JPH09255745A - フェノール樹脂の製造方法 - Google Patents

フェノール樹脂の製造方法

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JPH09255745A
JPH09255745A JP6827896A JP6827896A JPH09255745A JP H09255745 A JPH09255745 A JP H09255745A JP 6827896 A JP6827896 A JP 6827896A JP 6827896 A JP6827896 A JP 6827896A JP H09255745 A JPH09255745 A JP H09255745A
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phenol
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phenol resin
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Masayuki Inagaki
昌幸 稲垣
Shoji Tomita
昭二 富田
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  • Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)
  • Phenolic Resins Or Amino Resins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 分子量分布をコントロールしながら短時間に
未反応モノマーを含まず、更には低分子領域の除去され
たフェノール樹脂を製造する方法を提供する。 【解決手段】 フェノールと類アルデヒド類を触媒下に
て第1反応器で反応し初期縮合物を得た後、減圧にした
第2反応器にて脱水、未反応モノマー及び低分子領域の
除去を行うに際して、加熱ジャケットを有した静止型ミ
キサーによる水蒸気との混合及び/又は加熱昇温を行
い、第2反応器の上部に取り付けた回転する円錐型分配
羽根上に供給し、遠心力にて拡散させると共に反応器壁
の伝熱面に薄膜形成を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフェノール樹脂の製
造方法に関し、特にフェノール樹脂の脱水、未反応モノ
マー分の除去を行う際に、フェノール樹脂の初期縮合物
を第1反応器で得た後、加熱ジャケットを有した静止型
ミキサーを用い加熱昇温及び/又は強制的に水蒸気と混
合しながら、第2反応器に取り付けられた円錐型分配羽
根上に供給し、樹脂表面積を増大させる事により、分子
量分布をコントロールしながら短時間に未反応モノマー
を含まない、更には低分子領域の除去されたフェノール
樹脂を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、フェノール樹脂は、フェノール類
とアルデヒド類を公知の触媒下にて反応させ初期縮合物
を得た後、常圧若しくは減圧で脱水及び未反応モノマー
除去するか又は適当な有機溶媒を添加し、フェノール樹
脂を得る方法が一般的であるが、この方法では脱水及び
未反応モノマー除去に時間がかかるばかりではなく、分
子量コントロールしながら低分子量除去はもちろん未反
応モノマーを含まない樹脂を製造することは非常に困難
であった。
【0003】脱水、未反応モノマー及び低分子量域の除
去効率を上げる手法としては、高温高真空下で薄膜蒸発
機にて処理する方法(例えば特開昭56−5813号公
報、特許第1195277号等)やミキサーを用いた水
蒸気蒸留による方法(特許第1883004号等)ある
いは水蒸気蒸留と薄膜蒸発機処理を平行して行う方法
(例えば特開昭58−84814号公報等)が知られて
いる。しかし、薄膜蒸発機にて処理する方法では大がか
りな設備を必要とするばかりでなく、未反応モノマーや
低分子量域の除去後に反応工程がある場合には、更に別
の反応器が必要であるといった問題がある。また数To
rrの高真空で、且つ200℃以上の高温で処理しない
と低分子量の除去はもちろん未反応モノマーの除去でさ
え充分出来ないという問題があり、このことより熱硬化
性樹脂であるレゾールは無論、熱可塑性樹脂であるノボ
ラックにおいても変質という問題がある。更には処理効
率を上げるためには薄膜蒸発機の蒸発面積言い換えれば
設備そのものを大きくする必要があり、分子量が大きく
なった場合には高粘度で供給しなければならない。
【0004】ミキサーを用いた水蒸気蒸留は樹脂と水蒸
気の混合といった面では効果があるものの、蒸発面積を
確保しないと除去効率が悪く数時間〜数十時間もの長時
間の蒸留が必要であり、除去効率を上げるためにはやは
り樹脂温度を上げるか、高真空下での蒸留とするか、更
には水蒸気量を増やすかしか対応できないと言った問題
があった。フェノール樹脂に対して水蒸気蒸留と薄膜蒸
発機処理を並行して行う方法では、反応器内に水蒸気を
吹き込み蒸留し、その樹脂を並行して薄膜蒸発機処理す
るものであり、両者の効果及び問題点を加算するもので
それ以上のものではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、これらの
問題点を克服すべく鋭意研究した結果、フェノール類を
触媒下においてアルデヒド類と第1反応器で反応させ初
期縮合物を得た後、脱水縮合反応を行う際、加熱ジャケ
ットを有した静止型ミキサーを用い初期縮合物を水蒸気
と混合し及び/又は加熱により昇温し、減圧状態とした
第2反応器上部に取り付けた分配羽根上に供給すること
で、短時間で設備サイズもコンパクトに使用水蒸気量も
少なく、その上後工程の添加物混合や溶解工程も同一設
備で行え、更には任意の分子量分布をコントロールしな
がら未反応モノマーの極めて少ない、及び/又は低分子
領域の除去されたフェノール樹脂を得られることを見い
出し、本発明に至ったものである。
【0006】
【問題を解決するための手段】本発明は、フェノールと
類アルデヒド類を触媒下にて第1反応器で反応し初期縮
合物を得た後、減圧にした第2反応器にて脱水、未反応
モノマー、低分子領域除去を行う際、加熱ジャケットを
有した静止型ミキサーによる加熱昇温及び/又は水蒸気
との混合を行い、第2反応器の上部に取り付けた回転す
る円錐型分配羽根上に供給し、この遠心力にて微粒子に
拡散させると共に反応器壁の伝熱面に薄膜形成を行うこ
とを特徴とするフェノール樹脂の製造方法に関するもの
であり、好ましくは円錐型分配羽根は底面直径(R)と
高さ(H)の比H/Rが0.1〜0.5であり、円錐型
分配羽根の中心から放射状に均等配分した2本以上の邪
魔板を有するものであるフェノール樹脂の製造方法に関
するものである。
【0007】ここでフェノール類としては、フェノー
ル、クレゾール、ビスフェノール類などのフェノール性
水酸基を有する化合物の1種又は2種以上を用い、アル
デヒド類としてはホルムアルデヒド、パラホルムアルデ
ヒド、ポリオキシメチレンなどのアルデヒド機を有する
化合物の1種又は2種以上を用いる。フェノール類に対
するアルデヒド類のモル比は特に限定しないが、一般的
には0.3〜3.5の範囲で行う。触媒としては、塩
酸、硫酸、燐酸、ギ酸、シュウ酸、マレイン酸、パラト
ルエンスルホン酸、スルファミン酸などの無機酸又は有
機酸やアンモニア、トリエチルアミン、水酸化ナトリウ
ム、水酸化バリウム、酢酸亜鉛等のアミン類、アルカリ
金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、有機酸塩の
内1種又は2種以上を用いる。必要によりロジン、トー
ル油、カシューオイル、その他の天然樹脂、合成樹脂、
油類を変性剤として使用しても何ら問題はない。
【0008】フェノール類とアルデヒド類の初期縮合反
応は公知のものであり、常法と何ら変わることなく、触
媒下において50〜150℃の液温で15分〜5時間程
度反応させる方法が一般的である。この後中和反応を行
う場合もあり、中和剤としては公知の無機酸、有機酸、
又は塩基性物質の内一種又は二種以上を使用する。本発
明に用いる静止型ミキサーは、配管内部に捻り羽根(図
2)又は折り返し羽根(図3)を有したもので、内部に
流体が通ることで流体が繰り返し分割・混合されるもの
である。更に配管外部がジャッケト式の二重管構造とな
っており、ここに加熱媒体を流しうる構造のものとする
ことが好ましい。静止型ミキサーの型式は特に限定する
のではないが、混合効果からは静止型ミキサーの羽根は
2段以上が好ましい。更に好ましくは4段以上である。
【0009】反応器下部より取り出された初期付加縮合
物は定量ポンプ等でこの静止型ミキサーに供給し、加熱
昇温し及び/又は水蒸気を供給する。この時初期縮合物
は予め反応器により脱水されたものでも何ら問題はな
く、低分子量域まで除去する場合はその方が好ましい。
初期縮合物と水蒸気の比率はフェノール類と水との共沸
混合物生成に充分量であれば特に限定するものではな
く、脱水のみまたは未反応モノマーの一般的レベル(例
えば5%程度)までの除去では加熱昇温だけでも良い
が、初期付加縮合物を1としたとき0.1〜2程度が設
備コスト上および除去効率上好ましい。しかし他の条件
が許せば水蒸気量を増やせば除去効率が上がることは一
般的な水蒸気蒸留と同じであるが、充分共沸混合物を生
成した後はその効果は次第に減少し必要以上に水蒸気量
を増やすことは得策ではない。
【0010】またこの時、静止型ミキサーのジャケット
部に加熱媒体を通すことにより液温を短時間に上昇させ
る。これは静止型ミキサーが配管壁面との接触が良く、
総括伝熱係数として通常二重管の5〜20倍とすること
ができるためである。また、水蒸気を使用した場合更に
水蒸気と初期縮合物が気液混合状態となって高分子量の
樹脂においても見掛け粘度が低下し、加熱壁面における
境膜抵抗を下げる効果も相乗的に働く。この時の昇温幅
は特に規定するものではないが、熱可塑性のノボラック
では大きくし、熱硬化性のレゾールでは幾分少な目にす
るのがよく、10〜100℃程度が好ましい。
【0011】この後、このようにして得られたフェノー
ル樹脂を減圧状態とした第2反応器上部に取り付けられ
た円錐型分離羽根上に供給する。本発明に使用する円錐
型分離羽根の例を図4、図5に示す。円錐の開口方向は
上方、下方いずれでも良いが、好ましくは処理液が高粘
度の場合は図4のような下方開口式、低粘度の場合図5
のような上方開口式である。 この円錐型分離羽根の形
状は底辺直径(R)に対し高さ(H)の比(H/R)
が、0.1〜0.5であることが薄膜を形成する上で好
ましい。0.1以下では上方開口、下方開口とも供給樹
脂の羽根上での跳ね返りが多くなり、分配羽根上での薄
膜形成が出来にくく粒子も大きくなり、蒸発面積の拡大
にはつながらない。0.5以上では円錐面上の接触時間
が長くなり、微粒子で樹脂を充分降り飛ばすことが困難
になる。
【0012】また分配羽根上に取り付けた邪魔板は、フ
ェノール樹脂のような粘性を持ったものには粒子径コン
トロールおよび均一薄膜形成上好ましいものであり、邪
魔板がないと分配羽根上での抵抗が大きくなり、大きな
粒子にならないと分配羽根より反応器伝熱面への振り飛
ばしがうまくゆかないので、好ましくない。邪魔板の本
数は回転のためのバランス上そして効率上、2本以上を
円錐中心部より樹脂接触面に等間隔に放射状に付けるの
が良く、更に好ましくは4本以上である。分配羽根の取
り付け及び回転数は特に限定するものではなく、攪拌軸
上部に取り付けてもよく、攪拌軸と別駆動としても何ら
問題はない。また回転数も特に限定はしないが、処理さ
れるフェノール樹脂の粘度が高ければ回転数も早い方が
好ましく、この場合は攪拌軸と別駆動とした方がコント
ロールしやすい。
【0013】分配羽根への供給位置としては特に限定す
るものではないが、中心部付近が均一粒径形成及び伝熱
面での均一な薄膜を形成する上から好ましい。第2反応
器の減圧度は除去される物質の種類により異なるが、未
反応フェノールの除去であれば300Torr以下で充
分である。第2反応器入口でのフラッシュで取りきれな
かった未反応モノマー及び/又は低分子領域は分配羽根
による微粒子化及び伝熱面へ降り飛ばされることによっ
て形成される薄膜により蒸発面積が増大し更に蒸発除去
が促進され目的としたフェノール樹脂を得る。
【0014】さらに本発明を図1により詳説するが、か
かる説明により本発明が限定されるものではない。図1
は静止型ミキサーを用いた設備及びフローを示す概略図
である。フェノール類とアルデヒド類を触媒下において
第1反応器(1)で反応し、初期縮合物を得る。必要に
よりここで初期脱水を行い、定量ポンプ(2)により静
止型ミキサー(4)へ初期縮合物を供給する。水蒸気を
混合する場合は同時に水蒸気供給設備(3)より、所定
の水蒸気を定量的に静止型ミキサー(4)へ供給する。
この静止型ミキサー(4)内で規則的に混合している間
に共沸混合物の生成を行い更に加熱ジャケット(5)に
加熱媒体(例えば加熱オイルや水蒸気)を流し、初期縮
合物を加熱昇温させる。ついで初期縮合物と水蒸気の混
合物を、真空ポンプ(12)にて減圧状態とした第2反
応器(7)の攪拌軸上部に取り付けた分配羽根(8)の
中心部に添加ノズル(6)から供給し、水分、共沸混合
物、未反応モノマー及び低分子領域をフラッシュさせ
る。樹脂分は更に分配羽根(8)上で薄膜形成され、遠
心力により微粒子状に降り飛ばされ第2反応器の伝熱面
(9)で薄膜形成し、前記物質の蒸発を促進しながら、
第2反応器内に溜まってゆく。この後は公知の冷却固化
装置等を用い固形化するか、溶媒等で希釈し、さらには
添加剤等を混合し目的とするフェノール樹脂を得る。フ
ラッシュ及び薄膜蒸発により蒸発させたものは熱交換器
(10)にて凝縮後、ドレンタンク(11)に除去され
る。
【0015】
【実施例】以下本発明を実施例及び比較例を用いて具体
的に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例等によ
って限定されるものではない。なお、文中に記載されて
いる「%」は、全て重量%を示す。
【0016】《実施例1》フェノール40.0Kg、3
7%ホルマリン27.1Kg、シュウ酸0.4Kgを熱
交換器、加熱装置及び攪拌装置を有した容量100Lの
第1反応器で100℃で2時間付加縮合反応を行い、常
圧にて液温が120℃となるまで脱水した。その後ギア
式定量ポンプにて、内部に12段の折り返し羽根を有し
た静止型ミキサーに1.0Kg/分の量で供給し、同時
に0.6Kg/分の水蒸気も供給し混合させた。静止型
ミキサーの加熱ジャケットには250℃の加熱オイルを
流し、処理液温度を50℃昇温させた後、図4の底面直
径(R)と高さ(H)の比(H/R)が0.29で邪魔
板4枚の分配羽根を付けた第2反応器に供給した。分配
羽根の直径は25mm、回転数は100rpmである。
この時一度窒素ガスにて置換後60Torrに減圧し
た。第2反応器の加熱は200℃とし脱水及び未反応フ
ェノールの除去を行った。この工程に要した時間は62
分間であった。この後エチレンビスアマイド1Kgを添
加混合後冷却バットに広げ固形のノボラック型フェノー
ル樹脂36.0Kgを得た。得られた樹脂は、重量平均
分子量3300、未反応フェノール0.01%、水分
0.1%であった。なお、重量平均分子量の測定と低分
子領域の定量は高速液体クロマトグラフィー法、未反応
フェノールの定量はキャピラリーガスクロマトグラフィ
ー法、水分の定量はカールフィッシャー試薬滴定法にて
行った。以下の実施例、比較例においても同様の方法を
実施した。
【0017】《実施例2》静止型ミキサーの羽根を16
段、初期縮合物供給量0.5Kg/分、第2反応器の減
圧度10Torr、第2反応器の加熱を250℃とした
以外は、実施例1と同じ方法で固形のノボラック型フェ
ノール樹脂33Kgを得た。処理所要時間は120分間
であった。得られた樹脂は重量平均分子量3500、未
反応フェノールは検出範囲未満、水分0.1%以下、低
分子領域であるジヒドロキジフェニルメタン0.7%で
あった。
【0018】《実施例3》フェノール30.0Kg、3
7%ホルマリン25.5Kg、28%アンモニア水1.
2Kgを実施例1と同じ第1反応器で80℃で45分間
反応させた後、50℃まで冷却し上部の分離した水を除
去し初期縮合物を得た。この後処理終了まで反応器は5
0℃を越えないよう温度調整をして、実施例1で使用し
たのと同じ静止型ミキサーに2Kg/分の量供給し、同
時に2.2Kg/分の水蒸気も供給し混合させた。この
時加熱ジャケットは105℃とした。この後実施例1で
使用したものと同じ分配羽根を有する第2反応器に供給
した。第2反応器には予めエチレングリコール35Kg
が入れられ減圧度100Torrとされていて、この中
へ未反応フェノールの除去を行いながら溶解させた。こ
の時第2反応器の液温が60℃を越えないように加熱調
整し、液状のレゾール型フェノール樹脂70.0Kgを
得た。処理所要時間は45分間であった。得られた樹脂
は重量平均分子量12500、未反応フェノール0.8
%、水分0.3%であった。
【0019】《実施例4》フェノール15Kg、ビスフ
ェノールA15.0Kg、37%ホルマリン12.3K
g、シュウ酸0.4Kgとした以外は、全て実施例1と
同様の方法でノボラック型フェノール樹脂30.0Kg
を得た。得られた樹脂は重量平均分子量4100、未反
応フェノール0.02%、水分0.2%。処理所要時間
は45分間であった。
【0020】《実施例5》水蒸気を吹き込まない事と第
2反応器の減圧度を5Torrとした以外は、実施例2
と同様の方法で固形のノボラック型フェノール樹脂35
Kgを得た。処理所要時間は120分間であった。得ら
れた樹脂は重量平均分子量3300、未反応フェノール
0.02%、水分0.2%であった。
【0021】《比較例1》実施例1と同じ初期縮合反応
を行い、更にこの樹脂を減圧度60Torrで温度18
0℃となるまで加熱しながら脱水したところ210分間
を要した。この時点の重量平均分子量は3200、未反
応フェノールは4.5%、水分0.5%であった。
【0022】《比較例2》静止型ミキサーの使用と水蒸
気の混合を行わないこと以外は実施例1と同様の方法で
ノボラック型フェノール樹脂を得た。得られた樹脂は重
量平均分子量3200、未反応フェノールは0.8%、
水分0.5%である。
【0023】《比較例3》分配羽根を外した以外は、実
施例1と同様の方法でノボラック型フェノール樹脂を得
た。得られた樹脂は、重量平均分子量3100、未反応
フェノール0.5%、水分0.3%であった。
【0024】これらの実施例及び比較例の結果から明ら
かなように、本発明による方法で製造されたフェノール
樹脂は、任意の分子量において短時間で未反応モノマー
及び低分子領域を短時間で効率よく除去することができ
ることが判る。
【0025】
【発明の効果】本発明の方法に従うと、水蒸気と樹脂の
混合が充分に行われ、且つ高温処理部が短時間であるこ
とから、熱可塑性のノボラックはもとより、熱硬化性の
レゾールにおいても、未反応モノマー更には低分子領域
の極めて少ない樹脂を、効率的に得ることが出来、また
従来の欠陥である設置面積の問題や除去過程における分
子量変化の問題もなく、更には消費される水蒸気も少な
いことより、工業的なフェノール樹脂の製造方法として
好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の設備及びフローを示す概略図。
【図2】 配管内部に捻り羽根を有した静止型ミキサー
の羽根の斜視図。
【図3】 配管内部に折り返し羽根を有した静止型ミキ
サーの羽根の斜視図。
【図4】 本発明に使用する下方開口型円錐分配羽根の
一例の斜視図。
【図5】 本発明に使用する上方開口型円錐分配羽根の
一例の斜視図。
【符号の説明】
1 第1反応器 2 定量ポンプ 3 水蒸気供給装置 4 静止型ミキサー 5 加熱ジャケット 6 混合液添加ノズル 7 第2反応器 8 円錐型分配羽根 9 第2反応器伝熱の表面 10 熱交換機 11 ドレンタンク 12 真空ポンプ 13 邪魔板 14 円錐型分配羽根の表面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノールと類アルデヒド類を触媒下
    にて第1反応器で反応し初期縮合物を得た後、減圧にし
    た第2反応器にて脱水、未反応モノマー及び低分子領域
    の除去を行うに際して、加熱ジャケットを有した静止型
    ミキサーによる水蒸気との混合及び/又は加熱昇温を行
    い、第2反応器の上部に取り付けた回転する円錐型分配
    羽根上に供給し、遠心力にて拡散させると共に反応器壁
    の伝熱面に薄膜形成を行うことを特徴とするフェノール
    樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 円錐型分配羽根の底面直径(R)と高さ
    (H)の比H/Rが0.1〜0.5である請求項1記載
    のフェノール樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 円錐型分配羽根がその中心から放射状に
    均等配分した2本以上の邪魔板を有する請求項1又は2
    記載のフェノール樹脂の製造方法。
JP6827896A 1996-03-25 1996-03-25 フェノール樹脂の製造方法 Pending JPH09255745A (ja)

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