JPH09124742A - 不織布用バインダー - Google Patents

不織布用バインダー

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JPH09124742A
JPH09124742A JP25175296A JP25175296A JPH09124742A JP H09124742 A JPH09124742 A JP H09124742A JP 25175296 A JP25175296 A JP 25175296A JP 25175296 A JP25175296 A JP 25175296A JP H09124742 A JPH09124742 A JP H09124742A
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ethylene
vinyl acetate
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Toshio Mihara
敏夫 三原
Katsuichi Yokobori
勝一 横堀
Toshiaki Kasai
俊明 河西
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遊離ホルムアルデヒドの発生量が少ない不織
布用バインダーの開発。 【解決手段】 アクリルアミド含有量が1〜10重量%
でけん化度85モル%以上のアクリルアミド変成ポリビ
ニルアルコールを1〜5重量部、およびその組成がエチ
レン5〜30重量%、N−メチロールアクリルアミドお
よび/またはN−メチロールメタクリルアミドよりなる
N−メチロール化合物0.5〜10重量%および酢酸ビ
ニル60〜94.5重量%であるN−メチロール化合物
−エチレン−酢酸ビニル共重合体が100重量部よりな
る不織布用バインダー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、不織布の製造に用
いられる、自己架橋性バインダーに関する。
【0002】
【従来の技術】不織布等の繊維製品の製造に、エチレ
ン、酢酸ビニル、N−メチロール化合物を乳化共重合し
て得られる自己架橋性共重合体をバインダーとして使用
することは公知である。
【0003】しかしながら、上記架橋剤は架橋反応の際
に遊離ホルムアルデヒドを発生し、特に不織布を衣料材
料として使用する場合は安全上好ましくない。これまで
ホルムアルデヒド対策としてアクリルアミドを共重合す
る方法(特開昭59−187658号公報)が提案され
ているが、その効果は十分でなかった。また補集剤を併
用する方法(特公昭59−30824号公報)も提案さ
れているが、ジシアンジアミド、尿素、グアニジン塩等
を使用するため、その用途に制限があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は遊離ホ
ルムアルデヒドの発生量が少ない不織布用バインダーの
開発にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、不織布用
バインダーに係る問題点を解決すべく鋭意検討を重ねた
結果、アクリルアミド変成ポリビニルアルコールを保護
コロイドとして使用すると遊離ホルムアルデヒドの発生
量が低くなることを見出し本発明を完成した。
【0006】即ち本発明のアクリルアミド含有量が1〜
10重量% でけん化度85モル%以上のアクリルアミド
変成ポリビニルアルコールを1〜5重量部、およびその
組成がエチレン5〜30重量%、N−メチロールアクリ
ルアミドおよび/またはN−メチロールメタクリルアミ
ドよりなるN−メチロール化合物0.5〜10重量%お
よび酢酸ビニル60〜94.5重量%であるN−メチロ
ール化合物−エチレン−酢酸ビニル共重合体が100重
量部よりなる不織布用バインダーによれば遊離ホルムア
ルデヒドの発生量を大きく低減することができる。
【0007】本発明の不織布用バインダーに使用される
自己架橋性共重合体であるN−メチロール化合物−エチ
レン−酢酸ビニル共重合体のエチレン含量は5〜30重
量%である。エチレン含量が5重量%未満では柔軟性が
不足し、不織布製品に適度な風合いが得られない。一方
30%を越すと、不織布製品の強度が低下する。
【0008】N−メチロールアクリルアミドおよび/ま
たはN−メチロールメタアクリルアミドよりなるN−メ
チロール化合物の含量は0.5〜10重量%である。
0.5重量%未満では、不織布製品の十分な強度が得ら
れず、一方10重量%を越すと遊離ホルムアルデヒド発
生量が多くなる。
【0009】保護コロイドとしてのアクリルアミド変成
ポリビニルアルコールの使用量は1〜5重量%(対共重
合体固形分)が好ましい。1重量%未満ではホルムアル
デヒド発生効果が十分でなく、一方5重量%を越すと自
己架橋性共重合体の粘度上昇が著しい。
【0010】上記のアクリルアミド変成ポリビニルアル
コール中のアクリルアミド含有量は1〜10重量%であ
る。1重量%未満ではホルムアルデヒド発生抑制効果が
十分でなく、一方10重量%を越すと保護コロイド性が
良くない。またけん化度は85モル%以上である。85
モル%未満では保護コロイド性が悪い。本アクリルアミ
ド変成ポリビニルアルコールは、乳化重合で一般的に用
いられる保護コロイド(例、ヒドロキシエチルセルロー
ス、メチルセルロース等)、非イオン性界面活性剤
(例、ポリオキシエチレン縮合体等)およびアニオン性
界面活性剤(例、アルキルベンゼンスルホン酸塩等)の
一種以上との併用も可能である。
【0011】アクリルアミド変成ポリビニルアルコール
は、市販品を入手することもまた公知の方法により製造
することも可能である。たとえば、酢酸ビニルおよびア
クリルアミドをアゾビスイソブチロニトリル等を開始剤
として共重合せしめて酢酸ビニル−アクリルアミド共重
合体を得るか、この際任意量のアクリルアミドをメタノ
ールに溶解し、重合中連続的に添加し均一に共重合せし
める。得られたポリ酢酸ビニル−アクリルアミド共重合
物のメタノール溶液中の未反応モノマーを除去後、アク
リルアミドをけん化しない程度のアルカリを加え加アル
コール分解によりアクリルアミド変成ポリビニルアルコ
ールを得ることができる。
【0012】乳化重合方法は公知の方法を使用すること
が出来る。重合条件に特に制限はないが、一般的には重
合温度20〜80℃、重合圧力10〜90kg/cm2
が利用される。
【0013】以上の方法で得られた自己架橋性共重合体
の不織布用バインダーを使用して不織布を製造するに
は、湿式および乾式等の方法によって得られた未結合あ
るいは予備結合されたウエツブを上記バインダー中に浸
漬するか、または上記バインダーをスプレー等の方法に
よって付着させ、乾燥、熱処理する。
【0014】上記バインダーには、必要に応じて消泡剤
・顔料・溌水剤・起泡剤・分散剤を添加することがで
き、またSBR等の公知のバインダーとの併用も可能で
ある。
【0015】熱処理は100〜200℃、好ましくは1
30〜160℃の温度で1〜15分の処理が好ましく、
必要に応じて架橋助剤を併用してもよい。架橋助剤は鉱
酸類、有機酸類、酸塩類が使用され、具体的には塩化ア
ンモニウム、塩化マグネシウム、硝酸アンモニウム、無
水マレイン酸、アルカノールアミン等が使用される。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、遊離ホルムアルデヒド
量の低い不織布用バインダーを得ることができる。
【0017】
【実施例】以下実施例で具体的に説明する。 実施例1 不織布用バインダーの製造例 内容積10リットルのステンレス製電磁攪拌機付オート
クレーブに純水2650グラム、酢酸ビニル2850グ
ラム、プルロニックF−88、F−68、L−64(旭
電化工業社製のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピ
レンブロック共重合体)各30グラム、ハイドロキシエ
チルセルロース(フジ化学工業社製)45グラム、ハイ
テノールN−17(第一工業製薬社製ポリオキシアルキ
ル(又はアリル)サルフェートのアンモニウム塩)2
2.5グラム、アクリルアミド変成ポリビニルアルコー
ル(アクリルアミド含有量5重量%、けん化度90モル
%)90グラム、酢酸ソーダ12グラムを仕込んだ。
【0018】内温を70℃まで上げてエチレンを50k
g/cm2になるまで導入した。過硫酸アンモニウム
0.6グラムを添加し重合を開始した。内温はジャケッ
トの温度を調整して一定に保った。N−メチロールアク
リルアミド(150グラム)を350ミリリットルの水
に溶解し、重合開始時より6時間にわたって連続的に分
添した。10時間の後、冷却し内容物を取り出した。内
容物は粗粒の少ない安定なエマルジョンで固形分51.
6重量%、粘度2120cpsで、そのポリマー組成は
酢酸ビニルユニット76重量%、エチレンユニット19
重量%、N−メチロールアクリルアミドユニット5重量
%であった。
【0019】純水及び酢酸ビニルの仕込み量が各々24
40グラム、2760グラム、保護コロイドとしてアク
リルアミド変成ポリビニルアルコールを使用せず、N−
メチロールアクリルアミド150グラムおよびアクリル
アミド90グラムを560ミリリットルの水に溶解し、
重合開始時より6時間にわたって連続的に分添した以外
は、実施例1と同様に重合した。
【0020】10時間の後、冷却し内容物を取り出した
ところ、粗粒の少ない安定なエマルジョンであり、固形
分50.5重量%、粘度2800cpsで、そのポリマ
ー組成は酢酸ビニルユニット74重量%、エチレンユニ
ット18重量%、アクリルアミドユニット3重量%、N
−メチロールアクリルアミドユニット5重量%であっ
た。
【0021】実施例2 実施例1の方法で作成したバインダーを、東洋ろ紙No
2(120グラム/m2)に含浸率25重量%になるよ
う含浸し、風乾後140℃、5分の熱処理を行った。こ
の含浸紙の性能を表に示す。
【0022】実施例3、4および比較例2、3 N−メチロールアクリルアミド量を変えた他は実施例1
と同様の方法で作成した表の組成のバインダーを評価し
た。
【0023】実施例5、6、7 N−メチロールアクリルアミドの代わりに、N−メチロ
ールメタアクリルアミドを使用した他は各々実施例2、
3、4と同様に製造し評価した。
【0024】実施例8、9、10 アクリルアミド含有量9重量%、けん化度95モル%の
アクリルアミド変成ポリビニルアルコールを用いた他は
各々実施例2、3、4と同様に製造し評価した。
【0025】実施例11、12 実施例2及び実施例5でそれぞれ使用したバインダーと
同一のバインダーをレーヨン100%のウエブ(目付量
100グラム/m2)に含浸率35重量%になるように
含浸し、風乾後140℃で5分熱処理した。
【0026】比較例4、5 エチレン圧を変えてエチレン含量を変えた他は、実施例
1と同様の方法で作成した表の組成のバインダーを評価
した。
【0027】比較例6、7 アクリルアミド変成ポリビニルアルコール使用量を変え
たほかは、実施例1と同様の方法で作成した表の組成の
バインダーを評価した。
【0028】比較例8 比較例1の方法で作成したバインダーを、実施例2と同
様の方法で評価した。
【0029】比較例9 N−メチロールアクリルアミド量を変えたほかは、比較
例1と同様の方法で作成したバインダーを評価した。
【0030】
【表1】
【0031】測定方法 (1) 乾燥時引張強度 含浸紙を15×150cmの大きさに切り、島津製作所製
引張試験機IS−500を用いて引張速度200mm/
分、チャック間距離100mmで測定。 (2) 湿潤時引張強度 含浸紙を20℃の水に2時間浸漬後、(1) と同様の方法
で強度を測定した。 (3) 風合い ハンドリングテストによって測定した。試験片がほとん
ど抵抗なく曲げられる場合を「良」とした。 (4) 遊離ホルムアルデヒド量 厚生省令第34号に基づきホルムアルデヒド量を定量し
た(検出限界0.1ppm)。 (5) バインダーの状態 バインダーをビーカーに100グラムとり、ガラス棒で
攪拌して状態を観察した。抵抗がほとんどなく攪拌でき
る場合を「良」、やや抵抗のある場合を「やや増粘」、
抵抗の大きい場合ほ「増粘大」とした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 210:02)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリルアミド含有量が1〜10重量%
    でけん化度85モル%以上のアクリルアミド変成ポリビ
    ニルアルコールを1〜5重量部、およびその組成がエチ
    レン5〜30重量%、N−メチロールアクリルアミドお
    よび/またはN−メチロールメタクリルアミドよりなる
    N−メチロール化合物0.5〜10重量%および酢酸ビ
    ニル60〜94.5重量%であるN−メチロール化合物
    −エチレン−酢酸ビニル共重合体が100重量部よりな
    る不織布用バインダー。
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