JPH09124758A - フェノール樹脂の製造方法 - Google Patents
フェノール樹脂の製造方法Info
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- JPH09124758A JPH09124758A JP28422295A JP28422295A JPH09124758A JP H09124758 A JPH09124758 A JP H09124758A JP 28422295 A JP28422295 A JP 28422295A JP 28422295 A JP28422295 A JP 28422295A JP H09124758 A JPH09124758 A JP H09124758A
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Abstract
に、高分子化させることなく任意の分子量で未反応フェ
ノール類を低減でき、後工程の脱水・脱フェノール類工
程を短縮でき、かつ不要な金属の混入のないフェノール
樹脂を得ること。 【解決手段】 フェノール類とアルデヒド類とを触媒下
において反応させ、ノボラック樹脂若しくはレゾール樹
脂の初期付加縮合物を得る方法において、生成樹脂を遠
心分離機内で連続的に分離しながら反応を行うことを特
徴とするフェノール樹脂の製造方法。
Description
造方法に関し、特に遠心力下において樹脂の生成及び生
成した樹脂の分離を行うことにより、高分子化させるこ
となく、未反応フェノールや水分の少ない初期縮合物を
得るフェノール樹脂の製造方法に関するものである。
有した反応釜内で、フェノール類とアルデヒド類を酸性
又は塩基性触媒下にて30分〜5時間反応させて初期縮
合物を得た後、常圧若しくは減圧にて脱水するか又は適
当な有機溶媒を添加することによってノボラック型フェ
ノール樹脂やレゾール型フェノール樹脂を得る方法が一
般的である。しかし、かかる方法においては、初期縮合
物を得る段階において樹脂と10%以上の未反応フェノ
ール類と水が混合された常態であり、その後の脱水工程
・脱フェノール類工程に時間を要するばかりでなく、歩
留を低下させるという欠点があった。
いう点では薄膜蒸発機を用いる方法(例えば、特公昭5
8−25685号公報)や水蒸気蒸留による方法(例え
ば、特開昭58−84814号公報や特公平6−117
77号公報)が知られているが、これらは未反応フェノ
ール類を反応系外に除去するためであり歩留向上にはつ
ながらない。また、高反応率化の点からは、フェノール
類に対するアルデヒド類のモル比を高くする方法や、助
触媒を使用する方法(例えば、特公昭58−39165
号公報)が知られているが、かかる手法では高分子化が
進み任意の分子量に対して適応できないという欠点や、
さらに後者においては、樹脂中に金属が残留する為、金
属イオンの混入を嫌う電子電気分野、食品分野等への使
用ができないといった欠点があった。
欠点を克服すべく鋭意研究した結果、フェノール類とア
ルデヒド類の付加縮合時に生成樹脂を遠心力により連続
的に取り出しながら反応させることにより、高分子化さ
せることなく任意の分子量で未反応フェノール類を低減
でき、後工程の脱水・脱フェノール類工程を短縮でき、
かつ不要な金属の混入のないフェノール樹脂を得ること
ができることを見出し、本発明の完成に至ったものであ
る。
とアルデヒド類とを触媒下において反応させ、ノボラッ
ク樹脂若しくはレゾール樹脂の初期付加縮合物を得る方
法において、生成樹脂を遠心分離機内で連続的に分離し
ながら反応を行うことを特徴とするフェノール樹脂の製
造方法である。
ル、クレゾール、キシレノール、ビスフェノールAなど
のフェノール性水酸基を有する化合物の一種又は二種以
上を用い、アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、
パラホルムアルデヒド、ポリオキシメチレン、アセトア
ルデヒドなどのアルデヒド基を有する化合物の一種又は
二種以上を用いる。フェノール類に対するアルデヒド類
のモル比は、特に限定しないが、一般にノボラック樹脂
では0.3〜1.0、レゾール樹脂では1.0〜3.5
の範囲で行う。
酸、シュウ酸、マレイン酸、パラトルエンスルホン酸、
スルファミン酸などの無機酸又は有機酸;アンモニア、
エチレンジアミン、トリエチルアミンなどのアミン;水
酸化ナトリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウムな
どの金属水酸化物;酢酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛などの有
機酸塩の内の一種又は二種以上を用いる。このとき、分
離助剤として、水、トルエン、キシレン、メチルアルコ
ール等の触媒を加えても良いが、溶媒の25℃における
比重が1.15未満のものが好ましい。溶媒は事前にフ
ェノール類又はアルデヒド類と混合しておくとさらに好
ましい。
のであり、分離板型遠心分離機(図1)、デカンター型
遠心分離機、多孔板型遠心分離機(図2)等のいずれで
もよい。遠心分離機内でのフェノール類とアルデヒド類
の流れは交流、併流のどちらでもよいが、併流の場合は
遠心分離機直前においてフェノール類、アルデヒド類及
び触媒を混合した後、供給した方がより好ましい。
液、及びアルデヒド類又はアルデヒド類の溶媒溶液の供
給温度は50〜100℃が好ましい。50℃未満では反
応が遅く生成樹脂の歩留が低下し、100℃を越えると
反応コントロールが困難であるばかりか、縮合水の気化
により生成樹脂の分離がうまくいかない。
とアルデヒド類又はアルデヒド類の溶媒溶液の供給温度
における比重は、少なくとも一方は1.15未満で、か
つ両者の比重差が0.02以上あることが好ましい。両
液の一方でも比重が1.15以上になると生成樹脂との
分離がしにくく、両液の比重差が0.02未満では樹脂
の高分子化が進みやすく、分子量をコントロールしにく
い。
000Gであり遠心分離機内滞留時間は10秒〜数分間
となる様供給量及び回転数を設定する。低遠心力で長時
間滞留させた方が生成樹脂の分離効率は良くなるもの
の、高分子化が起りやすくなり、目的とする未反応フェ
ノールの低減効果は低下するため、目標の分子量に合せ
上記の範囲で設定することが好ましい。
層として取り出されるが、得られた樹脂は再度2段目の
遠心分離機で分離しても良く、常圧、減圧その他公知の
方法を用いて脱水・脱フェノール類を行う場合や、必要
に応じて公知の有機溶媒や水を添加し最終的な樹脂を得
る場合などがある。軽液層は再度回収して使用しても何
ら問題はない。この様にして未反応フェノールの少ない
フェノール樹脂を効率的に得ることができる。
にホルムアルデヒドとの反応においては、競争反応であ
ることが知られており、低分子量域におけるホルムアル
デヒドの選択性は無いとされ、モル比を上げても高分子
量となるばかりで未反応フェノールの低減はあまり図れ
なかった。本発明では、反応を遠心力下で行うことによ
り、高分子量域を強制的に系外に取り出し低分子量域へ
の選択反応性を高めたものである。
るが、かかる説明により本発明が限定されるものではな
い。図1は分離板型遠心分離機を使用した場合の概略断
面図である。フェノール類、アルデヒド類及び触媒を原
料入口(1)より定量供給するが、この際、予め例えば
スタティックミキサーの様な混合機により充分混合を行
った後、遠心分離機内に導入され、付加縮合反応により
生成した樹脂液は最重液として樹脂液出口(4)より取
り出され、その他の液はさらに重液取出口(3)及び別
の軽液取出口(2)より取り出される。
した場合の概略断面図であるが、フェノール類又はその
溶媒溶液とアルデヒド類又はその溶媒溶液のいずれか一
方に触媒を添加し、このうち比重の軽いものを遠心分離
機外周側の原料軽液入口(5)より、重いものを遠心分
離機中心側の原料重液入口(6)より供給する。遠心力
により互いの液は位置移動を行うが、この間多孔板部で
交流に接触し、付加縮合反応が行われる。生成した樹脂
液は最重液として樹脂液出口(7)より取り出され、そ
の他の液はさらに重液取出口(8)及び別の軽液取出口
(9)より取り出される。
「%」は全て「重量%」である。
及び撹拌装置を有した混合槽で80℃に加温した。この
溶液と50℃の37%ホルマリン60.0kgを滞留時間
60秒、総処理時間60分となる様に定量ポンプにて多
孔板型遠心分離機へ交流で供給し、3500Gの遠心力
下で反応させた。重液として得られた初期縮合物はノボ
ラック型フェノール樹脂で、未反応フェノール1.3
%、水分8.5%、重量平均分子量1450であった。
さらに得られた初期縮合物を熱交換器及び撹拌装置を有
した反応器に供給し、減圧60Torr下で240℃となる
まで脱水・脱フェノールを行った後、冷却バットにて固
形化させた。反応開始からの所要時間は150分であっ
た。なお、未反応フェノールの定量はキャピラリーガス
クロマトグラフィー法、水分の定量はカールフィッシャ
ー試薬滴定法、重量平均分子量測定は高速液体クロマト
グラフィー法で行った。(以下の例においても同様の方
法を用いた。)
ン40.0kgを実施例1で用いた混合槽で混合し80℃
に加温した。この溶液と、50℃の37%ホルマリン6
5.0kgをノリタケ社製スタティックミキサーにて予め
混合し、滞留時間60秒、総処理時間75分となる様に
定量ポンプにてデカンター型遠心分離機に供給し、40
00Gの遠心力下で反応させた。重液として得られた初
期縮合物はノボラック型フェノール樹脂で、未反応フェ
ノール0.9%、水分9.2%、重量平均分子量150
0であった。さらに実施例1と同様にして脱水・脱フェ
ノールを行った所、反応開始からの所要時間は180分
であった。
アンモニア水5.3kgを混合し50℃とした。この溶液
と、50℃の37%ホルマリン水90.0kgを実施例2
と同じ方法で反応させた。重液として得られた初期縮合
物はレゾール型フェノール樹脂で未反応フェノール3.
5%、水分5.2%、重量平均分子量2200であっ
た。さらに得られた樹脂にメチルエチルケトン30.0
kgを添加し液状樹脂として取り出した所、反応開始から
の所要時間は120分であった。
原料を入れ、100℃で180分反応させ初期縮合物を
得た。この段階の未反応フェノールは14.2%、水分
18.5%、未反応フェノールを除外して補正した重量
平均分子量は1750であった。さらに、この液を常圧
で120℃まで脱水し、減圧60Torr下で240℃とな
るまで脱水・脱フェノールを行った。反応開始からの所
要時間は420分であった。
れ、80℃で30分反応させ初期縮合物を得た。この段
階での未反応フェノールは9.5%、水分39.0%、
未反応フェノールを除外して補正した重量平均分子量は
2800であった。さらにこの液を60℃まで冷却し、
分離した上澄層を除去した後、減圧60Torr下で80℃
となるまで脱水し、メチルエチルケトン30.0kgを添
加した。反応開始からの所要時間は310分であった。
以上の実施例から明らかな様に、本発明による方法で製
造されたフェノール樹脂は、初期縮合段階において、低
分子量域への反応性が高く、未反応フェノールの含有量
が極めて少くなっていることが判る。さらに遠心分離効
果により水分含有量も低減しているので、その後の脱水
・脱フェノール工程に要する時間も短時間でよい。
の初期反応段階において、低分子量域への反応性が高く
なっているために、歩留が向上する上に、従来長時間を
要していたその後の脱水・脱フェノール工程が大幅に短
縮でき、さらには不用な金属触媒等も使用しないので、
電気・電子分野や食品関連分野を含めた広範囲に使用さ
れるフェノール樹脂の製造方法として好適である。
面図
面図
Claims (1)
- 【請求項1】 フェノール類とアルデヒド類とを触媒下
において反応させ、ノボラック樹脂若しくはレゾール樹
脂の初期付加縮合物を得る方法において、生成樹脂を遠
心分離機内で連続的に分離しながら反応を行うことを特
徴とするフェノール樹脂の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28422295A JP3585301B2 (ja) | 1995-10-31 | 1995-10-31 | フェノール樹脂の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28422295A JP3585301B2 (ja) | 1995-10-31 | 1995-10-31 | フェノール樹脂の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09124758A true JPH09124758A (ja) | 1997-05-13 |
JP3585301B2 JP3585301B2 (ja) | 2004-11-04 |
Family
ID=17675762
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP28422295A Expired - Fee Related JP3585301B2 (ja) | 1995-10-31 | 1995-10-31 | フェノール樹脂の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3585301B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN116943879A (zh) * | 2023-09-20 | 2023-10-27 | 东莞市欣辰新材料科技有限公司 | 一种高分子生产用离心机及其使用方法 |
-
1995
- 1995-10-31 JP JP28422295A patent/JP3585301B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN116943879B (zh) * | 2023-09-20 | 2023-12-12 | 东莞市欣辰新材料科技有限公司 | 一种高分子生产用离心机及其使用方法 |
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