JPH09123407A - 印刷装置における印刷版排出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構成でありながら、任意のサイズの印
刷版を印刷版載置手段より確実に分離して排出すること
のできる印刷版排出装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 印刷版排出装置９は、版定盤１の左右両
側に配設された一対のガイド部材１４３、１４４と、ガ
イド部材１４３、１４４に案内されて走行可能な一対の
チェーン１４５、１４６と、チェーン１４５、１４６を
走行駆動する一対のスプロケット１４７、１４８と、一
対のチェーン１４５、１４６間に回転可能な状態で掛け
渡された複数本のローラ１４９と、版定盤１上の印刷版
の前端部を吸着保持して上昇させるための吸着盤１５０
とを備える。複数本のローラ１４９は、チェーン１４
５、１４６の走行に伴い、版定盤１の表面に沿って移動
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、印刷装置におけ
る版定盤等の印刷版載置手段から印刷版を排出する印刷
版排出装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の印刷版の排出装置においては、版
定盤に載置された印刷版の前後両端部をキャリアに設け
られた複数の吸着盤により吸着保持した後、このキャリ
アを上昇させることにより印刷版を版定盤から分離し、
しかる後にキャリアを印刷版の排出位置まで移動させる
ことにより、印刷版の排出を行っている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の印刷
版排出装置においては、印刷版の前後両端を吸着盤によ
り保持する構成であるため、印刷版のサイズに応じて吸
着盤の位置を変更する必要がある。このため、吸着盤の
位置を変更させるための機構が必要となり、排出装置が
複雑なものとなる。

【０００４】また、従来の印刷版排出装置においては、
印刷版と版定盤とが静電気等により互いに密着した状態
にある場合には、吸着盤により印刷版を吸着保持して上
昇する際に、印刷版が版定盤から分離しないことによる
搬送不良が発生する場合がある。

【０００５】この発明は上記課題を解決するためになさ
れたもので、簡易な構成でありながら、任意のサイズの
印刷版を版定盤等の印刷版載置手段より確実に分離して
排出することのできる印刷版排出装置を提供することを
目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１に記載の発明
は、その表面に印刷版を載置した印刷版載置手段から印
刷版を排出する印刷装置における印刷版排出装置であっ
て、前記印刷版載置手段の左右両側において互いに平行
に配設された一対の索体と、前記一対の索体を同期して
往復走行させる走行手段と、前記一対の索体にその両端
部を支持された複数の柱状体と、前記印刷版載置手段に
載置された印刷版の前端部を吸着保持して上昇させる上
昇手段と、前記索体を案内することにより、前記柱状体
を、前記上昇手段により上昇した印刷版の前端部の下面
と印刷版載置手段の表面との間の高さ位置において、前
記印刷版載置手段の表面に沿って移動させる一対の案内
手段と、を備えたことを特徴とする。

【０００７】請求項２に記載の発明は、請求項１に記載
の発明において、前記一対の案内手段が、前記印刷版載
置手段の表面と平行に延びる第１の案内部と、前記第１
の案内部における前記上昇手段側の端部から下方に延び
る第２の案内部と、を有するものである。

【０００８】なお、この明細書における「索体」とは、
例えばチェーン、ベルト、ワイヤー等のように、案内手
段の案内により、容易に屈曲可能な長尺の部材を指す。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。

【００１０】まず、この発明に係る印刷版排出装置９を
適用する印刷装置の概要について説明する。図１はこの
発明に係る印刷版排出装置９を適用した印刷装置の側面
図でる。

【００１１】この印刷装置は、印刷版を装着して図１に
おける左右方向に往復移動する版定盤１と、その外周に
２枚の印刷用紙を装着可能な紙胴２と、その外周にブラ
ンケットを装着するブランケット胴３と、版定盤１上の
印刷版にインキを供給するためのインキ供給装置４と、
版定盤１上の印刷版に湿し水を供給するための湿し水供
給装置５と、ブランケット胴３に装着されたブランケッ
トを洗浄するためのブランケット洗浄装置６と、インキ
供給装置４のインキ供給ローラを洗浄するためのインキ
洗浄装置７と、版定盤１に印刷版を供給するための印刷
版供給装置８と、版定盤１より印刷版を排出するため
の、この発明に係る印刷版排出装置９とを備える。

【００１２】版定盤１は、図１において二点鎖線で示す
印刷版の供給位置Ａと、実線で示す印刷版の排出位置Ｂ
との間を水平方向に往復移動することにより、印刷版の
給排動作や印刷動作を行うためのものである。版定盤１
の一端には、そこに載置した印刷版を固定するための後
述する版くわえ１２が複数個配設されている。この版く
わえ１２は、印刷版の供給位置Ａにおいてはエアシリン
ダ１３と係合して開閉動作を行い、また、印刷版の排出
位置Ｂにおいてはエアシリンダ１４と係合して開閉動作
を行うように構成されている。

【００１３】ブランケット胴３は、円筒形状の本体外周
面にゴム等の軟質材料よりなるブランケットを装着した
ものであり、図１において一点鎖線で示す第１の位置Ｆ
と実線で示す第２の位置Ｇとの間を移動可能に構成され
ている。この第１の位置Ｆは、ブランケット胴３の外周
面に装着されたブランケットが版定盤１の表面に装着さ
れた印刷版と当接してインキ像の転写を行う位置であ
り、第２の位置Ｇは、ブランケット胴３の外周面に装着
されたブランケットが紙胴２の表面に装着された印刷用
紙と当接して印刷を行う位置である。なお、ブランケッ
ト胴３と版定盤１および紙胴２との相対的な位置関係を
一定にするため、ブランケット胴３の側方には、一対の
当たり部材５６とエアシリンダ５７とから成る位置決め
機構が付設されている。

【００１４】紙胴２は、ブランケット胴３の２倍の直径
を有する円筒形状の本体外周面に本体カバー６２から供
給された２枚の印刷用紙を装着するものであり、その外
周に、そこに装着する印刷用紙の先端を固定するための
２組の紙くわえ６０が、紙胴２の軸芯に対し対称な位置
に配設されている。この紙くわえ６０は、紙胴２の回転
に伴い、装置本体に配設されたエアシリンダ６１に対向
する位置に移動し、この位置においてエアシリンダ６１
の駆動を受け、開閉動作を行う。また、紙胴２の外周に
は、印刷用紙の後端を吸着保持するための図示しない吸
着孔が穿設されている。

【００１５】インキ供給装置４は、版定盤１上の印刷版
に４色のインキを選択的に供給するものであり、左右一
対の回転板６４と、この回転板６４の間に支持された４
群のインキ供給ローラ群６５ａ、６５ｂ、６５ｃ、６５
ｄと、各インキ供給ローラ群６５ａ、６５ｂ、６５ｃ、
６５ｄを構成するインキ供給ローラに対しインキを吐出
するためのインキ吐出機構６６と、各インキ供給ローラ
群６５ａ、６５ｂ、６５ｃ、６５ｄのうち下端に位置し
たインキ供給ローラ群におけるインキ供給ローラを昇降
するための昇降機構６７とを備える。また、回転板６４
は、回転板６４に付設された複数のピン７２と位置決め
ブロック７４を有するエアシリンダ７３とにより位置決
めされる。

【００１６】この印刷装置により印刷を行う場合には、
予め印刷版を図１において実線で示す載置テーブル３２
上に載置した後、載置テーブル３２本体内部に移動させ
る。そして、載置テーブル３２上の印刷版をエアシリン
ダ３９、４０により昇降する一対の吸着盤３７、３８を
介して版定盤１上に載置する。

【００１７】この状態において、版定盤１が図１に示す
左右方向に往復移動する。そして、版定盤１が湿し水供
給装置５の下方に達したとき、版定盤上１の印刷版は湿
し水供給装置５より湿し水の供給を受ける。続いて、版
定盤１がインキ供給装置４の下方に達したとき、インキ
供給装置４における１つのインキ供給ローラ群６５ａが
昇降機構により下降することにより、版定盤１上の印刷
版はインキの供給を受ける。

【００１８】続いて、第１の位置Ｆに移動したブランケ
ット胴３が水平移動する版定盤１上を転動することによ
り、印刷版上のインキ像はブランケットに転写される。
そして、ブランケット胴３は、第２の位置Ｇに移動し、
ブランケット胴３と紙胴２とが同期して回転することに
より、ブランケット３上のインキ像が紙胴２の外周面に
装着された印刷用紙に転写され、印刷が行われる。

【００１９】一方、印刷を終了した版定盤１上の印刷版
は、この発明に係る印刷版排出装置９により、後段の印
刷版の洗浄装置１５６に排出される。

【００２０】次に、この発明に係る印刷版排出装置９の
構成について説明する。図２は印刷版排出装置９の斜視
図である。

【００２１】この印刷版排出装置９は、印刷版の排出位
置Ｂに移動した版定盤１の左右両側に配設された一対の
ガイド部材１４３、１４４と、ガイド部材１４３、１４
４に案内されて走行可能な一対のチェーン１４５、１４
６と、チェーン１４５、１４６を走行駆動する一対のス
プロケット１４７、１４８と、一対のチェーン１４５、
１４６間に回転可能な状態で掛け渡された複数本のロー
ラ１４９と、版定盤１上の印刷版の前端部を吸着保持し
て上昇させるための、エアシリンダ１５１に連結された
吸着盤１５０（図１参照）とを備える。

【００２２】ガイド部材１４３、１４４は互いに平行に
配置されており、印刷版の排出位置Ｂに移動した版定盤
１の表面よりわずかに高い位置において版定盤１の表面
と平行に延びる第１の案内部１５２と、第１の案内部１
５２の吸着盤１５０側の端部から９０度屈曲して下方に
延びる第２の案内部１５３と、第１の案内部１５２の他
方の端部からスプロケット１４７、１４８の外周に沿っ
て反転し第１の案内部１５２と平行に延びる第３の案内
部１５４とを有する。

【００２３】一対のスプロケット１４７、１４８は、駆
動軸１５５を介して互いに連結されており、この駆動軸
１５５は、図示しないモータと連結されている。このた
め、一対のスプロケット１４７、１４８は、モータの駆
動により同期して回転する。一対のチェーン１４５、１
４６は、スプロケット１４７、１４８の回転に伴い、そ
の先端が第３の案内部１５４のスプロケット１４７、１
４８側の端部（以下「基端部」という）から他方の端部
（以下「先端部」という）に至る位置の間を同期して走
行する。複数本のローラ１４９は、一対のチェーン１４
５、１４６の走行に伴い、第２の案内部１５３の間から
第１の案内部１５２の間に至る位置の間を移動する。

【００２４】次に、印刷版の排出動作について説明す
る。図３は印刷版排出装置９による印刷版Ｐの排出動作
を模式的に示す側面図である。

【００２５】まず、図３（ａ）に示すように、版定盤１
が印刷を終了した印刷版Ｐを載置した状態で、印刷版の
排出位置Ｂまで移動する。この状態においては、チェー
ン１４５、１４６の先端は基端部に位置しており、複数
本のローラ１４９は、第２の案内部１５３の間に位置し
ている。

【００２６】次に、図３（ｂ）に示すように、版定盤１
に設けられた版くわえ１２を印刷装置本体に配設された
エアシリンダ１４の駆動により上昇させ、印刷版Ｐの固
定を解除する。また、エアシリンダ１５１の駆動によ
り、吸着盤１５０を版定盤１上の印刷版Ｐの表面と当接
する位置まで下降させ、印刷版Ｐの先端を吸着保持した
後上昇させる。この状態においては、印刷版Ｐの前端部
は版定盤１の表面より離隔しているが、印刷版Ｐの後端
部は版定盤１の表面に支持されている。

【００２７】続いて、図３（ｃ）に示すように、図示し
ないモータの駆動によりスプロケット１４７、１４８を
回転させ、チェーン１４５、１４６をその先端が基端部
から先端部に向かう方向に走行させる。これに伴い、複
数本のローラ１４９は、第２の案内部１５３の間から第
１の案内部１５２の間に向けて移動する。これにより、
ローラ１４９は、印刷版Ｐの先端の下面と版定盤１の表
面との間に進入し、印刷版Ｐを下方より支持する。そし
て、さらにローラ１４９が移動を続けることにより、ロ
ーラ１４９は印刷版Ｐの下面全域に亘る位置まで移動
し、印刷版Ｐはローラ１４９により版定盤１の表面より
分離されて、ローラ１４９により支持される。このと
き、ローラ１４９は一対のチェーン１４５、１４６に回
転可能な状態で掛け渡されているため、印刷版Ｐの裏面
に損傷を与えることなく、印刷版Ｐを版定盤１より分離
する。

【００２８】次に、吸着盤１５０による印刷版Ｐの先端
の吸着を解除する。この状態においては、印刷版Ｐは、
図３（ｄ）に示すように、その裏面全面で複数本のロー
ラ１４９により支持される。そして、スプロケット１４
７、１４８を回転させ、チェーン１４５、１４６をその
先端が先端部から基板部に向かう方向に走行させる。こ
れに伴い、複数本のローラ１４９は、第１の案内部１５
２の間から第２の案内部１５３の間に向けて移動する。
この移動に伴い、複数本のローラ１４９に支持された印
刷版Ｐは、図３（ｄ）における右方向に水平移動して版
定盤１上から排出され、図１に示す印刷版Ｐの洗浄装置
１５６へと搬入される。

【００２９】上述した実施の形態においては、索体とし
てチェーンを使用したものについて説明したが、チェー
ンに換え、同期ベルトやワイヤー等を使用することもで
きる。また、上述した実施の形態においては、柱状体と
して円柱状のローラを使用したものについて説明した
が、多角柱等の他の柱状体を使用することも可能であ
る。

【００３０】

【発明の効果】請求項１に記載の発明によれば、印刷版
載置手段の表面に沿って移動する柱状体により、印刷版
載置手段に載置された印刷版を印刷版載置手段から確実
に分離し、かつ、排出することができる。また、印刷版
のサイズが一定でない場合においても、同一の動作によ
り印刷版を排出することができる。このため、印刷版排
出装置の構成を簡易なものとしながら確実に印刷版の排
出動作を行うことが可能となる。

【００３１】請求項２に記載の発明によれば、第２の案
内部が、第１の案内部における上昇手段側の端部から下
方に延びることから、印刷版の排出方向における印刷装
置の側方に印刷版排出装置が移動するためのスペースを
設ける必要がない。このため、印刷装置と洗浄装置等の
後段の処理装置とを隣接させることが可能となり、装置
の占有面積を小さくすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係る印刷版排出装置９を適用した印
刷装置の側面図である。

【図２】この発明に係る印刷版排出装置９の斜視図であ
る。

【図３】印刷版Ｐの排出動作を模式的に示す側面図であ
る。

【符号の説明】

１ 版定盤 ９ 印刷版排出装置 １４３、１４４ ガイド部材 １４５、１４６ チェーン １４７、１４８ スプロケット １４９ ローラ １５０ 吸着盤 １５１ エアシリンダ １５２ 第１の案内部 １５３ 第２の案内部 １５４ 第３の案内部 １５５ 駆動軸 Ｐ 印刷版

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 その表面に印刷版を載置した印刷版載置
   手段から印刷版を排出する印刷装置における印刷版排出
   装置であって、 前記印刷版載置手段の左右両側において互いに平行に配
   設された一対の索体と、 前記一対の索体を同期して往復走行させる走行手段と、 前記一対の索体にその両端部を支持された複数の柱状体
   と、 前記印刷版載置手段に載置された印刷版の前端部を吸着
   保持して上昇させる上昇手段と、 前記索体を案内することにより、前記柱状体を、前記上
   昇手段により上昇した印刷版の前端部の下面と印刷版載
   置手段の表面との間の高さ位置において、前記印刷版載
   置手段の表面に沿って移動させる一対の案内手段と、 を備えたことを特徴とする印刷装置における印刷版排出
   装置。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の印刷装置における印刷
   版排出装置において、 前記一対の案内手段が、 前記印刷版載置手段の表面と平行に延びる第１の案内部
   と、 前記第１の案内部における前記上昇手段側の端部から下
   方に延びる第２の案内部と、 を有する印刷装置における印刷版排出装置。