JP3463393B2 - 可逆性感熱記録媒体 - Google Patents

可逆性感熱記録媒体

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JP3463393B2 JP02037195A JP2037195A JP3463393B2 JP 3463393 B2 JP3463393 B2 JP 3463393B2 JP 02037195 A JP02037195 A JP 02037195A JP 2037195 A JP2037195 A JP 2037195A JP 3463393 B2 JP3463393 B2 JP 3463393B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、温度に依存し可逆性感
熱記録層とホログラム画像とを重畳してなる情報媒体、
シール又はラベル等に用いることが可能であり、とくに
ホログラムの意匠性と改竄防止性に優れた可逆性感熱記
録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、書き換え可能な感熱記録媒体とし
て、特開昭55−154198号公報及び米国特許第4
268413号公報に記載されるポリ塩化ビニル等の熱
可塑性樹脂とこの熱可塑性樹脂中に分散される高級脂肪
酸等の有機低分子物質等を主成分とした感熱記録層を支
持体上に設ける構成のものがある。
【0003】この感熱記録層は、光吸収特性(光散乱
性)が温度に依存して、可逆的に変化するものである。
すなわち、感熱記録層を構成する感熱記録材料は室温近
傍の特定温度T0 より高い温度に2つの状態転移温度T
1 、T2 (但し、T1 <T2 )を有し、感熱記録層をT
2 以上に加熱し、かつ保持した後にT0 以下に冷却する
と感熱記録材料に白濁を生じ、光散乱性が増大して最大
遮光状態となる。一方、この白濁状態にある感熱記録層
をT1 以上T2 未満に加熱し、かつ保持した後にT0
下に冷却するとその光散乱性が減少して透明状態とな
る。したがってT0以下の温度条件下において、感熱記
録層の最大遮光状態及び透明状態をそれぞれ安定に保持
でき、かつこれらの状態を可逆的に変化させることが可
能なため、いずれか一方の状態をベース状態に設定する
ことにより、他方の状態との相違から記録された可視情
報を書き換え可能な状態で保持できる感熱記録媒体とし
て利用できるものである。
【0004】また、熱エネルギーの制御のみによって、
化学的に発色・消色する可逆性感熱記録材料が、特開平
2−188293号公報、特開平2ー188294号公
報、国際公開番号WO90/11898号等に開示され
ており、これらはロイコ化合物と、熱エネルギーの制御
によりロイコ化合物を顕色・減色する顕減色剤と、バイ
ンダーとを主成分とした可逆性感熱記録材料であり、こ
れを感熱記録層として支持体上に設けてなるものであ
る。この感熱記録材料は、顕色効果を有する基(酸性成
分)と減色効果を有する基(塩基製成分)の両性質を具
備する化合物を顕減色剤に用いて、印加する熱の制御に
よって発色、消色を行なうものである。この感熱記録材
料によれば、日常生活の環境下において経時的に安定な
画像を保持することが可能である。その発消色特性及び
画像安定性は、材料中の顕減色剤の化学構造によるとこ
ろが大きい。
【0005】さらに近年では株券、商品券、小切手、抽
選券、乗車券、定期券などの証券類やIDカード、クレ
ジットカード、キャッシュカード、プリペイドカード等
のカード類などの媒体の基材上に装飾や偽造・改竄防止
などの目的としてレリーフ型ホログラムを有するシー
ル、ラベル又は転写箔などを用いてホログラムを形成し
ている。これらはホログラムを目視に確認することがで
き、その真偽判定も容易であり、ホログラムの製造自体
も技術や装置が必要であるとされ、これが不正防止の根
拠とされてきた。
【0006】このホログラムを媒体に付加する方法とし
ては、とくに安価であること、薄さ、改竄の困難性など
から転写箔がホログラムの形成手段として多様されてい
る。このようなホログラム転写箔は特開昭61−190
370号公報に記載されるように、支持体フィルムの片
面に剥離ニス層、表面レリーフ型ホログラムを形成した
樹脂層、金属反射層、感熱接着層を順次形成してなり、
基材面に対して感熱接着層を密着させ、転写箇所を加熱
押圧し所定のホログラム画像を転写形成するものであ
る。基材上に印刷絵柄などがある場合には、透明金属反
射層を利用した透明ホログラムを用いることにより、ホ
ログラムによる基材上の印刷絵柄の見え方に影響を与え
ることなく、ホログラム画像と印刷絵柄を重ね合わせて
見ることが可能となる。さらにホログラム画像と印刷絵
柄を重ね合わせた印刷一体型ホログラムが提案されてお
り、シール、ラベル又は転写箔などとして用いられてい
る。
【0007】現在、ホログラムのような目視のみによる
判別に代わる技術として、例えば特開平3−21109
6号公報に記載されるように、回折格子の空間周波数や
回折格子の方向を変化させることにより、情報を形成
し、レーザー光等の反射方向による情報の読み取りを行
なう情報の記録方法がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようなホログラムは、単にホログラムの立体画像の特異
性とホログラム転写箔製造工程の難易性により、偽造・
変造・改竄等の不正防止対策とするものであるが、金属
箔上に透明インキで正規のホログラム画像の絵柄を印刷
し、一見あたかもホログラム画像の如く見せる偽造技術
も出現し、またホログラム自体を不正に複製しようとす
る試みもでてきており、不正行為を一見して識別可能と
する確実な不正防止対策であるとは言えない面もでてき
ている。また、精度よく機械的に真偽判別を行なう回折
格子であっても、目視による判別を求められる場合に
は、類似する偽造物の真偽判別が困難であるという問題
を有している。
【0009】さらに、カードなどの不正防止対策として
のセキュリティ情報等は、識別のためカードの特定の部
分に集中させるか、目視等の簡単に識別できないような
情報形態としてカード上に配置することが行なわれてい
るが、ホログラムとの組み合わせによる不正防止対策は
未だなく、現状では上記したようなカードのホログラム
部分はホログラムのみの情報を提供しているに過ぎない
のが現状である。
【0010】そこで、本発明はホログラム立体画像下に
可逆性感熱記録層を形成し、可視情報を書き換え表示可
能とすることにより、媒体及び転写材自体の意匠性を保
持しつつ、その真偽判定を簡単に行なうことが可能な可
逆性感熱記録媒体を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたものであり、請求項1に記載の発
明は、基材上に反射性薄膜層、可逆性感熱記録層、微小
凹凸形状を有するホログラム形成層及びその微小凹凸形
状面に屈折率が前記ホログラム形成層と異なる透過性薄
膜層からなるホログラム層、保護層を順次積層してなる
ことを特徴とする可逆性感熱記録媒体である。
【0012】請求項2の発明は、支持体上に剥離保護
層、微小凹凸形状を有するホログラム形成層及びその微
小凹凸形状面に屈折率が前記ホログラム形成層と異なる
透過性薄膜層からなるホログラム層、可逆性感熱記録
層、反射性薄膜層、粘着層を順次設けてなり、支持体か
ら剥離可能であることを特徴とする可逆性感熱記録媒体
である。
【0013】請求項3の発明は、請求項1又は2に記載
の可逆性感熱記録媒体において、可逆性感熱記録層は、
樹脂母材と該樹脂母材中に分散される有機低分子物質と
を主成分とし、かつ温度に依存してその透明度が可逆的
に変化することを特徴とする可逆性感熱記録媒体であ
る。
【0014】請求項4の発明は、請求項1又は2に記載
の可逆性感熱記録媒体において、可逆性感熱記録層は、
ロイコ化合物と、該ロイコ化合物と熱的に反応して顕色
または減色させる顕減色剤と、バインダーを主成分と
し、かつ熱エネルギーの制御により、可逆的に発色・消
色することを特徴とする可逆性感熱記録媒体である。
【0015】請求項5の発明は、請求項1又は2に記載
の可逆性感熱記録媒体において、反射性薄膜層と可逆性
感熱記録層との間に着色層を設けてなることを特徴とす
る可逆性感熱記録転写材である。
【0016】請求項6の発明は、請求項1に記載の可逆
性感熱記録媒体において、被貼着材に接する面に粘着層
を設けてなることを特徴とする可逆性感熱記録転写材で
ある。
【0017】
【作用】本発明の可逆性感熱記録媒体によれば、ホログ
ラム画像下に位置する可逆性感熱記録層に可視情報をホ
ログラム画像と重畳した状態で記録するため、上面から
ホログラム画像中に可視情報が存在して見えるという装
飾性を示すとともに、ホログラム画像に影響すること無
く可視情報の書き換えを行なうことができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を図面を用いて詳細に説明す
る。図1は本発明の可逆性感熱記録媒体の一実施例を示
す断面図であり、図2は本発明の可逆性感熱記録媒体の
他の実施例を示す断面図であり、図3は第2の発明の可
逆性感熱記録媒体の一実施例を示す断面図であり、図4
は第2の発明の可逆性感熱記録媒体の他の実施例を示す
断面図である。
【0019】図1は本発明の可逆性感熱記録媒体1の層
構成を示しており、基材2上に反射性薄膜層3、可逆性
感熱記録層4、ホログラム画像を有するホログラム形成
層5及びホログラム形成層5と屈折率の異なる透過性薄
膜層6からなるホログラム層7、保護層8が順次設けら
れている。なお、ホログラム層7を構成するホログラム
形成層5と透過性薄膜層6の順序は逆でもよく、また反
射性薄膜層と可逆性感熱記録層とを接着層を介して密着
させてもよい。さらに可逆性感熱記録媒体1は、その用
途に応じて、例えばカード状の情報媒体の場合には、基
材2の他方の面には文字情報やデザインなどからなる印
刷層や磁気記録層などの情報記録手段を任意に設けた
り、シール又はラベル等に用いる場合は基材2の他方の
面に、感熱接着剤又は感圧接着剤(粘着剤)からなる接
着層を設けることができる。
【0020】ホログラム層7に用いられるホログラム画
像は、従来公知のホログラム技術による画像を用いるこ
とができる。例えばホログラムとしては、これらの画像
をホログラム形成層5にレリーフホログラムからなる白
色光再生型ホログラム、フレネル型やフーリエ変換型を
含む単色光再生型ホログラム等として形成し、レリーフ
形成面にはホログラム形成層5と異なる屈折率を有し、
かつ透明性を示す反射性薄膜層6を設けることにより高
いホログラム効果を得ることができる。ホログラムに
は、文字、イメージ等の画像などの他に特定の情報を有
する回折格子とすることもできる。この回折格子は空間
周波数を変化させるか、回折格子の方向を変化させる
か、またはこれらを組み合わせて情報を記録する。ま
た、このホログラム層7をリップマンホログラム等の体
積ホログラムなどとすることもでき、用途に応じて任意
に選択することができる。このリップマンホログラムは
密度の異なる部分、すなわち屈折率の異なる部分を層中
に形成することによりホログラム画像を記録する。記録
材料としては銀塩乳剤、ゼラチン乳剤、光重合性樹脂、
光架橋性樹脂などの感光材料が用いられる。これに露光
−現像−定着処理を行い、層中の屈折率を変化させ、ホ
ログラム画像が記録される。また、ホログラム形成層5
のホログラム画像は全面に設けられなくてもよく、その
一部にホログラム画像を形成することもできる。ホログ
ラム形成層自体もホログラム画像の大きさに合わせて部
分的に基材2上に設けることもできる。なお、基材2を
省略しホログラム形成層5を基材として用いることもで
き、これによれば、媒体の層厚を薄くすることができ、
シール又はラベル等の用途に適する。
【0021】以下、本発明の可逆性感熱記録媒体を構成
する各層を説明する。基材2は、支持体としての役割を
有しており、例えば紙、合成紙、ポリ塩化ビニル、ポリ
エチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、
ポリカービネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチ
レンなど、従来からプリペイドカード、キャッシュカー
ド、クレジットカード、入場券、通行券、商品券等のカ
ード類や証書類、シール類、ラベル類の用途に用いられ
るものであれば、とくに制限されるものではない。異な
る材質のものを組み合わせや、また単層または多層構成
としてもよく、或いは透明、半透明、不透明、強度、剛
性、隠蔽性などの物性から用途に応じて、適宜選択する
ことができる。なお、基材2に感熱記録層、ホログラム
形成層の視認性が向上する着色を有するものであれば、
反射性薄膜層3を省略することも可能である。また、例
えばレインボーホログラムの場合の反射性を有する基材
やリップマンホログラムの場合の暗色系(例として黒
色)の基材がある。
【0022】反射性薄膜層3は、主に可逆性感熱記録層
4の視認性を得るために設けられるものであり、白濁色
−透明型可逆性感熱記録層の場合は、光反射性を示す金
属材料からなる薄膜状の反射層が好ましい。例えばアル
ミニウム、錫、銀、銅、マグネシウム、クロム、ニッケ
ル等やこれらの合金又は化合物がある。これらを薄膜状
に形成する手段は、公知の手段である真空蒸着法、反応
性真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリン
グ法、イオンプレーティング法、電気メッキ法などを用
いることができ、層厚は0.03〜0.08μmであ
る。この金属反射層3は基材2の特性によっては省略す
ることも可能である。
【0023】また書き換え可能な可逆性感熱記録層4
は、温度に依存して可逆的に透明度が変化するもので、
部分的に変化させることにより可視情報が記録される。
例えば上記したような、樹脂母材とそれに分散される有
機低分子物質とを主成分としてなり、感熱記録材料は室
温近傍の特定温度T0 より高い温度に2つの状態転移温
度T1 、T2 (但し、T1 <T2 )を有し、感熱記録層
をT2 以上に加熱し、かつ保持した後にT0 以下に冷却
すると感熱記録材料に白濁(有機低分子の結晶状態の変
化による光の散乱)を生じ、光散乱性が増大して最大遮
光状態となる。一方、この白濁状態にある感熱記録層を
1 以上T2 未満に加熱し、かつ保持した後にT0 以下
に冷却するとその光散乱性が減少(光が透過)して透明
状態となる。このようにT0 以下の温度条件下におい
て、感熱記録層の最大遮光状態及び透明状態をそれぞれ
安定に保持でき、かつこれらの状態を可逆的に変化させ
ることが可能なため、いずれか一方の状態をベース状態
に設定することにより、他方の状態との相違から記録さ
れた可視情報を書き換え可能な状態で保持できる。
【0024】上記樹脂母材には有機低分子とその屈折率
が近似し、かつ相溶性がなく、機械的強度に優れる、フ
ィルム形成能を有する透明性に優れた熱硬化性樹脂又は
熱可塑性樹脂が用いられる。具体例として、飽和共重合
ポリエステル等のポリエステル樹脂;ポリ塩化ビニル樹
脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢
酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−ア
クリレート共重合体等の塩化ビニル共重合体;ポリウレ
タン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリ塩化ビニリデン
樹脂;塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニ
リデン−アクリロニトリル共重合体等の塩化ビニリデン
共重合体;天然ゴム、合成ゴム等のゴム系;ポリアミド
樹脂;シリコーン樹脂;ポリアクリレートもしくはポリ
メタクリレート樹脂、またはこれらの共重合体;ポリエ
チレン樹脂などがあり、これらの単独或いは二種以上混
合したものが用いられる。
【0025】上記樹脂母材に分散される有機低分子に
は、脂肪酸もしくは脂肪酸誘導体、または脂環式有機酸
などがあり、さらに詳しくは飽和もしくは不飽和のモノ
あるいはジカルボン酸、またはこれらのエステル、アミ
ド等を含むものがある。飽和脂肪酸の具体例として、ウ
ンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン
酸、パルミチル酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ナ
ノデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、
セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、アジピン酸、ピ
メリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、
1,9−ノナメリレンジカルボン酸、1,10−シクロ
ブタンジカルボン酸、1,2−シクロペンタンジカルボ
ン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−
シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサン
ジカルボン酸等が挙げられる。また、不飽和脂肪酸の具
体例として、オレイン酸、リノール酸、ソルビン酸、ス
テアロール酸等が挙げられる。なお、上記したものに限
定されるものでなく、また上記有機低分子を複数組み合
わせて用いることも可能である。さらに有機低分子と樹
脂母材とを混合した塗液は、 上記のロイコ化合物、両
性化合物を水または有機溶剤に均一に分散もしくは溶解
させた塗液中にバインダーを溶解させ、必要に応じて分
散剤、消泡剤、増粘剤などの液性改良剤を添加してなる
塗工液をバーコート、ブレードコート、エアーナイフコ
ート、グラビアコート、ロールコーティング等の公知の
塗工方法により塗布、乾燥して感熱記録層4を形成す
る。
【0026】また、書き換え可能な可逆性感熱記録層4
に用いられる他の感熱記録材料として、ロイコ化合物
と、熱エネルギーの制御によりロイコ化合物を顕色・減
色する顕減色剤と、バインダーとを主成分とした可逆性
感熱記録材料を用いることができる。ロイコ化合物とし
て、例えばフルオレン化合物、フルオラン化合物、フタ
リド誘導体等が挙げられる。具体例としてはクリスタル
バイオレットラクトン、3−インドリノ−3−p−ジメ
チルアミノフェニル−6−ジメチルアミノフタリド、3
−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン、2−(2−
フルオロフェニルアミノ)−6−ジエチルアミノフルオ
ラン、2−(2−フルオロフェニルアミノ)−6−ジ−
n−ブチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7
−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−ジエチルアミ
ノ−5−メチル−7−t−ブチルフルオラン、3−ジエ
チルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3
−ジエチルアミノ−6−メチル−7−p−ブチルアニリ
ノフルオラン、3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロ
フルオラン、2−アニリノ−3−メチル−6−(N−エ
チル−p−トルイジノ)−フルオラン、3−ピロリジノ
−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジ
ノ−7−シクロヘキシルアミノフルオラン、3−N−メ
チルシクロヘキシルアミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン、3−N−エチルペンチルアミノ−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン等を挙げることができる。
【0027】また、ロイコ化合物に対し顕減色剤として
作用する両性化合物は、フェノール性水酸基及びカルボ
キシル基の少なくとも一つを有し、かつアミノ基を官能
基としてまたは塩化合物の一部として有するものであ
る。顕減色剤として、例えばフェノール性水酸基または
カルボキシル基から成る酸性成分とアミノ基から成る塩
基性基の双方を有する化合物で、熱エネルギーの違いに
より酸性または塩基性となってロイコ化合物を顕色(発
色)・減色(消色)させるものがある。塩基性基は官能
基として存在してもよいし、塩化物の一部として存在し
てもよい。アミノ基を官能基として有する顕減色剤とし
ては、例えば、アミノ安息香酸、ヒドロキシアミノ安息
香酸、アミノフェノール類、アミノナフトエ酸類、ニコ
チン酸類等が挙げられる。具体例としては、p−アミノ
安息香酸、m−アミノ安息香酸、o−アミノ安息香酸、
4−アミノ−3−メチル安息香酸、3−アミノ−4−メ
チル安息香酸、2−アミノ−5−エチル安息香酸、3−
アミノ−4−ブチル安息香酸、4−アミノ−3−メトキ
シ安息香酸、3−アミノ−4−エトキシ安息香酸、2−
アミノ−5−クロロ安息香酸、4−アミノ−3−ブロモ
安息香酸、2−アミノ−4−ニトロ安息香酸、4−アミ
ノ−3−ニトロ安息香酸、3−アミノ−4−ニトリル安
息香酸、アミノサリチル酸、ジアミノ安息香酸、2−メ
チル−5−アミノナフトエ酸、3−エチル−4−アミノ
ナフトエ酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、2−メチル
ニコチン酸、6−クロロニコチン酸等がある。
【0028】また、塩基性基を塩化物の一部として有す
るものとしては、フェノール性水酸基又はカルボキシル
基を有する化合物とアミノ基を有する化合物の塩又は錯
塩であり、例えば、ヒドロキシ安息香酸類、ヒドロキシ
サリチル酸類、没食子酸類、ビスフェノール酢酸等の酸
と脂肪族アミン類、フェニルアルキルアミン類、トリア
ルキルアミン類等との塩又は錯塩が挙げられる。具体例
としては、p−ヒドロキシ安息香酸−アルキルアミン
塩、p−ヒドロキシ安息香酸−フェニルアルキルアミン
塩、m−ヒドロキシ安息香酸−アルキルアミン塩、2,
4−ジヒドロキシ安息香酸−アルキルアミン塩、4,5
−ジヒドロキシ安息香酸−トリルアルキルアミン塩、p
−ヒドロキシ安息香酸メチル−アルキルアミン塩、p−
ヒドロキシ安息香酸ステアリル−アルキルアミン塩、没
食子酸−アルキルアミン塩、没食子酸ドデシル−アルキ
ルアミン塩、没食子酸ステアリル−アルキルアミン塩、
ビスフェノール酢酸−アルキルアミン塩、ビスフェノー
ル酢酸ステアリル−アルキルアミン塩、ビスフェノール
酢酸オクチル−アルキルアミン塩等が挙げられる。
【0029】さらに、これら顕減色剤は、本発明者等が
先に出願した特開平2ー188293号公報、特開平2
ー188294号公報、国際公法番号WO90/118
98号等に記載の材料も挙げることができる。また、二
種以上を同時に使用してもよい。
【0030】そして、バインダーとしては、水または有
機溶剤に溶解する高分子樹脂を使用することができる。
このような高分子樹脂の具体例としては、ポリビニルア
ルコール、メチルセルロース、、酢酸セルロース、メト
キシセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ゼラチ
ン、カゼイン、でんぷん類、ポリアクリル酸ソーダ、ス
チレンーマレイン酸共重合体等の水溶性高分子、ポリス
チレン、ポリ塩化ビニル、線状の飽和ポリエステル、ポ
リメタクリル酸メチルまたはポリメタクリル酸エチル等
のメタクリル樹脂の単独または共重合体、ポリウレタ
ン、ポリブチラール、ニトロセルロース、エチルセルロ
ース、エポキシ樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル、
パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、カルナウ
バワックス、マイクロクリスタリンワックス、ステアリ
ン酸アミド、ゴム類等の溶剤可溶型高分子などが使用で
きる。上記のロイコ化合物、両性化合物を水または有機
溶剤に均一に分散もしくは溶解させた塗液中にバインダ
ーを溶解させ、必要に応じて分散剤、消泡剤、増粘剤な
どの液性改良剤を添加してなる塗工液をバーコート、ブ
レードコート、エアーナイフコート、グラビアコート、
ロールコーティング等の公知の塗工方法により塗布、乾
燥して感熱記録層4を形成する。なお、この書き換え可
能な感熱記録層4の層厚は約3〜20μmが好ましい。
【0031】さらにホログラム層7は、ホログラム形成
層5と透過性薄膜層6からなる。このホログラム形成層
5は、ホログラム画像が少なくともその一部に形成され
ている。レリーフホログラムの場合は、ホログラム画像
を表すレリーフ形成面10(干渉縞を凹凸で記録)を樹
脂上に形成してなり、樹脂材料としてはポリ塩化ビニ
ル、アクリル、ポリスチレン、ポリカーボネート等の熱
可塑性樹脂、不飽和ポリエステル、メラミン、エポキ
シ、ウレタン、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウ
レタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリ
レート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、ポリオー
ル(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレー
ト、トリアジン系アクリレート、ニトロセルロース系樹
脂、セルロースアセテート等の熱硬化性樹脂を用いたも
の、あるいはこれらの混合物などを用いることができ
る。
【0032】また、透過性薄膜層6は、表1に示す材料
を用いて、このレリーフ形成面10にはホログラム形成
層5と異なる屈折率を有し、かつ透明性を示す薄膜層を
設けることにより、ホログラム画像の再生可能な角度範
囲において薄膜層は光の反射率が最大となり、反射型ホ
ログラムとして機能し、ホログラム画像の再生可能な角
度範囲外では単なる透明膜として基材側の画像等を透視
させるものであり、とくに薄膜層の反射光と薄膜層とホ
ログラム形成層との界面の反射光、さらには薄膜層とホ
ログラム形成層との界面で起こる反射が薄膜層内で多重
反射となることからより高いホログラム効果を得ること
ができる。この透過性薄膜層6の形成には公知の手段で
ある真空蒸着法、反応性真空蒸着法、スパッタリング
法、反応性スパッタリング法、イオンプレーティング
法、電気メッキ法などを用いることができ、層厚は0.
03〜0.08μmである。さらには表1に記載した以
外であってもホログラム形成層5(例えば屈折率n=
1.3〜1.3)よりも屈折率が高いものであれば好ま
しい。表1以外には、例えばBi2 3 、CaO・Si
2 等がある。なお、ホログラム層7を形成するホログ
ラム形成層5と透過性薄膜層6とは何れを基材2側とし
てもよい。
【0033】
【表1】
【0034】保護層8は、下側に位置する各層を保護す
るために設けられるものであり、ホログラム画像や可視
情報等の視認・検出を妨げない程度の透明性を有してい
るものであれあよく、例えばアクリル樹脂、ウレタン樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル
樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂
などの公知の合成樹脂、或いは天然樹脂を用いることが
できる。さらに紫外線または熱硬化樹脂をベースに耐性
を向上させる添加物として、イソシアネート系などの硬
化剤、ポリエチレンワックス、カルナバワックス等のワ
ックス類、或いは炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ等
の体質顔料、シリコーン油脂等の油脂類などを用いるこ
とができる。
【0035】上記のような構成からなる本発明の可逆性
感熱記録媒体1は、基体2に反射性薄膜層3、可逆性感
熱記録層4、ホログラム形成層5、透過性反射層6、保
護層8を順次積層してなり、可逆性感熱記録媒体1の正
面からはホログラム形成層6によるホログラム画像が目
視される。書き換え可能な感熱記録層5への可視情報記
録は、ホログラム形成層6上から加熱手段(図示しな
い)、例えばサーマルヘッド等を可視情報のパターンに
応じて媒体を部分的に加熱すると、可逆性感熱記録層4
が部分的に加熱され、感熱記録層を最大遮光状態、或い
は透明状態とすることができる。そして、それぞれ安定
に保持し、いずれか一方の状態をベース状態に設定する
ことにより、他方の状態との光学的相違から記録された
可視情報をホログラム形成層6のホログラム画像を介し
て読み取ることができる。また、これらの状態を可逆的
に変化させることで、情報の書き換えを行なうものであ
る。書き換えを行なう場合は、熱ロール・熱板・サーマ
ルヘッドなどの加熱手段(図示しない)により、情報記
録面を加熱し、全体を最大遮光状態、或いは透明状態と
することにより、情報の消去を行ない、その後、同様に
加熱印字手段を用いて可視情報を記録する。
【0036】また、図2の可逆性感熱記録媒体11に示
すように反射性薄膜層3と可逆性感熱記録層4との間に
着色層9を設け、ホログラム画像及び可視情報の視認性
を向上させ、意匠効果も増すことができる。この着色層
9は例えばアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエス
テル系樹脂、ビニル系樹脂等をバインダーとして、所望
する色の染料または顔料を分散したものが用いられる。
【0037】また、図示しないが本発明の可逆性感熱記
録媒体をシール又はラベルとして用いる場合には、接着
層として基材2の裏面に感熱接着剤又は感圧接着剤(粘
着剤)を設ける。この接着層には、例えば塩化ビニル
系、酢酸ビニル系、アクリル系、ポリエステル系などが
用いられる。
【0038】次に本発明の第2の発明である可逆性感熱
記録媒体21は、図3に示すように支持体12上に剥離
性保護層18、ホログラム形成層15と屈折率の異なる
透過性反射層16及びホログラム形成層15からなるホ
ログラム層17、可逆性感熱記録層14、反射性薄膜層
13、接着層22が順次設けられている。なお、ホログ
ラム層17を構成するホログラム形成層15と透過性薄
膜層16の順序は逆でもよく、また反射性薄膜層と可逆
性感熱記録層とを接着層を介して密着させてもよい。さ
らにホログラム形成層15、書き換え可能な感熱記録層
14、ホログラム形成層15と屈折率の異なる透過性反
射層16、反射性薄膜層13については上述の第1の発
明の可逆性感熱記録媒体1の同一の構成層と同じであ
る。以下、相違する構成について説明する。
【0039】支持体12は、抗張力、耐熱性などを有す
る、例えばポリエチレンテレフタレートフィルムやポリ
エチレンナフタレートフィルムからなるものが好まし
い。剥離性保護層18は、支持体12からホログラム形
成層15以下の転写層20を被貼着材に剥離転写させる
ものであり、例えば熱可塑性樹脂と耐摩擦剤の混合物で
あり、熱可塑性樹脂はポリメタアクリレート、エポキシ
樹脂であり、耐摩擦剤はテフロンパウダー、ポリエチレ
ンパウダー等の天然ワックス、合成ワックス、高級脂肪
酸の金属塩等が用いられる。とくに剥離後の剥離性保護
層18はホログラム形成層15の保護層としての役割を
有する。また接着層22は転写層20を被貼着材に接着
してなる感熱接着剤又は感圧接着剤(粘着剤)であり、
例えば塩化ビニル系、酢酸ビニル系、アクリル系、ポリ
エステル系などが用いられる。
【0040】この可逆性感熱記録媒体21を被転写材
(図示しない)に重ね合わせ、支持体12側から加熱・
加圧又は加圧により、転写層20を被転写材に接着し、
その後支持体12を剥離することにより、被転写材上に
可逆性感熱記録層14とホログラム形成層15とが重畳
してなる可逆性感熱記録媒体(図示しない)が形成され
る。この可逆性感熱記録体の正面からはホログラム形成
層15によるホログラム画像が目視される。可逆性感熱
記録層への可視情報記録は、上述のようにホログラム形
成層15上から加熱手段(図示しない)、例えばサーマ
ルヘッドを可視情報のパターンに応じて部分的に加熱
し、可逆性感熱記録層14が部分的に加熱され、感熱記
録層を最大遮光状態、或いは透明状態とすることができ
る。それぞれ安定に保持し、いずれか一方の状態をベー
ス状態に設定することにより、他方の状態との光学的相
違から記録された可視情報をホログラム形成層15のホ
ログラム画像を介して読み取ることができる。また、こ
れらの状態を可逆的に変化させることで、情報の書き換
えを行なうものである。書き換えを行なう場合は、熱ロ
ール・熱板・サーマルヘッドなどの加熱手段(図示しな
い)により、情報記録面を加熱し、全体を最大遮光状
態、或いは透明状態とすることにより、情報の消去を行
ない、その後、同様に加熱手段を用いて可視情報を記録
する。
【0041】このように、被転写材に部分的に設けるだ
けでなく、転写可能なものであれば多様な物体に対し
て、簡単に可逆性感熱記録層とホログラム形成層とが重
畳してなる可逆性感熱記録媒体を形成することができ
る。また、可逆性感熱記録媒体21の転写層20は転写
し易いように、所定の転写パターンに切り込みを入れて
おいてもよい。
【0042】また、図4の可逆性感熱記録媒体31に示
すように反射性薄膜層13と可逆性感熱記録層14との
間に着色層19を設け、ホログラム画像及び可視情報の
視認性を向上させ、意匠効果も増すことができる。この
着色層19は例えばアクリル系樹脂、スチレン系樹脂、
ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂等をバインダーとし
て、所望する色の染料または顔料を分散したものが用い
られる。
【0043】さらに具体的な実施例をあげて詳細に説明
する。 <実施例1>図1に示すように、ポリエチレンテレフタ
レート(PET)樹脂シート(厚さ25μm)からなる
基材2、アルミニウム蒸着膜(厚さ500Å)からなる
反射性薄膜層3、下記(1)の組成からなる可逆性感熱
記録層4(層厚10μm)、下記(2)の組成からなる
ホログラム形成層5をそれぞれ設け、ホログラム形成層
5にホログラム画像の干渉縞として凹凸状のレリーフ形
成面10をエンボス形成した。さらに硫化亜鉛(Zn
S)を真空蒸着法により透過性反射層6(層厚500
Å)、紫外線硬化樹脂からなる保護層7をそれぞれ設
け、可逆性感熱記録媒体1を得た。 (1)可逆性感熱記録層の組成 ステアリン酸 7重量部 セバチン酸 2重量部 塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 6重量部 テトラヒドロフラン 30重量部 トルエン 20重量部 (2)ホログラム形成層の組成 ウレタン樹脂 20重量部 硬化剤 2重量部 メチルエチルケトン 39重量部 トルエン 39重量部
【0044】得られた可逆性感熱記録媒体1を正面から
観察したところ、ホログラム形成層のホログラム画像が
視認できた。さらにサーマルヘッド(0.3mJ/do
t)を用いてホログラム形成層6上から加熱し、情報を
書き込んだところ、照射された箇所に白濁した情報が記
録でき、この可視情報はホログラム画像と重畳して観察
された。この可逆性感熱記録媒体1の情報記録面全面を
熱ロール、熱板、サーマルヘッドのうちの何れか(表面
温度80℃)により、加熱・冷却したところ、白濁部分
が透明状態になり、可視情報が消去され、外部からはホ
ログラム画像のみが観察された。そして、再び同様にし
て可視情報の記録を行ったところ、可視情報の記録・消
去の繰り返しによるホログラム画像への影響がないこと
が確認された。
【0045】<実施例2>また実施例1の可逆性感熱記
録媒体の反射性薄膜層3と可逆性感熱記録層4との間に
染料、顔料からなる例えば黄色の着色層9(層厚2μ
m)を設けた。これによるホログラム画像及び可逆性感
熱記録層の可視情報の視認性及び意匠効果の向上が確認
された。
【0046】<実施例3>次に図3に示すように、ポリ
エチレンテレフタレート(PET)樹脂シート(厚さ2
5μm)からなる支持体12に、ポリメチルメタアクリ
レートからなる剥離性保護層18、上記(2)の組成か
らなるホログラム形成層15を設け、ホログラム形成層
15にホログラム画像の干渉縞として凹凸状のレリーフ
形成面10をエンボス形成した。さらに硫化亜鉛(Zn
S)を真空蒸着法により透過性反射層16(層厚500
Å)、上記(1)の組成からなる可逆性感熱記録層14
(層厚10μm)、アルミニウム蒸着膜(厚さ500
Å)からなる反射性薄膜層13、紫外線硬化樹脂と塩酢
酸ビニル樹脂との混合物からなる接着層22をそれぞれ
設け、可逆性感熱記録媒体を得た。
【0047】この可逆性感熱記録媒体21を任意の基材
(例えば塩化ビニルシートなど)上に密着し、その裏面
から加熱加圧することにより接着させ、その後支持体1
2を剥離し、可逆性感熱記録媒体が形成された。
【0048】この可逆性感熱記録媒体を正面から観察し
たところ、ホログラム形成層のホログラム画像が視認で
きた。さらにサーマルヘッド(0.3mJ/dot)を
用いてホログラム形成層15上から加熱し、情報を書き
込んだところ、照射された箇所に白濁した情報が記録で
き、この可視情報はホログラム画像と重畳して観察され
た。この可逆性感熱記録媒体1の情報記録面全面を熱ロ
ール、熱板、サーマルヘッドのうちの何れか(表面温度
80℃)により、加熱・冷却したところ、白濁部分が透
明状態になり、可視情報が消去され、外部からはホログ
ラム画像のみが観察された。そして、再び同様にして可
視情報の記録を行ったところ、可視情報の記録・消去の
繰り返しによるホログラム画像への影響がないことが確
認された。
【0049】<実施例4>また実施例2の可逆性感熱記
録媒体の反射性薄膜層13と可逆性感熱記録層14との
間に染料、顔料からなる例えば黄色の着色層19(層厚
2μm)を設けた。これによるホログラム画像及び可逆
性感熱記録層の可視情報の視認性及び意匠効果の向上が
確認された。
【0050】
【発明の効果】本発明の可逆性感熱記録媒体は、ホログ
ラム画像を有するホログラム形成層、書き換え可能な感
熱記録層が積層され、ホログラム形成層の上面からホロ
グラム形成層下に可視情報を書き込みを行なうことによ
り、ホログラム画像と書き換え可能な可視情報が重畳し
た状態で両者を確認することからホログラム画像が可視
画像の装飾として作用し、意匠効果から不正に改変又は
偽造した場合に、観察者はホログラム画像部分に注目さ
れるため、可視情報のちょっとした差異が目立ち易くな
るため不正行為の発見に繋がるという効果を有する。ま
た、可逆性感熱記録層はホログラム画像に影響を与える
ことなく可視情報を任意に記録消去可能であり、情報記
録媒体として幅広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可逆性感熱記録媒体の一実施例を示す
断面図である。
【図2】本発明の可逆性感熱記録媒体の他の実施例を示
す断面図である。
【図3】本発明の第2の発明の可逆性感熱記録媒体の一
実施例を示す断面図である。
【図4】本発明の第2の発明の可逆性感熱記録媒体の他
の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1、11、21、31 可逆性感熱記録媒体 2 基材 3、13 反射性薄膜層 4、14 可逆性感熱記録層 5、15 ホログラム形成層 6、16 透過性薄膜層 7、17 ホログラム層 8 保護層 9、19 着色層 10 レリーフ形成面 12 支持体 18 剥離性保護層 20 転写層 22 接着層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G03H 1/18 B41M 5/18 B G06K 19/06 109 19/10 5/26 102 G06K 19/00 D R (56)参考文献 特開 平4−73193(JP,A) 特開 平5−201182(JP,A) 特開 平8−187979(JP,A) 特開 平7−186577(JP,A) 実開 昭62−184576(JP,U) 実開 昭61−272772(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/28 - 5/34 B41M 5/36 B42D 15/10 501 G03H 1/00 - 5/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に反射性薄膜層、可逆性感熱記録
    層、微小凹凸形状を有するホログラム形成層及びその微
    小凹凸形状面に屈折率が前記ホログラム形成層と異なる
    透過性薄膜層からなるホログラム層、保護層を順次積層
    してなることを特徴とする可逆性感熱記録媒体。
  2. 【請求項2】 支持体上に剥離保護層、微小凹凸形状を
    有するホログラム形成層及びその微小凹凸形状面に屈折
    率が前記ホログラム形成層と異なる透過性薄膜層からな
    るホログラム層、可逆性感熱記録層、反射性薄膜層、粘
    着層を順次設けてなり、前記支持体から剥離可能である
    ことを特徴とする可逆性感熱記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記可逆性感熱記録層は、樹脂母材と該
    樹脂母材中に分散される有機低分子物質とを主成分と
    し、かつ温度に依存してその透明度が可逆的に変化する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の可逆性感熱記録
    媒体。
  4. 【請求項4】 前記可逆性感熱記録層は、ロイコ化合物
    と、該ロイコ化合物と熱的に反応して顕色または減色さ
    せる顕減色剤と、バインダーを主成分とし、かつ熱エネ
    ルギーの制御により、可逆的に発色・消色することを特
    徴とする請求項1又は2記載の可逆性感熱記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記反射性薄膜層と前記可逆性感熱記録
    層との間に着色層を設けてなることを特徴とする請求項
    1又は2記載の可逆性感熱記録媒体。
  6. 【請求項6】 被貼着材に接する面に粘着層を設けてな
    ることを特徴とする請求項1記載の可逆性感熱記録媒
    体。
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