JPH09125636A - 竪樋継手 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 竪樋内を流れる雨水の流れを減速させ、雨水
が流れる際に発生する音や同竪樋の水下側で発生する衝
撃音を低減させて、騒音の発生を低減防止することがで
きる竪樋継手を提供する。 【解決手段】 筒状の竪樋継手本体１の内壁面２より斜
め下方へ傾斜した邪魔板３を突設し、この邪魔板３の先
端縁と竪樋継手本体１の対向する内壁面２との間に流通
間隙４を形成してなる。この場合、邪魔板３を複数交互
に突設したり、同邪魔板３の上面に消音層７を設けたり
すると更に効果的となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、竪樋、呼び樋、這
い樋等の竪系列の雨樋を接続する筒状の竪樋継手に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から、図６に示す如く、上下の竪樋
（イ）を接続する竪樋継手（ロ）は知られている。この
場合、竪樋（イ）の水上側には呼び樋（ハ）が接続さ
れ、同水下側には這い樋（ニ）が接続されて、同竪樋
（イ）は階上の軒先と階下の屋根との間に施工されてい
る。又、階上の軒先には軒樋（ホ）が取り付けられ、該
軒樋（ホ）の適所には集水器（ヘ）が取り付けられ、該
集水器（ヘ）の下方にエルボ（ト）を介して前記呼び樋
（ハ）が接続されており、該呼び樋（ハ）、前記竪樋
（イ）及び這い樋（ニ）等は相互にエルボ（ト）を介し
て接続されている。したがって、軒樋（ホ）を流れる雨
水は集水器（ヘ）に集められ、該集水器（ヘ）から呼び
樋（ハ）、竪樋（イ）、這い樋（ニ）へと流下排水され
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術におい
ては、階下の屋根から階上の軒先までの高さが高くて一
本の竪樋（イ）では長さが不足する場合に、上記の如
く、竪樋継手（ロ）にて竪樋（イ）を接続して長さを確
保することになるが、通常は、階下の屋根と階上の軒先
との間の高さ程度で、竪樋（イ）が竪樋継手（ロ）にて
接続されることはない。しかしながら、階下の屋根と階
上の軒先との間以外の部位においても、竪樋（イ）が長
くなった場合、該竪樋（イ）内を流下する雨水の流速が
その下端において相当に速くなり、該雨水が同竪樋
（イ）の下端に接続されるエルボ（ト）の内部底面に勢
い良く当たってかなりの衝撃音を発するという問題があ
った。

【０００４】本発明は、上記従来の技術における問題を
解決するために発明されたもので、すなわち、その課題
は、竪樋内を流れる雨水の流れを減速させ、雨水が流れ
る際に発生する音や同竪樋の水下側で発生する衝撃音を
低減させて、騒音の発生を低減防止することができる竪
樋継手を提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の請求項１記載の
竪樋継手は、筒状の竪樋継手本体の内壁面より斜め下方
へ傾斜した邪魔板を突設し、該邪魔板の先端縁と竪樋継
手本体の対向する内壁面との間に流通間隙を形成してな
る。したがって、竪樋継手本体内で雨水が邪魔板上に当
たってその流れが減速され、その際、邪魔板が斜め下方
へ傾斜していて雨水は該邪魔板に沿って騒音を発するこ
となくスムーズに伝い流れ、同邪魔板の先端と竪樋継手
本体の内壁面との間の流通間隙から雨水は支障なく流下
され、雨水が竪樋内を緩やか且つスムーズに流下される
ようになって騒音の発生が低減防止される。

【０００６】本発明の請求項２記載の竪樋継手は、上記
請求項１記載の竪樋継手において、竪樋継手本体がエル
ボの上方近くに設けられるものであることを特徴とす
る。したがって、この場合は、特に、雨水の流れが速く
なるエルボのすぐ上位置で効果的に同流れが減速され、
同エルボの内部底面に雨水が当たることによる衝撃音の
発生が確実に低減防止される。

【０００７】本発明の請求項３記載の竪樋継手は、上記
請求項１又は２記載の竪樋継手において、竪樋継手本体
の相対向する内壁面より複数の邪魔板を上下方向で交互
に突設したことを特徴とする。したがって、この場合
は、特に、竪樋継手本体内を雨水が邪魔板に当たって向
きを変えながらジグザグ状に流下し、雨水の流下がより
緩やか且つスムーズとなって騒音の発生が確実に低減防
止される。

【０００８】本発明の請求項４記載の竪樋継手は、上記
請求項１〜３のいずれか一つの請求項記載の竪樋継手に
おいて、竪樋継手本体及び邪魔板が金属板にて形成さ
れ、同邪魔板の上面に多数の細片が突設されてなる消音
層を設けたことを特徴とする。したがって、この場合
は、特に、竪樋継手本体及び邪魔板が金属板にて形成さ
れて衝撃音を発生し易くなるが、この場合であっても、
竪樋継手本体内を流下する雨水が邪魔板上の消音層に当
たって衝撃音が吸収消音され、しかも、同消音層を伝う
雨水の流れが多数の細片によって減速されて、上記騒音
発生の低減防止がより確実に図られる。

【０００９】本発明の請求項５記載の竪樋継手は、上記
請求項４記載の竪樋継手において、植毛によって消音層
を形成したことを特徴とする。したがって、この場合
は、特に、多数の細片を植毛によって突設することがで
きて上記消音層を容易に形成することができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】図１、図２は、本発明の請求項
１、２、３、４、５全てに対応する一実施形態を示し、
該実施形態の竪樋継手は、筒状の竪樋継手本体１の内壁
面２より斜め下方へ傾斜した邪魔板３を突設し、該邪魔
板３の先端縁と竪樋継手本体１の対向する内壁面２との
間に流通間隙４を形成してなる。

【００１１】該実施形態の竪樋継手においては、竪樋継
手本体１がエルボ５の上方近くに設けられており、該竪
樋継手本体１の相対向する内壁面２より複数の上記邪魔
板３が上下方向で交互に突設されている。又、同竪樋継
手本体１及び邪魔板３が金属板にて形成され、同邪魔板
３の上面に多数の細片６が突設されてなる消音層７が設
けられており、又、植毛によって同消音層７は形成され
ている。

【００１２】竪樋継手本体１の上端開口には被嵌接続部
８が延設されており、該被嵌接続部８に竪樋９の下端が
挿入嵌合接続されている。又、同竪樋継手本体１の下端
開口には挿入接続部10が延設されており、該挿入接続部
10はその下方のエルボ５の上端開口に挿入嵌合接続され
ている。該エルボ５の下端には階下の屋根上に施工され
る這い樋11が接続されており、前記竪樋９は同這い樋11
と階上の軒先に施工される軒樋（図示せず）或いは呼び
樋（図示せず）とを接続するものである。

【００１３】竪樋継手本体１はステンレス、銅等の金属
板で角筒状に形成され、該竪樋継手本体１の相対向する
内壁面２に同種の金属板でなる上記邪魔板３が一体若し
くは取着固定されて突設されている。該邪魔板３の上面
に設けられる消音層７は多数の細片６が突設されてなる
が、該細片２はガラス繊維、岩綿等の無機繊維或いはナ
イロン、ビニロン等の合成樹脂繊維等でなり、静電植
毛、散布接着等の一般的な付着手段によって同邪魔板３
の上面に植毛される。又、竪樋９、エルボ５、這い樋11
等も、同竪樋継手本体１と適合するように同種の金属板
で角筒状に形成されている。

【００１４】したがって、該実施形態の竪樋継手におい
ては、竪樋継手本体１内で雨水が邪魔板３上に当たって
その流れが減速され、その際、邪魔板３が斜め下方へ傾
斜していて雨水は該邪魔板３に沿って騒音を発すること
なくスムーズに伝い流れ、同邪魔板３の先端と竪樋継手
本体１の内壁面２との間の流通間隙４から雨水は支障な
く流下され、雨水がその下方のエルボ５や這い樋11等の
内部を緩やか且つスムーズに流下されるようになって騒
音の発生が低減防止される。

【００１５】又、該実施形態の竪樋継手においては、雨
水の流れが速くなるエルボ５のすぐ上位置で効果的に同
流れが減速され、同エルボ５の内部底面に雨水が当たる
ことによる衝撃音の発生が確実に低減防止される。しか
も、竪樋継手本体１内を雨水が邪魔板３に当たって向き
を変えながらジグザグ状に流下し、雨水の流下がより緩
やか且つスムーズとなって騒音の発生が確実に低減防止
される。

【００１６】又、該実施形態の竪樋継手においては、竪
樋継手本体１及び邪魔板３、該竪樋継手本体１に接続さ
れる竪樋９、エルボ５、這い樋11等が全て金属板にて形
成されており、通常なれば極めて衝撃音を発生し易くな
るものであるが、この場合であっても、竪樋継手本体１
内を流下する雨水が邪魔板３上の消音層７に当たって衝
撃音が吸収消音され、しかも、同消音層７を伝う雨水の
流れが多数の細片６によって減速されて、上記騒音発生
の低減防止がより確実に図られる。又、多数の細片６が
植毛によって突設されて、前記消音層７は容易に形成さ
れている。

【００１７】図３は、本発明の請求項１、２、３、４に
対応する別の実施形態を示し、該実施形態の竪樋継手に
おいては、竪樋継手本体１の下方に短寸の竪樋９を介し
てエルボ５が接続されており、又、邪魔板３の上面にゴ
ム、合成樹脂等でなる軟質シート12が貼着されて消音層
７が設けられており、該軟質シート12の表面が凹凸状に
形成されることによって同表面に多数の細片６が一体に
突設されている。それ以外は上記実施形態と同様に構成
されており、上記実施形態における植毛により消音層７
が形成されることに関する以外の作用効果が同様に奏さ
れる。

【００１８】図４は、本発明の請求項１、２、３に対応
する更に別の実施形態を示し、該実施形態の竪樋継手に
おいては、竪樋継手本体１とその下方のエルボ５とが金
属板にて一体に形成されており、又、邪魔板３の上面に
は上記実施形態における消音層７が設けられていない。
それ以外は上記実施形態と同様に構成されており、上記
実施形態における消音層７に関する以外の作用効果が同
様に奏される。

【００１９】図５は、本発明の請求項１に対応する更に
別の実施形態を示し、該実施形態の竪樋継手において
は、竪樋継手本体１が合成樹脂にて円筒状に形成され、
該竪樋継手本体１の内壁面２に邪魔板３が一枚だけ突設
されており、又、同竪樋継手本体１の下方に長寸の竪樋
９が接続され、該竪樋９の下端に地表へ排水するための
エルボ５が接続されており、同竪樋９、エルボ５等も合
成樹脂にて円筒状に形成されている。

【００２０】したがって、該実施形態の竪樋継手におい
ても、竪樋継手本体１内で雨水の流れが邪魔板３によっ
て減速され、その際、雨水は斜め下方へ傾斜した同邪魔
板３に沿って騒音を発することなくスムーズに伝い流れ
てその先端の流通間隙４から支障なく流下され、雨水が
竪樋９内を緩やか且つスムーズに流下されるようになっ
て騒音の発生が低減防止される。

【００２１】

【発明の効果】上述の如く、本発明の請求項１記載の竪
樋継手においては、竪樋継手本体内で雨水の流れが邪魔
板によって減速され、その際、雨水は斜め下方へ傾斜し
た同邪魔板に沿って騒音を発することなくスムーズに伝
い流れてその先端の流通間隙から支障なく流下され、雨
水が竪樋内を緩やか且つスムーズに流下されるようにな
って騒音の発生が低減防止される。

【００２２】又、本発明の請求項２記載の竪樋継手にお
いては、特に、雨水の流れが速くなるエルボのすぐ上位
置で効果的に同流れが減速され、同エルボの内部底面に
雨水が当たることによる衝撃音の発生が確実に低減防止
される。

【００２３】又、本発明の請求項３記載の竪樋継手にお
いては、特に、竪樋継手本体内を雨水が邪魔板に当たっ
て向きを変えながらジグザグ状に流下し、雨水の流下が
より緩やか且つスムーズとなって騒音の発生が確実に低
減防止される。

【００２４】又、本発明の請求項４記載の竪樋継手にお
いては、特に、竪樋継手本体及び邪魔板が金属板にて形
成されて衝撃音を発生し易くなるが、この場合であって
も、竪樋継手本体内を流下する雨水が邪魔板上の消音層
に当たって吸収消音されると共に減速され、上記騒音発
生の低減防止がより確実に図られる。

【００２５】又、本発明の請求項５記載の竪樋継手にお
いては、特に、多数の細片を植毛によって突設すること
ができて上記消音層を容易に形成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明である竪樋継手の一実施形態の施工状態
を示す断面図。

【図２】同竪樋継手の斜視図。

【図３】本発明である竪樋継手の別の実施形態の施工状
態を示す断面図。

【図４】本発明である竪樋継手の更に別の実施形態の施
工状態を示す断面図。

【図５】本発明である竪樋継手の更に別の実施形態の施
工状態を示す切欠斜視図。

【図６】従来例である竪樋継手の施工状態を例示する概
略側面図。

【符号の説明】

１ 竪樋継手本体 ２ 内壁面 ３ 邪魔板 ４ 流通間隙 ５ エルボ ６ 細片 ７ 消音層

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 筒状の竪樋継手本体の内壁面より斜め下
   方へ傾斜した邪魔板を突設し、該邪魔板の先端縁と竪樋
   継手本体の対向する内壁面との間に流通間隙を形成して
   なる竪樋継手。
2. 【請求項２】 竪樋継手本体がエルボの上方近くに設け
   られるものであることを特徴とする請求項１記載の竪樋
   継手。
3. 【請求項３】 竪樋継手本体の相対向する内壁面より複
   数の邪魔板を上下方向で交互に突設したことを特徴とす
   る請求項１又は２記載の竪樋継手。
4. 【請求項４】 竪樋継手本体及び邪魔板が金属板にて形
   成され、同邪魔板の上面に多数の細片が突設されてなる
   消音層を設けたことを特徴とする請求項１〜３のいずれ
   か一つの請求項記載の竪樋継手。
5. 【請求項５】 植毛によって消音層を形成したことを特
   徴とする請求項４記載の竪樋継手。