JPH09124663A - 含フッ素有機ケイ素化合物 - Google Patents

含フッ素有機ケイ素化合物

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JPH09124663A
JPH09124663A JP7282005A JP28200595A JPH09124663A JP H09124663 A JPH09124663 A JP H09124663A JP 7282005 A JP7282005 A JP 7282005A JP 28200595 A JP28200595 A JP 28200595A JP H09124663 A JPH09124663 A JP H09124663A
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隆典 青木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、水を希釈剤として用いることが困難で
あった、防汚剤、撥水剤、撥油剤、または離型剤として
優れた効果を示す、新規な含フッ素有機ケイ素化合物。 【解決手段】 一般式CF3-CH2-O-CH2-CH2-CH2-Si(OR)3
(式中、Rは、メチル基、エチル基を示す)で示され
る、防汚剤、撥水剤、撥油剤、または離型剤として優れ
た効果を示す、新規な含フッ素有機ケイ素化合物の提
供。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な含フッ素有
機ケイ素化合物に関する。さらに、該化合物および/ま
たはその加水分解物を含有することを特徴とする防汚
剤、撥水剤、撥油剤、または離型剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、含フッ素有機ケイ素化合物、特に
末端パーフルオロアルキルケイ素化合物は、防汚剤、撥
水剤、撥油剤、または離型剤として広く利用されてい
る。末端パーフルオロアルキルケイ素化合物の具体例と
しては、CF3CH2CH2Si(OCH3)3(東芝シリコーン社製:商
品名;XC95−418)、CF3(CF2)5(CH2)2Si(OCH3)3
(東芝シリコーン社製:商品名;XC95−468)、
CF3(CF2)7(CH2)2Si(OCH3)3 (東芝シリコーン社製:商
品名;XC95−470)、CF3(CF2)7(CH2)2SiCH3(OCH
3)2(東芝シリコーン社製:商品名;XC95−47
2)等があげられる。これらの末端パーフルオロアルキ
ルケイ素化合物を、防汚剤、撥水剤、撥油剤、または離
型剤として利用する際には、一般に有機溶剤を希釈剤と
して使用している。希釈剤として用いられる有機溶剤と
しては、各種ハロゲン化炭化水素、アルコール類、エー
テル類、ケトン類等があり、具体的には、メタノール、
エタノール、プロパノール、ブタノール、クロロホル
ム、ヘキサン、塩化メチレン、イソプロピルエーテル等
があげられる。
【0003】だが、これらの有機溶剤を希釈剤として使
用することは、環境および衛生的な問題において好まし
くない。そこで、できるだけ有機溶剤の使用量を軽減
し、水を希釈剤として使用できる防汚剤、撥水剤、撥油
剤、または離型剤として有効な末端パーフルオロアルキ
ルケイ素化合物が求められている。しかしながら、上記
末端パーフルオロアルキルケイ素化合物等は、水を希釈
剤として使用すると均一に分散されず、有機材料および
無機材料に塗布する段階において、均一に塗布すること
ができないという問題点が生じてくる。その結果、防汚
性、撥水性、撥油性、または離型性の効果が低くなると
いう問題が生じてくる。
【0004】また、本発明に最も近いと考えられる含フ
ッ素有機ケイ素化合物の先行技術として、特開平3−1
06888、及びザ ジャーナル オブ オルガニック
ケミストリー(The Journal of Organic Chemistry)、
26巻、2943−2947ページ、1961年があげ
られる。しかし、前者においては、CH3Si(Cl2)CH2CH2CH
2OCF2CF2CF2H 、CH3Si(Cl2)CH(CH3)CH2OCF2CF2CF2H 、C
H3Si(Cl2)CH2CH2CH2OCF2CF2H、CH3Si(Cl2)CH(CH3)CH2OC
F2CF2Hの、4種の化合物が開示されているにすぎない。
また、後者ではCF3CH2O(CH2)3Si(CH3)Cl2 を開示してい
る。これらの含フッ素有機ケイ素化合物は、防汚剤、撥
水剤、撥油剤、または離型剤等に使用する際に、水を希
釈剤として使用すると、Si-Cl 結合の加水分解により塩
酸が発生し、基材である有機材料および無機材料を腐食
するという問題が生じてくる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、新規な含フ
ッ素有機ケイ素化合物を提供すること、さらに詳しく
は、防汚剤、撥水剤、撥油剤、または離型剤の成分とし
て使用する際に、水を希釈剤として使用することが可能
な、新規な含フッ素有機ケイ素化合物を提供することを
目的とする。また、該含フッ素有機ケイ素化合物および
/またはその加水分解物を必須成分とする防汚剤、撥水
剤、撥油剤、または離型剤を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、防汚剤、撥
水剤、撥油剤、または離型剤として有用であり、かつ水
を希釈剤として用いることが可能な新規な含フッ素有機
ケイ素化合物を見いだし、本発明を完成させた。
【0007】すなわち、本発明によると、一般式(1)
で表される、新規な含フッ素有機ケイ素化合物の提供で
ある。 一般式(1); CF3-CH2-O-CH2-CH2-CH2-Si(OR)3 (式中、R は、メチル基、またはエチル基を示す)
【0008】さらに、本発明によると、一般式(1)の
含フッ素有機ケイ素化合物および/またはその加水分解
物を含有することを特徴とする防汚剤、撥水剤、撥油
剤、または離型剤の提供である。
【0009】本発明にかかる一般式(1)の含フッ素有
機ケイ素化合物は、文献未記載の新規化合物であり、具
体的には、CF3-CH2-O-CH2-CH2-CH2-Si(OCH3)3 、CF3-CH
2-O-CH2-CH2-CH2-Si(OC2H5)3である。
【0010】本発明にかかる含フッ素有機ケイ素化合物
および/またはその加水分解物を含有する組成物は、有
機材料、無機材料の防汚性、撥水性、撥油性、または離
型性を向上させ、水を希釈剤としても、その効果が高い
ものである。
【0011】本発明にかかる含フッ素有機ケイ素化合物
は、例えば、2,2,2−トリフルオロエチルアリルエ
ーテルと相当するトリアルコキシシランとを、周期表第
VIII族に属する金属、または、これを含む化合物の存在
下で、ヒドロシリル化反応させることにより合成するこ
とができる。
【0012】なお、該反応において出発原料として使用
する2,2,2−トリフルオロエチルアリルエーテル
は、例えば、2,2,2−トリフルオロエタノールを、
ナトリウム、あるいは水素化ナトリウム存在下で反応さ
せた後、アリルクロライドと反応させることにより得ら
れる。これは、文献により公知であり、例えば、ザ ジ
ャーナル オブ オルガニックケミストリー(The Jour
nal of Organic Chemistry)、26巻、2943−29
47ページ、1961年に記載されている。上記の相当
するトリアルコキシシランとしては、トリメトキシシラ
ン、トリエトキシシランが挙げられる。
【0013】また、ヒドロシリル化に用いる周期表第VI
II族に属する金属およびその化合物としては、Ni、P
d、Pt、Co、Fe、Rh、Ru等があげられ、特に
Ptの化合物が有用である。
【0014】本発明の含フッ素有機ケイ素化合物の加水
分解物は、当該含フッ素有機ケイ素化合物またはそれを
含有する組成物に水を添加することによって容易に得る
ことができる。また、水を添加しなくても、空気中の水
分によっても、加水分解をうける。また、加水分解速度
を促進するために塩酸、酢酸、燐酸、硝酸、硫酸、スル
ホン酸等の酸性化合物を添加してもよい。
【0015】本発明における防汚剤とは、有機材料、無
機材料に適用することにより、その表面に汚れが付着し
にくくする、あるいは付着しても洗浄によって容易に除
去することができる作用、例えば、日本化学会編 標準
化学用語辞典(平成3年3月30日発行)「防汚加工」
の項に記載されている作用を与えることを目的として使
用されるものを言う。
【0016】また、本発明における撥水剤とは、有機材
料、無機材料に適用することにより、その表面が水をは
じくことができる作用、例えば、日本化学会編 標準化
学用語辞典(平成3年3月30日発行)「はっ水加工」
の項に記載されている作用を与えることを目的として使
用されるものを言う。
【0017】また、本発明における撥油剤とは、有機材
料、無機材料に適用することにより、その表面が油分を
はじくことができる作用、例えば、日本化学会編 標準
化学用語辞典(平成3年3月30日発行)「はつ油加
工」の項に記載されている作用を与えることを目的とし
て使用されるものを言う。
【0018】さらに、本発明における離型剤とは、成形
品や積層品等を金型や鏡板を用いて成形するに当たり、
樹脂が金属表面に付着せず、かつその表面を美しく仕上
げることを目的として使用されるもの、例えば、日本化
学会編 標準化学用語辞典(平成3年3月30日発行)
「離型剤」の項に記載されているものを言う。
【0019】本発明の防汚剤、撥水剤、撥油剤、または
離型剤は、一般式(1)の含フッ素有機ケイ素化合物お
よび/またはその加水分解物を必須成分として含有し、
希釈剤で希釈することにより得ることができる。また、
目的に応じて、他の化合物、添加物等を添加する事も可
能である。
【0020】本発明の防汚剤、撥水剤、撥油剤、または
離型剤における、一般式(1)で表される含フッ素有機
ケイ素化合物、および/またはその加水分解物の含有率
は、特に制限はしないが、0.001〜100重量%、
好ましくは0.01〜50重量%、より好ましくは0.
05〜30重量%である。あまりに少量では、防汚剤、
撥水剤、撥油剤、または離型剤として十分な効果を発揮
することが出来ない。また、多量に用いすぎることは経
済観点上好ましくない。
【0021】また、前記希釈剤の含有率は、特に制限は
しないが、0〜99.999重量%、好ましくは50〜
99.99重量%、より好ましくは70〜99.95重
量%である。また、前記他の化合物、添加物等の含有率
は、特に制限はしない。
【0022】本発明の含フッ素有機ケイ素化合物および
/またはその加水分解物を含有する組成物は、防汚剤、
撥水剤、撥油剤、または離型剤として優れた効果を示
す。これは、当該含フッ素有機ケイ素化合物の分子の末
端に、トリフルオロメチル基を有しているためで、C−
F間の強い結合エネルギーとC−F結合の分極率が小さ
いことによる表面エネルギーの低下に由来する。その結
果、本発明の含フッ素有機ケイ素化合物および/または
その加水分解物を含有する組成物は、有機材料または無
機材料に塗布することにより、高い防汚性、撥水性、撥
油性、または離型性を示すようになる。
【0023】本発明の含フッ素有機ケイ素化合物および
/またはその加水分解物は、各種有機溶剤を希釈剤とし
て用いることが出来ることは言うまでもなく、さらに水
を希釈剤として使用しても、非常に優れた防汚効果、撥
水効果、撥油効果および離型効果を示すものである。こ
れは、本発明の含フッ素有機ケイ素化合物の水に対する
分散性が非常に高く、有機材料または無機材料に塗布す
る際に、均一に塗布することが可能であるからだと考え
る。以上のように、本発明の含フッ素有機ケイ素化合物
および/またはその加水分解物は、希釈剤として水を使
用できることから、従来、希釈剤として使用していた有
機溶剤の量を低減することが可能となる。その結果とし
て、環境および衛生的な面において好ましい防汚剤、撥
水剤、撥油剤、または離型剤として使用できる。
【0024】希釈剤としの有機溶剤の具体例としては、
ハロゲン化炭化水素類、アルコール類、エーテル類、ケ
トン類、エステル類等である。希釈剤としての有機溶媒
は、1種に限定されることなく、相溶性を有する2種以
上を併用することもできる。さらに、水を希釈剤とする
ことも可能である。この場合には、水のみを希釈剤とし
て使用することも可能であるし、水と上記有機溶媒から
選ばれる1種以上の有機溶媒との混合物も、希釈剤とし
て使用することができる。水を希釈剤として添加するこ
とにより、同時に当該含フッ素有機ケイ素化合物は加水
分解をうける。
【0025】本発明の含フッ素有機ケイ素化合物および
/またはその加水分解物を含む組成物を防汚剤、撥水
剤、撥油剤、または離型剤として使用する際には、目的
に応じて他の化合物、添加物等を添加することができ
る。これらの添加によって、上記含フッ素有機ケイ素化
合物および/またはその加水分解物を含む組成物の適用
範囲を拡大することが可能となる。かかる他の化合物、
添加剤としては、上記含フッ素有機ケイ素化合物および
/またはその加水分解物が、有機材料、または無機材料
に塗布され、その塗膜を形成する際にその耐久性、特性
の持続性を高めるために好適なものが考えられる。
【0026】具体的には、シリコン化合物およびその部
分加水分解生成物が挙げられる。かかるシリコン化合物
としては、メチルシリケート、エチルシリケート、n−
プロピルシリケート、i−プロピルシリケート等のテト
ラアルコキシシラン類、およびその加水分解物、さらに
はメチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラ
ン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリメトキシラン、γ−アミノプロピ
ルトリエトキシラン、γ−メタクリルオキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリ
エトキシシランなどのトリアルコキシシラン類、および
その加水分解物、およびジメチルジメトキシシラン、フ
ェニルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシ
ラン、フェニルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメ
チルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチ
ルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチル
ジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジ
メトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエ
トキシシランなどのジアルコキシシラン類、およびその
加水分解物等を例示し得る。
【0027】本発明の含フッ素有機ケイ素化合物および
/またはその加水分解物を含有する防汚剤、撥水剤、撥
油剤、または離型剤が適用可能な有機材料としては、例
えば、樹脂、繊維織物、皮革、毛皮、石綿、紙、木等が
ある。また、適用可能な無機材料としては、例えば、セ
ラミックス、セメントを含有するもの、すなわち現在種
々の分野で一般に使用されているコンクリートやセメン
トモルタル、金属およびその酸化物等がある。
【0028】本発明の防汚剤、撥水剤、撥油剤、または
離型剤の塗布方法としては、浸漬法、刷毛塗り法、ロー
ラー塗り法、スプレー法、流し塗り、回転塗り等が適用
できる。
【0029】そして、本発明の有機材料、無機材料の処
理方法としては、塗布した後に、適用する有機材料、無
機材料の耐熱性を考慮して、室温から300℃までの温
度で加熱処理をする方法等があげられる。
【0030】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に
限定されるものではない。
【0031】(実施例1)100mlステンレス製オー
トクレーブ中、2,2,2−トリフルオロエチルアリル
エーテル 28.9g(0.21mol)、トリメトキ
シシラン 22.8g(0.19mol)、および塩化
白金酸のイソプロパノール溶液 34mg(白金として
3.72×10-6mol)を80℃で 5時間加熱反応
を行った。反応終了後、反応液を減圧下で蒸留したとこ
ろ、沸点74℃/5mmHgの含フッ素有機ケイ素化合
物24.4gが得られた。この得られた含フッ素有機ケ
イ素化合物は、その元素分析値、核磁気共鳴スペクトル
値、赤外スペクトル値より、CF3-CH2-O-CH2-CH2-CH2-Si
(OCH3)3 (単離収率49.9%)であることを確認し
た。この、含フッ素有機ケイ素化合物の元素分析値、核
磁気共鳴スペクトル値を以下に示す。また、該化合物の
核磁気共鳴スペクトル曲線を図1に、赤外スペクトル曲
線を図2に示す。 ・元素分析値 C H 計算値(重量%) 36.63 6.53 実測値(重量%) 36.19 6.26 ・核磁気共鳴スペクトル値(溶媒:CDCl3,内部標準:Si(CH34 ) δ値(ppm) 0.58−0.76 (m,2H,Si−C 2 −C−) 1.63−1.81 (m,2H,Si−C−C 2 −C−) 3.57 (s,9H,Si−O−C 3 ) 3.58 (t,2H,Si−C−C−C 2 −) 3.80 (q,2H,−O−C 2 −CF3
【0032】(実施例2)100mlステンレス製オー
トクレーブ中、2,2,2−トリフルオロエチルアリル
エーテル 34.7g(0.25mol)、トリエトキ
シシラン 39.0g(0.24mol)、および塩化
白金酸のイソプロパノール溶液 241mg(白金とし
て2.64×10-5mol)を80℃で5時間加熱反応
を行った。反応終了後、反応液を減圧下で蒸留したとこ
ろ、沸点90℃/4.3mmHgの含フッ素有機ケイ素
化合物38.7gが得られた。この得られた含フッ素有
機ケイ素化合物は、その元素分析値、核磁気共鳴スペク
トル値、赤外スペクトル値より、CF3-CH2-O-CH2-CH2-CH
2-Si(OC2H5)3(単離収率53.6%)であることを確認
した。この、含フッ素有機ケイ素化合物の元素分析値、
核磁気共鳴スペクトル値を以下に示す。また、該化合物
の核磁気共鳴スペクトル曲線を図3に、赤外スペクトル
曲線を図4に示す。 ・元素分析値 C H 計算値(重量%) 43.41 7.62 実測値(重量%) 43.92 7.66 ・核磁気共鳴スペクトル値(溶媒:CDCl3,内部標準:Si(CH34 ) δ値(ppm) 0.56−0.74 (m,2H,Si−C 2 −C−) 1.22 (t,9H,Si−O−C−C 3 ) 1.64−1.82 (m,2H,Si−C−C 2 −C−) 3.58 (t,2H,Si−C−C−C 2 −) 3.81 (q,2H,O−C 2 −CF3 ) 3.82 (q,6H,Si−O−C 2 −C−)
【0033】撥水性効果の評価 (実施例3)CF3-CH2-O-CH2-CH2-CH2-Si(OCH3)3 1重
量%、エタノール 3重量%を含有する水溶液を調製す
る。次に市販の素焼板(7.5×7.5cm、厚さ1.
0cm)を、先ほど調製した水溶液に室温で完全に浸漬
させた。15分後、素焼板を取り出し、100℃で2時
間、真空乾燥した。ここで、まず室温にもどした後、素
焼板の重量を測定した(a g)。次に、素焼板全体を
水に浸漬させた。1時間後、31時間後、50日後に、
素焼板を取り出し、表面に付着した水分を拭い、重量を
測定した(b g)。このときの重量増加(b−a
g)を、水の吸収量とみなし、式(1)に従って、水の
吸収率を算出した。 式(1); 水の吸収率(%)=(b−a)/a ×100 この水の吸収率を撥水効果の指標とし、水の吸収率が小
さいほど撥水効果は高いとする。結果を表1に示す。
【0034】(比較例1)CF3-CH2-O-CH2-CH2-CH2-Si(O
CH3)3 の代わりに撥水剤としてCF3(CF2)5(CH2)2Si(OC
H3)3 (東芝シリコーン社製:商品名;XC95−46
8)を使用した以外は実施例3と同様に素焼板に処理
し、撥水効果の指標である水の吸収率を測定した。結果
を表1に示す。
【0035】(比較例2)CF3-CH2-O-CH2-CH2-CH2-Si(O
CH3)3 の代わりに撥水剤としてCF3(CF2)7(CH2)2Si(OC
H3)3 (東芝シリコーン社製:商品名;XC95−47
0)を使用した以外は実施例3と同様に素焼板に処理
し、撥水効果の指標である水の吸収率を測定した。結果
を表1に示す。
【0036】(比較例3)撥水剤を何も添加せず、実施
例3と同様に素焼板を処理し、撥水効果の指標である水
の吸収率を測定した。結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】(実施例4)まず、普通ポルトランドセメ
ント:川砂利(表乾状態):川砂(表乾状態):水=3
42:801:966:205(重量比)の配合比のコ
ンクリートを混練し、寸法5×5×5cmの成形体を得
た。次にこの成形体をJCI−SE4(温水法(70
℃)によるコンクリートの促進強度試験方法)に準じて
養生したのち、さらに7日間乾燥し(20℃、50〜6
0%R.H.)、養生してコンクリート供試体を得た。
このコンクリート供試体を素焼板の代わりに使用した以
外は、実施例3と同様にCF3-CH2-O-CH2-CH2-CH2-Si(OCH
3)3 をコンクリート供試体に処理し、1時間後、50時
間後、50日後の撥水効果の指標である水の吸収率を実
施例3と同様にして測定した。結果を表2に示す。
【0039】(比較例4)CF3-CH2-O-CH2-CH2-CH2-Si(O
CH3)3 の代わりに撥水剤としてCF3(CF2)5(CH2)2Si(OC
H3)3 (東芝シリコーン社製:商品名;XC95−46
8)を使用した以外は実施例4と同様にコンクリート供
試体に処理し、撥水効果の指標である水の吸収率を測定
した。結果を表2に示す。
【0040】(比較例5)CF3-CH2-O-CH2-CH2-CH2-Si(O
CH3)3 の代わりに撥水剤としてCF3(CF2)7(CH2)2Si(OC
H3)3 (東芝シリコーン社製:商品名;XC95−47
0)を使用した以外は実施例4と同様にコンクリート供
試体に処理し、撥水効果の指標である水の吸収率を測定
した。結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】防汚性効果の評価 (実施例5)CF3-CH2-O-CH2-CH2-CH2-Si(OCH3)3 1重
量%、エタノール 3重量%を含有する水溶液を調製す
る。次にあらかじめ洗浄したガラス板(10cm×10
cm、厚さ5mm)に、上記組成物溶液を塗布し、15
0℃で2時間乾燥させ透明基材を得た。この透明基材を
以下の評価方法に従って評価し、その結果を表3に示
す。指を表面に押しつけて指紋を転写し、これを綿布で
20往復拭き取りその後の外観を観察し、以下の基準で
評価した。 A:完全にきれいに油汚れが拭き取れる。 B:すこし油汚れが残る。 C:かなり油汚れが残る。
【0043】(実施例6)CF3-CH2-O-CH2-CH2-CH2-Si(O
CH3)3 の代わりにCF3-CH2-O-CH2-CH2-CH2-Si(OC2H5)3
を用いた以外は、実施例5と同様に評価を行った。その
結果を表3に示す。
【0044】(比較例6)実施例5にて用いた同様のガ
ラスについて、無処理状態で評価を行った。その結果を
表3に示す。
【0045】
【表3】
【0046】撥油性効果の評価 (実施例7)CF3-CH2-O-CH2-CH2-CH2-Si(OCH3)3 1重
量%、エタノール 3重量%を含有する水溶液を調製す
る。次にあらかじめ洗浄した市販アルミ板(10cm×
10cm、厚さ5mm)に、上記組成物溶液を塗布し、
150℃で2時間乾燥させ基材を得た。この基材のn−
ヘキサデカンの接触角を測定した。結果を表4に示す。
【0047】(実施例8)CF3-CH2-O-CH2-CH2-CH2-Si(O
CH3)3 の代わりにCF3-CH2-O-CH2-CH2-CH2-Si(OC2H5)3
を用いた以外は、実施例7と同様に評価を行った。その
結果を表4に示す。
【0048】(比較例7)実施例7にて用いた同様のア
ルミ板について、無処理状態で評価を行った。その結果
を表4に示す。
【0049】
【表4】
【0050】離型性効果の評価 (実施例9)CF3-CH2-O-CH2-CH2-CH2-Si(OCH3)3 1重
量%、エタノール 3重量%を含有する水溶液を調製す
る。次に市販アルミ板に、上記組成物溶液を塗布し、ジ
ェットドライヤーで100〜150℃で1分間乾燥後、
塩素化ポリエチレン樹脂を170℃、200kg/cm
2 でプレス成形し、そのときの樹脂のアルミ板からの離
型性を確認し、繰り返しプレス成形を行ったところ、1
0回まで良好な離型性を示した。
【0051】(比較例8)実施例9にて用いた同様のア
ルミ板について、無処理状態でその離型性を確認した
が、うまくアルミ板を離すことはできなかった。
【0052】
【発明の効果】本発明により、防汚剤、撥水剤、撥油
剤、または離型剤として優れた効果を示す、新規な含フ
ッ素有機ケイ素化合物が提供された。また、該化合物お
よび/またはその加水分解物を必須成分とする防汚剤、
撥水剤、撥油剤、または離型剤は、水を希釈剤として用
いることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得た含フッ素有機ケイ素化合物CF3-
CH2-O-CH2-CH2-CH2-Si(OCH3)3の核磁気共鳴スペクトル
曲線である。
【図2】実施例1で得た含フッ素有機ケイ素化合物CF3-
CH2-O-CH2-CH2-CH2-Si(OCH3)3の赤外スペクトル曲線で
ある。
【図3】実施例2で得た含フッ素有機ケイ素化合物CF3-
CH2-O-CH2-CH2-CH2-Si(OC2H5)3 の核磁気共鳴スペクト
ル曲線である。
【図4】実施例2で得た含フッ素有機ケイ素化合物CF3-
CH2-O-CH2-CH2-CH2-Si(OC2H5)3 の赤外スペクトル曲線
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 105/76 C10M 105/76 // C10N 40:36

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で示される含フッ素有機ケ
    イ素化合物。 一般式(1); CF3-CH2-O-CH2-CH2-CH2-Si(OR)3 (式中、R は、メチル基、またはエチル基を示す)
  2. 【請求項2】 一般式(1)の含フッ素有機ケイ素化合
    物および/またはその加水分解物を含有することを特徴
    とする防汚剤、撥水剤、撥油剤、または離型剤。
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