙げられ、これらは単独で用いられてもよく、二種
以上が併用されてもよい。
【0017】上記組成物(A)中、1分子中に少なくと
も2個のカルボキシル基を含有する化合物又はその無水
物(b)の使用量は、少なくなると熱硬化反応が十分に
進行せず、多くなると熱硬化反応に関与しないカルボキ
シル基が多くなって硬化被膜の耐水性が低下するので、
重合体(a)100重量部に対して10〜500重量部
が好ましい。
【0018】上記疎水性多官能(メタ)アクリレート化
合物(c)としては、1分子中に少なくとも2個の(メ
タ)アクリロイル基を含有するものであって、実質的に
水に不溶な(メタ)アクリレート化合物が好ましく、例
えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクト
ン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ト
リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、EO
(エチレンオキサイド)変性トリメチロールプロパント
リアクリレート、PO(ポリエチレンオキサイド)変性
トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチ
ロールプロパンテトラアクリレート、ビスフェノールA
ジ(メタ)アクリレート、EO変性ビスフェノールAジ
(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカン
ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)ア
クリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌ
レート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレ
ートの他に、二官能以上のウレタンアクリレートやポリ
エステルアクリレート等があげられる。
【0019】上記組成物(A)中において上記疎水性多
官能(メタ)アクリレート化合物(c)は、第一工程に
おける架橋に関与せず、多くなると第二の工程で硬化被
膜が侵され易くなるので、該(メタ)アクリレート化合
物(c)の使用量は、組成物(A)中60重量%以下が
好ましい。
【0020】上記光重合開始剤(d)としては、紫外
線、可視光線などの活性光線により上記の(メタ)アク
リレート化合物(c)を重合させる性質を有するもので
あればよく、このような光重合開始剤については、「紫
外線硬化システム」(加藤清視著、総合技術センター社
発行)に詳しく述べられている。
【0021】紫外線で活性化する光重合開始剤(d)と
しては、例えば、ソジウムメチルジチオカーバメイトサ
ルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、
ジフェニルモノサルファイド、ジベンゾチアゾイルモノ
サルファイド及びジサルファイドなどのサルファイド
類;チオキサントン、エチルチオキサントン、2−クロ
ロチオキサントン、ジエチルチオキサントン、ジイソプ
ロピルチオキサントンなどのチオキサントン誘導体;ヒ
ドラゾン、アゾイソブチロニトリル、ベンゼンジアゾニ
ウムなどのジアゾ化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチ
ルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイ
ソプロピルエ−テル、ベンゾフェノン、ジメチルアミノ
ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジルアントラキ
ノン、t−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラ
キノン、2−エチルアントラキノン、2−アミノアント
ラキノン、2−クロロアントラキノン、ベンジルジメチ
ルケタール、メチルフェニルグリオキシレートなどの芳
香族カルボニル化合物;1−ヒドロキシシクロヘキシル
フェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フ
ェニルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエト
キシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケト
ン、2, 2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメ
トキシアセトフェノンなどのアセトフェノン誘導体;4
−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ
安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、
4−ジエチルアミノ安息香酸イソプロピルなどのジアル
キルアミノ安息香酸エステル類;ベンゾイルパーオキサ
イド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオ
キサイド、キュメンハイドロパーオキサイドなどの過酸
化物;9−フェニルアクリジン、9−p−メトキシフェ
ニルアクリジン、9−アセチルアミノアクリジン、ベン
ズアクリジンなどのアクリジン誘導体;9,10−ジメ
チルベンズフェナジン、9−メチルベンズフェナジン、
10−メトキシベンズフェナジンなどのフェナジン誘導
体;4,4' ,4" −トリメトキシ−2,3−ジフェニ
ルキノキサリンなどのキノキサリン誘導体;2,4,5
−トリフェニルイミダゾイル二量体;ハロゲン化ケト
ン;アシルホスフィンオキシド、アシルホスフォナ−ト
などのアシル化リン化合物などが挙げられる。
【0022】また、可視光線で活性化する光重合開始剤
(d)としては、例えば、2−ニトロフルオレン、2,
4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−ト
リアジン、3,3' −カルボニルビスクマリン、チオミ
ヒラーケトン等が挙げられる。上記光重合開始剤(d)
は、第一の工程における加熱硬化時の温度条件等により
安定性を考慮して選択される。
【0023】上記組成物(A)における光重合開始剤
(d)の使用量は、多くなると硬化被膜の黄変が発生す
るか、又は硬化被膜が脆くなる等の問題を生じ、少なく
なると硬化が不十分となるので、疎水性多官能(メタ)
アクリレート化合物(c)100重量部に対し0. 1〜
10重量部であることが好ましい。
【0024】上記組成物(A)には、下記一般式(2)
で表されるシランカップリング剤が添加されてもよい。
【0025】
【化5】
【0026】式中、R3 、R4 、R5 は、それぞれ独立
して、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコシキ
基又は低級アセトキシ基を示し、R3 、R4 及びR5
少なくとも一つはハロゲン原子、低級アルコシキ基又は
低級アセトキシ基である。Xは、末端にビニル基、エポ
キシ基又は(メタ)アクリロイル基を含有する低級アル
キル基を示す。
【0027】このようなシランカップリング剤として
は、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリアセトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシラン、γ−メタクロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクロキシプロピルトリエトキシシラン等が
挙げられる。
【0028】上記シランカップリング剤の含有量は、少
なくなると下塗り層の耐温水性や基材との密着性を向上
させる効果が不十分となり、多くなると下塗り層の性能
が損なわれるので、重合体(a)100重量部に対して
0.1〜50重量部が好ましい。
【0029】また、組成物(A)には、必要に応じて、
1分子中に2個以上のカルボキシル基を含有する化合物
又はその無水物(c)以外のエポキシ樹脂用硬化剤ある
いは硬化触媒が添加されてもよい。これらについては
「エポキシ樹脂の高機能化と用途展開」(英一太著、C
MC社発行)に詳しく述べられているが、硬化剤として
は、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
テトラエチレンペンタミン、モルホリン、ピロリジン、
シクロヘキシルアミン、ペンタエチレンヘキサミン等の
多官能アミン化合物が挙げられる。
【0030】上記硬化触媒としては、加熱硬化時にカル
ボキシル基とエポキシ基との反応及びその反応により生
成する水酸基とエポキシ基の反応を活性化するものであ
れば特に限定されないが、特に三級のアミノ基を含有す
る化合物が好ましい。上記三級のアミノ基を含有する化
合物としては、具体的には、ジメチルアミノメチルフェ
ノール(DMP−10)、トリジメチルアミノメチルフ
ェノール(DMP−30)、トリエタノールアミン、ベ
ンジルメチルアミン、ヘキサメチレンテトラミン、N,
N' −ジメチルピペラジン、トリエチレンジアミン、キ
ノリン、N−メチルモルホリン、ジメチルアニリン、ジ
メチルシクロヘキシルアミン等の低分子化合物;N, N
−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N, N
−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N, N
−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等の三級アミ
ノ基含有重合性単量体、及びこれらの単量体の単独重合
体又は共重合体が挙げられる。これらは硬化剤あるいは
硬化触媒の種類により、添加量が適宜決定される。
【0031】また、組成物(A)には、必要に応じて、
エポキシ基を含有する他の化合物が添加されてもよい。
このような化合物としては、ビスフェノールAまたその
EO変性等の誘導体、ビスフェノールFまたそのEO変
性等の誘導体、ノボラック樹脂等の多価フェノール;エ
チレングリコール、プロピレングリコール、グリセリ
ン、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールとエピク
ロルヒドリンとの反応生成物であるポリグリシジルエー
テル、脂環式エポキシ樹脂;グリシジル(メタ)アクリ
レート、β−グリシドキシエチル(メタ)アクリレー
ト、3, 4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、
4, 5−エポキシペンチル(メタ)アクリレート、3,
4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレー
ト等の単量体が挙げられる。
【0032】また、組成物(A)は、必要に応じて溶剤
で希釈されてもよい。用いられる溶剤としては、例え
ば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソ
プロパノール、n−ブタノール、ベンジルアルコール等
のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シク
ロヘキサノン等のケトン類;メチルセロソルブ、エチル
セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類の他、
酢酸エチル、テトラヒドロフラン、トルエン等が挙げら
れ、これらは単独で使用されてもよく、二種以上が併用
されてもよい。
【0033】本発明の製造方法の第一工程では、基材の
片面又は両面に組成物(A)を下塗り層として塗布した
後加熱することにより、カルボキシル基とエポキシ基を
反応させ、基材上に下塗り層の硬化被膜を形成する。
【0034】上記基材上に下塗り層を設ける方法として
は、従来公知の方法が適用でき、例えば、スプレーコー
ト、バーコート、ディッピング、ロールコート、スピン
コート等による塗工が挙げられる。
【0035】上記組成物(B)は、親水性単量体(e)
及び光重合開始剤(d)からなる。
【0036】上記親水性単量体(e)は、1分子中に少
なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を含有するもの
であって、さらに、親水基としては、水酸基、スルホン
酸基又はスルホン酸塩基、一級、二級、三級アミノ基又
はアミド基、四級アンモニウム塩基、カルボン酸基又は
カルボン酸塩基、リン酸又はリン酸塩基、ポリエチレン
グリコール鎖、モルホリノ基、硫酸塩基等を、1分子中
に少なくとも1個含有するものが好ましい。
【0037】このような親水性単量体(e)としては、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロール
(メタ)アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチ
ルプロパンスルホン酸及び塩、スルホン酸ナトリウムエ
トキシ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミ
ド、N, N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、N, N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、N−イソプロピルアクリルアミド、N, N−ジメチ
ルアミノプロピルアクリルアミド、2−メタクリロキシ
エチルトリメチルアンモニウムクロリド、(メタ)アク
リル酸、(メタ)アクリル酸ナトリウム、2−(メタ)
アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アク
リロイルオキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロ
イルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ω−カルボキ
シ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、EO変性リ
ン酸(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン等が挙
げられ、これらは単独で使用されても、二種以上が併用
されてもよい。
【0038】光重合開始剤(d)としては、組成物
(A)に用いられる光重合開始剤が好適に使用される。
光重合開始剤(d)の使用量は、親水性単量体(e)1
00重量部に対し0. 1〜10重量部であることが好ま
しい。
【0039】また、組成物(B)は、必要に応じて溶剤
で希釈されてもよい。特に、親水性単量体(e)が固体
の場合には溶剤の使用が好ましい。使用される溶剤とし
ては、極性の溶剤が好ましく、具体的には、メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコー
ル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン等のケトン類;メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類の他、酢酸エチ
ル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド、水等が挙げられる。
【0040】本発明の製造方法の第二の工程では、第一
の工程により形成された下塗り層の硬化被膜に、上記組
成物(B)を接触させた状態で活性光線を照射して光硬
化させる。この活性光線の照射によって光硬化反応が進
行し、硬化被膜表面部において該被膜に含まれている
(メタ)アクリロイル基と親水性単量体(e)とが共重
合し、硬化被膜内部においては、(メタ)アクリロイル
基の重合反応により架橋密度がさらに向上する。
【0041】上記硬化被膜に組成物(B)を接触させる
方法としては、例えば、ロールコーティング、ディッピ
ング等が挙げられる。
【0042】上記第二の工程で得られた光硬化被膜は、
必要に応じてアルカリ処理されてもよい。このようなア
ルカリ処理は、親水性単量体(e)がカルボン酸基、ス
ルホン酸基又はリン酸基を含有する場合には特に有効で
あり、この処理によりアルカリ金属等の塩としておくこ
とが好ましい。上記アルカリ処理には、例えば、炭酸ナ
トリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液又はアルコール
溶液等が使用できる。
【0043】上記アルカリ溶液の濃度は硬化被膜が侵さ
れないように、0. 1〜5重量%であることが好まし
い。
【0044】余剰に付着した組成物(B)や未反応の組
成物(B)は水洗等により除去するのが好ましい。
【0045】上記活性光線の照射に用いられる光源とし
ては、特に制限はなく、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メ
タルハライドランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ
等が挙げられる。
【0046】次に第2発明について説明する。第2発明
の防曇性物品の製造方法は、プラスチック又は無機基材
上に、組成物(C)を下塗り層として基材上に塗布し、
加熱硬化する第一の工程と、組成物(B)を接触させた
状態で活性光線を照射して光硬化する第二の工程よりな
る。
【0047】上記基材としては、本発明で用いられる基
材が好適に使用される。
【0048】上記組成物(C)は、重合体(a)、1分
子中に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基と少な
くとも1個のカルボキシル基とを含有する化合物
(f)、シランカップリング剤(g)及び光重合開始剤
(d)からなる。
【0049】上記重合体(a)としては、本発明で使用
される重合体(a)が好適に用いられる。
【0050】上記1分子中に少なくとも1個の(メタ)
アクリロイル基と少なくとも1個のカルボキシル基とを
含有する化合物(f)としては、(メタ)アクリル酸、
2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−
(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、2−(メ
タ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、
ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート
等が挙げられ、さらに、2−ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリ
レート、グリセロール(メタ)アクリレート、フェノキ
シヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロ
ールジ(メタ)アクリレート、ECH(エピクロルヒド
リン)変性エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリグリセロールジ(メタ)アクリレート、ECH
変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ECH
変性グリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリト
ールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトー
ルペンタアクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレ
ートと、無水コハク酸、無水フタル酸、無水トリメリッ
ト酸、無水ピロメリット酸、無水メリット酸等のカルボ
ン酸無水物との反応生成物が挙げられる。これらは単独
で用いられても、二種以上が併用されてもよい。
【0051】上記化合物(f)の使用量としては、多く
なると熱硬化反応に関与しないカルボキシル基が多くな
るために最終的な被膜が耐水性に劣るものとなり、少な
くなると十分に熱硬化が進行しなくなるので、重合体
(a)中のエポキシ基1モル当量に対し0.5〜5当量
であることが好ましい。
【0052】上記シランカップリング剤(g)として
は、本発明の組成物(A)に使用されるシランカップリ
ング剤が好適に用いられる。
【0053】上記光重合開始剤(d)としては、本発明
で用いられる光重合開始剤が好適に使用される。
【0054】上記組成物(C)には、最終的な被膜の架
橋密度を向上させるために、必要に応じて、カルボキシ
ル基を有しない疎水性の二官能以上の(メタ)アクリレ
ートモノマーが添加されてもよい。このような(メタ)
アクリレートモノマーとしては、例えば、ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリト
ールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキ
サアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチロールプロ
パントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ
アクリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレー
ト、EO変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレー
ト、ジシクロペンタニルジアクリレート、ネオペンチル
グリコールジ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロ
キシエチル)イソシアヌレート、トリス(メタクリロキ
シエチル)イソシアヌレートや、二官能以上のウレタン
アクリレート、ポリエステルアクリレート等が挙げられ
る。
【0055】上記組成物(C)は、必要に応じて、本発
明で用いられる溶剤と同様な溶剤で希釈されてもよい。
【0056】本発明2の製造方法の第一の工程では、基
材の片面又は両面に組成物(C)を下塗り層として塗布
した後加熱することにより、カルボキシル基によるエポ
キシ基の硬化反応が進行し、基材上に下塗り層の硬化被
膜を形成する。
【0057】上記組成物(B)としては、本発明で用い
られる組成物(B)が使用される。
【0058】上記光重合開始剤(d)としては、本発明
で用いられる光重合開始剤と同様なものが用いられる。
【0059】本発明2の製造方法の第二の工程では、第
一の工程により形成された硬化被膜に、上記組成物
(B)を接触させた状態で活性光線を照射して光硬化さ
せる。この活性光線の照射によって、硬化被膜表面部に
おいて該被膜に含まれるている(メタ)アクリロイル基
と親水性単量体とが共重合し、硬化被膜内部において
は、(メタ)アクリロイル基の重合反応により架橋密度
がさらに向上する。
【0060】上記硬化被膜に上記組成物(B)を接触さ
せる方法としては、本発明と同様な方法が挙げられる。
【0061】上記第二の工程で得られた硬化被膜には、
本発明と同様なアルカリ処理が施されてもよい。
【0062】
【実施例】以下に実施例を示すが、本発明はこれによっ
て限定されるものではない。 (実施例1)第一の工程 (1)エポキシ基含有重合体の合成 暗所下で褐色容器に酢酸エチル30g、グリシジルメタ
クリレート(共栄社化学製「ライトエステルG」)10
g、AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)50mg
をいれ、10分間N2 バブリングを行った後、60℃の
湯浴につけ7時間反応させた。その後、溶液を石油エー
テルに投じて重合体(a)を沈澱させ回収した。 (2)組成物(A)の調製 (1)で得られた重合体2gをメチルエチルケトン20
gに溶解させ、これに無水トリメリット酸1.3g、ペ
ンタエリスルトールトリアクリレート(日本化薬社製
「カラヤッドPET−30」)3g、1−ヒドロキシシ
クロヘキシルフェニルケトン(チバガイギー社製「イル
ガキュアー184」)120mg、4−ジメチルアミノ
安息香酸エチル(日本化薬社製「カヤキュアーEP
A」)60mgを添加し均一な溶液とした。 (3)塗布・熱硬化 (2)で得られた組成物(A)をメイヤーバーによりガ
ラス板基材に塗布し、120℃で1時間加熱して硬化さ
せ、下塗り層の硬化被膜を形成した。
【0063】第二の工程 (4)光硬化 (3)の工程で得られた硬化被膜を下記の組成物(B)
溶液に浸漬した後引き上げ、高圧水銀灯で3000mJ
/cm2 の紫外線を照射して光硬化させた後、組成物
(B)の未反応部分を水洗により除去し、防曇性物品を
作製した。 ・水 75g ・エタノール 25g ・2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸 5g (日東化学社製「TBAS−Q」) ・炭酸ナトリウム 2.6g ・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 200mg (チバガイギー社製「イルガキュアー184」) ・4−ジメチルアミノ安息香酸エチル 100mg (日本化薬社製「カヤキュアーEPA)
【0064】(実施例2)組成物(A)として、下記の
組成物を使用したこと以外は、実施例1と同様にして防
曇性物品を作製した。 ・重合体(a)(実施例1の合成品) 2g ・無水トリメリット酸 1.3g ・ペンタエリスリトールトリアクリレート 3g (日本化薬社製「カラヤッドPET−30) ・γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 200mg (信越シリコーン社製「KBM403」 ・メチルエチルケトン 20g
【0065】(実施例3)第二の工程で用いられる組成
物(B)として下記の組成物を使用して光硬化被膜を形
成した後、該光硬化被膜を3%炭酸ナトリウム水溶液に
1分間浸漬してアルカリ処理したこと以外は、実施例1
と同様にして防曇性物品を作製した。 ・エタノール 50g ・アクリル酸 5g ・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 200mg (チバガイギー社製「イルガキュアー184) ・4−ジメチルアミノ安息香酸エチル 100mg (日本化薬社製「カヤキュアーEPA」)
【0066】(実施例4)第二の工程で用いられる組成
物(B)として、実施例3と同様な組成物を使用して光
硬化被膜を形成した後、該光硬化被膜を3%炭酸ナトリ
ウム水溶液に1分間浸漬したこと以外は、実施例2と同
様にして防曇性物品を作製した。
【0067】(実施例5)第一の工程 (1)エポキシ基含有重合体の合成 暗所下で褐色容器に酢酸エチル30g、3,4−エポキ
シシクロヘキシルメチルメタクリレート(ダイセル化学
社製「M−100」)10g、AIBN50mgをい
れ、10分間N2 バブリングを行った後、60℃の湯浴
につけ7時間反応させた。その後、溶液を石油エーテル
に投じて重合体(a)を沈澱させ回収した。 (2)組成物(A)の調製 (1)で得られた重合体2gをメチルエチルケトン20
gに溶解させ、これに無水トリメリット酸2.0g、1
−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバガイ
ギー社製「イルガキュアー184)100mg、4−ジ
メチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬社製「カヤキュ
アーEPA」)50mgを添加し均一な溶液とした。 (3)塗布・熱硬化 (2)で得られた組成物(A)溶液をメイヤーバーによ
りアクリル樹脂プレート基材に塗布し、70℃で3時間
加熱し硬化させた。
【0068】第二の工程 (4)光硬化 (3)の工程で得られた硬化被膜を下記の組成物(B)
溶液に浸漬した後引き上げ、高圧水銀灯で3000mJ
/cm2 の紫外線を照射して光硬化させた後、組成物
(B)の未反応部分を水洗により除去し、防曇性物品を
作製した。 ・水 75g ・エタノール 25g ・2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸 5g (日東化学社製「TBAS−Q」) ・炭酸ナトリウム 2.6g ・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 200mg (チバガイギー社製「イルガキュアー184」) ・4−ジメチルアミノ安息香酸エチル 100mg (日本化薬社製「カヤキュアーEPA」)
【0069】(実施例6)第一の工程で用いられる組成
物(A)として、下記の組成物を使用したこと以外は、
実施例5と同様にして防曇性物品を作製した。 ・重合体(a)(実施例1の合成品) 2g ・無水トリトリメリット酸 1.3g ・ペンタエリスリトールトリアクリレート 3g (日本化薬社製「カラヤッドPET−30) ・γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 200mg (信越シリコーン社製「KBM403」 ・メチルエチルケトン 20g
【0070】(実施例7)基材としてガラス板に代え
て、ポリカーボネート板を使用したこと以外は、実施例
5と同様にして防曇性物品を作製した。
【0071】(実施例8)基材としてガラス板に代え
て、ポリカーボネート板を使用したこと以外は、実施例
6と同様にして防曇性物品を作製した。
【0072】(比較例1)第二の工程を全く行わなかっ
たこと以外は、実施例1と同様にして防曇性物品を作製
した。
【0073】(比較例2)第一の工程を全く行わなかっ
たこと以外は、実施例1と同様にして防曇性物品を作製
した。
【0074】(比較例3)第二の工程を全く行わなかっ
たこと以外は、実施例2と同様にして防曇性物品を作製
した。
【0075】(比較例4)下記の組成物をガラス板基材
に塗布した後、80℃で1時間乾燥して防曇性物品を作
製した。 ・ポリアクリル酸(25重量%水溶液、和光純薬社製) 5g ・ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 15g ・水 80g
【0076】(実施例9)第一の工程 (1)組成物(C)の調製 実施例1で得られたエポキシ基含有重合体2gをメチル
エチルケトン20gに溶解させ、これに2−アクリロイ
ルオキシエチルコハク酸(共栄社化学社製「HOA−M
S」)1.8g、γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン(信越シリコーン社製「KBM403」)10
0mg、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
(チバガイギー社製「イルガキュアー184」)100
mg、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬社
製「カヤキュアーEPA」)50mgを添加し均一な溶
液とした。 (2)塗布・熱硬化 (2)で得られた組成物(C)溶液をメイヤーバーによ
りガラス板基材に塗布した後120℃で1時間加熱して
硬化させ、下塗り層の硬化被膜を形成した。
【0077】第二の工程 (3)光硬化 (2)の工程で得られた硬化被膜を下記の組成物(B)
溶液に浸漬した後引き上げ、高圧水銀灯により3000
mJ/cm2 の紫外線を照射して光硬化させた後、組成
物(B)の未反応部分を水洗により除去し防曇性物品を
作製した。 ・水 75g ・エタノール 30g ・2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸 5g (日東化学社製「TBAS−Q」) ・炭酸ナトリウム 2.6g ・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 200mg (チバガイギー製「イルガキュアー184」) ・4−ジメチルアミノ安息香酸エチル 100mg (日本化薬製「カヤキュアーEPA)
【0078】(実施例10)第二の工程で用いられる組
成物(B)として下記の組成物を使用したこと以外は、
実施例9と同様にして防曇性物品を作製した。 ・エタノール 50g ・2−メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド 5g (共栄社化学製「DQ−100」) ・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 200mg (チバガイギー製「イルガキュアー184」) ・4−ジメチルアミノ安息香酸エチル 100mg (日本化薬社製「カヤキュアーEPA」)
【0079】(実施例11)第二の工程で用いられる組
成物(B)として下記の組成物を使用して光硬化被膜を
形成した後、該光硬化被膜を3%炭酸ナトリウム水溶液
に1分間浸漬してアルカリ処理したこと以外は、実施例
9と同様にして防曇性物品を作製した。 ・エタノール 30g ・アクリル酸 5g ・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 200mg (チバガイギー製「イルガキュアー184」) ・4−ジメチルアミノ安息香酸エチル 100mg (日本化薬製「カヤキュアーEPA」)
【0080】(実施例12)第二の工程で用いられる組
成物(B)として下記の組成物を使用して光硬化被膜を
形成した後、該光硬化被膜を3%炭酸ナトリウム水溶液
に1分間浸漬してアルカリ処理したこと以外は、実施例
9と同様にして防曇性物品を作製した。 ・エタノール 50g ・EO変性燐酸アクリレート 5g (共栄社化学製「ライトエステルPA」) ・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 200mg (チバガイギー製「イルガキュアー184」) ・4−ジメチルアミノ安息香酸エチル 100mg (日本化薬製「カヤキュアーEPA」) (実施例13)第一の工程 (1)エポキシ基含有重合体の合成 暗所下で褐色容器に酢酸エチル30g、3,4−エポキ
シシクロヘキシルメチルメタクリレート(ダイセル化学
社製「M−100」)10g、AIBN50mgをい
れ、10分間N2 バブリングを行った後、60℃の湯浴
につけ7時間反応させた。その後、溶液を石油エーテル
に投じて重合体(a)を沈澱させ回収した。 (2)組成物(C)の調製 (1)で得られた重合体2gをメチルエチルケトン20
gに溶解させ、これに2−アクリロイルオキシエチルフ
タル酸(共栄社化学社製「HOA−MPL」)1.8
g、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信
越シリコーン社製「KBM403」)150mg、1−
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバガイギ
ー社製「イルガキュアー184」)100mg、4−ジ
メチルアミノ安息香酸エチル(日本化薬社製「カヤキュ
アーEPA」)50mgを添加し均一な溶液とした。 (3)塗布・熱硬化 (2)で得られた組成物(C)溶液をメイヤーバーによ
りアクリル樹脂プレート基材に塗布した後70℃で5時
間加熱して硬化させ、下塗り層の硬化被膜を形成した。
【0081】第二の工程 (4)光硬化 (3)の工程で得られた硬化被膜を下記の組成物(B)
溶液に浸漬した後引き上げ、高圧水銀灯を3000mJ
/cm2 照射して光硬化させた。次いで、組成物(B)
の未反応部分を水洗により除去し、防曇性物品を作製し
た。 ・水 75g ・エタノール 30g ・2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸 5g (日東化学社製「TBAS−Q」) ・炭酸ナトリウム 2.6g ・1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン 200mg (チバガイギー製「イルガキュアー184」) ・4−ジメチルアミノ安息香酸エチル 100mg (日本化薬製「カヤキュアーEPA)
【0082】(実施例14)基材としてガラス板に代え
て、ポリカーボネート板を使用したこと以外は、実施例
13と同様にして防曇性物品を作製した。
【0083】(比較例5)第二の工程を全く行わなかっ
たこと以外は、実施例9と同様にして防曇性物品を作製
した。
【0084】(比較例6)第一の工程を全く行わなかっ
たこと以外は、実施例9と同様にして防曇性物品を作製
した。
【0085】性能の評価 上記実施例及び比較例で得られた防曇性物品につき下記
の性能評価を行い、その結果を表1及び表2に示した。 (1)防曇性 JIS−S4030に準拠して、防曇性物品の一方の面
に冷却水をあてて25℃に保ちながら、もう一方の面に
42℃の水蒸気を3分間あてた時の防曇性を1級〜4級
の4段階で評価し、1級を◎、二級を○、三級を△、四
級を×で表示した。 (2)耐水性 防曇性物品を25℃の水に24時間浸漬した後、(1)
と同様な防曇性の評価を行った。 (3)耐温水性 防曇性物品を50℃の温水に24時間浸漬した後、
(1)と同様な防曇性の評価を行った。
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】
【発明の効果】本発明の防曇性物品の製造方法の構成
は、上述の通りであり、防曇性及び耐水性に優れると共
に耐温水性にも優れた防曇性物品を提供する。得られた
防曇性物品は、メガネ・カメラ等のレンズ、窓ガラスや
自動車フロントガラス、ヘルメットのシールド、水中メ
ガネ等の光学用品、浴室や洗面所の鏡等に好適に使用で
きる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチック又は無機基材上に、(a)下
    記一般式(1)で表される構造単位を有する重合体、
    (b)1分子中に少なくとも2個のカルボキシル基を含
    有する化合物又はその無水物、(c)1分子中に少なく
    とも2個の(メタ)アクリロイル基を有する疎水性多官
    能(メタ)アクリレート化合物及び(d)光重合開始剤
    からなる組成物(A)を下塗り層として基材上に塗布
    し、加熱硬化する第一の工程と、第一の工程により形成
    された硬化被膜に、(e)1分子中に少なくとも1個の
    (メタ)アクリロイル基を含有する親水性単量体及び
    (d)光重合開始剤からなる組成物(B)を接触させた
    状態で活性光線を照射して光硬化する第二の工程よりな
    る防曇性物品の製造方法。 【化1】 (式中、R1 は水素またはメチル基を示し、R2 はエポ
    キシ基を含有する側鎖を示す)
  2. 【請求項2】プラスチック又は無機基材の表面に、
    (a)下記一般式(1)で表される構造単位を有する重
    合体、(f)1分子中に少なくとも1個のカルボキシル
    基と少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基とを含有
    する化合物、(g)下記一般式(2)で表されるシラン
    カップリング剤及び(d)光重合開始剤からなる組成物
    (C)を下塗り層として基材上に塗布し、加熱硬化する
    第一の工程と、第一の工程により形成された硬化被膜
    に、(e)1分子中に少なくとも1個の(メタ)アクリ
    ロイル基を含有する親水性単量体及び(d)光重合開始
    剤からなる組成物(B)を接触させた状態で活性光線を
    照射して光硬化する第二の工程よりなる防曇性物品の製
    造方法。 【化2】 (式中、R1 は水素またはメチル基を示し、R2 はエポ
    キシ基を含有する側鎖を示す) 【化3】 〔式中、R3 、R4 、R5 は、それぞれ独立してハロゲ
    ン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、低級アセ
    トキシ基を示し、R3 、R4 及びR5 の少なくとも一つ
    はハロゲン原子、低級アルコキシ基又は低級アセトキシ
    基である。Xは、末端にビニル基、エポキシ基又は(メ
    タ)アクリロイル基を含有する低級アルキル基を示す〕
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012230317A (ja) * 2011-04-27 2012-11-22 Tokuyama Corp フォトクロミックレンズ、及びその製造方法

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