JP4243720B2 - 消音ルーバー - Google Patents

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Description

本発明は、空気が外から内に通過可能なように形成された消音ルーバーに関し、特に雨水の侵入防止技術に関する。
屋外設置型で雨水の侵入を防止できるようにした縦型消音ルーバーとしては、横断面が空気の流れ方向に「く」の字形で、その突端に鍵形に板を折り返して大きく突出させた形状の水切りを設けた吸音体をケース内に複数組並設した構造のものが一般によく知られている(特許文献1の従来の技術参照)。
前記特許文献1には、このような従来の一般的構造の消音ルーバーに対して、流れ方向に対向して横方向に平らな頂面部とこれから両側に傾斜した長傾斜部及び短傾斜部と長傾斜部から横方向に延設した後面板部と短傾斜部及び後面板部の端から折り返し状に形成した水切りとを備えていて内部に吸音材が入れられた羽根板を、横方向に間隔を空けて複数枚並設した特殊構造の縦型防音防水ガラリが提案されている。
特開平4−194186号公報(図2、5及び関連説明)
しかしながら、上記の一般的構造の消音ルーバーでは、空気が「く」の字に曲げられて通過するだけであるため、吸音性能が低いと共に屋外から屋内への雨水の侵入防止効果が低いこと、水切りだけで雨水の侵入を止めるように鍵形の大きな水切りを設けているため、通過する空気の圧力損失が大きくなると共に空気が通過時に発生させる騒音であるセルフノイズが大きくなること、空気が「く」の字の曲がり方向に偏流するため屋内での空気の流れ方向が悪くなること、吸音性能や雨水の侵入防止効果を上げるためには、消音ルーバーにおける空気の通過方向の寸法である厚み寸法を大きくする必要があること、等の諸問題がある。
又、上記特許文献の特殊構造のガラリでは、頂面部や傾斜部の背面に凹部が形成されこの部分で吸音効果が上がると共に、長傾斜部から大きな後面板部に至る曲がり部分があるためその先端の水返し突片での水の捕捉性が改善されている。しかしながら、このような消音ルーバーでは、空気の通過長さが短いため吸音性能及び雨水の進入防止性能が不十分であること、空気流れが円滑でないと共に水切りが折り返し状になっているため、空気の通過長さが短い割に空気抵抗が大きいこと、水切り部分でのセルフノイズが大きいこと、空気の偏流があること、等の諸問題がある。
そこで本発明は、従来技術における上記問題を解決し、寸法を大きくすることなく吸音性能及び雨水の侵入防止性能を良くし圧力損失を小さくすることができる消音ルーバーを提供することを課題とする。
本発明は上記課題を解決するために、請求項1の発明は、空気が外から内に通過可能なように形成された消音ルーバーにおいて、
枠部材と、該枠部材の中に前記外から前記内の方向である縦外内方向に直角な横方向に同じピッチで横間隔を空けて配置された複数の外側吸音体及び内側吸音体と、を有し、前記外側吸音体は、横断面が前記横方向に対称で前記縦外内方向の反対の縦内外方向に凸状になるように対称なそれぞれの側が一定の勾配で傾斜した線になっている外側凸面部と該外側凸面部と同じ形状で該外側凸面部から前記縦外内方向に離れて設けられた外側凹面部と該外側凹面部と前記外側凸面部との間を結合した外側結合部と該外側結合部と前記外側凸面部と前記外側凹面部とで囲われた部分に入れられた外側吸音材とを備えていて、前記内側吸音体は、前記外側吸音体を180°反転させて該外側吸音体から前記縦外内方向に縦間隔を空けて前記外側吸音体の前記ピッチから半ピッチずらせて配置され前記外側凸面部と前記外側凹面部と前記外側結合部と該外側吸音材とに対応する内側凸面部と内側凹面部と内側結合部と内側吸音材とを備えていて、前記内側凹面部の前記横方向の両端位置に前記外から入って来ることがある雨水を停止可能なように水切りが設けられている、ことを特徴とする。
請求項2の発明は、上記に加えて、前記水切りは前記内側結合部を前記縦内外方向に延長した延長部分の形状に形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、請求項1の発明においては以下のような作用効果が生ずる。
空気が外として例えば屋外から内として例えば屋内に通過可能なように形成された消音ルーバーにおいて複数の外側吸音体及び内側吸音体が枠部材の中に屋外から屋内の縦外内方向(以下「Y方向」という)に直角な横方向「以下「X方向」という)に同じピッチで横間隔を空けて配置されているので、空気は外側吸音体及び内側吸音体の横間隔部分を通過することができる。
外側吸音体は、横断面がX方向に対称で屋内から屋外の縦内外方向(以下「Y1 方向」という)に凸状になるように対称なそれぞれの側が連続した線になっている外側凸面部を備えているので、屋外から空気を取り入れるときには、凸状に連続した外側凸面部が空気の案内面になりつつ横間隔部分が最初の空気の通過口になり、空気を消音ルーバーの屋外側部分の全体から複数の外側吸音体の横間隔部分に円滑に導入することができる。このとき、外で雨が降っていると、雨水は、外側凸面部に当たると共に、空気に随伴されて横間隔部分から消音ルーバーの中に入って来る。
この外側吸音体は、外側凸面部と同じ形状でこれからY方向に離れて設けられていて屋内に向いた外面が凹状になっている外側凹面部と、これらの外側凹凸面部の間を結合した外側結合部とを備えていて、横間隔部分はこの外側結合部によって形成されている。又、内側吸音体は、外側吸音体を180°反転させて外側吸音体からY方向に縦間隔を空けてそのピッチから半ピッチずらせて配置されていて、外側凸面部と外側凹面部と外側結合部と外側吸音材とにそれぞれ対応する内側凸面部と内側凹面部と内側結合部と内側吸音材とを備えているので、外側吸音体の横間隔部分には、Y方向において内側凹面部の中心部分が対向し、外側凹面部の中心部分には、Y方向において内側吸音体の横間隔部分が対向した状態になる。
その結果、外側吸音体の横間隔部分を通過した空気は、内側吸音体の内側凹面部の中心部分に当たるようにY方向に進み、Y方向に離れた外側凹面部と内側凹面部とに案内されこれらの間の縦間隔部分を流れる。これらの内外凹面部及び縦間隔部分は、X方向の両側に対称でその中心部分からY方向の反対の屋内から屋外側に戻る方向であるY1 方向に向いている。このような横間隔部分から縦間隔部分に入る空気流れにより、空気に随伴された雨水は、Y方向の速度成分によって直線的に内側凹面部に当たったり、空気流れによって曲げらて内側凹面部に当たる。又、外側凸面部に当たった雨水のうち下方に落下せず空気流れによって外側結合部を伝ってY方向に移動した雨水は、外側結合部から飛ばされて空気に随伴されて横間隔部分を通過した雨水と同様に内側凹面部に当たる。
この場合、上記の如く内側凹面部がY1 方向に戻り傾斜を持つため、侵入した雨水はほぼ確実に内側凹面部に当たってそれに付着する。そして、このようにいろいろの経路から内側凹面部に当たった雨水の大部分は、内側凹面部の表面に沿う方向の速度成分を有しないと共に、曲げられた空気の搬送力もそれほど受けないので、内側凹面部を伝って横方向に移動することなく下方に落下する。
雨水のうち小径のもの等の一部分は、空気の搬送力によって内側凹面部の中心部分からかなり離れた位置まで飛ばされて内側凹面部に当たる。そして更に、この雨水は空気による搬送力を受けて内側凹面部を伝って横方向に移動する可能性があるが、内側凹面部がY1 方向に傾斜していると共に、移動に対して内側凹面部の壁面から粘性摩擦抵抗を受けるため、内側凹面部の壁面をX方向へ移動する雨水の移動力は十分小さいものである。
このように一部分の雨水が内側凹面部に当たって落下することなくX方向の両端まで移動する可能性に対して、内側凹面部のX方向の両端位置に、外から入って来ることがある雨水を停止可能な水切りを設けているので、このような雨水の移動を停止させ、その位置から更にX方向に移動させて空気流れの中に再飛散させることなく、下方に落下させることができる。この場合、上記の如く内側凹面部でのX方向への雨水の移動力が十分弱められているので、適当な形状で小サイズの水切りによって容易に雨水を停止させることができる。その結果、更に内側吸音部体の横間隔部分を通過する雨水がなくなり、屋内への雨水の侵入をほぼ完全に防止することができる。又、以上のような雨水の侵入の防止効果は、消音ルーバーのY方向の厚み寸法を大きくすることなく達成される。
一方、空気は、前記のごとく外側凸面部から外側横間隔部分を通過してX方向に分流して内外吸音体の縦間隔部分を通り、中心部分で合流して内側吸音体の横間隔部分に流れ、直接屋内に流出すると共に、両方の内側凸面部の方向に曲がりつつ屋内に流出し、全体として均一的に且つ偏流することなく流出する。そして、内外吸音体が吸音材を備えているので、このような空気流れを介して、主として屋内で発生した騒音は、吸音体に吸収されると共に屋内側に反射される。その結果、屋外側に放散される騒音量を十分低減させることができる。
又、この消音ルーバーでは、空気が外内吸音体の表面で合流し分流し再び合流して流れるようにするので、吸音材の吸音面の長さが長くなり従って吸音面積が大きくなる。又、複数の外内吸音体の特徴のある形状とそれらの組合せの効果により、雨水の侵入を阻止するために空気流れの反対方向にまで向いた大きな水切りを設ける必要がなくなるので、そのような水切りによる大きなセルフノイズの発生をなくすることができる。その結果、消音ルーバーのY方向の厚みを大きくしなくても、外部への騒音の放出を極めて効果的に防止することができる。
請求項2の発明においては、内側吸音体が内側結合部を外側の方向に延長した延長部分の形状に形成された水切り部を有するので、ある程度屋外側であるY1 方向に向いていて雨水が伝い難くなっている内側凹面部を完全にY1 方向に向けることになるので、水切り部により、雨水の横方向への移動が完全に防止し、屋外から屋内への雨水の侵入を完全に防止することができる。
一方、このような形状の水切り部は、空気が流れる縦間隔部分のY1 方向に対して逆方向でなく順方向に向いているので、雨水の侵入防止効果を確保しつつセルフノイズや空気抵抗を最小化し、十分な騒音防止効果を上げることができる。
図1は本発明を適用した消音ルーバーの全体構成の一例を示し、図2はその吸音体部分を示す。
本例の消音ルーバーは、空気が外である屋外100から内である屋内200に通過可能なように形成されていて、枠部材1と、外側吸音体2及び内側吸音体3とを有する。枠部材1は、建物の壁面等に取り付けるための両側の縦溝部材11と上下の横溝部材12とを結合して形成した構造のものである。それぞれの部材の底板11a及び12aで囲われた部分は開口していて、この中に吸音体2、3が入れられ、その上下端が上下の底板12aに結合されることにより、建物等の通気口になる消音ルーバーが形成されている。
外側吸音体2及び内側吸音体3は、枠部材1の中に外から内の方向である縦外内方向として屋外100から屋内200の方向になる図示のY方向に直角な横方向であるX方向に同じピッチpで横間隔dを空けて複数として本例ではそれぞれ3体配置されている。X方向の両端に配置された外側吸音体2又は内側吸音体3のうちの何れかは、中間部分のものと同様の空気通路を形成するようにほぼ半分のものにされるが、本例では内側吸音体3が半分のものとして形成されている。外側吸音体2の両端では、横間隔に相当する間隔として縦溝部材11の底板11aとの間で両端横間隔d/2が設けられている。なお、外側吸音体2と内側吸音体3とをY方向に入れ換えた構造にしてもよいことは勿論である。
外側吸音体2は、横断面が横X方向に対称でY方向の反対の縦内外方向であるY1 方向に凸状になるように対称なそれぞれの側が連続した線として本例ではX方向から傾斜した直線になっている外側凸面部21と、外側凸面部21と同じ形状でこれからY方向に離れて設けられた外側凹面部22と、外側凹凸面部22、21の間を結合した外側結合部23と、これらの各部21、22、23で囲われた部分に入れられた外側吸音材24とを備えている。
外側凸面部21の等辺山形をなす傾斜直線の内側角度θは、後述するように雨水の侵入防止効果がよいと共に屋外100から屋内200に円滑に空気を導入できる角度であればよく、120°程度が適当であるが、これを90°乃至150°程度の範囲にすることができる。外側凸面部21及び外側結合部23は、外側吸音材24のある内部に雨水が入らないように通常鋼板等のソリッドな板材にされる。内側凸面部22は、ほとんど雨水が入ることがないので、吸音性が良いように多孔板にされる。外側吸音材24は、例えばグラスウールを適当に開口した撥水性の被覆材で覆った通常の構造のものにされる。
内側吸音体3は、外側吸音体を180°反転させてこれからY方向に縦間隔hを空けて外側吸音体2のピッチpから半ピッチp/2だけずらせて配置されていて、外側凸面部2の各部に対応する内側凸面部31と内側凹面部32と内側結合部33と内側吸音材34とを備えている。
内側凹面部32のX方向の両端位置には、屋外100から入って来ることがある雨水を停止可能なように水切り35が設けられている。この水切り35は、本例では、内側結合部33をY1 方向に延長した延長部分の形状に形成されている。このような水切り部35は、ソリッド鋼板製の内側凹面部32を内側結合部33の延長方向に折り曲げることにより容易に形成される。又、多孔板製の内側結合部33の多孔板に開口しない部分を残してこの部分を水切り35にしてもよい。
以上のような消音ルーバーは次のように使用されてその作用効果を発揮する。
図3に示す如く、屋外100から屋内200に空気が取り入れられるときには、外側吸音体2を形成する外側凸面部21が屋外100の方向に向いた凸状になっていて、そのY方向の先端の横間隔dの部分が空気の入口通路4になるので、空気の流れ方向を矢印で示すように、空気は消音ルーバーのX方向の全体から均一的に且つ円滑に入口通路4に流入する。このとき屋外100で雨が降っていると、雨水wは、外側凸面部21に当たってこれに付着すると共に、空気に随伴されて入口通路4から直接消音ルーバーの中に入って来る。
入口通路4を通過した空気は、内側吸音体3の内側凹面部32の中心部分に当たるようにY方向に進み、内外凹面部32、22で形成されそれらの方向でありX方向からY1 方向の屋外100に戻る方向に本例では30°傾斜した矢印Dで示す戻り傾斜方向に形成されている中間通路5に入る。
このような入口通路4から中間通路5に入る空気流れにより、図4(a)に示す如く、空気に随伴された雨水wは、Y方向の速度成分によって実線の矢印で示すように直線的に内側凹面部32に当たったり、二点鎖線の矢印で示すように空気流れによって曲げらて内側凹面部に当たる。又、外側凸面部21に当たった雨水のうち下方に落下せず空気流れによって外側結合部23を伝ってY方向に移動した雨水の一部分は、外側結合部23から離されて空気に随伴され、入口通路4を通過した雨水と同様に内側凹面部32に当たる。
この場合、内側凹面部32が30°傾斜して雨水の侵入を受ける形になっているため、侵入した雨水は空気流から分離されてほぼ確実に内側凹面部32に当たる。このようにいろいろの経路から内側凹面部32に当たってこれに付着した雨水のうちの大部分は、当たるときに、内側凹面部32の面に直角又はそれよりも中心方向に向いた速度成分を有し、面に沿ったD方向の速度成分を持たないので、通過する空気の速度が消音ルーバーの入口断面で2〜3m/sec 程度以下の通常の速度であれば、空気の搬送力によって更に内側凹面部32の面を伝ってX方向に移動することはなく、内側凹面部32上に止まり、集合してある程度大粒化した後下方に落下する。
一方、雨水のうちの一部分である小径のものや入口通路4の両端近傍のもの等は、図4(b)に示す如く、空気の搬送力によって内側凹面部32の中心からかなり離れた位置まで飛ばされてその部分に当たる。この雨水は、矢印で示すように、更に空気の搬送力を受けて内側凹面部32を伝ってその端の方向に移動する可能性があるが、内側凹面部32が移動に対して登り傾斜になるD方向に傾斜していると共に、その移動を止めるように雨水に対して内側凹面部32の面から粘性摩擦力が作用するため、雨水を移動させる力は十分小さいものになる。
その結果、このようにして内側凹面部32を伝ってその端まで移動する可能性のある雨水は、Y1 方向に向いた水切り35に当たると、それから、更にD方向からY1 方向に向きを変えてまで移動することはなく、その位置で停止し、適当に大粒化した後下方に落下する。又、二点鎖線で示す如く、入口通路4を通過した雨水が空気流によって内側凹面部32に当たらない程飛ばされる可能性もあり得るが、そのときには、そのような雨水が直接水切り35に当たって捕捉される。従って、雨水のうちの小径のもの等で空気流れによって内側凹面部32の端の方まで飛ばされた水滴も確実に受け止め、空気中に飛散させることなくその部分で落下させることができる。
その結果、内側吸音部体32の横間隔部分である出口通路6を通過して奥内200に入り込む雨水はなくなり、屋内側への雨水の侵入は殆ど完全に防止される。又、以上のような雨水の侵入の防止効果は、消音ルーバーのY方向の厚み寸法を大きくすることなく達成される。
一方、空気は、前記のごとく図3に示すように外側凸面部21で案内されつつ集合して入口通路4に入り、横方向に分流してら中間通路5を通り、外側凹面部22の中心部分で合流して出口通路6に流れ、直接屋内200に流出すると共に、両方の内側凸面部32の方向に曲がりつつ屋内側に流出し、最後流側の矢印で示すように全体として均一的に屋内200に流出する。そして、内外吸音体2、3が吸音材24、34を備えているので、このような空気流れを介して、主として室内側で発生した騒音は、吸音材に吸収されると共に屋内側に反射される。その結果、屋外100に放散される騒音を十分低減させることができる。
又、この消音ルーバーでは、前記の如く空気が外内吸音体の表面で合流し分流し再び合流した後内側凸面部31で広がって流れるようになるので、空気の通過長さが長く、従って吸音材の吸音面積が大きくなっている。又、内側凹面部32の逆傾斜の効果が大きいので、雨水の侵入を阻止するために、通常空気流れの反対方向にまで向いた水切りを設ける必要がないので、そのような水切りによる大きなセルフノイズの発生がない。その結果、消音ルーバーのY方向の厚みを大きくしなくても、外部への騒音の放出を極めて効果的に防止することができる。
なお、本例のように水切り35をY1 方向に適当な長さ張り出した小幅の平板状のものにすれば、水切り付き吸音体としての製造が容易になる。又、この水切り35は、空気が流れるD方向に対してガイド板のように空気流れを曲げる方向には向いているが、空気流れの逆方向には向いていないので、大きなセルフノイズを発生させない。その結果、吸音体の形状との組合せにより、雨水の侵入防止効果と消音効果とを効率的に得ることができる。但し、このような平板状の水切りをY1 方向から多少角度を変えたものにすることは可能である。又、目的とする消音効果との関係で、ある程度のセルフノイズの増加が許容されるような場合には、曲がり部分の小さいL形や鍵形等で、雨水の侵入防止効果が更に向上する可能性のある形状の水切りを採用することも可能である。
図5は本発明を適用した消音ルーバーの更に他の例を示す。
本例の消音ルーバーは、図1のものに較べて、外内吸音体2、3の外内凸面部21、31の横断面が、等辺山形の傾斜直線ではなく、X方向に対称でY−Y1 の方向に凸状になるように対称なそれぞれの側が連続した線として円弧状になっている点で相違する。その他の構造は図1、5のものと同じであり、図では吸音材の部分の図示を省略している。本例の消音ルーバーでも、図1のものと同様に、空気が集合−合流−分流−合流−分散するように偏流することなく屋内200に全体に均一的に流出し、雨水の侵入防止効果及び消音効果を得ることができる。
発明者等は、本発明を適用した図1の消音ルーバーを試作し、図6に示す試験装置により、従来の通常の消音ルーバーと雨水の侵入防止効果、消音効果、圧力損失等の比較試験を実施した。
1.本発明を適用した実施例の消音ルーバー(1)の寸法、形状等
開口部の間口寸法及び奥行き:幅750mm ×高さ900mm ×奥行き250mm
吸音体の寸法:
凸凹面部の頂角 ;120 °(傾斜角30°)
両側傾斜面の長さ ;100mm
凸凹傾斜面間の距離;50mm
X方向のピッチ ;250mm
外内吸音体のY方向の間隔(外側凹面部22と内側凹面部32とのY方向の距離) ;y1 =44mm,(参考例2--- y2 =37mm)
水切り部の形状及び寸法
張り出し長さ ;l1 =15mm (参考例1--- l2 =20mm)
L形のときの曲がり;(参考例3--- 曲がり長さ 5mm)
吸音材 ;グラスウール
2.従来の消音ルーバー(2)の寸法、形状等
開口部の間口寸法及び奥行き:同上
断面「く」の字状の吸音体の寸法:
凸凹面部の傾斜角 ;90°(X方向に突出形)
各傾斜面長さ ;140 mm
凸凹傾斜面間の距離; 70 mm
X方向のピッチ ;140 mm
水切り部の形状及び寸法
くの字の先端からX方向への張り出し長さ; 22 mm
くの字に沿ってY1 側に折り返した長さ ; 18 mm
吸音材 ;同上
3.試験装置及び試験条件
消音ルーバー(1)、(2)を取り付ける風洞300
開口寸法;消音ルーバーと同じ
長さ ;前側の透明塩ビ製部分1000mmを含み全長2500mm
散水ホース400からの散水量
無風時の床面拡散水量;0.28〜0.29m3/h(降雨量として 330〜340mm/h)
外部扇風機500
直径 ;450 mm
風速 ;3〜4m/s
取付位置;消音ルーバー(1)、(2)から1250mm離れた位置
インバーター付き内部扇風機600
直径 ;600 mm
開口部の間口平均風速V;V1 =1m/s ,V2 =2m/s ,V3 =3m/s
4.試験結果
以下の表1〜5に示す。
Figure 0004243720
Figure 0004243720
Figure 0004243720
Figure 0004243720
Figure 0004243720
実施例と比較例とを示す表1、2によれば、実施例の消音ルーバーは、従来技術の比較例の消音ルーバーよりも、雨水の侵入防止効果が大きく、セルフノイズ及び圧力損失が小さく、消音ルーバーとしての全ての特性において格段に優れていることが実証された。即ち、比較例の装置では、雨水の侵入防止効果を大きくしようとして水切りを大きくすれば、セルフノイズ及び圧力損失が更に大きくなって使用不能になり、反対にセルフノイズ及び圧力損失を小さくしようとすれば雨水侵入防止効果が更に悪くなるが、本発明を適用した実施例の消音ルーバーは、何れの性能も良いため、そのまま使用でき極めて実用性の高いものである。
表3〜5は、参考例1〜3として、実施例の消音ルーバーの構成の一部分を変更したものを示す。参考例1では、水切りの長さを実施例の15mmから20mmに大きくしているが、表1、3に示す如く、雨水侵入防止効果は同じでセルフノイズ及び圧力損失が少し大きくなるという結果になった。従って、本例の全体寸法の消音ルーバーでは、水切りは15mm程度で十分であることが分かった。
参考例2では、内外吸音体のY方向の間隔を実施例のものの44mmから37mmに小さくして消音ルーバーの奥行き寸法を減らし小形化しているが、表1、4に示す如く、全体的に性能が低下することが明らかになった。表5に示す参考例3では、水切りの形状をL形したが、実施例のものよりも雨水の侵入防止効果が良くならずむしろ低下した。これは、L形状にしたために内外吸音体の縦間隔が狭くなり、空気の流速が速くなったり流れの乱れが大きくなったためと考えられる。従って、通常、L形や鍵形でなくガイド板的な平板の方がよいことが判明した。なお、消音ルーバーの奥行き寸法を十分大きくして縦間隔を大きくするような場合には、L形等の水切りが有効になることもあり得る。
以上の如く、本例の全体寸法の消音ルーバーでは、実施例のものが全体的に最も性能がよいという結果になったが、消音ルーバーの奥行き寸法や水切りの寸法や形状等は、目的とする雨水侵入防止効果及び消音効果が得られると共に、小形で構造が簡単で低コストになるように、実際の諸条件に適合するように決定される。
本発明は、ビル等の建物において雨水の侵入と騒音の発散とを防止しつつ屋外から屋内に空気を取り入れる消音ルーバーとして好都合に利用される。
本発明を適用した消音ルーバーの全体構成の一例を示し、(a)は(b)のa−a矢視図、(b)は正面図、(c)は(a)のc−c矢視図である。 上記消音ルーバーの吸音体部分の断面図である。 上記消音ルーバーの空気流れの説明図である。 (a)及び(b)は上記消音ルーバーにおける雨水の移動状態を示す説明図である。 本発明を適用した消音ルーバーの他の例を示す横断面図である。 消音ルーバーの雨水侵入試験をする装置の説明図である。
符号の説明
1 枠部材
2 外側吸音体
3 内側吸音体
21 外側凸面部
22 外側凹面部
23 外側結合部
24 外側吸音材
31 内側凸面部
32 内側凹面部
33 内側結合部
34 内側吸音材
35 水切り
100 屋外(外)
200 屋内(内)
d 横間隔
h 縦間隔
p ピッチ
X 横方向
Y 縦方向、屋外から屋内の方向(外から内の方向、縦外内方向)
1 縦内外方向

Claims (2)

  1. 空気が外から内に通過可能なように形成された消音ルーバーにおいて、
    枠部材と、該枠部材の中に前記外から前記内の方向である縦外内方向に直角な横方向に同じピッチで横間隔を空けて配置された複数の外側吸音体及び内側吸音体と、を有し、前記外側吸音体は、横断面が前記横方向に対称で前記縦外内方向の反対の縦内外方向に凸状になるように対称なそれぞれの側が一定の勾配で傾斜した線になっている外側凸面部と該外側凸面部と同じ形状で該外側凸面部から前記縦外内方向に離れて設けられた外側凹面部と該外側凹面部と前記外側凸面部との間を結合した外側結合部と該外側結合部と前記外側凸面部と前記外側凹面部とで囲われた部分に入れられた外側吸音材とを備えていて、前記内側吸音体は、前記外側吸音体を180°反転させて該外側吸音体から前記縦外内方向に縦間隔を空けて前記外側吸音体の前記ピッチから半ピッチずらせて配置され前記外側凸面部と前記外側凹面部と前記外側結合部と該外側吸音材とに対応する内側凸面部と内側凹面部と内側結合部と内側吸音材とを備えていて、前記内側凹面部の前記横方向の両端位置に前記外から入って来ることがある雨水を停止可能なように水切りが設けられている、ことを特徴とする消音ルーバー。
  2. 前記水切りは前記内側結合部を前記縦内外方向に延長した延長部分の形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の消音ルーバー。
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