JPH09123627A - 転写シート - Google Patents

転写シート

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JPH09123627A
JPH09123627A JP7309783A JP30978395A JPH09123627A JP H09123627 A JPH09123627 A JP H09123627A JP 7309783 A JP7309783 A JP 7309783A JP 30978395 A JP30978395 A JP 30978395A JP H09123627 A JPH09123627 A JP H09123627A
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JP
Japan
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layer
transfer
diffraction structure
transfer sheet
sheet
Prior art date
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Pending
Application number
JP7309783A
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English (en)
Inventor
Shigeki Kaize
茂樹 海瀬
Taro Suzuki
太郎 鈴木
Shuji Kobayashi
修司 小林
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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  • Holo Graphy (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】サーマルヘッドの如き加熱媒体による転写を行
っても、スティッキング等の問題が生じることなく光回
折構造を任意の転写パターンで被転写材に良好に転写形
成することができる転写シートを提供する。 【解決手段】回折格子やホログラムの干渉縞が記録され
ている光回折構造形成層4を基材シート3の一方の面に
設けるとともに、当該基材シート3の他方の面にアルキ
ル燐酸エステルの多価金属塩を含有せしめた背面滑性層
2を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は転写シートに関し、
詳しくはサーマルヘッドの如き加熱媒体によって光回折
構造からなる可変情報を転写形成することができる転写
シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来よ
り、ホログラムや回折格子等の光回折構造をクレジット
カード、キャッシュカード、金券類等の各種の基材に設
けるには、転写シートを用いて光回折構造を転写形成す
るといった方法が採られており、通常用いられるこの種
の転写シートとしては基材シート上に剥離層、光回折構
造が形成されている樹脂層、及び接着剤層を順次積層し
てなる構成のものが知られている(例えば、特開平4−
281489号公報等)。
【0003】上記の如き転写シートによって被転写材た
る各種基材に光回折構造を転写形成するための具体的な
手段としては、ホットスタンプによる加熱転写が一般的
であるが、ホットスタンプによる転写はその転写パター
ンが一定のものに限られてしまい、光回折構造の転写パ
ターンを変えるにはその都度ホットスタンプの金型を交
換したりしなければならないという不具合がある。この
ため、ホットスタンプによる加熱転写は光回折構造を同
一パターンで大量に転写形成する場合には適しているも
のの、光回折構造をその目的や用途に応じた種々の異な
るパターンでもって個別的に転写形成するには不向きで
あるという問題を有していた。
【0004】一方、所望の転写パターンに応じて発熱部
位を自由に変えることのできるサーマルヘッドの如き加
熱媒体を用いれば、光回折構造を任意のパターンで転写
形成することができるかのように思われる。
【0005】しかしながら、被転写材に光回折構造を転
写形成すべく前述のように構成された転写シートをその
まま用い、その光回折構造が設けられていない裏面側か
らサーマルヘッドによる加熱転写を行うと、空気が入り
込んだりして転写層への熱伝導が不充分とならないよう
転写シートに強く押し付けられながら移動するサーマル
ヘッドと当該転写シートとが融着してしまう、所謂ステ
ィッキング現象が発生して転写シートが走行不能となっ
てしまったり、著しい場合にはその部分から転写シート
が破断してしまう等の問題があった。更に、サーマルヘ
ッドとの接触や、加熱による劣化等によってサーマルヘ
ッドとの接触面からカスが生じると、これが転写時に印
加される熱で燃えてサーマルヘッドを損傷する原因とな
るため、このようなカスが生じないようにする必要もあ
った。
【0006】本発明は上記問題に鑑みなされた発明であ
って、サーマルヘッドの如き加熱媒体による転写を行っ
ても、スティッキング等の問題が生じることなく光回折
構造を任意の転写パターンで被転写材に良好に転写形成
することができる転写シートを提供しようとするもので
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明転写シート
は、基材シートの一方の面に光回折構造形成層が設けら
れているとともに、当該基材シートの他方の面にはアル
キル燐酸エステルの多価金属塩を含有せしめた背面滑性
層が設けられていることを特徴とする。
【0008】本発明にあっては、背面滑性層に含有され
るアルキル燐酸エステルの多価金属塩が、下記化学式
(1)及び/又は化学式(2)で表される化合物である
のが好ましい。
【化3】
【化4】 (但し、Rは炭素数12以上のアルキル基、Mは多価金
属、nはMの原子価である。)
【0009】また、背面滑性層中にアルキル燐酸エステ
ルの多価金属塩が含有される割合はバインダー100重
量部あたり10乃至20重量部であるのが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明転写シートの実施の
形態を図面に基づき詳細に説明する。尚、図1は本発明
転写シート1の一例を示す断面図である。
【0011】本発明転写シート1にあっては、図示する
一例の如く基材シート3の一方の面に光回折構造形成層
4が設けられているとともに、当該基材シート3の他方
の面には背面滑性層2が設けられている。尚、図中7、
8のそれぞれは、本発明において必要に応じて設けられ
る剥離層と感熱接着剤層である。
【0012】かかる本発明転写シート1は、サーマルヘ
ッドの如き加熱媒体により背面滑性層2側から加熱して
光回折構造形成層4を被転写材に転写せしめ、これによ
って光回折構造を任意のパターンで転写形成するための
ものであり、転写時に背面滑性層2側から光回折構造形
成層4側への熱伝導が阻害されないようにすべく、転写
シート1全体の厚みが5〜30μmとなるように構成す
るのが好ましい。更に、本発明の如き転写シート1にお
いて、その転写層は一般に多層構造に構成され総厚さが
大きくなるため、光回折構造の解像度を上げるために
は、背面滑性層2上で面方向へ熱拡散しにくくする必要
があり、そのためには背面滑性層2の熱伝導率を1.0
×10-4kcal/ms.℃以下、好ましくは0.2×
10-4kcal/ms.℃以下とするのが望ましい。
【0013】また、本発明転写シート1に設ける背面滑
性層2中には、当該背面滑性層2に滑性を付与するため
にアルキル燐酸エステルの多価金属塩が含有されてお
り、本発明において背面滑性層2に含有させるアルキル
燐酸エステルの多価金属塩は、アルキル燐酸エステルの
アルカリ金属塩中のアルカリ金属を多価金属で置換する
等して得ることができる。尚、かかるアルキル燐酸エス
テルの多価金属塩自体はプラスチック用添加剤として公
知であり、種々のグレードのものが市販されている。
【0014】本発明では、市販されているいずれのアル
キル燐酸エステルの多価金属塩も使用できるが、本発明
において特に好ましく使用されるアルキル燐酸エステル
の多価金属塩は、下記化学式(1)及び/又は化学式
(2)で表されるものである。
【化5】
【化6】 但し、Rはセチル基、ラウリル基、ステアリル基等の炭
素数12以上のアルキル基であり、これらのアルキル基
のなかでも特にステアリル基が好ましい。また、Mはバ
リウム、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金
属塩、亜鉛、又はアルミニウム等の多価金属であり、n
はMの原子価を表している。
【0015】本発明において上記したようなアルキル燐
酸エステルの多価金属塩を背面滑性層2に含有せしめる
にあたり、加熱媒体から背面滑性層2に熱が印加される
際にアルキル燐酸エステルの多価金属塩やその分解物か
ら生じる酸根を中和して加熱媒体が腐食されるのを防止
すべく、当該背面滑性層2には、アルキル燐酸エステル
の多価金属塩とともにアルカリ性物質を添加しておくの
が好ましい。
【0016】このようなアルカリ性物質としては、ハイ
ドロタルサイト、水酸化アルミニウム、珪酸アルミニウ
ム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アル
ミナ・マグネシウムアルミニウムグリシネート、水酸化
マグネシウム、酸化マグネシウム等のアルカリ性無機化
合物や、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルア
ミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミ
ン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、トリプロピル
アミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルア
ミン、ペンチルアミン、ジペンチルアミン、トリペンチ
ルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、
デシルアミン、ドデシルアミン、ジドデシルアミン、ト
リデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルア
ミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オク
タデシルアミン、エイコシルアミン、ドコシルアミン、
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、プロパノールアミン、ジプロパノールアミ
ン、イソプロパノールアミン、N−メチル−ノニルアミ
ン、N−メチル−デシルアミン、N−エチル−パルミチ
ルアミン等のアミン類を例示することができ、これらの
ものは単独で用いても混合して用いても良い。尚、アル
カリ性無機化合物を添加する場合には、モース硬度が3
未満のものを添加するのが好ましい。また、アミンは常
温不揮発性であるとともに沸点が200℃以上のものが
好ましい。
【0017】上記アルカリ性物質はアルキル燐酸エステ
ルの多価金属塩1モル当たり0.1〜10モル程度の割
合で添加されるのが好ましく、アルキル燐酸エステルの
多価金属塩に対するアルカリ性物質の添加量が少ないと
アルキル燐酸エステルの多価金属塩やその分解物から生
じた酸根を完全に中和することができず、また添加量を
必要以上に多くしても得られる効果の向上は見られな
い。
【0018】また、背面滑性層2の耐熱性を向上させる
ために、耐熱剤としてハイドロサルタイトDHT−4A
(協和化学工業製)、タルクミクロエースL−1(日本
タルク製)、テフロンルブロンL−2(ダイキン工業
製)、弗化グラファイトSCP−10(三宝化学工業
製)、黒鉛AT40S(オリエンタル産業製)、或いは
シリカ、炭酸カルシウム、沈殿製硫酸バリウム、尿素樹
脂架橋粉、スチレン/アクリル樹脂架橋粉、アミノ樹脂
架橋粉、シリコーン粉、木粉、二流化モリブデン、窒化
硼素等の微粒子を背面滑性層2に添加することもでき
る。
【0019】更に、背面滑性層2には、ワックス、シリ
コーンオイル、高級脂肪酸アミド、エステル、界面活性
剤等の熱離型剤や滑剤、カーボンブラック等の導電剤、
4級アンモニウム塩、アルキル燐酸エステル等の帯電防
止剤等を、本発明の目的を妨げない範囲で必要に応じて
添加することもできる。
【0020】本発明転写シート1において基材シート3
上に背面滑性層2を設けるには、アルキル燐酸エステル
の多価金属塩、及び適宜選択されたその他の添加剤を樹
脂バインダーに配合し、これをアセトン、メチルエチル
ケトン、トルエン、キシレン等の適当な溶剤中に溶解、
又は分散せしめて調製した塗工液を用い、グラビアコー
ター、ロールコーター、ワイヤーバー等の慣用の塗工手
段により塗工して乾燥することによって形成することが
できる。このとき、背面滑性層2の所望の性能が充分に
発揮されるようにするためには、鉛筆硬度でH〜2H程
度の硬度になるように固形分基準で5.0g/m2
下、好ましくは0.1〜1.0g/m2 の厚みに背面滑
性層2を形成するのが好ましく、背面滑性層2が厚すぎ
ると転写時の感度が低下するため好ましくない。尚、背
面滑性層2を形成するに先立って、基材フィルム3にポ
リエステル樹脂やポリウレタン樹脂等からなるプライマ
ー層を形成することも有効である。
【0021】ここで、アルキル燐酸エステルの多価金属
塩の使用量は、バインダー樹脂100重量部あたり10
乃至20重量部であるのが好ましく、使用量が上記範囲
未満であると、充分な滑性が得られず、一方、上記範囲
を超えると、背面層の物理的強度が低下するので好まし
くない。
【0022】バインダー樹脂としては、例えば、エチル
セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒド
ロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酸酪酸セル
ロース、硝化綿等のセルロース系樹脂、ポリビニルアル
コール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリ
ビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリメタク
リル酸メチルエステル、ポリメタクリル酸エチルエステ
ル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル−スチレン
共重合体等のビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウ
レタン樹脂、シリコーン変成又は弗素変成ウレタン等が
挙げられる。これらの中では、セルロース系、アセター
ル系、ブチラール系、アクリル樹脂系、アクリルニトリ
ル−スチレン共重合体系、ポリエステル系、ポリウレタ
ン系等が好適であり、特にそのなかに若干の反応性基、
例えば、反応性水酸基を有しているものを使用するのが
好ましい。
【0023】更に、上記バインダー樹脂には、背面滑性
層2の耐熱性や基材シート3との密着性、背面滑性層2
を塗工形成する際の塗工性等を向上させるために、ポリ
イソシアネートを架橋剤として添加するのが好ましく、
このようなポリイソシアネートとしては従来公知の塗
料、接着剤、ポリウレタン等の合成に使用されているい
ずれのものであっても良いが、例えば、「武田薬品
(株)製;タケネート」、「大日本インキ化学(株)
製;バーノック」、「日本ポリウレタン(株)製;コロ
ネート」、「旭化成工業(株)製;デュラネート」、
「バイエル(株)製;ディスモジュール」等として市販
されているものを用いることができる。
【0024】そして、ポリイソシアネートをバインダー
樹脂の架橋剤として用いる場合、ポリイソシアネートは
バインダー樹脂100重量部に対して5〜200重量部
の割合で添加し、NCO/OHの比が0.8〜2.0程
度となるようにするのが好ましく、このときのポリイソ
シアネートの添加量が少ないと架橋密度が低く耐熱性が
不充分になってしまう。逆に、ポリイソシアネートの添
加量が多過ぎると形成される塗膜の収縮の制御が困難に
なってしまうとともに、硬化時間が長くなってしまった
り、背面滑性層2中に残存する未反応のNCO基が空気
中の水分と反応してしまったりする等の不都合が生じて
しまう。尚、バインダー樹脂の架橋剤としてイソシアネ
ートを添加した場合には、未反応のイソシアネート基が
残っている場合が多いので、背面滑性層2を塗工形成し
た後に充分な熟成処理を施すのが好ましい。
【0025】発明転写シート1の基材シート3として
は、ある程度の剛性と耐熱性を有する3〜25μm程度
のものが用いられ、具体的には、コンデンサーペーパー
等の各種加工紙、又はポリエステル、ポリスチレン、ポ
リプロピレン、ポリサルフォン、ポリフェニレンサルフ
ァイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナ
フタレート、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチルテ
レフタレート、アラミド、ポリカーボネート、ポリビニ
ルアルコール、セロファン等からなる合成樹脂シートを
例示することができるが、寸法安定性、耐熱性、強靱性
等からポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
【0026】上記基材シート3の光回折構造形成層4が
設けられる側には、剥離性、箔切れ性を向上させるため
に必要に応じて剥離層7を0.1〜1.0μm程度の厚
みで設けることができるが、その材質は基材シート3の
材質に応じて適宜選択され、ポリメタクリル酸エステ
ル、ポリ塩化ビニル、セルロース、シリコーン、炭化水
素を主成分とするワックス類、ポリスチレン、塩化ゴ
ム、カゼイン、各種界面滑性剤、金属酸化物等を例示す
ることができ、これらのものは単独で用いても又は2種
以上を混合して用いても良い。尚、基材シート3自体が
剥離性を有していれば剥離層7を設ける必要は特にな
く、この場合には剥離層7が設けられる位置に転写後の
光回折構造形成層4を保護する表面保護層を設けること
もできる。
【0027】また、これらの層を任意の形状に破断しや
すくするために、マイクロシリカ等の微粉末を10%以
下の量で添加しても良い。もちろん、透明性が要求され
るためその粒径は1μm以下に限定される。
【0028】また、必要に応じて設けられる感熱接着剤
層8を構成する樹脂としては、ポリアクリル酸エステ
ル、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリプロピレン、ポリエス
テル、ポリウレタン、ロジン又はロジン変成マレイン
酸、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。
【0029】接着剤層8にも当該接着剤層8が任意の形
状に破断し易くなるように、マイクロシリカ等の微粉末
を添加することができ、目的に応じて1〜200%添加
することができる。また、1μm以下の微粒子は、転写
時、転写層に凹凸を発生させたりする等の反射薄膜層へ
の影響が小さく良好である。
【0030】ここで、本発明でいう光回折構造とは回折
格子又はホログラムを意味し、本発明転写シート1の一
方の面に設けられる光回折構造形成層4には、回折格子
やホログラムの干渉縞が記録されている。
【0031】光回折構造形成層4に記録する回折格子や
ホログラムの干渉縞は、表面凹凸のレリーフとして記録
されているもの(ホログラムを例にとれば、干渉縞がこ
のように記録されているものは「平面ホログラム」と一
般に称されている)、その厚み方向に立体的に記録され
ているもの(ホログラムを例にとれば、干渉縞がこのよ
うに記録されているものは「体積ホログラム」と一般に
称されている)、又は透過率の変化による光の振幅の変
化で回折が起こるように記録されているもの(ホログラ
ムを例にとれば、干渉縞がこのように記録されているも
のは「振幅ホログラム」と一般に称されている)のいず
れであっても良く、光回折構造としてのホログラムにつ
いてその具体例を挙げると、フレネルホログラム、フラ
ウンホーファーホログラム、レンズレスフーリエ変換ホ
ログラム、イメージホログラム等のレーザー再生ホログ
ラム、リップマンホログラム、デニシュークホログラ
ム、レインボーホログラム等の白色光再生ホログラム、
これらの原理を利用したホログラフィックスステレオグ
ラム、マルチプレックスホログラム、カラーホログラ
ム、コンピューターホログラム、ホログラムディスプレ
ー、ホログラフィック回折格子等が挙げられる。
【0032】光回折構造形成層4に上記の如き回折格子
やホログラムの干渉縞を記録するには、従来既知の方法
によって記録することができ、例えば、回折格子やホロ
グラムの干渉縞を表面凹凸のレリーフとして記録する場
合には、回折格子や干渉縞が凹凸の形で記録された原版
をプレス型として用い、この原版上に樹脂シートを置い
て加熱ロール等の適宜手段によって両者を加熱圧接して
上記原版の凹凸模様を複製する等すれば良く、このよう
にして表面凹凸のレリーフとして回折格子やホログラム
の干渉縞を光回折構造形成層4の表面に記録するのは量
産性やコスト面で好ましい。
【0033】回折格子やホログラムの干渉縞が記録され
る光回折構造形成層4の材質としては、ポリ塩化ビニ
ル、アクリル(例、MMA)、ポリスチレン、ポリカー
ボネート等の熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル、メラ
ミン、エポキシ、ポリエステル(メタ)アクリレート、
ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アク
リレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオ
ール(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレ
ート、トリアジン系アクリレート等の熱硬化性樹脂を硬
化させたもの、或いは、上記熱可塑性樹脂と熱硬化性樹
脂の混合物が使用可能であり、これらのもの以外にもラ
ジカル重合性不飽和基を有する熱成形性物質を使用する
こともできる。
【0034】光回折構造形成層4の表面に凹凸のレリー
フとして回折格子やホログラムの干渉縞を記録する場合
には、回折効率を高めるための薄膜層5をそのレリーフ
面6に形成するのが好ましく、光を反射する金属薄膜を
薄膜層5として形成すれば反射型の光回折構造が得ら
れ、また、透明薄膜を薄膜層5として形成すれば光回折
構造が転写形成される基材が隠蔽されない透明型の光回
折構造が得られ、これらのものは目的に応じて適宜選択
することができる。
【0035】光回折構造を反射型のものとする場合に形
成される金属薄膜は、Cr、Ag、Au、Al、Sn等
の金属及びその酸化物や窒化物等を単独、又は2種以上
組み合わせ、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性ス
パッタリング法、イオンプレーティング法、電気メッキ
等によりその膜厚が500〜1000Åとなるように形
成するのが好ましく、また、当該金属薄膜は光回折構造
が転写された被転写材が完全に隠蔽されないように網点
状に形成することもできる。
【0036】光回折構造を透明型のものとする場合に形
成される透明薄膜は、回折効率を高めることができる光
透過性のものであれば特に限定されないが、特開平4−
281489号公報に開示されているような、1)光回
折構造形成層4より屈折率の大きい透明連続薄膜であっ
て、Sb2 3 、TiO2、ZnS、SiO、TiO、
SiO2等のような可視領域で透明なものや、赤外又は
紫外領域で透明なもの、2)光回折構造形成層4よりも
屈折率の大きい透明強誘電体、3)光回折構造形成層4
よりも屈折率の小さい透明連続薄膜、4)厚さ200Å
以下の反射金属薄膜、5)光回折構造形成層4と屈折率
の異なる樹脂、6)上記1)〜5)の材質を適宜組み合
わせてなる積層体、等を挙げることができる。
【0037】上記1)〜6)のうち、4)の厚みは20
0Åであるが、1)〜3)、及び5)、6)の厚みは薄
膜層5を形成する材質の透明領域であれば良く、一般に
は、500〜2000Åである。また、上記1)〜4)
により薄膜層5を形成する場合は、真空蒸着法、スパッ
タリング法、反応性スパッタリング法、イオンプレーテ
ィング法、電気メッキ等の一般的な薄膜形成手段で形成
でき、上記5)により薄膜層5を形成する場合は、一般
的なコーティング法により薄膜層5を形成することがで
きる。更に、上記6)により薄膜層5を形成する場合
は、上記の各種手段、方法を適宜組み合わせることによ
って薄膜層5を形成することができる。
【0038】本発明では、基材シート3の光回折構造形
成層4が設けられている側と反対側の面、即ち、転写時
に加熱媒体が接する面に背面滑性層2を設け、且つ当該
背面滑性層2にアルキル燐酸エステルの多価金属塩を含
有せしめた点が特に重要であり、かかるアルキル燐酸エ
ステルの多価金属塩はある程度の耐熱性を有しながら
も、光回折構造を転写するのに必要とされる印加エネル
ギーでもって加熱した際に軟化又は溶融して良好な滑性
を示すとともに、その後冷却されて固化したものがカス
として加熱媒体の周辺に残留してしまうことがなく、加
熱媒体を損傷する虞もない。
【0039】しかも、前述した光回折構造は、感熱転写
リボンにより印字する場合のような低エネルギー(0.
1〜0.3mj/dot)では、被転写部分の膜強度や
厚さにより良好に転写せしめることができないため、背
面滑性層2はより耐熱性、熱スベリ性の高いものである
ことが要求されるが、本発明では背面滑性層2に0.3
mj/dot以上さらには、0.8mj/dot以上の
印加エネルギーを与えても、所望の転写適性を得ること
ができる。
【0040】従って、本発明転写シート1を用いれば、
サーマルヘッドの如き加熱媒体がスティッキング現象を
起こさずに転写シートに対して滑らか移動し、何ら不都
合が生じることなく光回折構造を任意のパターンでその
目的や用途に応じて個別的に転写形成することができる
ので、種々多様のデザインに充分に対応することができ
るとともに、例えば、金券類、チケット、定期券等に記
される各種の個別情報を複製が困難である光回折構造で
形成することもでき、装飾性のみならずそのセキュリテ
ィ性を大幅に向上させることも可能である。また、図2
に示すように被転写材9に記された顔写真10、番号表
示11、署名12、朱印13等の情報の上に重ねてこれ
らのサイズに応じて光回折構造14を転写形成すること
もでき、これによって上記情報の偽造・改ざんの防止が
図れる。また、メーカーのシンボルマークのように、形
状は同一でもサイズが数多く存在するようなものにも問
題なく適用できる。また、透明薄膜を用いると、既に情
報を記録してある基材上に、転写しても、その情報を見
ることができ、意匠性、セイキュリティー性がさらに増
加する。尚、図2では光回折構造14による回折像の図
示は省略してある。
【0041】
【実施例】次に、本発明転写シートの具体的な実施例を
挙げて本発明を更に詳細に説明する。
【0042】〔実施例1〕厚さ12μmのポリエチレン
テレフタレートシートを基材シートとし、その一方の面
に乾燥後の厚みが1μmとなるように以下の組成の塗工
液により背面滑性層を塗工形成した。
【0043】 〔背面滑性層〕 ・スチレン−アクリルニトリル共重合体 (ダイセル化学製:セビアンNA) 18部 ・ポリエステル樹脂 (ユニチカ製:エリーテルUE−3200) 1部 ・ジンクステアリンホスフェート (堺化学製:LBT−1830) 2部 ・トルエン 36部 ・メチルエチルケトン 44部
【0044】また、基材シートの他方の面には、乾燥後
の厚みが( )内の値となるよう保護層(1μm)と光
回折構造形成層(3μm)を以下の組成の塗工液により
順次塗工形成した後に、光回折構造形成層をレリーフホ
ログラムとして構成し、次いで、光回折構造形成層上に
TiOX により500Åの膜厚で金属薄膜層を形成し
た。
【0045】 〔保護層〕 ・酢酸セルロース樹脂 5部 ・メタノール 25部 ・メチルエチルケトン 45部 ・トルエン 25部 ・メチロール化メラミン樹脂 5部 ・微粒子マイクロシリカ(粒径0.1μm) 3部 ・パラトルエンスルホン酸 0.05部 〔光回折構造形成層〕 ・アクリル樹脂 40部 ・メラミン樹脂 10部 ・シクロヘキサノン 50部 ・メチルエチルケトン 50部
【0046】次に、金属薄膜層の上に、下記組成からな
る感熱接着剤を乾燥後3μmとなるように形成し、本発
明の転写シートを得た。
【0047】 〔感熱接着層〕 ・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 30部 ・アクリル樹脂 10部 ・微粒子マイクロシリカ(粒径0.1μm) 10部
【0048】得られた転写シートに8ドット/mmの解
像度のサーマルプリンター(サーマルヘッド)を用いて
1.0mj/dotのエネルギーを印加し、カード上の
顔写真よりひとまわり大きいサイズで光回折構造(ホロ
グラム)を転写した。転写時、スティッキング現象は全
く発生せず、しわの発生もなく、転写シートはスムース
に走行し何等の問題もなく、顔写真とホログラムの両方
を観察できる意匠性に優れた所望形状のホログラム転写
をすることができた。
【0049】〔比較例1〕ジンクステアリルホスフェー
トを使用せず、それ以外は実施例1と同様にして転写シ
ートを得た。得られた転写シートについて実施例1の場
合と同様に印字テストを行ったところ、スティッキング
現象が激しくホログラムの転写は不能であった。
【0050】〔比較例2〜4〕ジンクステアリルホスフ
ェートの代わりに、滑剤として知られている下記表1に
示すものを用い、それ以外は実施例1と同様にして転写
シートを得た。得られた転写シートについて実施例1の
場合と同様に印字テストを行った結果を表1に併せて示
す。
【0051】
【表1】
【0052】このように、テフロンパウダー、メラミン
樹脂は耐熱性に優れていても、比較的融点が高いためサ
ーマルヘッドによる加熱により溶融(又は軟化)せず、
スティッキング現象が認められ充分な滑性を示さなかっ
た。また、ポリエチレンワックスのように耐熱性に乏し
いものは溶融後冷却し固化したものがカスとして加熱媒
体の周辺に残留した。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明転写シート
は光回折構造形成層が基材シートの一方の面に設けられ
ているとともに、該基材シートの他方の面にはアルキル
燐酸エステルの多価金属塩を含有せしめた背面滑性層が
設けられているため、サーマルヘッドの如き加熱媒体に
よる転写を行っても、スティッキング等の問題が生じる
ことなく光回折構造を任意の転写パターンで被転写材に
良好に転写形成することができるので、本発明転写シー
トによれば種々のデザインに対応した光回折構造の転写
形成が行えるとともに、光回折構造の有するセキュリテ
ィ性を大幅に向上させることを可能ならしめ、更には、
被転写材に記された情報の上に重ねてこれらのサイズに
応じて光回折構造を転写形成することによって上記情報
の偽造・改ざんの防止を図ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明転写シートの一例を示す縦断面図であ
る。
【図2】本発明転写シートの一使用例を説明する概略図
である。
【符号の説明】
1 転写シート 2 背面滑性層 3 基材シート 4 光回折構造形成層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材シートの一方の面に光回折構造形成層
    が設けられているとともに、当該基材シートの他方の面
    にはアルキル燐酸エステルの多価金属塩を含有せしめた
    背面滑性層が設けられていることを特徴とする転写シー
    ト。
  2. 【請求項2】背面滑性層に含有されるアルキル燐酸エス
    テルの多価金属塩が、下記化学式(1)及び/又は化学
    式(2)で表される化合物である請求項1記載の転写シ
    ート。 【化1】 【化2】 (但し、Rは炭素数12以上のアルキル基、Mは多価金
    属、nはMの原子価である。)
  3. 【請求項3】背面滑性層中にアルキル燐酸エステルの多
    価金属塩が含有されている割合がバインダー100重量
    部あたり10乃至20重量部である請求項1、又は2記
    載の転写シート。
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